JP2004100474A - 希薄燃焼内燃機関の運転制御 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンECU40は、算出した触媒温度Tcatがストイキ運転からリーン運転への切り替えを判定する判定温度(350℃)よりも高いか否かを判定し、Tcat>350℃であると判定した場合には、リーン運転を実行する。エンジンECU40は、Tcat≦350℃であると判定した場合には、算出した触媒温度Tcatがリーン運転からストイキ運転への切り替えを判定する判定温度(250℃)よりも高いか否かを判定し、Tcat<250℃であると判定した場合には、ストイキ運転を実行する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希薄燃焼運転が可能な内燃機関におけるストイキ運転とリーン運転間における切替を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関における燃費向上技術の1つとして、希薄燃焼(リーンバーン)技術が知られている。リーンバーン技術では、エンジン負荷の小さな領域(リーン運転領域)において理論空燃比よりも大きな空燃比にてエンジンを運転させることによって燃料消費量が低減される。また、リーン運転時にエンジンから排出される排気ガス中には、ストイキ運転時よりも多くの窒素酸化物(NOx)が含まれるため、NOx吸蔵触媒を用いた排気ガスの浄化処理が行われている。
【0003】
このNOx吸蔵触媒には他の触媒と同様にして有効温度領域を有しており、有効温度領域を外れた温度領域(一般的に、低温域)では、十分な浄化作用を提供することができない。一方、リーン運転時における燃焼温度はストイキ運転時における燃焼温度よりも低いため、リーン運転が継続されるとNOx吸蔵触媒の温度が低下し、所期の浄化作用を得ることができなくなる。そこで、従来は、排気ガス温度、エンジン冷却液温度を監視して、NOx吸蔵触媒の有効温度領域を外れるおそれがある場合には、リーン運転からストイキ運転へとエンジンの運転状態を切り換えて、燃焼温度(排気ガス温度)を上昇させることが行われていた。例えば、下記特許文献1、2を参照。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−47040号公報
【特許文献2】
特開2001−248488号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の運転状態の切り替えは、リーン運転が可能であるにもかかわらずNOx吸蔵触媒を有効温度領域下に置くために、すなわち、空燃比を小さくすることにより排気温度を上げてNOx吸蔵触媒を暖機するために実行されており、燃費向上の観点からは好ましくない。したがって、NOx吸蔵触媒を有効温度領域下に置きつつ、できる限りリーン運転を継続することが望まれる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、触媒温度を有効温度領域下に置きつつ、リーン運転領域を拡大することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置を提供する。本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置は、前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へ切り換え、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へ切り換え、排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えることができる。触媒は、暖機後における触媒温度低下時には触媒温度上昇時と比較してより低い有効温度領域を有することが判明したので、第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合に内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えることにより、触媒温度を有効温度領域下に置きつつ、リーン運転領域を拡大することができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置はさらに、前記排気ガス浄化触媒の劣化の度合いを推定する推定手段と、前記推定された劣化の度合いが大きくなるに連れて少なくとも前記第1の判定温度および前記第2の判定温度のいずれか一方を高く修正する判定温度修正手段とを備えても良い。かかる場合には、排気ガス浄化触媒の劣化の度合いに応じて各判定温度を修正することができるので、排気ガス浄化触媒の劣化の度合いにかかわらず十分な排気ガスの浄化を実行することができる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置において、前記触媒温度取得手段は、前記排気ガス浄化触媒またはその近傍に配置されている温度センサであっても良く、あるいは、前記触媒温度取得手段は、前記内燃機関の始動後経過時間、積算吸入空気量、空燃比、点火時期をパラメータとして前記排気ガス浄化触媒温度を算出しても良い。触媒温度は、この他にも内燃機関の冷却液温度から推定しても良い。いずれの場合にも、排気ガス浄化触媒の温度を取得することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置を提供する。本発明の第2の態様に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関をリーン運転状態およびストイキ運転状態のいずれかの運転状態にて運転制御する運転制御手段と、前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記運転制御手段による、前記内燃機関の運転状態のストイキ運転状態からリーン運転状態への切り換えを許容し、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態のリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えを前記運転制御手段に要求する運転状態切替制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には運転制御手段による、内燃機関の運転状態のストイキ運転状態からリーン運転状態への切り換えを許容し、排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には内燃機関の運転状態のリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えを運転制御手段に要求する。また、触媒は、暖機後における触媒温度低下時には触媒温度上昇時と比較してより低い有効温度領域を有することが判明した。したがって、本発明の第2の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、触媒温度を有効温度領域下に置きつつ、リーン運転領域を拡大することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置を提供する。本発明の第3の態様に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態とストイキ運転状態との間で切り換えて制御する運転制御手段と、前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記検出された排気ガス浄化触媒温度が、前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態に切り換えるための第1の判定温度よりも低い第2の判定温度未満となった場合には、前記運転制御手段による制御にかかわらず、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、排気ガス浄化触媒温度が、内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態に切り換えるための第1の判定温度よりも低い第2の判定温度未満となった場合には、運転制御手段による制御にかかわらず、内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える。また、触媒は、暖機後における触媒温度低下時には触媒温度上昇時と比較してより低い有効温度領域を有することが判明した。したがって、本発明の第3の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、触媒温度を有効温度領域下に置きつつ、リーン運転領域を拡大することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置を提供する。本発明の第4の態様に係る内燃機関の運転制御装置は、前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記排気ガス浄化触媒の暖機未了時には第1の判定温度を用い、前記排気ガス浄化触媒の暖機完了後には第1の判定温度よりも低い第2の判定温度を用いて、前記検出された触媒温度が前記各判定温度未満になった時には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態へと切り換え、前記検出された触媒温度が前記各判定温度以上になった時には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へと切り換える運転状態切替手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、排気ガス浄化触媒の暖機未了時には第1の判定温度を用い、排気ガス浄化触媒の暖機完了後には第1の判定温度よりも低い第2の判定温度を用いて、検出された触媒温度が各判定温度未満になった時には内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態へと切り換え、検出された触媒温度が各判定温度以上になった時には内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へと切り換える。また、触媒は、暖機後における触媒温度低下時には触媒温度上昇時と比較してより低い有効温度領域を有することが判明した。したがって、本発明の第4の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置によれば、触媒温度を有効温度領域下に置きつつ、リーン運転領域を拡大することができる。
【0017】
本発明の第2〜第4の態様に係る内燃機関の運転制御装置は、本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様にして種々の態様を取り得る。
【0018】
本発明の第5の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関は、前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へ切り換え、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替制御手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の態様に係る内燃機関によれば、本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
本発明の第6の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関は、前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、前記内燃機関をリーン運転状態およびストイキ運転状態のいずれかの運転状態にて運転制御する運転制御手段と、前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記運転制御手段による、前記内燃機関の運転状態のストイキ運転状態からリーン運転状態への切り換えを許容し、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態のリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えを前記運転制御手段に要求する運転状態切替制御手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の第6の態様に係る内燃機関によれば、本発明の第2の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
本発明の第7の態様に係る希薄燃焼運転可能な内燃機関は、前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態とストイキ運転状態との間で切り換えて制御する運転制御手段と、前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記検出された排気ガス浄化触媒温度が、前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態に切り換えるための第1の判定温度よりも低い第2の判定温度未満となった場合には、前記運転制御手段による制御にかかわらず、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の第7の態様に係る内燃機関によれば、本発明の第3の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0024】
本発明の第8の態様に係る排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関は、前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記排気ガス浄化触媒の暖機未了時には第1の判定温度を用い、前記排気ガス浄化触媒の暖機完了後には第1の判定温度よりも低い第2の判定温度を用いて、前記検出された触媒温度が前記各判定温度未満になった時には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態へと切り換え、前記検出された触媒温度が前記各判定温度以上になった時には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へと切り換える運転状態切替手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明の第8の態様に係る内燃機関によれば、本発明の第4の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明の第5〜8の態様に係る内燃機関は、本発明の第1の態様に係る内燃機関の運転制御装置と同様にして種々の態様を取り得る。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつついくつかの実施例に基づいて、本発明に係る希薄燃焼内燃機関の運転制御装置について説明する。
【0028】
・第1の実施例:
図1を参照して本発明が適用され得る希薄燃焼内燃機関の構成について説明する。図1は本実施例に係る希薄燃焼内燃機関の概略構成を示す説明図である。
【0029】
本実施例に用いられる内燃機関10は、シリンダブロック11に区画形成されたシリンダ12内(燃焼室)に直接燃料が噴射供給される希薄燃焼運転(リーン運転)可能な筒内噴射式内燃機関10であり、爆発燃焼によりシリンダ12内を往復動するピストン13を介して駆動力を出力する。シリンダヘッド14は、各シリンダ12毎に吸気ポート15および排気ポート16を有している。各吸気ポート15には、吸気側カムICによって駆動されて吸気ポート15を開閉する吸気バルブ151が配置されており、各排気ポート16には、排気側カムECによって駆動されて排気ポート16を開閉する排気バルブ161が配置されている。
【0030】
各吸気ポート15には、吸気管17の分岐端が連結され、各排気ポート16には、排気管(排気マニホールド)18の分岐端が連結されている。吸気管17の先端には吸入空気を濾過するためのエアクリーナ(図示せず)が配置されている。吸気管17の途中には、燃焼室への流入吸気量を制御する吸気制御バルブ19が配置されている。吸気制御バルブ19は、アクセルペダルと機械的に連結されていない、いわゆるドライブ・バイ・ワイヤ方式のリンクレスバルブであり、アクセルペダルの踏み込み量に応じてアクチュエータ191によって駆動される電子制御式バルブである。
【0031】
排気管18には、排出される排気ガスを浄化するためのNOx吸蔵還元型三元触媒20が内包されている。NOx吸蔵還元型三元触媒(以下、「NOx吸蔵触媒」という)20は、一般的なCO、HCを浄化する三元触媒に、リーン運転時に発生するNOxを一時的に吸蔵し、吸蔵したNOxをストイキ運転時に窒素に還元する機能を併せ持たせた触媒である。
【0032】
吸気制御バルブ19とエアクリーナ171との間には、単位時間あたりの吸入空気量を検出するエアフロメータ50が配置されている。エアフロメータ50は、ホットワイヤタイプのエアフロメータであり、その出力信号値として直接吸入空気量を出力する。
【0033】
シリンダヘッド14の周縁部であって吸気ポート15の近傍には燃料噴射弁IJが配置されている。本実施例において用いられる燃料噴射弁IJは、高圧燃料ポンプによって約8〜13MPa程度まで昇圧された燃料を保有する燃料デリバリパイプFDから高圧燃料の供給を受け、内蔵されているアクチュエータ(図示しない)によって開弁される高圧インジェクタである。
【0034】
シリンダヘッド14には、各シリンダ12に対応する位置に点火プラグ30が配置されている。各点火プラグ30はイグナイタ(図示せず)を介してエンジンコントロールユニット(ECU)40によって点火時期が制御される。
【0035】
ピストン13の上面には、リーン運転時(成層燃焼時、弱成層燃焼時)に燃料噴射弁IJから噴射された燃料を受けて混合気を形成するための窪み(キャビティ)131が形成されている。成層燃焼時には、一般的に、圧縮行程の後半に燃料噴射弁IJから燃料が供給されるので、点火時期に間に合うように供給された燃料の混合気化(拡散)を促進する必要があると共に、点火プラグ30の周りに可燃混合気を集中させる必要がある。そこで、ピストン13の上面にキャビティ131を形成し、小燃焼室としての機能を持たせることによって、成層燃焼時におけるこれらの要求を満足させる。
【0036】
第1の実施例に係る筒内噴射式内燃機関10は、図1に示すECU40によって制御されている。ECU40には、吸入空気量を検出するエアフロメータ50、NOx吸蔵触媒20の温度を検出する温度センサ51、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ、車両速度を検出する車速センサ、機関回転数を検出するクランクポジションセンサといった内燃機関10の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。ECU40には、燃料噴射弁IJ、アクチュエータ191を介して吸気制御バルブ19、点火プラグ30が接続されている。
【0037】
次に、上記構成を備える内燃機関10の一般的な動作について簡単に説明する。エンジンECU40は、内燃機関10の始動後、内燃機関10の始動後、各種センサからの入力信号に基づいて最適な運転状態(リーン運転、ストイキ運転)を選択、実行する。すなわち、インジェクタIJからの燃料噴射量ならびに噴射時期を決定し、インジェクタIJを介してシリンダ12(燃焼室)内に所定の空燃比が形成されるよう燃料を噴射させる。また、エンジンECU40は、内燃機関10の運転状態に応じて点火プラグ30による点火時期制御を行う。
【0038】
次に図2〜図6を参照して、第1の実施例に係る希薄燃焼内燃機関におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御について説明する。図2はNOx吸蔵触媒内部の劣化の分布を模式的に示す説明図である。図3は暖機過程におけるNOx吸蔵触媒の内部温度分布を示す説明図である。図4は排気ガス温度の低下過程におけるNOx吸蔵触媒の内部温度分布を示す説明図である。図5はNOx吸蔵触媒の劣化に対するNOx吸蔵能力(NOx浄化率)の温度特性を示す説明図である。図6は第1の実施例に係る希薄燃焼内燃機関におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御にて実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0039】
先ず、本実施例におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御の根拠となる温度に対するNOx吸蔵触媒20の浄化特性(NOx吸蔵能力)について説明する。図2では、劣化の度合いが濃淡変化によって示されており、触媒の劣化が大きくなるに連れて濃い濃度で示されている。図2に示すように、一般的にNOx吸蔵触媒20を始めとする触媒は、車両の走行距離の増加と共にその上流側において劣化が顕著となり、下流側に置いては劣化の度合いが小さいことが判明した。これは、触媒の上流側は常に高温で未浄化の排気ガスに曝されるのに対して、触媒の下流側は上流側で少なくとも一部が浄化されていると共にいくらか温度が低下した排気ガスと接触することに起因するものと考えられる。
【0040】
暖機過程におけるNOx吸蔵触媒20内部の温度分布は図3に示すとおりであり、触媒20の上流側は温度上昇が早いが、触媒20の下流側は温度上昇が遅く、触媒20全体が有効温度領域に到達するためには時間を要することが判る。一方、排気ガス温度の低下過程(NOx吸蔵触媒20の冷却時)、例えば、高負荷運転から低負荷運転にシフトした際、における触媒20内部の温度分布は図4に示すとおりである。一旦、全域にわたって有効温度領域まで温度が上昇した触媒20は、低負荷運転下では、リーン運転によって温度が低下した排気ガスに曝されるため、触媒20の上流側から温度が低下し始め、触媒20の下流側は遅れて温度が低下し始める。
【0041】
NOx吸蔵触媒20の劣化に対するNOx吸蔵能力の温度特性は図5に示すとおりであり、劣化が大きい状態では高温(図5では約350℃)にならなければ十分なNOx吸蔵能力を得ることができない(C1)が、劣化が小さい状態では比較的低温からNOx吸蔵能力を得ることができる(C2)ことが判明した。この特性を触媒の上流側と下流側とに当てはめれば、NOx吸蔵触媒20は以下の特性を備えていることが判明する。
【0042】
NOx吸蔵触媒20が暖機される際には、上述の通り触媒20の上流側から温度上昇が進むが、触媒20の上流側は劣化が大きいので高温にならなければ十分なNOx吸蔵能力を得ることができない。一方、触媒20の下流側は劣化が小さく比較的低い温度から十分なNOx吸蔵能力を示すものの、温度上昇には時間を要するため暖機過程では十分なNOx吸蔵能力を得ることができない。したがって、NOx吸蔵触媒20が暖機される際には、劣化が大きい場合の温度特性線C1に従って、ストイキ運転からリーン運転間への切り替えを許容する触媒温度T1を決定すれば都合がよい。
【0043】
これに対して、NOx吸蔵触媒20が冷却される際には、上述の通り触媒20の上流側から温度低下が進むため、劣化が大きく直ちに温度が低下する触媒20の上流側では十分なNOx吸蔵能力が得られなくなる。一方、触媒20の下流側は、依然としてしばらくの間、十分なNOx吸蔵能力を得ることができる有効温度領域にあると共に、劣化が小さく比較的低い温度でも十分なNOx吸蔵能力を得ることができる。したがって、NOx吸蔵触媒20が冷却される際には、劣化が小さい場合の温度特性線C2に従って、リーン運転からストイキ運転への切り替えを決定する触媒温度T2を決定すれば都合がよい。
【0044】
以下の図6を参照して説明するリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御処理では、上記NOx吸蔵還元触媒20の温度特性を利用して、リーン運転領域を拡大する。なお、以下の説明では、本実施例の理解を容易にするために、触媒温度条件を除いて、内燃機関の運転状態はリーン運転を許容するリーン運転領域にあるものとする。
【0045】
エンジンECU40は、所定時間毎に本処理ルーチンを実行する。本処理ルーチンを開始すると、エンジンECU40は、始動後経過時間、積算吸入空気量、空燃比、点火時期の読み込みを実行する(ステップS100)。エンジンECU40は、読み込んだ始動後経過時間、積算吸入空気量、空燃比、点火時期をパラメータとして用いてNOx吸蔵触媒20の温度Tcatを算出する(ステップS110)。
【0046】
エンジンECU40は、算出した触媒温度Tcatがストイキ運転からリーン運転への切り替えを判定する判定温度T1(350℃)よりも高いか否かを判定する(ステップS120)。一般的に、ストイキ運転からリーン運転への切り替えは、触媒温度のみを決定条件としておらず、他の運転条件をも考慮された上で実行されるため、ストイキ運転からリーン運転への切り替えを判定する判定温度は、ストイキ運転からリーン運転への切り替えの一条件として用いられる許容温度的な意味合いを有する。ただし、本実施例では上述の通り他の運転条件はリーン運転領域への切り替え条件を満たしていることを前提としているので、判定温度T1はストイキ運転からリーン運転への切り替えを要求する要求温度と言うこともできる。
【0047】
エンジンECU40は、Tcat>350℃であると判定した場合には(ステップS120:Yes)、リーン燃焼(リーン運転)を実行する(ステップS130)。エンジンECU40は、リーン運転時には、シリンダ12(燃焼室)内における空燃比が理論空燃比よりも大きくなるように燃料噴射量を決定する。エンジンECU40は、リーン燃焼実行中であることを示すリーン燃焼フラグをONして(ステップS140)、本処理ルーチンを終了する。
【0048】
エンジンECU40は、Tcat≦350℃であると判定した場合には(ステップS120:No)、エンジンECU40は、算出した触媒温度Tcatがリーン運転からストイキ運転への切り替えを判定する判定温度T2(250℃)よりも高いか否かを判定する(ステップS150)。一般的に、リーン運転からストイキ運転への切り替えは、NOx吸蔵触媒20を有効温度領域に維持するために実行される処理であり、他の運転条件よりも優先する決定条件となるため、リーン運転からストイキ運転への切り替えを判定する判定温度は、要求温度ということができる。エンジンECU40は、Tcat<250℃であると判定した場合には(ステップS150:Yes)、ストイキ燃焼(ストイキ運転)を実行する(ステップS160)。すなわち、算出された触媒温度Tcatは、NOx吸蔵触媒20の有効温度領域の下限にあり、リーン運転を継続するとNOx吸蔵触媒20の触媒温度Tcatは有効温度領域を外れてしまうため、排出ガス温度を上昇させるべくストイキ運転を実行するのである。
【0049】
エンジンECU40は、ストイキ運転時には、シリンダ12(燃焼室)内における空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を決定する。エンジンECU40は、リーン燃焼実行中であることを示すリーン燃焼フラグをOFFして(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。
【0050】
エンジンECU40は、Tcat≧250℃であると判定した場合には(ステップS150:No)、リーン燃焼フラグがONされているか否かを判定する(ステップS180)。すなわち、この状態は、NOx吸蔵触媒20の暖機過程または冷却過程に該当する。本実施例では、リーン運転からストイキ運転への切替判定温度である判定温度T2には、ストイキ運転からリーン運転への切替判定温度である判定温度T1よりも低い温度が用いられている(ヒステリシスが設けられている)ので、この移行状態が存在する。この結果、リーン運転とストイキ運転の切替判定温度として同一温度を用いていた従来例と比較して、リーン運転からストイキ運転への切り替え時におけるリーン運転領域を拡大することができる。
【0051】
エンジンECU40は、リーン燃焼フラグがONされていると判定した場合には(ステップS180:Yes)、リーン燃焼(リーン運転)を実行し(ステップS190)、本処理ルーチンを終了する。一方、エンジンECU40は、リーン燃焼フラグがONされていないと判定した場合には(ステップS180:No)、ストイキ燃焼(ストイキ運転)を実行し(ステップS195)、本処理ルーチンを終了する。
【0052】
以上説明したように、第1の実施例に係る希薄燃焼内燃機関の運転制御装置によれば、新たに判明した、NOx吸蔵触媒20は、一旦、暖機されると、触媒冷却時には触媒暖機時よりも低い触媒温度Tcatにおいても十分な吸蔵能力を発揮する、というNOx吸蔵触媒20の温度特性を利用して、リーン運転領域を拡大することができる。従来は、リーン運転とストイキ運転との切り替えを判定する温度として、触媒暖機時において十分な吸蔵能力を発揮する温度が判定温度として用いられていた。これに対して、本実施例では、触媒暖機時には従来と同様の温度を判定温度T1として用い、触媒冷却時には判定温度T1より低い判定温度T2(一般的に、リーン運転からストイキ運転への切り換え判定温度)を用いてリーン運転とストイキ運転との切り替えを行う。したがって、従来と比較して十分な浄化能力を維持しつつリーン運転領域を拡張することができることとなり、燃費性能を向上させることができる。
【0053】
・第2の実施例:
第2の実施例について図1、図7および図8を参照して説明する。図7は第2の実施例に係る希薄燃焼内燃機関におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御にて実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図8はNOx吸蔵触媒20の劣化の度合いに応じて判定温度T1および判定温度T2を決定するために用いられるマップの一例を示す説明図である。なお、第2の実施例が適用され得る希薄燃焼内燃機関の構成は第1の実施例が適用され得る希薄燃焼内燃機関10の構成と同様であるから同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
第2の実施例では、NOx吸蔵触媒20の劣化の度合いに応じて判定温度T1および判定温度T2が変更される。また、触媒温度Tcatは、NOx吸蔵触媒20に配置された触媒温度センサ51によって検出、取得される。なお、以下の説明では、本実施例の理解を容易にするために、触媒温度条件を除いて、内燃機関の運転状態はリーン運転を許容するリーン運転領域にあるものとする。
【0055】
エンジンECU40は、所定時間毎に本処理ルーチンを実行する。本処理ルーチンを開始すると、エンジンECU40は、触媒温度センサ51からNOx吸蔵触媒20の温度Tcatを取得する(ステップS200)。エンジンECU40は、NOx吸蔵触媒20の劣化度を推定し、図8に示すマップを用いて判定温度T1および判定温度T2を決定する(ステップS210)。判定温度T1および判定温度T2は、図8から理解されるように、NOx吸蔵触媒20の劣化度が大きくなるにつれて高くなるように決定される。NOx吸蔵触媒20の劣化度の判定は、たとえば、NOx吸蔵触媒20の下流にNOxセンサを設け、本来NOxが吸蔵されるべき運転状態時に、NOxセンサにより検出されたNOx濃度が所定値以上の値を示すとき、NOx吸蔵触媒20が劣化したと判別し、そのときのNOx濃度に基づいてNOx触媒吸蔵20の劣化度を判定する。
【0056】
エンジンECU40は、取得した触媒温度Tcatが先に決定した判定温度T1よりも高いか否かを判定する(ステップS220)。エンジンECU40は、Tcat>T1℃であると判定した場合には(ステップS220:Yes)、リーン燃焼(リーン運転)を実行する(ステップS230)。エンジンECU40は、リーン燃焼実行中であることを示すリーン燃焼フラグをONして(ステップS235)、本処理ルーチンを終了する。
【0057】
エンジンECU40は、Tcat≦T1℃であると判定した場合には(ステップS220:No)、エンジンECU40は、取得した触媒温度Tcatが先に決定した判定温度T2よりも高いか否かを判定する(ステップS240)。エンジンECU40は、Tcat<T2℃であると判定した場合には(ステップS240:Yes)、ストイキ燃焼(ストイキ運転)を実行する(ステップS250)。すなわち、取得された触媒温度Tcatは、NOx吸蔵触媒20の劣化度を考慮に入れると有効温度領域の下限にあり、リーン運転を継続するとNOx吸蔵触媒20の触媒温度Tcatは有効温度領域を外れてしまうため、排出ガス温度を上昇させるべくストイキ運転を実行するのである。エンジンECU40は、リーン燃焼実行中であることを示すリーン燃焼フラグをOFFして(ステップS255)、本処理ルーチンを終了する。
【0058】
エンジンECU40は、Tcat≧T2℃であると判定した場合には(ステップS240:No)、リーン燃焼フラグがONされているか否かを判定する(ステップS260)。すなわち、この状態は、NOx吸蔵触媒20の暖機過程または冷却過程に該当する。本実施例においても、判定温度T2には、判定温度T1よりも低い温度が用いられている(ヒステリシスが設けられている)ので、この移行状態が存在する。この結果、リーン運転とストイキ運転の切替判定温度として同一温度を用いていた従来例と比較して、リーン運転からストイキ運転への切り替え時におけるリーン運転領域を拡大することができる。
【0059】
エンジンECU40は、リーン燃焼フラグがONされていると判定した場合には(ステップS260:Yes)、リーン燃焼(リーン運転)を実行し(ステップS270)、本処理ルーチンを終了する。一方、エンジンECU40は、リーン燃焼フラグがONされていないと判定した場合には(ステップS260:No)、ストイキ燃焼(ストイキ運転)を実行し(ステップS275)、本処理ルーチンを終了する。
【0060】
以上説明したように、第2の実施例に係る希薄燃焼内燃機関の運転制御装置によれば、第1の実施例に係る希薄内燃機関の運転制御装置により得られる効果に加えて、NOx吸蔵触媒20の劣化の度合い(経年劣化)に応じた適切な判定温度T1、T2を用いてリーン運転とストイキ運転との切り替えを実行することができる。本実施例によれば、NOx吸蔵触媒20の劣化度を考慮して判定温度T1、T2を決定することができるので、初期の判定温度T1、T2を経年劣化を考慮したマージンを取ることなく設定することが可能となり、十分な浄化能力を維持しつつ更にリーン運転領域を拡張することができる。
【0061】
また、NOx吸蔵触媒20の劣化度にあわせた判定温度T1、T2を用いることにより、NOx吸蔵触媒20の劣化にかかわらず十分な浄化能力を維持することができる。
【0062】
・その他の実施例:
上記各実施例では、触媒暖機時と触媒冷却時とで判定温度T1、T2を使い分けてリーン運転とストイキ運転との切り替えを実行したが、触媒暖機後と、触媒暖機未了時とで判定温度T1、T2を使い分けても良い。かかる場合には、リーン運転とストイキ運転との切り替えを、触媒暖機後には判定温度T1より低い判定温度T2を用いて実行し、触媒暖機未了時には判定温度T1を用いて実行することができる。したがって、触媒暖機後にはリーン運転からストイキ運転への切り換えに加え、ストイキ運転からリーン運転への切り換えもより低い判定温度T2を用いて実行することができるので、より一層リーン運転領域を拡張することが可能となり、燃費性能を向上させることができる。
【0063】
以上、いくつかの実施例に基づき本発明に係る希薄燃焼内燃機関の運転制御装置および希薄燃焼内燃機関について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0064】
上記実施例では、リーン運転からストイキ運転への切替判定温度(判定温度T2)として250℃、ストイキ運転からリーン運転領域への切替判定温度(判定温度T1)として350℃が用いられているが、これら各判定温度は例示に過ぎず、判定温度T2が判定温度T1よりも低く設定されている限り、他の様々な温度が用いられ得る。判定温度T1よりも判定温度T2が低く設定されていれば、リーン運転領域を拡大することができるからである。
【0065】
また、上記実施例では、筒内噴射型の内燃機関を用いて説明したが、本発明は、この他にも希薄燃焼可能であって、吸気ポートへ燃料が噴射されるポート噴射型の内燃機関に対しても適用可能である。
【0066】
また、上記実施例では、触媒としてNOx吸蔵触媒20を用いたが、三次元触媒等の他の触媒についても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る希薄燃焼内燃機関の概略構成を示す説明図である。
【図2】NOx吸蔵触媒内部の劣化の分布を模式的に示す説明図である。
【図3】暖機過程におけるNOx吸蔵触媒の内部温度分布を示す説明図である。
【図4】排気ガス温度の低下過程におけるNOx吸蔵触媒の内部温度分布を示す説明図である。
【図5】NOx吸蔵触媒の劣化に対するNOx吸蔵能力(NOx浄化率)の温度特性を示す説明図である。
【図6】第1の実施例に係る希薄燃焼内燃機関におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御にて実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例に係る希薄燃焼内燃機関におけるリーン運転およびストイキ運転の切り替え運転制御にて実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】NOx吸蔵触媒20の劣化の度合いに応じて判定温度T1および判定温度T2を決定するために用いられるマップの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…希薄燃焼内燃機関
11…シリンダブロック
12…シリンダ
13…ピストン
131…キャビティ
14…シリンダヘッド
15…吸気ポート
151…吸気バルブ
16…排気ポート
161…排気バルブ
17…吸気管
18…排気管
19…吸気制御バルブ
191… アクチュエータ
30…点火プラグ
40…エンジン制御ユニット(ECU)
50…エアフロメータ
51…触媒温度センサ
IC…吸気側カム
EC…排気側カム
IJ…燃料噴射弁(インジェクタ)
FD…燃料デリバリパイプ
Claims (14)
- 排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置であって、
前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へ切り換え、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替制御手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の運転制御装置はさらに、
前記排気ガス浄化触媒の劣化の度合いを推定する推定手段と、
前記推定された劣化の度合いが大きくなるに連れて少なくとも前記第1の判定温度および前記第2の判定温度のいずれか一方を高く修正する判定温度修正手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の運転制御装置において、
前記触媒温度取得手段は、前記排気ガス浄化触媒またはその近傍に配置されている温度センサである内燃機関の運転制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の運転制御装置において、
前記触媒温度取得手段は、前記内燃機関の始動後経過時間、積算吸入空気量、空燃比、点火時期をパラメータとして前記排気ガス浄化触媒温度を算出する内燃機関の運転制御装置。 - 排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置であって、
前記内燃機関をリーン運転状態およびストイキ運転状態のいずれかの運転状態にて運転制御する運転制御手段と、
前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記運転制御手段による、前記内燃機関の運転状態のストイキ運転状態からリーン運転状態への切り換えを許容し、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態のリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えを前記運転制御手段に要求する運転状態切替制御手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関の運転制御装置はさらに、
前記排気ガス浄化触媒の劣化の度合いを推定する推定手段と、
前記推定された劣化の度合いが大きくなるに連れて少なくとも前記第1の判定温度および前記第2の判定温度のいずれか一方を高く修正する判定温度修正手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 請求項5または請求項6に記載の内燃機関の運転制御装置において、
前記触媒温度取得手段は、前記排気ガス浄化触媒またはその近傍に配置されている温度センサである内燃機関の運転制御装置。 - 請求項5または請求項6に記載の内燃機関の運転制御装置において、
前記触媒温度取得手段は、前記内燃機関の始動後経過時間、積算吸入空気量、空燃比、点火時期をパラメータとして前記排気ガス浄化触媒温度を算出する内燃機関の運転制御装置。 - 排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置であって、
前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態とストイキ運転状態との間で切り換えて制御する運転制御手段と、
前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記検出された排気ガス浄化触媒温度が、前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態に切り換えるための第1の判定温度よりも低い第2の判定温度未満となった場合には、前記運転制御手段による制御にかかわらず、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関の運転制御装置であって、
前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記排気ガス浄化触媒の暖機未了時には第1の判定温度を用い、前記排気ガス浄化触媒の暖機完了後には第1の判定温度よりも低い第2の判定温度を用いて、前記検出された触媒温度が前記各判定温度未満になった時には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態へと切り換え、前記検出された触媒温度が前記各判定温度以上になった時には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へと切り換える運転状態切替手段とを備える内燃機関の運転制御装置。 - 希薄燃焼運転可能な内燃機関であって、
前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、
前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、
前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へ切り換え、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替制御手段とを備える内燃機関。 - 希薄燃焼運転可能な内燃機関であって、
前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、
前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、
前記内燃機関をリーン運転状態およびストイキ運転状態のいずれかの運転状態にて運転制御する運転制御手段と、
前記排気ガス浄化触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
前記取得された排気ガス浄化触媒温度が第1の判定温度を超えた場合には前記運転制御手段による、前記内燃機関の運転状態のストイキ運転状態からリーン運転状態への切り換えを許容し、前記取得された排気ガス浄化触媒温度が前記第1の判定温度よりも低い第2の判定温度以下となった場合には前記内燃機関の運転状態のリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換えを前記運転制御手段に要求する運転状態切替制御手段とを備える内燃機関。 - 希薄燃焼運転可能な内燃機関であって、
前記内燃機関と連通され、排気ガスが流動する排気通路と、
前記排気通路に配置され、前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒と、
前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態とストイキ運転状態との間で切り換えて制御する運転制御手段と、
前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記検出された排気ガス浄化触媒温度が、前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態に切り換えるための第1の判定温度よりも低い第2の判定温度未満となった場合には、前記運転制御手段による制御にかかわらず、前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態に切り換える運転状態切替手段とを備える内燃機関。 - 排気ガス浄化触媒を内包する排気通路を備えた希薄燃焼運転可能な内燃機関であって、
前記排気ガス浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記排気ガス浄化触媒の暖機未了時には第1の判定温度を用い、前記排気ガス浄化触媒の暖機完了後には第1の判定温度よりも低い第2の判定温度を用いて、前記検出された触媒温度が前記各判定温度未満になった時には前記内燃機関の運転状態をリーン運転状態からストイキ運転状態へと切り換え、前記検出された触媒温度が前記各判定温度以上になった時には前記内燃機関の運転状態をストイキ運転状態からリーン運転状態へと切り換える運転状態切替手段とを備える内燃機関。
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