JP2004100038A - 熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧延ままで球状化組織を有し、かつ優れた冷間鍛造性や疲労特性を有する線材、棒鋼等の低合金鋼材を提案し、併せてこの低合金鋼材を経済的で操業容易な手段で製造する方法を提案する
【解決手段】質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼組成を有するとともに、その鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上となっている。上記発明においては、鋼組成に質量%でMo:0.30%以下を含有させることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼組成を有するとともに、その鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上となっている。上記発明においては、鋼組成に質量%でMo:0.30%以下を含有させることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車部品や電気部品等の機械部品に使用される炭化物球状化組織を有する低合金鋼材及びその製造方法に関する。特に、圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延された棒材あるは線材を冷間成形して製造される自動車等の部品用素材は高い冷間成形性が要求され、そのため、例えば特許文献1に記載されているような球状化焼鈍を施している。一般に、この球状化焼鈍は、棒鋼あるいは線材のAr1点近傍で長時間、たとえば20〜30h保持することによって行われるものであるため、特別の焼鈍炉が必要であるほか、多大の熱エネルギーがかかり、省エネルギー及び設備費低減の障害となっている。
【0003】
このような問題を解決するために、たとえば、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、仕上げ圧延前に一旦Ar1点以下に冷却した後、仕上げ圧延の際に塑性加工を加え、それによって生ずる変形熱を利用して鋼材を再加熱した後、所定温度に保持することにより圧延ままで球状化組織を有する線材あるいは棒鋼を製造する手段が開示されている。
【0004】
また、特許文献5には、中炭素鋼を熱間圧延する過程において、特定温度まで冷却する際の冷却速度をその間に加えられる引張応力と関係付けて冷却処理した後、再加熱して圧延・徐冷して球状化鋼を製造する方法が開示されている。さらに、特許文献6には、最終仕上げ温度を950℃以下とすることにより、圧延線材の再結晶オーステナイト粒度を11以上とし、その後750〜650℃の範囲を徐冷することにより球状セメンタイト組織を有する冷鍛用線材を製造する方法が開示されている。さらに、特許文献7には、熱間圧延における仕上圧延温度、仕上圧延後の冷却速度を調整することにより、初析セメンタイトのアスペクト比が10以下、且つ、その短径が2μm以下であり、さらに、初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径が20μm以下である鋼組織を得て、伸線前の熱処理を省略可能とする手段が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−33190号公報
【特許文献2】
特公平5−76524号公報
【特許文献3】
特公平5−76525号公報
【特許文献4】
特公平5−40006号公報
【特許文献5】
特公平6−74453号公報
【特許文献6】
特公平2−17608号公報
【特許文献7】
特開2003−129176号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの手段はいずれも圧延ままで球状化炭化物組織を有する線材等を得ようとするものである。しかし、特許文献2〜4に開示された手段は、加工発熱量の制御が困難であるため、鋼材断面での組織のばらつきが生じ均一な特性を持った製品を製造しがたい。特許文献5に開示されている手段は、引張応力を加えた後、再加熱が必要であり、コストダウンが十分達成できないばかりか、特定温度区間の冷却の制御も実用上困難である。さらに、特許文献6に開示された手段は、粒度ll以上の粒径を得るためには、大能力の圧延機が必要であり、設備コストの増大を招く。さらに、特許文献7に開示の手段は、得られる鋼材のセメンタイトの球状化が不十分であり、冷間鍛造性や疲労特性が十分でないという問題がある。
【0007】
本発明は、圧延ままで球状化組織を有し、かつ優れた冷間鍛造性や疲労特性を有する線材、棒鋼等の低合金鋼材を提案し、併せてこの低合金鋼材を経済的で操業容易な手段で製造する方法を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、圧延ままの線材や棒鋼であっても、熱間圧延時の仕上げ圧延条件、及び仕上げ圧延後の冷却条件を調整することににより、鋼中のセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下のものが70%以上(個数比、以下同様)となるようにすることが可能であり、かつ、この程度までセメンタイトを球状化すれば、別途の球状化焼鈍を施さずとも熱間圧延ままで高い冷間成形性を備えた線材、棒鋼を得ることができるとの知見を得た。そして、その組織を得るための条件を鋼素材成分とともに定めて熱間圧延ままの組織でありながら従来技術に比べてセメンタイトの球状化が進行し、優れた冷間鍛造性や疲労特性を有する鋼材を得ることに成功した。
【0009】
本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材は、質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼組成を有するとともに、その鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上となっている。上記発明においては、鋼組成に質量%でMo:0.30%以下を含有することができる。
【0010】
また、本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼素材に対し、熱間圧延をその仕上圧延が該鋼素材の(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域で減面率20%以上となるように行い、直ちに冷却速度0.5℃/s以下で、500℃以下まで冷却するものである。この発明において上記鋼素材にはMo:0.30%以下を含有させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の低合金鋼材は以下の成分組成を有することが必要である。
【0012】
C:0.13〜0.43%(質量%、以下同様)
Cは強度を確保するために必要な元素であり、0.13%未満では所定の強度が確保することが困難となる。一方0.43%を超えると軟質化が困難で冷間鍛造性が著しく低下する。
【0013】
Mn:0.3〜1.0%
Mnは脱酸に必要な元素であり、固溶強化により機械的特性の向上に必要な元素である。そのためには0.3%以上が必要である。しかし1.0%を超えると冷間鍛造性の低下が著しい。
【0014】
Si:0.15〜0.35%
Siは脱酸に必要な元素であり、そのため0.15%以上含有させる。しかし、過剰の含有は機械的特性や冷間鍛造性の低下をもたらすので上限を0.35%に制限する。
【0015】
Cr:0.9〜1.2%
Crはセメンタイトの形成を著しく促進させる。また、パーライトラメラー間隔を小さくするとともにパーライト粒を細かくする。これによって、セメンタイト球状化による鍛造性向上に寄与する。これ等の効果を得るためには0.9%以上の含有が必要である。しかし1.2%を超えて含有させても、上記効果は飽和し、かえって疲労強度や延性等の機械的特性に悪影響を与える。
【0016】
残部:鉄および不可避不純物
不可避不純物としては、P、S、O等のほかトランプエレメントがある。これらは少なければ少ない方がよい。特にP及びSは鋼の粒界に偏析し、鋼を脆化させるのでそれぞれ0.03%以下に制限するのがよい。なお、必ずしも不可避不純物ではないが、その他成分としてTi:0.03%以下、B:0.0025%以下、O:0.0020%以下、N:0.010%以下の含有を許容できる。
【0017】
Mo:0.30%以下
上記のほかMoは、焼入れ性を高め、機械的特性を向上させるので0.30%以下の範囲で含有させることができる。しかし、0.30%を超えての含有は、過度の強度上昇を招き、鍛造性を低下させる。
【0018】
本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する球状化組織を有する低合金鋼材は上記成分組成を満足するとともに鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつ該セメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上(個数比)であることを必要とする。
【0019】
マトリックス:フェライト及びセメンタイト
鋼組織中にパーライト、ベイナイト、マルテンサイトが混在すると、強度が過度に上昇し、冷間鍛造性を害する。したがって、本発明では鋼のマトリックス組織はフェライト及びセメンタイトとからなるものとする。
【0020】
セメンタイトの形態:アスペクト比:2以下、及びその割合が70%以上
鋼中のセメンタイトの球状化が十分でないと冷間鍛造性等の冷間成形性が悪くなる。発明者らの調査によれば、鋼中のセメンタイトのうちアスペクト比が2以下であるものの割合が70%以上であれば、熱間圧延ままでも十分な冷間成形が可能である。
【0021】
なお、本発明でいう「熱間圧延まま」とは、熱間圧延後に炭化物の球状化処理が施されていないもののことをいい、熱間圧延の仕上げ圧延機の出側において徐冷等の冷却処理をした状態のものをいう。
【0022】
上記本発明の低合金鋼材は以下に示す手段によって製造することができる。
【0023】
まず、本発明にしたがう所定の組成を有する鋼片が溶製され、これに対して通常の手段にしたがい鋼片加熱、粗圧延、中間圧延が行われ、ついで仕上げ圧延を本発明にしたがって鋼素材のAr1変態点温度を基準として(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域で減面率20%以上となるように行う。
【0024】
仕上げ圧延の温度が(Ar1+50℃)を超えると、圧延後生成するパーライトのラメラー間隔が大きくなり、後の徐冷を行ってもセメンタイトの球状化が進行しない。一方、仕上げ圧延の温度が(Ar1−50℃)を下回ると、圧延エネルギーが過大になるばかりでなく、続く徐冷の温度が低くなりすぎ、セメンタイトの球状化が進行せず、セメンタイトのアスペクト比が2以下であるセメンタイトの割合を70%以上とすることができない。Arl点近傍の温度で圧延加工を施すことにより、加工歪の蓄積により層状パーライトを構成している板状セメンタイトが微細に分断され、同時にパーライトおよびフェライト組織全体も加工を受けて、転位密度の上昇や各相間の界面エネルギーが増加し、続く徐冷によりセメンタイトが球状化されるのである。
【0025】
上記温度範囲内での減面率は20%以上である。減面率が20%より小さいと前記の加工歪の蓄積による効果が十分得られず、その結果、徐冷を行ってもセメンタイトの十分な球状化がなされない。なお、上記減面率は、仕上げ圧延機列を被圧延材が通過するとき、被圧延材の温度が上記範囲内にあるときの累積減面率である。すなわち被圧延材が仕上げ圧延機列を通過している際、被圧延材の温度が上記(Ar1+50℃)に降下してから、(Ar1−50℃)に達するまでの減面率をいう。なお、上記減面率は70%以下とすることが好ましい。減面率が70%超では、圧延負荷が過大となり、また、減面率を70%超としても得られる組織改善効果は大きくならないからである。
【0026】
上記条件での仕上げ圧延後、冷却速度で0.5℃/s以下で徐冷する。冷却速度が0.5℃/sを超えると、セメンタイトの球状化が進行せず、アスペクト比が2以下であるセメンタイトの割合を70%以上とすることができない。また、冷却過程にベイナイト生成し、強度が過度に上昇し、冷間鍛造性を害する。好ましい冷却速度は0.3℃/s未満である。一方、冷却速度が小さすぎると冷却に長時間を要し、生産性に不利になるので、冷却速度は0.005℃/s以上とすることが好ましい。
【0027】
上記徐冷は少なくとも500℃まで継続する。徐冷停止温度が500℃より高いと、冷却速度にもよるがセメンタイトの球状化が十分でない場合が生ずる。一方、徐冷を500℃未満の領域まで継続しても、セメンタイトの球状化のさらなる向上効果は認められず、かえって冷却時間が長くなり、生産性を害する。
【0028】
【実施例1】
表1に示す化学組成を有する鋼塊を製造した。各鋼塊のArl点はあらかじめフォーマスター試験によってSCr435の場合610℃、SCM435の場合603℃と求められた。これらの鋼塊を表2に示す条件によって熱間圧延し、外径60mmの棒鋼に仕上げた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
得られた棒鋼から、図1に示す径15mm、高さ22.5mmのタブレット試験片を、その高さが圧延方向に一致するように切り出し、鍛造試験に供した。鍛造試験は圧縮率を変えて行い、同一の圧縮条件についてそれぞれ10個の試験片を用いて試験を行い、割れの有無を調査した。鍛造性の評価は、圧縮割れの発生率と圧縮率の関係をグラフにプロットし、試験片の50%(5個)が割れる圧縮率(%)をもって鍛造性評価値とした。また、上記各鋼から試験片を切り出し、圧延方向と直角な方向の面を研磨後、ピクラール又はナイタールで腐食した後走査型電子顕微鏡(SEM)観察により組織観察を行った。組織観察においては、全セメンタイトのうちのアスペクト比が2以下のセメンタイトの割合を個数比によって算出して球状化率とした。観察は倍率5000倍で10視野(22μm×16μm,10視野)の観察を行い、その視野内にあるセメンタイトについて画像解析して長径及び短径を測定してアスペクト比を求め、その値が2以下の個数を全個数で除して球状化率を算出した。これらの結果は表3にまとめて示す。
【0032】
【表3】
【0033】
表1、表2、表3より、本発明の鋼組成を有し、かつ、本発明の製造条件を満足する鋼No.2、5、7、13、17、23、24、25、26は、いずれもフェライトと球状化率が70%以上のセメンタイトからなる組織を有し、その結果、鍛造性評価値が80%以上の高い値を示している。一方、鋼No.1、6、12、16は仕上げ圧延温度が高く、そのため(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域における減面率が0となり、鋼組織中にパーライトが存在することとなり、鍛造性が悪い。また、鋼No.3、8、14、18は、仕上げ圧延終了後の冷却速度が速すぎるため、鋼組織がベイナイトとなり、鍛造性が悪い。さらに、鋼No.10、11、20、21は、製造条件は本発明の範囲を満足するものの、素材中のC含有量が高いかあるいはCr含有量が低いため、セメンタイトとともにパーライトが存在し、鍛造性評価値が低い。
【0034】
【実施例2】
表4に示す化学組成を有する鋼塊を製造した。これらの鋼塊を温度域710〜750℃で限面率20%で仕上げ圧延し、直ちに冷却速度0.05℃/sで500℃まで冷却する熱延条件にて直径60mmの棒鋼とした。得られた棒鋼から実施例1と同様にして組織観察及び鍛造性評価を行った。また、上記のようにして得られた棒鋼(直径60mm)から、その径方向1/4位置より回転曲げ疲労試験片(1号試験片)を切り出し、回転曲げ疲労試験に供した。棒鋼の圧延方向は回転曲げ疲労試験片の長さ方向に一致している。回転曲げ疲労試験はJIS Z 2274に規定に準拠して、回転数3000rpmとし、繰り返し数107回に達する繰り返し応力を求めて疲労限とし、耐疲労特性の評価とした。なお、各鋼塊のAr1点はあらかじめフォーマスター試験によって求めた。試験結果は表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
表4及び5から本発明の成分組成を満たす鋼No.28、29、32は、いずれも球状化率が70%以上を満足し、かつ高い鍛造性評価値を示すことがわかる。これに対し、C含有量が低い鋼No.27は鍛造性が良好であるものの、疲労強度が低い。また、C含有量が高い鋼No.30はセメンタイトの球状化率が低いため、鍛造性に劣る。Cr含有量が低い鋼No.31は球状化率が低いため鍛造性が劣り、Cr含有量が高過ぎる鋼No.33は鍛造性は良好であるが疲労強度が低い。また、鋼No.34は球状化率が高いもののSi含有量が高いため鍛造性及び疲労強度が劣る。さらに、鋼No.35は、球状化率は高い値を示すもののMn含有量が低いため疲労強度が低い。これに対し、Mn含有量が高過ぎる鋼No.36は球状化率が70%以上であるが、鍛造性が悪い。Mo含有量が高過ぎる鋼No.37は、球状化率が70%以上であるが鍛造性が悪い。P含有量、S含有量が高過ぎる鋼No.38、39はいずれも球状化率は70%を超えているものの鍛造性が低い。
【0038】
【発明の効果】
本発明の低合金鋼は、熱間圧延ままで炭化物が球状化組織を示しており、優れた冷間鍛造性を示す。また、Mo等の含有により優れた耐疲労特性を示す。また、本発明に係る低合金鋼の製造方法によれば、熱間圧延条件のうち仕上げ温度、減面率及びそれに続く冷却条件を制御するものであり、経済的に圧延ままで球状化組織を有する棒鋼、線材等を製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間鍛造試験片の斜視図及び圧縮割れの発生状況を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車部品や電気部品等の機械部品に使用される炭化物球状化組織を有する低合金鋼材及びその製造方法に関する。特に、圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延された棒材あるは線材を冷間成形して製造される自動車等の部品用素材は高い冷間成形性が要求され、そのため、例えば特許文献1に記載されているような球状化焼鈍を施している。一般に、この球状化焼鈍は、棒鋼あるいは線材のAr1点近傍で長時間、たとえば20〜30h保持することによって行われるものであるため、特別の焼鈍炉が必要であるほか、多大の熱エネルギーがかかり、省エネルギー及び設備費低減の障害となっている。
【0003】
このような問題を解決するために、たとえば、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、仕上げ圧延前に一旦Ar1点以下に冷却した後、仕上げ圧延の際に塑性加工を加え、それによって生ずる変形熱を利用して鋼材を再加熱した後、所定温度に保持することにより圧延ままで球状化組織を有する線材あるいは棒鋼を製造する手段が開示されている。
【0004】
また、特許文献5には、中炭素鋼を熱間圧延する過程において、特定温度まで冷却する際の冷却速度をその間に加えられる引張応力と関係付けて冷却処理した後、再加熱して圧延・徐冷して球状化鋼を製造する方法が開示されている。さらに、特許文献6には、最終仕上げ温度を950℃以下とすることにより、圧延線材の再結晶オーステナイト粒度を11以上とし、その後750〜650℃の範囲を徐冷することにより球状セメンタイト組織を有する冷鍛用線材を製造する方法が開示されている。さらに、特許文献7には、熱間圧延における仕上圧延温度、仕上圧延後の冷却速度を調整することにより、初析セメンタイトのアスペクト比が10以下、且つ、その短径が2μm以下であり、さらに、初析セメンタイトに囲まれた領域の平均径が20μm以下である鋼組織を得て、伸線前の熱処理を省略可能とする手段が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−33190号公報
【特許文献2】
特公平5−76524号公報
【特許文献3】
特公平5−76525号公報
【特許文献4】
特公平5−40006号公報
【特許文献5】
特公平6−74453号公報
【特許文献6】
特公平2−17608号公報
【特許文献7】
特開2003−129176号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの手段はいずれも圧延ままで球状化炭化物組織を有する線材等を得ようとするものである。しかし、特許文献2〜4に開示された手段は、加工発熱量の制御が困難であるため、鋼材断面での組織のばらつきが生じ均一な特性を持った製品を製造しがたい。特許文献5に開示されている手段は、引張応力を加えた後、再加熱が必要であり、コストダウンが十分達成できないばかりか、特定温度区間の冷却の制御も実用上困難である。さらに、特許文献6に開示された手段は、粒度ll以上の粒径を得るためには、大能力の圧延機が必要であり、設備コストの増大を招く。さらに、特許文献7に開示の手段は、得られる鋼材のセメンタイトの球状化が不十分であり、冷間鍛造性や疲労特性が十分でないという問題がある。
【0007】
本発明は、圧延ままで球状化組織を有し、かつ優れた冷間鍛造性や疲労特性を有する線材、棒鋼等の低合金鋼材を提案し、併せてこの低合金鋼材を経済的で操業容易な手段で製造する方法を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、圧延ままの線材や棒鋼であっても、熱間圧延時の仕上げ圧延条件、及び仕上げ圧延後の冷却条件を調整することににより、鋼中のセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下のものが70%以上(個数比、以下同様)となるようにすることが可能であり、かつ、この程度までセメンタイトを球状化すれば、別途の球状化焼鈍を施さずとも熱間圧延ままで高い冷間成形性を備えた線材、棒鋼を得ることができるとの知見を得た。そして、その組織を得るための条件を鋼素材成分とともに定めて熱間圧延ままの組織でありながら従来技術に比べてセメンタイトの球状化が進行し、優れた冷間鍛造性や疲労特性を有する鋼材を得ることに成功した。
【0009】
本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材は、質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼組成を有するとともに、その鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつセメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上となっている。上記発明においては、鋼組成に質量%でMo:0.30%以下を含有することができる。
【0010】
また、本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼素材に対し、熱間圧延をその仕上圧延が該鋼素材の(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域で減面率20%以上となるように行い、直ちに冷却速度0.5℃/s以下で、500℃以下まで冷却するものである。この発明において上記鋼素材にはMo:0.30%以下を含有させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の低合金鋼材は以下の成分組成を有することが必要である。
【0012】
C:0.13〜0.43%(質量%、以下同様)
Cは強度を確保するために必要な元素であり、0.13%未満では所定の強度が確保することが困難となる。一方0.43%を超えると軟質化が困難で冷間鍛造性が著しく低下する。
【0013】
Mn:0.3〜1.0%
Mnは脱酸に必要な元素であり、固溶強化により機械的特性の向上に必要な元素である。そのためには0.3%以上が必要である。しかし1.0%を超えると冷間鍛造性の低下が著しい。
【0014】
Si:0.15〜0.35%
Siは脱酸に必要な元素であり、そのため0.15%以上含有させる。しかし、過剰の含有は機械的特性や冷間鍛造性の低下をもたらすので上限を0.35%に制限する。
【0015】
Cr:0.9〜1.2%
Crはセメンタイトの形成を著しく促進させる。また、パーライトラメラー間隔を小さくするとともにパーライト粒を細かくする。これによって、セメンタイト球状化による鍛造性向上に寄与する。これ等の効果を得るためには0.9%以上の含有が必要である。しかし1.2%を超えて含有させても、上記効果は飽和し、かえって疲労強度や延性等の機械的特性に悪影響を与える。
【0016】
残部:鉄および不可避不純物
不可避不純物としては、P、S、O等のほかトランプエレメントがある。これらは少なければ少ない方がよい。特にP及びSは鋼の粒界に偏析し、鋼を脆化させるのでそれぞれ0.03%以下に制限するのがよい。なお、必ずしも不可避不純物ではないが、その他成分としてTi:0.03%以下、B:0.0025%以下、O:0.0020%以下、N:0.010%以下の含有を許容できる。
【0017】
Mo:0.30%以下
上記のほかMoは、焼入れ性を高め、機械的特性を向上させるので0.30%以下の範囲で含有させることができる。しかし、0.30%を超えての含有は、過度の強度上昇を招き、鍛造性を低下させる。
【0018】
本発明の熱間圧延ままで球状化組織を有する球状化組織を有する低合金鋼材は上記成分組成を満足するとともに鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつ該セメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上(個数比)であることを必要とする。
【0019】
マトリックス:フェライト及びセメンタイト
鋼組織中にパーライト、ベイナイト、マルテンサイトが混在すると、強度が過度に上昇し、冷間鍛造性を害する。したがって、本発明では鋼のマトリックス組織はフェライト及びセメンタイトとからなるものとする。
【0020】
セメンタイトの形態:アスペクト比:2以下、及びその割合が70%以上
鋼中のセメンタイトの球状化が十分でないと冷間鍛造性等の冷間成形性が悪くなる。発明者らの調査によれば、鋼中のセメンタイトのうちアスペクト比が2以下であるものの割合が70%以上であれば、熱間圧延ままでも十分な冷間成形が可能である。
【0021】
なお、本発明でいう「熱間圧延まま」とは、熱間圧延後に炭化物の球状化処理が施されていないもののことをいい、熱間圧延の仕上げ圧延機の出側において徐冷等の冷却処理をした状態のものをいう。
【0022】
上記本発明の低合金鋼材は以下に示す手段によって製造することができる。
【0023】
まず、本発明にしたがう所定の組成を有する鋼片が溶製され、これに対して通常の手段にしたがい鋼片加熱、粗圧延、中間圧延が行われ、ついで仕上げ圧延を本発明にしたがって鋼素材のAr1変態点温度を基準として(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域で減面率20%以上となるように行う。
【0024】
仕上げ圧延の温度が(Ar1+50℃)を超えると、圧延後生成するパーライトのラメラー間隔が大きくなり、後の徐冷を行ってもセメンタイトの球状化が進行しない。一方、仕上げ圧延の温度が(Ar1−50℃)を下回ると、圧延エネルギーが過大になるばかりでなく、続く徐冷の温度が低くなりすぎ、セメンタイトの球状化が進行せず、セメンタイトのアスペクト比が2以下であるセメンタイトの割合を70%以上とすることができない。Arl点近傍の温度で圧延加工を施すことにより、加工歪の蓄積により層状パーライトを構成している板状セメンタイトが微細に分断され、同時にパーライトおよびフェライト組織全体も加工を受けて、転位密度の上昇や各相間の界面エネルギーが増加し、続く徐冷によりセメンタイトが球状化されるのである。
【0025】
上記温度範囲内での減面率は20%以上である。減面率が20%より小さいと前記の加工歪の蓄積による効果が十分得られず、その結果、徐冷を行ってもセメンタイトの十分な球状化がなされない。なお、上記減面率は、仕上げ圧延機列を被圧延材が通過するとき、被圧延材の温度が上記範囲内にあるときの累積減面率である。すなわち被圧延材が仕上げ圧延機列を通過している際、被圧延材の温度が上記(Ar1+50℃)に降下してから、(Ar1−50℃)に達するまでの減面率をいう。なお、上記減面率は70%以下とすることが好ましい。減面率が70%超では、圧延負荷が過大となり、また、減面率を70%超としても得られる組織改善効果は大きくならないからである。
【0026】
上記条件での仕上げ圧延後、冷却速度で0.5℃/s以下で徐冷する。冷却速度が0.5℃/sを超えると、セメンタイトの球状化が進行せず、アスペクト比が2以下であるセメンタイトの割合を70%以上とすることができない。また、冷却過程にベイナイト生成し、強度が過度に上昇し、冷間鍛造性を害する。好ましい冷却速度は0.3℃/s未満である。一方、冷却速度が小さすぎると冷却に長時間を要し、生産性に不利になるので、冷却速度は0.005℃/s以上とすることが好ましい。
【0027】
上記徐冷は少なくとも500℃まで継続する。徐冷停止温度が500℃より高いと、冷却速度にもよるがセメンタイトの球状化が十分でない場合が生ずる。一方、徐冷を500℃未満の領域まで継続しても、セメンタイトの球状化のさらなる向上効果は認められず、かえって冷却時間が長くなり、生産性を害する。
【0028】
【実施例1】
表1に示す化学組成を有する鋼塊を製造した。各鋼塊のArl点はあらかじめフォーマスター試験によってSCr435の場合610℃、SCM435の場合603℃と求められた。これらの鋼塊を表2に示す条件によって熱間圧延し、外径60mmの棒鋼に仕上げた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
得られた棒鋼から、図1に示す径15mm、高さ22.5mmのタブレット試験片を、その高さが圧延方向に一致するように切り出し、鍛造試験に供した。鍛造試験は圧縮率を変えて行い、同一の圧縮条件についてそれぞれ10個の試験片を用いて試験を行い、割れの有無を調査した。鍛造性の評価は、圧縮割れの発生率と圧縮率の関係をグラフにプロットし、試験片の50%(5個)が割れる圧縮率(%)をもって鍛造性評価値とした。また、上記各鋼から試験片を切り出し、圧延方向と直角な方向の面を研磨後、ピクラール又はナイタールで腐食した後走査型電子顕微鏡(SEM)観察により組織観察を行った。組織観察においては、全セメンタイトのうちのアスペクト比が2以下のセメンタイトの割合を個数比によって算出して球状化率とした。観察は倍率5000倍で10視野(22μm×16μm,10視野)の観察を行い、その視野内にあるセメンタイトについて画像解析して長径及び短径を測定してアスペクト比を求め、その値が2以下の個数を全個数で除して球状化率を算出した。これらの結果は表3にまとめて示す。
【0032】
【表3】
【0033】
表1、表2、表3より、本発明の鋼組成を有し、かつ、本発明の製造条件を満足する鋼No.2、5、7、13、17、23、24、25、26は、いずれもフェライトと球状化率が70%以上のセメンタイトからなる組織を有し、その結果、鍛造性評価値が80%以上の高い値を示している。一方、鋼No.1、6、12、16は仕上げ圧延温度が高く、そのため(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域における減面率が0となり、鋼組織中にパーライトが存在することとなり、鍛造性が悪い。また、鋼No.3、8、14、18は、仕上げ圧延終了後の冷却速度が速すぎるため、鋼組織がベイナイトとなり、鍛造性が悪い。さらに、鋼No.10、11、20、21は、製造条件は本発明の範囲を満足するものの、素材中のC含有量が高いかあるいはCr含有量が低いため、セメンタイトとともにパーライトが存在し、鍛造性評価値が低い。
【0034】
【実施例2】
表4に示す化学組成を有する鋼塊を製造した。これらの鋼塊を温度域710〜750℃で限面率20%で仕上げ圧延し、直ちに冷却速度0.05℃/sで500℃まで冷却する熱延条件にて直径60mmの棒鋼とした。得られた棒鋼から実施例1と同様にして組織観察及び鍛造性評価を行った。また、上記のようにして得られた棒鋼(直径60mm)から、その径方向1/4位置より回転曲げ疲労試験片(1号試験片)を切り出し、回転曲げ疲労試験に供した。棒鋼の圧延方向は回転曲げ疲労試験片の長さ方向に一致している。回転曲げ疲労試験はJIS Z 2274に規定に準拠して、回転数3000rpmとし、繰り返し数107回に達する繰り返し応力を求めて疲労限とし、耐疲労特性の評価とした。なお、各鋼塊のAr1点はあらかじめフォーマスター試験によって求めた。試験結果は表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
表4及び5から本発明の成分組成を満たす鋼No.28、29、32は、いずれも球状化率が70%以上を満足し、かつ高い鍛造性評価値を示すことがわかる。これに対し、C含有量が低い鋼No.27は鍛造性が良好であるものの、疲労強度が低い。また、C含有量が高い鋼No.30はセメンタイトの球状化率が低いため、鍛造性に劣る。Cr含有量が低い鋼No.31は球状化率が低いため鍛造性が劣り、Cr含有量が高過ぎる鋼No.33は鍛造性は良好であるが疲労強度が低い。また、鋼No.34は球状化率が高いもののSi含有量が高いため鍛造性及び疲労強度が劣る。さらに、鋼No.35は、球状化率は高い値を示すもののMn含有量が低いため疲労強度が低い。これに対し、Mn含有量が高過ぎる鋼No.36は球状化率が70%以上であるが、鍛造性が悪い。Mo含有量が高過ぎる鋼No.37は、球状化率が70%以上であるが鍛造性が悪い。P含有量、S含有量が高過ぎる鋼No.38、39はいずれも球状化率は70%を超えているものの鍛造性が低い。
【0038】
【発明の効果】
本発明の低合金鋼は、熱間圧延ままで炭化物が球状化組織を示しており、優れた冷間鍛造性を示す。また、Mo等の含有により優れた耐疲労特性を示す。また、本発明に係る低合金鋼の製造方法によれば、熱間圧延条件のうち仕上げ温度、減面率及びそれに続く冷却条件を制御するものであり、経済的に圧延ままで球状化組織を有する棒鋼、線材等を製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間鍛造試験片の斜視図及び圧縮割れの発生状況を示す。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼組成を有するとともに、鋼組織がフェライト及びセメンタイトからなり、かつ該セメンタイトのアスペクト比(長径/短径)が2以下であるものの割合が70%以上(個数比)であることを特徴とする熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材。
- 質量%で、さらにMo:0.30%以下を含有する鋼組成を有することを特徴とする請求項1記載の熱間圧延ままで球状化組織を有する低合金鋼材。
- 質量%で、C:0.13〜0.43%、Mn:0.3〜1.0%、Si:0.15〜0.35%、Cr:0.9〜1.2%、残部:鉄および不可避不純物から成る鋼素材に対し、熱間圧延をその仕上圧延が該鋼素材の(Ar1−50℃)〜(Ar1+50℃)の温度域で減面率20%以上となるように行い、直ちに冷却速度0.5℃/s以下で、500℃以下まで冷却することを特徴とする球状化組織を有する低合金鋼材の製造方法。
- 鋼素材はさらにMo:0.30%以下を含有するものであることを特徴とする請求項3記載の球状化組織を有する低合金鋼材の製造方法
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