JP2004096517A - 送受信無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送信電力と受信電力とを1つの回路構成により制御しうるものであって、送信時に不要な電波を輻射させず、受信時の通話品質を確保することを可能とする送受信無線装置を提供する。
【解決手段】かかる課題を解決するために、本発明の送受信無線装置は、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】かかる課題を解決するために、本発明の送受信無線装置は、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送受信無線装置に関し、例えば、送信信号と受信信号とを交互に通信する時分割デュープレックス方式(TDD方式:Time DivitionDuplex。TDD方式を「ピンポン伝送方式」ともいう。)を採用した無線通信システムにおいて、基地局が備える送受信無線装置に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特開平2001−177423号公報
【0004】
【特許文献2】特開平11−331926号公報
【0005】
【特許文献3】特開平6−303154号公報
【0006】
【特許文献4】特開平8−237160号公報
例えば、簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handyphone System)は、変調方式としてπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用いており、アクセス方式として時分割多元接続(TDMA:Time Divition Multiple Access)−TDD方式を用いている。
【0007】
図2は、PHS基地局が備える一般的な送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【0008】
このような構成を有するPHS基地局(BS)と、移動局(PS)との間における通信はTDMA−TDDフレームを用いて行われており、このとき用いられるTDMA−TDDフレームの構成の制限から、1個のPHS基地局が同時に通信しうる移動局の数に限りがあった。
【0009】
従って、ユーザの利用頻度(トラフィック)が多い場所では、そのユーザトラフィックに応じた複数のPHS基地局を隣接させて設置している。
【0010】
しかし、ある一定の範囲内に複数のPHS基地局を隣接設置してしまうと、当該PHS基地局が使用している通信回線と、同時に通信している他のPHS基地局が使用している通信回線との間で干渉が生じてしまうおそれがある。
【0011】
このようなことを防止するために、従来のPHS基地局の送受信無線装置は、通信状況に応じて、送信信号の送信に係る送信電力を制御する送信電力制御装置や、受信信号の受信電力を調整して後段の受信回路へ与える受信電力制御装置を備えることが必要となる。
【0012】
従来、送信電力制御方法については、例えば、上述した特許文献1〜3などのようなものがある。
【0013】
また、受信電力制御方法については、例えば、上述した特許文献4などのようなものがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献の送信電力制御方法又は受信電力制御方法は、送信電力の制御回路と、受信回路へ与える受信電力の制御回路とを別々に備えなければならず、1つの回路として構成することが困難であり、また、あまりにも至近距離で複数のPHS基地局が設置されると、以下のような問題が生じてしまい、送信電力及び受信電力を制御しても通信品質が劣化するというおそれがある。
【0015】
(1)まず、あまりにも互いに至近距離に設置された複数のPHS基地局が、それぞれ同時タイミングでそれぞれ通信を行なうと、同じ時間帯で複数の無線周波数が存在することになる。
【0016】
従って、当該PHS基地局は、送信時に、これら複数の無線周波数を強電界で受信してしまうと、電力増幅器の非線形性に起因する送信相互変調が発生してしまい、アンテナ部から空中に不要な周波数成分を輻射して、他のPHS基地局において除去が困難な妨害波を放出してしまうというおそれがある。
【0017】
また、当該PHS基地局は、受信時に、至近距離に設置された複数の他の移動局(PS)が使用する無線周波数を受信してしまうと、LNA(Low Noise Amplifier)やミキサ等の非線形性により相互変調成分が発生してしまい、通信に使用している周波数と重なってしまうと、受信時の通信品質を悪化させてしまうというおそれがある。
【0018】
(2)また、当該PHS基地局が、ある程度距離の離れたある移動局と通信する場合、当該PHS基地局の近くに位置する他のPHS基地局が、他の移動局と通信をしているとき、当該PHS基地局は、他の移動局が使用している電波を強電界で受信してしまう。
【0019】
この場合、当該PHS基地局は、他の移動局が使用する電波の過入力により、LNAやミキサが飽和動作領域となり、感度抑圧効果を受け、復調時に符号誤りを起こす場合がある。
【0020】
これらの問題を解決するためには、一般的に、送信回路の電力増幅器の出力にアイソレータを追加したり、1dBコンプレッションレベルの高い電力増幅器、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサを使用する必要があるが、これらの条件を満たすICの種類も少なくなるため、コストアップや装置性能が制限され、満足の得られる対策方法ではなかった。
【0021】
そのため、受信電力に応じて、送受信電力を1つの回路構成により制御しうるものであって、送信時に不要な電波を輻射させず、受信時の通話品質を確保することを可能とする送受信無線装置が求められている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明の送受信無線装置は、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施形態】
(A)第1の実施形態
本発明に係る送受信無線装置の第1の実施形態について図面を参照して詳説する。
【0024】
第1の実施形態は、変調方式がπ/4シフトQPSK、アクセス方式が時分割多元接続(TDMA)方式−時分割デュープレクス(TDD)方式を採用するPHSにおいて、PHS基地局(BS)が備える送受信無線装置に適用する場合を例として説明する。
【0025】
(A−1)第1の実施形態の構成
図3は、第1の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【0026】
図3に示すように、PHS基地局30の送受信無線装置は、アンテナ部1、ダイバーシチ選択スイッチ2、バンドパスフィルタ3、送受信電力調整部19、LNA5、ミキサ6、バンドパスフィルタ7、ミキサ8、バンドパスフィルタ9、増幅部10、検波回路部11、直交変調器12、増幅部13、ミキサ14、バンドパスフィルタ15、可変利得増幅器16、電力増幅器17、ベースバンド部18とを備える。
【0027】
なお、図3は、図2に示す従来の送受信無線装置の内部構成と対応する構成要素については対応する符号を付している。
【0028】
アンテナ部1は、ダイバーシチアンテナである。
【0029】
ダイバーシチ選択スイッチ2は、アンテナ部1が受信した受信信号の受信レベルに応じてアンテナを切り替える切り替えスイッチである。このダイバーシチ選択スイッチ2の形式は、あらゆる形式を適用することが適用でき、例えば、選択合成や、最大選択合成や、等利得合成等である。
【0030】
バンドパスフィルタ3は、不要な周波数成分を除去するものである。バンドパスフィルタ3は、受信時には、ダイバーシチ選択スイッチ2からの受信信号について不要な周波数成分を除去して、送受信電力調整部19へ与えるものである。また送信時には、送受信電力調整部19からの送信信号について不要な周波数成分を除去してダイバーシチ選択スイッチ2へ与えるものである。
【0031】
送受信電力調整部19は、検波回路部11からの受信レベルに応じて送受信信号の送受信電力を調整するものであって、受信時は、バンドパスフィルタ3から受信信号を受け取り、その受信信号の受信電力を所定の減衰量で減衰して、LNA5へ与えるものであり、また、送信時は、電力増幅器17から送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を所定の減衰量で減衰して、バンドパスフィルタ3へ与えるものである。
【0032】
なお、送受信電力調整部19の内部構成については、後で詳細に説明する。
【0033】
LNA5は、送受信電力調整部19からの受信信号を低雑音で増幅して、ミキサ6へ与えるものである。
【0034】
ミキサ6は、LNA5から受信信号を受け取り、RF周波数を第1中間周波数に変換して、その第1中間周波数をバンドパスフィルタ7へ与えるものである。
【0035】
バンドパスフィルタ7は、ミキサ6から第1中間周波数を受け取り、不要周波数成分を除去して、ミキサ8へ与えるものである。
【0036】
ミキサ8は、バンドパスフィルタ7から受け取った、不要周波数を除去した第1中間周波数を第2中間周波数へ変換して、変換された第2中間周波数をバンドパスフィルタ9へ与えるものである。
【0037】
バンドパスフィルタ9は、ミキサ8からの第2中間周波数の不要な周波数成分を除去して、増幅部10へ与えるものである。
【0038】
増幅部10は、バンドパスフィルタ9から受け取った第2中間周波数を増幅して、その増幅された第2中間周波数をベースバンド部18へ与えるものである。また、増幅部10は、増幅された第2中間周波数を検波回路部11へ与えるものである。
【0039】
検波回路部11は、増幅部10から第2中間周波数を受け取り、検波処理を行なうものである。また、検波回路部11は、測定した第2中間周波数の受信レベルと予め設定された閾値と比較して、その比較結果に基づいた制御信号を送受信電力調整部19に与える。この制御信号は、後述する送受信電力調整部19が有する複数のアッテネータ回路21〜23を選択するスイッチに対する制御信号として意味を持つ。
【0040】
検波回路部11に設定される閾値の数は、送受信電力調整部19が有するアッテネータ回路21〜23の数に対応して設定される。例えば、アッテネータ回路21〜23の数が3個の場合、設定される閾値は2個設定される。また、検波回路部11は、送信時用の閾値と、受信時用の閾値とを有するようにしてもよい。このようにすることで、送信時と受信時との通信状況に応じてより的確な減衰量を選択できる。
【0041】
ベースバンド部18は、受信時には、増幅部10から受け取った増幅信号を受け取り、その信号をベースバンド処理するものである。また、ベースバンド部18は、送信時には、ベースバンド処理された送信信号を、直交変調部器12へ与えるものである。
【0042】
直交変調器12は、ベースバンド部18から送信データを受け取り、その送信データに対して直交変調処理を施し、送信信号を増幅部13へ与えるものである。
【0043】
増幅部13は、直交変調器12から送信信号を受け取り、その送信信号を増幅して、その増幅された送信信号をミキサ14へ与えるものである。
【0044】
ミキサ14は、増幅部13からの送信信号を受け取り、その送信信号を所望のPHS周波数帯(チャネル)に周波数変換して、周波数変換された送信信号をバンドパスフィルタ15へ与えるものである。
【0045】
バンドパスフィルタ15は、ミキサ14から周波数変換された送信信号を受け取り、その不要な周波数成分を除去して、可変利得増幅器16へ与えるものである。
【0046】
可変利得増幅器16は、バンドパスフィルタ15から送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を所定のレベルに調整して、送信電力が調整された送信信号を電力増幅器17へ与えるものである。
【0047】
電力増幅器17は、可変利得増幅器16から送信電力を調整された送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を増幅して、送受信電力調整部19へ与えるものである。
【0048】
次に、図1に示した送受信電力調整部19の内部構成について詳説する。
【0049】
図1に示すように、送受信電力調整部19は、3個のアッテネータ回路21〜23と、アッテネータ回路を切替える選択スイッチ24と、送受信回路を切り替える送受信切替えスイッチ25とを備えるものである。
【0050】
本実施形態では、図1に示すように、送受信切替えスイッチ25が複数のアッテネータ回路21〜23を内蔵する構成を送受信電力調整部19として説明するが、正確にいえば、送受信切替えスイッチ25の前段に複数のアッテネータ回路21〜23を備え、それらアッテネータ回路21〜23の一端が送受信切替えスイッチ25と接続し、アッテネータ回路21〜23の他端が選択スイッチ24と接続しうる構成が送受信電力調整部19である。
【0051】
アテネータ回路21〜23は、送信電力及び受信電力を減衰する回路であり、本実施形態では、電力減衰量が0dB、20dB、40dBとそれぞれ異なる3個のアテネータ回路を備える。勿論、アッテネータ回路の個数や設定する電力減衰量については制限されない。また、アッテネータ回路21〜23は、選択スイッチ24と送受信切替えスイッチ25との切替えにより、所望のアッテネータ回路に切り替えられる。
【0052】
送受信切替えスイッチ25は、送信時と受信時とで時間的に切り替えられるスイッチである。
【0053】
選択スイッチ24は、検波回路部11からの制御信号に基づいて、アッテネータ回路21〜23を選択するものである。この検波回路部11からの制御信号は、上述したように、受信信号の受信レベルに基づく信号である。例えば、検波回路部11において、大小2個の閾値が設定されており、測定した受信レベルが大きい方の閾値以上であるときには、40dBアッテネータ回路23を選択するように選択し、受信レベルが小さい方の閾値以下であるときには、0dBアッテネータ回路21を選択し、受信レベルが大小2個の閾値の間であるときには、20dBアッテネータ回路22を選択するようにする。
【0054】
また、選択スイッチ24は、検波回路部11が測定した1フレーム前の受信信号の受信レベルに基づく制御信号に応じてアッテネータ回路21〜23を切替る。
【0055】
ここで、図4は、一般的なPHSに使用されるTDMA−TDDフレームの構成例を示した構成図である。図4に示すように、TDMA−TDDフレームは、1フレームが5msであり、625μs毎の8個のタイムスロットから構成されており、前半の4個を送信用タイムスロットとし、後半の4個を受信用タイムスロットとしている。
【0056】
従って、選択スイッチ24がアッテネータ回路21〜23の選択に係る受信レベルは、送信電力に対しては2.5ms前の受信レベルであり、受信電力に対しては5ms前の受信レベルである。
【0057】
つまり、検波回路部11は、それぞれ1フレーム前に測定された受信信号の受信レベルを測定し、その受信レベルに応じた制御信号を選択スイッチ24に与えて、アッテネータ回路21〜23を選択している。
【0058】
このように、選択スイッチ24が1フレーム前の受信レベルに応じてアッテネータ回路21〜23を切り替えられるようにしたのは、PHSは、移動局が高速移動をすることを想定していないシステムであり、一般的に低速フェージングであるからである。従って、通信中のPHS基地局の受信レベルは、5ms間で大きく変動することはほとんどなく、また、TDD方式であるので2.5ms毎にピンポン伝送される移動局−PHS基地局間の空間伝搬損失はほぼ等しいことからである。
【0059】
図5は、送受信電力制御回路19の回路構成例を示した構成図である。
【0060】
図5に示すように、送受信電力調整部19は、所定の抵抗器を有するアッテネータ回路と、3つの接続ポートP1〜P3と、5つの制御ポートC1〜C5と、その制御ポートC1〜C5からの制御により接続切り替えをするFET1〜FET5とを備える。
【0061】
図5のおいて、アッテネータ回路21〜23は、それぞれ所定の抵抗器を有するものであり、この抵抗器を通じて電力を減衰させる構成を備えている。本実施形態の場合、各アッテネータ回路21〜23は抵抗器のみを有するので、その両端が入出力端子となり得て、選択スイッチ24(FET1〜FET3に相当)と、送受信切替えスイッチ25(FET4及びFET5)との切替えにより入出力端子のいずれかが決まる。このような構成をとることで、各アッテネータ回路21〜23は送信電力と受信電力とをともに調整することができる。勿論、アッテネータ回路の構成がこのように抵抗器のみに限られることはない。
【0062】
FET1〜FET3は、制御ポートC1〜C3からの制御信号に応じてオンオフをするFETであり、アッテネータ回路21〜23の接続スイッチとして機能する。
【0063】
また、制御ポートC1〜C3は、検波回路部11から制御信号が与えられるポートである。
【0064】
FET4及びFET5は、制御ポートC4又は制御ポートC5から時間的に切り替えられる信号に応じてオンオフするFETであり、アッテネータ回路21〜23の接続スイッチとして機能する。
【0065】
また、制御ポートC4及びC5は、FET4及びFET5を時間的に切替える信号が与えられるポートである。
【0066】
なお、接続ポートP1は、バンドパスフィルタ3との接続ポートであり、接続ポートP2は、受信回路側のLNA5との接続ポートであり、接続ポートp3は、送信回路側の電力増幅器17との接続ポートである。
【0067】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る送受信無線装置の動作について説明する。まず、送受信無線装置の送信電力制御の説明してから受信電力制御の説明をする。
【0068】
なお、通常のPHS基地局が行なう受信処理及び送信処理については、従来のPHS基地局の動作と同様であるので省略する。
【0069】
ベースバンド部18からの送信データが所定の送信処理が行われて、電力増幅器17により、無線通信のために増幅された送信信号が送受信電力調整部19へ与えられる。
【0070】
このとき、送受信切替えスイッチ25は、送信回路側の電力増幅器17と送受信電力調整部19とを接続するように切り替えている。
【0071】
電力増幅器17からの送信信号は、送受信電力調整部19において、所定の減衰量をもって送信電力が減衰されてバンドパスフィルタ3に与えられる。この送信電力が減衰される減衰量は、検波回路部11が測定した受信信号の受信レベルに応じて選択されたものであり、送受信電力調整部19が、それぞれ異なる電力減衰量を予め設定された複数のアッテネータ回路21〜23を有しており、それらの中から選択されたアッテネータ回路のものである。
【0072】
このアッテネータ回路の選択は、検波回路部11が測定した1フレーム前の受信レベルと、予め設定された閾値との比較により決定することができる。勿論、受信レベルに応じて減衰量が決定できれば良く、例えば、可変アッテネータ等によってもよい。
【0073】
また、減衰量の初期設定は、複数のアッテネータ回路21〜23のうちいずれかのものを選択させるようにしてよい。例えば、初期設定としてアッテネータ回路21を選択しておくことができる。
【0074】
送受信電力調整部19からの送信信号は、バンドパスフィルタ3へ与えられ、不要な周波数成分を除去されてアンテナ部1から送信される。
【0075】
次に、受信電力制御について説明する。
【0076】
アンテナ部1により受信された受信信号は、ダイバーシチ選択スイッチ2を介して、バンドパスフィルタ3に与えられる。
【0077】
受信信号は、バンドパスフィルタ3により、不要な周波数成分が除去された後、送受信電力調整部19へ与えられる。
【0078】
バンドパスフィルタ3からの受信信号は、送受信電力調整部19において、所定の減衰量をもって受信電力が減衰され、LNA5へ与えられる。この送受信電力調整部19は、上記送信電力制御の方法と同様にして、受信レベルに応じた制御信号に基づいて、複数のアッテネータ回路21〜23中から1個のアッテネータ回路が選択されて、受信電力が減衰される。
【0079】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上、第1の実施形態によれば、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路21〜23を、送受信切替えスイッチの前段に備えることとしたので、送信電力及び受信電力をともに調整して最適化させることができ、その結果通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0080】
具体的には、送信時に、他のPHS基地局が送信している他チャネルの無線周波数を受信した場合、電力増幅器17の出力端子に入力されるレベルが、アッテネータ回路21〜23により減衰するため、相互変調により発生する電力増幅器17の不要周波数レベルが下がり、通信中の他PHS基地局−移動局間の通信に影響を与えなくなる。また、PHS基地局自身の送信電力の最適化も行えるため、不要に強い電波を送信しなくなるため、他のPHS基地局への干渉確率も低減される。
【0081】
受信時には受信電界強度が高い場合、アッテネータ回路21〜23により受信回路に入力されるレベルを最適化することにより、受信回路に使用されている非線形素子の飽和動作による歪みが抑えられる。また、他PHS基地局−移動局間が使用している周波数の受信による受信回路で発生する、相互変調レベルも低くすることができ、受信性能の改善が可能となる。
【0082】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る送受信無線装置の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0083】
第2の実施形態に係る送受信無線装置は、アンテナ部を切り替えるダイバーシチ選択スイッチの後段に、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路を備えることを特徴とする。
【0084】
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示すブロック図である。
【0085】
なお、図6において、第1の実施形態で説明した構成要件と対応する構成要件については対応する番号を付してあり、これらの機能構成の機能説明については省略する。
【0086】
図6に示すように、送受信電力調整部60は、ダイバーシチ選択スイッチ65と、0dBアッテネータ回路61と、20dBアッテネータ回路62と、40dBアッテネータ回路63と、選択スイッチ64とを備える。
【0087】
本実施形態では、図6に示すように、ダイバーシチ選択スイッチ65が複数のアッテネータ回路61〜63を有する構成を送受信電力調整部60としているが、正確にはダイバーシチ選択スイッチ65の後段に複数のアッテネータ回路61〜63を備え、それらの複数のアッテネータ回路61〜63の一端がダイバーシチ選択スイッチ65と接続しうる構成を送受信電力調整部60とする。
【0088】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、選択スイッチ64が、検波回路部11からの受信レベルに応じた制御信号に基づいて、アッテネータ回路61〜63を選択する。
【0089】
送受信電力調整部60は、受信時に、アンテナ部1から受信信号を受け取り、選択スイッチ64により選択されたアッテネータ回路61〜63により受信信号の受信電力を調整して、その受信電力を調整された受信信号をバンドパスフィルタ3へ与えるものである。このとき、ダイバーシチ選択スイッチ65は、第1の実施形態と同様に、受信信号の受信レベルに応じてダイバーシチを切り替えるものである。
【0090】
また、送受信電力制御回路60は、送信時にバンドパスフィルタ3から送信信号を受け取り、選択スイッチ64によりアッテネータ回路61〜63が選択されて、送信信号の送信電力を調整して、アンテナ部1を介して送信するものである。
【0091】
0dBアッテネータ回路61、20dBアッテネータ回路62、40dBアッテネータ回路63は、それぞれ電力を減衰させる減衰量が0dB、20dB、40dBと予め設定されており、アンテナ部1との接続はダイバーシチ選択スイッチ65により切り替えられ、バンドパスフィルタ3との接続は選択スイッチ64により切り替えられるものである。
【0092】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る送受信無線装置の動作について説明する。
【0093】
アンテナ部1により受信された受信信号は、送受信電力調整部60に与えられる。
【0094】
送受信電力調整部60に与えられた受信信号は、送受信電力調整部60において、検波回路11からの受信レベルに応じた制御信号に基づいて選択スイッチ64により選択されたアッテネータ回路61〜63により受信電力が調整されて、バンドパスフィルタ3へ与えられる。
【0095】
検波回路部11は、第1の実施形態と同様に、1フレーム前の受信信号の受信レベルを測定し、その受信レベルと予め設定された閾値との比較結果に基づいて、制御信号を与える。
【0096】
送受信電力調整部60から受信電力を調整された受信信号は、バンドパスフィルタ3において、不要な周波数成分を除去されて、時間的に切り替えされる送受信切替スイッチ4を介してLNA5へ与えられる。
【0097】
また、送信処理された送信信号は、電力増幅器17により送信電力を増幅されて送受信切替スイッチ64を介してバンドパスフィルタ3へ与えられる。
【0098】
バンドパスフィルタ3へ与えられた送信信号は、不要な周波数成分が除去されて、送受信電力調整部60へ与えられる。
【0099】
バンドパスフィルタ3からの送信信号は、送受信電力調整部60において、選択されたアッテネータ回路61〜63により送信電力が減衰されて、アンテナ部1を介して送信される。
【0100】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上、第2の実施形態によれば、アンテナ選択スイッチが複数のアッテネータを内蔵することにより、第1の実施形態と同様に、PHS基地局の受信レベルに応じて、送信電力及び受信回路に入力されるレベルを調整し最適化することができ、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0101】
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る送受信無線装置の第3の実施形態について説明する。
【0102】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態に係る送受信無線装置は、第1の実施形態に係る送受信電力調整部19と、第2の実施形態に係る送受信電力調整部60とを備える場合の適用である。
【0103】
図7は、第3の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示すブロック図である。
【0104】
図7に示すように、第3の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の送受信共有部は、アンテナ部1と、送受信電力調整部60と、バンドパスフィルタ3と、送受信電力調整部19とを備えるものである。なお、第1及び第2の実施形態で説明した対応する構成については対応する番号を付す。
【0105】
送受信電力調整部19は、第1の実施形態で説明した、複数のアッテネータ回路21〜23を有する送受信切替スイッチである。
【0106】
送受信電力調整部60は、第2の実施形態で説明した、複数のアッテネータ回路61〜63を有するダイバーシチ選択スイッチである。
【0107】
(C−2)第3の実施形態の効果
以上、第3の実施形態に係る送受信無線装置によれば、ダイバーシチ選択スイッチ及び送受信切替スイッチに、それぞれ複数のアッテネータ回路を備えるようにして、受信レベルに応じて送信電力及び受信回路に入力されるレベルを調整し最適化することができ、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0108】
また、ダイバーシチ選択スイッチ及び送受信切替スイッチの両方に、複数のアッテネータ回路を備えることより、送信電力及び受信回路への入力電力を調整する減衰量のダイナミックレンジを広げて使用することができる。
【0109】
(D)他の実施形態
上述した第1〜第3の実施形態で説明した送受信電力調整部19及び60は、PHSに限られることなく、TDD方式を採用する無線通信システムの送受信無線装置に広く適用することができる。例えば、構内送受信無線装置等に適用できる。
【0110】
上述した第1〜第3の実施形態において、送受信電力調整部19及び送受信電力調整部60は、それぞれ電力減衰量が異なる3個のアッテネータ回路を備えることとして説明したが、受信レベルに応じて電力減衰量が変化させることができる可変アッテネータ回路を適用してもよい。この可変アッテネータ回路を用いると、受信レベルに対してより的確な減衰量をもって送受信電力を減衰することができる。
【0111】
また、第1〜第3の実施形態において各アッテネータ回路の減衰量は、構成するπ型アッテネータにより任意に設定でき、またアッテネータの種類は、FETスイッチとπ型アッテネータの数を増やすことにより増やすことが可能である。
【0112】
また、第1〜第3実施形態では、送受信電力を減衰する手段を、抵抗器を有するアッテネータ回路として説明したが、例えば、トランジスタを有するようにしてもよい。また、減衰手段として、マイナス利得の電力増幅器(つまり、通常の利得の場合に比べて小さい利得を適用した増幅器)を適用してもよい。これらの場合、この減衰手段が、送信用の減衰部と受信用の減衰部とを有するようにし、検波回路部11からの制御信号がそれぞれの減衰部を制御して送受信電力を調整するようにしてもよい。
【0113】
さらにまた、第1の実施形態での、図5に示す送受信電力調整部19の回路構成の説明において、各スイッチ部(FET1〜FET5)がFETにより構成されることとして説明したが、これに限られることなく、例えば、PINダイオード、トランジスタ等によって構成されるとしてもよい。
【0114】
さらにまた、第1〜第3の実施形態では、送受信切り替えスイッチや、ダイバーシチ選択スイッチが、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路を備えることとしたが、送受信信号の共通信号経路上に、電力減衰回路が備えていればよい。
【0115】
また、第1〜第3の実施形態に係る送受信電力調整部19及び60を、従来の送信電力制御装置及び又は受信電力制御装置を有する送受信装置が備えるようにしてもよい。すなわち、このような従来の送受信装置が、送受信電力調整部19及び60を備えることにより、2段階の電力制御をすることができる。
【0116】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることにより、送信電力と受信電力とを1つの回路構成により制御することができ、送信時に不要な電波を輻射させず、受信時の通話品質を確保することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【図2】従来基地局の送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【図4】時分割多元接続方式の時分割デュープレックスで使用される送受信フレームの形式を示した説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る送受信電力調整部の回路構成例を示した回路図である。
【図6】第2の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【図7】第3の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
4、25…送受信切替スイッチ、2、65…ダイバーシチ選択スイッチ、
24、64…選択スイッチ19、60…送受信電力調整部、
11…検波回路部、21〜23、61〜63…アッテネータ回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、送受信無線装置に関し、例えば、送信信号と受信信号とを交互に通信する時分割デュープレックス方式(TDD方式:Time DivitionDuplex。TDD方式を「ピンポン伝送方式」ともいう。)を採用した無線通信システムにおいて、基地局が備える送受信無線装置に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特開平2001−177423号公報
【0004】
【特許文献2】特開平11−331926号公報
【0005】
【特許文献3】特開平6−303154号公報
【0006】
【特許文献4】特開平8−237160号公報
例えば、簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handyphone System)は、変調方式としてπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用いており、アクセス方式として時分割多元接続(TDMA:Time Divition Multiple Access)−TDD方式を用いている。
【0007】
図2は、PHS基地局が備える一般的な送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【0008】
このような構成を有するPHS基地局(BS)と、移動局(PS)との間における通信はTDMA−TDDフレームを用いて行われており、このとき用いられるTDMA−TDDフレームの構成の制限から、1個のPHS基地局が同時に通信しうる移動局の数に限りがあった。
【0009】
従って、ユーザの利用頻度(トラフィック)が多い場所では、そのユーザトラフィックに応じた複数のPHS基地局を隣接させて設置している。
【0010】
しかし、ある一定の範囲内に複数のPHS基地局を隣接設置してしまうと、当該PHS基地局が使用している通信回線と、同時に通信している他のPHS基地局が使用している通信回線との間で干渉が生じてしまうおそれがある。
【0011】
このようなことを防止するために、従来のPHS基地局の送受信無線装置は、通信状況に応じて、送信信号の送信に係る送信電力を制御する送信電力制御装置や、受信信号の受信電力を調整して後段の受信回路へ与える受信電力制御装置を備えることが必要となる。
【0012】
従来、送信電力制御方法については、例えば、上述した特許文献1〜3などのようなものがある。
【0013】
また、受信電力制御方法については、例えば、上述した特許文献4などのようなものがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献の送信電力制御方法又は受信電力制御方法は、送信電力の制御回路と、受信回路へ与える受信電力の制御回路とを別々に備えなければならず、1つの回路として構成することが困難であり、また、あまりにも至近距離で複数のPHS基地局が設置されると、以下のような問題が生じてしまい、送信電力及び受信電力を制御しても通信品質が劣化するというおそれがある。
【0015】
(1)まず、あまりにも互いに至近距離に設置された複数のPHS基地局が、それぞれ同時タイミングでそれぞれ通信を行なうと、同じ時間帯で複数の無線周波数が存在することになる。
【0016】
従って、当該PHS基地局は、送信時に、これら複数の無線周波数を強電界で受信してしまうと、電力増幅器の非線形性に起因する送信相互変調が発生してしまい、アンテナ部から空中に不要な周波数成分を輻射して、他のPHS基地局において除去が困難な妨害波を放出してしまうというおそれがある。
【0017】
また、当該PHS基地局は、受信時に、至近距離に設置された複数の他の移動局(PS)が使用する無線周波数を受信してしまうと、LNA(Low Noise Amplifier)やミキサ等の非線形性により相互変調成分が発生してしまい、通信に使用している周波数と重なってしまうと、受信時の通信品質を悪化させてしまうというおそれがある。
【0018】
(2)また、当該PHS基地局が、ある程度距離の離れたある移動局と通信する場合、当該PHS基地局の近くに位置する他のPHS基地局が、他の移動局と通信をしているとき、当該PHS基地局は、他の移動局が使用している電波を強電界で受信してしまう。
【0019】
この場合、当該PHS基地局は、他の移動局が使用する電波の過入力により、LNAやミキサが飽和動作領域となり、感度抑圧効果を受け、復調時に符号誤りを起こす場合がある。
【0020】
これらの問題を解決するためには、一般的に、送信回路の電力増幅器の出力にアイソレータを追加したり、1dBコンプレッションレベルの高い電力増幅器、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサを使用する必要があるが、これらの条件を満たすICの種類も少なくなるため、コストアップや装置性能が制限され、満足の得られる対策方法ではなかった。
【0021】
そのため、受信電力に応じて、送受信電力を1つの回路構成により制御しうるものであって、送信時に不要な電波を輻射させず、受信時の通話品質を確保することを可能とする送受信無線装置が求められている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明の送受信無線装置は、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施形態】
(A)第1の実施形態
本発明に係る送受信無線装置の第1の実施形態について図面を参照して詳説する。
【0024】
第1の実施形態は、変調方式がπ/4シフトQPSK、アクセス方式が時分割多元接続(TDMA)方式−時分割デュープレクス(TDD)方式を採用するPHSにおいて、PHS基地局(BS)が備える送受信無線装置に適用する場合を例として説明する。
【0025】
(A−1)第1の実施形態の構成
図3は、第1の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【0026】
図3に示すように、PHS基地局30の送受信無線装置は、アンテナ部1、ダイバーシチ選択スイッチ2、バンドパスフィルタ3、送受信電力調整部19、LNA5、ミキサ6、バンドパスフィルタ7、ミキサ8、バンドパスフィルタ9、増幅部10、検波回路部11、直交変調器12、増幅部13、ミキサ14、バンドパスフィルタ15、可変利得増幅器16、電力増幅器17、ベースバンド部18とを備える。
【0027】
なお、図3は、図2に示す従来の送受信無線装置の内部構成と対応する構成要素については対応する符号を付している。
【0028】
アンテナ部1は、ダイバーシチアンテナである。
【0029】
ダイバーシチ選択スイッチ2は、アンテナ部1が受信した受信信号の受信レベルに応じてアンテナを切り替える切り替えスイッチである。このダイバーシチ選択スイッチ2の形式は、あらゆる形式を適用することが適用でき、例えば、選択合成や、最大選択合成や、等利得合成等である。
【0030】
バンドパスフィルタ3は、不要な周波数成分を除去するものである。バンドパスフィルタ3は、受信時には、ダイバーシチ選択スイッチ2からの受信信号について不要な周波数成分を除去して、送受信電力調整部19へ与えるものである。また送信時には、送受信電力調整部19からの送信信号について不要な周波数成分を除去してダイバーシチ選択スイッチ2へ与えるものである。
【0031】
送受信電力調整部19は、検波回路部11からの受信レベルに応じて送受信信号の送受信電力を調整するものであって、受信時は、バンドパスフィルタ3から受信信号を受け取り、その受信信号の受信電力を所定の減衰量で減衰して、LNA5へ与えるものであり、また、送信時は、電力増幅器17から送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を所定の減衰量で減衰して、バンドパスフィルタ3へ与えるものである。
【0032】
なお、送受信電力調整部19の内部構成については、後で詳細に説明する。
【0033】
LNA5は、送受信電力調整部19からの受信信号を低雑音で増幅して、ミキサ6へ与えるものである。
【0034】
ミキサ6は、LNA5から受信信号を受け取り、RF周波数を第1中間周波数に変換して、その第1中間周波数をバンドパスフィルタ7へ与えるものである。
【0035】
バンドパスフィルタ7は、ミキサ6から第1中間周波数を受け取り、不要周波数成分を除去して、ミキサ8へ与えるものである。
【0036】
ミキサ8は、バンドパスフィルタ7から受け取った、不要周波数を除去した第1中間周波数を第2中間周波数へ変換して、変換された第2中間周波数をバンドパスフィルタ9へ与えるものである。
【0037】
バンドパスフィルタ9は、ミキサ8からの第2中間周波数の不要な周波数成分を除去して、増幅部10へ与えるものである。
【0038】
増幅部10は、バンドパスフィルタ9から受け取った第2中間周波数を増幅して、その増幅された第2中間周波数をベースバンド部18へ与えるものである。また、増幅部10は、増幅された第2中間周波数を検波回路部11へ与えるものである。
【0039】
検波回路部11は、増幅部10から第2中間周波数を受け取り、検波処理を行なうものである。また、検波回路部11は、測定した第2中間周波数の受信レベルと予め設定された閾値と比較して、その比較結果に基づいた制御信号を送受信電力調整部19に与える。この制御信号は、後述する送受信電力調整部19が有する複数のアッテネータ回路21〜23を選択するスイッチに対する制御信号として意味を持つ。
【0040】
検波回路部11に設定される閾値の数は、送受信電力調整部19が有するアッテネータ回路21〜23の数に対応して設定される。例えば、アッテネータ回路21〜23の数が3個の場合、設定される閾値は2個設定される。また、検波回路部11は、送信時用の閾値と、受信時用の閾値とを有するようにしてもよい。このようにすることで、送信時と受信時との通信状況に応じてより的確な減衰量を選択できる。
【0041】
ベースバンド部18は、受信時には、増幅部10から受け取った増幅信号を受け取り、その信号をベースバンド処理するものである。また、ベースバンド部18は、送信時には、ベースバンド処理された送信信号を、直交変調部器12へ与えるものである。
【0042】
直交変調器12は、ベースバンド部18から送信データを受け取り、その送信データに対して直交変調処理を施し、送信信号を増幅部13へ与えるものである。
【0043】
増幅部13は、直交変調器12から送信信号を受け取り、その送信信号を増幅して、その増幅された送信信号をミキサ14へ与えるものである。
【0044】
ミキサ14は、増幅部13からの送信信号を受け取り、その送信信号を所望のPHS周波数帯(チャネル)に周波数変換して、周波数変換された送信信号をバンドパスフィルタ15へ与えるものである。
【0045】
バンドパスフィルタ15は、ミキサ14から周波数変換された送信信号を受け取り、その不要な周波数成分を除去して、可変利得増幅器16へ与えるものである。
【0046】
可変利得増幅器16は、バンドパスフィルタ15から送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を所定のレベルに調整して、送信電力が調整された送信信号を電力増幅器17へ与えるものである。
【0047】
電力増幅器17は、可変利得増幅器16から送信電力を調整された送信信号を受け取り、その送信信号の送信電力を増幅して、送受信電力調整部19へ与えるものである。
【0048】
次に、図1に示した送受信電力調整部19の内部構成について詳説する。
【0049】
図1に示すように、送受信電力調整部19は、3個のアッテネータ回路21〜23と、アッテネータ回路を切替える選択スイッチ24と、送受信回路を切り替える送受信切替えスイッチ25とを備えるものである。
【0050】
本実施形態では、図1に示すように、送受信切替えスイッチ25が複数のアッテネータ回路21〜23を内蔵する構成を送受信電力調整部19として説明するが、正確にいえば、送受信切替えスイッチ25の前段に複数のアッテネータ回路21〜23を備え、それらアッテネータ回路21〜23の一端が送受信切替えスイッチ25と接続し、アッテネータ回路21〜23の他端が選択スイッチ24と接続しうる構成が送受信電力調整部19である。
【0051】
アテネータ回路21〜23は、送信電力及び受信電力を減衰する回路であり、本実施形態では、電力減衰量が0dB、20dB、40dBとそれぞれ異なる3個のアテネータ回路を備える。勿論、アッテネータ回路の個数や設定する電力減衰量については制限されない。また、アッテネータ回路21〜23は、選択スイッチ24と送受信切替えスイッチ25との切替えにより、所望のアッテネータ回路に切り替えられる。
【0052】
送受信切替えスイッチ25は、送信時と受信時とで時間的に切り替えられるスイッチである。
【0053】
選択スイッチ24は、検波回路部11からの制御信号に基づいて、アッテネータ回路21〜23を選択するものである。この検波回路部11からの制御信号は、上述したように、受信信号の受信レベルに基づく信号である。例えば、検波回路部11において、大小2個の閾値が設定されており、測定した受信レベルが大きい方の閾値以上であるときには、40dBアッテネータ回路23を選択するように選択し、受信レベルが小さい方の閾値以下であるときには、0dBアッテネータ回路21を選択し、受信レベルが大小2個の閾値の間であるときには、20dBアッテネータ回路22を選択するようにする。
【0054】
また、選択スイッチ24は、検波回路部11が測定した1フレーム前の受信信号の受信レベルに基づく制御信号に応じてアッテネータ回路21〜23を切替る。
【0055】
ここで、図4は、一般的なPHSに使用されるTDMA−TDDフレームの構成例を示した構成図である。図4に示すように、TDMA−TDDフレームは、1フレームが5msであり、625μs毎の8個のタイムスロットから構成されており、前半の4個を送信用タイムスロットとし、後半の4個を受信用タイムスロットとしている。
【0056】
従って、選択スイッチ24がアッテネータ回路21〜23の選択に係る受信レベルは、送信電力に対しては2.5ms前の受信レベルであり、受信電力に対しては5ms前の受信レベルである。
【0057】
つまり、検波回路部11は、それぞれ1フレーム前に測定された受信信号の受信レベルを測定し、その受信レベルに応じた制御信号を選択スイッチ24に与えて、アッテネータ回路21〜23を選択している。
【0058】
このように、選択スイッチ24が1フレーム前の受信レベルに応じてアッテネータ回路21〜23を切り替えられるようにしたのは、PHSは、移動局が高速移動をすることを想定していないシステムであり、一般的に低速フェージングであるからである。従って、通信中のPHS基地局の受信レベルは、5ms間で大きく変動することはほとんどなく、また、TDD方式であるので2.5ms毎にピンポン伝送される移動局−PHS基地局間の空間伝搬損失はほぼ等しいことからである。
【0059】
図5は、送受信電力制御回路19の回路構成例を示した構成図である。
【0060】
図5に示すように、送受信電力調整部19は、所定の抵抗器を有するアッテネータ回路と、3つの接続ポートP1〜P3と、5つの制御ポートC1〜C5と、その制御ポートC1〜C5からの制御により接続切り替えをするFET1〜FET5とを備える。
【0061】
図5のおいて、アッテネータ回路21〜23は、それぞれ所定の抵抗器を有するものであり、この抵抗器を通じて電力を減衰させる構成を備えている。本実施形態の場合、各アッテネータ回路21〜23は抵抗器のみを有するので、その両端が入出力端子となり得て、選択スイッチ24(FET1〜FET3に相当)と、送受信切替えスイッチ25(FET4及びFET5)との切替えにより入出力端子のいずれかが決まる。このような構成をとることで、各アッテネータ回路21〜23は送信電力と受信電力とをともに調整することができる。勿論、アッテネータ回路の構成がこのように抵抗器のみに限られることはない。
【0062】
FET1〜FET3は、制御ポートC1〜C3からの制御信号に応じてオンオフをするFETであり、アッテネータ回路21〜23の接続スイッチとして機能する。
【0063】
また、制御ポートC1〜C3は、検波回路部11から制御信号が与えられるポートである。
【0064】
FET4及びFET5は、制御ポートC4又は制御ポートC5から時間的に切り替えられる信号に応じてオンオフするFETであり、アッテネータ回路21〜23の接続スイッチとして機能する。
【0065】
また、制御ポートC4及びC5は、FET4及びFET5を時間的に切替える信号が与えられるポートである。
【0066】
なお、接続ポートP1は、バンドパスフィルタ3との接続ポートであり、接続ポートP2は、受信回路側のLNA5との接続ポートであり、接続ポートp3は、送信回路側の電力増幅器17との接続ポートである。
【0067】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る送受信無線装置の動作について説明する。まず、送受信無線装置の送信電力制御の説明してから受信電力制御の説明をする。
【0068】
なお、通常のPHS基地局が行なう受信処理及び送信処理については、従来のPHS基地局の動作と同様であるので省略する。
【0069】
ベースバンド部18からの送信データが所定の送信処理が行われて、電力増幅器17により、無線通信のために増幅された送信信号が送受信電力調整部19へ与えられる。
【0070】
このとき、送受信切替えスイッチ25は、送信回路側の電力増幅器17と送受信電力調整部19とを接続するように切り替えている。
【0071】
電力増幅器17からの送信信号は、送受信電力調整部19において、所定の減衰量をもって送信電力が減衰されてバンドパスフィルタ3に与えられる。この送信電力が減衰される減衰量は、検波回路部11が測定した受信信号の受信レベルに応じて選択されたものであり、送受信電力調整部19が、それぞれ異なる電力減衰量を予め設定された複数のアッテネータ回路21〜23を有しており、それらの中から選択されたアッテネータ回路のものである。
【0072】
このアッテネータ回路の選択は、検波回路部11が測定した1フレーム前の受信レベルと、予め設定された閾値との比較により決定することができる。勿論、受信レベルに応じて減衰量が決定できれば良く、例えば、可変アッテネータ等によってもよい。
【0073】
また、減衰量の初期設定は、複数のアッテネータ回路21〜23のうちいずれかのものを選択させるようにしてよい。例えば、初期設定としてアッテネータ回路21を選択しておくことができる。
【0074】
送受信電力調整部19からの送信信号は、バンドパスフィルタ3へ与えられ、不要な周波数成分を除去されてアンテナ部1から送信される。
【0075】
次に、受信電力制御について説明する。
【0076】
アンテナ部1により受信された受信信号は、ダイバーシチ選択スイッチ2を介して、バンドパスフィルタ3に与えられる。
【0077】
受信信号は、バンドパスフィルタ3により、不要な周波数成分が除去された後、送受信電力調整部19へ与えられる。
【0078】
バンドパスフィルタ3からの受信信号は、送受信電力調整部19において、所定の減衰量をもって受信電力が減衰され、LNA5へ与えられる。この送受信電力調整部19は、上記送信電力制御の方法と同様にして、受信レベルに応じた制御信号に基づいて、複数のアッテネータ回路21〜23中から1個のアッテネータ回路が選択されて、受信電力が減衰される。
【0079】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上、第1の実施形態によれば、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路21〜23を、送受信切替えスイッチの前段に備えることとしたので、送信電力及び受信電力をともに調整して最適化させることができ、その結果通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0080】
具体的には、送信時に、他のPHS基地局が送信している他チャネルの無線周波数を受信した場合、電力増幅器17の出力端子に入力されるレベルが、アッテネータ回路21〜23により減衰するため、相互変調により発生する電力増幅器17の不要周波数レベルが下がり、通信中の他PHS基地局−移動局間の通信に影響を与えなくなる。また、PHS基地局自身の送信電力の最適化も行えるため、不要に強い電波を送信しなくなるため、他のPHS基地局への干渉確率も低減される。
【0081】
受信時には受信電界強度が高い場合、アッテネータ回路21〜23により受信回路に入力されるレベルを最適化することにより、受信回路に使用されている非線形素子の飽和動作による歪みが抑えられる。また、他PHS基地局−移動局間が使用している周波数の受信による受信回路で発生する、相互変調レベルも低くすることができ、受信性能の改善が可能となる。
【0082】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る送受信無線装置の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0083】
第2の実施形態に係る送受信無線装置は、アンテナ部を切り替えるダイバーシチ選択スイッチの後段に、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路を備えることを特徴とする。
【0084】
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示すブロック図である。
【0085】
なお、図6において、第1の実施形態で説明した構成要件と対応する構成要件については対応する番号を付してあり、これらの機能構成の機能説明については省略する。
【0086】
図6に示すように、送受信電力調整部60は、ダイバーシチ選択スイッチ65と、0dBアッテネータ回路61と、20dBアッテネータ回路62と、40dBアッテネータ回路63と、選択スイッチ64とを備える。
【0087】
本実施形態では、図6に示すように、ダイバーシチ選択スイッチ65が複数のアッテネータ回路61〜63を有する構成を送受信電力調整部60としているが、正確にはダイバーシチ選択スイッチ65の後段に複数のアッテネータ回路61〜63を備え、それらの複数のアッテネータ回路61〜63の一端がダイバーシチ選択スイッチ65と接続しうる構成を送受信電力調整部60とする。
【0088】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、選択スイッチ64が、検波回路部11からの受信レベルに応じた制御信号に基づいて、アッテネータ回路61〜63を選択する。
【0089】
送受信電力調整部60は、受信時に、アンテナ部1から受信信号を受け取り、選択スイッチ64により選択されたアッテネータ回路61〜63により受信信号の受信電力を調整して、その受信電力を調整された受信信号をバンドパスフィルタ3へ与えるものである。このとき、ダイバーシチ選択スイッチ65は、第1の実施形態と同様に、受信信号の受信レベルに応じてダイバーシチを切り替えるものである。
【0090】
また、送受信電力制御回路60は、送信時にバンドパスフィルタ3から送信信号を受け取り、選択スイッチ64によりアッテネータ回路61〜63が選択されて、送信信号の送信電力を調整して、アンテナ部1を介して送信するものである。
【0091】
0dBアッテネータ回路61、20dBアッテネータ回路62、40dBアッテネータ回路63は、それぞれ電力を減衰させる減衰量が0dB、20dB、40dBと予め設定されており、アンテナ部1との接続はダイバーシチ選択スイッチ65により切り替えられ、バンドパスフィルタ3との接続は選択スイッチ64により切り替えられるものである。
【0092】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る送受信無線装置の動作について説明する。
【0093】
アンテナ部1により受信された受信信号は、送受信電力調整部60に与えられる。
【0094】
送受信電力調整部60に与えられた受信信号は、送受信電力調整部60において、検波回路11からの受信レベルに応じた制御信号に基づいて選択スイッチ64により選択されたアッテネータ回路61〜63により受信電力が調整されて、バンドパスフィルタ3へ与えられる。
【0095】
検波回路部11は、第1の実施形態と同様に、1フレーム前の受信信号の受信レベルを測定し、その受信レベルと予め設定された閾値との比較結果に基づいて、制御信号を与える。
【0096】
送受信電力調整部60から受信電力を調整された受信信号は、バンドパスフィルタ3において、不要な周波数成分を除去されて、時間的に切り替えされる送受信切替スイッチ4を介してLNA5へ与えられる。
【0097】
また、送信処理された送信信号は、電力増幅器17により送信電力を増幅されて送受信切替スイッチ64を介してバンドパスフィルタ3へ与えられる。
【0098】
バンドパスフィルタ3へ与えられた送信信号は、不要な周波数成分が除去されて、送受信電力調整部60へ与えられる。
【0099】
バンドパスフィルタ3からの送信信号は、送受信電力調整部60において、選択されたアッテネータ回路61〜63により送信電力が減衰されて、アンテナ部1を介して送信される。
【0100】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上、第2の実施形態によれば、アンテナ選択スイッチが複数のアッテネータを内蔵することにより、第1の実施形態と同様に、PHS基地局の受信レベルに応じて、送信電力及び受信回路に入力されるレベルを調整し最適化することができ、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0101】
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る送受信無線装置の第3の実施形態について説明する。
【0102】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態に係る送受信無線装置は、第1の実施形態に係る送受信電力調整部19と、第2の実施形態に係る送受信電力調整部60とを備える場合の適用である。
【0103】
図7は、第3の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の内部構成を示すブロック図である。
【0104】
図7に示すように、第3の実施形態に係るPHS基地局の送受信無線装置の送受信共有部は、アンテナ部1と、送受信電力調整部60と、バンドパスフィルタ3と、送受信電力調整部19とを備えるものである。なお、第1及び第2の実施形態で説明した対応する構成については対応する番号を付す。
【0105】
送受信電力調整部19は、第1の実施形態で説明した、複数のアッテネータ回路21〜23を有する送受信切替スイッチである。
【0106】
送受信電力調整部60は、第2の実施形態で説明した、複数のアッテネータ回路61〜63を有するダイバーシチ選択スイッチである。
【0107】
(C−2)第3の実施形態の効果
以上、第3の実施形態に係る送受信無線装置によれば、ダイバーシチ選択スイッチ及び送受信切替スイッチに、それぞれ複数のアッテネータ回路を備えるようにして、受信レベルに応じて送信電力及び受信回路に入力されるレベルを調整し最適化することができ、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0108】
また、ダイバーシチ選択スイッチ及び送受信切替スイッチの両方に、複数のアッテネータ回路を備えることより、送信電力及び受信回路への入力電力を調整する減衰量のダイナミックレンジを広げて使用することができる。
【0109】
(D)他の実施形態
上述した第1〜第3の実施形態で説明した送受信電力調整部19及び60は、PHSに限られることなく、TDD方式を採用する無線通信システムの送受信無線装置に広く適用することができる。例えば、構内送受信無線装置等に適用できる。
【0110】
上述した第1〜第3の実施形態において、送受信電力調整部19及び送受信電力調整部60は、それぞれ電力減衰量が異なる3個のアッテネータ回路を備えることとして説明したが、受信レベルに応じて電力減衰量が変化させることができる可変アッテネータ回路を適用してもよい。この可変アッテネータ回路を用いると、受信レベルに対してより的確な減衰量をもって送受信電力を減衰することができる。
【0111】
また、第1〜第3の実施形態において各アッテネータ回路の減衰量は、構成するπ型アッテネータにより任意に設定でき、またアッテネータの種類は、FETスイッチとπ型アッテネータの数を増やすことにより増やすことが可能である。
【0112】
また、第1〜第3実施形態では、送受信電力を減衰する手段を、抵抗器を有するアッテネータ回路として説明したが、例えば、トランジスタを有するようにしてもよい。また、減衰手段として、マイナス利得の電力増幅器(つまり、通常の利得の場合に比べて小さい利得を適用した増幅器)を適用してもよい。これらの場合、この減衰手段が、送信用の減衰部と受信用の減衰部とを有するようにし、検波回路部11からの制御信号がそれぞれの減衰部を制御して送受信電力を調整するようにしてもよい。
【0113】
さらにまた、第1の実施形態での、図5に示す送受信電力調整部19の回路構成の説明において、各スイッチ部(FET1〜FET5)がFETにより構成されることとして説明したが、これに限られることなく、例えば、PINダイオード、トランジスタ等によって構成されるとしてもよい。
【0114】
さらにまた、第1〜第3の実施形態では、送受信切り替えスイッチや、ダイバーシチ選択スイッチが、受信レベルに応じた電力減衰量をもって減衰するアッテネータ回路を備えることとしたが、送受信信号の共通信号経路上に、電力減衰回路が備えていればよい。
【0115】
また、第1〜第3の実施形態に係る送受信電力調整部19及び60を、従来の送信電力制御装置及び又は受信電力制御装置を有する送受信装置が備えるようにしてもよい。すなわち、このような従来の送受信装置が、送受信電力調整部19及び60を備えることにより、2段階の電力制御をすることができる。
【0116】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることにより、送信電力と受信電力とを1つの回路構成により制御することができ、送信時に不要な電波を輻射させず、受信時の通話品質を確保することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【図2】従来基地局の送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る送受信無線装置の内部構成を示したブロック図である。
【図4】時分割多元接続方式の時分割デュープレックスで使用される送受信フレームの形式を示した説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る送受信電力調整部の回路構成例を示した回路図である。
【図6】第2の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【図7】第3の実施形態に係る送受信無線装置の送受信信号の共通経路上の内部構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
4、25…送受信切替スイッチ、2、65…ダイバーシチ選択スイッチ、
24、64…選択スイッチ19、60…送受信電力調整部、
11…検波回路部、21〜23、61〜63…アッテネータ回路。
Claims (4)
- ピンポン伝送方式に対応する送受信無線装置において、
送受信信号の共通経路上に設けられ、受信レベルに応じて送信電力又は受信電力を制御する可変利得制御手段を備えることを特徴とする送受信無線装置。 - 上記可変利得制御手段が、1フレーム前の受信信号の受信レベルに応じた減衰量で送信電力又は受信電力を減衰するアッテネータであることを特徴とする請求項1に記載の送受信無線装置。
- 上記可変利得制御手段が、送信回路と受信回路とを時間的に切り替える送受信切替えスイッチに接続し、上記可変利得制御回路は、送信時は、上記送受信切替えスイッチを介して送信回路から受け取った送信信号の送信電力を制御しアンテナに与え、受信時は、アンテナから受信信号を受け取り、その受信電力を制御した受信信号を上記送受信切替えスイッチを介して受信回路に与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の送受信無線装置。
- 上記可変利得制御手段が、アンテナを切り替えるアンテナ切替えスイッチと接続し、上記可変利得制御手段は、送信時は、送信回路から受け取った送信信号の送信電力を制御して上記アンテナ切替えスイッチを介してアンテナへ与え、受信時は、上記アンテナ切替えスイッチを介して受信信号を受け取り、その受信電力を制御した受信信号を受信回路に与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の送受信無線装置。
Priority Applications (1)
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JP2002256303A JP2004096517A (ja) | 2002-09-02 | 2002-09-02 | 送受信無線装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004096517A true JP2004096517A (ja) | 2004-03-25 |
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JP (1) | JP2004096517A (ja) |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256303A patent/JP2004096517A/ja active Pending
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