JP3175549B2 - 電動機により動力が補助される内燃機関の制御装置 - Google Patents

電動機により動力が補助される内燃機関の制御装置

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JP3175549B2 JP23301095A JP23301095A JP3175549B2 JP 3175549 B2 JP3175549 B2 JP 3175549B2 JP 23301095 A JP23301095 A JP 23301095A JP 23301095 A JP23301095 A JP 23301095A JP 3175549 B2 JP3175549 B2 JP 3175549B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、必要に応じて電
動機により動力が補助される内燃機関に係る。詳しく
は、内燃機関に対する燃料の供給と、電動機の動作とを
内燃機関の運転状態に応じて制御するようにした電動機
により動力が補助される内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、希薄燃焼(リーンバーン)を行う
内燃機関がある。この種の内燃機関は理論空燃比よりリ
ーンな混合気を燃焼室で燃焼させることにより、必要な
動力と好適な燃費を得る。
【0003】ここで、希薄燃焼方式の一つとして「成層
燃焼」がある。この成層燃焼は燃焼室内の混合気に層状
に異なる燃料の濃度分布を与える。この可燃混合気の分
布域に配置された点火プラグにより混合気に点火し、そ
の混合気全体へ燃焼を進行させる。この成層燃焼に使用
される燃料は内燃機関の圧縮行程において燃焼室に供給
される。この成層燃焼は燃焼室全体に混合気を分散させ
て燃焼させる「均一燃焼」と対比される。この均一燃焼
に使用される燃料は内燃機関の吸気行程において燃焼室
に供給される。
【0004】特開平2−169834号公報は成層燃焼
と均一燃焼を実行可能に構成した筒内噴射式の内燃機関
及びその制御装置を開示する。この内燃機関は成層燃焼
及び均一燃焼の他に、それら二つの燃焼形態を互いに組
み合わせた「弱成層燃焼」を実行可能とする。弱成層燃
焼では、内燃機関の吸入行程に供給される燃料が燃焼室
全体に分散し、続く圧縮行程に供給される燃料が点火プ
ラグ回りにのみ高濃度な燃料分布を形成してその混合気
が燃焼する。この制御装置において、電子制御ユニット
(ECU)は内燃機関の負荷状態に応じて成層燃焼、弱
成層燃焼及び均一燃焼を使い分ける。即ち、機関負荷が
小さい場合、ECUは成層燃焼を実行し、機関負荷が大
きい場合、ECUは均一燃焼を実行する。更に、機関負
荷が中程度の場合、ECUは弱成層燃焼を実行する。こ
こで、機関負荷が中程度の場合に成層燃焼を実行しない
のは、混合気が過剰にリーンとなって混合気の着火や燃
焼が困難になること、或いは未燃の燃料分が増えてエミ
ッションが悪化することを防止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来公報
の制御装置では、中程度の機関負荷において弱成層燃焼
を実行することにより、混合気の着火性や燃焼性を確保
するものの、弱成層燃焼を実行する分だけ成層燃焼を実
行したときよりも燃費が低下することになる。その意味
で、燃費の改善を狙った成層燃焼の利点が充分に生かさ
れない。
【0006】又、この制御装置では、機関負荷の急変に
伴い成層燃焼と均一燃焼との間で燃焼形態が切り換えら
たとき、その直後に混合気の空燃比が不安定となり、内
燃機関の出力が不連続に変動するおそれもある。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その第1の目的は、少なくとも成層燃焼
及び均一燃焼を含む燃焼形態を内燃機関の負荷状態に応
じて切り換えるようにした内燃機関の制御装置におい
て、内燃機関の動力を電動機により補助することによ
り、内燃機関の燃費の改善を図ることを可能とした電動
機により動力が補助される内燃機関の制御装置を提供す
ることにある。
【0008】この発明の第2の目的は、第1の目的に加
え、燃焼形態の切り換え時に内燃機関の動力安定性や良
好なドライバビリティを確保することを可能にした電動
機により動力が補助される内燃機関の制御装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載した発明では、燃料供給手段
により燃焼室に供給される燃料が制御される内燃機関で
あり、圧縮行程に供給される燃料により燃焼室に形成さ
れる混合気に層状に異なる濃度分布を与えてその混合気
を燃焼させる成層燃焼と、吸入行程に供給される燃料に
より燃焼室全体に混合気を分散させてその混合気を燃焼
させる均一燃焼とを負荷状態に応じて切り換えるように
した内燃機関と、その内燃機関の動力を補助するために
内燃機関の出力軸に連結されて必要に応じて制御される
電動機とを備えた電動機により動力が補助される内燃機
関の制御装置において、内燃機関が低負荷の状態である
場合に、その負荷状態に応じた動力を出力軸から得るべ
く成層燃焼を実行するために燃料供給手段を制御する第
1の制御手段と、内燃機関が高負荷の状態である場合
に、その負荷状態に応じた動力を出力軸から得るべく均
一燃焼を実行するために燃料供給手段を制御する第2の
制御手段と、内燃機関が中負荷の状態である場合に、そ
の負荷状態に応じた動力を電動機のみによって出力軸か
ら得るために電動機を制御する第3の制御手段とを備え
たことを趣旨とする。
【0010】上記の構成によれば、内燃機関の負荷状態
が小程度である場合には、第1の制御手段が燃料供給手
段を制御することにより、燃料消費量の少ない成層燃焼
が実行される。これにより、小程度の負荷状態において
必要な動力が出力軸から得られると共に、好適な燃費が
得られる。内燃機関の負荷状態が大程度である場合に
は、第2の制御手段が燃料供給手段を制御することによ
り、均一燃焼が実行される。これにより、負荷状態に応
じた必要な動力が出力軸から得られる。一方、内燃機
負荷状態が中程度である場合には、第3の制御手段が
電動機を制御することにより、負荷状態に応じた必要な
動力が出力軸から得られる。
【0011】従って、中程度の負荷状態では、内燃機
代わって電動機により必要な動力が得られることか
ら、その分だけ内燃機関で消費される燃料が少なくな
る。
【0012】上記第1の目的を達成するために、請求項
2に記載した発明では、第3の制御手段に代わって、
燃機関が中負荷の状態である場合に、その負荷状態に応
じた動力を燃料噴射量が一律となる成層燃焼の実行と電
動機の動作との協働により出力軸から得るために燃料供
給手段及び電動機を制御する第4の制御手段を備えるこ
とを趣旨とする。
【0013】上記の発明の構成によれば、内燃機関の
荷状態が中程度である場合には、第4の制御手段が燃料
供給手段及び電動機を制御することにより、成層燃焼が
実行されると共に電動機が駆動され、負荷状態に応じた
必要な動力が出力軸から得られる。
【0014】従って、中程度の負荷状態では、エミッシ
ョンが悪化しない程度の量の燃料を成層燃焼のために使
用し、その成層燃焼によるだけでは不足する内燃機関の
動力分を電動機により補助する。これにより、その補助
分だけ内燃機関で消費される燃料が少なくなる。又、内
燃機関が成層燃焼により動力を負担する分だけ電動機の
ために消費される電力が少なくなる。
【0015】上記第1の目的を達成するために、請求項
3に記載した第3の発明では、図3に実線で示すよう
に、第1の発明の構成と異なり、内燃機関M3は成層燃
焼及び均一燃焼に加え、吸入行程に供給される燃料によ
り燃焼室M2全体に混合気を分散させ、続く圧縮行程に
供給される燃料により混合気に層状に異なる濃度分布を
与えてその混合気を燃焼させる弱成層燃焼を行い、それ
ら各燃焼形態を負荷状態に応じて切り換えられる。更
に、バッテリM11の蓄電値が所定値以上であるか否か
を判断するための蓄電値判断手段M12と、負荷検出手
段M6の検出結果が中程度である場合に、その負荷状態
に応じた動力を出力軸M5から得るために電動機M5を
制御すると共に、更に蓄電値が所定値に満たないと蓄電
値判断手段M12が判断した場合には、電動機M5によ
り得られる動力を補足すべく弱成層燃焼を実行するため
に燃料供給手段M1を制御する第5の制御手段M13と
を備えたことを趣旨とする。
【0016】請求項3の発明の構成によれば、内燃機
負荷状態が中程度であり、且つバッテリの蓄電値が所
定値未満である場合に、第5の制御手段が燃料供給手
び電動機を制御する。これにより、弱成層燃が実行さ
れると共に電動機が駆動れさ、負荷状態に応じた必要な
動力が出力軸から得られる。
【0017】従って、中程度の負荷状態では、バッテ
蓄電値が所定値未満の場合に、その蓄電値により可能
な範囲で電動機が駆動されることにより、出力軸の動力
が補助される。又、その電動機によるだけでは不足する
動力分が弱成層燃焼により負担されることから、電動
より補助される分だけ消費される燃料が少なくなる。
【0018】上記第2の目的を達成するために、請求項
4に記載した発明では、燃料供給手段により燃焼室に供
給される燃料が制御される内燃機関であり、圧縮行程に
供給される燃料により前記燃焼室に形成される混合気に
層状に異なる濃度分布を与えてその混合気を燃焼させる
成層燃焼と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼
室全体に混合気を分散させてその混合気を燃焼させる均
一燃焼とを負荷状態に応じて切り換えるようにした内燃
機関と、前記内燃機関の動力を補助するために前記内燃
機関の出力軸に連結されて必要に応じて制御される電動
機とを備えた電動機により動力が補助される内燃機関の
制御装置において、成層燃焼から均一燃焼へと燃焼形態
が切り換わるとき、均一燃焼時の要求トルクに基づき算
出される燃料噴射量で均一燃焼を実行するとともに、
荷状態に応じた動力を出力軸から得るべくその出力軸の
動力を補助するために電動機を制御する第6の制御手
設けたことを趣旨とする。
【0019】請求項4の発明の構成によれば、成層燃焼
と均一燃焼との間で燃焼形態が切り換わるときに、負荷
状態に応じた必要な動力を得るために出力軸の動力が電
機により補助される。従って、燃焼形態が切り換えら
れる場合に、出力軸の動力が不連続に変わることはな
い。なお、請求項1〜4記載の発明の、後述する実施形
態に沿った概要を図1〜3に例示する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、上記第1及び第4の発明の
制御装置を自動車に具体化した第1の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。
【0021】図4はガソリンエンジンシステムの概略構
成図を示す。図5,6,7はエンジン構造とその運転行
程の一部を示す。筒内噴射式の内燃機関としてのガソリ
ンエンジン(以下単に「エンジン」と書き表す)1はエ
ンジンブロック1aを含み、同ブロック1aは燃焼室2
を含む複数(この実施形態では4個)の気筒#1,#
2,#3,#4を有する。各気筒#1〜#4へ分岐した
吸気マニホールド3には、エアクリーナ4を通じて吸気
通路5に導入された外気が流れる。
【0022】この外気は、エンジン1の吸気行程におい
て、各気筒#1〜#4に設けられた吸気バルブ6(図5
(a),図6(a),図7(a)を参照)により吸気ポ
ート(図示しない)が開かれるときに、燃焼室2内に導
入される。この実施形態では、燃費と出力の両立を図る
ために、燃焼室2に高圧の燃料が直接噴射される筒内噴
射式のエンジン1が採用されている。各気筒#1〜#4
毎に設けられた電磁式の複数のインジェクタ7a,7
b,7c,7dは各燃焼室2に燃料を直接噴射する。こ
れらインジェクタ7a〜7dは本発明の燃料供給手段を
構成する。燃焼室2に導入された外気と、燃焼室2に噴
射された燃料は互いに混合気を形成する。
【0023】各燃焼室2で混合気が形成された後、各気
筒#1〜#4毎に設けられた点火プラグ8a,8b,8
c,8dが作動することにより、各燃焼室2で混合気が
燃焼する。この燃焼によりピストン9(図5〜7参照)
及びクランクシャフト10が作動し、エンジン1の動力
が得られる。
【0024】その後、各気筒#1〜#4毎に設けられた
排気バルブにより排気ポート(共に図示しない)が開か
れるときに、既燃焼ガスが排気ガスとして各燃焼室2か
ら排気マニホールド11及び排気通路12へ導出され、
更に触媒コンバータ13により浄化されて外部へ排出れ
さる。
【0025】エンジン1のクランクシャフト10に連結
された無段変速機(CVT)14はエンジン1の動力、
即ちクランクシャフト10の回転力をドライブシャフト
15へ伝達する。ドライブシャフト15はCVT14よ
り伝達された動力を駆動輪16へ伝達する。ここで、C
VT14はクランクシャフト10の回転を無段階に、即
ち連続的に変速してドライブシャフト15に伝える。C
VT14はクランクシャフト10の回転を無段階に変速
できることから、従来の自動変速機(AT)と比べて動
力損失が少なく、変速ショックが少ない。CVT14は
油圧制御により駆動される変速機構を内蔵する。従っ
て、CVT14の変速比を制御するには、CVT14に
内蔵される油圧回路の制御弁を制御することになる。
【0026】エンジン1とCVT14との間に設けられ
た本発明の電動機としてのモータジェネレータ(M/
G)17はフライホイール18を介してクランクシャフ
ト10に直列に連結される。このM/G17が必要に応
じて制御されることにより、その動力がクランクシャフ
ト10の回転力に付加されてエンジン1の動力が補助さ
れる。この実施形態で、M/G17は電動機と発電機の
機能を兼ね備える。M/G17はエンジン1の動力を補
助するときに電動機として機能する。M/G17はエン
ジン1の回転力を受けて作動することにより、発電機と
して機能して電力を発生する。M/G17により得られ
た電力は、必要に応じてバッテリ40を含む蓄電装置
(図示しない)に蓄えられる。ここでは、その蓄電装置
の詳しい説明を省略する。
【0027】図5〜7は各気筒#1〜#4におけるイン
ジェクタ7a〜7d及び点火プラグ8a〜8dの取り付
け状態を示す。シリンダブロック1b及びシリンダヘッ
ド1cはエンジンブロック1aを構成する。各気筒#1
〜#4において上下動するピストン9はその頂面9aに
凹部9bを含む。各気筒#1〜#4においてピストン9
とシリンダヘッド1cとで囲まれた空間は燃焼室2を形
成する。各気筒#1〜#4に対応してシリンダヘッド1
cに垂直に取付けられた各点火プラグ8a〜8dは燃焼
室2のほぼ中央に位置する。同じく各気筒#1〜#4に
対応してシリンダヘッド1cに斜めに取付けられた各イ
ンジェクタ7a〜7dは、その先端が各点火プラグ8a
〜8dへ指向する。各気筒#1〜#4において、前述し
た吸気バルブ6及び排気バルブは点火プラグ8a〜8d
及びインジェクタ7a〜7dと互いに干渉し合うことな
く吸気ポート及び排気ポートを選択的に開閉する。各イ
ンジェクタ7a〜8aは燃料を大きな広がり角度と弱い
貫徹力をもって噴霧状に噴射する。
【0028】各インジェクタ7a〜7dへ高圧の燃料を
供給するための燃料供給装置は燃料タンク21、低圧ポ
ンプ22、高圧ポンプ23、リザーバタンク24、燃料
ライン25及び複数の枝管等を含む。燃料タンク21は
所定の燃料を貯留する。低圧ポンプ22は燃料タンク2
1から燃料を汲み上げる。高圧ポンプ23は低圧ポンプ
22から吐出された燃料の圧力を更に高め、その高圧燃
料をリザーバタンク24へ圧送する。この高圧ポンプ2
3はその吐出圧力を変えることのできる圧力可変機構を
内蔵する。この可変機構は電気的に制御される。各枝管
はリザーバタンク24に供給された高圧燃料を各インジ
ェクタ7a〜7dへ分配する。従って、各インジェクタ
7a〜7dが開くことにより、高圧燃料が各燃焼室2の
中へ噴射される。各インジェクタ7a〜7dにおいて噴
射されずに余った燃料はリターンライン(図示しない)
を通じて燃料タンク21へ戻る。
【0029】触媒コンバータ13は排気ガス中の窒素酸
化物(NOx)を浄化するための吸蔵還元型のリーンN
Ox触媒13aを内蔵する。この触媒13aは混合気が
リーンのときに燃焼室2から排気ガスと共に排出される
NOxを一時的に吸収する。この触媒13aは混合気が
リッチのときに、燃焼室2で燃え残った燃料成分を還元
剤として受けて吸収したNOxを還元する。従って、こ
の触媒13aからNOxを還元するために、混合気を一
時的にリッチ化する必要がある。
【0030】この実施形態で、エンジン1はその負荷状
態が小程度である場合、即ち低負荷の状態である場合
に、いわゆる「成層燃焼」を行うことにより希薄燃焼
(リーンバーン)を実施し、負荷状態が大程度である場
合、即ち高負荷の状態である場合に、いわゆる「均一燃
焼」を行うことにより混合気のリッチ化を実施するよう
に構成される。更に、このエンジン1はその負荷状態が
中程度である場合、即ち中負荷の状態である場合に、
「成層燃焼」と「均一燃焼」の他に、それら二つの燃焼
形態を互いに組み合わせた「弱成層燃焼」を実施するよ
うに構成される。
【0031】一般に成層燃焼とは、燃焼室内の混合気に
層状に異なる燃料の濃度分布を与え、その可燃混合気の
分布域に配置された点火プラグにより混合気に点火し、
その混合気全体へ燃焼を進行させることをいう。図5に
この実施形態における成層燃焼の行程を示す。
【0032】図5(a)に示す吸入行程において、吸気
バルブ6が開くことにより、燃焼室2に空気が吸入され
る。その後、図5(b)に示す圧縮行程において、燃焼
室2の空気が徐々に圧縮される。そして、図5(c)に
示す圧縮行程後期において、点火プラグ8a〜8d及び
ピストン9の凹部9bを指向してインジェクタ7a〜7
dから燃料が噴射される。このとき噴射される燃料は量
が少なく、混合気全体として空燃比をリーン化させるこ
とができる。ここでは、燃料の貫徹力が弱く、燃焼室2
の中の圧力が高く、且つ空気の流動が小さいことから、
噴射された燃料は点火プラグ8a〜8dに近い領域で偏
在する。この領域内の燃料分布は不均一であり、リッチ
な混合気層から燃料を含まない空気層まで存在する。そ
して、この領域内には、最も燃焼し易い理論空燃比の値
を示す可燃混合気層が存在することになる。従って、図
5(d)に示す燃焼行程において、可燃混合気層が点火
プラグ8a〜8dにより点火されることにより、その火
炎が不均一な混合気層全体に伝播して希薄燃焼が実施さ
れる。
【0033】一般に均一燃焼とは、燃焼室全体に混合気
を分散させて燃焼させることをいう。図6にこの実施形
態における均一燃焼の行程を示す。図6(a)に示す吸
入行程初期において、点火プラグ8a〜8d及びピスト
ン9の凹部9bを指向してインジェクタ7a〜7dから
所要量の燃料が噴射される。このとき噴射される燃料量
は成層燃焼のそれよりも多く、混合気を理論空燃比に設
定したり、混合気をリッチ化したりすることができるも
のである。この噴射燃料は広がり角が大きく、貫徹力の
弱い噴霧状態を示す。その燃料の一部は燃焼室2の中に
浮遊し、他の一部は凹部9bに衝突する。同じく吸入行
程には、吸気バルブ6が開くことにより、燃焼室2に空
気が吸入される。従って、燃焼室2では吸入された空気
の乱れによって燃料が更に拡散される。
【0034】従って、図6(b)に示す吸気行程後期か
ら圧縮行程初期にかけて、燃焼室2にはほぼ均一な濃度
をもって燃料が分布する。この混合気の空燃比は着火後
の火炎伝播を容易にし、且つリッチな値を示す。
【0035】その後、図6(c)に示す圧縮行程後期に
おいて、混合気が高い圧力まで圧縮される。更に、図6
(d)に示す燃焼行程において、この混合気が点火プラ
グ8a〜8dにより点火されることにより、その火炎が
均一な混合気全体へと伝播して燃焼が達成される。この
とき、リッチ化した混合気の一部の燃料成分が燃えずに
燃焼室2に残る。この未燃の燃料成分がその後の排気行
程において、排気ガスと共に排気通路12へ排出される
ことにより、還元剤として触媒13aに供給される。こ
こで、均一燃焼によって混合気がリッチ化されることに
より触媒13aに供給される還元剤のことを「リッチス
パイク」と称する。
【0036】一方、弱成層燃焼とは、燃焼室全体に混合
気を分散させると共に、点火プラグ回りに層状をなす高
濃度な燃料分布を形成してその混合気を燃焼させること
をいう。図7にこの実施形態における弱成層燃焼の行程
を示す。
【0037】図7(a)に示す吸入行程初期において、
点火プラグ8a〜8d及びピストン9の凹部9bを指向
してインジェクタ7a〜7dから所要量の燃料が噴射さ
れる。この噴射燃料は広がり角が大きく、貫徹力の弱い
噴霧状態を示す。その燃料の一部は燃焼室2の中に浮遊
し、他の一部は凹部9bに衝突する。同じく吸入行程に
は、吸気バルブ6が開くことにより、燃焼室2に空気が
吸入される。従って、燃焼室2では吸入された空気の乱
れによって燃料が更に拡散される。
【0038】従って、図7(b)に示す吸気行程後期か
ら圧縮行程初期にかけて、燃焼室2にはほぼ均一な濃度
をもって燃料が分布する。この混合気の空燃比は着火後
の火炎伝播を容易にする。
【0039】その後、図7(c)に示す圧縮行程後期に
おいて、混合気は高い圧力まで圧縮される。同時に、点
火プラグ8a〜8d及びピストン9の凹部9bを指向し
てインジェクタ7a〜7dから所要量の燃料が再び噴射
される。このとき噴射される燃料は点火プラグ8a〜8
dに近い領域で偏在する。この領域内の燃料分布は不均
一であり、他よりもリッチな混合気層を形成する。
【0040】そして、図7(d)に示す燃焼行程におい
て、混合気が点火プラグ8a〜8dにより点火される。
このとき、点火プラグ8a〜8dの回りのリッチな混合
気層が火炎の核となって燃焼が始まり、その火炎が混合
気全体へと伝播して燃焼が達成される。
【0041】このような弱成層燃焼時に使用される燃料
の総量は、吸気行程においても噴射される分だけ成層燃
焼時のそれよりも多いが、均一燃焼時のそれよりは少な
い。このような弱成層燃焼によれば、良好な着火と空気
利用率の高い燃焼が得られる。特に、従前のエンジンで
は、中負荷の運転時に、吸気行程又は圧縮行程前半に所
要量の燃料の全部が噴射されることにより、その燃料が
燃焼室全体に拡散してしま。このため、燃焼室に形成さ
れる混合気は過剰にリーンとなり、着火及び燃焼が困難
になる傾向にある。これに対し、中負荷運転時に、所要
量の燃料全部が圧縮行程後期に噴射されることにより、
多量のスモークが発生したり、空気利用率を高めること
ができずに充分な高出力を得ることができない傾向にあ
る。この実施形態では、中負荷運転時において、吸気行
程と圧縮行程とに分けて燃料を噴射することにより、良
好な着火と空気利用率の高い燃焼を達成して、エンジン
1の出力向上を図る。更に、この実施形態では、中負荷
運転時に吸気行程において噴射される燃料により形成さ
れる均一な混合気の空燃比を、均一燃焼のそれよりもリ
ーンで、且つ火炎伝播のみを可能とする程度の値に設定
すればよい。このため、混合気全体としては、均一燃焼
のそれよりも燃費を向上させることが可能となる。
【0042】吸気通路5に設けられたスロットルバルブ
19はアクセルペダル(図示しない)の操作に連動して
作動する。このスロットルバルブ19の作動により、吸
気通路5に対する吸入空気量VSが調節される。
【0043】図4において、エアクリーナ4の近傍に設
けられた吸気温センサ31は、吸気通路5に吸入される
空気の温度(吸入空気温度)THAを検出し、その温度
に応じた信号を出力する。エアクリーナ4の近傍に設け
られたエアフローメータ32は、吸入空気量VSを検出
し、その量に応じた信号を出力する。スロットルバルブ
19の近傍に設けられたスロットルセンサ33は、同バ
ルブ19の開度(スロットル開度)TAを検出し、その
開度に応じた信号を出力する。このセンサ33はスロッ
トルバルブ19が全閉となった状態も検出することがで
きる。この実施形態で、スロットルセンサ33は本発明
の負荷検出手段を構成し、そのスロットル開度TAの値
が低負荷、中負荷及び高負荷の状態を反映する。
【0044】一方、排気通路12の途中に設けられた酸
素センサ34は、排気ガス中に残存する酸素濃度Oxを
検出し、その濃度に応じた信号を出力する。エンジンブ
ロック1aに設けられた水温センサ35は、同ブロック
1aの中を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを
検出し、その温度に応じた信号を出力する。
【0045】ディストリビュータ20は各点火プラグ8
a〜8cに印加されるべき点火信号を分配する。イグナ
イタ30はクランクシャフト10の角度、即ちクランク
角度の変化に同期してディストリビュータ20へ高電圧
を出力する。各点火プラグ8a〜8cの点火タイミング
はイグナイタ30における高電圧の出力タイミングによ
り決定される。
【0046】ディストリビュータ20に設けられた回転
速度センサ36は、ディストリビュータ20に内蔵され
たロータ(図示しない)の回転に基づき、クランクシャ
フト10の回転速度(エンジン回転速度)NEを検出
し、その速度に応じた信号を出力する。同じくディスト
リビュータ20に設けられた気筒判別センサ37は、ロ
ータの回転に基づきクランク角度の変化を所定の割合で
検出し、その変化に応じた信号出力する。
【0047】リザーバタンク24に設けられた圧力セン
サ38は、同タンク24内における燃料圧力を検出し、
その圧力に応じた信号を出力する。バッテリ40に接続
されたバッテリテスタ39はバッテリ40の蓄電値(充
電値)VCを検出し、その大きさに応じた信号を出力す
る。
【0048】この実施形態では、各種センサ等31〜3
7がエンジン1の運転状態を検出するための運転状態検
出手段を構成する。圧力センサ38は燃料供給装置にお
ける圧力状態を検出するための圧力状態検出手段を構成
する。バッテリテスタ40はバッテリ40の蓄電値を検
出するための蓄電値検出手段を構成する。
【0049】ここで、電子制御装置(ECU)41は本
発明における第1〜第6の制御手段及び蓄電値判断手段
を構成する。このECU41は前述した各種センサ等3
1〜39等から出力される信号を入力する。ECU41
はこれらの入力信号に基づき、各インジェクタ7a〜7
d、CVT14、M/G17、高圧ポンプ23及びイグ
ナイタ30等の各部材を制御する。
【0050】図8にブロック図で示すように、ECU4
1は中央処理装置(CPU)42、読み出し専用メモリ
(ROM)43、ランダムアクセスメモリ(RAM)4
4、バックアップRAM45及びタイマカウンタ46等
を備える。ECU41はこれら各部42〜46と、外部
入力回路47と、外部出力回路48等とをバス49によ
り接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、RO
M43は所定の制御プログラム等を予め記憶する。RA
M44はCPU42の演算結果等を一時記憶する。バッ
クアップRAM45は予め記憶したデータを保存する。
タイマカウンタ46は同時に複数のカウント動作を行う
ことができる。外部入力回路47はバッファ、波形整形
回路及びA/D変換器等を含む。外部出力回路48は駆
動回路等を含む。各種センサ等31〜39は外部入力回
路47に接続される。各部材7a〜7d,14,17,
23,30等は外部出力回路48に接続される。
【0051】CPU42は外部入力回路47を介して入
力する各種センサ等31〜39からの信号を入力値とし
て読み込む。CPU42はそれら入力値に基づき空燃比
制御を含む燃料噴射制御、点火時期制御、高圧ポンプ制
御、CVT制御及びM/G制御等を実行するために、各
部材7a〜7d,14,17,23,30等を制御す
る。車両に搭載されたバッテリ40はECU41に接続
される。CPU42はバッテリ40から各部材7a〜7
d,14,17,23,30等に対する通電を制御する
ことにより、各部材7a〜7d,14,17,23,3
0等の動作を制御する。
【0052】ここで、燃料噴射制御とは、各インジェク
タ7a〜7dから噴射される燃料量及び噴射タイミング
をエンジン1の運転状態に応じて制御することである。
空燃比制御とは、燃焼室2における空燃比を少なくとも
酸素センサ34の検出値に基づいて制御することであ
る。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じて
イグナイタ30を制御することにより、各点火プラグ8
a〜8dを作動させて各燃焼室2における混合気の点火
時期を制御することである。高圧ポンプ制御とは、リザ
ーバタンク24における燃料圧力を所定値に保ために、
圧力センサ38の検出値に基づき高圧ポンプ23を制御
することである。CVT制御とは、CVT14の変速比
を、スロットルセンサ33及び回転速度センサ36等の
検出値に基づいて制御することである。M/G制御と
は、M/G17の動力をエンジン1の運転状態に応じて
制御することである。
【0053】次に、前述したECU41により実行され
る燃料噴射制御及びM/G制御の内容を説明する。図9
はこの制御を実行するための「制御ルーチン」を示すフ
ローチャートである。ECU41は本ルーチンに係る制
御プログラム等をROM43に予め記憶する。ECU4
1は本ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0054】ステップ100において、ECU41は各
種センサ32,33,36,39等の検出値に基づき、
吸入空気量VS、スロットル開度TA、エンジン回転速
度NE及び充電値VC等の値をそれぞれ読み込む。
【0055】ステップ110において、ECU41は運
転者がエンジン1に要求する要求トルクTの値をスロッ
トル開度TAの値に基づいて算出する。ECU41はこ
の要求トルクTの値を、図10に示す関数データを参照
することにより算出する。この関数データでは、スロッ
トル開度TAの値に対する要求トルクTの値が予め定め
られている。この関数データにおいて、「α」及び「β
(α<β)」はエンジン1の負荷状態を区分するための
基準値である。即ち、この実施形態では、スロットル開
度TAの値が「TA≦α」となる範囲が「低負荷域」と
設定される。この低負荷域において、ECU41は要求
トルクTを得るために成層燃焼を実行する。スロットル
開度TAの値が「α<TA≦β」となる範囲が「中負荷
域」と設定される。この中負荷域において、ECU41
は要求トルクTを得るためにM/G17を作動させる。
更に、スロットル開度TAの値が「β<TA」となる範
囲が「高負荷域」と設定される。この高負荷域におい
て、ECU41は要求トルクTを得るために均一燃焼を
実行する。この実施形態で、ステップ110の処理を実
行するECU41は、要求トルクTを算出するための算
出手段に相当する。
【0056】ステップ111において、ECU41はそ
の要求トルクT及びエンジン回転速度NE等の値に基づ
いて燃焼室2へ噴射すべき基本噴射量Q1の値を算出す
る。この実施形態で、ステップ111の処理を実行する
ECU41は、基本噴射量Q1を算出するための算出手
段に相当する。
【0057】ステップ120において、ECU41はエ
ンジン1の負荷状態が成層燃焼を実行すべき低負荷域か
ら均一燃焼を実行すべき高負荷域へ切り換わって所定期
間内か否かを判断する。この実施形態で、このステップ
120の処理を実行するECU41は、成層燃焼の実行
から均一燃焼の実行へ切り換わったか否かを判断するた
めの判断手段に相当する。ここで、低負荷域から高負荷
域へ切り換わって所定期間内である場合、ECU41は
処理をステップ130へ移行する。
【0058】ステップ130において、ECU41は基
本噴射量Q1の値に基づき目標噴射量Qの値を算出し、
その目標噴射量Qの値に基づいてインジェクタ7a〜7
bを制御することにより均一燃焼を実行する。ここで、
ECU41は目標噴射量Qの値を以下の計算式に従って
算出する。
【0059】Q=Q1*k1 ここで、「k1」は係数であり、以下の式により定義さ
れる。 k1=1+a ここで、「a」は均一燃焼下の要求トルクTの値と成層
燃焼下の要求トルクTの値との比を示す。この実施形態
で、ステップ120,130の処理を実行するECU4
1は、エンジン1の負荷状態が高負荷域にある場合に、
その負荷状態に応じた動力をクランクシャフト10から
得るべく均一燃焼を実行するために各インジェクタ7a
〜7dを制御するための本発明の第2の制御手段に相当
する。
【0060】続いて、ステップ131において、ECU
41は今回算出された要求トルクTの値に所定の係数k
2(0≦k2<0.4)を乗算することにより、要求ト
ルクTの値を新たに算出し、その新たな要求トルクTの
値に基づいてM/G17を作動させる。即ち、ECU4
1は新たな要求トルクTの値を以下の計算式に従って算
出する。
【0061】T=T*k2 ここで、係数k2は成層燃焼から均一燃焼へ燃焼形態が
切り換わった後、その値が経時的に減衰する。この実施
形態で、ステップ131の処理を実行するECU41
は、成層燃焼から均一燃焼へ燃焼形態が切り変わった場
合に、負荷状態に応じた動力をクランクシャフト10か
ら得るべく同シャフト10の動力を補助するためにM/
G17を制御するための本発明の第6の制御手段に相当
する。このステップ131の処理を実行した後、ECU
41は処理を一旦終了する。
【0062】一方、ステップ120において、低負荷域
から高負荷域へ切り換わって所定期間内でない場合、即
ち低負荷域から高負荷域へ切り換わって所定期間が経過
した場合、低負荷域から高負荷域への切り換わりがない
場合、ECU41は処理をステップ140へ移行する。
【0063】ステップ140において、ECU41はエ
ンジン1の負荷状態が成層燃焼を実行すべき低負荷域に
あるか否かを判断する。ECU41はこの判断をスロッ
トル開度TAの値が基準値α以下であるか否かの判断に
より行う。この実施形態で、このステップ140の処理
を実行するECU41は、エンジン1の負荷状態が低負
荷域にあるか否かを判断するための判断手段に相当す
る。ここで、エンジン1の負荷状態が低負荷域にある場
合、ECU41は処理をステップ150へ移行する。
【0064】ステップ150において、ECU41は基
本噴射量Q1の値を目標噴射量Qの値として設定し、そ
の目標噴射量Qの値に基づき各インジェクタ7a〜7b
を制御することにより、希薄燃焼を意図した成層燃焼を
実行する。この実施形態で、ステップ150の処理を実
行するECU41は、エンジン1の負荷状態が低負荷域
にある場合に、その負荷状態に応じた動力をクランクシ
ャフト10から得るべく成層燃焼を実行するために各イ
ンジェクタ7a〜7dを制御するための本発明の第1の
制御手段に相当する。続いて、ステップ151におい
て、ECU41はM/G17を停止させる。この実施形
態で、ステップ151の処理を実行するECU41は、
エンジン1で成層燃焼が行われているときに、エンジン
1の動力をM/G17により補助することを中止するた
めの制御手段に相当する。そして、ECU41はその後
の処理を一旦終了する。
【0065】一方、ステップ140において、エンジン
1の負荷状態が低負荷域にない場合、ECU41は処理
をステップ160へ移行する。ステップ160におい
て、ECU41はエンジン1の負荷状態が均一燃焼を実
行すべき高負荷域にあるか否かを判断する。ECU41
はこの判断をスロットル開度TAの値が基準値βよりも
大きいか否かの判断により行う。この実施形態で、この
ステップ160の処理を実行するECU41は、エンジ
ン1の負荷状態が高負荷域にあるか否かを判断するため
の判断手段に相当する。ここで、エンジン1の負荷状態
が高負荷域にある場合、ECU41は処理をステップ1
70へ移行する。
【0066】ステップ170において、ECU41はス
テップ130の処理と同様に、基本噴射量Q1の値に基
づき目標噴射量Qの値を算出し、その目標噴射量Qの値
に基づいてインジェクタ7a〜7bを制御することによ
り均一燃焼を実行する。この実施形態で、ステップ12
0,140,160,170の処理を実行するECU4
1は、エンジン1の負荷状態が高負荷域にある場合に、
その負荷状態に応じた動力をクランクシャフト10から
得るべく均一燃焼を実行するために各インジェクタ7a
〜7dを制御するための本発明の第2の制御手段に相当
する。
【0067】続いて、ステップ171において、ECU
41はM/G17を停止させ、その後の処理を一旦終了
する。この実施形態で、ステップ171の処理を実行す
るECU41は、均一燃焼の実行時にエンジン1の動力
をM/G17により補助することを中止するための制御
手段に相当する。
【0068】一方、ステップ160において、エンジン
1の負荷状態が中負荷域にある場合、ECU41は処理
をステップ180へ移行する。ステップ180におい
て、ECU41は各インジェクタ7a〜7bからの燃料
噴射を強制的に停止させることにより燃料カットを実行
する。即ち、ECU41は燃焼室2に対する燃料の供給
を停止させるために各インジェクタ7a〜7dを制御す
る。この実施形態で、ステップ120,140,16
0,180の処理を実行するECU41は、エンジン1
の負荷状態が中負荷域にある場合に、燃料カットを実行
するための制御手段に相当する。
【0069】続いて、ステップ181において、ECU
41は要求トルクTの値に基づいてM/G17を作動さ
せ、その後の処理を一旦終了する。この実施形態で、ス
テップ120,140,160,181の処理を実行す
るECU41は、エンジン1の負荷状態が中負荷域にあ
る場合に、その負荷状態に応じた動力をクランクシャフ
ト10から得るためにM/G17を制御するための本発
明の第3の制御手段に相当する。
【0070】上記の構成によれば、エンジン1の負荷状
態が低負荷域にある場合に、ECU41は所要の目標噴
射量Qの値に基づいて各インジェクタ7a〜7dを制御
することにより、燃料消費量の少ない成層燃焼を実行す
る。この成層燃焼の実行により、低負荷域で必要な動力
がクランクシャフト10から得られると共に、好適な燃
費が得られる。この意味から、エンジン1について燃費
と出力の両立を図ることができる。エンジン1の負荷状
態が高負荷域にある場合に、ECU41は所要の目標噴
射量Qの値に基づき各インジェクタ7a〜7dを制御す
ることにより、均一燃焼を実行する。この均一燃焼の実
行により、高負荷域で必要な動力がクランクシャフト1
0から得られる。一方、エンジン1の負荷状態が中負荷
域にある場合には、ECU41はM/G17のみを制御
することにより、中負荷域で必要な動力がクランクシャ
フト10から得られる。
【0071】従って、この実施形態によれば、低負荷域
の負荷状態において、エンジン1の燃費と出力の改善を
狙った成層燃焼が実行され、高負荷域の負荷状態におい
ては、エンジン1の出力を確保するための均一燃焼が実
行される。そして、中負荷域の負荷状態において、エン
ジン1に代わってM/G17により必要な動力が得られ
ることから、エンジン1を作動させない分だけエンジン
1で消費される燃料が少なくなる。この結果、エンジン
1の燃費を向上させることができ、燃費の改善を狙った
成層燃焼については、その利点を充分に生かすことがで
きる。
【0072】加えて、この実施形態によれば、エンジン
1の負荷状態が低負荷域から高負荷域へ切り換わるとき
に、即ち成層燃焼の実行から均一燃焼の実行へと燃焼形
態が切り換わるときに、そのときの負荷状態に応じた必
要な動力を得るためにクランクシャフト10の動力がM
/G17により補助される。従って、燃焼形態の切り換
え時に、クランクシャフト10の動力が不連続に変わる
ことはない。
【0073】図11は燃焼形態の切り換え時における制
御結果の一例を示すタイミングチャートである。このチ
ャートからも明らかなように、燃焼形態の切り換え直後
には均一燃焼の実行により得られるトルクが一旦低下す
る。しかし、その低下期間中にはM/G17のトルクに
より要求トルクTが補填されることから、要求トルクT
を安定的に確保できることが分かる。この結果、エンジ
ン1の燃焼形態が切り換えられるときにも、エンジン1
の見かけ上の動力を低下させることがなく、エンジン1
の動力を安定させることができると共に、良好なドライ
バビリティを確保することができる。
【0074】この実施形態では、筒内噴射式のエンジン
1の使用を前提として、希薄燃焼を実現するために成層
燃焼を採用している。このため、エンジン1の燃費と出
力の両立を図ることができる。特に、燃費においては、
筒外噴射式のエンジンに比べて極めて有利である。
【0075】この実施形態では、M/G17を使用して
いることから、エンジン1の減速時等にエンジン1の動
力をM/G17に伝達することにより、M/G17によ
り発電を行うことが可能となる。その発電により、蓄電
装置の回生を行うことが可能となる。
【0076】次に、上記第2及び第4の発明の制御装置
を自動車に具体化した第2の実施形態を図面を参照して
説明する。尚、本実施形態を含む以下の各実施形態にお
いて、前記第1の実施形態と同じ構成要素については、
同一の符号を付して説明を省略する。従って、以下の各
実施形態では、第1の実施形態と特に異なる点を中心に
説明する。
【0077】この第2の実施形態では「制御ルーチン」
の内容において第1の実施形態のそれと異なる。図12
は本実施形態に係る「制御ルーチン」を示すフローチャ
ートである。
【0078】図12のルーチンにおいて、図9のルーチ
ンと同一の符号で示される各ステップ100,120,
130,131,140,150,151,160,1
70,171の内容は第1の実施形態のそれと基本的に
同じである。第2の実施形態では、図12に示す21
0,211,280,281の内容において図9のそれ
と異なる。
【0079】即ち、ステップ210において、ECU4
1は図13に示す関数データを参照することにより、要
求トルクTを算出する。この実施形態において、スロッ
トル開度TAの値が「TA≦α」となる低負荷域におい
て、ECU41は要求トルクTを得るために成層燃焼を
実行する。スロットル開度TAの値が「α<TA≦β」
となる中負荷域において、ECU41は要求トルクTを
得るために、成層燃焼の実行と、M/G17を作動させ
ることを行う。更に、スロットル開度TAの値が「β<
TA」となる高負荷域において、ECU41は要求トル
クTを得るために均一燃焼を実行する。この実施形態
で、ステップ210の処理を実行するECU41は、要
求トルクTを算出するための算出手段に相当する。
【0080】続いて、ステップ211において、ECU
41はその要求トルクT及びエンジン回転速度NE等の
値に基づいて燃焼室2へ噴射すべき基本噴射量Q1の値
を算出する。ここで、ECU41は、エンジン1の負荷
状態が低負荷域にある場合には、要求トルクTの値に比
例した値を有する基本噴射量Q1を算出する。負荷状態
が中負荷域にある場合には、要求トルクTの大きさに拘
らず一律な値を有する最大基本噴射量Q1maxの値を
算出する。この最大基本噴射量Q1maxとは、エミッ
ションの悪化や失火を招くことのない範囲で最大限のト
ルクを得ることのできる必要最小限の成層燃焼を実行す
るために要する噴射量に相当する。この実施形態で、ス
テップ211の処理を実行するECU41は、基本噴射
量Q1及び最大基本噴射量Q1maxを算出するための
算出手段に相当する。
【0081】一方、ステップ160において、エンジン
1の負荷状態が中負荷域にある場合、ECU41は処理
をステップ280へ移行する。ステップ280におい
て、ECU41は前述した最大基本噴射量Q1maxの
値を目標噴射量Qの値として設定し、その目標噴射量Q
の値に基づいてインジェクタ7a〜7bを制御すること
により成層燃焼を実行する。この実施形態で、ステップ
120,140,160,280の処理を実行するEC
U41は、エンジン1の負荷状態が中負荷域にある場合
に、弊害をもたらすことなく最大限の動力をエンジン1
から得るために成層燃焼を実行するための制御手段に相
当する。
【0082】続いて、ステップ281において、ECU
41は今回算出された要求トルクTの値から今回算出さ
れた目標噴射量Qの値に応じたエンジントルクTQの値
を減算することにより、補充トルクTDの値を算出す
る。そして、ECU41はその補充トルクTDの値に基
づいてM/G17を作動させる。
【0083】従って、ステップ280,281の処理に
よれば、M/G17により得られる補充トルクTDによ
って成層燃焼により得られるエンジントルクTQが補充
されることにより、要求トルクTが得られる。この実施
形態では、ステップ120,140,160,280,
281の処理を実行するECU41は、エンジン1の負
荷状態が中負荷域にある場合に、その負荷状態に応じた
動力をエンジン1による成層燃焼の実行とM/G17の
動作との協働によりクランクシャフト10から得るため
に各インジェクタ7a〜7d及びM/G17を制御する
ための本発明の第4の制御手段に相当する。上記ステッ
プ281の処理を実行した後、ECU41は処理を一旦
終了する。
【0084】上記第2の実施形態の構成によれば、エン
ジン1の負荷状態が中負荷域である場合には、ECU4
1が各インジェクタ7a〜7d及びM/G17を制御す
ることにより、必要最小限の成層燃焼が実行されると共
にM/G17が駆動れさ、負荷状態に応じた必要な動力
がクランクシャフト10から得られる。
【0085】従って、中負荷域では、エミッションの悪
化や失火を招くことのない程度の量の燃料を成層燃焼の
ために使用し、その成層燃焼によるだけでは不足するエ
ンジン1の動力分をM/G17により補助することがで
きる。これにより、その補助分だけエンジン1で消費さ
れる燃料が少なくなる。又、エンジン1が成層燃焼によ
り動力を負担する分だけM/G17のために消費される
電力が少なくなる。この結果、エンジン1の燃費を向上
させることができ、燃費の改善を狙った成層燃焼につい
ては、その利点を充分に生かすことができる。更に、こ
の実施形態では、エンジン1の負荷状態が中負荷域にあ
る場合に、エンジン1及びM/G17によって要求トル
クTを得ることから、中負荷域においてM/G17を全
面的に適用する第1の実施形態と比べて、M/G17に
対する電力消費量を最小限に抑えることができる。それ
以外の作用及び効果については、前記第1の実施形態の
それと基本的に同じである。
【0086】次に、上記第3及び第4の発明の制御装置
を自動車に具体化した第3の実施形態を図面を参照して
説明する。この第3の実施形態では「制御ルーチン」の
内容において第1及び第2の実施形態のそれと異なる。
図15は本実施形態に係る「制御ルーチン」を示すフロ
ーチャートである。
【0087】図15のルーチンにおいて、図9のルーチ
ンと同一の符号で示される各ステップ100,120,
130,131,140,150,151,160,1
70,171の内容は第1の実施形態のそれと基本的に
同じである。第3の実施形態では、図15に示す31
0,311,380,381,382,383,384
の内容において図9のそれと異なる。
【0088】即ち、ステップ310において、ECU4
1は図14に示す関数データを参照することにより、要
求トルクTを算出する。この実施形態において、スロッ
トル開度TAの値が「TA≦α」となる低負荷域におい
て、ECU41は要求トルクTを得るために成層燃焼を
実行する。スロットル開度TAの値が「α<TA≦β」
となる中負荷域において、ECU41は要求トルクTを
得るために、原則的にはM/G17を作動させ、例外的
には弱成層燃焼の実行とM/G17の作動とを行う。更
に、スロットル開度TAの値が「β<TA」となる高負
荷域において、ECU41は要求トルクTを得るために
均一燃焼を実行する。この実施形態で、ステップ310
の処理を実行するECU41は、要求トルクTを算出す
るための算出手段に相当する。
【0089】続いて、ステップ311において、ECU
41はその要求トルクT及びエンジン回転速度NE等の
値に基づいて燃焼室2へ噴射すべき基本噴射量Q1の値
を算出する。この実施形態で、ステップ311の処理を
実行するECU41は、基本噴射量Q1を算出するため
の算出手段に相当する。
【0090】一方、ステップ160において、エンジン
1の負荷状態が中負荷域にある場合、ECU41は処理
をステップ380へ移行する。ステップ380におい
て、今回読み込まれた充電値VCが所定の基準値V1以
上であるか否かを判断する。この基準値V1とは、バッ
テリ40の充電値VCが不足傾向にあることを意味す
る。この実施形態で、ステップ380の処理を実行する
ECU41は、バッテリ40の充電値(蓄電値)VCが
所定の基準値V1以上であるか否かを判断するための本
発明の蓄電値判断手段に相当する。ここで、充電値VC
が基準値V1以上である場合、充電値VCが充分である
ことから、ECU41は処理をステップ381へ移行す
る。
【0091】ステップ381において、ECU41は各
インジェクタ7a〜7bからの燃料噴射を強制的に停止
させることにより燃料カットを実行する。この実施形態
で、ステップ120,140,160,380,381
の処理を実行するECU41は、エンジン1の負荷状態
が中負荷域にある場合に、燃料カットを実行するための
制御手段に相当する。
【0092】続いて、ステップ382において、ECU
41は要求トルクTの値に基づいてM/G17を作動さ
せ、その後の処理を一旦終了する。この実施形態で、ス
テップ120,140,160,380,382の処理
を実行するECU41は、燃料カットの実行時に要求ト
ルクTを得るべくM/G17を作動させるための制御手
段に相当する。
【0093】一方、ステップ380において、充電値V
Cが基準値V1に満たない場合、充電値VCが不足傾向
にあることから、ECU41は処理をステップ383へ
移行する。
【0094】ステップ383において、ECU41はそ
のときの充電値VCに応じたモータトルクTvcの値を
算出し、そのモータトルクTvcの値に基づいてM/G
17を作動させる。つまり、ECU41は、充電値VC
が不足傾向にあることを見込んで、その充電値VCの担
保する電力の範囲内でM/G17を作動させるのであ
る。
【0095】続いて、ステップ384において、ECU
41は、M/G17の作動分を見込んだ上で基本噴射量
Q1の値に基づいて目標噴射量Qの値を算出する。そし
て、ECU41はその目標噴射量Qの値に基づいて各イ
ンジェクタ7a〜7dを制御することにより、弱成層燃
焼を実行する。ここで、ECU41は目標噴射量Qの値
を以下の計算式に従って算出する。
【0096】Q=Q1*(1−Tvc/T) 即ち、ECU41は今回の要求トルクTの中でモータト
ルクTvcにより負担された分以外の割合に対応する噴
射量を目標噴射量Qの値として算出し、その値を弱成層
燃焼の実行のために適用するのである。ECU41はこ
のステップ384の処理を終了後、その後の処理を一旦
終了する。
【0097】従って、ステップ383,384の処理に
よれば、弱成層燃焼に基づいて得られるトルクによって
M/G17により得られるモータトルクTvcが補充さ
れることにより、要求トルクTが得られる。この実施形
態では、ステップ120,140,160,380〜3
84の処理を実行するECU41は、エンジン1の負荷
状態が中負荷域にある場合に、その負荷状態に応じた動
力をクランクシャフト10から得るためにM/G17を
制御すると共に、バッテリ40の充電値VCが所定の基
準値V1に満たない場合に、M/G17により得られる
動力を補足すべく弱成層燃焼を実行するために各インジ
ェクタ7a〜7dを制御するための本発明の第5の制御
手段に相当する。
【0098】上記第3の実施形態の構成によれば、エン
ジン1の負荷状態が中負荷域にあり、且つバッテリ40
の充電値VCが所定の基準値V1未満である場合に、E
CU41は各インジェクタ7a〜7d及びM/G17を
制御する。これにより、弱成層燃が実行されると共にM
/G17が駆動れさ、負荷状態に応じた必要な動力がク
ランクシャフト10から得られる。
【0099】従って、中負荷域では、バッテリ40の充
電値VCが基準値V1未満の場合に、その充電値VCの
可能な範囲内でM/G17が駆動されることにより、ク
ランクシャフト10の動力が補助される。ここで、M/
G17によるだけでは不足する動力分が弱成層燃焼に基
づいて負担されることから、M/G17により補助され
る分だけエンジン1で消費される燃料が少なくなる。こ
の結果、エンジン1の燃費を向上させることができ、特
にバッテリ40の充電値VCが充分でない場合であって
も、その充電値VCの範囲で最善の燃費の向上を図るこ
とができる。更に、この実施形態では、エンジン1の負
荷状態が中負荷域にある場合に、エンジン1及びM/G
17によって要求トルクTを得ることから、中負荷域に
おいてM/G17を全面的に適用する第1の実施形態と
比べて、M/G17に対する電力消費量を最小限に抑え
ることができる。それ以外の作用及び効果については、
前記第1の実施形態のそれと基本的に同じである。
【0100】尚、この発明は次のような別の実施形態に
具体化することもできる。以下の別の実施形態でも前記
各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記各実施形態では、成層燃焼から均一燃焼へ燃
焼形態を切り換わるときに、M/G17によりエンジン
1の動力を補助するようにした。これに対し、均一燃焼
から成層燃焼へ燃焼形態が切り換わるときに、M/G1
7によりエンジン1の動力を補助するようにしてもよ
い。
【0101】(2)前記各実施形態では、電動機と発電
機の機能を兼ね備えたM/G(モータジェネレータ)1
7を使用したが、単なる発電機として機能するだけのモ
ータを使用してもよい。
【0102】(3)前記各実施形態では、4気筒のエン
ジン1に具体化したが、3気筒、5気筒、6気筒、或い
は8気筒のエンジンに具体化してもよい。更に、上記各
実施形態には特許請求の範囲に記載した技術的思想に係
る次のような各種の実施態様が含まれることを、以下に
その効果と共に記載する。
【0103】(イ)請求項1に記載の発明において、前
記内燃機関は希薄燃焼を実現するために成層燃焼を行う
ことを可能とした筒内噴射式のものである。この構成に
よれば、希薄燃焼によって内燃機関の燃費と出力の両立
を図ることが可能となる。
【0104】(ロ)請求項1に記載の発明において、前
記電動機は発電機能を兼ね備えたものである。この構成
によれば、電動機により発電を行うことが可能となる。
【0105】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、少なく
とも成層燃焼及び均一燃焼を含む燃焼形態を内燃機関の
負荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関の制御
装置において、負荷状態が小程度である場合に、その負
荷状態に応じた動力を内燃機関により得るべく成層燃焼
を実行する。負荷状態が大程度である場合に、その負荷
状態に応じた動力を内燃機関により得るべく均一燃焼を
実行する。更に、負荷状態が中程度である場合に、その
負荷状態に応じた動力を電動機により得るために電動機
を制御するようにしている。
【0106】従って、中程度の負荷状態では、内燃機関
に代わって電動機により必要な動力が得られることか
ら、その分だけ内燃機関で消費される燃料が少なくな
る。この結果、内燃機関の燃費の改善を図ることができ
るという効果を発揮する。
【0107】請求項2に記載の発明によれば、少なくと
も成層燃焼及び均一燃焼を含む燃焼形態を内燃機関の負
荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関の制御装
置において、内燃機関の負荷状態が小程度である場合
に、その負荷状態に応じた動力を内燃機関により得るべ
く成層燃焼を実行する。負荷状態が大程度である場合
に、その負荷状態に応じた動力を内燃機関により得るべ
く均一燃焼を実行する。更に、負荷状態が中程度である
場合に、その負荷状態に応じた動力を内燃機関による成
層燃焼の実行と電動機の動作との協働により得るように
している。
【0108】従って、中程度の負荷状態では、成層燃焼
によるだけでは不足する内燃機関の動力分を電動機によ
り補助することにより、その補助分だけ内燃機関で消費
される燃料が少なくなる。この結果、内燃機関の燃費の
改善を図ることができるという効果を発揮する。加え
て、電動機での消費電力を節約することができる。
【0109】請求項3に記載の発明によれば、少なくと
も成層燃焼及び均一燃焼を含む燃焼形態を内燃機関の負
荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関の制御装
置において、内燃機関の負荷状態が小程度である場合
に、その負荷状態に応じた動力を内燃機関により得るべ
く成層燃焼を実行する。負荷状態が大程度である場合
に、その負荷状態に応じた動力を内燃機関により得るべ
く均一燃焼を実行する。更に、負荷状態が中程度である
場合に、その負荷状態に応じた動力を得るために電動機
を制御し、バッテリの蓄電値が所定値未満の場合には、
電動機により得られる動力を補足すべく弱成層燃焼を実
行するようにしている。
【0110】従って、中程度の負荷状態では、バッテリ
の蓄電値が残り少ない場合に、その蓄電値の可能な範囲
で電動機を駆動させることにより、内燃機関の動力が補
助され、その電動機により補助される分だけ消費される
燃料が少なくなる。この結果、内燃機関の燃費の改善を
図ることができるという効果を発揮する。加えて、バッ
テリの少ない蓄電値の範囲で最善の燃費の向上を図るこ
とができる。
【0111】請求項4に記載の発明によれば、成層燃焼
と均一燃焼との間で燃焼形態が切り変わる場合に、負荷
状態に応じた動力を得るためにその動力を電動機により
補助するようにしている。
【0112】従って、燃焼形態が切り換わる場合に、動
力が不連続に変わることがない。その結果、燃焼形態の
切り換え時に、内燃機関の動力安定性を確保することが
でき、良好なドライバビリティを確保することができる
という効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1及び第4の発明の基本的な構成概念を示
す概念構成図。
【図2】 第2及び第4の発明の基本的な構成概念を示
す概念構成図。
【図3】 第3及び第4の発明の基本的な構成概念を示
す概念構成図。
【図4】 一実施形態のガソリンエンジンシステムを示
す概略構成図。
【図5】 (a)〜(d)はエンジンの構造と一連の運転行
程を示す断面図。
【図6】 (a)〜(d)はエンジンの構造と一連の運転行
程を示す断面図。
【図7】 (a)〜(d)はエンジンの構造と一連の運転行
程を示す断面図。
【図8】 ECU等を示すブロック構成図。
【図9】 「制御ルーチン」を示すフローチャート。
【図10】 スロットル開度と要求トルクの関数データ
を示すグラフ。
【図11】 制御結果の一例を示すタイミングチャー
ト。
【図12】 「制御ルーチン」を示すフローチャート。
【図13】 スロットル開度と要求トルクの関数データ
を示すグラフ。
【図14】 スロットル開度と要求トルクの関数データ
を示すグラフ。
【図15】 「制御ルーチン」を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、2…燃焼室、7a〜7
d…燃料供給手段としてのインジェクタ、10…クラン
クシャフト、17…電動機としてのモータジェネレータ
(M/G)、33…負荷検出手段としてのスロットルセ
ンサ、40…バッテリ、41…ECU(41は第1〜第
6の制御手段及び蓄電値判断手段を構成する)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/06 F02D 41/02 - 41/04 B60K 6/02 B60L 11/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給手段により燃焼室に供給される
    燃料が制御される内燃機関であり、圧縮行程に供給され
    る燃料により前記燃焼室に形成される混合気に層状に異
    なる濃度分布を与えてその混合気を燃焼させる成層燃焼
    と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼室全体に
    混合気を分散させてその混合気を燃焼させる均一燃焼と
    を負荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関と、
    前記内燃機関の動力を補助するために前記内燃機関の出
    力軸に連結されて必要に応じて制御される電動機とを備
    えた電動機により動力が補助される内燃機関の制御装置
    において、 内燃機関が低負荷の状態である場合に、その負荷状態に
    応じた動力を前記出力軸から得るべく前記成層燃焼を実
    行するために前記燃料供給手段を制御する第1の制御手
    段と、 内燃機関が高負荷の状態である場合に、その負荷状態に
    応じた動力を前記出力軸から得るべく前記均一燃焼を実
    行するために前記燃料供給手段を制御する第2の制御手
    段と、内燃機関が中負荷の状態である場合に 、その負荷状態に
    応じた動力を前記電動機のみによって前記出力軸から得
    るために前記電動機を制御する第3の制御手段とを備え
    たことを特徴とする電動機により動力が補助される内燃
    機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料供給手段により燃焼室に供給される
    燃料が制御される内燃機関であり、圧縮行程に供給され
    る燃料により前記燃焼室に形成される混合気に層状に異
    なる濃度分布を与えてその混合気を燃焼させる成層燃焼
    と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼室全体に
    混合気を分散させてその混合気を燃焼させる均一燃焼と
    を負荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関と、
    前記内燃機関の動力を補助するために前記内燃機関の出
    力軸に連結されて必要に応じて制御される電動機とを備
    えた電動機により動力が補助される内燃機関の制御装置
    において、 内燃機関が低負荷の状態である場合に、その負荷状態に
    応じた動力を前記出力軸から得るべく前記成層燃焼を実
    行するために前記燃料供給手段を制御する第1の制御手
    段と、 内燃機関が高負荷の状態である場合に、その負荷状態に
    応じた動力を前記出力軸から得るべく前記均一燃焼を実
    行するために前記燃料供給手段を制御する第2の制御手
    段と、内燃機関が中負荷の状態である場合に 、その負荷状態に
    応じた動力を燃料噴射量が一律な値となる成層燃焼の実
    行と前記電動機の動作との協働により前記出力軸から得
    るために前記燃料供給手段及び前記電動機を制御する第
    4の制御手段とを備えたことを特徴とする電動機により
    動力が補助される内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 燃料供給手段により燃焼室に供給される
    燃料が制御される内燃機関であり、圧縮行程に供給され
    る燃料により前記燃焼室に形成される混合気に層状に異
    なる濃度分布を与えてその混合気を燃焼させる成層燃焼
    と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼室全体に
    混合気を分散させてその混合気を燃焼させる均一燃焼
    と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼室全体に
    混合気を分散させ、続く圧縮行程に供給される燃料によ
    り前記混合気に層状に異なる濃度分布を与えてその混合
    気を燃焼させる弱成層燃焼とを負荷状態に応じて切り換
    えるようにした内燃機関と、前記内燃機関の動力を補助
    するために前記内燃機関の出力軸に連結され、必要に応
    じてバッテリからの給電によって制御される電動機とを
    備えた電動機により動力が補助される内燃機関の制御装
    置において、 前記内燃機関の負荷状態を小程度、中程度及び大程度に
    わたって検出するための負荷検出手段と、 前記バッテリの蓄電値が所定値以上であるか否かを判断
    するための蓄電値判断手段と、 前記負荷検出手段の検出結果が小程度である場合に、そ
    の負荷状態に応じた動力を前記出力軸から得るべく前記
    成層燃焼を実行するために前記燃料供給手段を制御する
    第1の制御手段と、 前記負荷検出手段の検出結果が大程度である場合に、そ
    の負荷状態に応じた動力を前記出力軸から得るべく前記
    均一燃焼を実行するために前記燃料供給手段を制御する
    第2の制御手段と、 前記負荷検出手段の検出結果が中程度である場合に、そ
    の負荷状態に応じた動力を前記出力軸から得るために前
    記電動機を制御すると共に、更に前記蓄電値が前記所定
    値に満たないと前記蓄電値判断手段が判断した場合に
    は、前記電動機により得られる動力を補足すべく前記弱
    成層燃焼を実行するために前記燃料供給手段を制御する
    第5の制御手段とを備えたことを特徴とする電動機によ
    り動力が補助される内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】 燃料供給手段により燃焼室に供給される
    燃料が制御される内燃機関であり、圧縮行程に供給され
    る燃料により前記燃焼室に形成される混合気に層状に異
    なる濃度分布を与えてその混合気を燃焼させる成層燃焼
    と、吸入行程に供給される燃料により前記燃焼室全体に
    混合気を分散させてその混合気を燃焼させる均一燃焼と
    を負荷状態に応じて切り換えるようにした内燃機関と、
    前記内燃機関の動力を補助するために前記内燃機関の出
    力軸に連結されて必要に応じて制御される電動機とを備
    えた電動機により動力が補助される内燃機関の制御装置
    において、成層燃焼から均一燃焼へと燃焼形態が切り換わるとき、
    均一燃焼時の要求トルクに基づき算出される燃料噴射量
    で均一燃焼を実行するとともに、 前記機関負荷に応じた
    動力を前記出力軸から得るべく前記出力軸の動力を補助
    するために前記電動機を制御する第6の制御手段を設け
    たことを特徴とする電動機により動力が補助される内燃
    機関の制御装置。
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