JP2004098150A - 切断加工方法と切断加工システム - Google Patents

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Abstract

【解決手段】閉ループの輪郭R1,R2,R3を有する製品3(文字『カ』)を加工ヘッド12により被加工物2から切り出すに当って、上記輪郭の複数箇所に傾斜切断領域100を設ける(太字の線の箇所)。この傾斜切断領域100は、加工ヘッドを傾斜させて被加工物2を切断加工する。
製品3の各輪郭全域をそれぞれ連続して切断加工すると、傾斜切断領域100である製品3側の切断面は斜め下方を向いた傾斜面となり、残材側の切断面は斜め上方を向いた傾斜面となる。そのため、製品3側の傾斜面が残材側の傾斜面に載置されることで、製品3が残材から落下することがない。
【効果】従来のようなミクロジョイントを設ける必要がないので、切断加工後の分離作業等を省略できる。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は切断加工方法と切断加工システムに関し、より詳しくは、板状の被加工物から閉ループの輪郭を備える製品を切り出す切断加工方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ加工機によって板状の被加工物を所要の形状に切断加工することは周知である。そして、レーザ加工機の加工ヘッドによって被加工物に対して鉛直方向からレーザ光線を照射して閉ループの輪郭を有する製品を切り出す場合には、上記製品の輪郭となる切断線の複数箇所を切断せずに僅かに残すようにしている。これらの切断しないで僅かに残す箇所は従来からミクロジョイントと称されている。
このように、従来では、切断加工時に複数のミクロジョイントを残すことにより、製品の外方側となる残材から製品が分離して落下するのを防止している。これによって、製品が落下することによる損傷を防止するとともに、レーザ切断の際に発生する火花によって既に切断加工済みの製品が損傷しないようにしている。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特公平7−117847号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、従来では被加工物から閉ループの輪郭を有する製品を切り出す際にミクロジョイントを設けていたので、次のような欠点があった。すなわち、被加工物に対して製品となる輪郭(切断線)を切断加工した後に、上記複数のミクロジョイントを切り離して製品を被加工物から分離させる作業が必要になる。また、分離させた後には、製品の輪郭に残ったミクロジョイントであった部分のバリを取り除く仕上げ作業が必要であった。
このように、従来ではミクロジョイントを設けることに伴って、切断加工後における製品の分離作業と仕上げ作業が必要になるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み、請求項1に記載した第1の発明は、加工ヘッドを板状の被加工物に対して相対移動させて、上記被加工物から閉ループの輪郭を有する製品を切り出す切断加工方法であって、
上記製品の閉ループとなる輪郭に上記加工ヘッドの先端のノズル部を傾斜させて上記被加工物に切断加工を施す傾斜切断領域を設けて、上記製品の閉ループとなる輪郭に沿って加工ヘッドによって被加工物に連続的に切断加工を施す際に、上記傾斜切断領域において製品側の切断面を斜め下方を向いた傾斜面に形成するとともに、残材側の切断面を斜め上方を向いた傾斜面に形成して、上記製品がその周囲の残材から落下するのを防止した者である。
また、請求項5に記載した第2の発明は、傾斜角度を変更可能に構成されるとともに板状の被加工物に対して相対移動させて該被加工物を所要の形状に切断する加工ヘッドと、上記被加工物から切り出すべき製品の図面データをもとにして上記加工ヘッドを作動させるための加工データを作成する加工データ作成手段と、この加工データ作成手段で作成した加工データに基づいて上記加工ヘッドの作動を制御する制御装置とを備えて、上記被加工物から閉ループの輪郭を有する製品を切り出す切断加工システムであって、
上記加工データ作成手段により加工データを作成する際に、加工ヘッドによる被加工物の切断面が傾斜する傾斜切断領域を設定可能に構成し、上記加工ヘッドによる上記傾斜切断領域の切断加工の際には上記加工ヘッドのノズル部を傾斜させるように構成したものである。
上記第1の発明によれば、製品の輪郭となる部分の全域は、上述したミクロジョイントを設けることなく連続的に切断するようにしている。そして、切断加工後においては、製品側の斜め下方を向いた傾斜面が、残材側の斜め上方を向いた傾斜面に載置されるので、製品はその外方位置の残材から下方へ落下することはない。
また、上記第2の発明によれば、上記加工ヘッドにより上記傾斜切断領域の切断加工することにより、製品の輪郭となる部分の全域は、上述したミクロジョイントを設けることなく連続的に切断するようにしている。そして、切断加工後には、傾斜切断領域であった製品側の切断面を斜め下方を向いた傾斜面にすることができるとともに、残材側の切断面を斜め上方を向いた傾斜面とすることができる。そのため、製品側の傾斜面が残材側の傾斜面に載置されるので、製品はその外方位置の残材から下方へ落下することはない。
したがって、上記本発明においては、製品に対する切断加工が終了すると、該製品を残材から単に持ち上げて取り外すだけでよい。そのため、本発明においては、従来行なっていたミクロジョイントの分離作業およびその後の仕上げ作業を省略することができる。したがって、従来と比較して、切断加工後の作業が簡単な切断加工方法と切断加工システムを提供できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において1は切断加工システムであり、この切断加工システム1は板状の被加工物2に切断加工を施して所要の形状の製品3を切り出すことができる。図3に示すように、切断加工システム1によって被加工物2から切り出す製品3は、例えば『加』のように閉ループの輪郭を有する切り文字である。
切断加工システム1は、従来公知の構成を備えた3次元5軸レーザ加工機4と、製品3の図面データを作成する従来公知のCAD装置5と、CAD装置5で作成した製品の図面データをもとにして、被加工物2から製品3を切り出すために必要な3次元5軸レーザ加工機4の加工データを作成するCAM装置6とを備えている。
CAD装置5は従来公知のものと同じであり、このCAD装置5によって製品3の図面データを作成するようにしている。そして、このCAD装置5で作成した製品3の図面データは、CAM装置6に送信されるようになっている。CAD装置5で作成された製品3の図面データがCAM装置6に送信されると、それを基にして該製品3を切り出すために必要なレーザ加工機4の作動を制御する加工データが作成される。つまり、製品3の輪郭を構成する複数の線に応じた加工データがCAM装置6で作成される。
【0006】
3次元5軸レーザ加工機4は、被加工物2を載置して水平面のX方向に移動可能に設けた加工テーブル7と、水平面における上記X方向と直交するY方向に移動可能に設けた可動ケーシング8と、レーザ光線を発振するレーザ発振器11と、上記可動ケーシング8における下部にZ方向(鉛直方向)に昇降自在に取付けられて被加工物2にレーザ光線を照射して切断加工を施す加工ヘッド12とを備えている。
被加工物2は金属製で板状に形成されており、この被加工物2が加工テーブル7上に載置されると、クランプ9により被加工物2の一側が把持されて加工テーブル7の所定位置に位置決めされるようになっている。このように加工テーブル7上に載置された被加工物2は水平に支持されるようになっている。
【0007】
図2に示すように、加工ヘッド12は、その先端部には円錐形のノズル12Aを取り付けており、水平軸を回転中心とするA軸を正逆に回転して傾斜角度を変更できるとともに、上記Z軸と平行な鉛直軸を回転中心とするC軸を回転できるようになっている。これにより、加工ヘッド12は、所要の傾斜角度に傾斜できるようになっている。なお、このような構成を有する加工ヘッド12は、例えば特公平3−55234号によって公知なので詳細な説明は省略する。
さらに、図1に示すように、3次元5軸レーザ加工機4は、上記加工ヘッド12他の作動部材の作動を制御する制御装置13を備えている。上記CAM装置6で作成した加工データは、この制御装置13に送信されるようになっている。そして、この制御装置13によって、上記加工テーブル7の駆動源、レーザ発振器11、可動ケーシング8の駆動源、加工ヘッド12を昇降および揺動させる駆動源の作動を制御するようにしている。
このように、制御装置13によって上記レーザ発振器11および上記各駆動源の作動を制御することにより、加工テーブル7上の被加工物2と加工ヘッド12のノズル12Aとを相対移動させて、板状の被加工物2に所要の切断加工を施すことができるようになっている。
上述した切断加工システム1の構成および作動は従来公知のものと変わる所はない。
【0008】
しかして、本実施例は、上述した構成を前提として、被加工物2にミクロジョイント(微小な切り残し部)を設けることなく閉ループの輪郭を有する製品3を切り出すことができるようにしたものである。
すなわち、図3に例示したように、閉ループの輪郭を備えた製品3となる『加』を切り出す場合において、閉ループの輪郭の一部について加工ヘッド12により被加工物2を切断面が斜めになるように切断する複数の傾斜切断領域100を設けたものである(太字で表示した箇所)。このように傾斜切断領域100を設けることによって、閉ループとなる製品3の輪郭の全域を連続的に切断加工することができ、切断加工後において製品3がその周囲の残材(非製品部分)から下方へ落下しないようにしている。
【0009】
本実施例では、CAD装置5からCAM装置6に製品3の図面データが送信されると、このCAM装置6において図面データを読み込み、切断図形として画面に表示させ、その図形を構成する線のうち傾斜切断領域100となる線をオペレータがCAM装置6の画面上で指定するようにしている。これとともに、切断開始位置、切断経路、配置等を指定することによってCAM装置において、加工データが作成されることになる。
ここで、図3に示した製品3としての切り文字『加』を被加工物2から切り出す場合を例にとって説明する。この場合には、左方側の『力』と右方側の『口』とによって切り文字である製品3が構成されるので、それら『力』と『口』とを閉ループの輪郭に沿って被加工物2に加工ヘッド12で切断加工を施すことになる。
右方側の『口』における外方側の輪郭R1は8本の直線A〜Hによって閉ループとして構成されており、また、『口』における内方側の輪郭R2は、4本の直線A’〜D’によって閉ループとして構成されている。
また、左方側の『カ』については、この文字の外方側の輪郭R3が閉ループとなっており、この閉ループの輪郭R3は14本の直線(J、K、M、O、P、R、S、U、W、X、Y、Z、A1,B1)と4本の曲線(L、N、Q、V)とによって構成されている。
上記3つの閉ループの輪郭R1〜R3に沿って被加工物2を連続的に切断加工することで、『加』という切り文字の製品3を切り出すことができるようになっている。
【0010】
本実施例では、右方側の『口』における外側の輪郭R1に沿って被加工物2に切断加工を施す場合には、直線Aの一端の近くにピアッシング孔P1を穿設し、そこから切断箇所を移動させてA、B、C、Dという反時計回りで、直線A〜Hを連続的に切断加工するようにしている。また、内方側の輪郭R2に切断加工を施す場合には、その内方側の位置に先ずピアシング孔P2を穿設し、その後から切断箇所を直線A’まで移動させ、その後は反時計回りでA’、B’、C’、D’さらにA’の残りの順序で切断を行なうようになっている。ここで、内方側の輪郭R2は、その内方側の部分を切り捨てることになるので、この輪郭2の一部には傾斜切断領域を設けていない。
【0011】
また、左方側の『カ』の輪郭R3に切断加工を施す場合には、直線Jの近辺にピアシング孔P3を穿設した後、直線Jの端部まで連続的に切断位置を移動させて、以下、直線J、K、次に曲線L、さらに直線Mという反時計回りで輪郭R3を構成する直線と曲線を連続的に切断するようにしている。
そこで、本実施例では、CAM装置6の画面上において、先ず、右方側の『口』における外側の輪郭R1に関して、直線Hの箇所およびそれから最も離隔してそれと平行な2つの直線B、Fの箇所を傾斜切断領域100としてオペレータが指定する(太線の部分)。また、傾斜切断領域100として指定した直線H、B、Fの隣接箇所の直線A、C、E、Gは、接続領域102となり、上記傾斜切断領域100、接続領域102以外の輪郭R1を構成する線の箇所は、通常切断領域となる。通常切断領域では加工ヘッド12のノズル12Aを鉛直方向に支持して、被加工物2に切断加工を施すものであり、傾斜切断領域100では加工ヘッド12のノズル12Aを鉛直方向に対して所定角度傾斜させて被加工物2に切断加工を施すものである。さらに、接続領域では、加工ヘッド12のノズル12Aを鉛直方向の支持状態から徐々に傾斜させ、あるいは所定角度の傾斜状態から鉛直方向に復帰させ、あるいは、復帰後において逆に傾斜させて切断加工を施すものである。
なお、上述したように内方側の輪郭R2の内側は、切り落として分離させる不要部分となるので、この輪郭R2を構成する各線には、傾斜切断領域を設けず、全て加工ヘッド12のノズル12Aを鉛直方向に支持して切断加工を行う通常切断領域とする。
【0012】
上記傾斜切断領域100および接続領域102は、被加工物2に対して各輪郭R1〜R3に沿って加工ヘッド12が切断加工を施す際に、加工ヘッド12のノズル12Aを傾斜させる領域となるものである。また、通常切断領域においては、被加工物2に対して各輪郭R1〜R3に沿って加工ヘッド12で切断加工を施す際に加工ヘッド12のノズル12Aを鉛直方向に支持させるものである。このように鉛直方向に支持される加工ヘッド12のノズル12Aの軸心を基準として、上記傾斜切断領域100では、切断加工の進行方向に向かって右方側(残材となる側)に所定角度θだけ傾斜させるようにしている(図4参照)。また、傾斜切断領域100の手前側となる接続領域102(例えば直線A、直線E)においては、鉛直方向から上記所定角度まで徐々に加工ヘッド12を先端が切断加工の進行方向後側に傾斜させるようにしてあり、他方、傾斜切断領域100を過ぎた隣接箇所の接続領域102(例えば直線C)においては、所定角度の傾斜状態から徐々に傾斜角度を減少させて鉛直方向に復帰させるようになっている。傾斜切断領域100に挟まれた接続領域102(例えば、直線G)においては、所定角度の傾斜状態から徐々に傾斜角度を減少させて、略中央部での鉛直状態を経て、反対側に所定角度まで傾斜させるようになっている。
【0013】
このように、傾斜切断領域100を設定することで、各輪郭R1からR3に対して切断加工が終了した時点において、上記傾斜切断領域100は、製品3となる側の切断面は斜め下方を向いた傾斜面3Aとなり、残材側の切断面は斜め上方を向いた傾斜面2Aとなる(図5)。そして、製品3の傾斜面3Aが残材の傾斜面2Aに載置されることで、製品3がその周囲の残材から下方へ落下するのを防止するようにしている。
本実施例では、被加工物2の板厚の違いに応じて、上記傾斜面2A,3Aの角度、すなわち傾斜切断領域100での加工ヘッド12の傾斜角度θを異ならせるようにしている。
本実施例では、オペレータがCAM装置6で傾斜切断領域100を設定すると、CAM装置6は予め記憶した計算式によって傾斜角度θを演算して求めるようになっている。つまり、被加工物2の肉厚が薄い場合であっても、各輪郭R1〜R3を切断加工が終わった時点において、製品3の傾斜面3Aが残材の傾斜面2Aに確実に載置されるような傾斜角度θをCAM装置6で演算して求めるようにしている。なお、本実施例においては、ほとんどの厚さの被加工物2は、切断不良を防止するために傾斜角度θを20度以内に設定するようにしてあり、傾斜角度θを求める計算式は次のようになっている。
図5において、加工ヘッド12によるレーザ切断の切断幅をW(固定値)とし、被加工物2の板厚をtとして、次の計算式を用いる。
傾斜角度θ=Sin−1(W÷t×2)
なお、この計算式は加工テーブルが高速で移動して製品が残材に対して多少ずれても落下しないよう余裕をもたせた式であり、ずれ具合により適宜決めるようにすればよい。
また、本実施例では、鉛直方向に支持した加工ヘッド12のノズル12Aを傾斜させる場合には、次のように行なうようにしている。すなわち、図2に示すように、先ずC軸により上記加工ヘッド12を所要量だけ回転させて、A軸の中心軸を傾斜切断領域100に略平行にしておく。その状態で製品の輪郭に沿うようにXY軸を駆動し、接続領域にさしかかると、A軸のみを回転させて加工ヘッド12のノズル12Aを傾斜させて、予め予定した傾斜角度と略平行に位置させることで、上記傾斜切断領域100において加工ヘッド12のノズル12Aを所定傾斜角度に支持するようにしている。
同様に、左方側の『カ』について直線Zと、それと平行でそれから最も離隔した直線Tと、直線Tに続く直線Uと、直線Zから最も離隔した直線Mについて、CAM装置6により傾斜切断領域100としてオペレータが指定する(太線の部分)。また、傾斜切断領域100として指定した直線Z、M、T、Uの隣接箇所である曲線L,N、直線S、曲線V、直線Y、A1は、接続領域102となり、上記傾斜切断領域100、接続領域102以外の輪郭R3を構成する線の箇所は、通常切断領域となる。
以上のようにして、各輪郭R1からR3についてCAM装置6で傾斜切断領域100、接続領域102、通常切断領域が設定される。そして、これらの各領域に付いて、被加工物2を加工ヘッド12で切断加工を施すに際してのレーザ加工機4の駆動源などを作動させるための加工データがCAM装置6で作成され、それを制御装置13へ送信する。
【0014】
−−−−−−−(作動説明)
以上の構成において、被加工物2から切り出すべき製品3の図面データがCAD装置5で作成されたら、該製品3の図面データはCAM装置6に送信される。
そして、CAM装置6によって製品3を切断加工するためのレーザ加工機4用の加工データが作成される。また、その際、オペレータは、被加工物2の板厚tをCAM装置6に入力するとともに上述した傾斜切断領域100を指定する。これにより、CAM装置6は、上述した計算式によって傾斜切断領域100における加工ヘッド12の傾斜角度θを演算して求める。
CAM装置6で作成した加工データおよび傾斜角度θに関するデータが制御装置13に送信されると、制御装置13は上記加工データおよび傾斜角度θのデータに基づいて、レーザ発振器11、加工ヘッド12の駆動源等の作動を制御して、被加工物2に対して図3に示した輪郭R1からR3に沿って連続的に切断加工を行なう。
そして、切断加工後においては、上記傾斜切断領域100における製品3の斜め下方を向いた傾斜面3Aが、残材側の斜め上方を向いた傾斜面2Aに確実に載置されることになる。つまり、製品3の縁部となる傾斜面3Aが、残材の傾斜面2Aに支持されるので、製品3がその周囲の残材から下方に落下することがない。
【0015】
そのため、被加工物2からの製品3の切り出しが(切断加工)が終了した後に製品3を移送するには、該製品3を単に持ち上げて残材から取り外すだけでよい。つまり、作業者あるいはロボットにより、残材から製品3を単に持ち上げて移動させるだけでよく、従来のようなミクロジョイントを設けないので、ミクロジョイントの分離作業、分離後のバリを除去する仕上作業が必要ない。したがって、本発明においては、従来と比較して、切断加工終了後の作業が極めて簡単な切断加工方法と切断加工システムを提供できる。
【0016】
−−−−−−−−−(第2実施例)
次に、図6および図7は、上記CAM装置6によって図3に示したものとは異なる形状の製品3を被加工物から切り出す場合の傾斜切断領域100の設定の仕方を示したものである。これら図6および図7に示す製品3も全て閉ループの輪郭を備えている。
すなわち、図6は、被加工物から切り文字『0』を切り出す場合を示したものである。この図6の製品においては、内方側と外方側に閉ループの輪郭R1、R2を備えており、内方側の輪郭R2は、その内部は不要部分となる。そのため、輪郭R2については、CAM装置6による傾斜切断領域は指定せず、輪郭R2については加工ヘッド12を鉛直方向に支持する通常切断領域としている。
この例では、外方側の輪郭R1の右方側にピアッシング孔Pを穿設して、そこから輪郭R1を時計回りで切断加工を施すようにしている。そして、外方側の輪郭R1については、上下位置の相互に最も離隔した円弧の部分を傾斜切断領域100として設定するようにしている。円弧の切断の場合、加工ヘッド12のA軸の回転中心軸を円弧の中点における接線と平行になるようにC軸を回転させて、その状態から傾斜切断領域100の開始点から徐々に所定角度に傾斜角度を増していき、中点で所定角度となり、中点を過ぎると傾斜角度が徐々に減少し、傾斜切断領域の終点で鉛直状態となるようになっている。そして、輪郭R1におけるその他の箇所は通常切断領域と設定するようにしている。
このような形状の製品3を上記切断加工システム1で切断加工すると、2箇所の傾斜切断領域100を設けた箇所の切断面が傾斜するので、製品3がその周囲の残材によって支持されて、落下するのが防止されることになる。
【0017】
−−−−−−−−−(第3実施例)
つぎに、図7は切り文字『ム』を切り出す場合を示している。この例では、文字の形状が概略△となっており、その△の3箇所の頂部の位置となる直線(太字で表示部分)を傾斜切断領域100として設定するようにしている。また、ピアッシング孔Pは、上記△の底辺となる線の隣接位置に穿設してあり、そこから輪郭R1を構成する各線を時計回りで切断するようにしている。
このような形状の製品3を切断加工システム1で切断加工すると、3箇所の傾斜切断領域100の切断面が傾斜面となるので、製品3がその周囲の残材によって支持されて、落下するのが防止されることになる。
なお、第1、第2実施例のような場合には、加工ヘッドをA軸の回転中心軸を傾斜切断領域にほぼ平行にした切断開始状態のまま、切断終了までC軸を回転することなく切断加工できるが、第3実施例の場合には、1つの傾斜切断領域の切断後に次の傾斜切断領域までの間でC軸を回転して、次の傾斜切断領域の線とほぼ平行になるように加工ヘッドの動作が必要となる。
【0018】
また、傾斜切断領域は閉ループの輪郭全てに指定するようにしても良い。
なお、上記実施例は本発明を3次元5軸レーザ加工機4を有する切断加工システム1に適用した場合について説明したが、被加工物に切断加工を施すウォータジェット加工機やガス溶断機等にも本発明を適用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来と比較して切断加工後の作業が簡単な切断加工方法と切断加工システムを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した加工ヘッドの斜視図。
【図3】図1に示した製品3の図形を基にCAM装置6で傾斜切断領域100等の設定状態を示す図。
【図4】傾斜切断領域での加工ヘッド12の傾斜状態を示す図。
【図5】傾斜切断領域100での切断面を示す図。
【図6】図3とは異なる形状の製品について図1に示したCAM装置6で傾斜切断領域100を設定する場合を示す図。
【図7】図3とは異なる形状の製品について図1に示したCAM装置6で傾斜切断領域100を設定する場合を示す図。
【符号の説明】
1…切断加工システム    2…被加工物
2A…傾斜面        3A…傾斜面
3…製品          3…3次元5軸レーザ加工機
6…CAM装置(加工データ作成手段)
12…加工ヘッド      13…制御装置
100…傾斜切断領域

Claims (9)

  1. 加工ヘッドを板状の被加工物に対して相対移動させて、上記被加工物から閉ループの輪郭を有する製品を切り出す切断加工方法であって、
    上記製品の閉ループとなる輪郭に上記加工ヘッドの先端のノズル部を傾斜させて上記被加工物に切断加工を施す傾斜切断領域を設けて、上記製品の閉ループとなる輪郭に沿って加工ヘッドによって被加工物に連続的に切断加工を施す際に、上記傾斜切断領域において製品側の切断面を斜め下方を向いた傾斜面に形成するとともに、残材側の切断面を斜め上方を向いた傾斜面に形成して、上記製品がその周囲の残材から落下するのを防止したことを特徴とする切断加工方法。
  2. 上記加工ヘッドの先端のノズル部を傾斜させる傾斜角度は、被加工物の板厚の違いに応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の切断加工方法。
  3. 上記製品の輪郭は連続する複数の線によって構成されており、上記傾斜切断領域は上記複数の線における1つの線を単位として設定したことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の切断加工方法。
  4. 上記傾斜切断領域は上記輪郭を構成する線のうち少なくとも2本の線に設けてあることを特徴とする請求項3に記載の切断加工方法。
  5. 傾斜角度を変更可能に構成されるとともに板状の被加工物に対して相対移動させて該被加工物を所要の形状に切断する加工ヘッドと、上記被加工物から切り出すべき製品の図面データをもとにして上記加工ヘッドを作動させるための加工データを作成する加工データ作成手段と、この加工データ作成手段で作成した加工データに基づいて上記加工ヘッドの作動を制御する制御装置とを備えて、上記被加工物から閉ループの輪郭を有する製品を切り出す切断加工システムであって、
    上記加工データ作成手段により加工データを作成する際に、加工ヘッドによる被加工物の切断面が傾斜する傾斜切断領域を設定可能に構成し、上記加工ヘッドによる上記傾斜切断領域の切断加工の際には上記加工ヘッドのノズル部を傾斜させるように構成したことを特徴とする切断加工システム。
  6. 上記加工データ作成手段は、上記被加工物の板厚の違いに応じて上記加工ヘッドのノズル部の傾斜角度を求めることを特徴とする請求項5に記載の切断加工システム。
  7. 上記製品の輪郭は連続する複数の線によって構成されており、上記加工データ作成手段は、上記製品の輪郭を構成する1つの線単位で上記傾斜切断領域を設定することを特徴とする請求項5および請求項6に記載の切断加工システム。
  8. 上記加工ヘッドは被加工物にレーザ光線を照射して切断加工を施す5軸3次元レーザ加工機の加工ヘッドであって、この加工ヘッドは、鉛直軸を回転中心軸とするC軸と、水平軸を回転中心軸とするA軸を有することを特徴とする請求項5〜7に記載の切断加工システム。
  9. 上記傾斜切断領域となる線が円弧の場合には上記C軸を回転させて上記A軸の回転中心軸を上記円弧の中点における接線とほぼ平行とした状態からA軸を回転することにより円弧の中点で加工ヘッドのノズル部が所定角度に傾斜するように上記傾斜切断領域を切断加工することを特徴とする請求項8に記載の切断加工システム。
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