JP2004096880A - 永久磁石電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石電動機の最大回転数を低コストでアップさせ、全体として定格の効率向上を図る。
【解決手段】ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位と基準電位とを比較してロータ位置検出信号を得る第1位置検出回路10と、ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧によりロータ位置検出信号を得る第2位置検出回路11とを備え、起動時もしくはPWM制御のデューティが所定値より小さいときには、第1位置検出回路10からのロータ位置検出信号により通電を切り替えて永久磁石電動機3を電圧制御し、デューティが所定値以上である場合には、第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号により永久磁石電動機を位相制御する。この位相制御において、進み角制御を可能とし最大回転数アップを図る。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機や冷蔵庫のコンプレッサなどに用いられる永久磁石電動機をインバータ制御する制御装置に関し、さらに詳しく言えば、位置センサを用いずにロータ位置を検出する永久磁石電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石電動機の制御においては、直流電圧を電力変換手段(例えばインバータ手段)で任意の交流電圧に変換してモータに印加する。そのための制御装置は、図14に例示するように、直流電源1による直流電圧Vdcを電力変換回路2に供給し、その直流電圧を電力変換回路2によって三相の交流電圧に変換して永久磁石電動機3に印加する。
【0003】
その場合、ロータの位置を検出してステータの巻線電流を切り替え、例えば120度通電方式によって通電を切り替えるが、多くの場合、ロータの位置を検出する位置検出回路4には、誘起電圧によるセンサレス方式が採用されている。
【0004】
図15に示すように、位置検出回路4は、仮想中性点電位を得るためにスター結線のモータ巻線と並列に接続した抵抗Raの抵抗回路4aおよび抵抗Rbと、基準値Vrefを得るために直流電圧Vdcを分圧する抵抗Rc,Rdと、その仮想中性点電位と基準値Vrefと比較して、同基準値に対するゼロクロス点(いわゆる誘起電圧のゼロクロス点)を検出するコンパレータ4bとを備え、そのゼロクロス点をロータ位置検出信号として出力する。
【0005】
制御回路(マイクロコンピュータ)5は、そのロータ位置検出信号をA/D変換して取り込んでロータ位置を検出し、この位置検出をもとにしてステータ巻線の通電を切り替えるとともに、PWMデューティを調整して回転数を指示値に制御する。このように、位置センサなどのハードウェア回路を必要としないことから、ハード的コストが安価に済み、また、位置センサなどが使用できない機器などに適用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記永久磁石電動機の制御装置においては、モータ巻線の通電を最適な位相で切り替えるが、その位相を制御するときには制約があり、広い運転範囲には対応できないという問題点がある。
【0007】
例えば、高速回転時や高トルク時においては、弱め界磁による進み角が制限され、つまり弱め界磁制御の範囲が狭く、最大回転数のアップ要求に答えられないことがある。すなわち、仮想中性点電位と基準値Vrefとを比較して位置検出信号を得る方法では、スパイクなどの影響により、ゼロクロス信号を進めるのに限界があるためである。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高速領域において進み角制御の制限を小さくし、広い運転範囲を有して低コストで最大回転数をアップすることができ、全体として定格効率のアップを実現することができるようにした永久磁石電動機の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、永久磁石電動機のステータ巻線に発生する誘起電圧を用いてロータ位置を検出し、そのロータ位置検出をもとにして上記ステータ巻線の通電を切り替えて、上記永久磁石電動機をPWM制御する永久磁石電動機の制御装置において、上記ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位と基準電位とを比較してロータ位置検出信号を得る第1位置検出回路と、上記ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧によりロータ位置検出信号を得る第2位置検出回路とを備え、運転状況に応じて上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を切り換えてPWM制御および位相制御を行うことを特徴としている。
【0010】
本発明の好ましい態様によると、上記第1位置検出回路は、ステータ巻線と並列に抵抗を接続して仮想中性点電位を得る一方、電源電圧Vdcを抵抗分圧して基準電位を得、その仮想中性点電位と基準電位とを比較してロータ位置検出信号を出力し、また、上記第2位置検出回路は、ステータ巻線と並列に抵抗を接続して仮想中性点電位を得る一方、その仮想中性点電位とそのステータ巻線の中性点電位(モータ中性点電位)の差電圧を少なくともサージ電圧を抑制して得、この差電圧の信号をインピーダンス変換してフィルタに通し、その差電圧の信号に含まれている3次高調波成分を抽出し、この3次高調波成分の信号によりロータ位置検出信号を出力する。
【0011】
これにより、高速領域では第2位置検出回路でロータ位置検出信号が得られ、また、それ以外の低速領域では第1位置検出回路で従来同様にロータ位置検出信号が得られ、広い運転範囲でのロータ位置検出が可能となる。
【0012】
また、上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号によりロータ位置を推定する際、それぞれ予め経験的に求めてテーブル化した補正値を用いて位置検出を補正し、この補正した位置検出を真の位置検出としてロータ位置を推定し、この位置推定をもとにしてPWM制御もしくは位相制御を行うことが好ましい。
【0013】
これによれば、高速領域では第2位置検出回路でゼロクロスの位置検出が行われ、確実に位置検出信号が得られるため、進み角制御の制約が抑えられ、広い運転範囲が実現できる。
【0014】
上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いる際、起動時もしくはPWM制御におけるデューティが所定値より小さいときには、第1位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いてロータ位置を推定し、上記デューティが所定値以上であるときには、第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いてロータ位置を推定し、それら位置検出信号の切り替えは一定時間置いて行うことが好ましい。
【0015】
これにより、第1位置検出回路と第2位置検出回路からのロータ位置検出信号が適切に選択され、かつ、最適に切り替えられることから、ロータ位置推定がスムーズに行え、円滑な制御が実現できる。
【0016】
上記第2位置検出回路からのロータ位置検出信号によりロータ位置を推定している場合、回転数をフィードバックして所定回転数となるまで電圧位相を調整し、その電圧位相を進めるときには予め設定している限界値以上位相を進めないようにすることにより、位相制御に不具合を生じることもなく、例えば弱め界磁制御を適切に行うことができる。
【0017】
上記フィルタは、2次のバンドパスフィルタもしくは2次のローパスフィルタと2次のハイパスフィルタを組み合わせてバンドパスフィルタの機能を有するとよい。これにより、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタが既存の回路で構成でされ、安価に済ませられる。
【0018】
また、上記フィルタは、1次のローパスフィルタまたは1次のハイパスフィルタもしくは2次のローパスフィルタまたは2次のハイパスフィルタのうち、少なくとも1つのフィルタを用いるとよい。これにより、上述した2次のフィルタと比較し、より簡単な回路で、低コストで済ませられる。
【0019】
上記永久磁石電動機の通電パターンは120度ないし180度の矩形波駆動もしくは正弦波駆動であることが好ましい。これにより、当該永久磁石電動機の利用範囲拡大が図られる。上記永久磁石電動機を特に空気調和機もしくは冷蔵庫のコンプレッサ、ファンモータに適用することにより、コンプレッサやファンモータの運転範囲が広くなることから、空気調和機や冷蔵庫の定格効率のアップが図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1ないし図13を参照して詳しく説明する。なお、図中、図14と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0021】
図1において、本発明による永久磁石電動機の制御装置は、図14に示す位置検出回路4と同じ構成の第1位置検出回路10と、永久磁石電動機3のステータ巻線のスター結線と並列に接続した抵抗ブリッジ回路によって仮想中性点電位を得るとともに、この仮想中性点電位とそのステータ巻線の中性点電位(モータ中性点電位)との差電圧によりロータの位置検出信号を出力する第2位置検出回路11と、運転状態に応じて第1位置検出回路10もしくは第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号を切り換えてロータの位置を推定し、この位置推定をもとにしてステータ巻線の通電を切り替え、回転数を制御する制御回路(マイクロコンピュータ)12とを備えている。なお、制御回路12は図14に示す制御回路5の機能も備えている。
【0022】
図2に示すように、第2位置検出回路11は、仮想中性点電位を得るために第1位置検出回路10と同じ抵抗Raによる抵抗ブリッジ回路13と、この抵抗ブリッジ回路13による仮想中性点電位およびモータ中性点電位を入力してサージ電圧を抑制するサージ電圧抑制回路14と、このサージ電圧抑制回路14を介した仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧のうち当該位置検出に不必要な信号(高次高調波、基本波)を除去し、必要な信号成分(3次高調波成分)を抽出するフィルタ回路15と、このフィルタ回路15による3次高調波成分の信号と基準値とを比較して(ゼロクロス点を検出して)位置検出信号を出力するコンパレータ16とを備えている。
【0023】
図3に示すように、サージ電圧抑制回路14は、仮想中性点とモータ中性点との間に直列に接続した抵抗14aおよびコンデンサ14bからなり、その仮想中性点電位を抵抗14aに接続し、モータ中性点電位を所定容量のコンデンサ14bに接続してなる。なお、上記サージ電圧抑制回路14に代えて、図4に示すような仮想中性点とモータ中性点との間に、コンデンサ20aを設けたサージ電圧抑制回路20を用いてもよい。図4中、図3と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0024】
図5に示すように、フィルタ回路15は、バンドパスフィルタ(BPF)15aを主体とし、サージ電圧抑制部14からの信号を低インピーダンスとするためにオペンアンプを用いたボルテージフォロワのインピーダンス変換回路15bを入力段に備えている。このBPF15aは単一増幅器で実現するためにオペアンプ15c、抵抗R1,R2,R3およびコンデンサC1,C2(=C)からなり、2次の多重帰還型帯域通過フィルタ、つまり公知の回路を構成してなる。
【0025】
例えば、帯域通過利得Ho,Q,中心周波数(3次高調波)ωo=2πfが与えられると、抵抗R1,R2,R3は、R1=Q/(Ho・ωo・C),R2=Q/(2・(Qの2乗)−Ho)・ωo・C),R3=2・Q/ωo・Cで決められる。また、その通過帯域については、少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)付近の周波数帯域であり、つまりその3次高調波よりも低い周波数をカットし、その3次高調波よりも高い周波数をカットする。
【0026】
なお、上記BPF15aに代えて、図6および図7に示すように、ローパスフィルタ(LPF)21とハイパスフィルタ(HPL)22とを組み合わせたフィルタ回路を用いてもよい。このLPF21およびハイパスフィルタ22によるフィルタ回路は上記BPF15aの通過帯域を含む回路構成とする。
【0027】
図6において、LPF21は非反転オペアンプ21a,21b、抵抗R4,R5およびコンデンサC3,C4による2次のVCVS(電圧制御源)型フィルタを構成(公知の回路構成)としてなる。図7において、HPL22は非反転オペアンプ22a、抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7による2次のVCVS(電圧制御)型を構成(公知の回路構成)してなる。
【0028】
上記LPF21およびHPL22は、上記BPF15aと同じ機能となるように、各抵抗R4,R5およびC3,C4を決定し、また各抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7を決定する。その決定に際し、高領域のカットについては、従来のローパスフィルタ5と同じとし、低領域のカットについては少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)よりも低い周波数とすることを考慮する。
【0029】
また、上述した2次のLPF21およびHPL22に代えて、図8および図9に示すように、1次のLPF23およびHPF24を用いてもよい。図8において、LPF23は抵抗23aおよびコンデンサ23bによるCR回路からなる。図9において、HPF24はコンデンサ24aおよび抵抗24bによるLPF23の素子CR→RC変換としてなる。
【0030】
次に、上記構成の制御装置の動作を図10のブロック図および図11のフローチャート図を参照して説明する。まず、制御回路12は当該モータを搭載している機器の負荷モードを認識する一方、モータ回転数fを検出するとともに、その実回転数fと当該指令回転数(指示値)とを比較する。例えば、当該機器が空気調和機である場合、負荷モードは冷房もしくは暖房などの運転モードと言うことになる。
【0031】
実回転数fは、第1もしくは第2位置検出回路10,11からのロータ位置検出信号をもとにして算出する。この場合、それらロータ位置検出信号を割り込みとして入力する。すなわち、割り込み処理によってロータ位置検出信号をデジタル信号として入力する。
【0032】
図12に示すように、起動時もしくはPWM制御のデューティが所定値より小さいときには、第1位置検出回路10からのロータ位置検出信号を採用し、そのデューティが所定値(例えば90%ないし100%)以上であるときには、第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号を採用する。
【0033】
なお、図13に示すように、デューティが所定値以上となった後に、所定値より小さくなることもあることから、そのデューティが所定値以上となってから、ある一定値以内は無視して、デューティが所定値より小さくないと判断し、第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号を採用することが好ましい。また、このようなことを考慮して、上記ロータ位置検出信号の切り替えに際しては、一定時間経過した後に行うようにしてもよい。これにより、モータ制御の安定化が図られることになる。
【0034】
ここで、起動時もしくはPWM制御のデューティが所定値より小さい場合、スイッチ12aをa点側として従来と同様に、第1位置検出回路10からのロータ位置検出信号をもとにして通電切り替えを行う。この場合、そのロータ位置検出信号により回転数(実回転数f)を回転数算出12bで算出するとともに、この実回転数fと指示値とを比較し、この比較結果により回転数をフィードバックしてPWM制御を行う(Duty制御)。
【0035】
このとき、そのロータ位置検出信号を補正値設定12cで補正して、例えば予め経験的に求めて内部メモリに記憶している補正値を現位置検出に加味して、真の位置検出信号を得る。なお、その補正値は、例えば後述する表1と同様に当該機器の運転モード、回転数に応じて得てテーブル化して内部メモリに記憶しておくとよい。
【0036】
このようにして得た真のロータ位置検出信号に基づいて通電切り替えタイミングを決定するが、真の位置検出点に電圧点弧角を電圧点弧位相設定12eで加味した通電切替信号を得るとともに、実回転数fを指示値とするためのPWM波形をPWM波形生成12fで生成して、その通電切替信号に重畳する。このPWM波形の信号をインバータの駆動信号としてドライバ回路9に出力し、電力変換回路2を駆動して永久磁石電動機3を電圧制御する。
【0037】
そして、永久磁石電動機3が高速領域に入り、デューティ算出12gにおいて算出した当該PWM制御のデューティが所定値以上になると、スイッチ12aをb点側として図11に示すルーチンを実行する。このルーチンでは、第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号をもとにして位相制御を行うことになり、例えば弱め界磁により最大回転数アップが可能とされる。
【0038】
なお、第2位置検出回路11においては、仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧の信号のゼロクロス点を検出するため、位置検出信号が確実に得られる。また、モータの通電切り替えによる瞬間的過電圧(サージ電圧など)が発生しても、そのサージ電圧がコンデンサ14b,20aによって低減され、また、BPF15aの入力信号がインピーダンス変換部15bによって低インピーダンスとされるため、そのBPF15aへの悪影響が抑えられる。
【0039】
さらに、上記BPF15aもしくはLPF23とHPF24とを組合わせたフィルタ回路15により、仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧の信号は3次高調波より高い領域の信号などが除去され、それよりも低い領域の信号などが除去されたものとなる。
【0040】
すなわち、ステータ巻線のインダクタンスの非線形による高調波成分および基本波成分が大きく低減され、少なくとも必要とする3次高調波成分の信号が抽出される。このように、必要とする3次高調波成分が抽出されるため、ロータの位置検出の精度が向上し、広い運転範囲での位置検出が可能となり、モータ特性や当該制御特性の向上が図れることになる。
【0041】
図11のルーチンにおいて、まず制御回路12は位置検出信号により回転数算出12bで算出した実回転数fと指示値とを比較し、この比較結果に応じて位置検出の位相を補正値設定12cで補正する(ステップST1)。その実回転数fが指示値に一致しているときには位相補正を行なわず、その実回転数fが指示値より小さいときには実回転数fが当該制御における最大値(最大回転数)より小さいか否かを判断する(ステップST2)。
【0042】
その実回転数fが最大値より小さければ、現位置検出位相を進める方向に補正する(ステップST3)。その補正は、下記表1による位相補正値θ11,…,θ2nによって行う。
【0043】
【表1】
Figure 2004096880
【0044】
なお、表1については、あらかじめ当該機器の運転モード(例えば空気調和機であれば、暖房や冷房などの運転モード)および回転数に応じて経験的に求めてテーブル化し、内部メモリに記憶される。
【0045】
また、第1位置検出回路10からのロータ位置検出信号によるモータ位置検出を補正する値と、第2位置検出回路11からのロータ位置検出信号によるモータ位置検出を補正する値とが異なるように2種類用意しておくとよい。
【0046】
さらに、上記現位置検出位相を進める方向に補正する場合、予め進み位相の限界値を設定しておき、その限界値以上は位相を進めないようにするとよい。すなわち、永久磁石の減磁が大きくなり、モータ効率が低下するからである。
【0047】
上記実回転数fが最大値以上であるときには、現位置検出位相を遅らせる方向に補正する(ステップST4)。この補正は、上記表1による位相補正値θ11,…,θ2nを決定する。この現位置検出位相を補正した結果、もしくは現位置検出位相を真の位置検出位相θとし、当該ロータの位置を推定を行う。
【0048】
続いて、真の位置検出位相θに基づいてモータ通電切り替えの位相制御角を決定するが、あらかじめ回転数に応じて設定した点弧テーブルを用いて電圧点弧角を電圧点弧位相設定12cで決定し、この電圧点弧角を真の位置検出位相θに加味して電圧信号を得、これに現PWM波形を重畳してインバータ変換の駆動信号とする。この駆動信号をドライバ回路9に出力して電力変換回路2を駆動し、回転数フィードバックにより所定回転数となるまで位相制御を行う。
【0049】
このように、表1に示す位相補正値を用いた位相制御においては、位相角を進めて界磁を弱めとし、つまり弱め界磁制御が行え、例えばPAM制御を採用せずとも、最大回転数を上げることができる。
【0050】
また、この高速領域では、進み角を制御して電圧制限(PWMデューティ100%)のもとで、回転数のアップが実現でき、ハードウェア的には安価な第2の位置検出回路11を追加するだけよく、つまり低コストで済む。しかも、高速領域のみに第2位置検出回路11を用いるが、広い運転範囲に対応させるために、その第2位置検出回路11の定数(フィルタ回路15の定数)を変更する必要がなく、回路構成が簡単でよい。
【0051】
なお、上記通電切り替えを行うパターンとしては、120度から180度の矩形波駆動もしくは正弦波駆動とし、当該制御装置を種々機器へ適用可能にするとよい。また、この制御装置を有する永久磁石電動機3は、空気調和機もしくは冷蔵庫のコンプレッサ、ファンモータに適用することにより、コンプレッサ、ファンモータの低コスト、最大回転数アップ、ひいては空気調和機や冷蔵庫の定格効率のアップが実現される。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくともPWM制御方式を採用してなる永久磁石電動機の制御装置において、ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位と基準電位とを比較してロータ位置検出信号を得る第1位置検出回路と、ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧によりロータ位置検出信号を得る第2位置検出回路とを備え、運転状況に応じて第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を切り換えてPWM制御および位相制御を行うようにしたことにより、PWMデューティが所定値以上となった高速領域においては、第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いて位相制御が行われ、高速領域において進み角制御の制限を小さくし、広い運転範囲を有して低コストで最大回転数をアップすることができ、ひいては当該機器の定格効率のアップを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石電動機の制御装置を示す概略的なブロック線図。
【図2】上記制御装置の第2位置検出回路を示す概略的なブロック線図。
【図3】図2の第2位置検出回路のサージ電圧抑制回路を示す概略的な回路図。
【図4】図3のサージ電圧抑制回路の変形例を示す概略的な回路図。
【図5】図2の第2位置検出回路のフィルタ回路を示す概略的な回路図。
【図6】図5のフィルタ回路の変形例を示す概略的な回路図。
【図7】図5のフィルタ回路の変形例を示す概略的な回路図。
【図8】図5のフィルタ回路の他の変形例を示す概略的な回路図。
【図9】図5のフィルタ回路の他の変形例を示す概略的な回路図。
【図10】上記制御装置の動作説明用フローチャート図。
【図11】上記制御装置の動作を説明するための概略的な模式図。
【図12】上記制御装置の動作説明用の概略的なグラフ。
【図13】上記制御装置の動作説明用の概略的なグラフ。
【図14】従来のモータの制御装置を示す概略的なブロック線図。
【図15】図14の制御装置の位置検出回路を示す概略的な回路図。
【符号の説明】
1 直流電源
2 電力変換回路
3 永久磁石電動機
4,10 第1位置検出回路
4a,13 抵抗ブリッジ回路
4b,16 コンパレータ
5,12 制御回路
14,20 サージ電圧抑制回路
15 フィルタ回路
15a BPF(2次のバンドパスフィルタ)
15b インピーダンス変換回路
15b,21a,21b,22a オペアンプ
21 LPF(2次のローパスフィルタ)
22 HPF(2次のハイスフィルタ)
23 LPF(1次のローパスフィルタ)
24 HPF(1次のハイスフィルタ)

Claims (10)

  1. 永久磁石電動機のステータ巻線に発生する誘起電圧を用いてロータ位置を検出し、そのロータ位置検出をもとにして上記ステータ巻線の通電を切り替えて、上記永久磁石電動機をPWM制御する永久磁石電動機の制御装置において、
    上記ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位と基準電位とを比較してロータ位置検出信号を得る第1位置検出回路と、
    上記ステータ巻線の端子電圧の仮想中性点電位とモータ中性点電位との差電圧によりロータ位置検出信号を得る第2位置検出回路とを備え、
    運転状況に応じて上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を切り換えてPWM制御および位相制御を行うことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。
  2. 上記第1位置検出回路は、上記ステータ巻線と並列に抵抗を接続して仮想中性点電位を得る一方、電源電圧Vdcを抵抗分圧して基準電位を得、上記仮想中性点電位と上記基準電位とを比較してロータ位置検出信号を出力する請求項1に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  3. 上記第2位置検出回路は、上記ステータ巻線と並列に抵抗を接続して仮想中性点電位を得る一方、上記仮想中性点電位と上記ステータ巻線の中性点電位(モータ中性点電位)の差電圧を少なくともサージ電圧を抑制して得、該差電圧の信号をインピーダンス変換してフィルタに通し、その差電圧の信号に含まれている3次高調波成分を抽出し、該3次高調波成分の信号によりロータ位置検出信号を出力する請求項1に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  4. 上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号によりロータ位置を推定する際、それぞれ予め経験的に求めてテーブル化した補正値を用いて位置検出を補正し、該補正した位置検出を真の位置検出としてロータ位置を推定し、該位置推定をもとにしてPWM制御もしくは位相制御を行う請求項1,2または3に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  5. 上記第1位置検出回路もしくは第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いる際、起動時もしくはPWM制御におけるデューティが所定値より小さいときには、上記第1位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いてロータ位置を推定し、上記デューティが所定値以上であるときには、上記第2位置検出回路からのロータ位置検出信号を用いてロータ位置を推定し、それらロータ位置検出信号の切り替えは一定時間置いて行うようにした請求項1ないし4のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  6. 上記第2位置検出回路からのロータ位置検出信号によりロータ位置を推定している場合、回転数をフィードバックして所定回転数となるまで電圧位相を調整し、その電圧位相を進めるときには予め設定している限界値以上位相を進めないようにした請求項1ないし5のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  7. 上記フィルタは、2次のバンドパスフィルタもしくは2次のローパスフィルタと2次のハイパスフィルタを組み合わせてバンドパスフィルタの機能を有してなる請求項3に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  8. 上記フィルタは、1次のローパスフィルタまたは1次のハイパスフィルタもしくは2次のローパスフィルタまたは2次のハイパスフィルタのうち、少なくとも1つのフィルタを用いてなる請求項3に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  9. 上記永久磁石電動機の通電パターンは、120度ないし180度の矩形波駆動もしくは正弦波駆動である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
  10. 上記永久磁石電動機を空気調和機もしくは冷蔵庫のコンプレッサ、ファンモータに適用するようにした請求項1ないし9のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
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