JP2004098581A - 成形型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルプモールド成形に用いられる成形型1であって、電気鋳造により立体成形した鋳造品3を成形型1の素材として用いることにした。電気鋳造により立体成形した鋳造品3は、パルプモールド成形材料を吸引するための多数の貫通孔4を鋳造時に同時に形成したものであり、また、多数の金属球を立体形状に沿って面状に並べた壁面構造を有し、互いに並べられた金属球同士の間にパルプモールド成形材料を吸引するための貫通孔が形成されているものである。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形技術に係る成形型に関し、更に詳しくはパルプモールド成形に用いられる成形型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、古紙またはパルプ等の紙性材料を溶剤に溶かして液状の成形材料とし、この成形材料を成形型で成形して成形品とするパルプモールド成形が知られており、従来のパルプモールド用成形型は以下のように構成されている。
【0003】
すなわち、図7に示すように先ず、アルミ鋳物、樹脂成形品またはアルミ素材の機械加工品よりなる成形型本体51が設けられており、この成形型本体51にその内外を連通する多数の貫通孔52が設けられるとともに、その外側表面を覆うように金網53が被せられている。貫通孔52は、パルプモールド成形時にパルプモールド成形材料を吸引して成形型本体51の外側表面に付着させるために設けられており、直径2.0〜3.0mmのものが8〜10mmのピッチで多数設けられている。金網53は、吸引されるパルプモールド成形材料が貫通孔52に目詰まりしないように設けられており、ピアノ線54を締結材として一部の貫通孔52を利用して成形型本体51に固定されている。
【0004】
しかしながら、上記従来の成形型によると、アルミ鋳物、樹脂成形品またはアルミ素材の機械加工品よりなる成形型本体51を鋳造、射出成形または機械加工等により成形してから別途、この成形型本体51に貫通孔52を穿設する工程を実施しなければならず、また、金網53を成形型本体51にピアノ線54により固定する工程を手作業で行なわなければならないために、成形型の製造に多くの手間と時間がかかる不都合がある。
【0005】
また、他の従来技術として、図8に示すように、多孔質素材を用いたパルプモールド用成形型55が開発されているが、この従来技術によると、多孔質による貫通孔部が早期に目詰まりするため、成形型を長時間に亙って使用することができない不都合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−92899号公報
【特許文献2】
特開平8−197553号公報
【特許文献3】
特開平9−309160号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、成形材料吸引用の貫通孔の穿設作業やピアノ線による金網の固定作業を省略することが可能であり、もって成形型の製造を容易化することができるパルプモールド用成形型を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による成形型は、パルプモールド成形に用いられる成形型であって、電気鋳造により立体成形した鋳造品を当該成形型の素材として用いたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2による成形型は、上記請求項1の成形型において、電気鋳造により立体成形した鋳造品が、パルプモールド成形材料を吸引するための多数の貫通孔を鋳造時に同時に形成したものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3による成形型は、上記請求項1の成形型において、電気鋳造により立体成形した鋳造品が、多数の金属球を立体形状に沿って並べた壁面構造を有し、前記金属球同士の間にパルプモールド成形材料を吸引するための貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0011】
更にまた、本発明の請求項4による成形型は、上記請求項2または3の成形型において、電気鋳造により立体成形した鋳造品を備えた成形型本体の表面を金網で覆い、前記成形型本体と金網とを電気溶着で固定したことを特徴とする。
【0012】
上記構成を備えた本発明の成形型のように、電気鋳造により立体成形した鋳造品を成形型の素材として用いるようにすると、電気鋳造(電鋳)が電気メッキによる金属部品の製造ないし複製法であって、モデル(マンドレル)に所定の厚さの電気メッキを施してからモデルを取り除くことによりモデルの形状や表面の凹凸を忠実に反転させることができるものであるために、鋳造品を電気鋳造するのと同時に鋳造品に貫通孔を形成することが可能となる。また、鋳造品とこれに被せる金網とが金属部品同士の組み合わせであるために、両者を電気溶着により固定することが可能となる。電鋳材料は一般に溶融金属であるが、多数の金属球が成形型の立体形状に沿って面状に並べられるようにしても良い。
【0013】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0014】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の成形型は以下の内容を備えている。
【0015】
▲1▼ 電鋳(電気鋳造)により立体成形した鋳造品を素材として用いたパルプモールド用成形型。
▲2▼ 内外表面を連通する多数の吸引のための貫通孔を有し、貫通孔は鋳造時に同時に成形したことを特徴とする上記▲1▼項に記載の成形型。
▲3▼ 複数の金属球を一層とした壁面構造として鋳造成形した上記▲1▼項に記載の成形型。
▲4▼ 表面を金網で覆い、金網と成形型本体を電気溶着で固定した上記▲2▼または▲3▼項に記載の成形型。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態としては、以下とおりである。
a.型の素材を電気鋳造法により立体成形して製作する。
b.素材の材質はニッケルまたは導電性の高い金属を用いる。
c.電気鋳造とすることにより成形時に金型素材の全面に亙って貫通孔(細孔)を設けることができる。
d.貫通孔は、その直径を0.2〜3.0mmとし、ピッチを1〜15mmとする。
e.または、成形時に金型を金属球を一層並べた構造の金属素材とする。
f.この場合、金属球の直径は0.5〜2.0mmとする。
g.以上の素材に対して全面にメッキを施す。
h.貫通孔の直径寸法が1mm以下の金型素材、金属球の直径寸法が1mm以下の金型素材は、そのままパルプモールドの金型とする。
i.これに対して、貫通孔の直径寸法が1mm以上のもの、金属球の直径寸法が1mm以上のものは、貫通孔を設けた表面部分または金属球を並べた表面部分を覆うように金網を電気溶着などの手段により固定する。
【0017】
【実施例】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0018】
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るパルプモールド用成形型1の断面を示しており、この成形型1は以下のように構成されている。
【0019】
すなわち先ず、電気鋳造により所定の立体形状に成形されたニッケル等よりなる電気鋳造品3を素材としてその全面にメッキ処理(図示せず)を施した成形型本体2が設けられており、この成形型本体2に、その内外を連通する貫通孔4が多数設けられている。
【0020】
成形型本体2は、中空であってかつ裁頭円錐状を呈する側面部2aの上端部に平面部2bを一体成形するとともに下端部に外向きフランジ部2cを一体成形したものであって、その厚さ寸法をアルミ鋳物または樹脂成形品等よりなる従来の成形型よりも薄く、具体的には0.5〜2.0mmほどに形成されている。
【0021】
貫通孔4は、当該成形型1の使用時すなわちパルプモールド成形時にパルプモールド成形材料を吸引して成形型本体2の外側表面に付着させるために設けられており、直径0.2〜1.0mmほどの比較的小さな円孔が1〜15mmのピッチで多数設けられている。この貫通孔4は、鋳造品3が電気鋳造されるのに伴って、その鋳造と同時に鋳造品3に形成されたものである。
【0022】
上記構成の成形型1によれば、成形型本体2の素材をなす鋳造品3を電気鋳造するのと同時にこの鋳造品3に多数の貫通孔4が形成されるために、上記従来技術における成形型の製造工程から成形後における貫通孔4の穿設作業を省略することができ、よってこの分、成形型の製造を容易化することができる。
【0023】
また、貫通孔4の開口面積が比較的小さく形成されているために、成形型本体2の表面に目詰まり防止用の金網を被せる必要がなく、よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0024】
また、上記従来技術におけるアルミ素材の鋳造型を製作するための木型(マスター型)56は、図9に示すようにこれを中空とする必要があるのに対して、電気鋳造品3を製作するための木型(マスター型)5は、図2に示すようにこれを中空とする必要がない。よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0025】
また、成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、上記従来技術におけるアルミ型や樹脂型と比較して成形型本体2が軽量化されている。よって成形型の取扱い性を向上させることができる。
【0026】
更にまた、同じく成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、当該成形型1を所定の設置箇所に組付けるためのタップを切る作業を省略し、孔をあけるだけで済ませることができる。よって成形型の組付けに関しても成形型の加工および組立てを容易化することができる。
【0027】
第二実施例・・・
図3は、本発明の第二実施例に係るパルプモールド用成形型1の断面を示しており、図4は同成形型1の一部外観拡大図を示している。この成形型1は以下のように構成されている。
【0028】
すなわち先ず、電気鋳造により所定の立体形状に成形されたニッケル等よりなる電気鋳造品3を素材としてその全面にメッキ処理(図示せず)を施した成形型本体2が設けられており、この成形型本体2に、その内外を連通する貫通孔4が多数設けられるとともに、その外側表面を覆うように金網6が被せられている。
【0029】
成形型本体2は、中空であってかつ裁頭円錐状を呈する側面部2aの上端部に平面部2bを一体成形するとともに下端部に外向きフランジ部2cを一体成形したものであって、その厚さ寸法をアルミ鋳物または樹脂成形品等よりなる従来の成形型よりも薄く、具体的には0.5〜2.0mmほどに形成されている。
【0030】
貫通孔4は、当該成形型1の使用時すなわちパルプモールド成形時にパルプモールド成形材料を吸引して成形型本体2の外側表面に付着させるために設けられており、直径1.0〜3.0mmほどの比較的大きな円孔が1〜15mmのピッチで多数設けられている。この貫通孔4は、鋳造品3が電気鋳造されるのに伴って、その電気鋳造と同時に鋳造品3に形成されたものである。
【0031】
金網6は、当該成形型1の使用時すなわちパルプモールド成形時に吸引されるパルプモールド成形材料が貫通孔4に目詰まりするのを防止するために設けられており、40〜50メッシュのステンレス製金網によって形成され、成形型本体2の形状に合わせて、その側面部2a、平面部2bまたはフランジ部2cを覆う部分6a,6b,6cをそれぞれ有している。またこの金網6は、スポットの電気溶着(電気溶着部を符号7で示す)により成形型本体2の外側表面に固着されている。
【0032】
上記構成の成形型1によれば、成形型本体2の素材をなす鋳造品3を電気鋳造するのと同時にこの鋳造品3に多数の貫通孔4が形成されるために、上記従来技術における成形型の製造工程から成形後における貫通孔4の穿設作業を省略することができ、よってこの分、成形型の製造を容易化することができる。
【0033】
また、成形型本体2の表面を覆う金網6が成形型本体2の外側表面に対して電気溶着により固着されているために、上記従来技術における成形型の製造工程からピアノ線による金網の固定作業を省略することができ、よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。成形型本体2と金網6とを電気溶着した場合には金網6の弛みが少なくなるために、作業性が向上し、かつ成形型1の仕上がりをきれいなものとすることができる。
【0034】
また、上記従来技術におけるアルミ素材の鋳造型を製作するための木型(マスター型)56は、図9に示したようにこれを中空とする必要があるのに対して、電気鋳造品3を製作するための木型(マスター型)5は、上記第一実施例に係る図2に示したようにこれを中空とする必要がない。よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0035】
また、成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、上記従来技術におけるアルミ型や樹脂型と比較して成形型本体2が軽量化されている。よって成形型の取扱い性を向上させることができる。
【0036】
更にまた、同じく成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、当該成形型1を所定の設置箇所に組付けるためのタップを切る作業を省略し、孔をあけるだけで済ませることができる。よって成形型の組付けに関しても成形型の加工および組立てを容易化することができる。
【0037】
第三実施例・・・
図5は、本発明の第三実施例に係るパルプモールド用成形型1の断面を示しており、この成形型1は以下のように構成されている。
【0038】
すなわち先ず、電気鋳造により所定の立体形状に成形された多数の金属球8よりなる電気鋳造品3を素材としてその全面にメッキ処理(図示せず)を施した成形型本体2が設けられており、この成形型本体2に、その内外を連通する貫通孔9が多数設けられている。
【0039】
金属球8は、その直径寸法を0.5〜1.0mmほどの大きさに形成されており、電気鋳造により当該成形型1の立体形状に沿って面状に並べられた壁面構造をなしている。貫通孔9は、互いに接触するよう配置されたこれらの金属球8の間に間隙として形成されている。
【0040】
成形型本体2は、中空であってかつ裁頭円錐状を呈する側面部2aの上端部に平面部2bを一体成形するとともに下端部に外向きフランジ部2cを一体成形したものであって、その厚さ寸法をアルミ鋳物または樹脂成形品等よりなる従来の成形型よりも薄く、具体的には上記金属球8の直径寸法に合わせて約0.5〜1.0mmの厚さとされている。
【0041】
上記構成の成形型1によれば、成形型本体2の素材をなす鋳造品3を多数の金属球8をもって電気鋳造するのと同時にこの鋳造品3に多数の貫通孔9が形成されるために、上記従来技術における成形型の製造工程から成形後における貫通孔の穿設作業を省略することができ、よってこの分、成形型の製造を容易化することができる。
【0042】
また、貫通孔9の開口面積が比較的小さく形成されているために、成形型本体2の表面に目詰まり防止用の金網を被せる必要がなく、よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0043】
また、上記従来技術におけるアルミ素材の鋳造型を製作するための木型(マスター型)56は、図9に示したようにこれを中空とする必要があるのに対して、電気鋳造品3を製作するための木型(マスター型)5は、上記第一実施例に係る図2に示したようにこれを中空とする必要がない。よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0044】
また、成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、上記従来技術におけるアルミ型や樹脂型と比較して成形型本体2が軽量化されている。よって成形型の取扱い性を向上させることができる。
【0045】
更にまた、同じく成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、当該成形型1を所定の設置箇所に組付けるためのタップを切る作業を省略し、孔をあけるだけで済ませることができる。よって成形型の組付けに関しても成形型の加工および組立てを容易化することができる。
【0046】
第四実施例・・・
図6は、本発明の第四実施例に係るパルプモールド用成形型1の断面を示しており、この成形型1は以下のように構成されている。
【0047】
すなわち先ず、電気鋳造により所定の立体形状に成形された多数の金属球8よりなる電気鋳造品3を素材としてその全面にメッキ処理(図示せず)を施した成形型本体2が設けられており、この成形型本体2に、その内外を連通する貫通孔9が多数設けられるとともに、その外側表面を覆うように金網6が被せられている。
【0048】
金属球8は、その直径寸法を1.0〜2.0mmほどの大きさに形成されており、電気鋳造により当該成形型1の立体形状に沿って面状に並べられた壁面構造をなしている。貫通孔9は、互いに接触するよう配置されたこれらの金属球8の間に間隙として形成されている。
【0049】
成形型本体2は、中空であってかつ裁頭円錐状を呈する側面部2aの上端部に平面部2bを一体成形するとともに下端部に外向きフランジ部2cを一体成形したものであって、その厚さ寸法をアルミ鋳物または樹脂成形品等よりなる従来の成形型よりも薄く、具体的には上記金属球8の直径寸法に合わせて約1.0〜2.0mmの厚さとされている。
【0050】
金網6は、当該成形型1の使用時すなわちパルプモールド成形時に吸引されるパルプモールド成形材料が貫通孔9に目詰まりするのを防止するために設けられており、40〜50メッシュのステンレス製金網によって形成され、成形型本体2の形状に合わせて、その側面部2a、平面部2bまたはフランジ部2cを覆う部分6a,6b,6cをそれぞれ有している。またこの金網6は、スポットの電気溶着(電気溶着部を符号7で示す)により成形型本体2の外側表面に固着されている。
【0051】
上記構成の成形型1によれば、成形型本体2の素材をなす鋳造品3を多数の金属球8をもって電気鋳造するのと同時にこの鋳造品3に多数の貫通孔9が形成されるために、上記従来技術における成形型の製造工程から成形後における貫通孔の穿設作業を省略することができ、よってこの分、成形型の製造を容易化することができる。
【0052】
また、成形型本体2の表面を覆う金網6が成形型本体2の外側表面に対して電気溶着により固着されているために、上記従来技術における成形型の製造工程からピアノ線による金網の固定作業を省略することができ、よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。成形型本体2と金網6とを電気溶着した場合には金網6の弛みが少なくなるために、作業性が向上し、かつ成形型1の仕上がりをきれいなものとすることができる。
【0053】
また、上記従来技術におけるアルミ素材の鋳造型を製作するための木型(マスター型)56は、図9に示したようにこれを中空とする必要があるのに対して、電気鋳造品3を製作するための木型(マスター型)5は、上記第一実施例に係る図2に示したようにこれを中空とする必要がない。よってこの点からも成形型の製造を容易化することができる。
【0054】
また、成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、上記従来技術におけるアルミ型や樹脂型と比較して成形型本体2が軽量化されている。よって成形型の取扱い性を向上させることができる。
【0055】
更にまた、同じく成形型本体2の厚さが比較的薄く形成されているために、当該成形型1を所定の設置箇所に組付けるためのタップを切る作業を省略し、孔をあけるだけで済ませることができる。よって成形型の組付けに関しても成形型の加工および組立てを容易化することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0057】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による成形型においては、パルプモールド成形に用いられる成形型において、電気鋳造により立体成形した鋳造品を成形型の素材として用いるようにしたために、鋳造品を電気鋳造するのと同時に鋳造品に成形材料吸引用の貫通孔を形成することが可能となる。また、上記鋳造品を備えた成形型本体とこれに被せる金網とが金属部品同士の組み合わせとされるために、成形型本体に金網を被せる場合には両者を電気溶着により固定することが可能となる。したがってこれらのことから、成形型の製造に際して貫通孔の穿設作業やピアノ線による金網の固定作業等の手間のかかる作業を省略することができ、よって成形型の製造を容易化することができる。また、電気鋳造によることにしたために、木型(マスター型)の形状を簡略化したり、成形型を薄肉軽量化したりすることができる。
【0058】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による成形型においては、電気鋳造により立体成形した鋳造品が、成形材料吸引用の多数の貫通孔を鋳造時に同時に形成したものであるために、成形型の製造に際して貫通孔の穿設作業を省略することができ、よって成形型の製造を容易化することができる。また、電気鋳造によって形成される貫通孔はその開口面積をごく小さく形成することが可能であるために、この場合には目詰まり防止用の金網を省略することができ、よって成形型の構造を簡略化することができる。
【0059】
また、上記構成を備えた本発明の請求項3による成形型においては、電気鋳造により立体成形した鋳造品が、多数の金属球を立体形状に沿って面状に並べた壁面構造を有し、互いに並べられた金属球同士の間に成形材料吸引用の貫通孔が形成されているために、やはり成形型の製造に際して貫通孔の穿設作業を省略することができ、よって成形型の製造を容易化することができる。また、小径の金属球を用いる場合には金属球同士の間に形成される貫通孔の開口面積をごく小さく形成することが可能であるために、この場合には目詰まり防止用の金網を省略することができ、よって成形型の構造を簡略化することができる。
【0060】
更にまた、上記構成を備えた本発明の請求項4による成形型においては、電気鋳造により立体成形した鋳造品を備えた成形型本体の表面を金網で覆い、成形型本体と金網とを電気溶着で固定するようにしたために、成形型の製造に際してピアノ線による金網の固定作業を省略することができ、よって成形型の製造を容易化することができる。また、電気溶着により金網に張りをもたせることができる可能であるために、固定作業の作業性を向上させ、仕上がりのきれいな型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図2】電気鋳造品を製作するための木型(マスター型)の断面図
【図3】本発明の第二実施例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図4】同成形型の一部外観拡大図
【図5】本発明の第三実施例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図6】本発明の第四実施例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図7】従来例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図8】他の従来例に係るパルプモールド用成形型の断面図
【図9】電気鋳造品を製作するための木型(マスター型)の断面図
【符号の説明】
1 成形型
2 成形型本体
3 鋳造品
4,9 貫通孔
5 木型(マスター型)
6 金網
7 電気溶着部
8 金属球
Claims (4)
- パルプモールド成形に用いられる成形型(1)であって、電気鋳造により立体成形した鋳造品(3)を当該成形型(1)の素材として用いたことを特徴とする成形型。
- 請求項1の成形型において、
電気鋳造により立体成形した鋳造品(3)が、パルプモールド成形材料を吸引するための多数の貫通孔(4)を鋳造時に同時に形成したものであることを特徴とする成形型。 - 請求項1の成形型において、
電気鋳造により立体成形した鋳造品(3)が、多数の金属球(8)を立体形状に沿って並べた壁面構造を有し、前記金属球(8)同士の間にパルプモールド成形材料を吸引するための貫通孔(9)が形成されていることを特徴とする成形型。 - 請求項2または3の成形型において、
電気鋳造により立体成形した鋳造品(3)を備えた成形型本体(2)の表面を金網(6)で覆い、前記成形型本体(2)と金網(6)とを電気溶着で固定したことを特徴とする成形型。
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