JP4478887B2 - 水素エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素エンジンの制御装置に係り、特に、水素エンジンに水素を供給する水素供給装置と、水素エンジンにガソリンを供給するガソリン供給装置と、水素貯蔵源の水素残量を検出する水素残量検出手段とを備えた水素エンジンの制御装置に関する。
燃料として水素及びガソリンの両方を使用可能なデュアルフューエル水素エンジンが知られている(例えば、特許文献1)。このような水素エンジンでは、通常は水素燃料により走行し、水素の残量が少なくなった場合にガソリンによる走行に切り換えるようにしている。つまり、インフラとしての水素ステーションの数が少なく、水素を補充することが出来ない状況でも、ガソリンにより航続距離を延ばすことが出来るようにしている。
このようなデュアルフューエル水素エンジンにおいて、より航続距離を延ばすには、水素及びガソリンをそれぞれ有効に使用する必要がある。例えば、水素とガソリンを混合させて、各燃料を有効に利用することが考えられる。特に、水素残量及びガソリン残量とも少ない場合に、水素ステーション或いはガソリンステーションまで確実に走行出来るようにすることが必要とされる。
特許文献2には、燃料の圧縮天然ガスの残圧が低下したとき、圧縮天然ガスを吸気通路に噴射すると共にガソリンを吸気通路に噴射するようにしたエンジンが開示されている。この特許文献2に記載のエンジンは、圧縮天然ガスの残圧が小さく燃焼の安定化を図ることが出来ないときに圧縮天然ガスが残存して無駄となり、その分、航続距離が減少しまうことを防止するようにしたものである。
特開平07−097906号公報 特開2004−346841号公報
ここで、水素エンジンは、もともと、エミッション性能及び燃費性能の観点で優れたエンジンである。従って、水素エンジンにおいて、ガソリンを併用する場合においても、エミッション性能を確保することが要望されている。しかしながら、上述したデュアルフューエル水素エンジンにおいて、水素とガソリンを混合させて燃焼させる場合、水素のみの燃焼時に比べ、ガソリンを混合させる分、一般に、出力性能は得やすいが、エミッション性能が低下し易くなるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、エミッション性能の低下を抑制しつつ航続距離を延ばすことが出来る水素及びガソリンの両方を使用可能な水素エンジンの制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、水素貯蔵源から水素エンジンに水素を供給する水素供給装置と、ガソリン貯蔵源から水素エンジンにガソリンを供給するガソリン供給装置と、水素貯蔵源の水素残量を検出する水素残量検出手段とを備えた水素エンジンの制御装置であって、水素エンジンは、さらに、ガソリン貯蔵源のガソリン残量を検出するガソリン残量検出手段を備え、水素エンジンの制御装置は、水素残量検出手段により水素残量が所定値以下であると検出され且つガソリン残量検出手段によりガソリン残量が所定値以下であると検出されたとき、水素供給装置による水素の供給から、水素供給装置及びガソリン供給装置による水素及びガソリンの両方の供給へと切り換える供給燃料切換手段と、水素エンジンの低回転時には、水素とガソリンとの供給比率をガソリンより水素が大とし、高回転時には、低回転時よりもガソリンの比率を高める供給燃料比率設定手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、水素残量が所定値以下であると検出されたとき、供給燃料切換手段により、水素の供給から、水素及びガソリンの両方の供給へと切り換えられるので、水素とガソリンの両方を有効に利用して航続距離を延ばすことが出来る。さらに、供給燃料比率設定手段により、低回転時に水素とガソリンとの供給比率をガソリンより水素が大とし、高回転時に低回転時よりもガソリンの比率を高めるので、低回転時にエミッション性能(例えば、HCやCOの排出量)が低下することを抑制すると共に高回転時に高出力を確保しつつ航続距離を延ばすことが出来る。さらに、本発明においては、供給燃料切換手段が、水素残量が所定値以下であると検出され且つガソリン残量が所定値以下であると検出されたとき、水素の供給から、水素及びガソリンの両方の供給へと切り換えるので、水素及びガソリンの両方とも残量が少ないとき、それらの各燃料を有効に利用して航続距離を延ばすことが出来る。
また、本発明において、好ましくは、さらに、水素及びガソリンの両方が供給されているとき、水素の空燃比及びガソリンの空燃比がそれぞれリーン領域となるように水素供給量及びガソリン供給量を決定する燃料供給量決定手段を有する。
このように構成された本発明においては、水素の空燃比及びガソリンの空燃比がそれぞれリーン領域となるように水素供給量及びガソリン供給量を決定するので、水素及びガソリンの供給量を抑えて、より確実に航続距離を延ばすことが出来る。
また、本発明において、好ましくは、水素エンジンは、さらに、EGR装置を備え、制御装置は、さらに、水素残量検出手段により水素残量が所定値以下であると検出され且つガソリン残量検出手段によりガソリン残量が所定値を超えると検出されたとき、水素の供給から、ガソリンの供給へと切り換える第2供給燃料切換手段と、水素及びガソリンの両方が供給されているとき、EGR装置のEGR率を、ガソリンの供給時におけるEGR率よりも増大させるEGR制御手段と、を有する。
このように構成された本発明においては、EGR制御手段により、水素及びガソリンの両方が供給されているときのEGR率を、ガソリンの供給時におけるEGR率よりも増大させるので、ガソリンを併用することによるエミッション性能の低下、特に、NOx量の増大を抑制することが出来る。さらに、水素の着火性は非常に高いので、EGR率を増大させることによる燃焼性悪化も防止される。
本発明による水素及びガソリンの両方を使用可能な水素エンジンによれば、エミッション性能の低下を抑制しつつ航続距離を延ばすことが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の実施形態による水素エンジンの制御装置が適用された水素エンジンの構成を説明する。図1は、本実施形態による水素エンジンの制御装置が適用された水素エンジン本体部の概略構成を示す図であり、図2は、図1に示す水素エンジン本体部及びそれに付随する装置を示す水素エンジンの全体構成を示す図である。
先ず、図1に示すように、本実施形態による水素エンジン1は、ロータリ型エンジンである。この水素エンジン1は、トロコイド状の内周面を有するロータハウジング2及びその両側にそれぞれ配置された平面状の内面を有するサイドハウジング4(片方は図示を省略する)を備え、これらのハウジング2、4により構成された空間内にロータ6が配置されている。このロータ6は、その内方の偏心軸8により支持されると共にその偏心軸8と共に偏心回転するようになっている。このロータ6の周囲には、各ハウジング2、4とこのロータ6とにより囲まれた3つの作動室10、11、12が形成されている。各作動室10、11、12の容積は、ロータ6の偏心回転により変化するようになっている。そして、作動室10、11、12における吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の一連の工程により、ロータ6が回転させられると共に偏心軸8が回転させられ、その回転力が動力として偏心軸8からドライブシャフト(図示せず)等に出力される。なお、この図1に示す状態では、作動室10において吸気及び圧縮行程が行われ、作動室11において膨張(爆発)工程が行われ、作動室12において排気行程が行われるようになっている。
ロータハウジング2には点火プラグ14が取り付けられ、また、サイドハウジング4には、吸気ポート16及び排気ポート18が形成されている。吸気ポート16には、吸気通路20が接続されており、その吸気通路20を介して作動室10内に空気が導かれる。また、排気ポート18には、排気通路22が接続されており、その排気通路22を介して作動室12内の排気ガスが排出される。
図2に示すように、吸気通路20の上流側にはスロットル弁24が設けられ、さらにその上流側にはエアクリーナー26が設けられている。
また、排気通路22の下流側には、排気ガス浄化触媒(図示せず)などが設けられている。この排気通路22には、排気通路22中の排気ガスの一部を吸気通路20に還流するためのEGR装置30が設けられている。このEGR装置30は、排気通路22と吸気通路20とを連結するEGR通路32と、このEGR通路32内の還流する排気ガスを冷却して密度を高めるEGRクーラ34と、EGR率を制御するためのEGR弁36とを有している。このEGR弁36は、コントロールユニット(ECU)70に接続され、このECU70によって、後述するようにEGR率が制御される。
ここで、この水素エンジン1は、燃料として水素(水素ガス)及びガソリンの両方を使用可能になっている。図1に示すように、水素及び燃料の噴射装置として、水素を作動室10内に噴射する直噴式水素ガスインジェクタ40がロータハウジング2に取り付けられ、水素を吸気通路20内に噴射するポート噴射式水素ガスインジェクタ42が吸気通路20に取り付けられ、さらに、ガソリン燃料を吸気通路20内に噴射するポート噴射式ガソリンインジェクタ44が、ポート噴射式水素ガスインジェクタ26より吸気ポート16に近い位置で吸気通路20に取り付けられている。
図2に示すように、各水素ガスインジェクタ40、42は、それぞれ、途中で分岐した水素ガス供給通路50を介して水素高圧ガスタンク52に接続され、この水素高圧ガスタンク52から水素ガスが供給されるようになっている。この水素高圧ガスタンク52の排出口には、そのタンク52から水素ガス供給通路50への水素ガス排出を制御するための停止弁54が設けられ、さらに、その下流側の水素ガス供給通路50には、各インジェクタ40、42に対する水素供給量(水素供給圧力)を制御する遮断弁56が設けられている。さらに、遮断弁56の下流側の水素ガス供給通路50には、水素ガス供給通路50内の残圧を検出するための水素ガス圧力センサ58が取り付けられている。水素高圧ガスタンク52内の水素残量は、このセンサ58で検出された水素ガス供給通路50内の残圧から算出される。
ガソリンインジェクタ44は、ガソリン供給通路60を介してガソリンタンク62に接続されている。ガソリンタンク62内のガソリンは、フューエルポンプ64によりガソリン供給通路60に送出される。ガソリンタンク62には、ガソリンの残量を検出するためのガソリンレベルセンサ66が取り付けられている。
水素及びガソリン用の各インジェクタ40、42、44の内部には、それぞれ電磁弁(図示せず)が組み込まれており、水素ガスインジェクタ40、42による水素ガス噴射量、及び、ガソリンインジェクタ44によるガソリン噴射量は、それぞれ、各電磁弁の開閉量により調整される。各インジェクタ40、42、44は、それぞれ、ECU70に接続され、このECU70によって、後述するように水素ガス噴出量及びガソリン噴出量が制御される。
エンジン1には、センサとして、上述した水素ガス圧力センサ58、ガソリンレベルセンサ66の他に、エンジン本体部に、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ72が取り付けられている。また、排気通路22に、排気通路22中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ74が取り付けられ、空燃比λは、この酸素濃度センサ74により検出された酸素濃度によって算出される。さらに、図示しないが、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ、吸気通路20内の空気の温度及び量を検出する吸気温センサ及びエアフローセンサ、スロットル弁24の開度を検出するスロットル開度センサ、排気通路22内の排気ガスの温度を検出する排気温センサ、水素ガス供給通路50内を流れる水素ガスの流量を検出する水素ガス流量計、ガソリン供給通路60内を流れるガソリンの流量を検出するガソリン流量計なども、エンジン1に設けられている。
ECU70には、これらのセンサの出力信号、特に、水素ガス圧力センサ58からの水素高圧ガスタンク52内の水素残量Hに関する出力信号、ガソリンレベルセンサ66からのガソリン残量Gに関する出力信号、エンジン回転数センサ72からのエンジン回転数Nに関する出力信号、及び、酸素濃度センサ74からの空燃比λに関する出力信号が入力されるようになっている。
次に、図3及び図4により、ECU70による燃料噴射制御及びEGR率制御の内容を説明する。
図3は、本実施形態のコントロールユニットによる燃料噴射制御の内容を示すフローチャートであり、図4は、エンジン回転数に基づいて水素及びガソリンの混合比率を決定するための制御マップを示す図表である。なお、図3に示すフローチャートにおいて、「S」は各ステップを示す。
先ず、図3に示すように、S1において、水素残量Hに関する出力信号、ガソリン残量Gを示す出力信号及びエンジン回転数Nを示す出力信号を各センサ58、66、72から読み込む。
次に、S2において、S1で読み込んだ水素残量Hが所定値以下であるか否かを判定する。本実施形態では、所定値として、水素高圧ガスタンク52の全容量の3%の容量と設定している。例えば、タンク52の全容量が35MPaとすると、所定値として1MPaと設定する。このように、S2においては、水素残量Hが少ないか否かを判定する。
また、S3においては、S1で読み込んだガソリン残量Gが所定値以下であるか否かを判定する。本実施形態では、所定値としてガソリンタンク62の全容量の3%の容量と設定している。このように、S3においては、ガソリン残量Gが少ないか否かを判定する。なお、水素残量及びガソリン残量の所定値は、車両に応じて異なっていても良い。
本実施形態では、これらのS2及びS3の判定により、水素による運転、ガソリンによる運転、水素とガソリンを混合させた運転を切り換えるようにしている。以下に、それぞれの場合を説明する。
先ず、S2において、水素残量Hが所定値を超えていると判定された場合、即ち、水素残量に余裕がある場合について説明する。
この場合には、S2の判定終了後、S4に進み、水素ガスによる運転を行う。具体的には、ECU70は、ポート噴射式ガソリンインジェクタ44によるガソリンの噴射を禁止し、直噴式水素ガスインジェクタ40やポート噴射式水素ガスインジェクタ42による水素ガスの噴射を実行させるように、各インジェクタ40、42、44を制御する。
ここで、このS4における水素ガスの噴射の制御内容を説明する。本実施形態では、エンジン回転数に応じて各インジェクタ40、42を使い分けるようにしている。
具体的には、S1で読み込んだエンジン回転数Nが第1領域(800〜2500rpm)の場合は、圧縮行程において直噴式水素ガスインジェクタ40のみで水素ガスを噴射する。これにより、空気及び水素ガスの充填効率を高めて、出力トルクを確保するようにしている。つまり、仮に吸気行程中に吸気通路20から噴射したのでは、水素ガスが気体でありその体積が大きいことに起因して、十分な空気量を作動室10に確保しにくいのである。
エンジン回転数Nが第2領域(2500〜5000rpm)の場合は、吸気行程において直噴式水素ガスインジェクタ40のみで水素ガスを噴射する。このように吸気行程の段階で水素ガスを噴射することにより、空気と水素ガスのミキシング時間を確保して、ミキシング不足による過早着火などの異常燃焼の発生を抑制するようにしている。
エンジン回転数Nが第3領域(5000〜7000rpm)の場合は、圧縮行程における直噴式水素ガスインジェクタ40による噴射と、吸気行程におけるポート噴射式水素ガスインジェクタ42による予混合噴射とを併用する。これは、圧縮行程における直噴式水素ガスインジェクタ40による噴射によりトルクを確保すると共に、ポート噴射式水素ガスインジェクタ42による予混合噴射により空気と水素ガスのミキシング性を向上させるためである。各インジェクタ40、42の噴射量の比率は、本実施形態では、直噴式水素ガスインジェクタ40による噴射量が20%、ポート噴射式水素ガスインジェクタ42による噴射量が80%と設定されている。
なお、水素ガスの噴射量自体は、空燃比がλ=2となるように、吸入空気量、吸入空気温度、酸素濃度センサ74からの出力信号(空燃比λ)などに基づいて決定される。
このS4における処理が終了すると、次に、S5に進み、ECU70は、EGR率が50%となるように、EGR弁36を制御する。このように、ガソリンのみの燃焼時におけるEGR率(限界は20%程度)に比べ、EGR率を50%と大きな値に設定して、NOxを効果的に低減させるようにしている。ここで、EGR率を50%と大きな値に設定しても、水素ガスはガソリンに比べ着火性が非常に優れているので、燃焼性の悪化の懸念が非常に少ない。
次に、S2において水素残量Hが所定値以下であると判定され、且つ、S3においてガソリン残量Gが所定値を超えていると判定された場合、即ち、水素残量は少ないがガソリン残量に余裕がある場合について説明する。
この場合には、S3の判定終了後、S6に進み、ガソリンによる運転を行う。具体的には、ECU70は、ポート噴射式ガソリンインジェクタ44によるガソリンの噴射を実行させ、直噴式水素ガスインジェクタ40及びポート噴射式水素ガスインジェクタ42による水素ガスの噴射を禁止するように、各インジェクタ40、42、44を制御する。なお、ガソリン水素ガスの噴射量は、空燃比がλ=1となるように、吸入空気量、吸入空気温度、酸素濃度センサ74からの出力信号(空燃比λ)などに基づいて決定される。
次に、S7に進み、ECU70は、EGR率が20%となるように、EGR弁36を制御する。このEGR率の20%という値は、一般に、ガソリン燃焼における限界値に近い値であり、EGR率20%を超えると非常に着火しにくくなり、或いは着火しても失火する恐れがある。
次に、S2において水素残量Hが所定値以下であると判定され、且つ、S3においてガソリン残量Gが所定値以下であると判定された場合、即ち、水素残量もガソリン残量も少ない場合について説明する。
この場合には、S3の判定終了後、S8に進み、水素ガスとガソリンを混合させた運転を行う。具体的には、ECU70は、ポート噴射式ガソリンインジェクタ44によるガソリンの噴射、及び、直噴式水素ガスインジェクタ40やポート噴射式水素ガスインジェクタ42による水素ガスの噴射を実行させるように、各インジェクタ40、42、44を制御する。
ここで、このS8における水素ガス及びガソリンの噴射の制御内容を説明する。本実施形態では、エンジン回転数に応じて水素ガスとガソリンの混合比率を設定している。
このS8では、図4に示すマップに基づき、エンジン回転数Nに応じた水素ガスとガソリンの混合比率を決定し、その決定された混合比率となるように、各インジェクタ40、42、44を制御するようにしている。
本実施形態では、図4に示すように、実用域(低回転域)のエンジン回転数(〜3000rpm)では、水素ガスとガソリンの比率を、水素ガスがガソリンよりも大きくなるように、水素ガスを70%、ガソリンを30%と設定している。中回転域のエンジン回転数(3000〜3500rpm)では、水素ガスを70%から50%までエンジン回転数Nに対してリニアに低下するように設定し、ガソリンを50%から70%までエンジン回転数Nに対してリニアに増加するように設定している。高回転域のエンジン回転数(3500rpm〜)では、水素ガスとガソリンの比率を、それぞれ50%と同等に設定している。従って、この高回転域では、実用域に比べ、水素ガスの比率を低める一方、ガソリンの比率を高めている。
本実施形態では、このように、実用域において、水素ガスの比率がガソリンの比率よりも大きくなるように制御することにより、ガソリン併用によるエミッション増加が極力小さくなるようにしている。即ち、ガソリンの比率が少ない分、HCやCOの発生を極力抑えることが出来るのである。一方、高回転域では、実用域に比べてガソリンの比率を大きくすることにより高出力(高トルク)を得ることが出来る。また、高トルクを得ることにより、坂道などトルクが必要な状況においてアクセルを過剰に踏み込むことを抑制して、航続距離を延ばすことが出来る。
ここで、水素ガスを噴射する各インジェクタ40、42は、上述したS4と同様にエンジン回転数に応じて使い分けられる。即ち、第1領域(800〜2500rpm)では、圧縮行程において直噴式水素ガスインジェクタ40のみ、第2領域(2500〜5000rpm)では、吸気行程において直噴式水素ガスインジェクタ40のみ、第3領域(5000〜7000rpm)では、直噴圧縮行程における直噴式水素ガスインジェクタ40による噴射と、吸気行程におけるポート噴射式水素ガスインジェクタ42による予混合噴射との併用、によりそれぞれ水素ガスを噴射する。
水素ガス及びガソリンのそれぞれの噴射量は、水素ガスの空燃比及びガソリンの空燃比がそれぞれリーン領域となるように設定される。例えば、水素ガスの空燃比及びガソリンの空燃比がそれぞれλ=2と設定される。そして、水素ガス及びガソリンの全体としての空燃比がλ=1となるように設定されている。そして、噴射量自体は、吸入空気量、吸入空気温度、酸素濃度センサ74からの出力信号(空燃比λ)などに基づいて決定される。
このS8における処理が終了すると、次に、S9に進み、ECU70は、EGR率が40%となるように、EGR弁36を制御する。このように、ガソリンのみの燃焼時におけるEGR率(例えば20%)に比べ、EGR率を40%と大きな値に設定することにより、NOxを効果的に低減させるようにしている。つまり、水素ガスの着火性が高いので、ガソリンのみの場合よりもEGR率を増大させることが出来、その結果、燃焼性が悪化することを防止すると共にNOxを低減させることが出来るのである。
ここで、図5に、水素、水素とガソリンの混合、ガソリンをそれぞれ使用した場合のエンジン特性の一例として、出力特性及び充填効率特性を示す。
図5に示すように、各燃料使用時に、それぞれ、エンジン回転数に応じて充填効率及び出力としてのトルクが変化する。水素とガソリンの混合時には、その混合比率に応じて特性が変化し、水素70%、ガソリン30%の実用域では、ほぼ水素使用時の充填効率及び出力と同等であり、中回転域では、水素比率を下げ且つガソリン比率を上げるにつれて、充填効率及び出力ともにその増加度合いが大きくなり、高回転域(水素50%、ガソリン50%)では、水素使用時とガソリン使用時のほぼ中間の大きさの充填効率及び出力が得られる。このように、水素残量が少ない場合に、水素とガソリンを混合させた運転を行っても、充填効率及び出力のいずれも確保され、確実に走行することが出来ることが確認されている。
なお、他の実施形態として、S2において水素残量Hが所定値以下であると判定された場合に、ガソリン残量にかかわらず、S8及びS9による水素ガス及びガソリンの混合による運転を行うようにしても良い。この場合、S3において、水素残量Hが0であるかを判定し、水素残量が0と判定された場合、即ち、水素を全て使い切った場合に、S6及びS7によるガソリンのみの運転に切り換えるようにするのが良い。この変形例によれば、水素ガスを使い果たすまで、ガソリンのみによる運転に比べ、エミッション、例えば、HC、CO及びNOxを低減させる運転を行わせることが出来る。
なお、本実施形態では、水素エンジンの制御装置をロータリエンジンに適用しているが、レシプロエンジンにも適用可能である。
本発明の実施形態による水素エンジン本体部の概略構成を示す図である。 図1に示す水素エンジン本体部及びそれに付随する装置を示す本実施形態による水素エンジンの全体構成を示す図である。 本実施形態のコントロールユニットによる制御内容を示すフローチャートである。 エンジン回転数に基づいて水素及びガソリンの混合比率を決定するための制御マップを示す図表である。 水素とガソリンの混合時におけるエンジン回転数と充填効率或いは出力との関係を水素使用時及びガソリン使用時における関係と共に示す線図である。
符号の説明
1 水素エンジン
20 吸気通路
22 排気通路
32 EGR通路
36 EGR弁
40 直噴式水素ガスインジェクタ
42 ポート噴射式水素ガスインジェクタ
44 ポート噴射式ガソリンインジェクタ
50 水素ガス供給通路
52 水素高圧ガスタンク
58 水素ガス圧力センサ
60 ガソリン供給通路
62 ガソリンタンク
66 ガソリンレベルセンサ
70 コントロールユニット
72 エンジン回転数センサ

Claims (3)

  1. 水素貯蔵源から水素エンジンに水素を供給する水素供給装置と、ガソリン貯蔵源から水素エンジンにガソリンを供給するガソリン供給装置と、上記水素貯蔵源の水素残量を検出する水素残量検出手段とを備えた水素エンジンの制御装置であって、
    上記水素エンジンは、さらに、上記ガソリン貯蔵源のガソリン残量を検出するガソリン残量検出手段を備え、
    上記水素エンジンの制御装置は、上記水素残量検出手段により水素残量が所定値以下であると検出され且つ上記ガソリン残量検出手段によりガソリン残量が所定値以下であると検出されたとき、上記水素供給装置による水素の供給から、上記水素供給装置及び上記ガソリン供給装置による水素及びガソリンの両方の供給へと切り換える供給燃料切換手段と、
    上記水素エンジンの低回転時には、水素とガソリンとの供給比率をガソリンより水素が大とし、高回転時には、低回転時よりもガソリンの比率を高める供給燃料比率設定手段と、を有することを特徴とする水素エンジンの制御装置。
  2. さらに、水素及びガソリンの両方が供給されているとき、水素の空燃比及びガソリンの空燃比がそれぞれリーン領域となるように水素供給量及びガソリン供給量を決定する燃料供給量決定手段を有する請求項1に記載の水素エンジンの制御装置。
  3. 上記水素エンジンは、さらに、EGR装置を備え、
    上記制御装置は、さらに、上記水素残量検出手段により水素残量が所定値以下であると検出され且つ上記ガソリン残量検出手段によりガソリン残量が所定値を超えると検出されたとき、水素の供給から、ガソリンの供給へと切り換える第2供給燃料切換手段と、
    水素及びガソリンの両方が供給されているとき、上記EGR装置のEGR率を、ガソリンの供給時におけるEGR率よりも増大させるEGR制御手段と、を有する請求項記載の水素エンジンの制御装置。
JP2005253584A 2005-09-01 2005-09-01 水素エンジンの制御装置 Expired - Fee Related JP4478887B2 (ja)

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