JP3583098B2 - 携帯電話装置及びそれに用いる送信フィルタ制限方法並びにそのプログラム - Google Patents
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- Y02D30/70—Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話装置及びそれに用いる送信フィルタ制限方法並びにそのプログラムに関し、特にフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置における装置電流の削減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、双方型の通信においては、双方に1つずつ、2つの回線を必要とする。この時、端末間に、基地局と端末との間のような主従関係が成立している場合には主から従への回線を下り回線、従から主への回線を上り回線と呼ぶ。この上下回線の実現方法をデュプレックス(Duplex)技術という。
【0003】
このデュプレックス技術において、送信側と受信側とが2つのチャネルで同時に双方向通信を行うことをフルデュプレックス(Full Duplex:全二重)という。
【0004】
上記のフルデュプレックス機能を搭載する携帯電話装置は、送受信を同時に行わなければならないので、受信フィルタと送信フィルタとが必要になる。つまり、送信波のTOPレベルが受信部に侵入すると受信アンプが飽和してしまい、受信感度が劣化してしまうので、受信フィルタが必要になる。
【0005】
受信フィルタは受信アンプが飽和しない程度まで送信波を減衰させる必要があり、受信波を通過させる必要がある。また、送信フィルタは送信波による受信帯域にまで延びるノイズを減衰させる必要があり、送信波を通過させる必要がある。
【0006】
上記のように、送信フィルタは送信波を通過させ、受信帯域ノイズを減衰させなければならないが、フィルタにはどうしても通過ロスが存在する。一般的には2dB程度のロスがある。送信出力は携帯電話の規定から一定値にしなければならないので、送信フィルタのロス分は送信部の出力を上げることで補わなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の双方型の通信では、送信フィルタのロスのために、送信電流が非常に増えてしまうので、フルデュプレックスを実現させる際に送信時の装置電流に気を使わなければならない。
【0008】
この場合、送信出力を上げれば上げるほど、装置電流は増えてしまい、送信フィルタの通過ロス分を送信部にて補正、つまり出力値を上げることによって、送信中の装置電流は増加している。携帯電話には受信電流・送信電流・制御部電流・表示電流等の様々な電流があるが、装置電流すなわち電池寿命として一番支配的なものが送信に関わる電流である。この送信電流をどれだけ少なくすることができるかが非常に重要な課題となる。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、装置電流を削減することができる携帯電話装置及びそれに用いる送信フィルタ使用制限方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による携帯電話装置は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する手段と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する手段とを備えている。
【0011】
本発明による送信フィルタ使用制限方法は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較するステップと、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限するステップとを備えている。
【0012】
本発明による送信フィルタ使用制限方法のプログラムは、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法のプログラムであって、コンピュータに、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する処理と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する処理とを実行させている。
【0013】
すなわち、本発明の携帯電話装置は、フルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置において、フルデュプレックスモード中の受信・送信が重なる場合に自局の受信波のRSSI(受信電波の強度)値に応じて自送信波を送信フィルタに通すか否かを判断している。
【0014】
具体的に説明すると、本発明の携帯電話装置は、RSSIがしきい値以下の場合に送信フィルタを使用し、しきい値以上の場合に送信フィルタを使用しないように機能する。送信フィルタを使用しない場合には、そのフィルタ通過分のパワーロスがなくなり、送信電流の削減が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による携帯電話装置の構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例による携帯電話装置は双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を備えており、電波を受信・送信するアンテナ1と、受信フィルタ2と、受信部3と、制御部4と、送信部5と、送信フィルタ6と、切替スイッチ7と、記録媒体8とから構成されている。
【0016】
受信フィルタ2は自送信波が受信系に入り込まないようにするもので、自送信波による受信部3のアンプの飽和を防ぎ、受信感度劣化を防いでいる。受信部3は主にアンプ(図示せず)やミキサ(図示せず)から構成される。受信部3は受信したデータとRSSI(受信電波の強度)とを制御部4に伝達する。
【0017】
制御部4はコンピュータで構成され、記録媒体8に格納されたプログラムを実行することで、受信部3からのデータとRSSIとを処理する。RSSIは自受信波の強度を示すもので、電波が強い時に大きな値、小さな時に小さな値となる。
【0018】
送信部5は制御部4からの送信データを電波にのせて増幅する。送信フィルタ6は送信波の受信帯域ノイズを切るものである。送信波には受信周波数帯のノイズが含まれるため、送信フィルタ6によってそのノイズを減衰させないと、受信感度が劣化してしまう。
【0019】
切替スイッチ7は送信フィルタ6を通すか、パスするかの切替えを行う。この切替えの判断は自局の受信波のRSSIレベルに応じて行われ、しきい値以下の時にLOW、しきい値以上の時にHIGHの信号が制御部4から出力される。切替スイッチ7はLOWで送信フィルタ6を通し、HIGHで送信フィルタ6をパスさせるように動作する。
【0020】
図2は本発明の一実施例による携帯電話装置のフルデュプレックス動作を示す図であり、図3は本発明の一実施例による携帯電話装置におけるRSSIと周波数との関係を示す図であり、図4は本発明の一実施例による携帯電話装置における送信出力値と送信中の装置電流との関係を示す図であり、図5は本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示す図であり、図6は本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【0021】
これら図1〜図6を参照して本発明の一実施例による携帯電話装置の動作について説明する。尚、図6に示す処理動作は制御部4に記録媒体8に格納されたプログラムを実行させることで実現される。
【0022】
図2に示すように、本実施例による携帯電話装置では受信動作を全SLOTに対して行い、送信動作をSLOT2で行う。したがって、本実施例による携帯電話装置では受信動作と送信動作とを同時に行わなければならないシーンが存在する。
【0023】
本実施例による携帯電話装置は送受信を同時に行わなければならないので、図1に示すように、受信フィルタ2と送信フィルタ6とが必要になる。すなわち、図3に示すように、送信波のTOPレベルが受信部3に侵入すると、受信アンプが飽和してしまい、受信感度が劣化してしまうので、受信フィルタ2が必要になる。受信フィルタ2は受信アンプが飽和しない程度まで送信波を減衰させる必要があり、受信波を通過させる必要がある。
【0024】
これに対し、送信フィルタ6は送信波による受信帯域にまで延びるノイズを減衰させる必要があり、図3に示すように、受信帯域ノイズをXdBだけ減衰させ、受信帯域ノイズを受信感度以下にする必要がある。また、送信フィルタ6では当然、送信波を通過させなければならない。
【0025】
上述したように、送信フィルタ6は送信波を通過させ、受信帯域ノイズを減衰させなければならないが、フィルタにはどうしても通過ロスが存在する。一般的にはこの通過ロスとして2dB程度のロスがある。
【0026】
送信出力は携帯電話装置の規定から一定値にしなければならないので、送信フィルタ6のロス分を、送信部5の出力を上げることで補わなければならない。ここで問題となるのが、送信に伴う装置電流である。この装置電流は、図4に示すように、送信出力を上げれば上げるほど増えてしまう。
【0027】
送信フィルタ6の通過ロス分を送信部5にて補正すること、すなわち送信出力値を上げることによって、送信中の装置電流は増加している。携帯電話装置には受信電流・送信電流・制御部電流・表示電流等の様々な電流があるが、装置電流、すなわち電池寿命として一番支配的なものが送信に関わる電流である。この送信電流をどれだけ少なくできるかが、非常に重要な課題となる。よって、フルデュプレックス機能を備えた携帯電話装置では送信フィルタ6の通過ロス分だけ送信出力を上げるので、送信電流が大きくなってしまうという欠点がある。
【0028】
そこで、本実施例による携帯電話装置では、図5に示すような動作を行う。図5において、縦軸はノイズ及び信号レベルで、装置としてはRSSIとして表現することができる。
【0029】
まず、制御部4は未送信状態で自局が受信している時に(図6ステップS1)、自局の受信波のRSSIレベルを測定する(図6ステップS2)。制御部4はその測定結果と、送信波による受信帯域ノイズレベルをRSSI値で表現したしきい値とを比較し(図6ステップS3)、受信波がしきい値以下の時に(図6ステップS4)、送信フィルタ6を使用して受信帯域ノイズを減衰させ、受信感度を確保する(図6ステップS5)。
【0030】
制御部4は受信波がしきい値以上の時に(図6ステップS4)、送信フィルタ6を使用しなくとも受信可能レベルなので、送信フィルタ6を使用しない(図6ステップS6)。
【0031】
制御部4は自局が受信している時に、上記の処理(ステップS1〜S6の処理)を繰返し行うことによって、フルデュプレックス中に受信動作と送信動作とが重なる場合でも、常時、送信フィルタ6を使用する必要がなくなり、装置電流を低減することが可能になる。
【0032】
このように、従来のフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置では、フルデュプレックス中の受信動作と送信動作とが重なる場合に、必ず送信フィルタ6を使用しているが、本実施例では受信波のレベルに応じて送信フィルタ6を使うか否かを判断するので、装置電流の削減が可能になる。
【0033】
本実施例では送信波による受信帯域ノイズレベル、すなわちしきい値を設計段階で部品のワーストを想定して設定するので、かなりマージンのある値となってしまう。
【0034】
具体的に説明すると、受信帯域ノイズが最も大きくなる時にあわせてしきい値が設定される。この方法では受信帯域ノイズが小さい時にしきい値をもっと小さい値にしてもいいのに、大きな値を使用しなければならず、装置電流削減効果が薄れてしまう。要するに、個々の装置毎に適正なしきい値が存在するので、個々にしきい値を設定するのがベストである。
【0035】
図7は本発明の他の実施例による携帯電話装置においてしきい値を個々に設定する方法を示すブロック図である。図7において、本発明の他の実施例による携帯電話装置は図1に示す本発明の一実施例による携帯電話装置と同様の構成となっている。
【0036】
本発明の他の実施例による携帯電話装置では他の妨害電波が全くない状態で、送信動作と受信動作とを同時に行い、自送信波による受信帯域ノイズをあえて受信し、そのRSSIレベルを制御部4にて記憶する。
【0037】
これがまさしく受信帯域ノイズ、すなわちその装置のしきい値となる。多少のマージンが欲しい場合には受信帯域ノイズレベル+数dBをしきい値とすれば良い。この作業を製作・検査行程で行えば、個々の装置に対する適正なしきい値の設定が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置において、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較し、その比較結果に応じて送信フィルタの使用を制限することによって、装置電流を削減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による携帯電話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による携帯電話装置のフルデュプレックス動作を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による携帯電話装置におけるRSSIと周波数との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による携帯電話装置における送信出力値と送信中の装置電流との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示す図である。
【図6】本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施例による携帯電話装置においてしきい値を個々に設定する方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 受信フィルタ
3 受信部
4 制御部
5 送信部
6 送信フィルタ
7 切替スイッチ
8 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話装置及びそれに用いる送信フィルタ制限方法並びにそのプログラムに関し、特にフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置における装置電流の削減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、双方型の通信においては、双方に1つずつ、2つの回線を必要とする。この時、端末間に、基地局と端末との間のような主従関係が成立している場合には主から従への回線を下り回線、従から主への回線を上り回線と呼ぶ。この上下回線の実現方法をデュプレックス(Duplex)技術という。
【0003】
このデュプレックス技術において、送信側と受信側とが2つのチャネルで同時に双方向通信を行うことをフルデュプレックス(Full Duplex:全二重)という。
【0004】
上記のフルデュプレックス機能を搭載する携帯電話装置は、送受信を同時に行わなければならないので、受信フィルタと送信フィルタとが必要になる。つまり、送信波のTOPレベルが受信部に侵入すると受信アンプが飽和してしまい、受信感度が劣化してしまうので、受信フィルタが必要になる。
【0005】
受信フィルタは受信アンプが飽和しない程度まで送信波を減衰させる必要があり、受信波を通過させる必要がある。また、送信フィルタは送信波による受信帯域にまで延びるノイズを減衰させる必要があり、送信波を通過させる必要がある。
【0006】
上記のように、送信フィルタは送信波を通過させ、受信帯域ノイズを減衰させなければならないが、フィルタにはどうしても通過ロスが存在する。一般的には2dB程度のロスがある。送信出力は携帯電話の規定から一定値にしなければならないので、送信フィルタのロス分は送信部の出力を上げることで補わなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の双方型の通信では、送信フィルタのロスのために、送信電流が非常に増えてしまうので、フルデュプレックスを実現させる際に送信時の装置電流に気を使わなければならない。
【0008】
この場合、送信出力を上げれば上げるほど、装置電流は増えてしまい、送信フィルタの通過ロス分を送信部にて補正、つまり出力値を上げることによって、送信中の装置電流は増加している。携帯電話には受信電流・送信電流・制御部電流・表示電流等の様々な電流があるが、装置電流すなわち電池寿命として一番支配的なものが送信に関わる電流である。この送信電流をどれだけ少なくすることができるかが非常に重要な課題となる。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、装置電流を削減することができる携帯電話装置及びそれに用いる送信フィルタ使用制限方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による携帯電話装置は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する手段と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する手段とを備えている。
【0011】
本発明による送信フィルタ使用制限方法は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較するステップと、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限するステップとを備えている。
【0012】
本発明による送信フィルタ使用制限方法のプログラムは、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法のプログラムであって、コンピュータに、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する処理と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する処理とを実行させている。
【0013】
すなわち、本発明の携帯電話装置は、フルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置において、フルデュプレックスモード中の受信・送信が重なる場合に自局の受信波のRSSI(受信電波の強度)値に応じて自送信波を送信フィルタに通すか否かを判断している。
【0014】
具体的に説明すると、本発明の携帯電話装置は、RSSIがしきい値以下の場合に送信フィルタを使用し、しきい値以上の場合に送信フィルタを使用しないように機能する。送信フィルタを使用しない場合には、そのフィルタ通過分のパワーロスがなくなり、送信電流の削減が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による携帯電話装置の構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例による携帯電話装置は双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を備えており、電波を受信・送信するアンテナ1と、受信フィルタ2と、受信部3と、制御部4と、送信部5と、送信フィルタ6と、切替スイッチ7と、記録媒体8とから構成されている。
【0016】
受信フィルタ2は自送信波が受信系に入り込まないようにするもので、自送信波による受信部3のアンプの飽和を防ぎ、受信感度劣化を防いでいる。受信部3は主にアンプ(図示せず)やミキサ(図示せず)から構成される。受信部3は受信したデータとRSSI(受信電波の強度)とを制御部4に伝達する。
【0017】
制御部4はコンピュータで構成され、記録媒体8に格納されたプログラムを実行することで、受信部3からのデータとRSSIとを処理する。RSSIは自受信波の強度を示すもので、電波が強い時に大きな値、小さな時に小さな値となる。
【0018】
送信部5は制御部4からの送信データを電波にのせて増幅する。送信フィルタ6は送信波の受信帯域ノイズを切るものである。送信波には受信周波数帯のノイズが含まれるため、送信フィルタ6によってそのノイズを減衰させないと、受信感度が劣化してしまう。
【0019】
切替スイッチ7は送信フィルタ6を通すか、パスするかの切替えを行う。この切替えの判断は自局の受信波のRSSIレベルに応じて行われ、しきい値以下の時にLOW、しきい値以上の時にHIGHの信号が制御部4から出力される。切替スイッチ7はLOWで送信フィルタ6を通し、HIGHで送信フィルタ6をパスさせるように動作する。
【0020】
図2は本発明の一実施例による携帯電話装置のフルデュプレックス動作を示す図であり、図3は本発明の一実施例による携帯電話装置におけるRSSIと周波数との関係を示す図であり、図4は本発明の一実施例による携帯電話装置における送信出力値と送信中の装置電流との関係を示す図であり、図5は本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示す図であり、図6は本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【0021】
これら図1〜図6を参照して本発明の一実施例による携帯電話装置の動作について説明する。尚、図6に示す処理動作は制御部4に記録媒体8に格納されたプログラムを実行させることで実現される。
【0022】
図2に示すように、本実施例による携帯電話装置では受信動作を全SLOTに対して行い、送信動作をSLOT2で行う。したがって、本実施例による携帯電話装置では受信動作と送信動作とを同時に行わなければならないシーンが存在する。
【0023】
本実施例による携帯電話装置は送受信を同時に行わなければならないので、図1に示すように、受信フィルタ2と送信フィルタ6とが必要になる。すなわち、図3に示すように、送信波のTOPレベルが受信部3に侵入すると、受信アンプが飽和してしまい、受信感度が劣化してしまうので、受信フィルタ2が必要になる。受信フィルタ2は受信アンプが飽和しない程度まで送信波を減衰させる必要があり、受信波を通過させる必要がある。
【0024】
これに対し、送信フィルタ6は送信波による受信帯域にまで延びるノイズを減衰させる必要があり、図3に示すように、受信帯域ノイズをXdBだけ減衰させ、受信帯域ノイズを受信感度以下にする必要がある。また、送信フィルタ6では当然、送信波を通過させなければならない。
【0025】
上述したように、送信フィルタ6は送信波を通過させ、受信帯域ノイズを減衰させなければならないが、フィルタにはどうしても通過ロスが存在する。一般的にはこの通過ロスとして2dB程度のロスがある。
【0026】
送信出力は携帯電話装置の規定から一定値にしなければならないので、送信フィルタ6のロス分を、送信部5の出力を上げることで補わなければならない。ここで問題となるのが、送信に伴う装置電流である。この装置電流は、図4に示すように、送信出力を上げれば上げるほど増えてしまう。
【0027】
送信フィルタ6の通過ロス分を送信部5にて補正すること、すなわち送信出力値を上げることによって、送信中の装置電流は増加している。携帯電話装置には受信電流・送信電流・制御部電流・表示電流等の様々な電流があるが、装置電流、すなわち電池寿命として一番支配的なものが送信に関わる電流である。この送信電流をどれだけ少なくできるかが、非常に重要な課題となる。よって、フルデュプレックス機能を備えた携帯電話装置では送信フィルタ6の通過ロス分だけ送信出力を上げるので、送信電流が大きくなってしまうという欠点がある。
【0028】
そこで、本実施例による携帯電話装置では、図5に示すような動作を行う。図5において、縦軸はノイズ及び信号レベルで、装置としてはRSSIとして表現することができる。
【0029】
まず、制御部4は未送信状態で自局が受信している時に(図6ステップS1)、自局の受信波のRSSIレベルを測定する(図6ステップS2)。制御部4はその測定結果と、送信波による受信帯域ノイズレベルをRSSI値で表現したしきい値とを比較し(図6ステップS3)、受信波がしきい値以下の時に(図6ステップS4)、送信フィルタ6を使用して受信帯域ノイズを減衰させ、受信感度を確保する(図6ステップS5)。
【0030】
制御部4は受信波がしきい値以上の時に(図6ステップS4)、送信フィルタ6を使用しなくとも受信可能レベルなので、送信フィルタ6を使用しない(図6ステップS6)。
【0031】
制御部4は自局が受信している時に、上記の処理(ステップS1〜S6の処理)を繰返し行うことによって、フルデュプレックス中に受信動作と送信動作とが重なる場合でも、常時、送信フィルタ6を使用する必要がなくなり、装置電流を低減することが可能になる。
【0032】
このように、従来のフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置では、フルデュプレックス中の受信動作と送信動作とが重なる場合に、必ず送信フィルタ6を使用しているが、本実施例では受信波のレベルに応じて送信フィルタ6を使うか否かを判断するので、装置電流の削減が可能になる。
【0033】
本実施例では送信波による受信帯域ノイズレベル、すなわちしきい値を設計段階で部品のワーストを想定して設定するので、かなりマージンのある値となってしまう。
【0034】
具体的に説明すると、受信帯域ノイズが最も大きくなる時にあわせてしきい値が設定される。この方法では受信帯域ノイズが小さい時にしきい値をもっと小さい値にしてもいいのに、大きな値を使用しなければならず、装置電流削減効果が薄れてしまう。要するに、個々の装置毎に適正なしきい値が存在するので、個々にしきい値を設定するのがベストである。
【0035】
図7は本発明の他の実施例による携帯電話装置においてしきい値を個々に設定する方法を示すブロック図である。図7において、本発明の他の実施例による携帯電話装置は図1に示す本発明の一実施例による携帯電話装置と同様の構成となっている。
【0036】
本発明の他の実施例による携帯電話装置では他の妨害電波が全くない状態で、送信動作と受信動作とを同時に行い、自送信波による受信帯域ノイズをあえて受信し、そのRSSIレベルを制御部4にて記憶する。
【0037】
これがまさしく受信帯域ノイズ、すなわちその装置のしきい値となる。多少のマージンが欲しい場合には受信帯域ノイズレベル+数dBをしきい値とすれば良い。この作業を製作・検査行程で行えば、個々の装置に対する適正なしきい値の設定が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置において、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較し、その比較結果に応じて送信フィルタの使用を制限することによって、装置電流を削減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による携帯電話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による携帯電話装置のフルデュプレックス動作を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による携帯電話装置におけるRSSIと周波数との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による携帯電話装置における送信出力値と送信中の装置電流との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示す図である。
【図6】本発明の一実施例による携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施例による携帯電話装置においてしきい値を個々に設定する方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 受信フィルタ
3 受信部
4 制御部
5 送信部
6 送信フィルタ
7 切替スイッチ
8 記録媒体
Claims (7)
- 受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する手段と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する手段とを有することを特徴とする携帯電話装置。
- 前記受信電波の強度が前記しきい値以下の時に前記送信フィルタを使用して前記受信帯域ノイズを減衰させ、前記受信電波の強度が前記しきい値以上の時に前記送信フィルタを使用しないようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話装置。
- 前記しきい値は、自装置からの送信波を受信して測定した受信電波の強度に基づいて設定するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯電話装置。
- 受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法であって、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較するステップと、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限するステップとを有することを特徴とする送信フィルタ制限方法。
- 前記受信電波の強度が前記しきい値以下の時に前記送信フィルタを使用して前記受信帯域ノイズを減衰させ、前記受信電波の強度が前記しきい値以上の時に前記送信フィルタを使用しないようにしたことを特徴とする請求項4記載の送信フィルタ制限方法。
- 前記しきい値は、自装置からの送信波を受信して測定した受信電波の強度に基づいて設定するようにしたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の送信フィルタ制限方法。
- 受信波を通過させかつ送信波を減衰させる受信フィルタと、前記送信波を通過させかつ受信帯域ノイズを減衰させる送信フィルタとを含み、双方向通信における全二重を実現するためのフルデュプレックス機能を持つ携帯電話装置の送信フィルタ制限方法のプログラムであって、コンピュータに、受信電波の強度と予め設定されたしきい値とを比較する処理と、その比較結果に応じて前記送信フィルタの使用を制限する処理とを実行させるためのプログラム。
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