JP2004099579A - 塩基増殖性シリコン化合物、塩基増殖剤シロキサン樹脂及び感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩基の作用によって塩基を発生する塩基増殖性シリコン化合物、塩基増殖性シロキサン樹脂及び感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
活性エネルギー線に感じる樹脂あるいはその組成物は、光、赤外線、遠赤外線、電子線、あるいはX線などの活性線の作用によって生じる化学的な構造変化をレジスト材料として用いたり、モノマーやプレポリマーの硬化を表面被覆処理に用いるなど、多方面に実用化されている。活性線のうち、広く用いられているものが光であり、以下、活性線を光に特定し説明するが、本発明の樹脂あるいはその組成物に対する活性エネルギー線は光に限定されるものではない。近年、光によって発生する酸を触媒あるいは重合開始剤とする感光性樹脂組成物がさまざまな分野で応用されている。その一つがフォトレジスト材料への応用であり、他の一つが光硬化材料への応用である。
【0003】
化学増幅型レジスト材料では、活性エネルギー線で発生する強酸を触媒とし、樹脂成分を化学変性することによって溶解性変化をもたらしてパターン形成を行う。多種多様のレジスト材料が開発されているが、レジスト材料として十分に機能するためには、高解像性や高感度とともに、パターン形成した皮膜がエッチング耐性を持つことが不可欠であり、とくに、深紫外線レジスト材料に適した樹脂として、酸素プラズマエッチングに耐性を持つ材料が求められている。一方、これまでに、モノマー、オリゴマーさらにはポリマーの光による硬化速度を向上させるために、さまざまな試みがなされてきた。もっとも広く開発の対象となってきたのが、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを連鎖的に重合させる光重合系である。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系も活発な開発の対象である。しかしながら、ラジカル重合系の場合には、空気中の酸素によって重合反応が阻害されるために、とくに薄膜系では硬化が抑制されるために、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされる。一方、カチオン重合系では、このような酸素阻害効果がない点で有利であるが、酸発生剤から発生する強酸が硬化後も残存するために、その腐食性や樹脂の変性の可能性が問題として指摘されている。
【0004】
このように、レジスト材料としてエッチング耐性に優れた高感度な感光性材料がを得るために、また、活性エネルギー線を利用して液状物を迅速に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、空気中の酸素による阻害効果を受けず、生成する強酸のような腐食性物質を含まず、さらには、高効率で反応が進行する樹脂組成物が強く望まれていた。このような課題を克服するひとつの方法として、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いることが提案されている。たとえば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性する方法がある。たとえばエポキシ基を有する化合物は塩基の作用によって架橋反応を起こすので、光や熱の作用によって開始剤あるいは触媒としてのアミン類をエポキシ系樹脂層内で発生させ、ついで、加熱処理などによって硬化させる方法がある。しかしながら、活性エネルギー線の作用による硬化速度は低いために、実用に供されるには至っていない。
【0005】
この問題を克服するために、光の作用によって発生する塩基性化合物を二次的に増強すべく、塩基増殖反応が提案されている(M.Miyamoto,K.Arimitsu and K.Ichimura,J.Photopolym.Sci.Technol.,12,315(1999),K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,J.Photopolym.Sci.Technol.,12,317(1999),K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,Angew.Chem.,Int.Ed.,39,3425(2000)参照)。さらに、この塩基増殖反応を示すある種のウレタン系化合物からなる塩基増殖剤を含有する感活性エネルギー線組成物が提案されている(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)。すなわち、この塩基増殖反応で発生する塩基は主として1級あるいは2級の脂肪族アミンであるので、これらアミンを発生する塩基増殖剤を光塩基発生剤と塩基反応性物質とを組み合わせることを原理とする感光性樹脂組成物が得られる。この塩基増殖反応を効率よく行わせるためには、通常加熱処理を必要とするが、そのため増殖反応で発生するアミンは開放系での加熱処理の過程で蒸発飛散し、たとえば、エポキシ樹脂のアミン硬化を行う場合に十分な塩基増殖剤の添加効果が認められないという欠点があった。また、上記ウレタン系化合物は一般的に有機溶媒への溶解性に乏しく、たとえば、比較的極性の低い液状エポキシ化合物に対して十分な溶解性を持たないという欠点を有していた。さらには、レジスト材料として用いる場合には、塩基増殖剤自体にも耐エッチング特性が求められていた。
【0006】
【問題点を解決しようとする課題】
本発明は、塩基増殖性シリコン化合物、該シリコン化合物の脱水縮合反応で得られる塩基増殖性シロキサン樹脂、及び、該シロキサン樹脂からなる感光性樹脂組成物を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)
【化3】
(式中、R1はメチル基、メトキシ基あるいはエトキシ基、R2はメチル基あるいはエチル基を示す)
で表される塩基の作用によって塩基を発生する塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物が提供される。
また、本発明によれば、前記した塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物の脱水縮合反応によって得られる一般式(2)
【化4】
(式中、R1は上記と同じ意味を持つ)
で表されるウレタンシリル基からなる繰り返し単位を含有することを特徴とする塩基増殖性シロキサン樹脂が提供される。
さらに、一般式(2)で表される塩基増殖性シロキサン樹脂及び光塩基発生剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による前記一般式(1)の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、塩基増殖反応によって分解して新たにアミンを発生し、これが新たな触媒として機能して増殖的に多数のアミンを生成する。さらに、この化合物は少なくとも二つのアルコキシ基を有するために、発生した塩基の触媒作用によって脱水縮合重合反応が進行し、アミノ基を有するシロキサン樹脂が形成されるという特徴を持つ。
【0009】
ところで、ある種のウレタン誘導体は加熱によって分解することが良く知られている。たとえば、フェノールのような酸性度が比較的高い芳香族水酸基とイソシアナートからなるウレタンは熱分解してイソシアナートを再生する。また、脂肪族アルコールからなるある種のウレタン誘導体は熱分解してアミンを発生することも知られている(特開平11−269138号報)。本発明のウレタン誘導体は塩基の存在下で分解が起こることを特徴とし、その結果自己触媒的な塩基増殖反応を引き起こすことが従来のウレタン誘導体の熱分解反応と本質的に異なる(K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,Angew.Chem.,Int.Ed.,39,3425(2000)参照)。この塩基増殖反応は、活性な水素原子が塩基によって引き抜かれてカルバニオンが形成され、ついで、カルバミン酸が脱離し、これがさらに分解して、塩基と二酸化炭素を生成する過程から成り立つ。したがって、アルコール性水酸基に対してβ−位の水素原子が活性なアルコール類から誘導されるウレタン化合物が塩基増殖剤として機能する(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)。ここで発生する塩基がふたたびウレタン誘導体から水素原子を引き抜きことによって、増殖反応が進む。本発明の塩基増殖性シリコン化合物(1)の場合を1例として、塩基増殖反応を次式に示す。アミン化合物(3)とオレフィン(4)が生成する。
【0010】
【化5】
【0011】
本発明の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、(3−アミノプロピル)メチルジアルコキシシランあるいは(3−アミノプロピル)トリアルコキシシランとクロロ蟻酸9−フルオレニルメチルエステルとの縮合反応によって製造される。あるいはまた、(3−イソシアネートプロピル)メチルジアルコキシシランあるいは(3−イソシアネートプロピル)トリアルコキシシランと9−フルオレニルメチルアルコールとの付加反応によっても製造できる。この反応を促進するために、慣用のウレタン形成用触媒が好適に用いられる。また、アルコール性水酸基に対してβ−位の水素原子が活性であるアルコール類からも、同様に、塩基増殖性ウレタン置換化合物を得ることができるが(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)、9−フルオレニルメチルアルコールから得られる化合物がとくに望ましい。
【0012】
本発明の塩基増殖性シロキサン樹脂は、前記一般式(2)で表される塩基増殖性ウレタンシリル基からなる単位を含有する化合物であり、これらは公知の反応条件に従い、前記一般式(1)で表される塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物の加水分解反応に引き続く脱水縮合重合反応によって容易に得ることができる。一般式(1)に記載の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、ジアルコキシあるいはトリアルコキシシリル基を有しており、これら残基の加水分解で生じるシラノール基はただちに脱水縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成する。これらのシリコン化合物の縮合重合反応により、一般式(2)に記載の塩基増殖性残基を側鎖に含有するシロキサン樹脂を製造することができる。塩基増殖性ジアルコキシ誘導体の脱水縮合反応によって、塩基増殖性環状シロキサン樹脂が得られるし、あるいは、モノアルコキシシラン化合物と混合することによって、塩基増殖性線状シロキサン樹脂が得られる。塩基増殖性トリアルコキシシラン化合物の脱水縮合反応では、モノアルコキシシラン化合物と混合することによって、分岐状の塩基増殖性シロキサン樹脂を得ることができる。
【0013】
つぎに、本発明の塩基増殖性感光性樹脂組成物を説明する。該感光性樹脂組成物は、増殖性シロキサン樹脂及び光塩基発生剤を必須成分として含有する組成物であり、生成する塩基であるアミノ基と反応する塩基反応性物質を混合することが出来る。ウレタン基を含有する塩基増殖剤は、ウレタン基間での水素結合形成能や高い結晶性のために溶解しにくいが、本発明の塩基増殖性シロキサン樹脂は、シロキサン結合の自由回転のために溶解性に優れているという特長を持つので、とくに、重合性エポキシ化合物を含有する感光性樹脂組成物を得る上できわめて好ましい。さらに、縮合重合反応により分子量が向上するので、生成するアミンの揮発性が顕著に抑制できる。
【0014】
光塩基発生剤としては、化学増幅型フォトレジストに利用されるものが用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年参照))。また、これらの光塩基発生剤の感光波長領域を拡大するために、適宜光増感剤を共存させることもできる。これらの物質の光分解によって生成する塩基は塩基増殖剤に作用して新たな塩基の発生を促進する。以下に本発明に好ましく用いられる光塩基発生剤を例示するが、この限りではない。
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
前記A−1〜A−5の化合物はo−ニトロベンジル誘導体であり、A−6〜A−8の化合物はオキシム誘導体であり、A−9〜A−10の化合物はベンゾイン誘導体であり、A−11〜A−13の化合物はベンジル誘導体であり、これらはいずれも光の作用によって脱炭酸を伴ってアミンを発生する。図1に、本発明の感光性組成物における反応を示す。
【0018】
本発明による塩基増殖性シロキサン樹脂と光塩基発生剤とを含む塩基増殖性感光性樹脂組成物において、その光塩基発生剤の割合は特に制約されないが、塩基増殖性シロキサン樹脂に対する重量比で、通常、1〜100重量%、好ましくは5〜40重量%である。該塩基増殖性シロキサン樹脂組成物では、光の作用で発生する塩基が塩基増殖反応によって増殖的に増加するので、この組成物に各種の塩基反応性物質に配合することにより、その塩基反応性物質の反応を加熱や光照射により効率よく行うことができる。
【0019】
塩基反応性物質には、塩基の作用により、分解反応や、脱離反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を生起する1種又は2種以上の化学物質が包含される。この化学物質は、低分子物質やオリゴマー、高分子等であることができる。とくに、本発明の感光性組成物においては、塩基反応性物質として、少なくとも2つのエポキシ基を有する物質であることができる。少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物に塩基(アミン)を作用させることによって、そのエポキシ化合物をそのエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ化合物にアミンを付加反応させることにより、そのエポキシ化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ化合物の具体例としては、特開2000−330270号報及び特開2002−128750号報に記載されている。
【0020】
前記塩基反応性組成物において、塩基反応性物質の割合は、塩基増殖性プレポリマー中のウレタン残基1等量当たり、0.1〜10等量、好ましくは0.4〜5等量、より好ましくは0.5〜3等量である。前記組成物には、必要に応じ、顔料、シリカ粒子等の補助添加成分を適量加えることができる。
【0021】
つぎに、本発明の感光性シロキサン樹脂組成物を用いるパターン形成を説明する。光塩基発生剤と一般式(2)で示される塩基増殖性シロキサン樹脂とからなる組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を作り、この塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成する。この塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させる。ついで、加熱処理を行って塩基増殖性シロキサン樹脂の連鎖的な分解を促す。加熱処理の条件は、露光エネルギー、塩基増殖性シロキサン樹脂の種類、さらには、塩基反応性物質の種類、などによって変動するが、その加熱温度は60℃から150℃の範囲、より好ましくは80℃から130℃の範囲である。加熱時間は10秒から100分、より好ましくは30秒から30分である。式(3)に示したように、露光部はウレタン基が分解して除去されてアミノ基に変換されるので、水あるいは酸性水に可溶化となる。したがって、中性水あるいは酸性水に浸漬して現像を行ってポジ型パターンを得る。
【0022】
光塩基発生剤と該塩基増殖性シロキサン樹脂とからなる組成物にエポキシ基を持つ塩基反応性物質を混合してなる感光性組成物の場合には、同様にして薄膜を形成して露光し、好ましくは加熱処理を施す。これによって生成するアミノ基とエポキシ基との反応が進行するために、樹脂組成物は溶媒に不要となるので、溶媒に対する溶解性の差異に基づくネガ型パターンが形成される。
【0023】
光塩基発生剤、該塩基増殖性シロキサン樹脂およびエポキシ基を持つ塩基反応性物質からなる感光性組成物を塗膜化し、これに光照射及び必要に応じて加熱処理を施すことによって、溶媒に不溶不融であり、しかも、基板に対する高度な接着性と優れた堅労性を持つ皮膜とすることが出来る。すなわち、液状の該感光性組成物あるいは固形の該感光性組成物を有機溶媒に溶解した塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布して塗膜を形成する。この塗膜に対して、光を照射して塩基を発生させる。ついで、加熱処理を行って塩基増殖性プレポリマーの連鎖的な分解を促す。加熱処理の条件は、露光エネルギー、塩基増殖性シロキサン樹脂の種類、エポキシ化合物の種類、などによって変動するが、その加熱温度は60℃から150℃の範囲、より好ましくは80℃から130℃の範囲である。加熱時間は10秒から100分、より好ましくは30秒から30分である。このようにして固体表面上にエポキシ樹脂の硬化被膜が形成される。前記固体表面には、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス等が包含される。
【0024】
【発明の効果】
本発明によって、光などの活性エネルギー線の作用によってウレタン結合が切断されて多価1級アミンが末端に増殖的に発生するシロキサン樹脂が容易に得られるので、光塩基発生剤を添加してなる組成物は高効率で感光する樹脂となる。露光部は水あるいは酸性水に可溶化されるので、ポジ型パターンを得ることができる。また、これらと反応する重合性エポキシ化合物を添加してなる組成物も活性エネルギー線に高効率で感応する樹脂となるが、その組成物は光によって硬化させることができるので、ネガ型パターン形成に用いることができる。こうして得られるパターンはシロキサン結合を有しているために耐エッチング性にすぐれている。また、こうして調製される硬化物は体積収縮が小さい上に、接着性に富んでいるので、基板表面を強固に被覆することができる。したがって、本発明の組成物によって、各種紫外線硬化型インキ、熱硬化性塗料等の製造に好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】
次に本発明を実施例により詳述する。
【0026】
実施例1(塩基増殖性シリコン化合物(1)の合成)
170mLのテトラヒドロフランに溶解した9−フルオレニルメチルクロロホーメート6.78gの溶液に、68mLのテトラヒドロフランに溶解した5.01gの3−アミノプロピルメチルジエトキシシランと2.65gのトリエチルアミンを氷冷化で攪拌しながら滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温に放置して40分間攪拌した後、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液を溶媒留去して白色固体を得た。得られた固体をヘキサンで再結晶することにより、塩基増殖性化合物としてのN−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル9.26gを白色結晶として得た。
融点:50.1〜52.1℃。1H−NMR(CDC13)δ(ppm):0.11(3H,s,Si−CH3),0.61(2H,t,J=7.6HZ,Si−CH2),1.20(6H,t,J=6.9Hz,OCH2 CH 3),1.59(2H,br,CH2),3.18(2H,br,CH2),3.75(4H,q,J=6.9Hz,OCH2CH), 4.20(1H,t,J=6.6Hz,CH2−CH),4.39(2H,d,J=6.6Hz,CH 2−CH),5.13(1H,br.NH),7.26〜7.75(8H,m,Ar−H)。IR(KBr)(cm−1):3332(N−H),2924(C−H),1692(C=O),1541(C−NH),1257(Si−CH3),1105,1080(Si−OEt)。元素分析値:C,66.69;H,7.38;N,3.70%。C23H31NO4Siとしての計算値:C,66.79;H,7.56;N,3.39%。
【0027】
実施例2(塩基増殖性シロキサン樹脂(1)の合成)
100mLの三口フラスコに5.53gのテトラヒドロフランを入れ、これに3.00gの実施例1で得たN−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステルを加えて10分間氷浴中で攪拌した後、塩酸と水をそれぞれ、該カルバミン酸エステルに対して0.105モル等量及び8.0モル等量になるように加えた。その後、氷浴で10分間、さらに室温で10分間攪拌した後、70℃で5時間攪拌還流した。反応溶液をシクロヘキサン中に滴下して再沈を行って白色固体を得た。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(充填剤;シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v))により精製し,収率48%でシロキサン樹脂を得た。GPC測定および29Si−NMRスペクトルにおいて1本のシャープなシグナルしかみられないことから、このシロキサン樹脂(1)は下記に示される4量体程度の環状オリゴマーと考えられる。
Mn=1310,Mw=1360,Mw/Mn=1.0。融点:101−105℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.09(3H,s,Si−CH3),0.52(2H,t,J=8.1Hz,Si−CH2),1.54(2H,br.CH2),3.14(2H,br,CH2−NH),4,14(1H,m,CH2−CH),4,34(2H,m,CH 2−CH),4,96〜5.52(1H,m,NH),7.20〜7.74(8H,m,Ar−H)。29Si−NMR(CDCl3)δ(ppm):−19.94.IR(KBr)(cm−1):3325(N−H),2933(C−H),1692(C=O),1259(Si−C),1077(Si−O−Si)。元素分析値:C,65.22;H,6.31;N,4.20%。(C19H21NO3Si)nとしての計算値:C,67.23;H,6.24;N,4.13%。
【0028】
実施例3(塩基増殖性シリコン化合物(2)の合成)
5.00gの9−フルオレニルメチルアルコールと0.12gのジブチルチンラウレートを31.5mLのベンゼンに溶解し、この溶液に23.6mLのベンゼンに溶解した7.26gの3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの溶液を70℃で攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続けてから溶媒を減圧留去して乳白色固体を得た。得られた固体をメタノールで再結晶することにより、塩基増殖性化合物としてのN−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル9.42gを乳白色結晶として得た。
融点:79.7〜81.2℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.62(2H,br,Si−CH2),1.20(9H,t,J=7Hz,OCH2 CH 3),1.63(2H,br,CH2),3.17(2H,br,CH2),3.79(6H,q,J=7Hz,OCH2CH3),4.15(1H,br,CH2−CH),4.36(2H,d,CH 2−CH),5,49(1H,s,NH),7.23〜7.69(8H,m,Ar−H).IR(KBr)(cm−1):3318(N−H),2926(C−H),1689(C=O),1548(C−N),1103,1080(1259(Si−OEt).元素分析値:C,63.42;H,7.82;N,3.53%.C24H33NO5Siとしての計算値:C,64.98;H,7.50;N,3.16%.
【0029】
実施例4(塩基増殖性シロキサン樹脂(2)の合成)
200mL四つ口フラスコに2.49gのエタノールを入れ、そこに実施例3で得た塩基増殖性シリコン化合物であるN−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル1.50gを加えて溶解して10分間氷浴中で攪拌した後、塩酸と水を該ウレタン化合物に対して、それぞれ0.105モル等量及び4.0モル等量になるように加えた。混合物を氷冷下で10分間、さらに室温で10分間攪拌した後、窒素雰囲気下70℃で2時間攪拌した。反応溶液をヘキサン中に滴下して再沈殿を行い、白色固体のシロキサン樹脂(2)を66%の収率で得た。
Mn=2520,Mw=3320,Mw/Mn=1.3。分解点:171−174.2℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.65(2H,br,Si−CH),1.20(2H,m,OCH2−CH 3),1.62(2H,br.CH2),3.15(2H,br,CH2NH),3.71(1.4H,m,OCH 2−CH),4,10(1H,br,CH2−CH),4.31(2H,br,CH 2−CH),5.29(1H,br,NH),7.23〜7.70(8H,m,Ar−H)。29Si−NMR(CDC13)δ(ppm):−53.83〜−60.72,−62.62〜−67.76。IR(KBr)(cm−1):3330(N−H),2933(C−H),1697(C=O),1251(Si−C),1120(Si−O−Si),1066(Si−OEt)。
【0030】
実施例5
1.0mLのクロロホルムに実施例2で得た塩基増殖性シロキサン樹脂(1)0.100g及び光塩基発生剤である1,3−ビス[(2−ニトロベンジル)オキシカルボニル−4−ピペリジル]プロパン0.010gを加えて溶解させた。その溶液をシリコンウェハー上に00rpmでスピンコートしてから100℃のホットプレート上で1分間加熱してフィルムを作製した。Hg−Xeランプを用いて10秒間露光してから100℃で加熱したときの赤外線吸収スペクトル変化を図2に示す。ウレタン基に基づくカルボニル基の吸収が3分後の加熱で急激に減じており、増殖的な反応が進行していることが示唆される。カルボニル基の吸収強度変化を加熱時間に対してプロットしたのが図3である。また、図3には、光塩基発生剤を含まず該シロキサン樹脂のみの膜を加熱処理したときの吸収強度変化も示してある。20分後から急激にS字曲線を描いてウレタン基が消失することが明らかであり、増殖反応が起こっていることが示される。
【0031】
実施例6(感光特性の評価)
実施例5と同様にして、塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と1,3−ビス[(2−ニトロベンジル)オキシカルボニル−4−ピペリジル]プロパンからなるフィルムをシリコンウエハ上に設けた。一定時間ごとにフォトマスクをずらしながらフィルムに光照射し、100℃のホットプレート上で2分間,3分間,9分間加熱した。その後20重量%の酢酸水溶液で現像したところ、十分に露光した部分は完全に膜が除去された。膜が残った露光部の膜厚を測定し、その値を露光時間に対してプロットした結果を図4に示す。高コントラストのポジ型レジストとして機能していることが分かる。
【0032】
実施例7(感光特性の評価)
実施例6と同様にして、塩基増殖性シロキサン樹脂(2)と光塩基発生剤とからなるフィルムをシリコンウエハ上に形成させた。このフィルムにフォトマスク越しに光照射してから加熱処理を施し、酢酸水溶液で現像することによってポジ画像を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩基増殖性シロキサン樹脂と光塩基発生剤(PBG)とからなる感光性組成物における反応式。PBGの光分解によって生じるアミンが塩基増殖性シロキサン樹脂を分解し、アミノ基を側鎖に有する樹脂に変換される。
【図2】塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射し、100℃での加熱前(スペクトル1)、2分間加熱後(スペクトル2)、3分間加熱後(スペクトル3)におけるスペクトル変化。
【図3】曲線1:塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射してから100℃での加熱したときのウレタンカルボニル基の減少。曲線2:塩基増殖性シロキサン樹脂(1)のみのフィルムを100℃で加熱したときのウレタンカルボニル基の減少。光塩基発生剤による塩基発生反応の著しい加速効果とS字曲線を描く増殖反応の様子を示す。
【図4】塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射し、100℃での加熱したときの感度曲線に及ぼす加熱時間の効果。
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩基の作用によって塩基を発生する塩基増殖性シリコン化合物、塩基増殖性シロキサン樹脂及び感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
活性エネルギー線に感じる樹脂あるいはその組成物は、光、赤外線、遠赤外線、電子線、あるいはX線などの活性線の作用によって生じる化学的な構造変化をレジスト材料として用いたり、モノマーやプレポリマーの硬化を表面被覆処理に用いるなど、多方面に実用化されている。活性線のうち、広く用いられているものが光であり、以下、活性線を光に特定し説明するが、本発明の樹脂あるいはその組成物に対する活性エネルギー線は光に限定されるものではない。近年、光によって発生する酸を触媒あるいは重合開始剤とする感光性樹脂組成物がさまざまな分野で応用されている。その一つがフォトレジスト材料への応用であり、他の一つが光硬化材料への応用である。
【0003】
化学増幅型レジスト材料では、活性エネルギー線で発生する強酸を触媒とし、樹脂成分を化学変性することによって溶解性変化をもたらしてパターン形成を行う。多種多様のレジスト材料が開発されているが、レジスト材料として十分に機能するためには、高解像性や高感度とともに、パターン形成した皮膜がエッチング耐性を持つことが不可欠であり、とくに、深紫外線レジスト材料に適した樹脂として、酸素プラズマエッチングに耐性を持つ材料が求められている。一方、これまでに、モノマー、オリゴマーさらにはポリマーの光による硬化速度を向上させるために、さまざまな試みがなされてきた。もっとも広く開発の対象となってきたのが、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを連鎖的に重合させる光重合系である。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系も活発な開発の対象である。しかしながら、ラジカル重合系の場合には、空気中の酸素によって重合反応が阻害されるために、とくに薄膜系では硬化が抑制されるために、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされる。一方、カチオン重合系では、このような酸素阻害効果がない点で有利であるが、酸発生剤から発生する強酸が硬化後も残存するために、その腐食性や樹脂の変性の可能性が問題として指摘されている。
【0004】
このように、レジスト材料としてエッチング耐性に優れた高感度な感光性材料がを得るために、また、活性エネルギー線を利用して液状物を迅速に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、空気中の酸素による阻害効果を受けず、生成する強酸のような腐食性物質を含まず、さらには、高効率で反応が進行する樹脂組成物が強く望まれていた。このような課題を克服するひとつの方法として、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いることが提案されている。たとえば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性する方法がある。たとえばエポキシ基を有する化合物は塩基の作用によって架橋反応を起こすので、光や熱の作用によって開始剤あるいは触媒としてのアミン類をエポキシ系樹脂層内で発生させ、ついで、加熱処理などによって硬化させる方法がある。しかしながら、活性エネルギー線の作用による硬化速度は低いために、実用に供されるには至っていない。
【0005】
この問題を克服するために、光の作用によって発生する塩基性化合物を二次的に増強すべく、塩基増殖反応が提案されている(M.Miyamoto,K.Arimitsu and K.Ichimura,J.Photopolym.Sci.Technol.,12,315(1999),K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,J.Photopolym.Sci.Technol.,12,317(1999),K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,Angew.Chem.,Int.Ed.,39,3425(2000)参照)。さらに、この塩基増殖反応を示すある種のウレタン系化合物からなる塩基増殖剤を含有する感活性エネルギー線組成物が提案されている(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)。すなわち、この塩基増殖反応で発生する塩基は主として1級あるいは2級の脂肪族アミンであるので、これらアミンを発生する塩基増殖剤を光塩基発生剤と塩基反応性物質とを組み合わせることを原理とする感光性樹脂組成物が得られる。この塩基増殖反応を効率よく行わせるためには、通常加熱処理を必要とするが、そのため増殖反応で発生するアミンは開放系での加熱処理の過程で蒸発飛散し、たとえば、エポキシ樹脂のアミン硬化を行う場合に十分な塩基増殖剤の添加効果が認められないという欠点があった。また、上記ウレタン系化合物は一般的に有機溶媒への溶解性に乏しく、たとえば、比較的極性の低い液状エポキシ化合物に対して十分な溶解性を持たないという欠点を有していた。さらには、レジスト材料として用いる場合には、塩基増殖剤自体にも耐エッチング特性が求められていた。
【0006】
【問題点を解決しようとする課題】
本発明は、塩基増殖性シリコン化合物、該シリコン化合物の脱水縮合反応で得られる塩基増殖性シロキサン樹脂、及び、該シロキサン樹脂からなる感光性樹脂組成物を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)
【化3】
(式中、R1はメチル基、メトキシ基あるいはエトキシ基、R2はメチル基あるいはエチル基を示す)
で表される塩基の作用によって塩基を発生する塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物が提供される。
また、本発明によれば、前記した塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物の脱水縮合反応によって得られる一般式(2)
【化4】
(式中、R1は上記と同じ意味を持つ)
で表されるウレタンシリル基からなる繰り返し単位を含有することを特徴とする塩基増殖性シロキサン樹脂が提供される。
さらに、一般式(2)で表される塩基増殖性シロキサン樹脂及び光塩基発生剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による前記一般式(1)の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、塩基増殖反応によって分解して新たにアミンを発生し、これが新たな触媒として機能して増殖的に多数のアミンを生成する。さらに、この化合物は少なくとも二つのアルコキシ基を有するために、発生した塩基の触媒作用によって脱水縮合重合反応が進行し、アミノ基を有するシロキサン樹脂が形成されるという特徴を持つ。
【0009】
ところで、ある種のウレタン誘導体は加熱によって分解することが良く知られている。たとえば、フェノールのような酸性度が比較的高い芳香族水酸基とイソシアナートからなるウレタンは熱分解してイソシアナートを再生する。また、脂肪族アルコールからなるある種のウレタン誘導体は熱分解してアミンを発生することも知られている(特開平11−269138号報)。本発明のウレタン誘導体は塩基の存在下で分解が起こることを特徴とし、その結果自己触媒的な塩基増殖反応を引き起こすことが従来のウレタン誘導体の熱分解反応と本質的に異なる(K.Arimitsu,M.Miyamoto and K.Ichimura,Angew.Chem.,Int.Ed.,39,3425(2000)参照)。この塩基増殖反応は、活性な水素原子が塩基によって引き抜かれてカルバニオンが形成され、ついで、カルバミン酸が脱離し、これがさらに分解して、塩基と二酸化炭素を生成する過程から成り立つ。したがって、アルコール性水酸基に対してβ−位の水素原子が活性なアルコール類から誘導されるウレタン化合物が塩基増殖剤として機能する(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)。ここで発生する塩基がふたたびウレタン誘導体から水素原子を引き抜きことによって、増殖反応が進む。本発明の塩基増殖性シリコン化合物(1)の場合を1例として、塩基増殖反応を次式に示す。アミン化合物(3)とオレフィン(4)が生成する。
【0010】
【化5】
【0011】
本発明の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、(3−アミノプロピル)メチルジアルコキシシランあるいは(3−アミノプロピル)トリアルコキシシランとクロロ蟻酸9−フルオレニルメチルエステルとの縮合反応によって製造される。あるいはまた、(3−イソシアネートプロピル)メチルジアルコキシシランあるいは(3−イソシアネートプロピル)トリアルコキシシランと9−フルオレニルメチルアルコールとの付加反応によっても製造できる。この反応を促進するために、慣用のウレタン形成用触媒が好適に用いられる。また、アルコール性水酸基に対してβ−位の水素原子が活性であるアルコール類からも、同様に、塩基増殖性ウレタン置換化合物を得ることができるが(特開2000−330270号報、特開2002−128750号報参照)、9−フルオレニルメチルアルコールから得られる化合物がとくに望ましい。
【0012】
本発明の塩基増殖性シロキサン樹脂は、前記一般式(2)で表される塩基増殖性ウレタンシリル基からなる単位を含有する化合物であり、これらは公知の反応条件に従い、前記一般式(1)で表される塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物の加水分解反応に引き続く脱水縮合重合反応によって容易に得ることができる。一般式(1)に記載の塩基増殖性ウレタン置換シリコン化合物は、ジアルコキシあるいはトリアルコキシシリル基を有しており、これら残基の加水分解で生じるシラノール基はただちに脱水縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成する。これらのシリコン化合物の縮合重合反応により、一般式(2)に記載の塩基増殖性残基を側鎖に含有するシロキサン樹脂を製造することができる。塩基増殖性ジアルコキシ誘導体の脱水縮合反応によって、塩基増殖性環状シロキサン樹脂が得られるし、あるいは、モノアルコキシシラン化合物と混合することによって、塩基増殖性線状シロキサン樹脂が得られる。塩基増殖性トリアルコキシシラン化合物の脱水縮合反応では、モノアルコキシシラン化合物と混合することによって、分岐状の塩基増殖性シロキサン樹脂を得ることができる。
【0013】
つぎに、本発明の塩基増殖性感光性樹脂組成物を説明する。該感光性樹脂組成物は、増殖性シロキサン樹脂及び光塩基発生剤を必須成分として含有する組成物であり、生成する塩基であるアミノ基と反応する塩基反応性物質を混合することが出来る。ウレタン基を含有する塩基増殖剤は、ウレタン基間での水素結合形成能や高い結晶性のために溶解しにくいが、本発明の塩基増殖性シロキサン樹脂は、シロキサン結合の自由回転のために溶解性に優れているという特長を持つので、とくに、重合性エポキシ化合物を含有する感光性樹脂組成物を得る上できわめて好ましい。さらに、縮合重合反応により分子量が向上するので、生成するアミンの揮発性が顕著に抑制できる。
【0014】
光塩基発生剤としては、化学増幅型フォトレジストに利用されるものが用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年参照))。また、これらの光塩基発生剤の感光波長領域を拡大するために、適宜光増感剤を共存させることもできる。これらの物質の光分解によって生成する塩基は塩基増殖剤に作用して新たな塩基の発生を促進する。以下に本発明に好ましく用いられる光塩基発生剤を例示するが、この限りではない。
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
前記A−1〜A−5の化合物はo−ニトロベンジル誘導体であり、A−6〜A−8の化合物はオキシム誘導体であり、A−9〜A−10の化合物はベンゾイン誘導体であり、A−11〜A−13の化合物はベンジル誘導体であり、これらはいずれも光の作用によって脱炭酸を伴ってアミンを発生する。図1に、本発明の感光性組成物における反応を示す。
【0018】
本発明による塩基増殖性シロキサン樹脂と光塩基発生剤とを含む塩基増殖性感光性樹脂組成物において、その光塩基発生剤の割合は特に制約されないが、塩基増殖性シロキサン樹脂に対する重量比で、通常、1〜100重量%、好ましくは5〜40重量%である。該塩基増殖性シロキサン樹脂組成物では、光の作用で発生する塩基が塩基増殖反応によって増殖的に増加するので、この組成物に各種の塩基反応性物質に配合することにより、その塩基反応性物質の反応を加熱や光照射により効率よく行うことができる。
【0019】
塩基反応性物質には、塩基の作用により、分解反応や、脱離反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を生起する1種又は2種以上の化学物質が包含される。この化学物質は、低分子物質やオリゴマー、高分子等であることができる。とくに、本発明の感光性組成物においては、塩基反応性物質として、少なくとも2つのエポキシ基を有する物質であることができる。少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物に塩基(アミン)を作用させることによって、そのエポキシ化合物をそのエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ化合物にアミンを付加反応させることにより、そのエポキシ化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ化合物の具体例としては、特開2000−330270号報及び特開2002−128750号報に記載されている。
【0020】
前記塩基反応性組成物において、塩基反応性物質の割合は、塩基増殖性プレポリマー中のウレタン残基1等量当たり、0.1〜10等量、好ましくは0.4〜5等量、より好ましくは0.5〜3等量である。前記組成物には、必要に応じ、顔料、シリカ粒子等の補助添加成分を適量加えることができる。
【0021】
つぎに、本発明の感光性シロキサン樹脂組成物を用いるパターン形成を説明する。光塩基発生剤と一般式(2)で示される塩基増殖性シロキサン樹脂とからなる組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を作り、この塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成する。この塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させる。ついで、加熱処理を行って塩基増殖性シロキサン樹脂の連鎖的な分解を促す。加熱処理の条件は、露光エネルギー、塩基増殖性シロキサン樹脂の種類、さらには、塩基反応性物質の種類、などによって変動するが、その加熱温度は60℃から150℃の範囲、より好ましくは80℃から130℃の範囲である。加熱時間は10秒から100分、より好ましくは30秒から30分である。式(3)に示したように、露光部はウレタン基が分解して除去されてアミノ基に変換されるので、水あるいは酸性水に可溶化となる。したがって、中性水あるいは酸性水に浸漬して現像を行ってポジ型パターンを得る。
【0022】
光塩基発生剤と該塩基増殖性シロキサン樹脂とからなる組成物にエポキシ基を持つ塩基反応性物質を混合してなる感光性組成物の場合には、同様にして薄膜を形成して露光し、好ましくは加熱処理を施す。これによって生成するアミノ基とエポキシ基との反応が進行するために、樹脂組成物は溶媒に不要となるので、溶媒に対する溶解性の差異に基づくネガ型パターンが形成される。
【0023】
光塩基発生剤、該塩基増殖性シロキサン樹脂およびエポキシ基を持つ塩基反応性物質からなる感光性組成物を塗膜化し、これに光照射及び必要に応じて加熱処理を施すことによって、溶媒に不溶不融であり、しかも、基板に対する高度な接着性と優れた堅労性を持つ皮膜とすることが出来る。すなわち、液状の該感光性組成物あるいは固形の該感光性組成物を有機溶媒に溶解した塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布して塗膜を形成する。この塗膜に対して、光を照射して塩基を発生させる。ついで、加熱処理を行って塩基増殖性プレポリマーの連鎖的な分解を促す。加熱処理の条件は、露光エネルギー、塩基増殖性シロキサン樹脂の種類、エポキシ化合物の種類、などによって変動するが、その加熱温度は60℃から150℃の範囲、より好ましくは80℃から130℃の範囲である。加熱時間は10秒から100分、より好ましくは30秒から30分である。このようにして固体表面上にエポキシ樹脂の硬化被膜が形成される。前記固体表面には、ガラス、プラスチック、金属、セラミックス等が包含される。
【0024】
【発明の効果】
本発明によって、光などの活性エネルギー線の作用によってウレタン結合が切断されて多価1級アミンが末端に増殖的に発生するシロキサン樹脂が容易に得られるので、光塩基発生剤を添加してなる組成物は高効率で感光する樹脂となる。露光部は水あるいは酸性水に可溶化されるので、ポジ型パターンを得ることができる。また、これらと反応する重合性エポキシ化合物を添加してなる組成物も活性エネルギー線に高効率で感応する樹脂となるが、その組成物は光によって硬化させることができるので、ネガ型パターン形成に用いることができる。こうして得られるパターンはシロキサン結合を有しているために耐エッチング性にすぐれている。また、こうして調製される硬化物は体積収縮が小さい上に、接着性に富んでいるので、基板表面を強固に被覆することができる。したがって、本発明の組成物によって、各種紫外線硬化型インキ、熱硬化性塗料等の製造に好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】
次に本発明を実施例により詳述する。
【0026】
実施例1(塩基増殖性シリコン化合物(1)の合成)
170mLのテトラヒドロフランに溶解した9−フルオレニルメチルクロロホーメート6.78gの溶液に、68mLのテトラヒドロフランに溶解した5.01gの3−アミノプロピルメチルジエトキシシランと2.65gのトリエチルアミンを氷冷化で攪拌しながら滴下した。滴下終了後、反応溶液を室温に放置して40分間攪拌した後、トリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液を溶媒留去して白色固体を得た。得られた固体をヘキサンで再結晶することにより、塩基増殖性化合物としてのN−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル9.26gを白色結晶として得た。
融点:50.1〜52.1℃。1H−NMR(CDC13)δ(ppm):0.11(3H,s,Si−CH3),0.61(2H,t,J=7.6HZ,Si−CH2),1.20(6H,t,J=6.9Hz,OCH2 CH 3),1.59(2H,br,CH2),3.18(2H,br,CH2),3.75(4H,q,J=6.9Hz,OCH2CH), 4.20(1H,t,J=6.6Hz,CH2−CH),4.39(2H,d,J=6.6Hz,CH 2−CH),5.13(1H,br.NH),7.26〜7.75(8H,m,Ar−H)。IR(KBr)(cm−1):3332(N−H),2924(C−H),1692(C=O),1541(C−NH),1257(Si−CH3),1105,1080(Si−OEt)。元素分析値:C,66.69;H,7.38;N,3.70%。C23H31NO4Siとしての計算値:C,66.79;H,7.56;N,3.39%。
【0027】
実施例2(塩基増殖性シロキサン樹脂(1)の合成)
100mLの三口フラスコに5.53gのテトラヒドロフランを入れ、これに3.00gの実施例1で得たN−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステルを加えて10分間氷浴中で攪拌した後、塩酸と水をそれぞれ、該カルバミン酸エステルに対して0.105モル等量及び8.0モル等量になるように加えた。その後、氷浴で10分間、さらに室温で10分間攪拌した後、70℃で5時間攪拌還流した。反応溶液をシクロヘキサン中に滴下して再沈を行って白色固体を得た。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(充填剤;シリカゲル、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v))により精製し,収率48%でシロキサン樹脂を得た。GPC測定および29Si−NMRスペクトルにおいて1本のシャープなシグナルしかみられないことから、このシロキサン樹脂(1)は下記に示される4量体程度の環状オリゴマーと考えられる。
Mn=1310,Mw=1360,Mw/Mn=1.0。融点:101−105℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.09(3H,s,Si−CH3),0.52(2H,t,J=8.1Hz,Si−CH2),1.54(2H,br.CH2),3.14(2H,br,CH2−NH),4,14(1H,m,CH2−CH),4,34(2H,m,CH 2−CH),4,96〜5.52(1H,m,NH),7.20〜7.74(8H,m,Ar−H)。29Si−NMR(CDCl3)δ(ppm):−19.94.IR(KBr)(cm−1):3325(N−H),2933(C−H),1692(C=O),1259(Si−C),1077(Si−O−Si)。元素分析値:C,65.22;H,6.31;N,4.20%。(C19H21NO3Si)nとしての計算値:C,67.23;H,6.24;N,4.13%。
【0028】
実施例3(塩基増殖性シリコン化合物(2)の合成)
5.00gの9−フルオレニルメチルアルコールと0.12gのジブチルチンラウレートを31.5mLのベンゼンに溶解し、この溶液に23.6mLのベンゼンに溶解した7.26gの3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの溶液を70℃で攪拌しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続けてから溶媒を減圧留去して乳白色固体を得た。得られた固体をメタノールで再結晶することにより、塩基増殖性化合物としてのN−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル9.42gを乳白色結晶として得た。
融点:79.7〜81.2℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.62(2H,br,Si−CH2),1.20(9H,t,J=7Hz,OCH2 CH 3),1.63(2H,br,CH2),3.17(2H,br,CH2),3.79(6H,q,J=7Hz,OCH2CH3),4.15(1H,br,CH2−CH),4.36(2H,d,CH 2−CH),5,49(1H,s,NH),7.23〜7.69(8H,m,Ar−H).IR(KBr)(cm−1):3318(N−H),2926(C−H),1689(C=O),1548(C−N),1103,1080(1259(Si−OEt).元素分析値:C,63.42;H,7.82;N,3.53%.C24H33NO5Siとしての計算値:C,64.98;H,7.50;N,3.16%.
【0029】
実施例4(塩基増殖性シロキサン樹脂(2)の合成)
200mL四つ口フラスコに2.49gのエタノールを入れ、そこに実施例3で得た塩基増殖性シリコン化合物であるN−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバミン酸9−フルオレニルメチルエステル1.50gを加えて溶解して10分間氷浴中で攪拌した後、塩酸と水を該ウレタン化合物に対して、それぞれ0.105モル等量及び4.0モル等量になるように加えた。混合物を氷冷下で10分間、さらに室温で10分間攪拌した後、窒素雰囲気下70℃で2時間攪拌した。反応溶液をヘキサン中に滴下して再沈殿を行い、白色固体のシロキサン樹脂(2)を66%の収率で得た。
Mn=2520,Mw=3320,Mw/Mn=1.3。分解点:171−174.2℃。1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.65(2H,br,Si−CH),1.20(2H,m,OCH2−CH 3),1.62(2H,br.CH2),3.15(2H,br,CH2NH),3.71(1.4H,m,OCH 2−CH),4,10(1H,br,CH2−CH),4.31(2H,br,CH 2−CH),5.29(1H,br,NH),7.23〜7.70(8H,m,Ar−H)。29Si−NMR(CDC13)δ(ppm):−53.83〜−60.72,−62.62〜−67.76。IR(KBr)(cm−1):3330(N−H),2933(C−H),1697(C=O),1251(Si−C),1120(Si−O−Si),1066(Si−OEt)。
【0030】
実施例5
1.0mLのクロロホルムに実施例2で得た塩基増殖性シロキサン樹脂(1)0.100g及び光塩基発生剤である1,3−ビス[(2−ニトロベンジル)オキシカルボニル−4−ピペリジル]プロパン0.010gを加えて溶解させた。その溶液をシリコンウェハー上に00rpmでスピンコートしてから100℃のホットプレート上で1分間加熱してフィルムを作製した。Hg−Xeランプを用いて10秒間露光してから100℃で加熱したときの赤外線吸収スペクトル変化を図2に示す。ウレタン基に基づくカルボニル基の吸収が3分後の加熱で急激に減じており、増殖的な反応が進行していることが示唆される。カルボニル基の吸収強度変化を加熱時間に対してプロットしたのが図3である。また、図3には、光塩基発生剤を含まず該シロキサン樹脂のみの膜を加熱処理したときの吸収強度変化も示してある。20分後から急激にS字曲線を描いてウレタン基が消失することが明らかであり、増殖反応が起こっていることが示される。
【0031】
実施例6(感光特性の評価)
実施例5と同様にして、塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と1,3−ビス[(2−ニトロベンジル)オキシカルボニル−4−ピペリジル]プロパンからなるフィルムをシリコンウエハ上に設けた。一定時間ごとにフォトマスクをずらしながらフィルムに光照射し、100℃のホットプレート上で2分間,3分間,9分間加熱した。その後20重量%の酢酸水溶液で現像したところ、十分に露光した部分は完全に膜が除去された。膜が残った露光部の膜厚を測定し、その値を露光時間に対してプロットした結果を図4に示す。高コントラストのポジ型レジストとして機能していることが分かる。
【0032】
実施例7(感光特性の評価)
実施例6と同様にして、塩基増殖性シロキサン樹脂(2)と光塩基発生剤とからなるフィルムをシリコンウエハ上に形成させた。このフィルムにフォトマスク越しに光照射してから加熱処理を施し、酢酸水溶液で現像することによってポジ画像を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩基増殖性シロキサン樹脂と光塩基発生剤(PBG)とからなる感光性組成物における反応式。PBGの光分解によって生じるアミンが塩基増殖性シロキサン樹脂を分解し、アミノ基を側鎖に有する樹脂に変換される。
【図2】塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射し、100℃での加熱前(スペクトル1)、2分間加熱後(スペクトル2)、3分間加熱後(スペクトル3)におけるスペクトル変化。
【図3】曲線1:塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射してから100℃での加熱したときのウレタンカルボニル基の減少。曲線2:塩基増殖性シロキサン樹脂(1)のみのフィルムを100℃で加熱したときのウレタンカルボニル基の減少。光塩基発生剤による塩基発生反応の著しい加速効果とS字曲線を描く増殖反応の様子を示す。
【図4】塩基増殖性シロキサン樹脂(1)と光塩基発生剤からなるフィルムに光照射し、100℃での加熱したときの感度曲線に及ぼす加熱時間の効果。
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