JP2004099170A - 液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置及び液体供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミックス(液体)を重力に依存すること無く、且つ、ホッパーに移し替えること無くバックから直接冷却シリンダに供給することが可能な液体収納バックを提供する。
【解決手段】液体収納バック5は、液体が収納される可撓性を有した袋本体21と、この袋本体21の外側に設けられ、当該袋本体21との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体23とを備えているので、外層体23と袋本体21との間に例えば圧縮空気を封入すれば、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体21内に収納された液体を外部に押し出すことができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばソフトアイスクリーム等の冷菓の原料となるミックス等又は水などの飲料等の液体を収納するための液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置及び液体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種冷菓製造装置は、コンプレッサ、凝縮器、キャピラリチューブ及び冷却シリンダとホッパー(ミックスタンク)に装備した冷却器からなる冷却装置を備え、この冷却装置によって冷菓製造時には冷却器に液化冷媒を減圧してから流して冷却シリンダ、ホッパーを冷却する。そして、冷却シリンダ内にはビータが取り付けられ、冷却シリンダ内のミックスを冷却器により冷却しながら、ビータによって撹拌し、ソフトクリームやシャーベットなどの冷菓を製造するものであった(特許文献1参照)。
【0003】
また、従来よりこの種の液体供給装置は、コンプレッサ、凝縮器、キャピラリチューブ及び冷却器から成る冷却装置、若しくは、氷による冷却装置を備え、この冷却装置によって液体供給時には冷却器に液化冷媒を減圧してから流して、当該液体が充填されるタンクから引き出される液体配管を冷却する。そして、液体配管に設けられる開閉弁を制御することにより、液体の供給を行うものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−211832号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷菓製造装置の場合、ミックスはホッパー内に貯溜され、ホッパーからはミックス供給器によって冷却シリンダ内にミックスを流し込む方式が採られていた。このミックス供給器は上端が大気中に開放し、ホッパー内の下端部にてホッパー内に連通したパイプ状のものであり、ミックスの供給量はこのミックス供給器におけるヘッド差に依存していた。
【0006】
即ち、ホッパーから冷却シリンダへのミックスの供給は重力に依存していたため、供給量が安定しない欠点があった。また、ミックスは予めバック内に収納されているものを開封し、ホッパー内に注入するものであったため、衛生上の問題が発生する欠点もあった。
【0007】
そのため、ミックスを重力に依存すること無く、且つ、ホッパーに移し替えること無くバックから直接冷却シリンダに供給することが可能な液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置の開発が望まれていた。
【0008】
また、従来の液体供給装置の場合においても、液体の供給は重力に依存していたため、供給量が安定しない欠点があった。そのため、液体を重力に依存すること無く供給することが可能な液体収納バック及びそれを用いた液体供給装置の開発が望まれていた。
【0009】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の液体収納バックは、液体が収納される可撓性を有した袋本体と、この袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体とを備えているので、外層体と袋本体との間に例えば圧縮空気を封入すれば、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体内に収納された液体を外部に押し出すことができる。これにより、袋本体からの液体の自動供給を実現することが可能となるものである。
【0011】
特に、請求項2の発明によれば、上記に加えて袋本体内と外部とを連通する出口部材と、外層体と袋本体との間と外部とを連通する連通口部材とを備えているので、前述の如き圧縮空気の供給と液体の流出のためのパイプ等の接続も極めて容易となるものである。
【0012】
また、請求項3の発明の冷菓製造装置は、前記袋本体内にミックスを収納した液体収納バックを保冷する冷却庫と、液体収納バックの袋本体内より流出したミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、これら冷却庫及び冷却シリンダを冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内のミックスを押し出す空気圧縮装置とを備えているので、液体収納バックごとミックスを保冷し、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内からミックスを強制的に押し出し、直接冷却シリンダに供給して冷菓を製造することができるようになる。
【0013】
これにより、重力に依存したミックスの供給方式を廃して安定的なミックスの自動供給が実現できるようになると共に、ミックスを液体収納バックから直接冷却シリンダに供給することで、衛生上の問題も解決することができるようになる。
【0014】
また、請求項4の発明の液体供給装置は、液体収納バックを保冷する冷却庫と、該冷却庫を冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えているので、液体収納バックごと液体を保冷し、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内から液体を強制的に押し出し、直接供給を行うことができるようになる。
【0015】
これにより、重力に依存した液体の供給方式を廃して安定的な液体の自動供給が実現できるようになる。
【0016】
請求項5の発明の発明の液体供給装置は、液体収納バックから引き出される液体配管を冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えているので、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内から強制的に液体配管に押し出された液体を、該液体配管において、冷却装置により冷却した後、供給を行うことができるようになる。
【0017】
これによっても、重力に依存した液体の供給方式を廃して安定的な液体の自動供給が実現できるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明の液体収納バック5の断面図、図3は本発明を適用した実施例の冷菓製造装置SMの一部縦断斜視図、図4は冷菓製造装置SM上部の概略透視図を示している。
【0019】
実施例の冷菓製造装置SMは、ソフトクリームやシャーベット(シェーク)等の冷菓を製造販売するための装置であり、図3において本体1の上部には、例えば前記ソフトクリーム等の原料となるミックス(冷菓ミックス)を収納した本発明の液体収納バック5を貯蔵保冷するための断熱性の冷却庫2が設けられている。この冷却庫2は上面に開口しており、この上面開口はそこに着脱自在に載置される断熱性の蓋部材3にて開閉自在に閉塞され、液体収納バック5の交換時等にはこの蓋部材3が取り外される。
【0020】
一方、冷却庫2の周囲には冷却庫冷却器4が捲回されており、この冷却庫冷却器4により冷却庫2内の液体収納バック5は保冷される。尚、液体収納バック5は段ボール製の収納箱5A内に収納されており、その状態で冷却庫2内に収納される。この冷却庫2内には液体収納バック5(収納箱5A)を図3、図4に示す如く斜めに保持するための保持台6が設けられている。また、冷却庫2の側壁の所定高さの位置からは後に詳述する圧縮空気供給パイプ7が引き出されている。更に、冷却庫2の底壁にはミックス供給パイプ9が引き出されている。
【0021】
ここで、本発明の液体収納バック5の構造を図1及び図2を用いて説明する。液体収納バック5は例えばアルミ蒸着された可撓性を有する樹脂製の袋本体21と、この袋本体21の一端に取り付けられ、袋本体21内と外部とを連通する硬質樹脂製の出口部材22(未使用時はシール材にて封止されている)と、袋本体21の一面に周囲を溶着され、当該袋本体21と同素材から成る可撓性の外層体23と、この外層体23に取り付けられた硬質樹脂製の連通口部材24とから構成されている。
【0022】
前記外層体23と袋本体21とは当該外層体23の周囲以外は非接着状態とされており、これにより、外層体23と袋本体21間には密閉空間が構成可能とされている。そして、前記連通口部材24は前記出口部材22とは反対側に位置する外層体23の他端部に当該出口部材22とは離間して取り付けられ、この外層体23と袋本体21との間(密閉空間)と外部とを連通する。また、ミックス(図1、図2にMで示す)はこの袋本体21内に収納されると共に、外層体23と袋本体21との間の密閉空間には圧縮空気(図2にAで示す)を供給可能とされている。
【0023】
上述の如くミックスを収納した液体収納バック5は、前述の如く収納箱5A内に収納された状態で取り扱われ、冷却庫2内に収納されて保持台6に傾斜保持される。このとき、出口部材22は下に、連通口部材24は上になるように載置される。そして、前記圧縮空気供給パイプ7は収納箱5Aを破って液体収納バック5の上面上部に位置している連通口部材24に着脱可能に接続され、外層体23と袋本体21との間(密閉空間)に連通される。また、ミックス供給パイプ9も同様に収納箱5Aを破って液体収納バック5の下端部に位置している出口部材22に着脱可能に連通接続される。そして、このミックス供給パイプ9は後述する冷却シリンダ8の後部に連通される。
【0024】
一方、図3、図4において8は、前記ミックス供給パイプ9から供給されるミックスをビーター10により回転撹拌して冷菓を製造する冷却シリンダであり、その周囲にはシリンダ冷却器11が取り付けられている。ビーター10はビーターモータ12、駆動伝達ベルト、減速機13及び回転軸を介して回転される。製造された冷菓は、前面のフリーザードア14に配設された取出レバー15を操作することにより、プランジャー16が上下動し、図示しない抽出路が開放されると共に、ビータ10が回転駆動されることにより、取り出される。上記フリーザードア14や取出レバー15、プランジャー16により冷菓取出部が構成されている。
【0025】
前記ミックス供給パイプ9は前述した如く上記冷却シリンダ8の後部に連通されている。また、このミックス供給パイプ9内には冷却シリンダ8方向が順方向の逆止弁26が取り付けられている。図3、図4において27は空気圧縮装置を構成するエアーコンプレッサであり、このエアーコンプレッサ27で圧縮された空気は吐出パイプ28を経て電磁弁29に至る。そして、この電磁弁29の出口に前記圧縮空気供給パイプ7が接続されている。
【0026】
また、電磁弁29の上流側からは径の細いバイパスパイプ31が分岐され、逆止弁26の上流側のミックス供給パイプ9に連通されている。また、このバイパスパイプ31の合流後の位置のミックス供給パイプ9内の圧力を検出する圧力センサ32が設けられている。
【0027】
本体1の下部には冷却装置Rを構成する圧縮機18や凝縮器20、四方弁19等が収納設置されている。尚、この四方弁19は前記冷却器11に高温冷媒を流して解凍・殺菌などを行わせるためのものである。
【0028】
以上の構成で、次に動作を説明する。図示しない制御装置により圧縮機18が運転されると、凝縮器20で凝縮された冷媒が図示しない減圧装置を経て各冷却器4、11に供給され、そこで蒸発することで冷却作用を発揮する。これにより、冷却庫2内の液体収納バック5のミックスは保冷される。
【0029】
一方、制御装置は圧力センサ32の出力に基づき、エアーコンプレッサ27を運転すると共に、電磁弁29を開閉して液体収納バック5の外層体23と袋本体21との間の密閉空間に圧縮空気Aを封入し、袋本体21に外側から一定の圧力を印加する。これにより、外層体23と袋本体21との間の密閉空間の容積が図2の如く拡大することで、袋本体21内のミックスMは出口部材22からミックス供給パイプ9へと押し出されていく。
【0030】
ミックス供給パイプ9に押し出されたミックスは、バイパスパイプ31から流入する所定量(少量)の空気と混ざり合い、逆止弁26を経て冷却シリンダ8内に供給される。冷却シリンダ8内ではシリンダ冷却器11によってミックスは冷凍温度に冷却されると共に、制御装置はビータモータ12によりビータ10を回転させるので、これにより、冷却シリンダ8内では半硬化状態の冷菓(ソフトクリーム)が製造される。
【0031】
このように、本発明の液体収納バック5は、ミックス等の液体が収納される可撓性を有した袋本体21と、この袋本体21の外側に設けられ、当該袋本体21との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体23とを備えているので、外層体23と袋本体21との間に実施例の如く圧縮空気を封入することで、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体21内に収納されたミックスを外部に押し出すことができる。これにより、袋本体21からのミックス(液体)の自動供給を実現することが可能となる。
【0032】
特に、袋本体21内と外部とを連通する出口部材22と、外層体23と袋本体21との間と外部とを連通する連通口部材24とを備えているので、前述の如き各パイプ7や9を接続する際の作業も極めて容易となる。
【0033】
そして、本発明の冷菓製造装置SMでは、前述の如く袋本体21内にミックスを収納した液体収納バック5を保冷する冷却庫2と、液体収納バック5の袋本体21内より流出したミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダ8と、これら冷却庫2及び冷却シリンダ8を冷却する冷却装置Rと、液体収納バック5の外層体23と袋本体21との間に圧縮空気を供給し、袋本体21内のミックスを押し出すエアーコンプレッサ27とを備えているので、前述の如く液体収納バック5ごとミックスを冷却庫2内で保冷し、エアーコンプレッサ27により液体収納バック5の外層体23と袋本体21間に圧縮空気を供給して袋本体21内からミックスを強制的に押し出し、直接冷却シリンダ8に供給して冷菓を製造することができるようになる。
【0034】
これにより、従来の如くミックス供給パイプを使用する重力に依存したミックスの供給方式を廃して、安定的なミックスの自動供給を実現できるようになると共に、ミックスを液体収納バック5から直接冷却シリンダ8に供給することで、衛生上の問題も解決することができるようになる。
【0035】
次に、図5を参照して、本発明を適用した実施例の飲料ディスペンサ(液体供給装置)DSについて説明する。図5は該飲料ディスペンサDSの概略構成図を示している。
【0036】
実施例の飲料ディスペンサDSは、略箱形状のディスペンサ本体40を有し、ディスペンサ本体40の前面に、飲料を選択する複数の選択スイッチ41と、複数のカップ(図示せず)を載置可能なドリップトレイ43とを設けている。
【0037】
また、飲料ディスペンサDSは、ディスペンサ本体40の内部に、各種の飲料、例えば水(ミネラルウォーター等)、ウーロン茶又はジュースなどを収容した上記実施例と同様に構成された本発明の複数の液体収納バック5を貯蔵保冷するための断熱性の冷却庫44が設けられている。尚、図5では構成を簡略化して示すため外部に引き出して示している。
【0038】
そして、冷却庫44は、冷却装置Sにより冷却され、該冷却庫44に収容される液体収納バック5は、保冷される。尚、係る実施例における液体収納バック5も段ボール製の収納箱5A内に収納されており、その状態で冷却庫44内に収納される。
【0039】
そして、これら液体収納バック5に形成される連通口部材24は、収納箱5Aを破って圧縮空気供給パイプ46に着脱可能に接続され、外層体23と袋本体21との間(密閉空間)に連通される。また、液体収納バック5に形成される出口部材22は、収納箱5Aを破ってそれぞれの液体収納バック5に対応する液体供給パイプ(液体配管)45に着脱可能に連通接続される。尚、これら液体供給パイプ45は、他端が本体40前面に形成される液体取出口47に連通接続され、当該液体取出口47には、図示しない電磁開閉弁が設けられているものとする。
【0040】
図中において48は空気圧縮装置を構成するエアーコンプレッサであり、このエアーコンプレッサ48で圧縮された空気は図示しない電磁弁を経て前記圧縮空気供給パイプ46に供給される。尚、この圧縮空気供給パイプ46には図示しない圧力センサが設けられているものとする。
【0041】
以上の構成で、次に動作を説明する。図示しない制御装置により冷却装置Sが運転されると、冷却庫44内の液体収納バック5の液体は保冷される。
【0042】
一方、制御装置は前記圧力センサの出力に基づき、エアーコンプレッサ48を運転すると共に、前記電磁弁を開閉して液体収納バック5の外層体23と袋本体21との間の密閉空間に圧縮空気Aを封入し、袋本体21に外側から一定の圧力を印加する。これにより、外層体23と袋本体21との間の密閉空間の容積が図2の如く拡大することで、袋本体21内の液体は出口部材22から液体供給パイプ45へと押し出されていく。
【0043】
液体供給パイプ45に押し出された液体は、液体取出口47に設けられた電磁開閉弁の開閉制御に基づき、該液体取出口47より図示しないカップに液体を取り出すことが可能となる。
【0044】
このように、本発明の液体収納バック5は、上記実施例と同様に液体が収納される可撓性を有した袋本体21と、この袋本体21の外側に設けられ、当該袋本体21との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体23とを備えているので、外層体23と袋本体21との間に実施例の如く圧縮空気を封入することで、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体21内に収納された液体を外部に押し出すことができる。これにより、袋本体21からの液体の自動供給を実現することが可能となる。
【0045】
特に、袋本体21内と外部とを連通する出口部材22と、外層体23と袋本体21との間と外部とを連通する連通口部材24とを備えているので、前述の如き各パイプ45や46を接続する際の作業も極めて容易となる。
【0046】
そして、本発明の液体供給装置DSでは、前述の如く袋本体21内に液体を収納した液体収納バック5を保冷する冷却庫44と、冷却庫44を冷却する冷却装置Sと、液体収納バック5の外層体23と袋本体21との間に圧縮空気を供給し、袋本体21内の液体を押し出すエアーコンプレッサ48とを備えているので、液体収納バック5ごと液体を保冷し、エアーコンプレッサ48により液体収納バック5の外層体23と袋本体21間に圧縮空気を供給して袋本体21内から液体を強制的に押し出し、直接供給することができるようになる。
【0047】
これにより、重力に依存した液体の供給方式を廃して安定的な液体の自動供給が実現できるようになる。
【0048】
尚、上記実施例では、液体収納バック5ごと液体を保冷し、エアーコンプレッサ48により液体収納バック5の外層体23と袋本体21間に圧縮空気を供給して袋本体21内から液体を強制的に押し出し、直接供給しているが、これ以外にも、図6に示す如く液体収納バック5から引き出された液体供給パイプ45を冷却する冷却部49を備え、エアーコンプレッサ48により液体収納バック5の外層体23と袋本体21間に圧縮空気を供給して袋本体21内から液体を液体供給パイプ45に強制的に押し出し、該液体供給パイプ45内の液体を冷却部49により冷却した後、供給を行ってもよい。係る実施例では、冷却対象物が液体供給パイプ45のみとなるため、上記実施例と比べて、冷却効率が向上する。尚、かかる場合において、冷却装置Sは冷却部49を冷却するものであり、該冷却部49は、コールドプレート又は、水槽若しくは、これ以外の冷却手段であるものとする。
【0049】
尚、上記各実施例の液体収納バック5では袋本体21の一面に外層体23を固着したが、それに限らず、袋本体21の周囲を囲繞するように外層体23を固着し、袋本体21の周囲に密閉空間を構成するようにしてもよい。
【0050】
また、上記各実施例では、液体収納バック5は、段ボール製の収納箱5Aに収納されているが、これ以外に、ナイロンなどの所定の強度を有するカバー内に納出自在に収納し、その状態で冷却庫内に収納してもよいものとする。例えばこのカバーは上面がファスナーにより開閉自在とされたバックにより構成され、下面には液体収納バック5の出口部材22及び連通口部材24が吐出するパイプ接続部が形成されているものでもよい。このようなカバー内に液体収納バック5を収納することにより、万一内部の液体(ミックス)が漏出した際にも冷却庫内が汚染される不都合が回避若しくは抑制される。また、圧縮空気が供給された際の液体収納バック5の膨らみがカバーによって規制されるので、液体収納バック5の破裂の発生も回避できるようになる。
【0051】
また、上記各実施例ではソフトクリーム等の冷菓を製造する冷菓製造装置SMやジュースなどを提供する液体供給装置DSに本発明の液体収納バックを使用したが、それに限らず、他の液体を圧縮空気などで押し出して使用するあらゆる装置に本発明の液体収納バックは適用可能であることは云うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明の液体収納バックによれば、液体が収納される可撓性を有した袋本体と、この袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体とを備えているので、外層体と袋本体との間に例えば圧縮空気を封入すれば、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体内に収納された液体を外部に押し出すことができる。これにより、袋本体からの液体の自動供給を実現することが可能となるものである。
【0053】
特に、請求項2の発明によれば、上記に加えて袋本体内と外部とを連通する出口部材と、外層体と袋本体との間と外部とを連通する連通口部材とを備えているので、前述の如き圧縮空気の供給と液体の流出のためのパイプ等の接続も極めて容易となるものである。
【0054】
また、請求項3の発明の冷菓製造装置によれば、前記袋本体内にミックスを収納した液体収納バックを保冷する冷却庫と、液体収納バックの袋本体内より流出したミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、これら冷却庫及び冷却シリンダを冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内のミックスを押し出す空気圧縮装置とを備えているので、液体収納バックごとミックスを保冷し、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内からミックスを強制的に押し出し、直接冷却シリンダに供給して冷菓を製造することができるようになる。
【0055】
これにより、重力に依存したミックスの供給方式を廃して安定的なミックスの自動供給を実現できるようになると共に、ミックスを液体収納バックから直接冷却シリンダに供給することで、衛生上の問題も解決することができるようになる。
【0056】
また、請求項4の発明の液体供給装置によれば、液体収納バックを保冷する冷却庫と、該冷却庫を冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えているので、液体収納バックごと液体を保冷し、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内から液体を強制的に押し出し、直接供給を行うことができるようになる。
【0057】
これにより、重力に依存した液体の供給方式を廃して安定的な液体の自動供給が実現できるようになる。
【0058】
請求項5の発明の発明の液体供給装置によれば、液体収納バックから引き出される液体配管を冷却する冷却装置と、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えているので、空気圧縮装置により液体収納バックの外層体と袋本体間に圧縮空気を供給して袋本体内から強制的に液体配管に押し出された液体を、該液体配管において、冷却装置により冷却した後、供給を行うことができるようになる。
【0059】
これによっても、重力に依存した液体の供給方式を廃して安定的な液体の自動供給が実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の液体収納バックの断面図である。
【図2】図1の状態からミックスを押し出している状態の液体収納バックの断面図である。
【図3】本発明の実施例の冷菓製造装置の一部縦断斜視図である。
【図4】図1の冷菓製造装置上部の概略透視図である。
【図5】本発明の実施例の液体供給装置の概略構成図である。
【図6】他の実施例の液体供給装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2、44 冷却庫
4 冷却庫冷却器
5 液体収納バック
7、46 圧縮空気供給パイプ
8 冷却シリンダ
9 ミックス供給パイプ
10 ビータ
11 シリンダ冷却器
18 圧縮機
19 四方弁
20 凝縮器
21 袋本体
22 出口部材
23 外層体
24 連通口部材
26 逆止弁
27、48 エアーコンプレッサ
29 電磁弁
40 ディスペンサ本体
41 選択スイッチ
45 液体供給パイプ
47 液体取出口
49 冷却部
SM 冷菓製造装置
DS 飲料ディスペンサ
R、S 冷却装置

Claims (5)

  1. 液体が収納される可撓性を有した袋本体と、
    該袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有する外層体とを備えたことを特徴とする液体収納バック。
  2. 前記袋本体内と外部とを連通する出口部材と、
    前記外層体と前記袋本体との間と外部とを連通する連通口部材とを備えたことを特徴とする請求項1の液体収納バック。
  3. 前記袋本体内にミックスを収納した前記液体収納バックを保冷する冷却庫と、
    前記液体収納バックの袋本体内より流出したミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、
    これら冷却庫及び冷却シリンダを冷却する冷却装置と、
    前記液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、前記袋本体内のミックスを押し出す空気圧縮装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体収納バックを用いた冷菓製造装置。
  4. 前記液体収納バックを保冷する冷却庫と、
    該冷却庫を冷却する冷却装置と、
    前記液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、前記袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体収納バックを用いた液体供給装置。
  5. 前記液体収納バックから引き出される液体配管を冷却する冷却装置と、
    前記液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、前記袋本体内の液体を押し出す空気圧縮装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体収納バックを用いた液体供給装置。
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