JP2004098501A - 画像出力システムおよびこれに用いる装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像出力装置が画像入力装置を従属的に制御する通信を用いて画像入力装置による操作に基づいて画像出力装置から画像を出力する際に所望のタイミングで画像出力装置の状態を画像入力装置側で得る。
【解決手段】デジタルカメラ30をUSBデバイスとしてプリンタ40に接続し、プリンタ40からインタラプトパイプを用いて極めて短い時間間隔でリクエストを問い合わせるコマンドをデジタルカメラ30に送信させ、その応答として、デジタルカメラ30からプリンタ40に動作させたい要求に対応する制御コマンドを送信させる。その制御コマンドとしてプリンタ40の状態を送信させるものとすれば、所望のタイミングでプリンタ40の状態をデジタルカメラ30に送信させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタルカメラ30をUSBデバイスとしてプリンタ40に接続し、プリンタ40からインタラプトパイプを用いて極めて短い時間間隔でリクエストを問い合わせるコマンドをデジタルカメラ30に送信させ、その応答として、デジタルカメラ30からプリンタ40に動作させたい要求に対応する制御コマンドを送信させる。その制御コマンドとしてプリンタ40の状態を送信させるものとすれば、所望のタイミングでプリンタ40の状態をデジタルカメラ30に送信させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像出力システムおよびこれに用いる装置に関し、詳しくは、画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムおよびこれに用いる装置並びにこのシステムの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシステムとしては、汎用のコンピュータに外部記憶装置としてのMOディスクドライブ(magneto−optic disc disk)やハードディスク装置などがUSB(universal serial bus)により接続されてなるものが種々提案されている。このUSB接続では、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)にはUSBホストとしてのUSBコントローラが装備されており、接続される外部記憶装置をストレージクラスのデバイスとして通信制御する。なお、USBのデバイスクラスには、こうしたストレージクラスの他にHIDクラスやSTIクラス,プリンタクラスなどがある。
【0003】
こうしたUSB接続を用いてデジタルカメラとプリンタとを直接接続するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、プリンタにマスストレージクラスのUSBインタフェースを持たせてデジタルカメラをマスストレージクラスのデバイスとして接続するものとしており、プリンタに設けられた操作パネルによる操作によってデジタルカメラに記憶されている画像をコンピュータを接続することなくプリンタで印刷できるものとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−290612号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたUSB接続ではコンピュータがホストとして機能することが前提とされていると考えられるため、コンピュータと他の機器とを接続する場合には良好に機能するが、コンピュータ以外の機器同士で接続する場合には良好に機能しない場合がある。例えば、デジタルカメラとプリンタとを直接USB接続する場合について考えれば、人による操作性を考えればデジタルカメラをホストとして機能させるのが好ましいが、デジタルカメラの携帯性を考えればより大きなハード構成を伴うホストはプリンタの方が好ましい。こうしたホストをいずれにするかについての課題は、USB接続に拘わらず、一方が他方を従属的に制御する通信であれば同様に存在する。
【0006】
また、デジタルカメラとのUSB接続について考えれば、撮影した画像をコンピュータを介することなく直接プロジェクタから表示出力するためにプロジェクタに接続したり、撮影した画像をコンピュータを介することなく外部記憶装置に記憶させるために外部記憶装置に接続する要請もある。このように、コンピュータ以外の機器間でUSB接続したい場合も多いが、これらの場合にも、いずれをホストとするかの問題も生じる。
【0007】
さらに、デジタルカメラから画像出力装置に画像を出力する場合、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にないときには、デジタルカメラから画像出力装置に画像を出力しても受け付けられず、画像の出力の操作をやり直す必要が生じ、操作が煩雑なものとなる。この場合、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にあるか否かを確認すればよいが、デジタルカメラがUSBデバイスである場合には、デジタルカメラ側からこうした確認を行なうのは困難である。
【0008】
本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、所望のタイミングで画像出力装置の状態を画像入力装置側で得ることを目的の一つとする。また、本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にあるか否かを確認したあとに画像出力装置に画像の出力を行なわせることを目的の一つとする。さらに、本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、画像出力装置が画像入力装置を従属的に制御する通信を用いて画像入力装置による操作に基づいて画像出力装置から画像を出力することを目的の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0010】
本発明の画像出力システムは、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムであって、
(a)前記画像入力装置は、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、を備え、
(b)前記画像出力装置は、
前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0011】
この本発明の画像出力システムでは、画像入力装置は、所定の状態送信要請を発生させると共に要請に伴って画像出力装置から送信される画像出力装置の状態を取得する。そして、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定し、取得した画像出力装置の状態に基づいて設定された出力ジョブを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信する。画像出力装置は、所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信し、所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行する。したがって、画像入力装置で所定の状態送信要請を発生させることにより、画像出力装置の状態を取得することができる。この結果、画像出力装置が出力ジョブを受け付けることができる状態であることを確認して画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせることができ、画像出力装置に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う画像入力装置における再度の操作を防止することができる。
【0012】
こうした本発明の画像出力システムにおいて、前記画像出力装置は、少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備え、前記画像入力装置は、前記要請応答用コマンドを入力したときに発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置では、所定の状態送信要請を発生させるだけで迅速に画像出力装置の状態を取得することができる。
【0013】
また、本発明の画像出力システムにおいて、前記画像入力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段を備え、前記画像出力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置の通信手段を簡易なものとすることができる。したがって、画像入力装置の小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の画像出力システムにおいて、前記画像入力装置は撮影により画像を入力する装置であるものとすることもできるし、前記所定の通信規格はUSBにおける通信規格であるものとすることもできる。なお、こうした画像入力装置としてはデジタルカメラなどが挙げられる。
【0015】
本発明の画像入力装置は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像入力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段と、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、
を備えることを要旨とする。
【0016】
この本発明の画像入力装置では、所定の状態送信要請を発生させることにより画像出力装置の状態を取得することができる。そして、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定し、取得した画像出力装置の状態に基づいて、即ち画像出力装置が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに設定された出力ジョブを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信する。即ち、画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であることを確認して出力ジョブを送信することができるから、より確実に画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせて実行させることができると共に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う再度の操作を防止することができる。なお、こうした本発明の画像入力装置において、前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置から要請応答用コマンドを受信したときに該画像入力装置内で発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備えるものとすることもできる。
【0017】
本発明の画像出力装置は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像出力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段と、
前記画像入力装置から送信された所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
操作者の操作に基づいて該画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブとして前記画像入力装置により設定され該画像入力装置により前記所定の通信規格による通信を介して送信された出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、
を備えることを要旨とする。
【0018】
この本発明の画像出力装置では、画像入力装置から送信された所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信する。このため、画像入力装置では、所定の状態送信要請を送信するだけで画像出力装置の状態を取得することができる。また、本発明の画像出力装置では、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブとして画像入力装置により設定されこの画像入力装置により所定の通信規格による通信を介して送信された出力ジョブを実行する。こうした本発明の画像出力装置において、少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置が画像出力装置の状態を取得したいときに迅速に取得させることができる。
【0019】
本発明の画像出力における制御方法は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、該画像出力装置が該画像入力装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を用いて画像出力装置の動作を制御する制御方法であって、
前記画像入力装置を、所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得するよう制御すると共に操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブが設定され前記取得した前記画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに該設定された出力ジョブが前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信されるよう制御し、
前記画像出力装置を、前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態が前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信されるよう制御すると共に前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブが実行されるよう制御する
ことを要旨とする。
【0020】
この本発明の画像出力における制御方法によれば、画像入力装置で所定の状態送信要請を発生させるだけで画像入力装置に画像出力装置の状態を取得させることができる。また、画像入力装置では画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であることを確認して出力ジョブを送信するから、確実に画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせて実行させることができると共に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う再度の操作を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である画像出力システム20の構成の概略を示す構成図である。図示するように、実施例の画像出力システム20は、画像入力装置としてのデジタルカメラ30と画像出力装置としてのプリンタ40とがUSB通信インタフェースケーブル50により接続されて構成されている。
【0022】
デジタルカメラ30は、図示しないシャッターボタンをはじめとする各種操作ボタンからの入力を受けて各部をコントロールするカメラコントローラ31を中心として構成されており、被写体を表示すると共に各種操作に必要な表示を行なうカラー液晶表示パネル32と、被写体を撮影して電気信号に変換する撮影装置33と、データを一時的に記憶するメモリ43と、USBホストと通信するためのUSB規格におけるマスストレージクラスのUSBデバイスコントローラ35と、カメラコントローラ31の処理により撮影装置33からの電気信号に基づいて作成された画像ファイルが記録される記録媒体38とを備える。
【0023】
プリンタ40は、各部をコントロールする印刷コントローラ41を中心に構成されており、画像を出力する印刷出力部42と、データを一時的に記憶するメモリ43と、USBデバイスと通信するためのUSBホストコントローラ45とを備える。
【0024】
次に、実施例の画像出力システム20における通信、即ちデジタルカメラ30とプリンタ40とによる通信について説明する。実施例のデジタルカメラ30とプリンタ40とによる通信は、USBデバイスコントローラ35とUSBホストコントローラ45とを用いて行なわれる。USBデバイスコントローラ35とUSBホストコントローラ45との通信は、図2に例すように、各種コマンドの伝送に用いられるコントロールパイプ51と、画像ファイルなどのデータの伝送に用いられるバルクパイプ52と、インタラプトパイプ53の3つの論理的なパイプ(通信チャネル)を用いて行なわれる。これらのパイプのうちインタラプトパイプ53は、USB規格ではマスストレージクラスにおける通信に関しては何ら規定されていない。実施例の画像出力システム20では、このインタラプトパイプ53を用いることにより、プリンタ40がUSBホストであるにも拘わらず、デジタルカメラ30の操作によってプリンタ40を動作させるのである。
【0025】
具体的には、まず、プリンタ40からインタラプトパイプ53を用いて人の操作に要する時間に対して極めて短い時間毎(例えば1msec毎)にデジタルカメラ30側のリクエストを問い合わせるコマンド(実施例では、インターラプトインコマンド[Interrupt In コマンド])をデジタルカメラ30側に送信させ、デジタルカメラ30から、このインターラプトインコマンドを受ける毎に、何らの要求もない場合には何も要求がないことを意味する「NAK」を応答として送信させ、何らかの要求がある場合にはその要求に対応した制御コマンドを応答として送信させる。そして、プリンタ40がインターラプトインコマンドの応答としてデジタルカメラ30から制御コマンドを受信したときには、プリンタ40の印刷コントローラ41でその制御コマンドを解析し、制御コマンドに対応する動作を実行するのである。
【0026】
例えば、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32などを用いてプリンタ40に画像を印刷させる場合には、次のように動作する。まず、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32を用いてプリンタ40で記録媒体に記録された画像のうち印刷する画像を選択すると共に選択した画像の印刷条件を選択して指示すると、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31は、選択された画像と選択された印刷条件とに基づいて画像の印刷に対応する制御コマンドを設定すると共に設定した制御コマンドをインターラプトインコマンドの応答としてプリンタ40に送信する。プリンタ40では、この制御コマンドの解析の結果としての動作、即ち、デジタルカメラ30から選択された画像のファイル名などの情報と選択された印刷条件の情報とが記載されたスクリプトを取得し、スクリプトに基づいてストレージクラスとしてUSB接続されているデジタルカメラ30の記録媒体38から選択された画像を読み込み、スクリプトに記述された印刷条件を用いて印刷する。また、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32などを用いてプリンタ40の状態を表示させる場合には次のように動作する。まず、プリンタ40の状態の表示を指示することにより、カメラコントローラ31によって設定されたプリンタ40の状態の表示に対応する制御コマンドをインターラプトインコマンドの応答としてプリンタ40に送信する。プリンタ40では、この制御コマンドの解析の結果としての動作、即ちプリンタ40の状態情報(例えば、「画像の印刷中」や「印刷準備完了」などの状態に関する情報)をデジタルカメラ30に送信する動作を実行する。そして、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31は、プリンタ40から受信した状態情報をカラー液晶表示パネル32に表示する。
【0027】
次に、こうしたデジタルカメラ30とプリンタ40との通信の様子について更に詳細に説明する。図3はデジタルカメラ30とプリンタ40との間にUSBによる通信接続が確率される際の通信手順の一例を示すシーケンス図である。デジタルカメラ30とプリンタ40とが電源が投入されている状態でUSB通信インタフェースケーブル50により接続されたり、デジタルカメラ30とプリンタ40とがUSB通信インタフェースケーブル50により接続された状態で電源が投入されると、図3に例示したシーケンスに示すように、まず、USBの通信接続を確立し、プリンタ40のUSBホストコントローラ45は、デジタルカメラ30のUSBデバイスコントローラ35からUSBデバイスとしての構成を記述したデバイスディスクリプタを取得する(S100)。このデバイスディスクリプタには、デジタルカメラ30がマスストレージクラスのデバイスであることやデジタルカメラ30が使用するUSBのエンドポイントを列挙したストリングディスクリプタなどを含むインタフェースディスクリプタが含まれている。実施例では、エンドポイントを列挙したストリングディスクリプタには、追加のエンドポイントとして「Interruput In」エンドポイントが記述されている。この結果、実施例におけるプリンタ40のUSBホストコントローラ45は、インタフェースディスクリプタおよびストリングディスクリプタから、デジタルカメラ30がマスストレージクラスのデバイスであって、インターラプトインコマンド(USBデバイス側のリクエストを問い合わせるコマンド)を使用するデバイスであることを認識することができる。なお、デジタルカメラ30を通常のコンピュータのUSBポートに接続したときには、同様にデバイスディスクリプタがコンピュータに送られるが、コンピュータに組み込まれたUSBホストコントローラは追加の「Interruput In」エンドポイントを無視するから、デジタルカメラ30はコンピュータに対して通常のマスストレージクラスのデバイスとして動作することになる。
【0028】
こうしてデジタルカメラ30とプリンタ40との間にUSBの通信接続が確立すると、プリンタ40は、極めて短時間の時間間隔(例えば、1msec間隔)でインターラプトインコマンドをインタラプトパイプ53を用いてデジタルカメラ30へ送信する処理を開始すると共に(S102やS108)、通信接続が確立されてから所定の時間内にプロトコルを確認するための「PrinterConfirmation」コマンドを送信する(S106)。このコマンドの送信により、プリンタ40がインターラプトインコマンドを使用するタイプの通信プロトコルを用いることやプロトコルバージョンなどを通知する。
【0029】
デジタルカメラ30では、インターラプトインコマンドを受信する毎にその時点で何らかの制御コマンドが発生していないかを調べ、何らの制御コマンドも発生していないときには要求なしを意味する「NAK」を、何らかの制御コマンドが発生しているときには発生している制御コマンドを、インターラプトインコマンドの応答としてコントロールパイプ51を用いてプリンタ40に送信する。図3の例では、S108のインターラプトインコマンドに対してデジタルカメラ30でプリンタ40の状態を取得するためのリクエストとしての制御コマンドである「PrinterStsReq」がその応答としてデジタルカメラ30からプリンタ40に送信される(S110)。プリンタ40は、この制御コマンドに対してその状態を調べ、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるときには、プリンタの状態の送信の通知を知らせるコマンドである「SEND_PRINTER_STATUS」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信すると共に(S112)、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコードである「PRINTOK」をバルクパイプ52を用いてデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込む(S114)。デジタルカメラ30では、こうして得られたプリンタ40の状態(画像の印刷ジョブを受け付け可能な状態)をカラー液晶表示パネル32に表示するのである。
【0030】
図4はデジタルカメラ30から画像の印刷要求がなされてプリンタ40で印刷ジョブが受け付けられて実行される際の通信手順の一例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32を用いて記録媒体38に記録されている画像から印刷する画像を指定すると共に指定した画像の印刷条件(例えば、印刷用紙における画像のレイアウトやサイズなど)を設定し、印刷ジョブの送信を指示する「決定」などを操作することにより行なわれる。
【0031】
「決定」などの操作がなされると、デジタルカメラ30では、まず、プリンタ40の状態を取得するために「PrinterStsReq」コマンドを発生させ、プリンタ40から送信されるインターラプトインコマンド(S200)の応答としてプリンタ40に送信することにより(S202)、プリンタ40にプリンタの状態の送信の通知を知らせる「SEND_PRINTER_STATUS」コマンドを送信させると共に(S204)、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコードである「PRINTOK」をデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込ませる(S206)。ここで、プリンタ40が印刷ジョブを受け付けることができないときには、「PRINTOK」以外のコードがデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込まれるから、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31はメモリ34の所定領域に書き込まれたコードによりプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態にあるか否かを判定することができる。
【0032】
プリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態にあるのを確認すると、カメラコントローラ31の処理により印刷ジョブが発生したことを通知するためのリクエストである制御コマンドの「PrintReq」を発生させる。この制御コマンドは、プリンタ40から送信されるインターラプトインコマンド(S208)の応答としてコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30からプリンタ40に送信される(S210)。プリンタ40は、受信した「PrintReq」コマンドに対応して印刷ジョブを取得するためのコマンドである「GET_PRINTREQ」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信すると共に(S212)、デジタルカメラ30の記録媒体38に格納されている操作者により指定された画像データや設定された印刷条件などのデータをバルクパイプ52を介して読み出す(S214)。こうして印刷ジョブを受け付けた後にプリンタ40から送信されるインターラプトインコマンドに対して(S216)、デジタルカメラ30から装置の状態を取得するためのリクエストの制御コマンドである「PrinterStsReq」がその応答として送信されると(S218)、画像出力装置40は、装置の状態の送信の通知を知らせるコマンドである「SEND_PRINTER_STATUS」と共に印刷ジョブが正常に受け付けられたことを示すコードである「CMDACPT」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信する(S220)。なお、図中のコード「CMDACPT」の直後の「id01」は、印刷ジョブをデジタルカメラ30側で識別するためのid番号である。以下、他のコードの直後の「id01」についても同様である。
【0033】
デジタルカメラ30では、印刷ジョブが受け付けられると、印刷ジョブが完了するまでインターラプトインコマンドに対応する制御コマンドとして「PrinterStsReq」をプリンタ40に送信し続ける(S226,S242)。プリンタ40は、この「PrinterStsReq」コマンドに対して「SEND_PTINTER_STATUS」コマンドをデジタルカメラ30に送信すると共に(S228)、印刷ジョブの実行中の状態を示すコードである「PRINT」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信する(S230)。プリンタ40では、印刷ジョブが完了すると、その直後のインターラプトインコマンドに対応してデジタルカメラ30から送信される「PrinterStsReq」コマンドに対して(S242)、「SEND_PRINTER_STATUS」コマンドをデジタルカメラ30に送信すると共に(S244)、印刷ジョブの実行完了を示すコードである「COMP」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信して(S246)、デジタルカメラ30に印刷ジョブの完了を通知する。デジタルカメラ30では、この印刷ジョブの完了をカラー液晶表示パネル32などに表示して操作者に画像出力の完了を知らせる。デジタルカメラ30とプリンタ40との通信の際に用いられるコマンドやコードの一例を図5に示す。
【0034】
以上説明した実施例の画像出力システム20によれば、デジタルカメラ30では所望のタイミングで「PrinterStsReq」コマンドを発生させるだけで直ちにプリンタ40の状態を取得することができる。また、実施例の画像出力システム20によれば、プリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるのを確認してから「PrintReq」コマンドを発生させてプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせるから、より確実にプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせて実行させることができる。この結果、印刷ジョブを受け付けることができないことに伴う操作者によるデジタルカメラ30への再度の操作を防止することができる。しかも、プリンタ40をUSBホストとすると共にデジタルカメラ30をUSBデバイスとするから、デジタルカメラ30に搭載するハード構成を簡易なものとすることができる。また、デジタルカメラ30をUSB規格のマスストレージクラスを用い、プリンタ40とのUSB接続の際にだけインターラプトインコマンドを用いて処理を行なうものとしたから、デジタルカメラ30を通常のマスストレージクラスのUSBデバイスとしてコンピュータに接続することができる。
【0035】
ここで、実施例の画像出力システム20では、デジタルカメラ30が画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置に相当し、プリンタ40が画像を出力可能な画像出力装置に相当し、USBが接続された装置の一方が他方を従属的に制御する所定の通信規格に相当する。また、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31とUSBデバイスコントローラ35とが所定の状態送信要請を発生させると共に要請に伴って画像出力装置から送信される画像出力装置の状態を取得する状態取得手段に相当し、カメラコントローラ31が操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段に相当し、カメラコントローラ31とUSBデバイスコントローラ35とが取得した画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに設定された出力ジョブを所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信するジョブ送信手段に相当する。さらに、プリンタ40の印刷コントローラ41とUSBホストコントローラ45とが所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信する状態送信手段に相当し、印刷コントローラ41と印刷出力部42とが所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行するジョブ実行手段に相当する。
【0036】
実施例の画像出力システム20では、デジタルカメラ30で「PrinterStsReq」コマンドを発生させてプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるのを確認してから「PrintReq」コマンドを発生させてプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせるものとしたが、それ以前にプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコード「PRINTOK」がメモリ34の所定領域に書き込まれているときには、デジタルカメラ30で「PrintReq」コマンドを発生させる直前に「PrinterStsReq」コマンドを発生させてプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるか否かの確認を行なわないものとしてもよい。
【0037】
実施例の画像出力システム20では、プリンタ40はデジタルカメラ30の記録媒体38に格納されている指定された画像データや設定された印刷条件などのデータを読み出すことにより印刷ジョブを受け付けるものとしたが、デジタルカメラ30により指定した画像のファイル名とその記録箇所,印刷条件などを記述したスクリプトをメモリ34あるいは記録媒体38に書き込ませ、そのスクリプトを読み出すことにより印刷ジョブを受け付けるものとしてもよい。また、デジタルカメラ30がプリンタ40に送信する制御コマンドに画像のファイル名などを含ませるものとしてもよい。
【0038】
実施例の画像出力システム20では、画像出力装置の一例としてのプリンタ40とデジタルカメラ30とを接続するものとしたが、画像の出力が可能な装置であればプリンタに限定されることなく、例えば、画像を表示出力するプロジェクタなどの表示装置や画像ファイルを記憶媒体に書き込み出力するMOディスクドライブなどの外部記憶装置など、種々の画像出力装置とデジタルカメラ30とを接続するものとしてもよい。
【0039】
実施例の画像出力システム20では、接続された装置の一方が他方を従属的に制御する所定の通信規格としてUSBを用いたが、プリンタ40がデジタルカメラ30を従属的に制御す通信規格であれば如何なる通信規格でも用いることができる。
【0040】
実施例の画像出力システム20では、画像入力装置としてデジタルカメラ30を一例として挙げて説明したが、画像を入力して複数記憶可能な装置であれば、如何なる装置であっても構わない。
【0041】
実施例では、本発明を画像出力システム20として説明したが、システムの形態に限られるものではなく、画像出力システム20に用いるデジタルカメラ30などの画像入力装置の形態としたり、画像出力システム20に用いるプリンタ40などの画像出力装置の形態としてもよい。また、画像出力システム20を構成するデジタルカメラ30やプリンタ40などの画像出力装置を制御する制御方法の形態としてよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の画像出力システム20の構成の概略を示す構成図。
【図2】コマンド伝送等に使用する論理的なパイプを例示する説明図。
【図3】通信接続が確率される際の通信手順を示すシーケンス図。
【図4】印刷ジョブを受け付ける際の通信手順を示すシーケンス図。
【図5】通信に用いられるコマンド等の一例を示す説明図。
【符号の説明】
20 画像出力システム、30 デジタルカメラ、31 カメラコントローラ、32 カラー液晶表示パネル、33 撮影装置、34 メモリ、35 USBデバイスコントローラ、38 記録媒体、40 プリンタ、41 印刷コントローラ、42 印刷出力部、43 メモリ、45 USBホストコントローラ、50 USB通信インタフェースケーブル、51 コントロールパイプ、52 バルクパイプ、53 インタラプトパイプ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像出力システムおよびこれに用いる装置に関し、詳しくは、画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムおよびこれに用いる装置並びにこのシステムの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシステムとしては、汎用のコンピュータに外部記憶装置としてのMOディスクドライブ(magneto−optic disc disk)やハードディスク装置などがUSB(universal serial bus)により接続されてなるものが種々提案されている。このUSB接続では、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)にはUSBホストとしてのUSBコントローラが装備されており、接続される外部記憶装置をストレージクラスのデバイスとして通信制御する。なお、USBのデバイスクラスには、こうしたストレージクラスの他にHIDクラスやSTIクラス,プリンタクラスなどがある。
【0003】
こうしたUSB接続を用いてデジタルカメラとプリンタとを直接接続するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、プリンタにマスストレージクラスのUSBインタフェースを持たせてデジタルカメラをマスストレージクラスのデバイスとして接続するものとしており、プリンタに設けられた操作パネルによる操作によってデジタルカメラに記憶されている画像をコンピュータを接続することなくプリンタで印刷できるものとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−290612号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたUSB接続ではコンピュータがホストとして機能することが前提とされていると考えられるため、コンピュータと他の機器とを接続する場合には良好に機能するが、コンピュータ以外の機器同士で接続する場合には良好に機能しない場合がある。例えば、デジタルカメラとプリンタとを直接USB接続する場合について考えれば、人による操作性を考えればデジタルカメラをホストとして機能させるのが好ましいが、デジタルカメラの携帯性を考えればより大きなハード構成を伴うホストはプリンタの方が好ましい。こうしたホストをいずれにするかについての課題は、USB接続に拘わらず、一方が他方を従属的に制御する通信であれば同様に存在する。
【0006】
また、デジタルカメラとのUSB接続について考えれば、撮影した画像をコンピュータを介することなく直接プロジェクタから表示出力するためにプロジェクタに接続したり、撮影した画像をコンピュータを介することなく外部記憶装置に記憶させるために外部記憶装置に接続する要請もある。このように、コンピュータ以外の機器間でUSB接続したい場合も多いが、これらの場合にも、いずれをホストとするかの問題も生じる。
【0007】
さらに、デジタルカメラから画像出力装置に画像を出力する場合、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にないときには、デジタルカメラから画像出力装置に画像を出力しても受け付けられず、画像の出力の操作をやり直す必要が生じ、操作が煩雑なものとなる。この場合、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にあるか否かを確認すればよいが、デジタルカメラがUSBデバイスである場合には、デジタルカメラ側からこうした確認を行なうのは困難である。
【0008】
本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、所望のタイミングで画像出力装置の状態を画像入力装置側で得ることを目的の一つとする。また、本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、画像出力装置が画像が出力を受け付けることができる状態にあるか否かを確認したあとに画像出力装置に画像の出力を行なわせることを目的の一つとする。さらに、本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、画像出力装置が画像入力装置を従属的に制御する通信を用いて画像入力装置による操作に基づいて画像出力装置から画像を出力することを目的の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の画像出力システムおよびこれに用いる装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0010】
本発明の画像出力システムは、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムであって、
(a)前記画像入力装置は、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、を備え、
(b)前記画像出力装置は、
前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、を備える
ことを要旨とする。
【0011】
この本発明の画像出力システムでは、画像入力装置は、所定の状態送信要請を発生させると共に要請に伴って画像出力装置から送信される画像出力装置の状態を取得する。そして、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定し、取得した画像出力装置の状態に基づいて設定された出力ジョブを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信する。画像出力装置は、所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信し、所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行する。したがって、画像入力装置で所定の状態送信要請を発生させることにより、画像出力装置の状態を取得することができる。この結果、画像出力装置が出力ジョブを受け付けることができる状態であることを確認して画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせることができ、画像出力装置に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う画像入力装置における再度の操作を防止することができる。
【0012】
こうした本発明の画像出力システムにおいて、前記画像出力装置は、少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備え、前記画像入力装置は、前記要請応答用コマンドを入力したときに発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置では、所定の状態送信要請を発生させるだけで迅速に画像出力装置の状態を取得することができる。
【0013】
また、本発明の画像出力システムにおいて、前記画像入力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段を備え、前記画像出力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置の通信手段を簡易なものとすることができる。したがって、画像入力装置の小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の画像出力システムにおいて、前記画像入力装置は撮影により画像を入力する装置であるものとすることもできるし、前記所定の通信規格はUSBにおける通信規格であるものとすることもできる。なお、こうした画像入力装置としてはデジタルカメラなどが挙げられる。
【0015】
本発明の画像入力装置は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像入力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段と、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、
を備えることを要旨とする。
【0016】
この本発明の画像入力装置では、所定の状態送信要請を発生させることにより画像出力装置の状態を取得することができる。そして、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定し、取得した画像出力装置の状態に基づいて、即ち画像出力装置が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに設定された出力ジョブを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信する。即ち、画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であることを確認して出力ジョブを送信することができるから、より確実に画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせて実行させることができると共に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う再度の操作を防止することができる。なお、こうした本発明の画像入力装置において、前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置から要請応答用コマンドを受信したときに該画像入力装置内で発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備えるものとすることもできる。
【0017】
本発明の画像出力装置は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像出力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段と、
前記画像入力装置から送信された所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
操作者の操作に基づいて該画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブとして前記画像入力装置により設定され該画像入力装置により前記所定の通信規格による通信を介して送信された出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、
を備えることを要旨とする。
【0018】
この本発明の画像出力装置では、画像入力装置から送信された所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信する。このため、画像入力装置では、所定の状態送信要請を送信するだけで画像出力装置の状態を取得することができる。また、本発明の画像出力装置では、操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブとして画像入力装置により設定されこの画像入力装置により所定の通信規格による通信を介して送信された出力ジョブを実行する。こうした本発明の画像出力装置において、少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、画像入力装置が画像出力装置の状態を取得したいときに迅速に取得させることができる。
【0019】
本発明の画像出力における制御方法は、
画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、該画像出力装置が該画像入力装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を用いて画像出力装置の動作を制御する制御方法であって、
前記画像入力装置を、所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得するよう制御すると共に操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブが設定され前記取得した前記画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに該設定された出力ジョブが前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信されるよう制御し、
前記画像出力装置を、前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態が前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信されるよう制御すると共に前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブが実行されるよう制御する
ことを要旨とする。
【0020】
この本発明の画像出力における制御方法によれば、画像入力装置で所定の状態送信要請を発生させるだけで画像入力装置に画像出力装置の状態を取得させることができる。また、画像入力装置では画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であることを確認して出力ジョブを送信するから、確実に画像出力装置に出力ジョブを受け付けさせて実行させることができると共に出力ジョブを受け付けることができないことに伴う再度の操作を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である画像出力システム20の構成の概略を示す構成図である。図示するように、実施例の画像出力システム20は、画像入力装置としてのデジタルカメラ30と画像出力装置としてのプリンタ40とがUSB通信インタフェースケーブル50により接続されて構成されている。
【0022】
デジタルカメラ30は、図示しないシャッターボタンをはじめとする各種操作ボタンからの入力を受けて各部をコントロールするカメラコントローラ31を中心として構成されており、被写体を表示すると共に各種操作に必要な表示を行なうカラー液晶表示パネル32と、被写体を撮影して電気信号に変換する撮影装置33と、データを一時的に記憶するメモリ43と、USBホストと通信するためのUSB規格におけるマスストレージクラスのUSBデバイスコントローラ35と、カメラコントローラ31の処理により撮影装置33からの電気信号に基づいて作成された画像ファイルが記録される記録媒体38とを備える。
【0023】
プリンタ40は、各部をコントロールする印刷コントローラ41を中心に構成されており、画像を出力する印刷出力部42と、データを一時的に記憶するメモリ43と、USBデバイスと通信するためのUSBホストコントローラ45とを備える。
【0024】
次に、実施例の画像出力システム20における通信、即ちデジタルカメラ30とプリンタ40とによる通信について説明する。実施例のデジタルカメラ30とプリンタ40とによる通信は、USBデバイスコントローラ35とUSBホストコントローラ45とを用いて行なわれる。USBデバイスコントローラ35とUSBホストコントローラ45との通信は、図2に例すように、各種コマンドの伝送に用いられるコントロールパイプ51と、画像ファイルなどのデータの伝送に用いられるバルクパイプ52と、インタラプトパイプ53の3つの論理的なパイプ(通信チャネル)を用いて行なわれる。これらのパイプのうちインタラプトパイプ53は、USB規格ではマスストレージクラスにおける通信に関しては何ら規定されていない。実施例の画像出力システム20では、このインタラプトパイプ53を用いることにより、プリンタ40がUSBホストであるにも拘わらず、デジタルカメラ30の操作によってプリンタ40を動作させるのである。
【0025】
具体的には、まず、プリンタ40からインタラプトパイプ53を用いて人の操作に要する時間に対して極めて短い時間毎(例えば1msec毎)にデジタルカメラ30側のリクエストを問い合わせるコマンド(実施例では、インターラプトインコマンド[Interrupt In コマンド])をデジタルカメラ30側に送信させ、デジタルカメラ30から、このインターラプトインコマンドを受ける毎に、何らの要求もない場合には何も要求がないことを意味する「NAK」を応答として送信させ、何らかの要求がある場合にはその要求に対応した制御コマンドを応答として送信させる。そして、プリンタ40がインターラプトインコマンドの応答としてデジタルカメラ30から制御コマンドを受信したときには、プリンタ40の印刷コントローラ41でその制御コマンドを解析し、制御コマンドに対応する動作を実行するのである。
【0026】
例えば、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32などを用いてプリンタ40に画像を印刷させる場合には、次のように動作する。まず、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32を用いてプリンタ40で記録媒体に記録された画像のうち印刷する画像を選択すると共に選択した画像の印刷条件を選択して指示すると、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31は、選択された画像と選択された印刷条件とに基づいて画像の印刷に対応する制御コマンドを設定すると共に設定した制御コマンドをインターラプトインコマンドの応答としてプリンタ40に送信する。プリンタ40では、この制御コマンドの解析の結果としての動作、即ち、デジタルカメラ30から選択された画像のファイル名などの情報と選択された印刷条件の情報とが記載されたスクリプトを取得し、スクリプトに基づいてストレージクラスとしてUSB接続されているデジタルカメラ30の記録媒体38から選択された画像を読み込み、スクリプトに記述された印刷条件を用いて印刷する。また、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32などを用いてプリンタ40の状態を表示させる場合には次のように動作する。まず、プリンタ40の状態の表示を指示することにより、カメラコントローラ31によって設定されたプリンタ40の状態の表示に対応する制御コマンドをインターラプトインコマンドの応答としてプリンタ40に送信する。プリンタ40では、この制御コマンドの解析の結果としての動作、即ちプリンタ40の状態情報(例えば、「画像の印刷中」や「印刷準備完了」などの状態に関する情報)をデジタルカメラ30に送信する動作を実行する。そして、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31は、プリンタ40から受信した状態情報をカラー液晶表示パネル32に表示する。
【0027】
次に、こうしたデジタルカメラ30とプリンタ40との通信の様子について更に詳細に説明する。図3はデジタルカメラ30とプリンタ40との間にUSBによる通信接続が確率される際の通信手順の一例を示すシーケンス図である。デジタルカメラ30とプリンタ40とが電源が投入されている状態でUSB通信インタフェースケーブル50により接続されたり、デジタルカメラ30とプリンタ40とがUSB通信インタフェースケーブル50により接続された状態で電源が投入されると、図3に例示したシーケンスに示すように、まず、USBの通信接続を確立し、プリンタ40のUSBホストコントローラ45は、デジタルカメラ30のUSBデバイスコントローラ35からUSBデバイスとしての構成を記述したデバイスディスクリプタを取得する(S100)。このデバイスディスクリプタには、デジタルカメラ30がマスストレージクラスのデバイスであることやデジタルカメラ30が使用するUSBのエンドポイントを列挙したストリングディスクリプタなどを含むインタフェースディスクリプタが含まれている。実施例では、エンドポイントを列挙したストリングディスクリプタには、追加のエンドポイントとして「Interruput In」エンドポイントが記述されている。この結果、実施例におけるプリンタ40のUSBホストコントローラ45は、インタフェースディスクリプタおよびストリングディスクリプタから、デジタルカメラ30がマスストレージクラスのデバイスであって、インターラプトインコマンド(USBデバイス側のリクエストを問い合わせるコマンド)を使用するデバイスであることを認識することができる。なお、デジタルカメラ30を通常のコンピュータのUSBポートに接続したときには、同様にデバイスディスクリプタがコンピュータに送られるが、コンピュータに組み込まれたUSBホストコントローラは追加の「Interruput In」エンドポイントを無視するから、デジタルカメラ30はコンピュータに対して通常のマスストレージクラスのデバイスとして動作することになる。
【0028】
こうしてデジタルカメラ30とプリンタ40との間にUSBの通信接続が確立すると、プリンタ40は、極めて短時間の時間間隔(例えば、1msec間隔)でインターラプトインコマンドをインタラプトパイプ53を用いてデジタルカメラ30へ送信する処理を開始すると共に(S102やS108)、通信接続が確立されてから所定の時間内にプロトコルを確認するための「PrinterConfirmation」コマンドを送信する(S106)。このコマンドの送信により、プリンタ40がインターラプトインコマンドを使用するタイプの通信プロトコルを用いることやプロトコルバージョンなどを通知する。
【0029】
デジタルカメラ30では、インターラプトインコマンドを受信する毎にその時点で何らかの制御コマンドが発生していないかを調べ、何らの制御コマンドも発生していないときには要求なしを意味する「NAK」を、何らかの制御コマンドが発生しているときには発生している制御コマンドを、インターラプトインコマンドの応答としてコントロールパイプ51を用いてプリンタ40に送信する。図3の例では、S108のインターラプトインコマンドに対してデジタルカメラ30でプリンタ40の状態を取得するためのリクエストとしての制御コマンドである「PrinterStsReq」がその応答としてデジタルカメラ30からプリンタ40に送信される(S110)。プリンタ40は、この制御コマンドに対してその状態を調べ、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるときには、プリンタの状態の送信の通知を知らせるコマンドである「SEND_PRINTER_STATUS」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信すると共に(S112)、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコードである「PRINTOK」をバルクパイプ52を用いてデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込む(S114)。デジタルカメラ30では、こうして得られたプリンタ40の状態(画像の印刷ジョブを受け付け可能な状態)をカラー液晶表示パネル32に表示するのである。
【0030】
図4はデジタルカメラ30から画像の印刷要求がなされてプリンタ40で印刷ジョブが受け付けられて実行される際の通信手順の一例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、操作者がデジタルカメラ30のカラー液晶表示パネル32を用いて記録媒体38に記録されている画像から印刷する画像を指定すると共に指定した画像の印刷条件(例えば、印刷用紙における画像のレイアウトやサイズなど)を設定し、印刷ジョブの送信を指示する「決定」などを操作することにより行なわれる。
【0031】
「決定」などの操作がなされると、デジタルカメラ30では、まず、プリンタ40の状態を取得するために「PrinterStsReq」コマンドを発生させ、プリンタ40から送信されるインターラプトインコマンド(S200)の応答としてプリンタ40に送信することにより(S202)、プリンタ40にプリンタの状態の送信の通知を知らせる「SEND_PRINTER_STATUS」コマンドを送信させると共に(S204)、印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコードである「PRINTOK」をデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込ませる(S206)。ここで、プリンタ40が印刷ジョブを受け付けることができないときには、「PRINTOK」以外のコードがデジタルカメラ30のメモリ34内の所定領域に書き込まれるから、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31はメモリ34の所定領域に書き込まれたコードによりプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態にあるか否かを判定することができる。
【0032】
プリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態にあるのを確認すると、カメラコントローラ31の処理により印刷ジョブが発生したことを通知するためのリクエストである制御コマンドの「PrintReq」を発生させる。この制御コマンドは、プリンタ40から送信されるインターラプトインコマンド(S208)の応答としてコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30からプリンタ40に送信される(S210)。プリンタ40は、受信した「PrintReq」コマンドに対応して印刷ジョブを取得するためのコマンドである「GET_PRINTREQ」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信すると共に(S212)、デジタルカメラ30の記録媒体38に格納されている操作者により指定された画像データや設定された印刷条件などのデータをバルクパイプ52を介して読み出す(S214)。こうして印刷ジョブを受け付けた後にプリンタ40から送信されるインターラプトインコマンドに対して(S216)、デジタルカメラ30から装置の状態を取得するためのリクエストの制御コマンドである「PrinterStsReq」がその応答として送信されると(S218)、画像出力装置40は、装置の状態の送信の通知を知らせるコマンドである「SEND_PRINTER_STATUS」と共に印刷ジョブが正常に受け付けられたことを示すコードである「CMDACPT」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信する(S220)。なお、図中のコード「CMDACPT」の直後の「id01」は、印刷ジョブをデジタルカメラ30側で識別するためのid番号である。以下、他のコードの直後の「id01」についても同様である。
【0033】
デジタルカメラ30では、印刷ジョブが受け付けられると、印刷ジョブが完了するまでインターラプトインコマンドに対応する制御コマンドとして「PrinterStsReq」をプリンタ40に送信し続ける(S226,S242)。プリンタ40は、この「PrinterStsReq」コマンドに対して「SEND_PTINTER_STATUS」コマンドをデジタルカメラ30に送信すると共に(S228)、印刷ジョブの実行中の状態を示すコードである「PRINT」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信する(S230)。プリンタ40では、印刷ジョブが完了すると、その直後のインターラプトインコマンドに対応してデジタルカメラ30から送信される「PrinterStsReq」コマンドに対して(S242)、「SEND_PRINTER_STATUS」コマンドをデジタルカメラ30に送信すると共に(S244)、印刷ジョブの実行完了を示すコードである「COMP」をコントロールパイプ51を用いてデジタルカメラ30に送信して(S246)、デジタルカメラ30に印刷ジョブの完了を通知する。デジタルカメラ30では、この印刷ジョブの完了をカラー液晶表示パネル32などに表示して操作者に画像出力の完了を知らせる。デジタルカメラ30とプリンタ40との通信の際に用いられるコマンドやコードの一例を図5に示す。
【0034】
以上説明した実施例の画像出力システム20によれば、デジタルカメラ30では所望のタイミングで「PrinterStsReq」コマンドを発生させるだけで直ちにプリンタ40の状態を取得することができる。また、実施例の画像出力システム20によれば、プリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるのを確認してから「PrintReq」コマンドを発生させてプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせるから、より確実にプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせて実行させることができる。この結果、印刷ジョブを受け付けることができないことに伴う操作者によるデジタルカメラ30への再度の操作を防止することができる。しかも、プリンタ40をUSBホストとすると共にデジタルカメラ30をUSBデバイスとするから、デジタルカメラ30に搭載するハード構成を簡易なものとすることができる。また、デジタルカメラ30をUSB規格のマスストレージクラスを用い、プリンタ40とのUSB接続の際にだけインターラプトインコマンドを用いて処理を行なうものとしたから、デジタルカメラ30を通常のマスストレージクラスのUSBデバイスとしてコンピュータに接続することができる。
【0035】
ここで、実施例の画像出力システム20では、デジタルカメラ30が画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置に相当し、プリンタ40が画像を出力可能な画像出力装置に相当し、USBが接続された装置の一方が他方を従属的に制御する所定の通信規格に相当する。また、デジタルカメラ30のカメラコントローラ31とUSBデバイスコントローラ35とが所定の状態送信要請を発生させると共に要請に伴って画像出力装置から送信される画像出力装置の状態を取得する状態取得手段に相当し、カメラコントローラ31が操作者の操作に基づいて画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段に相当し、カメラコントローラ31とUSBデバイスコントローラ35とが取得した画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに設定された出力ジョブを所定の通信規格による通信を介して画像出力装置に送信するジョブ送信手段に相当する。さらに、プリンタ40の印刷コントローラ41とUSBホストコントローラ45とが所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む画像出力装置の状態を所定の通信規格による通信を介して画像入力装置に送信する状態送信手段に相当し、印刷コントローラ41と印刷出力部42とが所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行するジョブ実行手段に相当する。
【0036】
実施例の画像出力システム20では、デジタルカメラ30で「PrinterStsReq」コマンドを発生させてプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるのを確認してから「PrintReq」コマンドを発生させてプリンタ40に印刷ジョブを受け付けさせるものとしたが、それ以前にプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるコード「PRINTOK」がメモリ34の所定領域に書き込まれているときには、デジタルカメラ30で「PrintReq」コマンドを発生させる直前に「PrinterStsReq」コマンドを発生させてプリンタ40が印刷ジョブを受け付け可能な状態であるか否かの確認を行なわないものとしてもよい。
【0037】
実施例の画像出力システム20では、プリンタ40はデジタルカメラ30の記録媒体38に格納されている指定された画像データや設定された印刷条件などのデータを読み出すことにより印刷ジョブを受け付けるものとしたが、デジタルカメラ30により指定した画像のファイル名とその記録箇所,印刷条件などを記述したスクリプトをメモリ34あるいは記録媒体38に書き込ませ、そのスクリプトを読み出すことにより印刷ジョブを受け付けるものとしてもよい。また、デジタルカメラ30がプリンタ40に送信する制御コマンドに画像のファイル名などを含ませるものとしてもよい。
【0038】
実施例の画像出力システム20では、画像出力装置の一例としてのプリンタ40とデジタルカメラ30とを接続するものとしたが、画像の出力が可能な装置であればプリンタに限定されることなく、例えば、画像を表示出力するプロジェクタなどの表示装置や画像ファイルを記憶媒体に書き込み出力するMOディスクドライブなどの外部記憶装置など、種々の画像出力装置とデジタルカメラ30とを接続するものとしてもよい。
【0039】
実施例の画像出力システム20では、接続された装置の一方が他方を従属的に制御する所定の通信規格としてUSBを用いたが、プリンタ40がデジタルカメラ30を従属的に制御す通信規格であれば如何なる通信規格でも用いることができる。
【0040】
実施例の画像出力システム20では、画像入力装置としてデジタルカメラ30を一例として挙げて説明したが、画像を入力して複数記憶可能な装置であれば、如何なる装置であっても構わない。
【0041】
実施例では、本発明を画像出力システム20として説明したが、システムの形態に限られるものではなく、画像出力システム20に用いるデジタルカメラ30などの画像入力装置の形態としたり、画像出力システム20に用いるプリンタ40などの画像出力装置の形態としてもよい。また、画像出力システム20を構成するデジタルカメラ30やプリンタ40などの画像出力装置を制御する制御方法の形態としてよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の画像出力システム20の構成の概略を示す構成図。
【図2】コマンド伝送等に使用する論理的なパイプを例示する説明図。
【図3】通信接続が確率される際の通信手順を示すシーケンス図。
【図4】印刷ジョブを受け付ける際の通信手順を示すシーケンス図。
【図5】通信に用いられるコマンド等の一例を示す説明図。
【符号の説明】
20 画像出力システム、30 デジタルカメラ、31 カメラコントローラ、32 カラー液晶表示パネル、33 撮影装置、34 メモリ、35 USBデバイスコントローラ、38 記録媒体、40 プリンタ、41 印刷コントローラ、42 印刷出力部、43 メモリ、45 USBホストコントローラ、50 USB通信インタフェースケーブル、51 コントロールパイプ、52 バルクパイプ、53 インタラプトパイプ。
Claims (10)
- 画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムであって、
(a)前記画像入力装置は、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、を備え、
(b)前記画像出力装置は、
前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、を備える
画像出力システム。 - 請求項1記載の画像出力システムであって、
前記画像出力装置は、少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備え、
前記画像入力装置は、前記要請応答用コマンドを入力したときに発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備える
画像出力システム。 - 請求項1または2記載の画像出力システムであって、
前記画像入力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段を備え、
前記画像出力装置は、前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段を備える
画像出力システム。 - 前記画像入力装置は、撮影により画像を入力する装置である請求項1ないし3いずれか記載の画像出力システム。
- 前記所定の通信規格は、USBにおける通信規格である請求項1ないし4いずれか記載の画像出力システム。
- 画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像入力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御される側の従属側通信手段と、
所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得する状態取得手段と、
操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブを設定するジョブ設定手段と、
前記取得した前記画像出力装置の状態に基づいて前記設定された出力ジョブを前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信するジョブ送信手段と、
を備える画像入力装置。 - 前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置から要請応答用コマンドを受信したときに該画像入力装置内で発生している要請を該コマンドの応答として前記所定の通信規格による通信を介して前記画像出力装置に送信する要請送信手段を備える請求項6記載の画像入力装置。
- 画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、一方の装置が他方の装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信が可能に接続してなる画像出力システムにおける該画像出力装置であって、
前記所定の通信規格における従属的に制御する側の非従属側通信手段と、
前記画像入力装置から送信された所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態を前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信する状態送信手段と、
操作者の操作に基づいて該画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブとして前記画像入力装置により設定され該画像入力装置により前記所定の通信規格による通信を介して送信された出力ジョブを実行するジョブ実行手段と、
を備える画像出力装置。 - 少なくとも1秒間以内の所定時間の間隔をもって前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に発生している要請を応答として送信させるための要請応答用コマンドを該画像入力装置に繰り返し送信する要請応答用コマンド送信手段を備える請求項8記載の画像出力装置。
- 画像を入力して複数記憶可能な画像入力装置と画像を出力可能な画像出力装置とを、該画像出力装置が該画像入力装置を従属的に制御する所定の通信規格による通信を用いて画像出力装置の動作を制御する制御方法であって、
前記画像入力装置を、所定の状態送信要請を発生させると共に該要請に伴って前記画像出力装置から送信される該画像出力装置の状態を取得するよう制御すると共に操作者の操作に基づいて前記画像出力装置から出力する画像に関する画像情報を含む出力ジョブが設定され前記取得した前記画像出力装置の状態が出力ジョブを受け付け可能な状態であるときに該設定された出力ジョブが前記所定の通信規格による通信を介して該画像出力装置に送信されるよう制御し、
前記画像出力装置を、前記所定の状態送信要請に伴って出力ジョブを受け付け可能か否かの状態を含む該画像出力装置の状態が前記所定の通信規格による通信を介して前記画像入力装置に送信されるよう制御すると共に前記所定の通信規格による通信を介して受信した出力ジョブが実行されるよう制御する
制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264154A JP2004098501A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 画像出力システムおよびこれに用いる装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002264154A JP2004098501A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 画像出力システムおよびこれに用いる装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004098501A true JP2004098501A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32263671
Family Applications (1)
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JP2002264154A Pending JP2004098501A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 画像出力システムおよびこれに用いる装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004098501A (ja) |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264154A patent/JP2004098501A/ja active Pending
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