JP2004072909A - 永久磁石電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石電動機の制御装置において、ロータの位置検出に不必要な信号を除去して、広い運転範囲での位置検出の高精度化を図る。
【解決手段】永久磁石電動機3のステータの巻線と並列に接続した抵抗Rによって仮想中性点電圧を得、ステータの巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)と仮想中性点電圧との差電圧をバンドパスフィルタ10に通し、位置検出にのみ必要な信号を得る。そして、バンドパスフィルタ10を通った差電圧の信号を増幅回路6、コンパレータ回路7で所定レベルとして位置検出信号とし、これを制御回路8に入力してロータ位置を検出し、ステータ巻線の通電を切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】永久磁石電動機3のステータの巻線と並列に接続した抵抗Rによって仮想中性点電圧を得、ステータの巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)と仮想中性点電圧との差電圧をバンドパスフィルタ10に通し、位置検出にのみ必要な信号を得る。そして、バンドパスフィルタ10を通った差電圧の信号を増幅回路6、コンパレータ回路7で所定レベルとして位置検出信号とし、これを制御回路8に入力してロータ位置を検出し、ステータ巻線の通電を切り替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機のコンプレッサ駆動などに用いられる永久磁石電動機の制御装置に関し、さらに詳しく言えば、位置センサを用いずにロータ位置を検出する永久磁石電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石電動機を制御するにあたって、特に空気調和機などの分野では、直流電圧を電力変換手段(例えばインバータ手段)で任意の交流電圧に変換してモータに印加するようにしている。その制御装置の一例を図14により説明すると、直流電源1による直流電圧を電力変換回路2に供給し、その電力変換回路2によって三相の交流電圧に変換して永久磁石電動機3に印加する。
【0003】
この場合、ロータの位置を検出してステータの巻線電流を制御し、180度正弦波駆動でモータを駆動する。
【0004】
この方式においては、モータ巻線のステータ結線の中性点電圧(モータ中性点電圧)と、このステータ結線に並列に接続したスター結線の抵抗Rからなる抵抗回路4による仮想中性点電圧との差電圧をローパスフィルタ5に通して低周波数領域(3次高調波成分などを含む)の信号を得る。
【0005】
ローパスフィルタ5の出力信号が増幅回路6で所定レベルに調整され、しかる後、コンパレータ回路7でゼロクロス点の信号が位置検出信号とされる。したがって、モータ中性点電圧と仮想中性点電圧との差電圧(つまりロータの位置検出信号)がコンパレータ回路7から出力され、その位置検出信号はローパスフィルタ5によってノイズ(特にPWM波形信号による雑音など)が除去されたものとなる。
【0006】
そして、制御回路(マイクロコンピュータ)8に入力される。制御回路8は、その位置検出信号に基づいてロータ位置を推定して、電力変換回路2の駆動信号をドライバ回路9に出力し、ステータ巻線の通電を切り替えてモータを運転する。
【0007】
このように、位置センサなどのハードウェア回路を必要としないことから、ハード的コストが安価に済み、また、位置センサなどが使用できない機器などに適用することができる。
【0008】
上記永久磁石電動機の制御方法においては、位置検出信号(差電圧)に含まれいる永久磁石の3次高調波を利用してロータ位置を推定するのであるが、実際には、モータ巻線のインダクタンスの非線形による高調波が発生するため、電流に依存する差電圧は3次、9次、15次波形などを含むことになる。したがって、上述したローパスフィルタ5によって次数の低い高調波(3次)を得て、ロータ位置を推定するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータ電流が大きい場合、あるいはその電流が急激に変化する場合、もしくはインダクタンスが大きい場合、ローパスフィルタ5を用いた位置検出回路では、インダクタンスによる高調波成分が大きく、永久磁石の3次高調波がその高調波成分に対して相対的に小さくなることから、ロータ位置検出が難しく、誤った位置検出がなされることがある。
【0010】
また、上記差電圧が中性点の引き出し線に誘起される電圧を用いていることから、この差電圧は実際に3次、9次、15次波形以外にも基本波成分を含むことになり、この基本波成分は3次波形よりも低いため、ローパスフィルタ5によって除去されない。したがって、その基本波がロータ位置の検出精度を悪くする要因ともなる。
【0011】
したがって、本発明の課題は、ロータ位置検出に悪影響を与える不必要な信号を確実に除去して、広い運転範囲での位置検出の高精度化を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、永久磁石電動機が備えるステータの巻線と並列に接続した抵抗によって仮想中性点電圧を得るとともに、上記仮想中性点電圧と上記ステータ巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)との差電圧によりロータ位置を推定して上記永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後にバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴としている。
【0013】
図6ないし図8に示すように、本発明の永久磁石電動機の制御装置は、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の間に抵抗およびコンデンサあるいはコンデンサのみを介在させて、同仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、この差電圧の信号をインピーダンス変換してバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしており、これも本発明の特徴に含まれる。
【0014】
上記バンドパスフィルタは、高次の多重帰還型の回路構成としてなり、その回路を構成するコンデンサをともに同じ静電容量とし、その回路の抵抗によって所定周波数特性を有するようにするとよい。これにより、バンドパスフィルタが例えば図2に示す既存の回路構成でされ、所望の周波数特性を有するフィルタが得られる。
【0015】
また、本発明の永久磁石電動機の制御装置は、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後にローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタに通し、このフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴としている。
【0016】
上記ローパスフィルタおよびハイパスフィルタは、高次の多重帰還型帯域通過フィルタあるいはVCVS(電圧制御源)型フィルタの回路構成としてなり、その回路を構成するコンデンサをそれぞれともに同じ静電容量とし、その回路を構成する抵抗によって所定周波数特性を有するようにするとよい。これにより、ローパスフィルタが例えば図4に示す既存の回路構成でされ、またハイパスフィルタが例えば図5に示す既存の回路構成でされ、それぞれ周波数特性が所望に設定できる。
【0017】
上記高次のバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタは、永久磁石電動機のステータ巻線に誘起電圧に含まれている少なくとも3次高調波成分を通す帯域にすることにより、ロータ位置検出にのみ必要な信号が得られ、位置検出が最適に行われる。
【0018】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通して得た差電圧の信号は、増幅回路で所定のレベルに調整されるようにし、その増幅回路は固定ゲインとし、あるいはゲイン調整機能を付加するとよい。これにより、差電圧の信号が適切なレベルとなり、また例えば図9に示す回路構成により負荷などにかかわらず、常にその差電圧の信号が適切なレベルとなり、つまりロータ位置検出が適切に行われる。
【0019】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタもしくはハイパスフィルタに所定のゲイン調整機能を備えさせることにより、そのバンドパスフィルタあるいはハイパスフィルタの後段の増幅回路を省略することができ、これにより、コスト低下が図られる。
【0020】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタもしくはハイパスフィルタは、それらの周波数特性を可変するために当該フィルタ回路を構成する抵抗値を可変する可変手段を備え、運転状態や負荷状態に応じて周波数特性を可変にすることが好ましい。
【0021】
例えば、図10に示すバンドパスフィルタ回路60において、運転状態や負荷状態に応じて複数のスイッチ手段60bをオンあるいはオフとすることにより、複数の抵抗60aの合成抵抗値の大きさが可変し、そのフィルタ周波数特性が可変される。
【0022】
また、図11に示すローパスフィルタ回路70や図12に示すハイパスフィルタ回路80についても、バンドパスフィルタ回路60と同じく周波数特性が当該運転状態や負荷状態に応じて可変される。
【0023】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を検出する際、その位置検出位相を所定の位相補正値で補正し、この補正した位置検出をもとにしてステータ巻線の通電を切り替えることが好ましい。
【0024】
上記位相補正値は、モータ電流あるいはモータ運転状態ごとに各回転数に応じて設定された値(例えば表1のテーブル)としてメモリに記憶されるか、あるいはそのモータ電流と回転数を変数とする近似式を用いて算出するとよい。
【0025】
これにより、上記位相補正を行う制御回路のマイクロコンピュータの動作負担が大きくならず、安価なマイクロコンピュータ(比較的的遅い動作のCPU)で済ませられる。また、モータ電流を用いず、モータ運転状態を用いることにより、電流検出回路の分低コスト化が図られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1ないし図13を参照して詳しく説明する。なお、図中、図14と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0027】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る制御装置は、図14のローパスフィルタ5に代えてバンドパスフィルタ(BPF;帯域通過フィルタ)10を備えており、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の差電圧をBPF10に通して位置検出に不必要な信号(高次高調波および基本波)を除去し、必要な信号成分のみを検出した後に増幅し、コンパレータでデジタル信号の位置検出信号を得ている。
【0028】
図2に示すように、BPF10は、単一増幅器で実現するためにオペアンプ10a、抵抗R1,R2,R3および同一静電容量のコンデンサC1,C2からなり、2次の多重帰還型帯域通過フィルタとして構成されている。
【0029】
例えば、帯域通過利得Ho、回路利得Q、中心周波数ωo=2πfが与えられると、抵抗R1,R2,R3は、R1=Q/(Ho・ωo・C)、R2=Q/(2・(Qの2乗)−Ho)・ωo・C)、R3=2・Q/ωo・Cで決められる。その通過帯域は、少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)付近の周波数帯域であり、3次高調波よりも低い周波数をカットし、また、3次高調波よりも高い周波数をカットする。
【0030】
このBPF10を用いることにより、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との電圧差の信号は3次高調波より高い領域の信号などが除去され、それよりも低い領域の信号などが除去されたものとなり、少なくとも必要とする3次高調波を含む信号とされる。したがって、位置検出の精度が向上し、広い運転範囲での位置検出が可能となる。
【0031】
また、BPF10の回路構成が1つのオペアンプ10a、抵抗R1,R2,R3およびコンデンサC1,C2で済むことから、位置検出回路の低コスト化が図れる。なお、例えばモータインダクタンスが小さく、位置検出に必要なゲインが固定でよい場合には、あらかじめそのゲインを考慮してBPF10を設計すれば、後段の増幅回路6を省略し、低コスト化を図ることもできる。
【0032】
また、コンデンサC1,C2を同じ静電容量にすることにより、部品の共通化によってコストが下げられる。なお、周波数特性は、抵抗R1,R2,R3によって調整できる。
【0033】
図3ないし図5は、本発明の第2実施形態に係る制御装置を示す概略的なブロック線図である。なお、図中、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
図3において、この制御装置においては、上記第1実施形態のBPF10に代えて、ローパスフィルタ(LPF)20およびハイパスフィルタ(HPF)21を用い、このLPF20およびHPF21は、それぞれBPF10の通過帯域を含む回路構成とする。
【0035】
図4に示すように、LPF20は、非反転オペアンプ20a,20b、抵抗R4,R5およびコンデンサC3,C4を含む公知の2次のVCVS(電圧制御源)型フィルタからなる。また、HPF21も、図5に示すように、非反転オペアンプ21a、抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7を含む公知の2次の多重帰還型フィルタからなる。
【0036】
LPF20およびHPF21は、上記第1実施形態のBPF10と同じ機能となるように、各抵抗R4,R5およびC3,C4を決定し、また、各抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7を決定する。
【0037】
この決定に際し、高領域のカットについては当然従来のローパスフィルタ5と同じとし、低領域のカットについては少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)よりも低い周波数とすることを考慮する。
【0038】
なお、この第2実施形態においても、例えばモータインダクタンスが小さく、位置検出に必要なゲインが固定でよい場合には、あらかじめそのゲインを考慮してLPF20、HPL21を設計すれば、後段の増幅回路6を省略てせき、低コスト化を図ることもできる。
【0039】
また、抵抗R4,R5、抵抗R6,R7によって周波数特性を調整することができるため、コンデンサC3,C4、コンデンサC5,C6,C7をそれぞれ同じ静電容量としてもよく、そうすることにより、部品の共通化によってコストが下げられる。
【0040】
図6および図7は、本発明の第3実施形態に係る制御装置を示す概略的なブロック線図である。なお、図中、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0041】
図6に示すように、この制御装置は、仮想中性点とモータ中性点とが入力され、モータの通電切り替えによるサージ電圧を抑制した差電圧を得るためのサージ電圧抑制回路30と、このサージ電圧抑制部30からの差電圧信号をBPF10に入力可能とするためのインピーダンス変換部31とを備えている。
【0042】
図7に示すように、サージ電圧抑制部30は、仮想中性点とモータ中性点との間に接続される抵抗30aおよびコンデンサ30bの直列回路よりなる。この場合、仮想中性点電圧側に抵抗30aが接続され、モータ中性点電圧側に所定静電容量のコンデンサ30bが接続される。
【0043】
インピーダンス変換部31は、オペンアンプを用いたボルテージフォロワ回路であり、サージ電圧抑制部30からの差電圧の信号を低インピーダンスとし、BPF10に入力する。
【0044】
これにより、モータの通電切り替え時に瞬間的な過電圧(サージ電圧など)が発生しても、その過電圧がコンデンサ30bによって低減され、また、BPF10の入力信号が低インピーダンスとされるため、BPF10への悪影響が抑えられる。
【0045】
図8は、上記第3の実施形態の変形例で、制御装置のサージ電圧制御部を示す概略的な回路図である。なお、図中、図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0046】
図8において、この変形例に係るサージ電圧抑制部40は、仮想中性点とモータ中性点との間にコンデンサ40cのみを挿入し、モータ中性点電圧を所定容量のコンデンサ40cに接続してなる。これにより、抵抗30a分だけコスト低下が望める。
【0047】
図9は、本発明の第4実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置においては、上記実施形態で説明した固定ゲインの増幅回路6に代えて、フィルタ(BPF10あるいはHPF21)の出力ゲインを調整するゲイン調整回路50と、ゲイン調整回路50を制御してフィルタの出力信号のゲインを可変とするマイクロコンピュータ51とを備えている。
【0048】
ゲイン調整回路50は、オペアンプ50aを用いた一般的な非反転増幅回路であり、反転入力側抵抗50bと、その負帰還抵抗としての抵抗50cおよびスイッチ手段50dの直列回路を複数個並列に接続した抵抗回路とを備えてなる。また、スイッチ手段50dはアナログスイッチやトランジスタなどであってよく、マイクロコンピュータ51からの制御信号によりオン、オフする。この場合、非反転増幅回路のゲインGは抵抗回路の抵抗値(負帰還抵抗の値)により決定される。
【0049】
したがって、スイッチ手段50dのオン数あるいはオフ数により、ゲイン調整回路50のゲインGを変えることができる。特に、空気調和機のコンプレッサなどのモータに適用する場合、その運転周波数、またはモータ負荷トルクに応じてそのゲインを可変するとよい。これにより、運転周波数が高範囲に渡る場合でも、モータ位置検出が適切に行われる。
【0050】
図10は、本発明の第5実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。なお、図中、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略するが、この制御装置は、上記BPF10に代えて、周波数特性の可変機能を付加したバンドパスフィルタ回路60を備えている。
【0051】
バンドパスフィルタ回路60は、上記BPF10を構成する抵抗R2に代えて、抵抗60aおよびスイッチ手段60bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路を用いてなる。また、スイッチ手段60bはアナログスイッチやトランジスタなどであり、マイクロコンピュータ61からの制御信号によりオン、オフする。
【0052】
この場合においても、スイッチ手段60bのオン数あるいはオフ数により、抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変するため、バンドパスフィルタ回路60のフィルタ周波数特性が変化する。
【0053】
図11は、本発明の第6実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置は、上記LPFおよびHPFを組合わせた実施形態のLPF20に代えて、周波数特性の可変機能を付加したローパスフィルタ回路70を備えている。
【0054】
このローパスフィルタ回路70は、上記LPF20を構成する抵抗R4,R5に代えて、抵抗70aおよびスイッチ手段70bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路と、抵抗70cおよびスイッチ手段70dを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路とを用いてなる。
【0055】
また、スイッチ手段70b,70dは、アナログスイッチやトランジスタスイッチなどであってよく、マイクロコンピュータ71からの制御信号によりオン、オフする。この場合においても、スイッチ手段70b,70dのオン数あるいはオフ数により、それら抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変し、そのローパスフィルタ回路70のフィルタ周波数特性が変化する。
【0056】
図12は、本発明の第7実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置は、上述した実施形態のLPFおよびHPFを組合わせたフィルタのHPF21に代えて、周波数特性の可変機能を付加したハイパスフィルタ回路80を備えている。
【0057】
このローパスフィルタ回路80は、上記HPF21を構成する抵抗R6,R7に代えて、抵抗80aおよびスイッチ手段80bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路と、抵抗80cおよびスイッチ手段80dを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路とを用いてなる。また、スイッチ手段80b,80dは、アナログスイッチやトランジスタスイッチなどであってよく、マイクロコンピュータ81からの制御信号によりオン、オフする。
【0058】
この場合においても、スイッチ手段80b,80dのオン数あるいはオフ数により、それら抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変し、そのローパスフィルタ回路80のフィルタ周波数特性が変化する。
【0059】
上記第5実施形態あるいは第6実施形態もしくは第7実施形態においては、運転周波数や負荷トルクに応じた周波数特性が得られることから、特に空気調和機などの広い運転範囲に適用することができる。
【0060】
なお、上述した位置検出方式によると、位置検出信号は3次高調波成分が基本となるが、位相がずれていることから、その位相を補正する必要がある。本発明において、その位相の補正値は、下記表1に示すように、予め運転状態ごとにモータ回転数に応じて設定してテーブル形式でメモリに記憶されている。
【0061】
【表1】
【0062】
表1において、運転モードとは、例えば空気調和機に適用した場合リモコンからの指示であり、運転冷房運転、暖房運転、除湿運転や送風運転などをいう。なお、上記位相補正値は、上述した実施形態のマイクロコンピュータ8,51,61,71,81の内部メモリに記憶すればよい。
【0063】
これにより、モータ電流を検出しなくともよく、低コストが図れる。また、この位相補正値はモータ電流とモータ回転数により設定してメモリに記憶するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記位相の補正値は、電流、回転数を変数とする近似式を予め得ておき、その都度近似式を用いて求めるようにしてもよい。この場合、近似式を用いることにより、マイクロコンピュータの計算負担が軽くて済み、マイクロコンピュータが安価なものでよい。
【0065】
ここで、図13に示すルーチンを用いて本発明の位置検出動作を簡単に説明する。まず、マイクロコンピュータ8,51,61,71,81は当該モータを搭載している機器の現運転モードを認識し(ステップST1)、モータ回転数fを検出する(ステップST2)。なお、そのモータ回転数fは位置検出信号をもとに算出する。
【0066】
続いて、上記表1を参照し、現運転モードおよび回転数fに応じた位相補正値θ11,…,θNnを求める(ステップST3,ST4,ST5)。その求めた位相補正値を現位置検出信号の位相に加算し、この加算結果を真の位置検出位相θとし(ステップST6)、つまり当該ロータの位置を推定を行う。
【0067】
続いて、真の位置検出位相θに基づいてモータ通電切り替えの電圧点弧角位相を決定するが(ステップST7)、電圧点弧角ψは予め設定した下記表2を参照して決定し、この電圧点弧角ψを位相検出位相θに加味して電圧点弧角位相を得る。
【0068】
【表2】
【0069】
なお、表2は上記表1と同様に、予め運転モード毎に回転数fに応じて電圧点弧角ψ11,…,ψnNを求めてテーブル形式でメモリに記憶しておく。続いて、上記電圧点弧角位相に従うPWM波形を生成し、このPWM波形により回転制御に必要な三相交流の電圧を得るための駆動信号をドライバ回路9に出力し、電力変換回路2を駆動する(ステップST8)。これにより、ロータ位置検出が適切に得られ、この位置検出によりモータ巻線の通電が最適に切り替えられる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、永久磁石電動機のステータ巻線のスター結線と並列に接続した抵抗による仮想中性点電圧とそのステータ巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)との差電圧によりロータ位置を推定して永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、その差電圧をバンドパスフィルタに通し、バンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことにより、従来のローパスフィルタと同様にロータ位置検出に必要な信号を通すだけなく、ステータ巻線の誘起電圧波形の基本波を除去して位置検出にのみ必要な信号(3次高調波成分)が得られ、広い運転範囲においてロータ位置検出の高精度化が図れる。
【0071】
また、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の間に抵抗およびコンデンサあるいはコンデンサを介在させて同仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、この差電圧の信号をインピーダンス変換してバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定することにより、モータ巻線の通電切り替え時の瞬間的な過電圧(サージ電圧)が抑制され、また、その差電圧の信号がバンドパスフィルタに入力可能な低インピーダンスとされるため、バンドパスフィルタの周波数特性などへの悪影響が抑えられ、ロータ位置検出がより高精度なものとなるという効果がある。
【0072】
さらに、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後に、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタに通し、そのフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことにより、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを上記バンドパスフィルタの帯域通過と同じとすれば、上述と同じ効果が得られ、しかも各フィルタの周波数特性が制御し易く、またゲインやバンド(帯域通過)幅の調整がし易いという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第1実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図2】上記第1実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図3】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第2実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図4】上記第2実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図5】上記第2実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図6】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第3実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図7】上記第3実施形態の制御装置を説明するための概略的な部分回路図。
【図8】上記第3実施形態の変形例を示す概略的な部分回路図。
【図9】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第4実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図10】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第5実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図11】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第6実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図12】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第7実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図13】本発明による制御装置の動作を説明する概略的なフローチャート。
【図14】従来のモータの制御装置を説明するための概略的なブロック線図。
【符号の説明】
1 直流電源
2 電力変換回路
3 永久磁石電動機
4 抵抗回路
6 増幅回路
7 コンパレータ回路
8,51,61,71,81 制御回路
10a,20a,20b,21a,31a,50a オペアンプ
20 ローパスフィルタ
21 ハイパスフィルタ
30,40 サージ電圧抑制部
3b,40a コンデンサ
30a,50b,50c,60a,70a,70c,80a,80c 抵抗
31 インピーダンス変換部
50 ゲイン調整回路
50d,60b,70b,70d,80b,80d スイッチ手段
60 バンドパスフィルタ回路
70 ローパスフィルタ回路
80 ハイパスフィルタ回路
C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7 コンデンサ
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7 抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機のコンプレッサ駆動などに用いられる永久磁石電動機の制御装置に関し、さらに詳しく言えば、位置センサを用いずにロータ位置を検出する永久磁石電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石電動機を制御するにあたって、特に空気調和機などの分野では、直流電圧を電力変換手段(例えばインバータ手段)で任意の交流電圧に変換してモータに印加するようにしている。その制御装置の一例を図14により説明すると、直流電源1による直流電圧を電力変換回路2に供給し、その電力変換回路2によって三相の交流電圧に変換して永久磁石電動機3に印加する。
【0003】
この場合、ロータの位置を検出してステータの巻線電流を制御し、180度正弦波駆動でモータを駆動する。
【0004】
この方式においては、モータ巻線のステータ結線の中性点電圧(モータ中性点電圧)と、このステータ結線に並列に接続したスター結線の抵抗Rからなる抵抗回路4による仮想中性点電圧との差電圧をローパスフィルタ5に通して低周波数領域(3次高調波成分などを含む)の信号を得る。
【0005】
ローパスフィルタ5の出力信号が増幅回路6で所定レベルに調整され、しかる後、コンパレータ回路7でゼロクロス点の信号が位置検出信号とされる。したがって、モータ中性点電圧と仮想中性点電圧との差電圧(つまりロータの位置検出信号)がコンパレータ回路7から出力され、その位置検出信号はローパスフィルタ5によってノイズ(特にPWM波形信号による雑音など)が除去されたものとなる。
【0006】
そして、制御回路(マイクロコンピュータ)8に入力される。制御回路8は、その位置検出信号に基づいてロータ位置を推定して、電力変換回路2の駆動信号をドライバ回路9に出力し、ステータ巻線の通電を切り替えてモータを運転する。
【0007】
このように、位置センサなどのハードウェア回路を必要としないことから、ハード的コストが安価に済み、また、位置センサなどが使用できない機器などに適用することができる。
【0008】
上記永久磁石電動機の制御方法においては、位置検出信号(差電圧)に含まれいる永久磁石の3次高調波を利用してロータ位置を推定するのであるが、実際には、モータ巻線のインダクタンスの非線形による高調波が発生するため、電流に依存する差電圧は3次、9次、15次波形などを含むことになる。したがって、上述したローパスフィルタ5によって次数の低い高調波(3次)を得て、ロータ位置を推定するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータ電流が大きい場合、あるいはその電流が急激に変化する場合、もしくはインダクタンスが大きい場合、ローパスフィルタ5を用いた位置検出回路では、インダクタンスによる高調波成分が大きく、永久磁石の3次高調波がその高調波成分に対して相対的に小さくなることから、ロータ位置検出が難しく、誤った位置検出がなされることがある。
【0010】
また、上記差電圧が中性点の引き出し線に誘起される電圧を用いていることから、この差電圧は実際に3次、9次、15次波形以外にも基本波成分を含むことになり、この基本波成分は3次波形よりも低いため、ローパスフィルタ5によって除去されない。したがって、その基本波がロータ位置の検出精度を悪くする要因ともなる。
【0011】
したがって、本発明の課題は、ロータ位置検出に悪影響を与える不必要な信号を確実に除去して、広い運転範囲での位置検出の高精度化を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、永久磁石電動機が備えるステータの巻線と並列に接続した抵抗によって仮想中性点電圧を得るとともに、上記仮想中性点電圧と上記ステータ巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)との差電圧によりロータ位置を推定して上記永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後にバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴としている。
【0013】
図6ないし図8に示すように、本発明の永久磁石電動機の制御装置は、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の間に抵抗およびコンデンサあるいはコンデンサのみを介在させて、同仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、この差電圧の信号をインピーダンス変換してバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしており、これも本発明の特徴に含まれる。
【0014】
上記バンドパスフィルタは、高次の多重帰還型の回路構成としてなり、その回路を構成するコンデンサをともに同じ静電容量とし、その回路の抵抗によって所定周波数特性を有するようにするとよい。これにより、バンドパスフィルタが例えば図2に示す既存の回路構成でされ、所望の周波数特性を有するフィルタが得られる。
【0015】
また、本発明の永久磁石電動機の制御装置は、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後にローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタに通し、このフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴としている。
【0016】
上記ローパスフィルタおよびハイパスフィルタは、高次の多重帰還型帯域通過フィルタあるいはVCVS(電圧制御源)型フィルタの回路構成としてなり、その回路を構成するコンデンサをそれぞれともに同じ静電容量とし、その回路を構成する抵抗によって所定周波数特性を有するようにするとよい。これにより、ローパスフィルタが例えば図4に示す既存の回路構成でされ、またハイパスフィルタが例えば図5に示す既存の回路構成でされ、それぞれ周波数特性が所望に設定できる。
【0017】
上記高次のバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタは、永久磁石電動機のステータ巻線に誘起電圧に含まれている少なくとも3次高調波成分を通す帯域にすることにより、ロータ位置検出にのみ必要な信号が得られ、位置検出が最適に行われる。
【0018】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通して得た差電圧の信号は、増幅回路で所定のレベルに調整されるようにし、その増幅回路は固定ゲインとし、あるいはゲイン調整機能を付加するとよい。これにより、差電圧の信号が適切なレベルとなり、また例えば図9に示す回路構成により負荷などにかかわらず、常にその差電圧の信号が適切なレベルとなり、つまりロータ位置検出が適切に行われる。
【0019】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタもしくはハイパスフィルタに所定のゲイン調整機能を備えさせることにより、そのバンドパスフィルタあるいはハイパスフィルタの後段の増幅回路を省略することができ、これにより、コスト低下が図られる。
【0020】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタもしくはハイパスフィルタは、それらの周波数特性を可変するために当該フィルタ回路を構成する抵抗値を可変する可変手段を備え、運転状態や負荷状態に応じて周波数特性を可変にすることが好ましい。
【0021】
例えば、図10に示すバンドパスフィルタ回路60において、運転状態や負荷状態に応じて複数のスイッチ手段60bをオンあるいはオフとすることにより、複数の抵抗60aの合成抵抗値の大きさが可変し、そのフィルタ周波数特性が可変される。
【0022】
また、図11に示すローパスフィルタ回路70や図12に示すハイパスフィルタ回路80についても、バンドパスフィルタ回路60と同じく周波数特性が当該運転状態や負荷状態に応じて可変される。
【0023】
上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を検出する際、その位置検出位相を所定の位相補正値で補正し、この補正した位置検出をもとにしてステータ巻線の通電を切り替えることが好ましい。
【0024】
上記位相補正値は、モータ電流あるいはモータ運転状態ごとに各回転数に応じて設定された値(例えば表1のテーブル)としてメモリに記憶されるか、あるいはそのモータ電流と回転数を変数とする近似式を用いて算出するとよい。
【0025】
これにより、上記位相補正を行う制御回路のマイクロコンピュータの動作負担が大きくならず、安価なマイクロコンピュータ(比較的的遅い動作のCPU)で済ませられる。また、モータ電流を用いず、モータ運転状態を用いることにより、電流検出回路の分低コスト化が図られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1ないし図13を参照して詳しく説明する。なお、図中、図14と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0027】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る制御装置は、図14のローパスフィルタ5に代えてバンドパスフィルタ(BPF;帯域通過フィルタ)10を備えており、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の差電圧をBPF10に通して位置検出に不必要な信号(高次高調波および基本波)を除去し、必要な信号成分のみを検出した後に増幅し、コンパレータでデジタル信号の位置検出信号を得ている。
【0028】
図2に示すように、BPF10は、単一増幅器で実現するためにオペアンプ10a、抵抗R1,R2,R3および同一静電容量のコンデンサC1,C2からなり、2次の多重帰還型帯域通過フィルタとして構成されている。
【0029】
例えば、帯域通過利得Ho、回路利得Q、中心周波数ωo=2πfが与えられると、抵抗R1,R2,R3は、R1=Q/(Ho・ωo・C)、R2=Q/(2・(Qの2乗)−Ho)・ωo・C)、R3=2・Q/ωo・Cで決められる。その通過帯域は、少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)付近の周波数帯域であり、3次高調波よりも低い周波数をカットし、また、3次高調波よりも高い周波数をカットする。
【0030】
このBPF10を用いることにより、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との電圧差の信号は3次高調波より高い領域の信号などが除去され、それよりも低い領域の信号などが除去されたものとなり、少なくとも必要とする3次高調波を含む信号とされる。したがって、位置検出の精度が向上し、広い運転範囲での位置検出が可能となる。
【0031】
また、BPF10の回路構成が1つのオペアンプ10a、抵抗R1,R2,R3およびコンデンサC1,C2で済むことから、位置検出回路の低コスト化が図れる。なお、例えばモータインダクタンスが小さく、位置検出に必要なゲインが固定でよい場合には、あらかじめそのゲインを考慮してBPF10を設計すれば、後段の増幅回路6を省略し、低コスト化を図ることもできる。
【0032】
また、コンデンサC1,C2を同じ静電容量にすることにより、部品の共通化によってコストが下げられる。なお、周波数特性は、抵抗R1,R2,R3によって調整できる。
【0033】
図3ないし図5は、本発明の第2実施形態に係る制御装置を示す概略的なブロック線図である。なお、図中、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
図3において、この制御装置においては、上記第1実施形態のBPF10に代えて、ローパスフィルタ(LPF)20およびハイパスフィルタ(HPF)21を用い、このLPF20およびHPF21は、それぞれBPF10の通過帯域を含む回路構成とする。
【0035】
図4に示すように、LPF20は、非反転オペアンプ20a,20b、抵抗R4,R5およびコンデンサC3,C4を含む公知の2次のVCVS(電圧制御源)型フィルタからなる。また、HPF21も、図5に示すように、非反転オペアンプ21a、抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7を含む公知の2次の多重帰還型フィルタからなる。
【0036】
LPF20およびHPF21は、上記第1実施形態のBPF10と同じ機能となるように、各抵抗R4,R5およびC3,C4を決定し、また、各抵抗R6,R7およびコンデンサC5,C6,C7を決定する。
【0037】
この決定に際し、高領域のカットについては当然従来のローパスフィルタ5と同じとし、低領域のカットについては少なくとも3次高調波(基本波の3倍の高調波)よりも低い周波数とすることを考慮する。
【0038】
なお、この第2実施形態においても、例えばモータインダクタンスが小さく、位置検出に必要なゲインが固定でよい場合には、あらかじめそのゲインを考慮してLPF20、HPL21を設計すれば、後段の増幅回路6を省略てせき、低コスト化を図ることもできる。
【0039】
また、抵抗R4,R5、抵抗R6,R7によって周波数特性を調整することができるため、コンデンサC3,C4、コンデンサC5,C6,C7をそれぞれ同じ静電容量としてもよく、そうすることにより、部品の共通化によってコストが下げられる。
【0040】
図6および図7は、本発明の第3実施形態に係る制御装置を示す概略的なブロック線図である。なお、図中、図1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0041】
図6に示すように、この制御装置は、仮想中性点とモータ中性点とが入力され、モータの通電切り替えによるサージ電圧を抑制した差電圧を得るためのサージ電圧抑制回路30と、このサージ電圧抑制部30からの差電圧信号をBPF10に入力可能とするためのインピーダンス変換部31とを備えている。
【0042】
図7に示すように、サージ電圧抑制部30は、仮想中性点とモータ中性点との間に接続される抵抗30aおよびコンデンサ30bの直列回路よりなる。この場合、仮想中性点電圧側に抵抗30aが接続され、モータ中性点電圧側に所定静電容量のコンデンサ30bが接続される。
【0043】
インピーダンス変換部31は、オペンアンプを用いたボルテージフォロワ回路であり、サージ電圧抑制部30からの差電圧の信号を低インピーダンスとし、BPF10に入力する。
【0044】
これにより、モータの通電切り替え時に瞬間的な過電圧(サージ電圧など)が発生しても、その過電圧がコンデンサ30bによって低減され、また、BPF10の入力信号が低インピーダンスとされるため、BPF10への悪影響が抑えられる。
【0045】
図8は、上記第3の実施形態の変形例で、制御装置のサージ電圧制御部を示す概略的な回路図である。なお、図中、図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0046】
図8において、この変形例に係るサージ電圧抑制部40は、仮想中性点とモータ中性点との間にコンデンサ40cのみを挿入し、モータ中性点電圧を所定容量のコンデンサ40cに接続してなる。これにより、抵抗30a分だけコスト低下が望める。
【0047】
図9は、本発明の第4実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置においては、上記実施形態で説明した固定ゲインの増幅回路6に代えて、フィルタ(BPF10あるいはHPF21)の出力ゲインを調整するゲイン調整回路50と、ゲイン調整回路50を制御してフィルタの出力信号のゲインを可変とするマイクロコンピュータ51とを備えている。
【0048】
ゲイン調整回路50は、オペアンプ50aを用いた一般的な非反転増幅回路であり、反転入力側抵抗50bと、その負帰還抵抗としての抵抗50cおよびスイッチ手段50dの直列回路を複数個並列に接続した抵抗回路とを備えてなる。また、スイッチ手段50dはアナログスイッチやトランジスタなどであってよく、マイクロコンピュータ51からの制御信号によりオン、オフする。この場合、非反転増幅回路のゲインGは抵抗回路の抵抗値(負帰還抵抗の値)により決定される。
【0049】
したがって、スイッチ手段50dのオン数あるいはオフ数により、ゲイン調整回路50のゲインGを変えることができる。特に、空気調和機のコンプレッサなどのモータに適用する場合、その運転周波数、またはモータ負荷トルクに応じてそのゲインを可変するとよい。これにより、運転周波数が高範囲に渡る場合でも、モータ位置検出が適切に行われる。
【0050】
図10は、本発明の第5実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。なお、図中、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略するが、この制御装置は、上記BPF10に代えて、周波数特性の可変機能を付加したバンドパスフィルタ回路60を備えている。
【0051】
バンドパスフィルタ回路60は、上記BPF10を構成する抵抗R2に代えて、抵抗60aおよびスイッチ手段60bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路を用いてなる。また、スイッチ手段60bはアナログスイッチやトランジスタなどであり、マイクロコンピュータ61からの制御信号によりオン、オフする。
【0052】
この場合においても、スイッチ手段60bのオン数あるいはオフ数により、抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変するため、バンドパスフィルタ回路60のフィルタ周波数特性が変化する。
【0053】
図11は、本発明の第6実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置は、上記LPFおよびHPFを組合わせた実施形態のLPF20に代えて、周波数特性の可変機能を付加したローパスフィルタ回路70を備えている。
【0054】
このローパスフィルタ回路70は、上記LPF20を構成する抵抗R4,R5に代えて、抵抗70aおよびスイッチ手段70bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路と、抵抗70cおよびスイッチ手段70dを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路とを用いてなる。
【0055】
また、スイッチ手段70b,70dは、アナログスイッチやトランジスタスイッチなどであってよく、マイクロコンピュータ71からの制御信号によりオン、オフする。この場合においても、スイッチ手段70b,70dのオン数あるいはオフ数により、それら抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変し、そのローパスフィルタ回路70のフィルタ周波数特性が変化する。
【0056】
図12は、本発明の第7実施形態に係る制御装置の概略的な部分回路構成図である。この制御装置は、上述した実施形態のLPFおよびHPFを組合わせたフィルタのHPF21に代えて、周波数特性の可変機能を付加したハイパスフィルタ回路80を備えている。
【0057】
このローパスフィルタ回路80は、上記HPF21を構成する抵抗R6,R7に代えて、抵抗80aおよびスイッチ手段80bを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路と、抵抗80cおよびスイッチ手段80dを直列に接続し、これを複数個並列に接続した抵抗回路とを用いてなる。また、スイッチ手段80b,80dは、アナログスイッチやトランジスタスイッチなどであってよく、マイクロコンピュータ81からの制御信号によりオン、オフする。
【0058】
この場合においても、スイッチ手段80b,80dのオン数あるいはオフ数により、それら抵抗回路の合成抵抗値の大きさが可変し、そのローパスフィルタ回路80のフィルタ周波数特性が変化する。
【0059】
上記第5実施形態あるいは第6実施形態もしくは第7実施形態においては、運転周波数や負荷トルクに応じた周波数特性が得られることから、特に空気調和機などの広い運転範囲に適用することができる。
【0060】
なお、上述した位置検出方式によると、位置検出信号は3次高調波成分が基本となるが、位相がずれていることから、その位相を補正する必要がある。本発明において、その位相の補正値は、下記表1に示すように、予め運転状態ごとにモータ回転数に応じて設定してテーブル形式でメモリに記憶されている。
【0061】
【表1】
【0062】
表1において、運転モードとは、例えば空気調和機に適用した場合リモコンからの指示であり、運転冷房運転、暖房運転、除湿運転や送風運転などをいう。なお、上記位相補正値は、上述した実施形態のマイクロコンピュータ8,51,61,71,81の内部メモリに記憶すればよい。
【0063】
これにより、モータ電流を検出しなくともよく、低コストが図れる。また、この位相補正値はモータ電流とモータ回転数により設定してメモリに記憶するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記位相の補正値は、電流、回転数を変数とする近似式を予め得ておき、その都度近似式を用いて求めるようにしてもよい。この場合、近似式を用いることにより、マイクロコンピュータの計算負担が軽くて済み、マイクロコンピュータが安価なものでよい。
【0065】
ここで、図13に示すルーチンを用いて本発明の位置検出動作を簡単に説明する。まず、マイクロコンピュータ8,51,61,71,81は当該モータを搭載している機器の現運転モードを認識し(ステップST1)、モータ回転数fを検出する(ステップST2)。なお、そのモータ回転数fは位置検出信号をもとに算出する。
【0066】
続いて、上記表1を参照し、現運転モードおよび回転数fに応じた位相補正値θ11,…,θNnを求める(ステップST3,ST4,ST5)。その求めた位相補正値を現位置検出信号の位相に加算し、この加算結果を真の位置検出位相θとし(ステップST6)、つまり当該ロータの位置を推定を行う。
【0067】
続いて、真の位置検出位相θに基づいてモータ通電切り替えの電圧点弧角位相を決定するが(ステップST7)、電圧点弧角ψは予め設定した下記表2を参照して決定し、この電圧点弧角ψを位相検出位相θに加味して電圧点弧角位相を得る。
【0068】
【表2】
【0069】
なお、表2は上記表1と同様に、予め運転モード毎に回転数fに応じて電圧点弧角ψ11,…,ψnNを求めてテーブル形式でメモリに記憶しておく。続いて、上記電圧点弧角位相に従うPWM波形を生成し、このPWM波形により回転制御に必要な三相交流の電圧を得るための駆動信号をドライバ回路9に出力し、電力変換回路2を駆動する(ステップST8)。これにより、ロータ位置検出が適切に得られ、この位置検出によりモータ巻線の通電が最適に切り替えられる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、永久磁石電動機のステータ巻線のスター結線と並列に接続した抵抗による仮想中性点電圧とそのステータ巻線の中性点電圧(モータ中性点電圧)との差電圧によりロータ位置を推定して永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、その差電圧をバンドパスフィルタに通し、バンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことにより、従来のローパスフィルタと同様にロータ位置検出に必要な信号を通すだけなく、ステータ巻線の誘起電圧波形の基本波を除去して位置検出にのみ必要な信号(3次高調波成分)が得られ、広い運転範囲においてロータ位置検出の高精度化が図れる。
【0071】
また、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧の間に抵抗およびコンデンサあるいはコンデンサを介在させて同仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出し、この差電圧の信号をインピーダンス変換してバンドパスフィルタに通し、このバンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定することにより、モータ巻線の通電切り替え時の瞬間的な過電圧(サージ電圧)が抑制され、また、その差電圧の信号がバンドパスフィルタに入力可能な低インピーダンスとされるため、バンドパスフィルタの周波数特性などへの悪影響が抑えられ、ロータ位置検出がより高精度なものとなるという効果がある。
【0072】
さらに、上記仮想中性点電圧とモータ中性点電圧との差電圧を検出した後に、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタに通し、そのフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことにより、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを上記バンドパスフィルタの帯域通過と同じとすれば、上述と同じ効果が得られ、しかも各フィルタの周波数特性が制御し易く、またゲインやバンド(帯域通過)幅の調整がし易いという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第1実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図2】上記第1実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図3】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第2実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図4】上記第2実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図5】上記第2実施形態における位置検出回路を説明する概略的な部分回路図。
【図6】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第3実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図7】上記第3実施形態の制御装置を説明するための概略的な部分回路図。
【図8】上記第3実施形態の変形例を示す概略的な部分回路図。
【図9】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第4実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図10】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第5実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図11】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第6実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図12】本発明による永久磁石電動機の制御装置の第7実施形態を示す概略的なブロック線図。
【図13】本発明による制御装置の動作を説明する概略的なフローチャート。
【図14】従来のモータの制御装置を説明するための概略的なブロック線図。
【符号の説明】
1 直流電源
2 電力変換回路
3 永久磁石電動機
4 抵抗回路
6 増幅回路
7 コンパレータ回路
8,51,61,71,81 制御回路
10a,20a,20b,21a,31a,50a オペアンプ
20 ローパスフィルタ
21 ハイパスフィルタ
30,40 サージ電圧抑制部
3b,40a コンデンサ
30a,50b,50c,60a,70a,70c,80a,80c 抵抗
31 インピーダンス変換部
50 ゲイン調整回路
50d,60b,70b,70d,80b,80d スイッチ手段
60 バンドパスフィルタ回路
70 ローパスフィルタ回路
80 ハイパスフィルタ回路
C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7 コンデンサ
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7 抵抗
Claims (11)
- 永久磁石電動機が備えるステータの巻線と並列に接続した抵抗によって仮想中性点電圧を得るとともに、上記仮想中性点電圧と上記ステータ巻線の中性点電圧との差電圧によりロータ位置を推定して上記永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、
上記仮想中性点電圧と上記中性点電圧との差電圧を検出し、その差電圧をバンドパスフィルタに通し、上記バンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。 - 永久磁石電動機が備えるステータの巻線と並列に接続した抵抗によって仮想中性点電圧を得るとともに、上記仮想中性点電圧と上記ステータ巻線の中性点電圧との差電圧によりロータ位置を推定して上記永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、
上記仮想中性点電圧と上記中性点電圧の間に、抵抗およびコンデンサあるいはコンデンサのみを介在させて、上記仮想中性点電圧と上記中性点電圧との差電圧を検出し、該差電圧の信号をインピーダンス変換してバンドパスフィルタに通し、該バンドパスフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。 - 上記バンドパスフィルタは、高次の多重帰還型の回路構成としてなり、上記多重帰還型回路を構成するコンデンサをともに同じ静電容量とし、上記多重帰還型回路の抵抗によって所定の周波数特性を得るようにした請求項1または2に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 永久磁石電動機が備えるステータの巻線と並列に接続した抵抗によって仮想中性点電圧を得るとともに、上記仮想中性点電圧と上記ステータ巻線の中性点電圧との差電圧によりロータ位置を推定して上記永久磁石電動機の通電を切り替える永久磁石電動機の制御装置において、
上記仮想中性点電圧と上記中性点電圧との差電圧を検出し、その差電圧をローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタに通し、該フィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を推定するようにしたことを特徴とする永久磁石電動機の制御装置。 - 上記ローパスフィルタおよび上記ハイパスフィルタは、高次の多重帰還型帯域通過フィルタあるいはVCVS(電圧制御源)型フィルタの特定回路構成としてなり、上記特定回路を構成するコンデンサをともに同じ静電容量とし、上記特定回路を構成する抵抗によって所定の周波数特性を得るようにした請求項4に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記高次のバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタは、上記永久磁石電動機のステータ巻線の誘起電圧に含まれている少なくとも3次高調波成分を通す帯域としてなる請求項3または5に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通して得た差電圧の信号は、増幅回路で所定レベルに調整され、上記増幅回路は固定ゲインとし、あるいはゲイン調整機能を付加してなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタもしくはハイパスフィルタは、所定のゲイン調整機能を備えており、これにより上記バンドパスフィルタあるいはハイパスフィルタの後段の増幅回路を省略するようにした請求項1ないし6のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記バンドパスフィルタ,ローパスフィルタもしくはハイパスフィルタは、それらの周波数特性を可変とするために当該フィルタ回路を構成する抵抗値を可変する可変手段を備え、運転状態や負荷状態に応じて周波数特性を可変するようにした請求項1ないし6のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記バンドパスフィルタあるいはローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせたフィルタを通った差電圧の信号によりロータ位置を検出する際、その位置検出位相を所定の位相補正値で補正し、該補正した位置検出をもとにして上記ステータ巻線の通電を切り替えるようにした請求項1ないし9のいずれか1項に記載の永久磁石電動機の制御装置。
- 上記位相補正値は、モータ電流あるいはモータ運転状態ごとに各回転数に応じて設定された値としてメモリに記憶され、あるいはモータ電流と回転数を変数とする近似式を用いて算出するようにした請求項10に記載の永久磁石電動機の制御装置。
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