JP2004096470A - 位相ロックドループ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力信号の周波数を安定して変えることができるPLL回路を提供する。出力信号の周波数を広範囲で変えることができるPLL回路を提供する。
【解決手段】VCO12は、平滑化位相差信号S4の電圧によって定まる周波数で発振し、発振して得た発振信号S5を出力端Toutとダブラ回路13とに出力する。ダブラ回路13は、発振信号S5の周波数の2倍の周波数を有する発振信号S6を生成し、濾波部14に出力する。濾波部14は、平滑化位相差信号S4の電圧に従って、通過帯域の中心周波数を、発振信号S6の基本周波数に一致させるように変更する。このため、濾波部14は発振信号S6の周波数が変化してもPLL−IC10の動作に必要な周波数成分を通過させPLL−IC10の誤動作の原因となるノイズ成分を減衰させる。従って、このPLL回路は、出力信号の周波数を安定して広範囲で変えることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相ロックドループ(PLL=Phase Locked Loop)回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
PLL回路は、発振器が出力する信号と、基準信号との位相差がゼロになるように帰還制御を行う回路である。PLL回路は、例えば、分周器を内蔵するPLL−IC(Integrated Circuit)と、VCOと、周波数2逓倍回路と、濾波器と、発振器とから構成されている。
【0003】
上記構成のPLL回路のPLL−ICは、周波数2逓倍回路から出力される帰還信号を分周した信号と、発振器から供給される基準クロックを分周した信号との位相差を検出し、検出した位相差に対応する電圧を持つ位相差信号を出力する。VCOは、位相差信号の電圧により定まる周波数で発振して信号を生成し、このPLL回路の出力端と周波数2逓倍回路とに出力する。周波数2逓倍回路は、VCOの発振周波数の2倍の周波数、を有する帰還信号を生成し、濾波器に出力する。濾波器は帰還信号に含まれている高調波成分等のノイズ成分を減衰させてPLL−ICに出力する。帰還信号がPLL−ICに供給されることにより、PLL−ICはVCOをフィードバック制御して発振周波数を変化させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のPLL回路では、PLL−ICに内蔵された分周器の分周比を変更すれば、PLL回路の出力信号の周波数を変更することができる。しかしながら、PLL回路の出力信号の周波数を広範囲で変更すると、帰還信号が濾波器を通過できなくなって発振しなくなったり、帰還信号中の高調波成分等のノイズ成分が減衰されずに濾波器を通過してPLL−ICに供給されて、このPLL回路が誤動作する場合があった。このように、従来の可変周波数型のPLL回路は、周波数を安定して広範囲で変更することが困難であった。
【0005】
本発明は上記実状に鑑みてなされたもので、出力信号の周波数を安定して変更することができる位相ロックドループ回路を提供することを目的とする。
また、本発明は、出力信号の周波数を広範囲で変える(広帯域化する)ことができる位相ロックドループ回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の観点に係る位相ロックドループ回路は、周波数が一定な基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、
帰還信号を受け、該帰還信号と前記基準クロックとの位相差を検出し、検出した位相差によって定まる信号レベルを有する位相差信号を生成する位相差検出手段と、前記位相差信号を受け、該位相差信号の信号レベルによって定まる周波数を有する電気信号を発生させる可変周波数発振部と、前記電気信号を濾波して前記帰還信号を生成する濾波部と、から構成される位相ロックドループ回路であって、前記濾波部は、前記電気信号の周波数が通過帯域に含まれるように、前記位相差信号の信号レベルに従って該通過帯域を変動させて該電気信号を濾波することを特徴とする。
このような構成を採用することにより、出力信号の周波数を広範囲で変えることができる位相ロックドループ回路を提供することが可能となる。
【0007】
前記濾波部は、前記電気信号に含まれている低調波成分および高調波成分を減衰するように、前記位相差信号の信号レベルに従って前記通過帯域を変動してもよい。
【0008】
前記位相ロックドループ回路は、前記位相差信号の信号レベルを、前記電気信号の基本波成分が前記濾波部を通過するように調整して該濾波部に供給する信号レベル調整手段をさらに備えてもよい。
【0009】
前記信号レベル調整手段は、基準信号を出力する基準信号出力手段と、
前記基準信号と前記位相差信号との信号レベルの差を検出し、検出した信号レベルを有する差信号を生成して前記濾波部に供給する差信号出力手段と、
から構成されてもよい。
【0010】
前記濾波部は、通過帯域を変動させることが可能な範囲がそれぞれ異なる複数のフィルタから構成され、
前記信号レベル調整手段は、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つのフィルタに該位相差信号を供給し、前記少なくとも1つのフィルタが前記電気信号に含まれる基本波成分を通過させるように該少なくとも1つのフィルタの通過帯域を調整するためのものであってもよい。
【0011】
前記濾波部は、前記位相差信号の信号レベルに基づいて容量が変化する可変容量素子を備え、該可変容量素子の容量が変化することにより通過帯域が変動してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る位相ロックドループ(Phase Locked Loop=PLL)回路について、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
この実施の形態のPLL回路は、図1に示すように、PLL−IC(Integrated Circuit)10と、濾波部11と、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator=VCO)12と、ダブラ回路(周波数2逓倍回路)13と、濾波部14と、基準周波数発振器(Voltage Controlled Xtal Oscillator=VCXO)15と、マイクロコンピュータ(マイコン)16とから構成されている。
このPLL回路は、PLL−IC10と、濾波部11と、VCO12と、ダブラ回路13と、濾波部14とが相まって、フィードバック制御系を構成する回路である。
【0014】
PLL−IC10は、このPLL回路の発振周波数を可変制御するための回路であり、図2に示すように、プログラマブルカウンタ101,102と位相比較器103と、チャージポンプ104とを内蔵している。
プログラマブルカウンタ101は、マイコン16が出力するデータD1が示す分周比で、濾波部14が出力する帰還信号S1を分周し、分周して得た信号S11を位相比較器103に出力する。
【0015】
一方、プログラマブルカウンタ102は、マイコン16が出力するデータD2が示す分周比で、VCXO15が出力する基準クロックS2を分周し、分周して得た信号S22を位相比較器103に出力する。
【0016】
位相比較器103は、分周して得た信号S11とS22との位相差を検出し、その位相差に対応する電圧を持つ位相差信号S3をチャージポンプ104に出力する。
【0017】
チャージポンプ104は、位相差信号S3の信号レベルを昇圧して、VCO12の発振周波数を制御する信号レベルを有する位相差信号S3aを濾波部11に出力する。
【0018】
図1に示す濾波部11は、例えば、平滑回路やローパスフィルタから構成され、位相差信号S3aを平滑し、前述の信号S11とS22との位相差に応じて変化する電圧Vvを有する平滑化位相差信号S4をVCO12の発振周波数制御端子Tocと、濾波部14の中心周波数制御端子Tccとに供給する。
【0019】
VCO12は、可変容量ダイオードを備える発振器から構成される。VCO12は、可変容量ダイオードの容量を発振周波数制御端子Tocに印加される電圧Vvに従って変更することにより、図3に示すように、電圧Vvによって定まる周波数fvで発振して発振信号S5を生成し、このPLL回路の出力端Toutとダブラ回路13とに出力する。
【0020】
ダブラ回路13は、図3に示すように、VCO12の発振周波数fvの2倍の周波数2・fvを有する発振信号S6を生成し、濾波部14に出力する。
【0021】
図1の濾波部14は、例えば、コイルと可変容量素子とを備えたバンドパスフィルターから構成され、中心周波数制御端子Tccに印加される電圧に基づいて可変容量素子の容量が変化することにより、通過帯域が変動するようになっている。従って、濾波部14は、中心周波数制御端子Tccに供給される平滑化位相差信号S4の電圧Vvに従って、可変容量素子の容量が変化し、通過帯域を周波数領域の上下に移動する。具体的には、濾波部14は、中心周波数制御端子Tccに印加される電圧Vvによって定まるVCO12の発振周波数fvの2倍の周波数2・fvの位置に、その通過帯域の中心周波数fcを移動し、ダブラ回路13からの発振信号S6を濾波し、濾波して得た帰還信号S1をプログラマブルカウンタ101に供給する。
【0022】
VCXO15は、例えば水晶発振器から構成され、基準クロックS2をプログラマブルカウンタ102に出力する。
【0023】
マイコン16は、このPLL回路の出力信号の周波数が外部から指示されると、その周波数を得るために必要となるプログラマブルカウンタ101,102の分周比を求める。マイコン16は、求めた分周比の値を示すデータD1、D2をそれぞれプログラマブルカウンタ101,102にセットする。
【0024】
次に、上記構成のPLL回路の動作について、図1〜図4を参照して説明する。
図2に示すプログラマブルカウンタ101は、濾波部14が出力する帰還信号S1を、マイコン16によりセットされたデータD1が示す分周比で分周して信号S11を生成し、位相比較器103に出力する。
【0025】
プログラマブルカウンタ102は、VCXO15が出力する基準クロックS2を、マイコン16によりセットされたデータD2が示す分周比で分周して信号S22を生成し、位相比較器103に出力する。
【0026】
位相比較器103は、信号S11と信号S22との位相差を求め、求めた位相差に応じた電圧を持つ位相差信号S3を生成してチャージポンプ104に出力する。
【0027】
チャージポンプ104は、位相差信号S3の電圧レベルを変換して位相差信号S3aを生成して濾波部11に出力する。
【0028】
図1に示す濾波部11は、位相差信号S3aを平滑して、信号S11と信号S22との位相差に対応する電圧Vvを有する平滑化位相差信号S4を生成し、VCO12と濾波部14とに出力する。
【0029】
VCO12は、図3に示すように、発振周波数制御端子Tocに供給される平滑化位相差信号S4の電圧Vvにより定まる周波数fvで発振して発振信号S5を生成し、このPLL回路の出力端Toutとダブラ回路13とに出力する。
【0030】
図1に示すダブラ回路13は、図3に示すように、VCO12の発振周波数の2倍の周波数を有する発振信号S6を生成し、濾波部14に出力する。
【0031】
濾波部14は、平滑化位相差信号S4の電圧Vvに基づいて通過帯域を変更する。
【0032】
具体的に説明すると、濾波部14は、中心周波数制御端子Tccに供給される平滑化位相差信号S4の電圧Vvに従って、通過帯域の中心周波数fcが、VCO12の発振周波数の2倍の2・fvに一致するように、通過帯域を周波数領域上で移動・設定する。これにより、図4に示すように、ダブラ回路13から出力される発振信号S6に含まれる複数の周波数成分のうち、PLL−IC10で分周・位相比較の対象となる周波数2・fvの成分は濾波部14を通過し、PLL−IC10の誤動作の原因となるノイズ成分(2・fvより低い周波数成分(特に周波数fvの成分)及び2・fvより高い周波数成分(特に周波数3・fvの成分))は減衰する。
【0033】
このように、濾波部14は、発振信号S6の基本周波数2・fvの変化にかかわらず、通過帯域の中心周波数fcを基本周波数2・fvに一致させ、基本周波数成分を通過させ、ノイズ成分を減衰する。濾波部14は、発振信号S6を濾波して得た帰還信号S1をプログラマブルカウンタ101に供給する。
【0034】
図2に示すプログラマブルカウンタ101は、帰還信号S1を分周して信号S11を生成し、位相比較器103に出力する。一方、プログラマブルカウンタ102は、基準クロックS2を分周して信号S22を生成し、位相比較器103に出力する。
【0035】
位相比較器103は、上述したように帰還信号S1を分周して得た信号S11と、基準クロックS2を分周して得た信号S22との位相差を求める。信号S11の位相が、信号S22の位相よりも進んでいる場合には、位相比較器103は位相差信号S3の電圧を低下させる。すると、平滑化位相差信号S4の電圧Vvも低下し、VCO12の発振周波数fvは低下する。VCO12の発振周波数fvの低下に伴って、VCO12の発振信号S5の位相が遅れ、発振信号S5の位相を基にした帰還信号S1の位相も遅れ、基準クロックS2との位相差がゼロに近づく。
【0036】
一方、信号S11の位相が、信号S22の位相よりも遅れている場合、位相比較器103は位相差信号S3の電圧を上昇させる。すると、平滑化位相差信号S4の電圧Vvも上昇し、VCO12の発振周波数fvは上昇する。VCO12の発振周波数fvの上昇に伴って、VCO12の発振信号S5の位相が進み、発振信号S5の位相を基にした帰還信号S1の位相も進み、基準クロックS2との位相差がゼロに近づく。
【0037】
このような動作を繰り返すことにより、PLL回路は、帰還信号S1を分周して得た信号S11の位相と、基準クロックS2を分周して得た信号S22の位相とが一致するように、VCO12をフィードバック制御する。
【0038】
以上説明したように、この実施の形態のPLL回路の濾波部14は、通過帯域の中心周波数fcと、ダブラ回路13の出力する発振信号S6の基本周波数とを一致させる。このため、濾波部14は発振信号S6の周波数が変化してもPLL−IC10の動作に必要な周波数成分を通過させ、PLL−IC10の誤動作の原因となるノイズ成分を減衰させる。従って、このPLL回路は、出力信号の周波数を安定して広範囲で変えることができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、図3に示すように、平滑化位相差信号S4の電圧Vvの変化に対する、ダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbの変化の特性と、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化の特性とが一致する場合を例に説明した。しかし、一般的には、平滑化位相差信号S4の電圧Vvの変化に対するダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbの変化と、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化とは異なる特性を示す。このような場合には、図1の回路構成のままでは、図5に示すように、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcと発振信号S6の基本周波数fbとの間にずれが生じ、適切な帰還信号S1が得られない。
【0040】
そこで、このような場合には、図6に示すように、図1のPLL回路に、補償回路17を追加して、濾波部14の中心周波数制御端子Tccに供給される電圧を調整することにより、通過帯域の中心周波数fcを発振信号S6の基本周波数fbに一致させればよい。
【0041】
以下、補償回路17として抵抗分圧回路を使用する実施の形態を説明する。
抵抗分圧回路から構成される補償回路17は、図5に示すように、平滑化位相差信号S4の電圧Vvの単位変化に対するダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbの変化よりも、中心周波数制御端子Tccに印加される電圧の単位変化に対する濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化が大きい場合に適用可能である。
【0042】
抵抗分圧回路は、例えば、図7に示すように抵抗R1と抵抗R2とから構成され、入力電圧Vvを分圧して、R2・Vv/(R1+R2)の電圧を持つ信号S7を濾波部14の中心周波数制御端子Tccに供給する。濾波部14は、信号S7の電圧R2・Vv/(R1+R2)に従って通過帯域の中心周波数を変更する。
【0043】
抵抗R1とR2とは、図5に示すように、平滑化位相差信号S4の電圧がVvの時にダブラ回路13が出力する発振信号S6の基本周波数fbを2・fvとし、かつ、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcが2・fvとなるときに中心周波数制御端子Tccに印加すべき電圧をk・Vv(kは1より小さい定数)とすると、R2/(R1+R2)=kとなる値に設定される。
【0044】
例えば、図5において、中心周波数制御端子Tccに印加される電圧の変化に対する濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化の傾きと、発振周波数制御端子Tocに印加される電圧の変化に対するダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbの変化の傾きとが、2:1に相当する場合には、抵抗R1:R2=1:1とし、傾きが3:2に相当する場合には、抵抗R1:R2=1:2とすればよい。
【0045】
このような補償回路17を追加することにより、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcと発振信号S6の基本周波数fbとのずれを解消して、適切な帰還信号S1を得ることができる。
【0046】
(第2の実施の形態の変形例1)
なお、k>1の場合には、補償回路17により、濾波部11の出力する平滑化位相差信号S4をそのままVCO12の発振周波数制御端子Tocに供給し、一方、平滑化位相差信号S4の電圧Vvを増幅器等でk倍に増幅して、濾波部14の中心周波数制御端子Tccに供給すればよい。
【0047】
(第2の実施の形態の変形例2)
図8に示すように、濾波部11の平滑化位相差信号S4の電圧Vvがオフセットを有しており、一方、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcが、中心周波数制御端子Tccに印加される電圧に対して線形に変化するような場合がある。このような場合には、例えば、図9に示すように、濾波部11から出力される平滑化位相差信号S4の電圧と基準電圧V1との差分を求め、これを増幅(増幅率kは1以上でも、1以下でもよい)して、濾波部14の中心周波数制御端子Tccに供給することも可能である。
【0048】
(第2の実施の形態の変形例3)
補償回路17をマイクロコンピュータで構成し、ダブラ回路13が出力する発振信号S6の基本周波数fbの任意の変化に対応して、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcを変化させるように、濾波部14の中心周波数制御端子Tccに供給する電圧を適宜変更するようにしてもよい。
【0049】
この場合、補償回路17を構成するマイクロコンピュータは、図10に示すような、VCO12の発振周波数制御端子Tocへの印加電圧に対するダブラ回路13が出力する発振信号S6の基本周波数fbの変化の特性と、濾波部11の中心周波数制御端子Tccに印加される電圧に対する濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化の特性とを予め、関数、テーブルなどの形式に記憶しておく。
【0050】
マイクロコンピュータは、平滑化位相差信号S4の電圧VvをA/D(アナログ・デジタル)変換により取り込み、その電圧Vvにより得られるダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbを、記憶データより求める。次に、濾波部14の通過帯域の中心周波数をfbとするために、中心周波数制御端子Tccに印加すべき電圧を記憶情報より求める。マイクロコンピュータは、求めた電圧をD/A変換して、濾波部14の中心周波数制御端子Tccに印加する。
【0051】
このような構成とすれば、平滑化位相差制御信号S4の電圧Vvに対するダブラ回路13の発振信号S6の周波数の変化と中心周波数制御端子Tccに印加される電圧に対する濾波部14の通過帯域の中心周波数fcの変化とが、比例関係に相当しない場合等でも、ダブラ回路13が出力する発振信号S6の基本周波数fbと、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcとをほぼ一致させ、ノイズ成分を減衰することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
通常、1つのフィルタ素子の通過帯域の中心周波数fcを変更できる範囲には限界がある。このため、濾波部14を1つのフィルタ素子で構成すると、PLL回路の発振周波数を変更できる範囲が制限されてしまう。このような場合には、中心周波数fcを変更する範囲が異なる複数のバンドパスフィルタで濾波部14を構成し、ダブラ回路13の出力発振信号の周波数に応じてバンドパスフィルタを切り替えて使用するとよい。
【0053】
この場合には、このPLL回路は、例えば図11に示す構成を有する。図11に示すPLL回路は、濾波部14とスイッチ(SW)20とマイコン21とを除いて、図1の構成と同じ構成を有する。濾波部14は、図12に示すように、通過帯域を変更可能な範囲がそれぞれ異なるバンドパスフィルタ14aとバンドパスフィルタ14bとから構成される。
【0054】
バンドパスフィルタ14a、14bは、互いに並列に配置されている。これらのバンドパスフィルタ14a、14bは、コイルと、可変容量素子とから構成され、通過帯域の中心周波数をマイコン21から供給される信号S10に従って変えることができる。以下の例では、図12に示すように、バンドパスフィルタ14aが周波数f1〜f2,バンドパスフィルタ14bが周波数f2〜f3の範囲で通過帯域とその中心周波数を変更できるものとする。なお、f3>f2>f1とする。
SW20は、マイコン21の制御に基づいて、発振信号S6をバンドパスフィルタ14aまたはバンドパスフィルタ14bに供給する。
【0055】
マイコン21には、平滑化位相差信号S4の電圧Vvの変化に対するダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数の変化の特性、各バンドパスフィルタ14a,14bの中心周波数制御端子Tccに印加される電圧に対する通過帯域の変化の特性などの情報が予め登録されている。
【0056】
マイコン21は、平滑化位相差信号S4の電圧Vvから、ダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数を判別する。次に、判別した周波数が、バンドパスフィルタ14aの通過帯域制御範囲に属すか、バンドパスフィルタ14bの通過帯域制御範囲に属すかを判別する。
【0057】
マイコン21は、属すと判別されたバンドパスフィルタ14a又は14bに発振信号S6を供給するようにSW20に指示する。
さらに、マイコン21は、選択したバンドパスフィルタ14a又は14bの通過帯域の中心周波数fcが、発振信号S6の基本周波数に一致するように、選択したバンドパスフィルタ14a又は14bの中心周波数制御端子Tccに制御電圧を印加する。
【0058】
選択されたバンドパスフィルタ14a又は14bは、マイコン21から中心周波数制御端子Tccに印加される制御電圧に従って、その通過帯域をシフトして、発振信号S6を濾波し、帰還信号S1を生成する。
【0059】
このように、通過帯域を変更可能な周波数範囲が異なる複数のバンドパスフィルタを切り替えて使用することにより、濾波部14が通過帯域を変更できる範囲を、単一のフィルタ素子を使用する場合よりも広くすることができる。
【0060】
なお、本実施の形態において、濾波部14を構成するバンドパスフィルタの数は2つに限定されず、3以上でもよい。この場合には、通過帯域を変更可能な範囲が異なる3以上のフィルタ素子から構成されてもよい。この場合も、ダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbを通過可能なフィルタ素子を選択して、発振信号S6を供給し、また、その通過帯域の中心周波数が基本周波数fbに一致するように、制御すればよい。
【0061】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0062】
例えば、上記説明では、可変容量素子を使用するフィルタを使用する実施の形態を説明したが、フィルタの構成は任意であり、インダクタンスを可変制御する構成であってもよい。
【0063】
さらに、上記実施の形態においては、PLL−IC10内で、分周比を制御することにより、PLL回路の発振周波数を変更する例を説明した。しかし、これに限定されず、例えば、図1に示すVCXO15の発振周波数を制御することにより、PLL回路の発振周波数を制御することも可能である。この場合には、VCXO15の発振周波数に応じて定まるダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbに、濾波部14の通過帯域の中心周波数fcを一致させる。
【0064】
また、上記実施の形態においては、ダブラ回路13の発振信号S6の基本周波数fbと、濾波器14の通過帯域の中心周波数fcを一致させたが、基本周波数fbの信号成分が濾波器14を通過し、他の信号成分(ノイズ成分)が濾波器14で減衰するならば、基本周波数fbと中心周波数fcとがずれていてもかまわない。
さらに、濾波部14として、バンドパスフィルタを使用する実施の形態を示したが、高調波ノイズのみが大きな問題となる場合にはローパスフィルタを使用し、低調波ノイズのみが大きな問題となる場合にはハイパスフィルタを使用する等してもよい。
上記実施の形態においては、位相差信号に対応する周波数の発振信号を生成するための回路として、VCO12とダブラ回路13とから構成される発振回路を使用したが、VCOだけを使用することも可能である。また、ダブラ回路に代えて、3逓倍回路、4逓倍回路などを使用することも可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、出力信号の周波数を安定して変えることができる位相ロックドループ回路を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、出力信号の周波数を広範囲で変えることができる位相ロックドループ回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るPLL回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図1のPLL−ICの構成を説明するための図である。
【図3】図1のVCOの特性を説明するための図である。
【図4】図4は、図1の濾波部の特性を説明するための図である。
【図5】図1のVCOの発振周波数の変化の特性と、ダブラ回路の出力信号の基本周波数の変化の特性と、濾波部の通過帯域の中心周波数の変化の特性とを説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るPLL回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図6の補償回路の一例を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の変形例2を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例2を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の変形例3を説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るPLL回路の変形例の構成を説明するためのブロック図である。
【図12】図11のバンドパスフィルタが通過帯域を変更可能な範囲を説明するための図である。
【符号の説明】
10 PLL−IC
12 VCO
13 周波数2逓倍回路
14 濾波部
14a バンドパスフィルタ
14b バンドパスフィルタ
15 VCXO
16 マイコン
17 抵抗分圧回路
18 オペアンプ
21 マイコン

Claims (6)

  1. 基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、
    帰還信号を受け、該帰還信号と前記基準クロックとの位相差を検出し、検出した位相差によって定まる信号レベルを有する位相差信号を生成する位相差検出手段と、
    前記位相差信号を受け、該位相差信号の信号レベルによって定まる周波数を有する電気信号を発生させる可変周波数発振部と、
    前記電気信号を濾波して前記帰還信号を生成する濾波部と、
    から構成される位相ロックドループ回路であって、
    前記濾波部は、前記電気信号の周波数が通過帯域に含まれるように、前記位相差信号の信号レベルに従って該通過帯域を変動させて該電気信号を濾波することを特徴とする位相ロックドループ回路。
  2. 前記濾波部は、前記電気信号に含まれている低調波成分および高調波成分を減衰するように、前記位相差信号の信号レベルに従って前記通過帯域を変動することを特徴とする請求項1に記載の位相ロックドループ回路。
  3. 前記電気信号の基本波成分が前記濾波部の通過帯域内に位置するように、前記位相差信号の信号レベルを調整して該濾波部に供給する信号レベル調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の位相ロックドループ回路。
  4. 前記信号レベル調整手段は、基準信号を出力する基準信号出力手段と、
    前記基準信号と前記位相差信号との信号レベルの差を検出し、検出した信号レベルを有する差信号を生成して前記濾波部に供給する差信号出力手段と、
    から構成されることを特徴とする請求項3に記載の位相ロックドループ回路。
  5. 前記濾波部は、通過帯域を変動させることが可能な範囲がそれぞれ異なる複数のフィルタから構成され、
    前記信号レベル調整手段は、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つのフィルタに該位相差信号を供給し、前記少なくとも1つのフィルタが前記電気信号に含まれる基本波成分を通過させるように該少なくとも1つのフィルタの通過帯域を調整するためのものである、ことを特徴とする請求項3に記載の位相ロックドループ回路。
  6. 前記濾波部は、前記位相差信号の信号レベルに基づいて容量が変化する可変容量素子を備え、該可変容量素子の容量が変化することにより通過帯域が変動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の位相ロックドループ回路。
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