JP2004100562A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2種類の燃料を切り換えて運転する機関の両方の燃料の消費量バランスを良好に維持する。
【解決手段】機関100に高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを切り換えて供給する。機関排気通路50にはNO吸蔵還元触媒70が設けられており、NOの還元浄化のために機関は定期的にリッチスパイク運転される。機関の電子制御ユニット(ECU)30は、タンク11Hと12Hとの残量から、燃料消費量バランスを維持するために何れかの燃料の消費量を増大すべきか否かを判断し、増大すべき場合にはリッチスパイク運転時に消費量を増大すべき側の燃料で機関を運転する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関し、詳細には高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との2種類の燃料を切り換えて機関に供給する燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃料オクタン価に対する要求は機関運転状態に応じて変化する。例えば、低回転高負荷の機関運転状態ではノッキングを防止し機関高出力を得るためには燃料オクタン価は高い方が好ましく、一方高回転低負荷の機関運転状態では燃焼状態を良好に維持するためには燃料オクタン価は低い方が好ましい。このため、機関燃焼室に高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを同時に供給し、機関運転状態に応じて両方の燃料の混合割合を変更することにより燃料のオクタン価を変更したり、或は機関運転状態に応じて機関燃焼室に供給する燃料を高オクタン価燃料のみもしくは低オクタン価燃料のみに切換える燃料供給装置が知られている。このように、オクタン価の異なる燃料を同時にもしくは切換えて機関に供給することにより、機関運転条件に応じて必要とされるオクタン価の燃料を使用して機関を運転可能となるため、機関性能や排ガス性状を常に良好に維持することが可能となる。
【0003】
例えば、このような燃料供給装置の例としては特許文献1に記載されたものがある。同文献の燃料供給装置では原料となる燃料を分留することにより、原料燃料よりオクタン価の高い高オクタン価燃料と原料燃料よりオクタン価の低い低オクタン価燃料とを生成し、これら2種類の燃料を機関運転状態に応じた混合比で混合して機関に供給している。
【0004】
特許文献1の装置では、原料燃料を分留して生成した高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とをそれぞれ別のサブ燃料タンクに一旦貯留し、これらのサブ燃料タンクから高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを取出して所定の割合で混合して機関に供給している。これにより、機関に供給する燃料のオクタン価を運転状態に応じて調整することが可能となっている。
【0005】
特許文献1の装置では、原料燃料の分留により高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを生成しているため、両方の燃料の生成量の比率は或る範囲内に固定されている。このため、一方の燃料のみが消費される運転状態(或は一方の燃料の消費量が大きい運転状態)が長時間継続すると問題が生じる。
【0006】
例えば、特許文献1の装置では、機関が比較的低負荷で運転されている場合には、機関に主に低オクタン価燃料を供給して機関を自己着火燃焼運転させている。このため、自己着火燃焼運転では高オクタン価燃料はほとんど消費されず、低オクタン価燃料のみが消費され両方の燃料の消費量のバランスが保てなくなる。
【0007】
一方、特許文献1の装置では原料燃料を分留することにより高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを生成しているため、一方の燃料のみを生成することはできない。従って、機関の自己着火運転中はサブ燃料タンクに貯留される高オクタン価燃料の量は増大し、低オクタン価燃料の量は低下するようになる。
【0008】
このように両方の燃料の消費量に大きな差が生じる状態が継続すると、例えばサブ燃料タンク内の低オクタン価燃料量が不足したり、或はサブ燃料タンク内の高オクタン価燃料の量が増大してタンクの容量上限に到達するような場合が生じてしまい好ましくない。
【0009】
特許文献1の装置では、例えば自己着火燃焼の運転が長時間継続して、低オクタン価燃料のタンク内残量が下限値以下に減少した場合、又は高オクタン価燃料のタンク内残量が上限値以上に増大した場合には、機関の燃焼モードを自己着火燃焼から火花点火燃焼に切換えるとともに、機関への高オクタン価燃料の供給割合を増大するようにしている。これにより、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との燃料の消費量バランスが調整される。
【0010】
すなわち、特許文献1の装置では、一方の燃料の消費量が大きい運転状態が継続し、この一方の燃料の残量が過大になった場合、または他方の燃料の残量が過小になった場合には、両方の燃料の消費量バランスをとるために、機関の運転モードを切換えて残量が多い方の燃料を多く使用する運転モードで機関を運転するようにしている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−50070号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の装置では、一方の燃料の消費量のみが増大する条件での機関運転が継続して両方の燃料の消費量バランスを調整する必要が生じた場合には、消費量の少ない方の燃料を多く使用する燃焼モード(すなわち、自己着火燃焼から火花点火燃焼)に運転状態を切換えることにより燃料の消費量バランスを調整している。
【0013】
しかし、燃料消費バランスを調整することのみを目的として燃焼モードを変更することには問題がある。例えば、特許文献1の装置の場合には高オクタン価燃料の残量が低下したり、或いは低オクタン価燃料の残量が増大した場合には本来火花点火燃焼を行う運転領域以外の領域で低オクタン価燃料を使用した自己着火燃焼を行うことになるが、本来自己着火燃焼には適していない運転状態で無理に自己着火燃焼での運転を行うと燃焼状態の悪化や排気性状の大幅な悪化を生じることになる。
【0014】
また、例えば、機関の低負荷領域では燃焼室内の一部に可燃空燃比の混合気を成層させ、燃焼室全体としては極めて高い(リーンな)空燃比の燃焼を行う、いわゆる成層燃焼モードの運転を行い、中、高負荷領域では燃焼室内全体に均一な混合気を形成して燃焼を行う均質燃焼モードの運転を行う機関の場合には、例えば成層燃焼モード運転には低オクタン価燃料を使用し均質燃焼モード運転には高オクタン価燃料を使用する。ところが、成層燃焼モードでの運転が可能な領域には限界があり、本来均質燃焼モード運転を行う領域で成層燃焼モード運転を行うと、機関性能や排気性状に大きな影響を生じる場合がある。このため、これらの機関では燃焼モードの切り換えによっては高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との消費量バランスを効率的に調整することは困難である。
【0015】
本発明は上記問題に鑑み、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との両方を機関に供給する場合に、機関性能や排気性状の大幅な悪化を生じることなく有効に両方の燃料の消費量バランスをとることが可能な内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOを吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵したNOを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNO吸蔵還元触媒を排気系に備え、リーン空燃比運転中に前記NO吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOを還元浄化すべきときに、一時的に理論空燃比またはリッチ空燃比で機関を運転するリッチスパイク操作を実施する内燃機関に、機関負荷条件に応じて高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのうちの一方を選択的に供給する内燃機関の燃料供給装置であって、前記両方の燃料の消費量バランス調整のために高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのうちいずれか一方の燃料の消費量を増大すべき場合には、機関が前記高オクタン価燃料と前記低オクタン価燃料とのうち他方の燃料を使用したリーン空燃比運転を実施中のリッチスパイク操作時には、機関に前記一方の燃料を供給する、内燃機関の燃料供給装置が提供される。
【0017】
すなわち、請求項1の発明では、機関にはNO吸蔵還元触媒が設けられており、リーン空燃比運転中に触媒に吸蔵されるNOを還元浄化するために定期的に機関を短時間理論空燃比またはリッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行う必要がある。リッチスパイク操作時には機関は、燃焼室内に均一な理論空燃比またはリッチ空燃比の混合気を形成して燃焼させる均質燃焼が行われる。均質燃焼、それも理論空燃比またはリッチ空燃比の均質燃焼では、リーン空燃比での燃焼、或いは成層燃焼モードでの燃焼等に較べて燃焼への燃料オクタン価の影響は少ない。また、リッチスパイク操作時には必ず理論空燃比またはリッチ空燃比運転が行われ、通常の運転(例えばリーン空燃比運転)に較べて機関への燃料供給量が増大される。このため、リッチスパイク操作時に消費量を増大すべき方の燃料を用いることにより、機関性能や排気性状に影響を与えることなく効率的に燃料の消費バランスを調整することが可能となる。
なお、リッチスパイク操作前から消費量を増大すべき方の燃料で機関が運転されている場合には、当然に燃料を切り換えることなくリッチスパイク操作にも消費量を増大すべき方の燃料の使用が継続される。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、高オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合であって、かつ前記リッチスパイク操作に引き続き機関の加速が行われる場合には、更に加速操作が終了するまで機関に前記高オクタン価燃料を供給する、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置が提供される。
【0019】
すなわち、請求項2の発明では、高オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合で、低オクタン価燃料での運転中にリッチスパイクに引き続き機関が加速される場合には、リッチスパイク時のみならず加速が終了するまで高オクタン価燃料を使用する。加速時等の機関の高負荷運転では通常理論空燃比またはリッチ空燃比の均質燃焼が行われ、機関負荷も増大し、高オクタン価燃料の使用に適した状態になっている。このため、リッチスパイク後の加速時には加速が終了するまで高オクタン価燃料の使用を継続することにより、機関性能や排気性状に影響を与えることなく高オクタン価燃料の消費量を増大させることができ、効率的に燃料の消費バランスを調整することが可能となる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、低オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合であって、かつ前記リッチスパイク操作に引き続き機関の加速が行われる場合には、更にリッチスパイク操作終了後、機関が加速中に予め定めた負荷状態に到達するまで機関に前記低オクタン価燃料を供給する、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置が提供される。
【0021】
すなわち、請求項3の発明では、低オクタン価燃料の消費量を増大するために、高オクタン価燃料でのリーン空燃比運転中のリッチスパイク時に低オクタン価を使用する。リッチスパイク時操作時には理論空燃比またはリッチ空燃比の均質燃焼が行われるため、低オクタン価燃料を使用しても問題は生じない。しかし、リーン空燃比運転後に引き続き機関の加速が行われる場合には、加速運転が終了するまで低オクタン価燃料を使用し続けると、機関の負荷が増大したときにノックを生じる可能性がある。本発明では、予めノックが生じる負荷状態を実験などにより求めておき、機関の運転状態がこの負荷状態に到達するまでは低オクタン価燃料を使用し、この負荷状態に到達したときには低オクタン価燃料の使用を停止して高オクタン価燃料での運転に復帰する。
これにより、本発明では加速時等にも機関性能に影響を与えることなく効率的に両方の燃料の使用量バランスを調整することが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、更に、機関に供給する前記高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とをそれぞれ貯留する燃料タンクを備え、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのいずれか一方の燃料のタンク内残量と他方の燃料のタンク内残量との比が予め定めた上限値以上となった場合には燃料の消費量バランス調整のために前記一方の燃料の消費量を増大すべき状態であると判断する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置が提供される。
【0023】
すなわち、請求項4の発明では高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とをそれぞれ貯留する燃料タンクの残量の比に基づいて、一方の燃料の消費を増大させるべき状態か否かを判断する。
例えば高オクタン価燃料のタンク内残量をRH、低オクタン価燃料のタンク内残量をRLとしたときに、比RL/RHの値が予め定めた上限値αに到達した場合には低オクタン価燃料の消費量を増大すべき状態であると判断される。
また、同様に比、RH/RLの値が予め定めた上限値β(βはαと同一の値でも良いし、異なる値でも良い)に到達した場合には高オクタン価燃料の消費量を増大すべき状態であると判断する。
【0024】
なお、この場合には例えばRL/RHの値が下限値以下(1/β以下)になった場合に高オクタン価燃料の消費量を増大すべき状態であると判断するようにしても良い。
これにより、一方の燃料の消費量を増大すべき場合を正確に判断することが可能となり、両方の燃料の消費量バランスを適切に調整することが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、更に、前記前記高オクタン価燃料の消費率と低オクタン価燃料の消費率とに基づいて、両方の燃料の消費率が互いに近づくように前記上限値を変更する学習操作を行う、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置が提供される。
【0026】
すなわち、請求項5の発明では、請求項4の一方の燃料の消費量を増大すべき状態の判定値α、βを両方の燃料の消費率に応じて変更する。例えば、機関が高オクタン価燃料を使用する機会が多い運転パターンで運転されている場合には、高オクタン価燃料の消費率(例えばm/Hr)が低オクタン価燃料の消費率より大きくなる。この場合、低オクタン価燃料の消費増大を行う頻度が大きくなるようにすれば、低オクタン価燃料の消費率が増大して両方の燃料の消費率が互いに近づくようになり、両方の燃料のタンク内残量に大きな差が生じることが防止される。従ってこの場合には、例えば比RL/RHの上限値αを低減することにより、低オクタン価燃料の消費増大操作が行われる頻度を増大させ、低オクタン価燃料の消費率を増大させる。また、機関が低オクタン価を使用する機会が多い運転パターンで運転されている場合には、逆に比RH/RLの上限値を低減することにより高オクタン価燃料の消費量増大操作の頻度を増大して両方の燃料の消費率を互いに近づけることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の燃料供給装置を車両用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を模式的に示す図である。
【0028】
図1において、100は車両用内燃機関、110H、110Lは内燃機関1の各気筒に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を示す。本実施形態では、各気筒に対して燃料噴射弁110Hと110Lとが1つずつ設けられている。すなわち、図1の例では4気筒ガソリン機関が使用されているため、燃料噴射弁110Hと110Lとがそれぞれ4つずつ、合計8つの燃料噴射弁が設けられている。
【0029】
後述するように、燃料噴射弁110Hは各気筒に高オクタン価燃料を噴射する高オクタン価燃料用噴射弁、110Lは各気筒に低オクタン価燃料を噴射する低オクタン価燃料用燃料噴射弁とされている。高オクタン価燃料用噴射弁110Hと低オクタン価燃料用噴射弁110Lは、それぞれ後述する高オクタン価燃料用デリバリパイプ20Hと低オクタン価燃料用デリバリパイプ20Lに接続されており、デリバリパイプ20H、20L内の燃料を気筒内にそれぞれ噴射する。
【0030】
図1において、11H、11Lで示すのは機関1の燃料タンクである。本実施形態では、オクタン価の異なる2つの燃料油を燃料噴射弁110Hと110Lとから機関に噴射するために、それぞれの燃料タンクを別個に設けている。本実施形態では、オクタン価の異なる2つの燃料、例えば高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンや、ガソリンと他の種類の液体燃料(例えばDME(ジメチルエーテル))、あるいはガソリン以外のオクタン価の異なる液体燃料等を使用することが可能であるが、図1の例では高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとを使用する場合を示している。
【0031】
本実施形態では、燃料タンク11Hには高オクタンガソリンが、11Lには低オクタンガソリンがそれぞれ貯留されている。高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、それぞれ外部からタンク11Hと11Lとに別々に補給するようにしても良いし、例えば前述した特許文献1の装置のように、車両上で分留などの適宜な手段を用いて市販のガソリンを高オクタン価成分を多く含むガソリンと低オクタン価成分を多く含むガソリンとに分離することにより生成することも可能である。
【0032】
燃料タンク11Hと11Lとに貯留された燃料は、タンク内にそれぞれ設けられた低圧フィードポンプ11Ha、11Laにより低圧供給配管15H、15Lを介して高圧燃料ポンプ21H、21Lに供給される。
高圧燃料ポンプ21H、21Lは、例えばプランジャ式高圧ポンプとされ、それぞれポンプ吐出量を調整する吐出量制御機構を有している。高圧燃料ポンプ21H、21Lはそれぞれ高圧供給配管25H、25Lを介してデリバリパイプ20Hと20Lとに接続されている。
【0033】
図1に示すように、高オクタン価ガソリンは燃料タンク11Hから低圧フィードポンプ11Haにより高圧燃料ポンプ21Hに供給され、高圧燃料ポンプ21Hで昇圧されて高圧供給配管25Hからデリバリパイプ20Hに供給され、燃料噴射弁110Hから各気筒に噴射される。また、低オクタン価ガソリンは燃料タンク11Lから低圧フィードポンプ11La、高圧燃料ポンプ21L、高圧供給配管25Lを通りデリバリパイプ20Lに供給され、燃料噴射弁110Lから各気筒に噴射される。すなわち、本実施形態では、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとは、互いに独立した供給源から互いに独立した供給経路を通ってそれぞれの燃料噴射弁に供給されるため、一方の燃料から他方の燃料への切り換えを極めて短時間で行うことができる。
【0034】
図1に30で示すのは機関100の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態では、ECU30は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、演算ユニット(CPU)及び入出力ポートを双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成され、例えば機関の各気筒の点火時期、各気筒への燃料噴射量などの基本制御を行っている他、本実施形態では、後述する機関の燃焼モードの切換、各気筒に供給する燃料の種類(オクタン価)の切換、NO吸蔵還元触媒の吸蔵したNOの還元浄化のためのリッチスパイク操作などの種々の制御を行う。
【0035】
これらの制御のため、ECU30の出力ポートは、図示しない駆動回路を介して各気筒の燃料噴射弁110H、110Lに接続されそれぞれの燃料噴射弁の燃料噴射量を制御している他、図示しない点火回路を介して各気筒の点火プラグ(図示せず)に接続され、機関の点火時期を制御している。また、ECU30の入力ポートには、燃料タンク11H、11Lに設けられた燃料残量センサ12H、12Lから、それぞれタンク11H内の高オクタン価ガソリンの残量とタンク11L内の低オクタン価ガソリンの残量とが入力されているほか、図示しないそれぞれのセンサから、機関1の回転数、運転者のアクセルペダルの踏み込み量などが入力されている。
【0036】
本実施形態では、機関100の各気筒の排気ポートは、排気マニホルド50aを介して共通の排気管50に接続されている。図1に70で示すのは、排気管50に配置されたNO吸蔵還元触媒である。
NO吸蔵還元触媒70は、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOを吸着、吸収またはその両方にて選択的に保持(吸蔵)し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵したNOを排気中の還元成分を用いて還元浄化するものである。
【0037】
後述するように、本実施形態では機関100はその運転領域の大部分でリーン空燃比で運転される。このため、NO吸蔵還元触媒70にはリーン空燃比の排気が流入し、排気中のNOがNO吸蔵還元触媒70に吸蔵される。しかし、機関のリーン空燃比運転が長時間続くとNO吸蔵還元触媒70に吸蔵されるNO量が増大し、NO吸蔵還元触媒70が吸蔵したNOで飽和してしまい、それ以上NO吸蔵還元触媒を吸蔵できなくなる場合がある。そこで、本実施形態では、ECU30はNO吸蔵還元触媒の吸蔵したNO量が増大したと判断したときに、機関100を短時間リッチ空燃比で運転しNO吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給するリッチスパイク操作を行う。
リッチスパイク操作を行うことにより、NO吸蔵還元触媒70に吸蔵されたNOが還元浄化され、NO吸蔵還元触媒70のNOによる飽和が防止される。
【0038】
なお、NO吸蔵還元触媒70のNO吸蔵量が増大したか否か、すなわちリッチスパイク操作を行うべきか否かの判断は、例えば前回のリッチスパイク操作から一定の運転時間が経過したか、或いは車両走行距離が一定値に到達したか等により判断してもよいし、或いは機関の運転状態から予め定めた関係に基づいて単位時間当たりのNO発生量を算出し、このNO発生量に所定の比率(排気中のNOのうちNO吸蔵還元触媒に吸蔵されるものの割合)を乗じた値の積算値(すなわち触媒70のNO吸蔵量)が所定値に到達したか否か等により判断しても良い。
【0039】
次に、本実施形態における高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの使用方法について説明する。
本実施形態では、機関100は成層燃焼モードと均質燃焼モードとの2つの運転モードを切換えて運転することが可能な希薄燃焼機関とされている。
機関の均質燃焼モードでは、燃料噴射弁110H、110Lから機関燃焼室内に吸気行程前半に直接燃料を噴射して燃焼室内に均一な混合気を形成し、この混合気に点火プラグで着火することにより燃焼を行う。均質燃焼モードでは、燃焼室内の混合気全体の空燃比が可燃範囲になっている必要があるため、混合気の空燃比を大幅に高く(希薄に)することができないが、燃料噴射から着火までに比較的長い時間をとることができるため機関に比較的多量の燃料を供給することができる。
このため、本実施形態では機関軸トルクが大きい運転領域、或は機関高回転領域で均質燃焼モード運転が行われる。
【0040】
一方、成層燃焼は、気筒の圧縮行程後期に燃焼室内に燃料を噴射することにより、スパークプラグ近傍のみに可燃空燃比の混合気を成層させるものである。このようにスパークプラグまわりのみに噴射燃料を成層させることにより、気筒全体としての空燃比は均質混合気燃焼の場合に較べて大幅に高く(希薄に)維持しながら、安定した燃焼を行うことが可能となる。
成層燃焼は、気筒全体としての燃焼空燃比を充分高く設定して、排気性状(特にNO濃度)を改善することが可能であるが、燃料噴射開始から着火までの時間が比較的短く機関に比較的少量の燃焼しか供給できないため、機関出力を増大することが困難な問題がある。
本実施形態では、機関出力が比較的小さく、かつ機関回転数が低い運転領域で成層燃焼モードでの機関の運転を行う。
【0041】
図2は、縦軸に機関軸トルクT(または運転者のアクセルペダル踏み込み量)、横軸に回転数Nをとって表した、機関100の成層燃焼モード運転と均質燃焼モード運転とを行う運転領域を示す図である。
図2に示すように、本実施形態では機関軸トルクが小さく、かつ機関回転数が低い(図2で軸トルクTがT以下、かつ機関回転数NがN以下)運転領域では成層燃焼モード運転が行われ、機関軸トルクと機関回転数のいずれか一方または両方が大きい場合(図2でT>TとN>Nの一方もしくは両方が成立する場合)に均質燃焼モード運転が行われる。
【0042】
前述したように、本実施形態では各気筒に高オクタン価ガソリンを噴射する燃料噴射弁110Hと低オクタン価ガソリンを噴射する燃料噴射弁110Hが個別に設けられており、それぞれの弁からの燃料噴射量を調節することにより、全体として機関に供給される燃料のオクタン価を変更することができる。
【0043】
以下に説明する実施形態では、燃料噴射弁110Hと110Lとの一方のみから燃料噴射を行う場合、すなわち機関に高オクタン価ガソリンのみ、或いは低オクタン価ガソリンのみを切り換えて供給する場合について説明する。
【0044】
燃料に要求されるオクタン価はノックが生じない範囲でできるだけ低いことが好ましい。これは、オクタン価が低いほど燃料の着火性が向上し燃料の燃焼状態が良好になるためである。一方、燃料オクタン価が低くなるにつれて燃焼時の火炎伝播速度が大きくなるため、点火時期を進角するとノックが生じるようになる。このため、燃料オクタン価が低いと点火時期を最適時期まで進角することができず、機関出力を充分に増大することができない。
【0045】
本実施形態では上記のオクタン価に対する要求を考慮して、燃焼モードの切換に加えて機関負荷に応じて使用する燃料のオクタン価を切り換えることにより各負荷状態において最適な燃焼を得るようにしている。すなわち、本実施形態では、機関出力がある切換判定値より高い場合には燃料噴射弁110Hから高オクタン価ガソリンを各気筒に供給し、低い場合には燃料噴射弁110Lから低オクタン価ガソリンを気筒内に噴射する。
【0046】
図2に直線Aで示すのは、本実施形態における燃料切換負荷の判定値である。図2に示すように、負荷判定値は機関回転数が高いほど大きくなるように設定されている。すなわち、機関回転数が低いほど小さい負荷でもノックが生じやすくなるため、本実施形態では機関回転数が低いほど小さい負荷領域まで高オクタン価ガソリンでの運転を行い、機関回転数が高いほど高い負荷領域まで低オクタン価ガソリンでの運転を行っている。
図2から判るように、本実施形態では機関が成層燃焼モードで運転されている場合も、機関負荷が図2直線Aより高くなると燃料は低オクタン価ガソリンから高オクタン価ガソリンに切換えられる。
【0047】
また、図2に示すように低オクタン価燃料は比較的負荷が低い領域で使用されるため、機関の通常の運転状態では低オクタン価ガソリンでの運転が行われる頻度が高い。しかし、低オクタン価ガソリンでの運転では機関出力が比較的低いため、単位時間当りの燃料消費量は小さくなる。一方、高オクタン価ガソリン運転が行われる領域は、比較的負荷が高い領域であるため、高オクタン価ガソリンでの運転が行われる頻度は低オクタン価ガソリンでの運転が行われる頻度に較べて小さくなる。しかし、高オクタン価ガソリンでの運転では機関出力が比較的大きいため、単位時間当りの燃料消費量は大きくなる。
【0048】
このため、通常の運転では全体的に見ると高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの消費量は略同等となりバランスしている。
ところが、運転状態によっては上記の燃料消費量のバランスがくずれてしまい、一方の燃料が他方の燃料より多く消費される場合が生じる。
【0049】
例えば、低負荷運転のみが長く続いて低オクタン価ガソリンの消費量が高オクタン価ガソリンの消費量に較べて極めて大きくなったような場合には、高オクタン価ガソリン用タンク11H内の燃料レベルは高いにもかかわらず、低オクタン価ガソリン用タンク11L内の燃料レベルが低下してしまう場合がある。このような場合には、高オクタン価ガソリンのタンク内残量は充分にあるにもかかわらず、低オクタン価ガソリンを補給しなければ運転を続行することができなくなる。
【0050】
このような場合には、高オクタン価ガソリンの消費量を増大すれば、すなわち本来低オクタン価ガソリンを使用する運転でも高オクタン価ガソリンを使用するようにすれば、高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとの消費量のバランスを調整することができるはずである。
【0051】
ところが、実際には燃焼モードによっては使用するガソリンのオクタン価が変化すると燃焼に大きな影響が出る場合がある。例えば、成層燃焼モードでの低負荷運転領域では、燃焼室内に成層化される燃料量も極めて少ないため、成層した混合気の空燃比もかなり低くなる。このため、成層燃焼モードでの低負荷運転領域で比較的着火性の低い高オクタン価ガソリンを使用すると、失火、燃焼不良などの問題が生じる可能性が生じるのである。
【0052】
一方、均質燃焼モードは成層燃焼モードに較べて比較的燃料のオクタン価の変化による影響を受けにくい。このため、均質燃焼モードでは本来低オクタン価ガソリンで運転している領域では負荷にかかわらず高オクタン価ガソリンによる運転を行っても大きな問題は生じない。
また、本実施形態では、機関排気通路50にはNO吸蔵還元触媒70が設けられており、このNO吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOを還元浄化するために定期的に機関100を短時間リッチ空燃比運転するリッチスパイク操作を行う必要がある。通常、リッチ空燃比運転では気筒への燃料供給量を増大する必要があるため、成層燃焼モード運転中であっても燃焼モードは均質燃焼に切り換えられる。
【0053】
通常では、リッチスパイク操作時には直前のリーン空燃比運転時と同じ燃料が使用される。すなわち、低オクタン価ガソリンを使用した成層燃焼モード運転中にリッチスパイク操作が実行される場合には、リッチスパイク操作時にも低オクタン価ガソリンを使用している。
【0054】
そこで、本実施形態では、例えば燃料消費量バランス調整のために高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合には、低オクタン価ガソリンを使用したリーン空燃比運転中に実行するリッチスパイク操作には高オクタン価ガソリンを使用する。前述したように、リッチスパイク操作時には燃料オクタン価の影響を受けにくい均質燃焼モードに燃焼モードが切り換えられ、しかも空燃比をリッチに移行するために気筒への燃料噴射量は増大される。このため、リッチスパイク時に高オクタン燃料を使用することにより、燃焼に大きな影響を生じることなく高オクタン価ガソリンの消費量を増大することができる。
【0055】
また、同様に低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合には、低オクタン価ガソリンを使用したリーン空燃比運転中のリッチスパイク操作実行時に高オクタン価ガソリンを使用することにより、燃焼に大きな影響を生じることなく低オクタン価ガソリンの消費量を増大することができる。
【0056】
図3は、上記消費量バランス制御操作を説明するフローチャートである。
本操作はECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図3の操作において、ステップ301は現在どちらのガソリンを使用すべき領域で機関が運転されているかの判定を示す。現在どちらのガソリンを使用する運転領域であるかは、機関軸トルク(または運転者のアクセルペダル踏み込み量)と機関回転数とに基づいて、図2の関係から求められる。
【0057】
すなわち、ステップ301では現在低オクタン価ガソリンでの運転領域であるか否かが判定される。(ステップ301の「LRON」は低オクタン価(LOW
RESEARCH OCTANE NUMBER)を意味する)
ステップ301で低オクタン価ガソリンでの運転領域であった場合には、次にステップ303に進みフラグXHの値が1にセットされているか否かを判定する。XHは、現在燃料消費量バランス調整のために高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合であるか否かを表すフラグである。本実施形態では、フラグXHの値は後述する方法で別途ECU30により、XH=1(高オクタン価ガソリンの消費量増大が必要)またはXL=0(消費量増大不要)にセットされる。
【0058】
ステップ303でXH=1であった場合には、現在低オクタン価ガソリンで機関が運転されるべき領域であり、しかも高オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき状況であるため、NO吸蔵還元触媒70の吸蔵したNOの還元浄化のためにリッチスパイク操作が実行される際には高オクタン価ガソリンを使用し、高オクタン価ガソリンの消費を増大させる。
【0059】
すなわち、ステップ307では現在リッチスパイク実行中か否かが判断される。ステップ307のXRSはリッチスパイクを実行中か否かを表すフラグであり、XRSの値が1にセットされている場合には、別途ECU30により、機関は均質燃焼モードに切り換えられ、かつ燃料噴射量が増量されて理論空燃比またはリッチ空燃比の運転が行われる。
【0060】
ステップ307でXRS=1、すなわち現在リッチスパイクが実行されている場合には、高オクタン価ガソリンを使用しても燃焼悪化のおそれは無いため、ステップ309に進み、燃料噴射弁110Hから各気筒に高オクタン価ガソリンを噴射する。(ステップ309の「HRON」は、高オクタン価(HIGH RESEARCH OCTANE NUMBER)を表している。)これにより、燃焼を悪化させることなく高オクタン価ガソリンの消費が増大する。
【0061】
ステップ303で現在、XH≠1、すなわち高オクタン価ガソリンの消費量を増大させる必要がないとき、またはステップ307でXRS≠1、すなわち現在リッチスパイクが行われていないときには、ステップ305に進み、燃料噴射弁110Lから低オクタン価ガソリンが噴射され、機関にはリッチスパイク実行中か否かにかかわらず低オクタン価ガソリンが供給される。
【0062】
一方、ステップ301で現在低オクタン価ガソリンの運転領域でない場合、すなわち現在高オクタン価ガソリンでの運転領域で機関が運転されている場合には、ステップ311から317の操作が行われる。
ステップ311からステップ317の操作はステップ303から309の操作とほぼ同様であるが、この場合には、現在低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき時(ステップ311でXL=1)であり、リッチスパイク実行中(ステップ315)の場合にのみ低オクタン価ガソリンが機関に供給され(ステップ317)、他の場合には高オクタン価ガソリンが機関に供給される点(ステップ313)が相違している。
【0063】
ステップ311から317の操作により、低オクタン価ガソリンの消費を増大させるべき場合には、リッチスパイク時に燃料が低オクタン価ガソリンに切り換えられ、燃焼を悪化させることなく低オクタン価ガソリンの消費量が増大する。
【0064】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
図3の実施形態では、リッチスパイク操作時のみに消費量を増大すべき側の燃料が使用されている。しかし、実際の運転では機関の加速開始時にまずリッチスパイクが行われる場合がある。機関の加速時には機関出力を増大させるため、リーン空燃比成層燃焼運転からの加速の場合にも機関負荷が所定の値まで増大すると、リーンまたはリッチ空燃比の均質燃焼モードに運転モードの切換が発生する。このため、加速時には機関の空燃比がリッチ空燃比になる場合があり、NO吸蔵還元触媒70に吸蔵されたNOが触媒から放出される場合がある。
【0065】
このため、本実施形態では図3の通常の(NO吸蔵還元触媒70に吸蔵したNO量にもとづく)リッチスパイク操作以外に、機関が加速を開始した場合には加速初期にリッチスパイク操作を行い、予めNO吸蔵還元触媒70に吸蔵されたNOを還元浄化しておく加速時のリッチスパイクを行う。加速時リッチスパイクを実施することにより、加速時に機関の運転空燃比がリッチ空燃比になった場合にもNO吸蔵還元触媒70からNOが大気に放出されることが防止される。
【0066】
本実施形態では、加速時のリッチスパイク操作が行われた場合にも、図3の実施形態と同様、リッチスパイク中に消費を増大すべき側の燃料を使用する。しかし、図3の実施形態では、リッチスパイクが終了すると(XRS≠1となった場合に)、使用燃料を直ちにリッチスパイク開始前に使用していた燃料に戻しているのに対して、本実施形態では加速終了まで、あるいは加速中に所定の条件が成立するまでは消費量を増大すべき側の燃料の使用を継続する点が相違している。機関加速運転中は通常運転より負荷が高く燃料噴射量が増大されるため、リッチスパイク終了後の加速中にも消費量を増大すべき側の燃料を使用することにより、効果的に燃料消費量のバランスを調整することができる。
【0067】
なお、高オクタン価ガソリンの消費を増大すべき場合にはリッチスパイク時に高オクタン価ガソリンを使用するが、その後の加速時には機関出力が増大するためむしろリッチスパイク操作後に低オクタン価ガソリンの使用に復帰するよりも高オクタン価ガソリンの使用を継続した方が高出力を得ることができ、加速性能が向上する。そこで、この場合には加速が終了するまで高オクタン価ガソリンの使用を継続した方が燃料消費バランス調整の点からも機関出力の点からも好ましい。
【0068】
また、逆に低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき場合には、リッチスパイク時に低オクタン価ガソリンを使用する。また、加速時には機関燃焼モードは均質燃焼に切り換えられるため、リッチスパイク後の加速時にも低オクタン価ガソリンをある程度まで使用することができる。また、加速時には機関負荷が増大するため、ノック抑制のためにも高オクタン価ガソリンの使用に復帰することが好ましいが、この場合もノックさえ発生しなければ低オクタン価ガソリンの使用を継続しても燃焼上の問題は生じない。
【0069】
そこで、本実施形態では低オクタン価ガソリンの消費量を増大するために、加速開始前のリッチスパイク操作時に低オクタン価ガソリンを使用した場合には、リッチスパイク終了後も、加速時に機関負荷が増大してノック発生限界に到達するまでは低オクタン価ガソリンの使用を継続するようにしている。
【0070】
図4は、本実施形態を説明する図3と同様なフローチャートである。本操作もECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図4、ステップ401は、現在高オクタン価ガソリンと低オクタン価ガソリンとのどちらを使用する運転領域であるかの判定を示す。本ステップは図3ステップ301と同一である。また、本実施形態においても、例えばステップ401で現在低オクタン価ガソリンを使用すべき運転領域で機関が運転されている場合には、ステップ403で現在高オクタン価ガソリンの使用を増大すべきときか否かが判定され、増大すべき時でない場合(XH≠1)には、リッチスパイクの有無にかかわらず低オクタン価ガソリンの使用が継続される(ステップ405)。
【0071】
ステップ403でXH=1、すなわち現在高オクタン価ガソリンの使用を増大すべき時であった場合には、次にステップ407に進み現在リッチスパイクが実行中(XRS=1)か否かが判定され、リッチスパイク中である場合には、ステップ409で高オクタン価ガソリンが機関に供給される。ステップ407で現在リッチスパイク中でない場合には、次にステップ411に進み、現在リッチスパイク終了後の加速中であるか否かが判定され、まだリッチスパイク後の加速が継続している場合には、ステップ409が実行され引き続き高オクタン価ガソリンが機関に供給される。
【0072】
また、ステップ411でリッチスパイクとその後の加速との両方が終了している場合には、ステップ401での判定結果に従って機関には低オクタン価ガソリンが供給される(ステップ405)。
次に、ステップ401で現在高オクタン価ガソリンを使用すべき領域で機関が運転されている場合には、ステップ413に進み現在低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべきときか否かが判定される。
【0073】
また、この場合にも低オクタン価ガソリンの消費量を増大する必要がないときにはステップ415で高オクタン価ガソリンが機関に供給される。
また、現在低オクタン価ガソリンの消費量を増大すべき時であった場合には、ステップ417でリッチスパイクの有無を判定し、リッチスパイク実行中(XRS=1)である場合にはステップ419で低オクタン価ガソリンが機関に供給される。
【0074】
ステップ417でリッチスパイクが実行されていないとき(XRS≠1)には、次にステップ421に進み、現在リッチスパイク後の加速が実行中か否かが判定され、加速が実行中でない場合(加速が終了している場合)にはステップ415に進み、高オクタン価ガソリンでの運転に復帰する。
【0075】
ステップ421で現在加速が実行中である場合には、次にステップ423に進み、現在の負荷状態が低オクタン価ガソリンを使用可能な領域であるか否か、すなわち機関負荷条件が、低オクタン価ガソリンを使用した場合のノック発生限界に到達しているか否かを判定する。
【0076】
ここで、ノック発生限界は、例えば図2に点線Bで示したように通常の低オクタン価ガソリンを使用可能な上限負荷よりやや大きな値になっている。ステップ423で機関負荷が図2の点線Bより低い場合には、低オクタン価ガソリンを使用してもノックが発生しないため、加速中はそのまま低オクタン価ガソリンの使用を継続する。これにより、低オクタン価ガソリンの消費量を増大して燃料消費量のバランスを効率的に調整することが可能となる。
【0077】
なお、低オクタン価ガソリンの使用は、ステップ421で加速が終了するか、或いはステップ423で機関負荷が図2の点線で示すノック限界に到達したと判断されたときに終了し、それ以後は高オクタン価燃料が機関に供給される(ステップ415)。
【0078】
次に、図3、図4におけるフラグXH、XLの設定、すなわち高オクタン価ガソリンまたは低オクタン価ガソリンのいずれか一方の消費量を増大すべきか否かの判定について説明する。
本実施形態では、低オクタン価ガソリン用タンク11Lと高オクタン価ガソリン用タンク11Hとに設けた燃料残量センサ12L、12Hでそれぞれ検出した低オクタン価ガソリンのタンク内残量RLと高オクタン価ガソリンのタンク内残量RHとの比RL/RHの値に基づいて燃料消費量バランスの判定、すなわち現在いずれか一方の燃料の消費量を増大すべき状態であるか否かを判断する。
【0079】
図5は本実施形態の燃料消費量バランスの判定操作を説明するフローチャートである。本操作は、ECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図5の操作では、まずステップ501で燃料残量センサ12Lと12Hの出力から低オクタン価ガソリンのタンク11L内残量RLと高オクタン価ガソリンのタンク11H内残量RHとが読み込まれる。
【0080】
そして、ステップ503ではRLとRHとの比RL/RHの値が算出され、この比RL/RHが所定の上限値α(本実施形態ではαは1より大きい定数)を越えているか否かが判定される。
ステップ503でRL/RH>αであった場合には、低オクタン価ガソリンの残量が高オクタン価ガソリンの残量より多くなっているので、低オクタン価ガソリンの消費量を増大して両者の消費量のバランスをとる必要がある。
そこで、この場合にはステップ505に進み、低オクタン価ガソリン消費量増大フラグXLの値を1に設定し、ステップ509に進む。
【0081】
一方、ステップ503でRL/RH≦αであった場合には、低オクタン価ガソリンの消費量を増大する必要はない。そこで、ステップ507でフラグXLの値を0にセットした後ステップ509に進む。
ステップ509から513では、比RL/RHの値が所定の下限値β(本実施形態ではβ=1/αに設定している)に到達したか否かが判定される。ステップ509でRL/RH<1/αであった場合には、すなわち、低オクタン価ガソリンの残量が高オクタン価ガソリンの残量より少なくなっているため高オクタン価ガソリンの消費量を増大して両者の消費量のバランスを取る必要がある。
【0082】
そこで、この場合にはステップ511に進み高オクタン価ガソリン消費量増大フラグXHの値を1に設定し、操作を終了する。また、RL/RH≧1/αであった場合には、ステップ513でXHの値は0に設定される。
すなわち、図5の操作では、比RL/RHの値が上限値αより大きい場合にはフラグXLの値が1に、XHの値が0に、それぞれ設定されて、低オクタン価ガソリンの消費量増大操作が行われ、RL/RHの値が下限値1/αより小さい場合にはフラグXHの値が1に、XLの値が0に、それぞれ設定されて高オクタン価ガソリンの消費量増大操作が行われる。
【0083】
また、比RL/RHの値が、1/α≦RL/RH≦αでは、フラグXLとXHとはともに0に設定され、燃料消費量増大操作は行われない。
なお、図5の実施形態では上限値αと下限値αとは一定の値に固定しているが、αの値を機関1の運転パターンを学習して補正するようにすることもできる。
例えば、機関1が高オクタン価ガソリンを多く使用する運転パターンで運転されていた場合には、両方の燃料の消費バランスを良好に維持するためには低オクタン価ガソリンの消費量増大操作が実行される頻度を多くすることが好ましい。
【0084】
そこで、例えば燃料残量センサ12H、12Lで検出したそれぞれの燃料のタンク内残量の変化から、高オクタン価ガソリンの消費率(m/Hr)と低オクタン価ガソリンの消費率との差が所定値以上である場合には、すなわち高オクタン価ガソリンの消費率が低オクタン価ガソリンの消費率より大きい場合には、αを一定量だけ減少させるようにすることもできる。これにより、図5ステップ503でRL/RH>αが成立する頻度が大きくなり、低オクタン価ガソリンの消費量増大操作が行われる頻度が増大するため、低オクタン価ガソリンの消費率が増大して両方の燃料の消費率の差が小さくなる。従って、両方の燃料の消費率の差が予め定めた許容範囲内になるまでαの値を一定量ずつ低減することにより、両方の燃料の消費率バランスを良好に維持することが可能となる。
【0085】
なお、低オクタン価ガソリンの消費率が低オクタン価ガソリンの消費率より大きい場合には、逆に下限値1/αを増大させることにより(すなわち、この場合もαを低減することにより)同様に消費率バランスを良好に維持することができる。
【0086】
なお、上述の実施形態では図1に示したように各気筒内に直接燃料を噴射する高オクタン価ガソリン用燃料噴射弁110Hと低オクタン価ガソリン用燃料噴射弁110Lとを設けているが、110Hと110Lとの一方もしくは両方を各気筒吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁として構成することも可能である。
【0087】
また、上述の実施形態では、高オクタン価ガソリンを噴射する燃料噴射弁110Hと低オクタン価ガソリンを噴射する燃料噴射弁110Lとを個別に設けているが、複数の燃料系統を備え、噴射する燃料の種類を切換可能な単一の燃料噴射弁を各気筒に設けるようにすることも可能である。
【0088】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを機関運転条件に応じて機関に供給する場合に、機関性能や排気性状の大幅な悪化を生じることなくしかも効率的に両方の燃料の消費量のバランスを良好に維持することが可能となる共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】図1の機関の負荷条件による使用燃料と燃焼モードとの切換の一例を示す図である。
【図3】燃料消費量バランス制御操作の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図4】燃料消費量バランス制御操作の図3とは別の実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】燃料消費量バランス判定操作の一実施形態を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
11H…高オクタン価ガソリン用タンク
11L…低オクタン価ガソリン用タンク
12H、12L…燃料残量センサ
30…電子制御ユニット(ECU)
70…NO吸蔵還元触媒
100…内燃機関本体
110H、110L…燃料噴射弁

Claims (5)

  1. 流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOを吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵したNOを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNO吸蔵還元触媒を排気系に備え、リーン空燃比運転中に前記NO吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOを還元浄化すべきときに、一時的に理論空燃比またはリッチ空燃比で機関を運転するリッチスパイク操作を実施する内燃機関に、機関負荷条件に応じて高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのうちの一方を選択的に供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
    前記両方の燃料の消費量バランス調整のために高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのうちいずれか一方の燃料の消費量を増大すべき場合には、機関が前記高オクタン価燃料と前記低オクタン価燃料とのうち他方の燃料を使用したリーン空燃比運転を実施中のリッチスパイク操作時には、機関に前記一方の燃料を供給する、
    内燃機関の燃料供給装置。
  2. 高オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合であって、かつ前記リッチスパイク操作に引き続き機関の加速が行われる場合には、更に加速操作が終了するまで機関に前記高オクタン価燃料を供給する、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 低オクタン価燃料の消費量を増大すべき場合であって、かつ前記リッチスパイク操作に引き続き機関の加速が行われる場合には、更にリッチスパイク操作終了後、機関が加速中に予め定めた負荷状態に到達するまで機関に前記低オクタン価燃料を供給する、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 更に、機関に供給する前記高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とをそれぞれ貯留する燃料タンクを備え、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とのいずれか一方の燃料のタンク内残量と他方の燃料のタンク内残量との比が予め定めた上限値以上となった場合には燃料の消費量バランス調整のために前記一方の燃料の消費量を増大すべき状態であると判断する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 更に、前記前記高オクタン価燃料の消費率と低オクタン価燃料の消費率とに基づいて、両方の燃料の消費率が互いに近づくように前記上限値を変更する学習操作を行う、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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