JP2004099637A - 変性光触媒分散ポリッシュ - Google Patents

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Junichi Oguma
小熊 淳一
Akira Nakabayashi
中林 亮
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Abstract

【課題】ベースコートを必要とせず、直接、下地塗装に塗布でき、更に、形成された皮膜は高い防汚性を発現するポリッシュの提供をする。
【解決手段】光触媒(A)を式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(B)を用いて変性処理した変性光触媒(A1)が分散されていることを特徴とするポリッシュ。
Si−         (1)
−(R SiO)−       (2)
【化1】
Figure 2004099637

【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車外板塗膜等の硬質表面に被覆され、良好な外観、撥水性を付与し塗膜を保護するポリッシュに関する。本発明で言うポリッシュとは、保護、または性能向上等を目的に、自動車等の硬質表面を覆うコート剤の全てを含む(艶出し剤、カーワックス等)。ポリッシュは固形、液状に分けられ、対象面によって自動車用、家具用、床用、白木用、金属用などに分けられる。
【0002】
【従来の技術】
自動車外板塗膜など屋外で雨や風にさらされる塗膜には、工場や自動車から排出される物質、鳥糞、あるいは樹液や花粉などの種々の汚染物質が付着する。これらの汚染物質は塗膜に化学的に影響を与え、塗膜の劣化を促進すると考えられている。
そこで、塗膜表面にポリッシュを塗布し、塗膜を酸性雨、紫外線、鳥糞、樹液などから保護することが行われている。この皮膜により光沢が増し、塗膜の外観品質が向上する。また、その撥水作用により水性の汚れ物質の付着が防止され、塗膜を劣化から保護することができる。
【0003】
ところがポリッシュによる皮膜を形成した塗膜であっても、皮膜形成後すぐに煤状の汚れや、降雨後タレ筋状の汚れが付着し、皮膜の汚れ防止効果が得られない場合があった。分析によれば、この煤状又はタレ筋状の汚れはカーボン状物質であり、ディーゼルエンジンなどから排出されるディーゼルパティキュレートが主成分であると考えられる。このディーゼルパティキュレートは、未燃焼で一部又はほとんどが炭化したカーボン状で親油性の有機物が主成分である。ポリッシュによる皮膜は親油成分が中心であり、上記ディーゼルパティキュレートはこの皮膜に付着しやすく、このような汚れとなりやすいと考えられる。
【0004】
そこで、特開平9−220524号公報や特開2002−53848号公報等では酸化チタン等の光触媒活性がある金属酸化物(以下、光触媒と呼ぶ)をポリッシュに分散混合し、光触媒反応により皮膜表面を親水性化して、ディーゼルパティキュレート等の親油性物質を付着しにくくする方法が提案されている。しかし、この方法では、光触媒反応により生成した活性種により、自動車の下地塗装を痛めてしまう問題があった。
【0005】
上記問題に対して、下地塗装を保護するため、ベースコートを施して保護層を形成させてから、光触媒を分散させたポリッシュを塗布する方法が行われている。しかし、ベースコートを施す作業は煩雑になるので、かねてよりベースコートを必要としないポリッシュが切望されていた。
また、酸化チタン等の金属酸化物は分散安定性が悪く、ポリッシュに効率的に分散させることは大変困難であり、形成された皮膜表面の親水化が足りず、防汚性で満足の行く性能が得られなかった。そこで、高い防汚性を発現できるポリッシュも同時に切望されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−220524号公報
【特許文献2】
特開2002−53848号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ベースコートを必要とせず、直接、下地塗装に塗布でき、更に、形成された皮膜は高い防汚性を発現するポリッシュの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の変性剤化合物を用いて変性処理された変性光触媒が分散されていることを特徴とするポリッシュで提供されることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
発明の第1は、光触媒(A)を式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(B)を用いて変性処理した変性光触媒(A1)が分散されていることを特徴とするポリッシュである。
【0009】
Si−         (1)
−(R SiO)−       (2)
【0010】
【化2】
Figure 2004099637
【0011】
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。)
【0012】
発明の第2は、該変性剤化合物(B)が、一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)であることを特徴とする発明の第1のポリッシュである。
SiO(4−x−y−z)/2  (4)
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
【0013】
また、式中Qは、又は下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0014】
発明の第3は、発明の第1または第2のいずれかのポリッシュで車体の表面を処理された自動車である。
発明の第4は、発明の第1または第2のいずれかのポリッシュで表面を処理された床である。
発明の第5は、発明の第1または第2のいずれかのポリッシュで表面を処理された家具である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明において光触媒(A)とは、光照射によって酸化、還元反応を起こす物質のことを言う。伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質をいう。このとき、伝導帯に生成した電子の還元力および/または価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。例えば、種々の有機物の酸化分解反応を挙げることができる。
【0016】
光触媒(A)としては、例えば、TiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、KTaSi、WO、SnO、Bi、BiVO、NiO、CuO、SiC、MoS、InPb、RuO、CeO、Ta等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等参照)や、窒素ドープ酸化チタン(特開平13−278625号公報、特開平13−278627号公報、特開平13−335321号公報、特開平14−029750号公報、特開平13−207082号公報等参照)や、酸素欠陥型の酸化チタン(特開平13−212457号公報参照)の如き可視光応答型酸化チタン光触媒も好適に使用することができる。
【0017】
また、TaON、LaTiON、CaNbON、LaTaON、CaTaON等のオキシナイトライド化合物やSmTi等のオキシサルファイド化合物は可視光による光触媒活性が大きく、好適に使用することができる。
更に、これらの光触媒に、Pt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又はこれらの酸化物を添加あるいは固定化したものや、多孔質リン酸カルシウム等で被覆された光触媒(特開平10−244166号公報参照)等を使用することもできる。
【0018】
本発明に用いられる光触媒(A)の数平均粒子径は800nm以下であることが好ましい。特に好ましい数平均粒子径は200nm以下であり、更に好ましい数平均粒子径は100nm以下である。
光触媒(A)の数平均粒子径が大きいと安定性が低下し、耐汚染性の効果が十分発揮できないので好ましくない。
光触媒(A)の結晶粒子径(1次粒子径)は1〜400nmであることが好ましく、より好ましくは1〜50nmの光触媒が好適に選択される。
本発明のポリッシュには、光触媒(A)として酸化チタンを用いることが好ましい。酸化チタンは無毒であり、化学的安定性にも優れると共に、光照射により、酸化チタン自体の親水性が非常に高まる。
酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうち、いずれの結晶形を使用してもよい。また、可視光応答性である上記窒素ドープ酸化チタンや酸素欠陥型の酸化チタンも好適に使用できる。
【0019】
光触媒(A)の形態としては粉体、分散液、ゾルのいずれでも用いることが出来る。一般に微細な粒子からなる粉体は、複数の粒子が強力に凝集した二次粒子を形成するため、一つ一つの一次粒子にまで分散させるのは非常に困難である。そのため、本発明のポリッシュを調整するのに用いる光触媒(A)の形態は、光触媒ゾルであることが好ましい。
ここで光触媒ゾルとは、光触媒粒子が水及び/又は有機溶媒中に0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%で一次粒子及び/または二次粒子として分散されたものである。
【0020】
使用される有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0021】
光触媒ゾルとして酸化チタンのゾルを例にとると、例えば、実質的に水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解膠された酸化チタンヒドロゾル等を挙げることができる。(ここで、実質的に水を分散媒とするとは、分散媒中に水が80質量%程度以上含有されていることを意味する。)かかるゾルの調整は公知であり、容易に製造できる(特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照)。
【0022】
例えば、硫酸チタンや四塩化チタンの水溶液を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の下に解膠させ水熱処理等を行うことにより酸化チタンヒドロゾルが得られる。また、酸化チタンヒドロゾルとしては、酸化チタン粒子を酸やアルカリの作用の下で解膠させたものや、酸やアルカリを使用せず、必要に応じてポリアクリル酸ソーダなどの分散安定剤を使用し、強力なせん断力の下で水中に分散させたゾルも用いることができる。さらに、pHが中性付近の水溶液中においても分散安定性に優れる、粒子表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタンゾルも特開平10−67516号公報で提案された方法によって容易に得ることができる。
【0023】
上述した酸化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販されている。(例えば、石原産業株式会社製「STS−02」、田中転写株式会社製「TO−240」等)
上記酸化チタンヒドロゾル中の固形分は好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。さらに好ましくは30質量%以下0.1質量%以上である。
【0024】
ヒドロゾルの粘度は、0.5mPa・s〜2000mPa・s程度の範囲が好ましい。より好ましくは1mPa・s〜1000mPa・s、さらに好ましくは1mPa・s〜500mPa・sである。
また、酸化セリウムゾル(特開平8−59235号公報参照)やTi、Nb、Ta、Vよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物のゾル(特開平9−25123号公報、特開平9−67124号公報、特開平9−227122号公報、特開平9−227123号公報、特開平10−259023号公報等参照)等、様々な光触媒ゾルの製造方法についても酸化チタンゾルと同様に知られている。
【0025】
また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に光触媒粒子が分散された光触媒オルガノゾルは、例えば上記光触媒ヒドロゾルをポリエチレングリコール類の如き相間移動活性を有する化合物(異なる第1の相と第2相との界面に第3の相を形成し、第1の相、第2の相、第3の相を相互に溶解及び/又は可溶化する化合物)で処理し有機溶媒で希釈したり(特開平10−167727号公報)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤で水に不溶性の有機溶剤中に分散移行させてゾルを調整する方法(特開昭58−29863号公報)やブチルセロソルブ等の水より高沸点のアルコール類を上記光触媒ヒドロゾルに添加した後、水を(減圧)蒸留等によって除去する方法等により得ることができる。
【0026】
また、実質的に有機溶媒を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が分散された酸化チタンオルガノゾルも市販されている(例えば、テイカ株式会社製「TKS−251」)。ここで、実質的に有機溶媒を分散媒とするとは、分散媒中に有機溶媒が80%程度以上含有されていることを意味する。
【0027】
本発明のポリッシュには、光触媒(A)を式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(B)を用いて変性処理した変性光触媒(A1)を用いる。
【0028】
Si−         (1)
−(R SiO)−       (2)
【0029】
【化3】
Figure 2004099637
【0030】
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。)
【0031】
本発明において、変性とは、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(B)を、光触媒(A)の粒子表面に固定化することを意味する。変性剤化合物(B)の光触媒(A)の粒子表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力(物理吸着)やクーロン力または化学結合によるものと考えられる。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物(B)と光触媒(A)との相互作用が強く、変性剤化合物(B)が光触媒粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
【0032】
本発明において、光触媒(A)の変性剤化合物(B)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、前述した光触媒(A)と変性剤化合物(B)を好ましくは質量比(A)/(B)=1/99〜99.9/0.1、より好ましくは(A)/(B)=10/90〜99/1の割合で混合し、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜80℃にて加熱、または(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。
【0033】
上記変性処理に使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0034】
本発明において、変性光触媒(A1)を得るのに使用される変性剤化合物(B)としては、例えばSi−H基、加水分解性シリル基(アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基等)、エポキシ基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基等の光触媒と反応性を有するケイ素化合物や、例えばポリオキシアルキレン基等の光触媒とファン・デル・ワールス力、クーロン力等により相互作用する構造を有するケイ素化合物等を挙げることができる。
【0035】
本発明のポリッシュは、下地塗装を保護するためのベースコートを必要としない。未変性の光触媒(A)を使用した場合は、下地塗装を保護するベースコートが必須であるが、変性化合物(B)で変性した変性光触媒(A1)は光触媒反応により変性化合物(B)がシリカに変化して保護層を形成するので、下地塗装が直接、光触媒(A)粒子と接触しない。
【0036】
本発明に使用される変性剤化合物(B)としては、一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)を用いると、非常に効率よく光触媒(A)の粒子表面を変性することができるため好ましい。
SiO(4−x−y−z)/2  (4)
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
【0037】
また、式中Qは、又は下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0038】
光触媒(A)の一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、光触媒(A)と該Si−H基含有ケイ素化合物(B1)を好ましくは質量比(A)/(B1)=1/99〜99.9/0.1、より好ましくは(A)/(B1)=10/90〜99/1の割合で好ましくは0〜200℃にて混合することにより実施できる。
【0039】
この変性の操作により混合液からは水素ガスが発生すると共に、光触媒(A)として光触媒ゾルを用いた場合、その平均粒子径の増加が観察される。
また、光触媒(A)として酸化チタンを用いた場合、上記変性の操作により、Ti−OH基の減少がIRスペクトルにおける3630〜3640cm−1の吸収の減少として観測される。
これらのことより、変性剤化合物(B)として一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)を選択した場合は、変性光触媒(A1)はSi−H基含有ケイ素化合物(B1)と光触媒(A)との単なる混合物ではなく、両者の間には化学反応に伴う何らかの相互作用を生じていることが予測できる。
実際、変性光触媒(A1)は、ポリッシュの溶媒に対する分散安定性、化学的安定性、耐久性等において非常に優れたものとなる。
【0040】
組成式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)において、Si−H基は光触媒を穏和な条件で選択性良く変性するための必須の官能基である。これに対し、ケイ素原子に結合したアルコキシ基や水酸基は、同様に光触媒の変性に利用することもできるが、副反応が多く、得られる変性光触媒(A1)の安定性を悪くするため、その含有量は少ない方が好ましい。
【0041】
本発明に好適に使用できる上記一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)としては、例えば式(5)や式(6)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(11)で表されるHシリコーン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のSi−H基含有ケイ素化合物を挙げることができる。
【0042】
【化4】
Figure 2004099637
【0043】
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、もしくは式(9)で表されるシロキシ基から選ばれた1種以上からなる基を表す。
−O−(R SiO)−SiR     (9)
(式中、Rはそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基から選ばれた1種以上からなる基を表す。また、nは整数であり、0≦n≦1000である。))
H−(R SiO)−SiR −Q     (6)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。
【0044】
また、式中Qは、又は下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
【0045】
(う)少なくとも1つの分光増感基。
mは整数であり、0≦m≦1000である。)
H−(R SiO)−SiR −H    (7)
(式中、Rは式(5)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
(RHSiO)(R SiO)(RQSiO)(R SiO1/2(8)
(式中、Rは式(5)で定義した通りであり、Qは式(6)で定義した通りである。
pは1以上の整数であり、q及びrは0又は1以上の整数であり、(p+q+r)≦10000であり、そしてsは0又は2である。但し、(p+q+r)が2以上の整数であり且つs=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、s=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
【0046】
上記式(5)で表されるモノSi−H基含有化合物の具体例としては、例えばビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)エチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)i−プロピルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ブチルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)n−ヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)シクロヘキシルシラン、ビス(トリメチルシロキシ)フェニルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)メチルシラン、ビス(トリエチルシロキシ)エチルシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、トリス(トリエチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,6,6−ノナメチルテトラシロキサン、トリメチルシラン、エチルジメチルシラン、メチルジエチルシラン、トリエチルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、t−ブチルジメチルシラン、ジ−t−ブチルメチルシラン、n−オクタデシルジメチルシラン、トリ−n−プロピルシラン、トリ−i−プロピルシラン、トリ−i−ブチルシラン、トリ−n−ヘキシルシラン、トリフェニルシラン、アリルジメチルシラン、1−アリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、クロロメチルジメチルシラン、7−オクテニルジメチルシラン等を挙げることができる。
【0047】
上記式(7)で表される両末端Si−H基含有化合物の具体例としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジメチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジエチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジフェニルシロキサン類や、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチル−ジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニル−トリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニル−テトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリフェニルメチルシロキサン類や、ジメチルシラン、エチルメチルシラン、ジエチルシラン、フェニルメチルシラン、ジフェニルシラン、シクロヘキシルメチルシラン、t−ブチルメチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、n−オクタデシルメチルシラン、アリルメチルシラン等を例示することができる。
【0048】
上記式(8)で表されるHシリコーン化合物としては、光触媒(A)の変性処理時における分散安定性(光触媒(A)粒子の凝集の防止)の点より、数平均分子量が好ましくは50000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは5000以下のHシリコーン化合物が好適に使用できる。
また、一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)として、機能性付与基含有基(Q)を有するもの(式(6)、式(8)であってrが1以上の正数のもの等)を選択すると、本発明で得られる変性光触媒(A1)に種々の機能を付与できるため好ましい。
【0049】
ここで機能性付与基含有基(Q)は下式(10)で表される基であることが好ましい。
−Z−(W)t        (10)
(式中、Zは分子量14〜50,000のt価の有機基を表し、Wは式(4)中の機能性付与基(あ)〜(う)からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、tは1〜20の整数である。)
【0050】
例えば機能性付与基含有基(Q)として、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、スルホン酸基あるいはその塩を含む1価の基、アミノ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基[式(4)中の(あ)]を有するものを選択すると、得られる変性光触媒(A1)の水に対する分散安定性が非常に良好なものとなる。
【0051】
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基[式(4)中の(い)]を含有する基を選択すると本発明の変性光触媒(A1)は架橋性を有し、表面に強固に固定化されことができるので好ましい。
【0052】
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、分光増感基を有するものを選択すると、本発明の変性光触媒(A1)は、紫外線領域だけでなく、可視光領域及び/又は赤外光領域の光の照射によっても触媒活性や光電変換機能を発現することができる。
ここで、分光増感基とは、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つ種々の金属錯体や有機色素(即ち、増感色素)に由来する基を意味する。
【0053】
増感色素としては、例えばキサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素(金属錯体を含む)、ポルフィリン系色素(金属錯体を含む)、トリフェニルメタン系色素、ペリレン系色素、コロネン系色素、アゾ系色素、ニトロフェノール系色素、さらには特開平1−220380号公報や特許出願公表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体や、他にルテニウムレッド等の金属錯体を挙げることができる。
【0054】
これらの増感色素の中で、400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ最低空軌道のエネルギー準位(励起状態の酸化還元電位)が光触媒(A)の伝導帯のエネルギー準位より高いという特徴を有するものが好ましい。このような増感色素の特徴は、赤外・可視・紫外領域における光の吸収スペクトルの測定、電気化学的方法による酸化還元電位の測定(T.Tani, Photogr. Sci. Eng., 14, 72 (1970); R.W.Berriman et al., ibid., 17. 235 (1973); P.B.Gilman Jr., ibid., 18, 475 (1974)等)、分子軌道法を用いたエネルギー準位の算定(T.Tani et al., Photogr. Sci. Eng., 11, 129 (1967); D.M.Sturmer et al., ibid., 17. 146 (1973); ibid., 18, 49 (1974); R.G.Selby et al., J. Opt. Soc. Am., 33, 1 (1970)等)、更には光触媒(A)と分光増感色素によって作成したGratzel型湿式太陽電池の光照射による起電力の有無や効率等によって確認することができる。上記の特徴を有する増感色素の例としては、9−フェニルキサンテン骨格を有する化合物、2,2−ビピリジン誘導体を配位子として含むルテニウム錯体、ペリレン骨格を有する化合物、フタロシアニン系金属錯体、ポルフィリン系金属錯体等を挙げることができる。
【0055】
本発明において、上述した機能性付与基含有基(Q)を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法としては、
(Q−1)−方法として、下記一般式(11)で表されるSi−H基含有化合物と、機能性付与基[式(4)中の(あ)〜(う)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させる方法。
(Q−2)−方法として、下記一般式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と、反応性基[式(4)中の(い)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させて反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得た後、該反応性基と反応性を有する機能性付与基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
(x+z) SiO(4−x−y−z)/2  (11)
(式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。また、0<(x+z)<4、0<y<4、及び(x+y+z)≦4である。)
【0056】
まず、機能性付与基(Q)を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法として、上述した(Q−1)の方法[以下(Q−1)−方法]について説明する。(Q−1)−方法において、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に、機能性付与基として親水性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基、環状酸無水物からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0057】
上記親水性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えば式(12)で表されるポリオキシエチレン基含有アリルエーテルや、さらには5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルコハク酸無水物等を挙げることができる。
CH=CHCHO(CHCHO)  (12)
(式中、tは1〜1000の整数を表す。Rは、水素原子或いは直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基を表す。)
【0058】
また、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に反応性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0059】
上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えばアリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフタレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルイソシアネート、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、アリルアミン、アリルイソチオシアネート、アリルセミカルバジド、(メタ)アクリル酸ヒドラジド、4−アリルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン等を挙げることができる。
【0060】
また、上記式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に分光増感基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、前述した分光増感色素を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは、例えば前述した反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物と、該反応性基と反応性を有する分光増感色素との反応によって容易に得ることができる。
【0061】
例えば、反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の反応性基がエポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基の場合は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ヒドラジン残基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有する分光増感色素であり、逆に反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の反応性基がアミノ基、カルボキシル基、水酸基、ヒドラジン残基、(メタ)アクリロイル基の場合は、エポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有する分光増感色素が挙げられる。
【0062】
上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とそれに反応性を有する分光増感色素との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、分光増感色素の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
(Q−1)−方法において、上記炭素−炭素不飽和結合化合物と上記式(14)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物とのヒドロシリル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存在下あるいは非存在下において0〜200℃で炭素−炭素不飽和結合化合物(D)と式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(C1’)を、質量比(D)/(C1’)=0.01以上、より好ましくは(D)/(B’)=0.01〜2、さらに好ましくは(D)/(B’)=0.01〜1で接触させることにより行うことができる。
【0063】
上記ヒドロシリル化反応の触媒としては、白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適しているが、特に白金の化合物とパラジウムの化合物が好適である。白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させたものが挙げられる。パラジウムの化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が挙げられる。
【0064】
また、ヒドロシリル化反応に使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0065】
次に、機能性付与基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法として、上述した(Q−2)の方法[以下(Q−2)−方法]について説明する。
(Q−2)−方法において使用される反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物としては、(Q−1)−方法において述べたものを挙げることができる。また、上述した式(11)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と該反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とのヒドロシリル化反応は、(Q−1)−方法で述べたヒドロシリル化反応と同じ条件で実施することができる。
【0066】
(Q−2)−方法によると、上記ヒドロシリル化反応によって反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得ることができる。この反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物とそれに反応性を有する機能性付与基含有化合物との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、Si−H基の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
【0067】
本発明のポリッシュの形態としては、固形、液状など特に制限されない。
液状の場合は、変性光触媒(A1)、分散性を向上させるための界面活性剤、表面の濡れ性を向上させるための水溶性又は非水溶性の有機溶剤、および、その他の成分から構成される。
変性光触媒(A1)の含有量は、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.01〜20質量%である。
【0068】
界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等 が、非イオン界面活性剤としてはポリオキシエチレンア ルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノグリセリド、アルキルグリセリルエーテル等が、両性界面活性剤としてはアミンオキサイド、アミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられ、1種以上の界面活性剤を使用することができる。特に、非イオン界面活性剤を配合することが好ましく、特に、直鎖アルキルポリグルコシド(なかでも炭素数8〜18のアルキル鎖がグルコース残基の1位に結合しており、且つグルコースの最大縮合度が2であって、 平均縮合度が1.10〜1.50のもの)を含有することが好ましい。なお、陰イオン界面活性剤は、防汚性の性能を低下させない程度の量で配合してもよい。
界面活性剤の好ましい含有量は0.001〜15質量%、より好ましくは0.01〜10質量%である。
【0069】
有機溶剤としては、炭素数8〜20の炭化水素系溶剤、アルコール、多価アルコール等のアルコール系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。
また、非水溶性炭化水素系溶剤の具体例としては、デカン、ウンデカン、ドデカン、パラフィンもしくはイソパラフィン等が挙げられ、アルコール系溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2―ブタノール、変性エタノール(8−アセチル蔗糖変性アルコール)、エチレングリコールもしくはグリセリン等が挙げられ、エーテル系溶剤の具体例としては、アルキル鎖の炭素数が1〜12のモノアルキルモノグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプ ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール モノブチルエーテル又はジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
【0070】
本発明では、水溶性の有機溶剤が好ましく、上記具体例のうち、特にエタノール、変性エタノール、グリセリン、アルキル鎖の炭素数が3〜8のモノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル 又はジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
有機溶剤の好ましい含有量は0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%である。
【0071】
その他の成分としては、撥水性の付与を目的として、ジメチルシリコーンオイル等の有機変性シリコーンオイル、フッ素樹脂等を添加できる。また、光沢性の付与を目的として合成樹脂を添加することができる。例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−エチレン樹脂等を挙げることができる。
【0072】
また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、香料、殺菌剤、防カビ剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、無機フィラー等を配合することができる。
一方、固形の場合は変性光触媒(A1)、ロウ成分、および、その他の成分とから構成される。好ましい変性光触媒(A1)の添加量は0.01〜30質量%、より好ましくは0.01〜20質量%である。
ロウ成分としてはカルナウバロウ、蜜ロウ、パラフィンロウ、ポリエチレンワックスなどが例示される。
【0073】
その他の成分としては、ケロシン、ナフサ、ミネラルスピリットなどの有機溶剤、ケイソウ土、タルク、カオリンなどの研磨材や、液状ポリッシュで例示したものを添加することができる。
各成分の含有量は一般に用いられている固形ポリッシュと同様でよく、ロウ成分が5〜30質量%、シリコーンオイルが0.5〜10質量%、 有機溶剤が90〜40質量%、研磨材が0〜20質量%などとすることができる。
【0074】
本発明のポリッシュは、従来のポリッシュと同様に塗膜表面に塗布され、過剰の被覆剤は布で拭き取るか、または流水で洗い流す。形成された皮膜では光触媒作用により、皮膜表面が酸化されて親水性化して、親油性であるディーゼルパティキュレートなどの汚れ物質が付着しにくくなり、雨や放水などで容易に除去することができる。さらに、一度付着してしまった親油性の汚れ物質も、被覆剤皮膜と汚れ物質との間のバインダとなっている油分が光触媒作用により酸化分解されるため、除去されやすくなる。
【0075】
本発明のポリッシュを塗布する対象面としては、特に限定されるものではないが、ガラス、 ステンレス、人工大理石、アクリル・ABS等のプラスチック、金属・木材・プラスチック等の樹脂塗装もしく は金属メッキされた表面等が挙げられる。具体的には、住居内・外の壁、床、畳、天井、屋根等、台所の壁、 床、レンジ周り、換気扇等、食器棚、箪笥、テーブル、机、椅子、本棚等の家具、冷蔵庫、テレビ、パーソナル コンピューター、ステレオ、エアコン、電子レンジ、洗濯機、乾燥機、照明器具等の電化製品、住居の窓、ドア、家具の戸、自動車のウィンドー等に使用されている ガラス、網戸、トイレの床、壁、ドア、洗浄機能付き便 座、暖房便座等、食器、調理器具、自動車、自転車、オートバイ等の塗装表面及びプラスチック製表面、自動車 のホイール、エクステリアの玄関周り、テラス、塀、フェンス、門周り等の硬質表面全般のつや出しに適している。更には、自動車のボディーの塗装面、自動車のプラスチック製部品表面、自動車のウィンドーガラス、自動車のホイールなど、自動車用の艶出しに好適であり、特に自動車のボディーの艶出しに好適である。
【0076】
【実施例】
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
[1]粒径分布及び数平均粒子径
試料中の固形分の含有量が1−20wt%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
[2]赤外線吸収スペクトル
日本分光製FT/IR−5300型赤外分光計を用いて測定した。
【0077】
[3]試験片の作成
オーウェル(株)製の150mm×70 mmの白ソリッド塗装板に液状ポリッシュをトリガー噴霧器でコートした後、木綿タオルで拭き取った。トリガー噴霧器としてはベガ(花王(株)製)の容器をよく水洗したものを乾燥させ使用した。固形ポリッシュの場合は、スポンジを用いてコートした後、木綿タオルで拭き取った。
なお、光触媒による下地塗装劣化の影響を確認するため、下地保護のベースコートは施さなかった。
【0078】
[4]紫外線照射後における試料表面の親水性の評価
試料表面に、東芝ライテック製FL20S BLB型ブラックライトの光を3日間照射後、試料表面に純水を滴下し、20℃、1分後の接触角を協和界面科学製CA−X150型接触角計で測定することにより、親水性を以下の3段階で評価した。
○:良好(接触角10゜未満)
△:やや良好(接触角10゜〜50゜)
×:劣る(接触角50゜より大)
なおこのとき、トプコン製UVR−2型紫外線強度計{受光部として、日本国トプコン製UD−36型受光部(波長310〜400nmの光に対応)を使用}を用いて測定した紫外線強度が1mW/cmとなるよう調整した。
【0079】
[5]試料表面の光触媒活性の評価
試料表面に上記[4]の方法にて紫外線を3日間照射した後、メチレンブルーの1質量%水溶液を塗布し、さらに上記[4]の方法にて紫外線を3日間照射した。その後、光触媒の作用によるメチレンブルーの分解の程度(試料表面の退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、光触媒の活性を以下の3段階で評価した。
○:メチレンブルーが完全に分解。
△:メチレンブルーの青色がわずかに残る。
×:メチレンブルーの分解はほとんど観測されず。
【0080】
[6]耐汚染性
試料を屋外で30日間曝露し表面全体及び、スジ状の汚染状態の程度(目視で評価)に基づき、耐汚染性を以下の3段階で評価した。
○:良好、△:やや良好、×:劣る
【0081】
[7]下地塗装の劣化(光沢保持率測定)
試料表面に上記[4]の方法にて紫外線を30日間照射した後、堀場製作所製光沢度計(IG320 型)により60度の光沢度を測定し、次式により光沢保持率を計算した。
光沢保持率=((試験前)−(試験後))/(試験前)×100
【0082】
[参考例1]
KF9901(メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーの商品名、Si−H基含量7.14mmol/g、重量平均分子量3900、信越化学工業製)500g、ユニオックスMUS−8(ポリオキシエチレンアリルメチルエーテルの商品名、重量平均分子量800(カタログ値)、日本油脂製)1370g、塩化白金酸六水和物0.25gをジオキサン2800g中、80℃で3時間反応しSi−H基含有ケイ素化合物(1)を含む溶液を得た。
【0083】
得られたSi−H基含有ケイ素化合物(1)のジオキサン溶液4gにブチルセロソルブ8gを添加・混合した後、1N水酸化ナトリウム水溶液8mlを添加すると23℃において37mlの水素ガスが発生した。水素生成量から求めたSi−H基含有ケイ素化合物のジオキサン溶液におけるSi−H基量は0.36mmol/g(メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー当たりに換算したSi−H基量は約3.5mmol/g)であった。
【0084】
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたタイノックA−6(酸化チタンヒドロゾルの商品名、アンモニア解膠型、酸化チタン濃度6質量%、数平均粒子径10nm、多木化学製)200gに上記合成したSi−H基含有ケイ素化合物(1)のジオキサン溶液12.5gを30℃にて約30分かけて添加し、さらに3時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な、数平均粒子径15nmの変性酸化チタンゾル(1)を得た。この時、Si−H基含有ケイ素化合物(1)の反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において125mlであった。また、得られた変性酸化チタンゾル(1)をKRS板上にコーティングしIRスペクトルを測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630〜3640cm−1)の消失が観測された。
【0085】
[実施例1]
参考例1で得られた変性酸化チタンゾル(1)を0.34部、炭素数12及び14の直鎖アルキル基を有し糖はグルコースであり、最大縮合数2であり、平均縮合度が1.3であるアルキルポリグルコシドを0.1部、エタノールを3.0部、イオン交換水を96.56部混合した後、クエン酸をpH4になるまで
適量添加し、本実施例の液状ポリッシュを作成した。評価結果を表1に示した。
【0086】
[実施例2]
カルナウバロウ20質量%、ジメチルシリコーンオイル5質量%、脂肪族系炭化水素系の有機溶剤75質量%よりなる固形ワックスの母材と、母材中のカルナウバロウに対して3質量%の参考例1で得られた変性酸化チタンゾル(1)を混合、攪拌し、本実施例の固形ポリッシュを作成した。評価結果を表1に示した。
【0087】
[比較例1]
未変性の光触媒として、A−6(酸化チタンヒドロゾルの商品名、酸化チタン6重量%、数平均粒子径10nm、多木化学製)使用した以外は実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
【0088】
[比較例2]
未変性の光触媒として、TKS−251(酸化チタンオルガノゾルの商品名、酸化チタン25重量%、数平均粒子径6nm、テイカ製)使用した以外は実施例2と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
【0089】
【表1】
Figure 2004099637
【0090】
【発明の効果】
本発明の変性光触媒分散ポリッシュによれば、ベースコートを施さず、直接、下地塗装に塗布しても、下地を劣化させること無く、形成された皮膜は高い防汚性を発現する。

Claims (5)

  1. 光触媒(A)を式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(B)を用いて変性処理した変性光触媒(A1)が分散されていることを特徴とするポリッシュ。
    Si−         (1)
    −(R SiO)−       (2)
    Figure 2004099637
    (式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。)
  2. 該変性剤化合物(B)が、一般式(4)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(B1)であることを特徴とする請求項1記載のポリッシュ。
    SiO(4−x−y−z)/2  (4)
    (式中、Rは各々独立して直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のフルオロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基から選ばれた1種以上からなる基を表す。また、式中Qは、又は下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
    (あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
    (い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
    (う)少なくとも1つの分光増感基。
    また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のポリッシュで車体の表面を処理された自動車。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のポリッシュで表面を処理された床。
  5. 請求項1または2のいずれかに記載のポリッシュで表面を処理された家具。
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CN108699388A (zh) * 2016-03-07 2018-10-23 美国陶氏有机硅公司 可光固化的有机硅组合物及其固化产物

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