JP2004100270A - 騒音遮断壁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】騒音遮断壁1の構造を、地面より垂直に設置された騒音遮断壁本体2の上部に沿い、断面渦巻き状であってその外部開放部が騒音発生側に向けられた騒音吸収装置4を設置した構造とする。騒音吸収装置4は、そこに入って来る騒音の一部を吸収し、反射するとしても反射音を小さなものとする。そのため、車道内に充満する騒音は従来より減少され、騒音遮断壁の上方を超えて行く騒音は小さくなり、騒音遮断壁自体の振動による音も小さくなる。その結果、騒音を遮断する効率は良くなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車道等で発生する騒音を、出来るだけ外部へ伝わらないようにする騒音遮断壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車が走行することにより発生される騒音を、車道外の民家等へ出来るだけ伝わらないようにするため、しばしば道路に沿って騒音遮断壁が設けられる。
図3は、そのような従来の騒音遮断壁の1例を示す図である。図3において、1は騒音遮断壁、2は騒音遮断壁本体、3は騒音遮断壁上部である。騒音遮断壁1は、道路際に道路に沿って設けられる。図3で括弧で記しているように、騒音遮断壁1より手前側が車道内であり、それより向こう側が車道外である。
【0003】
この例の場合、騒音遮断壁1は、地面から垂直に設置された騒音遮断壁本体2と、該騒音遮断壁本体2の上に形成された騒音遮断壁上部3とより成っている。そして、騒音遮断壁上部3は、内側(車道内側)に湾曲された形状とされている。
車道内で発生された騒音は、騒音遮断壁本体2に反射されたり、騒音遮断壁上部3に反射されたりして、車道外へ出て行くことが阻止される。騒音遮断壁上部3は、斜め上方に向かって出て行こうとする騒音を阻止するが、内側に向かって湾曲されているので、ただ垂直に上方に延びる形状とされているものに比べ、阻止する守備範囲が広くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)
しかしながら、前記した従来の騒音遮断壁には、発生される騒音に壁からの反射音が加わって車道内に騒音が充満し、車道内の騒音を更に大きくするので、騒音を遮断する効率が悪いという問題点があった。
【0005】
(問題点の説明)
▲1▼ 車道内で発生した音は、騒音遮断壁1により反射されて車道内に留まるから、車道内には、新たに発生される騒音と反射されて来る騒音とが充満し、いよいよ大きな騒音となる。その騒音の内、騒音遮断壁上部3よりも上の斜め上方へ向かう分は、騒音遮断壁上部3を超えて外部へ出て行くことになるが、騒音自体が大となっているので、その斜め上方へ向かう分も大となる。
【0006】
▲2▼ また、騒音遮断壁1は衝突して来た騒音を反射はするが、騒音音波の衝突力により、騒音遮断壁1自体も僅かではあるが振動することになる。騒音遮断壁1の振動は、そのサイズ(騒音遮断壁本体2の高さ,騒音遮断壁上部3の湾曲長さ)等によって決まる共振周波数による振動ということになるが、該振動による音波は、当然のことながら騒音遮断壁1より外側(車道外側)へも伝わることになる。その音も、車道内に騒音が充満していればいる程、大なるものとなる。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の騒音遮断壁では、地面より垂直に設置された騒音遮断壁本体と、該騒音遮断壁本体の上部に沿い、断面渦巻き状であってその外部開放部が騒音発生側に向けられて設置された騒音吸収装置とを具える構造とした。
【0008】
(作 用)
騒音遮断壁本体の上部に設置された騒音吸収装置は、そこに入って来る騒音の一部を吸収してしまい、反射するとしても反射音を小さなものとする。そのため、車道内に充満する騒音は従来より減少するので、騒音遮断壁の上方を超えて行く騒音は小さくなるし、騒音遮断壁を振動させることにより外側へ伝達される音も小さくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかわる騒音遮断壁を示す図である。符号は図3のものに対応し、4は騒音吸収装置である。図3の従来例と相違する点は、騒音遮断壁本体2の上部に沿い、内側に湾曲した騒音遮断壁上部3ではなく、特殊な形状をした騒音吸収装置4を取り付ける構造としたという点である。
図2は、その騒音吸収装置4の断面を示す図である。騒音吸収装置4の断面は、適宜回数旋回した渦巻き状とされており、その外部開放部4−1は、騒音が発生する側である車道内側へ向くよう配設されている。
【0010】
車道で発生された騒音は、進入音5の矢印で示すように外部開放部4−1から進入して来る。その騒音は、渦巻き経路を奥へ奥へと進む。奥へ進む内に、音の大きさも減少される。奥まで行った後、反射音6の矢印で示すように出て来ようとする。そのため、騒音吸収装置4の渦巻き経路の途中で、両者はぶつかることになる。ぶつかった時、両方の音波が半波長分だけ異なった状態であれば(つまり、一方の音波は「山」の状態であり、他方の音波は「谷」の状態であれば)、互いに打ち消し合って騒音は消滅してしまう。
言うまでもなく、車道の騒音は種々の波長の音波を含んでいるが、騒音吸収装置4の渦巻き経路の途中のどこかで、進入音5と反射音6とが半波長分だけ異なるという関係になる波長の音は、全て消滅されることになる。従って、外部から見た場合、騒音吸収装置4はまさしく騒音を吸収する装置である。内部で消滅せず、外部開放部4−1から外に出て来る反射音もあるが、途中の反射でエネルギーを消耗しているので、それは相当減少された大きさとなっている。
【0011】
図1に示したように、本発明の騒音遮断壁1は、従来と同様の騒音遮断壁本体2の上部に沿い、前記したような騒音吸収装置4が設置されたものであるが、騒音遮断壁本体2は、従来と同様、車道内で発生された騒音を反射し、車道外へ伝わるのを阻止する。車道内で発生された騒音の内、斜め上方に向かって騒音吸収装置4に入る分は、吸収されてしまうか、反射音が出て来たとしても渦巻き経路の往復で小さなものとされている。
【0012】
従って、従来の騒音遮断壁の場合のように、車道内に反射されて来る騒音は大きなものではなくなり、車道内に充満する騒音も従来より小となる。そのため、騒音吸収装置4の上方を超えて外部へ出てゆく騒音も小さくなるし、騒音遮断壁1自体を振動させる音も弱くなり、従来に比べて騒音を遮断する効率は良くなる。
なお、上例では、車道に沿って設置する騒音遮断壁として用いる場合について述べたが、何もそれに限られるわけではない。何らかの騒音発生源から、騒音が外部へ伝わって行くのを阻止するための壁として、利用することが可能である。例えば、工場の敷地に沿って設置する騒音遮断壁として用いることも出来る。
【0013】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、騒音遮断壁本体の上部に設置された騒音吸収装置が、そこに入って来る騒音の一部を吸収してしまい、反射するとしても反射音を小さなものとするので、車道内に充満する騒音は従来より減少される。そのため、騒音遮断壁の上方を超えて行く騒音は小さくなるし、騒音遮断壁を振動させることにより外側へ伝達される音も小さくなる。これらにより、外部へ伝わる騒音を遮断する効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる騒音遮断壁を示す図
【図2】騒音吸収装置の断面を示す図
【図3】従来の騒音遮断壁の1例を示す図
【符号の説明】
1…騒音遮断壁、2…騒音遮断壁本体、3…騒音遮断壁上部、4…騒音吸収装置、4−1…外部開放部、5…進入音、6…反射音
Claims (1)
- 地面より垂直に設置された騒音遮断壁本体と、
該騒音遮断壁本体の上部に沿い、断面渦巻き状であってその外部開放部が騒音発生側に向けられて設置された騒音吸収装置と
を具えたことを特徴とする騒音遮断壁。
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