JP2004095731A - 太陽電池パネル色むら検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置10は、基板11上に薄膜12、19が積層された太陽電池パネル13、15を搬送する搬送部1aと、前記搬送部1aにより搬送される前記太陽電池パネル13、15の速度に基づいて、撮像要求Pを送信する撮像制御部6aと、前記撮像制御部6aからの前記撮像要求Pに基づいて、前記搬送される太陽電池パネル13、15を撮像してパネル画像PSを生成する撮像部2aと、前記パネル画像PSを解析して、前記薄膜12、19の膜厚を示す膜厚データ1D〜9D´を生成するデータ生成部7aとを具備する。前記パネル画像は、前記薄膜の膜厚を色むらで示し、前記膜厚データは、前記色むらを解析することで生成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池パネル色むら検査装置に関し、特に、太陽電池パネルに対して撮像されたパネル画像に基づいて、太陽電池パネルが有する薄膜の膜厚分布を示すデータ(パネル画像に示される色むらを解析することで生成される)を生成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21に、太陽電池の各形成過程(a)、(b)、(c)、(d)(以下、「各形成過程(a)〜(d)」と記す)における形成物13、15(以下、「太陽電池パネル13、15」と記す)と、最終生成物である太陽電池17とを示す。太陽電池パネル13、15、及び太陽電池17は、一般的に大面積を有することが多い。図21において、(a)はガラス基板11、(b)はガラス基板11上に透明電極膜12の形成された太陽電池パネル13を示している。また、(c)は、太陽電池パネル13の透明電極膜12上に半導体膜14の形成された太陽電池パネル15、(d)は、太陽電池パネル15の半導体膜14上に裏面電極膜16が形成されて生成した太陽電池17を示している。
【0003】
透明電極膜12と半導体膜13の各々の薄膜が均一の厚さに形成されない(即ち、膜厚18a、18b、18cの各々、又は膜厚18d、18e、18fの各々が互いに異なる)と、太陽電池17の光電効率に悪い影響を与えることがある。また、薄膜が均一の厚さに形成されないと、太陽電池パネル13、15、及び太陽電池17に色むらが発生し、外見の印象が、色むらが発生していないときと比較して相対的に悪いものとなることがある。従って、形成過程(b)においては透明電極膜12の膜厚分布の検査が行われ、形成過程(c)においては透明電極膜12と半導体膜14とを合わせた複合膜の膜厚分布の検査が行われる。これらの検査は、二次元のカメラを用いて太陽電池パネル13、15を撮像し、撮像されたパネル画像を画像解析することで行われる。
【0004】
太陽電池パネル13、15が大面積を有するときであっても、出来る限り小型の装置でパネル画像の撮像を行うことを可能とすることが望まれる。
【0005】
大面積の太陽電池パネル13、15に対する撮像、及び撮像されて生成したパネル画像に基づく膜厚分布の検査を、オンラインで自動的に行うことの可能な装置の開発が望まれる。
【0006】
膜厚分布に対する最適な解析を行うことの可能な装置の開発が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、太陽電池パネルが大面積を有するときであっても、出来る限り小型の装置でパネル画像の撮像を行うことを可能とする装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、大面積の太陽電池パネルに対する撮像、及び撮像されて生成したパネル画像に基づく膜厚分布の検査を、オンラインで自動的に行うことの可能な装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、膜厚分布に対する最適な解析を行うことの可能な装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧付で用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)は、基板(11)上に薄膜(12、19)が積層された太陽電池パネル(13、15)を搬送する搬送部(1a)と、前記搬送部(1a)により搬送される前記太陽電池パネル(13、15)の速度に基づいて、撮像要求(P)を送信する撮像制御部(6a)と、前記撮像制御部(6a)からの前記撮像要求(P)に基づいて、前記搬送される太陽電池パネル(13、15)を撮像してパネル画像(PS)を生成する撮像部(2a)と、前記パネル画像(PS)を解析して、前記薄膜(12、19)の膜厚を示す膜厚データ(3D〜8D)を生成するデータ生成部(7a)とを具備する。前記パネル画像(PS)は、前記薄膜の膜厚を色むらで示し、前記膜厚データ(3D〜8D)は、前記色むらを解析することで生成される。3D〜8Dは、3D、4D、5D、6D、7D、8Dを示している。
【0012】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)は、前記搬送される太陽電池パネル(13、15)に光を照射する光照射部(3a)を更に具備する。前記光照射部(3a)から照射された光は、前記搬送される太陽電池パネル(13、15)により反射されて前記撮像部(2a)に入射される。
【0013】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記光照射部(3a)から照射された光の前記搬送される太陽電池パネル(13、15)への入射角度は、16〜20°である。
【0014】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚データ(3D〜8D)は、前記薄膜(12、19)の膜厚分布を示す膜厚分布データ(3D〜8D)である。前記データ生成部(7a)は、前記パネル画像(PS)から前記膜厚分布データ(3D〜8D)を生成する。
【0015】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記太陽電池パネル(13、15)は、ガラス基板(11)と前記薄膜(12、19)とを有している。前記撮像部(2a)は、前記ガラス基板(11)と前記太陽電池パネル(13、15)のいずれかを撮像する。前記パネル画像(PS)は、前記撮像されるガラス基板(11)、及び前記撮像される太陽電池パネル(13、15)のいずれかを示す画像データ(1D´、2D´)を含んでいる。前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第1膜厚分布データ(3D)を含んでいる。前記データ生成部(7a)は、前記太陽電池パネル(13、15)を示す画像データ(1D´)の第1輝度(1R、1G、1B、又は1Y)を検出し、前記検出された第1輝度(1R、1G、1B、又は1Y)を、前記ガラス基板(11)を示す画像データ(2D´)の第2輝度(2R、2G、2B、又は2Y)に基づいて補正することで前記第1膜厚分布データ(3D)を生成する。
【0016】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第2膜厚分布データ(4D)を含み、前記太陽電池パネル(13、15)を示す画像データ(1D´)は、複数の第1画像データ(1D´R、1D´G、1D´B、又は1D´Y)で構成されている。前記複数の第1画像データ(1D´R、1D´G、1D´B、又は1D´Y)は、赤色の第1赤色画像データ(1D´R)、緑色の第1緑色画像データ(1D´G)、青色の第1青色画像データ(1D´B)の各々を含んでいる。前記ガラス基板(11)を示す画像データ(2D´)は、複数の第2画像データ(2D´R、2D´G、2D´B、又は2D´Y)で構成されている。前記複数の第2画像データ(2D´R、2D´G、2D´B、又は2D´Y)は、赤色の第2赤色画像データ(2D´R)、緑色の第2緑色画像データ(2D´G)、青色の第2青色画像データ(2D´B)の各々を含んでいる。前記データ生成部(7a)は、前記第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)を検出し、前記検出された第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)を前記第2赤色画像データ(2D´R)の第2輝度(2R)に基づいて補正し、前記補正された第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)を用いて前記第1赤色画像データ(1D´R)の第1色度(1R´)を算出する。前記データ生成部(7a)は、前記第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)を検出し、前記検出された第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)を前記第2緑色画像データ(2D´G)の第2輝度(2G)に基づいて補正し、前記補正された第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)を用いて前記第1緑色画像データ(1D´G)の第1色度(1G´)を算出する。前記データ生成部(7a)は、前記第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)を検出し、前記検出された第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)を前記第2青色画像データ(2D´B)の第2輝度(2B)に基づいて補正し、前記補正された第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)を用いて前記第1青色画像データ(1D´B)の第1色度(1B´)を算出し、前記算出された第1赤色画像データ(1D´R)の第1色度(1R´)、前記算出された第1緑色画像データ(1D´G)の第1色度(1G´)、前記算出された第1青色画像データ(1D´B)の第1色度(1B´)のうち、少なくともいずれか2個の第1色度(1R´、1G´、1B´)を用いて前記第2膜厚分布データ(4D)を生成する。
【0017】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第3膜厚分布データ(6D)を含んでいる。前記データ生成部(7a)は、前記算出された第1赤色画像データ(1D´R)の第1色度(1R´)と、前記第2赤色画像データ(2D´R)の第2輝度(2R)に基づいて算出される前記第2赤色画像データ(2D´R)の第2色度(2R´)との差(ΔR)、前記算出された第1緑色画像データ(1D´G)の第1色度(1G´)と、前記第2緑色画像データ(2D´G)の第2輝度(2G)に基づいて算出される前記第2緑色画像データ(2D´G)の第2色度(2G´)との差(ΔG)、前記算出された第1青色画像データ(1D´B)の第1色度(1B´)と、前記第2青色画像データ(2D´B)の第2輝度(2B)に基づいて算出される前記第2青色画像データ(2D´B)の第2色度(2B´)との差(ΔB)の各々のうち、少なくともいずれか2個の差を用いて前記第3膜厚分布データ(6D)を生成する。
【0018】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第4膜厚分布データ(7D)を含んでいる。前記第4膜厚分布データ(7D)は、前記補正された第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)と、前記補正された第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)に対応する画素数(iXY)とを示している。前記第4膜厚分布データ(7D)は、前記補正された第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)と、前記補正された第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)に対応する画素数(iXY)とを示している。前記第4膜厚分布データ(7D)は、前記補正された第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)と、前記補正された第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)に対応する画素数(iXY)とを示している。前記データ生成部(7a)は、前記第4膜厚分布データ(7D)に基づいて、前記補正された第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)、前記補正された第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)、及び前記補正された第1青色画像データ(1D´B)の第1輝度(1B)の各々に対する、第1平均値(Br −、Bg −、Bb −)と第1標準偏差(σr、σg、σb)とを算出する。前記データ生成部(7a)は、前記算出の結果、前記算出される第1平均値(Br −、Bg −、Bb −)が第1設定平均値(Brs −、Bgs −、Bbs −)の範囲内であり、前記算出される第1標準偏差(σr、σg、σb)が第1設定標準偏差(σrs、σgs、σbs)の範囲内であるときに、前記膜厚分布が正常であると判断する。
【0019】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第5膜厚分布データ(7D)を含んでいる。前記第5膜厚分布データ(7D)は、黄色の輝度画像データ(1D´Y)の第1輝度(1Y)と、前記輝度画像データ(1D´Y)の画素数(iXY)とを示している。前記データ生成部(7a)は、前記第5膜厚分布データ(7D)に基づいて、前記輝度画像データ(1D´Y)の第1輝度(1Y)に対する、第2平均値(By −)と第2標準偏差(σy)の各々を算出する。前記データ生成部(7a)は、前記算出の結果、前記算出される第2平均値(By −)が第2設定平均値(Bys −)の範囲内であり、前記算出される第2標準偏差(σy)が第2設定標準偏差(σys)の範囲内であるときに、前記膜厚分布が正常であると判断する。
【0020】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記薄膜(12、19)は、透明電極膜(12)と、前記透明電極膜(12)と半導体膜(13)とを含む複合膜(19)とのいずれかであり、前記太陽電池パネル(13、15)は、前記透明電極膜(12)と、前記複合膜(19)とのいずれかを有している。前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、前記透明電極膜(12)の膜厚分布と、前記複合膜(19)の膜厚分布とのいずれかを示している。前記撮像部(2a)は、前記透明電極膜(12)のパネル画像(PS)と、前記複合膜(19)のパネル画像(PS)のいずれかを撮像して前記データ生成部(7a)に送信する。前記データ生成部(7a)は、前記送信されるいずれかのパネル画像(PS)を解析し、前記解析の結果に基づいて、前記いずれかの膜厚分布を示す膜厚分布データ(3D〜8D)を生成する。
【0021】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第6膜厚分布データ(8D)を含んでいる。前記画像データ(1D´)は、前記第1緑色画像データ(1D´G)である。前記第6膜厚分布データ(8D)は、設定輝度(1Gg)で二値化された前記第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)と、前記第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)のうち、前記設定輝度(1Gg)以上の前記第1緑色画像データ(1D´G)の画素数(iXY)とを示している。前記薄膜(12、19)は、透明電極膜(12)であり、前記太陽電池パネル(13、15)は、前記透明電極膜(12)を有している。前記データ生成部(7a)は、前記第1緑色画像データ(1D´G)の第1輝度(1G)を検出し、前記検出された第1輝度(1G)を前記第2緑色画像データ(2D´G)の第2輝度(2G)に基づいて補正し、前記補正された第1輝度(1G)と前記設定輝度(1Gg)とに基づいて前記第6膜厚分布データ(8D)を生成し、前記生成された第6膜厚分布データ(8D)における、前記第1輝度(1G)が前記設定輝度(1Gg)以上である第1緑色画像データ(1D´G)の占有率(AAA)を算出し、前記算出された占有率(AAA)に基づいて、前記透明電極膜(12)の膜厚分布が正常であるか否かを判断する。
【0022】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置(10)において、前記膜厚分布データ(3D〜8D)は、第7膜厚分布データ(8D)を含んでいる。前記画像データ(1D´)は、前記第1赤色画像データ(1D´R)であり、前記第7膜厚分布データ(8D)は、設定輝度(1Gr)で二値化された前記第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)と、前記第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)のうち、前記設定輝度(1Gr)以上の第1赤色画像データ(1D´R)の画素数(iXY)とを示している。前記薄膜(12、19)は、透明電極膜(12)と半導体膜(14)とを有する複合膜(19)であり、前記太陽電池パネル(13、15)は、前記複合膜(19)を有している。前記データ生成部(7a)は、前記第1赤色画像データ(1D´R)の第1輝度(1R)を検出し、前記検出された第1輝度(1R)を前記第2赤色画像データ(2D´R)の第2輝度(2R)に基づいて補正し、前記補正された第1輝度(1R)と前記設定輝度(1Gr)とに基づいて前記第7膜厚分布データ(8D)を生成し、前記生成された第7膜厚分布データ(8D)における、前記第1輝度(1R)が前記設定輝度(1Gr)以上である第1赤色画像データ(1D´R)の占有率(BBB)を算出し、前記算出された占有率(BBB)に基づいて、前記複合膜(19)の膜厚分布が正常であるか否かを判断する。
【0023】
本発明の太陽電池パネル色むら検査方法は、搬送部(1a)、撮像制御部(6a)、及び撮像部(2a)を具備する太陽電池パネル色むら検査装置(10)により実行される。本発明の太陽電池パネル色むら検査方法は、前記搬送部(1a)が、基板(11)上に薄膜(12、19)が積層された太陽電池パネル(13、15)を搬送するステップ(S11、S21、S31)と、前記撮像制御部(6a)が、前記搬送部(1a)により搬送される前記太陽電池パネル(13、15)の速度に基づいて、撮像要求(P)を送信するステップ(S13、S23、S33)とを具備する。また、本発明の太陽電池パネル色むら検査方法は、前記撮像部(2a)が、前記撮像制御部(6a)からの前記撮像要求(P)に応答して、前記搬送される太陽電池パネル(13、15)を撮像してパネル画像(PS)を生成するステップ(S14、S24、S34)と、前記データ生成部(7a)が、前記パネル画像(PS)を解析して、前記薄膜(12、19)の膜厚を示す膜厚データ(3D〜8D)を生成するステップ(S17a、S17b、S17c、S17d、S27、S37)とを具備する。前記パネル画像(PS)は、前記薄膜の膜厚を色むらで示し、前記膜厚データ(3D〜8D)は、前記色むらを解析することで生成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
添付図面を参照して、本発明の太陽電池パネル色むら検査装置10の実施の形態1について説明する。図1に、太陽電池パネル色むら検査装置10の構成を示す。太陽電池パネル色むら検査装置10は、搬送コンベア1a、カラーラインセンサカメラ2a、ライン照明器3a、調光器4a、光電スイッチ5a、ロータリーエンコーダ6a、画像処理装置7a、表示装置8aの各々を具備している。
【0025】
搬送コンベア1aには、太陽電池パネル13、15を搬送するための一対で構成された複数のローラ1a−i(i=1,2,…,n)が備えられており、各々のローラ1a−i(i=1,2,…,n)と、太陽電池パネル13、15とが接する構成になっている。これらのローラ1a−i(i=1,2,…,n)が同時に所定の回転速度で、所定方向に回転することで、太陽電池パネル13、15は搬送方向Yへ向かって搬送される。
【0026】
カラーラインセンサカメラ2aとライン照明器3aは、各々、別個の固定物(カラーラインセンサカメラ2a:柱2b、柱2c、柱2d、ライン照明器3a:柱3b、柱3c)によって、搬送方向Yに対して鉛直方向に固定して設置されている。カラーラインセンサカメラ2aとライン照明器3aとに対する詳細な配置形態を図2に示す。ライン照明器3aは、蛍光灯等で構成され、搬送コンベア1a上を搬送されるガラス基板11、太陽電池パネル13、15の表面上の撮像される領域(撮像領域)に対して照射光L1を照射する。撮像領域は、図3に示すような一列の領域xyi(i=1,2,…,n)の各々のうち、いずれかに相当する(以下、「撮像領域xyi」と記す)。照射された照射光L1は、太陽電池パネル13、15によって反射され、反射光L2としてカラーラインセンサカメラ2aに入射する。
【0027】
搬送コンベア1aに対する垂線L3と照射光L1とのなす角度α1、及び垂線L3と反射光L2とのなす角度α2の各々は、太陽電池パネル13、15(又は、ガラス基板11)に対する撮像条件を考慮して、16〜20°の程度の範囲内に収まるように設定されている。但し、角度α1、α2の各々は、18°に設定されることが最も望ましい。
【0028】
カラーラインセンサカメラ2aは、画像処理装置7aからトリガ信号Tを受信すると、太陽電池パネル13、15(又は、ガラス基板11)の撮像領域xyiを認識し、認識された撮像領域xyiを撮像してパネル画像PSiを生成し、生成されたパネル画像PSiを画像処理装置7aに送信する。この撮像領域xyiの撮像と、生成されたパネル画像PSiの画像処理装置7aへの送信を含む一連の処理が繰り返されることで、最終的に太陽電池パネル13、15全体のパネル画像PSが生成され、画像処理装置7aに送信される。調光器4aは、照射光L1の強度が、所定強度となるように調節する。
【0029】
搬送コンベア1a上を搬送される太陽電池パネル13、15の撮像領域xyiが認識され、認識された撮像領域xyiが撮像されてパネル画像PSiが生成される処理が順次行われることで、大面積の太陽電池パネル13、15に対しても、全体を撮像することが可能となる。カラーラインセンサカメラ2aについては、撮像領域xyiを認識して撮像することが可能であればよい。従って、大面積の太陽電池パネル13、15全体の撮像を可能とするような大規模で、高価な装置は不要となる(太陽電池パネル13、15の製造に係る製造コストを最小限に抑制することが可能となる)。また、ライン照明器3aについては、撮像領域xyiへの照射光L1の照射が可能であればよい。従って、大面積の太陽電池パネル13、15全体の光照射を可能とするような大規模で、高価な装置は不要となる(上記と同様の理由で、製造コストを最小限に抑制することが可能となる)。
【0030】
光電スイッチ5aは、撮像の対象である太陽電池パネル13、15(又は、ガラス基板11)が所定位置に所在するか否かを検出する。光電スイッチ5aは、その検出を行ったときに、太陽電池パネル13、15(又は、ガラス基板11)が所定位置にあることを通知する通知信号Nを画像処理装置7aに送信する。所定位置は、例えば、搬送方向が図2におけるYの方向であるときには、撮像領域xyiに入射する照射光L1と垂線L3とのなす角度α1と、その撮像領域xyiから反射する反射光L2と垂線L3とのなす角度α2の各々が、16〜20°(望ましくは18°)になったときと定義される。但し、この定義形態は一例であり、この形態には限らない。
【0031】
ロータリーエンコーダ6aは、各々のローラ1a−i(i=1,2,…,n)の中心に開けられた中心孔部1A−i(i=1,2,…,n)のうち、いずれかに嵌め込まれることによってローラ1a−iと接続されており、ローラ1a−iの回転速度を検出する。また、ロータリーエンコーダ6aは、ローラ1a−iの回転速度に対応して、ローラ1a−iの1回転当たりに数百パルス〜数パルス(予め設定される)のパルス信号Pを画像処理装置7aに送信する。
【0032】
実施の形態1における画像処理装置7aのブロック図を図4に示す。画像処理装置7aは、トリガ信号送信部7aa、記憶部7ab、輝度検出・補正部7ac、色度算出部7ad、色度図・色差図生成部7aeの各々を具備している。
【0033】
トリガ信号送信部7aaは、光電スイッチ5aから通知信号Nを受信し、また、ロータリーエンコーダ6aからパルス信号Pを受信する。トリガ信号送信部7aaは、1パルスのパルス信号Pを受信する毎に1回、トリガ信号Tをカラーラインセンサカメラ2aに送信する。従って、結果的に、ローラ1a−iの1回転当たりに、トリガ信号Tのトリガ信号送信部7aaからカラーラインセンサカメラ2aへの送信が数百回〜数回行われる(ローラ1a−iの1回転当たりに、数百パルス〜数パルスのパルス信号Pが送信されるため)。
【0034】
上記の構成においては、ローラ1a−iの回転速度と、ガラス基板11、太陽電池パネル13、15の撮像領域xyiの撮像(及びパネル画像PSiの生成)に対する速度とは対応している。ローラ1a−iの回転速度は、太陽電池パネル13、15、又はガラス基板11の搬送速度に対応している。従って、使用されるカラーラインセンサカメラ2aの撮像に対する分解能(予め設定される)に基づいて、太陽電池パネル13、15、又はガラス基板11の搬送速度を設定することも可能となる。
【0035】
記憶部7abは、図5に示す色度算出式1Taを記憶している。色度算出式1Taは、輝度検出・補正部7acが、パネル画像PSに示される画像データの輝度を用いて色度を算出するときに用いられる式である。色度算出式1Taには、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1B、赤色画像データ輝度2R、緑色画像データ輝度2G、青色画像データ輝度2Bの各々が示されている。また、色度算出式1Taには、赤色度1R´、緑色度1G´、青色度1B´、赤色度2R´、緑色度2G´、青色度2B´の各々が示されている。
【0036】
赤色画像データ輝度1Rは、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSに示される赤色画像データ1D´R(図6に示す)の輝度であり、緑色画像データ輝度1Gは、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSに示される緑色画像データ1D´G(図6に示す)の輝度である。青色画像データ輝度1Bは、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSに示される青色画像データ1D´B(図6に示す)の輝度である。また、赤色画像データ輝度2Rは、ガラス基板11のパネル画像PSに示される赤色画像データ2D´R(図6に示す)の輝度であり、緑色画像データ輝度2Gは、ガラス基板11のパネル画像PSに示される緑色画像データ2D´G(図6に示す)の輝度である。青色画像データ輝度2Bは、ガラス基板11のパネル画像PSに示される青色画像データ2D´B(図6に示す)の輝度である。
【0037】
輝度検出・補正部7acは、カラーラインセンサカメラ2aが生成して送信したパネル画像PSiを順次受信することで、最終的にパネル画像PSを受信する。また、輝度検出・補正部7acは、受信したパネル画像PSにおいて示される、ガラス基板11、又は太陽電池パネル13、15を示す画像データ(太陽電池パネル画像データ1D´、又はガラス基板画像データ2D´)を、図6の(a)に示すような画素単位XYに分割する。図6の(a)の太陽電池パネル画像データ1D´、又はガラス基板画像データ2D´においては、X軸方向、Y軸方向の各々に基板(ガラス基板11、又は太陽電池パネル13、15)の長さがとられ、1枚の基板がXY平面の座標上(0≦X≦x7、0≦Y≦y8の範囲)に示されている。太陽電池パネル画像データ1D´には、赤色画像データ1D´R、緑色画像データ1D´G、青色画像データ1D´Bの各々が示される。ガラス基板画像データ2D´には、赤色画像データ2D´R、緑色画像データ2D´G、青色画像データ2D´Bの各々が示される。更に、輝度検出・補正部7acは、分割された画素単位XY毎に、赤色画像データ1D´Rの赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ1D´Gの緑色画像データ輝度1G、青色画像データ1D´Bの青色画像データ輝度1Bの各々を検出する。又は、輝度検出・補正部7acは、ティーチングエリアX´Y´に含まれる画素単位XY毎に、赤色画像データ2D´Rの赤色画像データ輝度2R、緑色画像データ2D´Gの緑色画像データ輝度2G、青色画像データ2D´Bの青色画像データ輝度2Bの各々を検出する。
【0038】
ガラス基板11のパネル画像PSに示される画像データ輝度2R、2G、2B(赤色画像データ輝度2R、緑色画像データ輝度2G、青色画像データ輝度2B)は、理論的にはどの画素単位XY(図6の(a)では、56個の画素単位XYに分割されている)でも等しいものと考えられる。しかしながら、一般的にはカラーラインセンサカメラ2aの周辺減光、及びそれに含まれる撮像素子の感度の不均一性等が原因となり、理論上の画像データ輝度2R、2G、2Bと、実際に検出される画像データ輝度2R、2G、2Bとは互いに相違することが多い。この相違は、パネル画像PSのうち、周辺部の画像データ輝度2R、2G、2Bが、中心部の画像データ輝度2R、2G、2Bと比較して薄い結果となって現れる。従って、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSに示される画像データ輝度1R、1G、1B(赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1B)に対しては、検出された画像データ輝度2R、2G、2Bに基づいた補正が必要になる。画像データ輝度1R、1G、1Bの検出、及び検出された画像データ輝度1R、1G、1Bの補正(「シェーディング補正」と呼称される)は、具体的に次の処理によって行われる。
【0039】
ここでは、赤色画像データ輝度2Rを基にした赤色画像データ輝度1Rの補正を例に挙げて説明するが、緑色画像データ輝度2Gを基にした緑色画像データ輝度1Gの補正、及び青色画像データ輝度2Bを基にした青色画像データ輝度1Bの補正の各々に対しても、同様の処理が行われる。緑色画像データ輝度2Gを基にした緑色画像データ輝度1Gの補正においては、以下の実施の形態1の説明における「赤色画像データ輝度2R」は「緑色画像データ輝度1G」、「赤色輝度表示データ1DD´R」は「緑色輝度表示データ1DD´G」、「赤色輝度表示データ2DD´R」は「緑色輝度表示データ2DD´G」にそれぞれ読み替えられる。また、青色画像データ輝度2Bを基にした青色画像データ輝度1Bの補正においては、以下の実施の形態1の説明における「赤色画像データ輝度2R」は「青色画像データ輝度2B」、「赤色輝度表示データ1DD´R」は「青色輝度表示データ1DD´B」、「赤色輝度表示データ2DD´R」は「青色輝度表示データ2DD´B」にそれぞれ読み替えられる。
【0040】
上記の補正を行うため、太陽電池パネル13、15の撮像の前に、予めガラス基板11の撮像が行われる。輝度検出・補正部7acは、カラーラインセンサカメラ2aが生成した、ガラス基板11のパネル画像PSを受信すると、受信したパネル画像PSのティーチングエリアX´Y´に含まれる各々の画素単位XY(7個が含まれる)毎に赤色画像データ輝度2Rを検出する。輝度検出・補正部7acは、検出された赤色画像データ輝度2Rを基にして図6の(c)に示される赤色輝度表示データ2DD´Rを生成する。生成された赤色輝度表示データ2DD´Rは記憶部7abに記憶される。赤色輝度表示データ2DD´Rは、基板長さX(横方向)に対する赤色画像データ輝度2Rを示している。
【0041】
輝度検出・補正部7acは、カラーラインセンサカメラ2aが生成した、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSを受信すると、受信したパネル画像PSを示す画像データ1D´に含まれる画素単位XY(56個が含まれる)毎に、赤色画像データ輝度1Rを検出する。赤色画像データ輝度1Rは、例えば第1曲線:2R=aX2+bX+cのような式で示され、理論上の赤色画像データ輝度2R=2Ra(基板上の位置によらず一定)であることから、次の式により、補正後の赤色画像データ輝度1Rが算出される。ここでは、同一の行(例えば0≦X≦x1、0≦Y≦y8の範囲)に含まれる画素単位XYにおいては、赤色画像データ輝度1Rの補正係数=(2Ra/aX2+bX+c)は、等しいものとしている。
(補正後の赤色画像データ輝度1R)=(補正前の赤色画像データ輝度1R)×
(2Ra/aX2+bX+c)
【0042】
図6の(c)は、補正前の赤色画像データ輝度1Rを示す曲線(第2曲線:1R=dX2+eX+f)と、補正後の赤色画像データ輝度1Rを示す曲線(第3曲線:1R=gX2+hX+i)とを示す赤色輝度表示データ1DD´Rである。
【0043】
輝度検出・補正部7acは、上記のシェーディング補正後における、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1Bの各々を合成して、図7の(b)に示す補正データ3Dを生成する。図7の(a)は、補正前における、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1Bの各々を合成した原画データODを示している。図7の(a)においては、各々の領域ARa、ARb、ARc、ARd、AReにおける斜線の本数によって、色の濃さ(=画像データ輝度1R、1G、1Bの値の大きさ)が表現されている。図6の(c)の第2曲線(上に凸の曲線)によって示される赤色画像データ輝度1R、1G、1Bに対応して、原画データODにおいては周辺部(0≦X≦x1.5、x5≦X≦x7)の色が相対的に薄くなっている。それに対し、補正データ3Dにおいては逆に、図6の(c)の第3曲線(下に凸の曲線)によって示される画像データ輝度1Rに対応して、周辺部(0≦X≦x1.5、x5≦X≦x7)の色が相対的に濃くなっている。
【0044】
色度算出部7adは、色度算出式1Taを用いて補正後の画像データ輝度1R、1G、1Bを各々変換し、色度(赤色度1R´、緑色度1G´、青色度1B´)1R´、1G´、1B´を算出する。色度図・色差図生成部7aeは、色度算出部7adによって算出された色度1R´、1G´、1B´を基にして、図8に示す太陽電池パネル色度図データ4Dを生成する。太陽電池パネル色度図データ4Dは、太陽電池パネル13、又は太陽電池パネル15のいずれかに対する色度1R´、1G´、1B´のうち、いずれか2個の値を平面図の横軸、縦軸の各々にプロットすることで生成された二次元図である(色度1R´、1G´、1B´の全てをプロットして、三次元図を生成することも可能である)。
【0045】
色度図・色差図生成部7aeは、色度算出部7adによって算出された、ガラス基板11のパネル画像PSに示される画像データ輝度2R、2G、2Bと、色度算出式1Taとを用いて算出された色度2R´、2G´、2B´を基にして、図9に示すガラス基板色度図データ5Dを生成する。ガラス基板色度図データ5Dは、ガラス基板11に対する色度2R´、2G´、2B´のうち、いずれか2個の値を平面図の横軸、縦軸の各々にプロットすることで生成された二次元図である(色度2R´、2G´、2B´の全てをプロットして、三次元図を生成することも可能である)。また、色度図・色差図生成部7aeは、ガラス基板色度図データ5Dを参照して算出された、色度1R´と色度2R´との色度差ΔR(1R´−2R´)、色度1G´と色度2G´との色度差ΔG(1G´−2G´)、色度1B´と色度2B´との色度差ΔB(1B´−2B´)の各々のうち、いずれか2個の値を用いて、太陽電池パネル色差図データ6Dを生成する。太陽電池パネル色差図データ6Dは、上記の差ΔR、ΔG、ΔBのうち、いずれか2個の差を平面図の横軸、縦軸の各々にプロットすることで生成された二次元図である(上記の色度差ΔR、ΔG、ΔBの全てをプロットして、三次元図を生成することも可能である)。
【0046】
輝度検出・補正部7acは、上記の生成された補正データ3Dを表示部8aに送信し、色度図・色差図生成部7aeは、上記の生成された太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々を表示部8aに送信する。表示部8aは、受信した補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々を、図11に示すような同一の表示画面SCで表示する。表示された補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々は、太陽電池パネル13、15の膜厚検査を行う者(以下、「検査者」と記す)によって、印字装置9aから印字出力される。これにより、検査者は、補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々の比較対照による膜厚の検査が可能となり、この検査結果に基づいて太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であるかどうか(膜厚のむらが許容範囲内にあるかどうか)を判断することも可能となる。
【0047】
尚、表示(及び印字)の形態は上記には限らず、補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々を個別に表示画面SCに表示させ、個別に印字する形態であっても構わない。
【0048】
次に、図12を用いて、本発明の太陽電池パネル膜厚検査方法10aの実施の形態1において行われる処理について説明する。
【0049】
搬送コンベア1aにガラス基板11が載せられ、ローラ1a−i(i=1,2,…,n)が同時に所定の回転速度で、所定方向に回転することで、ガラス基板11が搬送方向Yへ向かって搬送される(ステップS11)。光電スイッチ5aは、撮像の対象であるガラス基板11が所定位置に所在することを検出し、検出の結果に基づいて通知信号Nをトリガ信号送信部7aaに送信する(ステップS12)。ロータリーエンコーダ6aは、ローラ1a−iの1回転当たりに数百パルス〜数パルスのパルス信号Pをトリガ信号送信部7aaに送信し、トリガ信号送信部7aaは送信されたパルス信号Pを受信する。トリガ信号送信部7aaは、1パルスのパルス信号Pを受信する毎に1回、トリガ信号Tをカラーラインセンサカメラ2aに送信する(ステップS13)。カラーラインセンサカメラ2aは、トリガ信号送信部7aaからのトリガ信号Tの受信、ガラス基板11の撮像領域xyiの認識、認識された撮像領域xyiの撮像の一連の処理を繰り返すことで、最終的にガラス基板11全体のパネル画像PSを生成して、輝度検出・補正部7acに送信する(ステップS14)。
【0050】
輝度検出・補正部7acは、受信したパネル画像PSにおいて示される、ガラス基板11を示すガラス基板画像データ2D´に対し、ティーチングエリアX´Y´に含まれる画素単位XY毎に、画像データ輝度2R、2G、2Bの各々を検出する。輝度検出・補正部7acは、検出された画像データ輝度2R、2G、2Bを基にして輝度表示データ2DD´R、2DD´G、2DD´Bを生成する。記憶部7abは、生成された輝度表示データ2DD´R、2DD´G、2DD´Bを記憶する(ステップS15)。
【0051】
以下、太陽電池パネル13、15を用いて、ステップS11〜S14と同様の処理を行う。このとき、ステップS11〜S14における、「ガラス基板11」は「太陽電池パネル13、15」に読み替えられる。また、太陽電池パネル13、15に対しては、上記のステップS15は行われない。
【0052】
輝度検出・補正部7acは、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSを示す画像データ1D´の画素単位XY毎に、画像データ輝度1R、1G、1Bを検出する。輝度検出・補正部7acは、検出された赤色画像データ輝度1Rを赤色輝度表示データ2DD´Rに基づいて補正し、検出された緑色画像データ輝度1Gを緑色輝度表示データ2DD´Gに基づいて補正し、検出された青色画像データ輝度1Bを青色輝度表示データ2DD´Bに基づいて補正する(ステップS16)。
【0053】
輝度検出・補正部7acは、上記のシェーディング補正後における、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1Bの各々を合成して補正データ3Dを生成する(ステップS17a)。
【0054】
色度算出部7adは、色度算出式1Taを用いて画像データ輝度2R、2G、2Bを各々変換し、色度2R´、2G´、2B´を算出する。色度図・色差図生成部7aeは、色度算出部7adによって算出された色度2R´、2G´、2B´を基にしてガラス基板色度図データ5Dを生成する(ステップS17b)。
【0055】
色度算出部7adは、色度算出式1Taを用いてシェーディング補正後の画像データ輝度1R、1G、1Bを各々変換し、色度1R´、1G´、1B´を算出する。色度図・色差図生成部7aeは、色度算出部7adによって算出された色度1R´、1G´、1B´を基にして太陽電池パネル色度図データ4Dを生成する(ステップS17c)。色度図・色差図生成部7aeは、赤色度1R´と赤色度2R´との差(ΔR)、緑色度1G´と緑色度2G´との差(ΔG)、青色度1B´と青色度2B´との差(ΔB)を各々算出し、算出された差ΔR、ΔG、ΔBのうち、少なくともいずれか2個を用いて太陽電池パネル色差図データ6Dを生成する(ステップS17d)。
【0056】
輝度検出・補正部7acは、上記の生成された補正データ3Dを表示部8aに送信し、色度図・色差図生成部7aeは、上記の生成された太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々を表示部8aに送信する。表示部8aは、受信した補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々を表示画面SCで表示する。表示された補正データ3D、太陽電池パネル色度図データ4D、太陽電池パネル色差図データ6Dの各々は、検査者によって、印字装置9aから印字出力される(ステップS18)。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2における太陽電池パネル色むら検査装置10の構成は、図1と同様であるので、その詳細な説明は省略する。実施の形態2における画像処理装置7aのブロック図を図13に示す。画像処理装置7aは、トリガ信号送信部7aa、記憶部7ab、輝度検出・補正部7ac、輝度ヒストグラム生成部7af、平均値・標準偏差算出部7agの各々を具備している。これらのうち、トリガ信号送信部7aa、輝度検出・補正部7acの各々は、実施の形態1と同様の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
【0058】
実施の形態2における記憶部7abは、図14に示す算出式・設定値格納テーブル1Tを具備している。算出式・設定値格納テーブル1Tは、平均値算出式1Tb、標準偏差算出式1Tc、輝度画像データ輝度算出式1Td、設定平均値、設定標準偏差の各々を格納している。
【0059】
平均値算出式1Tbは、輝度ヒストグラム生成部7agが、各画像データ輝度ヒストグラム(後述)に基づいて、パネル画像PSに示される画像データ輝度1R、1G、1Bに対する、画素単位XYでの平均値を算出するときに用いられる式である。図14においては、画素単位XYが合計して56個(図6の(6a)に示される)のときに、青色画像データ輝度1Bの平均値B−を算出するときを例に挙げて式を示している。B1、B2、…、B56は、図6の(6a)に示す画素単位XYのうちのいずれかに対する青色画像データ輝度である。標準偏差算出式1Tcは、各画像データ輝度ヒストグラムに基づいて、パネル画像PSに示される画像データ輝度1R、1G、1Bに対する、画素単位XYでの輝度分布を示す標準偏差σを算出するときに用いられる式である。図14においては、青色画像データ輝度1Bの標準偏差σbを算出するときを例に挙げて標準偏差算出式1Tcを示しており、B2−は、B1 2、B2 2、…、B56 2の平均であり、{B−}2はB−の2乗である。輝度画像データ輝度算出式1Tdは、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1Bを合成して、黄色の画像データの輝度1Yを算出するときに用いられる式である。
【0060】
設定平均値、設定標準偏差の各々は、平均値・標準偏差算出部7agが、上記の算出される平均値、標準偏差の各々に基づいて太陽電池パネル13、15の膜厚分布(膜厚のむら)がどの程度であるかを判断するときに、その判断の基準とされる値である。Brs −は赤色画像データ輝度1Rに対する設定平均値であり、Bgs −は緑色画像データ輝度1Gに対する設定平均値である。Bbs −は青色画像データ輝度1Bに対する設定平均値であり、Bys −は輝度画像データ輝度1Yに対する設定平均値である。σrs −は赤色画像データ輝度1Rに対する設定標準偏差であり、σgs −は緑色画像データ輝度1Gに対する設定標準偏差である。σbs −は青色画像データ輝度1Bに対する設定標準偏差であり、σys −は輝度画像データ輝度1Yに対する設定標準偏差である。各画像データ輝度ヒストグラムに基づいて算出された、赤色画像データ輝度1R、緑色画像データ輝度1G、青色画像データ輝度1Bの各々について、画素単位XYでの平均値が設定平均値の範囲内であり、また、画素単位XYでの輝度の分布を示した標準偏差が設定標準偏差の範囲内であるときに、膜厚分布は正常である(膜厚のむらの程度が許容範囲内である)と判断される。
【0061】
輝度ヒストグラム生成部7afは、輝度検出・補正部7acが画素単位XY毎に検出して補正した画像データ輝度1R、1G、1Bと、画像データ輝度1R、1G、1Bと輝度画像データ輝度算出式1Tdとに基づいて算出される輝度画像データ輝度1Yとの各々を用いて、図15に示す各画像データ輝度ヒストグラム7Dを生成する。生成された各画像データ輝度ヒストグラム7Dは、輝度ヒストグラム生成部7afによって表示装置8aに送信される。各画像データ輝度ヒストグラム7Dには、赤色画像データ輝度ヒストグラム7Da、緑色画像データ輝度ヒストグラム7Db、青色画像データ輝度ヒストグラム7Dc、輝度画像データ輝度ヒストグラム7Ddの各々が示されている。また、各画像データ輝度ヒストグラム7Dには、各々の画像データ輝度1R、1G、1B、1Yに対して算出された、平均値と標準偏差とが付記して示されている。判断結果は、平均値・標準偏差算出部7agによって算出された、太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であるかどうかの判断の結果である。この判断結果は、算出された平均値(Bb −、Bg −、Br −、By −)と設定平均値(Bbs −、Bgs −、Brs −、Bys −)の大小関係、算出された標準偏差(σb、σg、σr、σy)と設定標準偏差(σbs、σgs、σrs、σys)の大小関係の各々に対応している。
【0062】
平均値・標準偏差算出部7agは、平均値算出式を用いて画像データ輝度1R、1G、1Bの各々に対する、画素単位XYでの平均値を算出し、また、標準偏差算出式を用いて画素単位XYでの画像データ輝度1R、1G、1Bの分散を示す標準偏差を算出する。また、平均値・標準偏差算出部7agは、算出された平均値(以下、「算出平均値」と記す)Br −、Bg −、Bb −と設定平均値Brs −、Bgs −、Bbs −とを比較し、算出された標準偏差(以下、「算出標準偏差」と記す)σb、σg、σr、σyと設定標準偏差σbs、σgs、σrs、σysとを比較する。この比較の結果、算出平均値Br −≦設定平均値Brs −、算出平均値Bg −≦設定平均値Bgs −、算出平均値Bb −≦設定平均値Bbs −、算出標準偏差σr −≦設定標準偏差σrs −、算出標準偏差σg −≦設定標準偏差σgs −、算出標準偏差σb −≦設定標準偏差σbs −の各々が成立するときに、平均値・標準偏差算出部7agは、太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であると判断する。
【0063】
又は、平均値・標準偏差算出部7agは、平均値算出式を用いて輝度画像データ輝度1Yに対する、画素単位XYでの平均値を算出し、また、標準偏差算出式を用いて画素単位XYでの輝度画像データ輝度1Yの分散を示す標準偏差を算出する。また、平均値・標準偏差算出部7agは、算出平均値By −と設定平均値Bys −とを比較する。更に、平均値・標準偏差算出部7agは、算出標準偏差σy −と設定標準偏差σys −とを比較する。この比較の結果、算出平均値By −≦設定平均値Bys −、算出標準偏差σy −≦設定標準偏差σys −の各々が成立するときに、平均値・標準偏差算出部7agは、太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であると判断する。
【0064】
各画像データ輝度ヒストグラム7Dにより、検査者は膜厚分布が正常であるかどうかの判断を行うことが可能となる。尚、判断結果(膜厚分布が正常であるか否か)は必ずしも示される必要はない。しかしながら、判断結果が示されないときにおいても、検査者は、Br −、Bg −、Bb −と設定平均値Brs −、Bgs −、Bbs −との大小関係、及び算出標準偏差σb、σg、σr、σyと設定標準偏差σbs、σgs、σrs、σysとの大小関係の各々を上記の形態で比較した結果に基づいて、膜厚分布が正常であるかどうかの判断を行うことが可能である。
【0065】
次に、図16を用いて、本発明の太陽電池パネル色むら検査方法の実施の形態2において行われる処理について説明する。但し、これらの処理のうち、ステップS21〜ステップS26の処理については、図12におけるステップS11〜ステップS16の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0066】
輝度ヒストグラム生成部7afは、輝度検出・補正部7acが画素単位XY毎に検出して補正した画像データ輝度1R、1G、1Bと、画像データ輝度1R、1G、1Bと輝度画像データ輝度算出式とに基づいて算出される輝度画像データ輝度1Yとの各々を用いて、各画像データ輝度ヒストグラム7Dを生成する(ステップS27)。平均値・標準偏差算出部7agは、平均値算出式1Tbを用いて、輝度検出・補正部7acが画素単位XY毎に検出して補正した画像データ輝度1R、1G、1Bの各々に対する、画素単位XYでの平均値を算出する。また、平均値・標準偏差算出部7agは、標準偏差算出式1Tcを用いて画素単位XYでの画像データ輝度1R、1G、1Bの分散を示す標準偏差を算出する(ステップS28)。また、平均値・標準偏差算出部7agは、算出平均値Br −、Bg −、Bb −と設定平均値Brs −、Bgs −、Bbs −とを比較し、算出標準偏差σb、σg、σr、σyと設定標準偏差σbs、σgs、σrs、σysとを比較する。この比較の結果に基づいて、平均値・標準偏差算出部7agは、太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であるか否かを判断する(ステップS29)。
【0067】
輝度ヒストグラム生成部7afは、生成された各画像データ輝度ヒストグラム7Dを表示装置8aに送信する。平均値・標準偏差算出部7agは、算出された平均値、標準偏差の各々と、膜厚分布に対する判断結果とを表示装置8aに送信する。表示装置8aは、受信した各画像データ輝度ヒストグラム7D、平均値(及び設定平均値との大小関係)、標準偏差(及び設定標準偏差との大小関係)、膜厚分布に対する判断結果の各々を図15のような形態で表示する(ステップS29−2)。
【0068】
又は、平均値・標準偏差算出部7agは、ステップS28、S29において、次のそれぞれ次の処理を行う。
【0069】
平均値・標準偏差算出部7agは、平均値算出式1Tbを用いて輝度画像データ輝度1Yに対する、画素単位XYでの平均値を算出し、また、標準偏差算出式を用いて画素単位XYでの輝度画像データ輝度1Yの分散を示す標準偏差を算出する(ステップS28)。また、平均値・標準偏差算出部7agは、算出平均値By −と設定平均値Bys −とを比較する。更に、平均値・標準偏差算出部7agは、算出標準偏差σy −と設定標準偏差σys −とを比較する。この比較の結果に基づいて、平均値・標準偏差算出部7agは、太陽電池パネル13、15の膜厚分布が正常であるか否かを判断する(ステップS29)。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3における太陽電池パネル色むら検査装置10の構成は、図1と同様であるので、その詳細な説明は省略する。実施の形態3における画像処理装置7aのブロック図を図17に示す。画像処理装置7aは、トリガ信号送信部7aa、記憶部7ab、輝度検出・補正部7ac、二値化データ生成部7ahの各々を具備している。これらのうち、トリガ信号送信部7aa、輝度検出・補正部7acの各々は、実施の形態1又は2と同様の処理を行うので、その詳細な説明は省略する。
【0071】
記憶部7abは、設定輝度1Gr、1Ggを示す設定輝度表示データSDを記憶している。設定輝度1Gr、1Ggは、二値化データ生成部7ahが画像データ輝度1R、1Gを二値化して、(輝度を特定レベルで区分し、二種の色に区分して示す)太陽電池パネル二値化データ(後述)を生成するときに参照される値である。
【0072】
二値化データ生成部7ahは、図18に示す太陽電池パネル二値化データ8Dを生成する。太陽電池パネル二値化データ8Dには、輝度検出・補正部7acによって検出して補正された、太陽電池パネル13に対する、画素単位XYでの緑色画像データ輝度1Gが設定輝度1Ggで二値化されて示されている。図18において、例えば右下がりの斜線部分(領域AR1、AR4)は、緑色画像データ輝度1Gが設定輝度1Gg以下の領域であり、左下がりの斜線部分(領域AR2、AR3、AR5、AR6)は、緑色画像データ輝度1Gが設定輝度1Gg以上の領域である。太陽電池パネル二値化データ8Dには、領域AR2、AR3、AR5、AR6の太陽電池パネル13全体の面積に対する占有率(AAA%)が付記して示されている。この占有率(AAA%)は、二値化データ生成部1ahによって算出される。
【0073】
又は、太陽電池パネル二値化データ6Dには、輝度検出・補正部7acによって検出して補正された、太陽電池パネル15に対する、画素単位XYでの赤色画像データ輝度1Rが設定輝度1Grで二値化されて示されている。図19において、例えば右下がりの斜線部分(領域AR1、AR4)は、赤色画像データ輝度1Gが設定輝度1Gr以下の領域であり、左下がりの斜線部分(領域AR2、AR3、AR5、AR6)は、赤色画像データ輝度1Rが設定輝度1Gr以上の領域である。太陽電池パネル二値化データ8Dには、領域AR2、AR3、AR5、AR6の太陽電池パネル13全体の面積に対する占有率(BBB%)が付記して示されている。この占有率(BBB%)は、二値化データ生成部1ahによって算出される。
【0074】
次に、図20を用いて、本発明の太陽電池パネル色むら検査方法の実施の形態3において行われる処理について説明する。但し、これらの処理のうち、ステップS31〜ステップ34の処理については、図12におけるステップS11〜ステップS14の処理と同様である(ガラス基板11、太陽電池パネル13、15を用いた各々の処理の双方に対して)ので、その説明は省略する。
【0075】
輝度検出・補正部7acは、受信したパネル画像PSにおいて示される、ガラス基板11を示すガラス基板画像データ2D´に対し、ティーチングエリアX´Y´に含まれる画素単位XY毎に、赤色画像データ輝度2Rの各々を検出する。輝度検出・補正部7acは、検出された赤色画像データ輝度2Rを基にして赤色輝度表示データ2DD´Rを生成する。記憶部7abは、生成された赤色輝度表示データ2DD´Rを記憶する(ステップS35)。
【0076】
輝度検出・補正部7acは、太陽電池パネル13、15のパネル画像PSを示す画像データ1D´の画素単位XY毎に、赤色画像データ輝度1Rを検出する。輝度検出・補正部7acは、検出された赤色画像データ輝度1Rを赤色輝度表示データ2DD´Rに基づいて補正する(ステップS36)。二値化データ生成部7ahは、輝度検出・補正部7acによって検出して補正された、画素単位XYでの赤色画像データ輝度1Rを設定輝度1Grで二値化し、占有率(AAA)%を算出して、太陽電池パネル二値化データ8Dを生成する(ステップS37)。
【0077】
尚、上記のステップS35〜ステップS37は、太陽電池パネル15を用いたときに行われる処理である。太陽電池パネル13を用いたときには、「赤色画像データ輝度2R」は「緑色画像データ輝度2G」、「赤色輝度表示データ2DD´R」は「緑色輝度表示データ2DD´G」、「設定輝度1Gr」は「設定輝度1Gg」、「AAA」は「BBB」にそれぞれ読み替えられる。
【0078】
二値化データ生成部7ahは、生成された太陽電池パネル二値化データ8Dと、算出された占有率とを表示装置8aに送信する。表示装置8aは、受信した太陽電池パネル二値化データ8Dと占有率とを表示する。印字装置9aは、検査者の操作に基づいて、表示される太陽電池パネル二値化データ8Dと占有率とを印字する(ステップS38)。
【0079】
【発明の効果】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置により、太陽電池パネルが大面積を有するときであっても、出来る限り小型の装置でパネル画像の撮像を行うことが可能となる。
【0080】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置により、大面積の太陽電池パネルに対する撮像、及び撮像されて生成したパネル画像に基づく膜厚分布の検査を、オンラインで自動的に行うことが可能となる。
【0081】
本発明の太陽電池パネル色むら検査装置により、膜厚分布に対する最適な解析を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置のの実施の形態1、2、3に係る構成を示す図である。
【図2】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1、2、3に係る、カラーラインセンサカメラとライン照明器に対する配置構成を示す図である。
【図3】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1、2、3に係る、撮像領域を示す図である。
【図4】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、色度算出式を示す図である。
【図6】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、画像データ輝度に対する補正の形態を示す図である。
【図7】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、(a)原画データと、(b)補正データの各々を示す図である。
【図8】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、太陽電池パネル色度図データを示す図である。
【図9】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、ガラス基板色度図データを示す図である。
【図10】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、太陽電池パネル色差図データを示す図である。
【図11】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態1に係る、表示画面を示す図である。
【図12】本発明の太陽電池パネル色むら検査方法の実施の形態1に係る、処理の過程を示す図である。
【図13】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態2に係る、画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態2に係る、算出式・設定値格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図15】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態2に係る、各画像データヒストグラムを示す図である。
【図16】本発明の太陽電池パネル色むら検査方法の実施の形態2に係る、処理の過程を示す図である。
【図17】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態3に係る、画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態3に係る、設定輝度表示データを示す図である。
【図19】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の実施の形態3に係る、太陽電池パネル二値化データを示す図である。
【図20】本発明の太陽電池パネル色むら検査方法の実施の形態3に係る、処理の過程を示す図である。
【図21】本発明の太陽電池パネル色むら検査装置の従来の技術に係る、太陽電池パネル、太陽電池の構成、及び太陽電池の形成過程を示す図である。
【符号の説明】
10:太陽電池パネル色むら検査装置
11:ガラス基板
12:透明電極膜
13:太陽電池パネル
14:半導体膜
15:太陽電池パネル
16:裏面電極膜
17:太陽電池
18a、18b、18c、18d、18e、18f:膜厚
19:複合膜
1a:搬送コンベア
1a−i:ローラ
1A−i:中心孔部
2a:カラーラインセンサカメラ
3a:ライン照明器
4a:調光器
5a:光電スイッチ
6a:ロータリーエンコーダ
7a:画像処理装置
7aa:トリガ信号送信部
7ab:記憶部
7ac:輝度検出・補正部
7ad:色度算出部
7ae:色度図・色差図生成部
7af:輝度ヒストグラム生成部
7ag:平均値・標準偏差算出部
7ah:二値化データ生成部
8a:表示装置
9a:印字装置
ARa、ARb、ARc、ARd、ARe:領域
AR1、AR2、AR3、AR4、AR5、AR6、AR7:領域
X、Y:基板長さ
xyi(i=1,2,…,n):撮像領域
XY:画素単位
iXY:画素数
X´Y´:ティーチングエリア
OD:原画データ
1D´:太陽電池パネル画像データ
2D´:ガラス基板画像データ
1D´R、2D´R:赤色画像データ
1D´G、2D´G:緑色画像データ
1D´B、2D´B:青色画像データ
1DD´R、2DD´R:赤色輝度表示データ
1DD´G、2DD´G:緑色輝度表示データ
1DD´B、2DD´B:青色輝度表示データ
3D:補正データ
4D:太陽電池パネル色度図データ
5D:ガラス基板色度図データ
6D:太陽電池パネル色差図データ
7D:各画像データ輝度ヒストグラム
8D:太陽電池パネル二値化データ
1R、2R:赤色画像データ輝度
1G、2G:緑色画像データ輝度
1B、2B:青色画像データ輝度
1Y、2Y:輝度画像データ輝度
1R´、2R´:赤色度
1G´、2G´:緑色度
1B´、2B´:青色度
1Y´、2Y´:輝度
L1:照射光
L2:反射光
L3:垂線
α1、α2:角度
N:通知信号
P:パルス信号
PS、PSi(i=1,2,…,n):パネル画像
T:トリガ信号
Claims (13)
- 基板上に薄膜が積層された太陽電池パネルを搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記太陽電池パネルの速度に基づいて、撮像要求を送信する撮像制御部と、
前記撮像制御部からの前記撮像要求に応答して、前記搬送される太陽電池パネルを撮像してパネル画像を生成する撮像部と、
前記パネル画像を解析して、前記薄膜の膜厚を示す膜厚データを生成するデータ生成部とを具備し、
前記パネル画像は、前記薄膜の膜厚を色むらで示し、前記膜厚データは、前記色むらを解析することで生成される
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項1において、
前記搬送される太陽電池パネルに光を照射する光照射部を更に具備し、
前記光照射部から照射された光は、前記搬送される太陽電池パネルにより反射されて前記撮像部に入射される太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項2において、
前記光照射部から照射された光の前記搬送される太陽電池パネルへの入射角度は、16〜20°である太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記膜厚データは、前記薄膜の膜厚の分布を示す膜厚分布データであり、
前記データ生成部は、前記パネル画像から前記膜厚分布データを生成する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記太陽電池パネルは、ガラス基板と前記薄膜とを有し、前記撮像部は、前記ガラス基板と前記太陽電池パネルのいずれかを撮像し、前記パネル画像は、前記撮像されるガラス基板、及び前記撮像される太陽電池パネルのいずれかを示す画像データを含み、前記膜厚分布データは、第1膜厚分布データを含み、
前記データ生成部は、前記太陽電池パネルを示す画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1輝度を、前記ガラス基板を示す画像データの第2輝度に基づいて補正することで前記第1膜厚分布データを生成する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項5において、
前記膜厚分布データは、第2膜厚分布データを含み、前記太陽電池パネルを示す画像データは、複数の第1画像データであり、前記複数の第1画像データは、赤色の第1赤色画像データ、緑色の第1緑色画像データ、青色の第1青色画像データの各々を含み、前記ガラス基板を示す画像データは、複数の第2画像データであり、前記複数の第2画像データは、赤色の第2赤色画像データ、緑色の第2緑色画像データ、青色の第2青色画像データの各々を含み、
前記データ生成部は、前記第1赤色画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1赤色画像データの第1輝度を前記第2赤色画像データの第2輝度に基づいて補正し、前記補正された第1赤色画像データの第1輝度を用いて前記第1赤色画像データの第1色度を算出し、前記第1緑色画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1緑色画像データの第1輝度を前記第2緑色画像データの第2輝度に基づいて補正し、前記補正された第1緑色画像データの第1輝度を用いて前記第1緑色画像データの第1色度を算出し、前記第1青色画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1青色画像データの第1輝度を前記第2青色画像データの第2輝度に基づいて補正し、前記補正された第1青色画像データの第1輝度を用いて前記第1青色画像データの第1色度を算出し、前記算出された第1赤色画像データの第1色度、前記算出された第1緑色画像データの第1色度、前記算出された第1青色画像データの第1色度のうち、少なくともいずれか2個の第1色度を用いて前記第2膜厚分布データを生成する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項6において、
前記膜厚分布データは、第3膜厚分布データを含み、
前記データ生成部は、前記算出された第1赤色画像データの第1色度と、前記第2赤色画像データの第2輝度に基づいて算出される前記第2赤色画像データの第2色度との差、前記算出された第1緑色画像データの第1色度と、前記第2緑色画像データの第2輝度に基づいて算出される前記第2緑色画像データの第2色度との差、前記算出された第1青色画像データの第1色度と、前記第2青色画像データの第2輝度に基づいて算出される前記第2青色画像データの第2色度との差の各々のうち、少なくともいずれか2個の差を用いて前記第3膜厚分布データを生成する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項6において、
前記膜厚分布データは、第4膜厚分布データを含み、前記第4膜厚分布データは、前記補正された第1赤色画像データの第1輝度と、前記補正された第1赤色画像データの第1輝度に対応する画素数とを示し、前記補正された第1緑色画像データの第1輝度と、前記補正された第1緑色画像データの第1輝度に対応する画素数とを示し、前記補正された第1青色画像データの第1輝度と、前記補正された第1青色画像データの第1輝度に対応する画素数とを示し、
前記データ生成部は、前記第4膜厚分布データに基づいて、前記補正された第1赤色画像データの第1輝度、前記補正された第1緑色画像データの第1輝度、及び前記補正された第1青色画像データの第1輝度の各々に対する、第1平均値と第1標準偏差とを算出し、前記算出の結果、前記算出される第1平均値が第1設定平均値の範囲内であり、前記算出される第1標準偏差が第1設定標準偏差の範囲内であるときに、前記膜厚分布が正常であると判断する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項6において、
前記膜厚分布データは、第5膜厚分布データを含み、前記第5膜厚分布データは、黄色の輝度画像データの第1輝度と、前記輝度画像データの画素数とを示し、
前記データ生成部は、前記第5膜厚分布データに基づいて、前記輝度画像データの第1輝度に対する、第2平均値と第2標準偏差の各々を算出し、前記算出の結果、前記算出される第2平均値が第2設定平均値の範囲内であり、前記算出される第2標準偏差が第2設定標準偏差の範囲内であるときに、前記膜厚分布が正常であると判断する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項4乃至9のいずれかにおいて、
前記薄膜は、透明電極膜と、前記透明電極膜と半導体膜とを含む複合膜とのいずれかであり、前記太陽電池パネルは、前記透明電極膜と、前記複合膜とのいずれかを有し、前記膜厚分布データは、前記透明電極膜の膜厚分布と、前記複合膜の膜厚分布とのいずれかを示し、
前記撮像部は、前記透明電極膜のパネル画像と、前記複合膜のパネル画像のいずれかを撮像して前記データ生成部に送信し、
前記データ生成部は、前記送信されるいずれかの画像を解析し、前記解析の結果に基づいて、前記いずれかの膜厚分布を示す膜厚分布データを生成する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項6において、
前記膜厚分布データは、第6膜厚分布データを含み、前記画像データは、前記第1緑色画像データであり、前記第6膜厚分布データは、設定輝度で二値化された前記第1緑色画像データの第1輝度と、前記第1緑色画像データの第1輝度のうち、前記設定輝度以上の第1緑色画像データの画素数とを示し、前記薄膜は、透明電極膜であり、前記太陽電池パネルは、前記透明電極膜を有し、
前記データ生成部は、前記第1緑色画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1輝度を前記第2緑色画像データの第2輝度に基づいて補正し、前記補正された第1輝度と前記設定輝度とに基づいて前記第6膜厚分布データを生成し、前記生成された第6膜厚分布データにおける、前記第1輝度が前記設定輝度以上である第1緑色画像データの占有率を算出し、前記算出された占有率に基づいて、前記透明電極膜の膜厚分布が正常であるか否かを判断する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 請求項6において、
前記膜厚分布データは、第7膜厚分布データであり、前記画像データは、前記赤色画像データであり、前記第7膜厚分布データは、設定輝度で二値化された前記第1赤色画像データの第1輝度と、前記第1赤色画像データの第1輝度のうち、前記設定輝度以上の第1赤色画像データの画素数とを示し、前記薄膜は、透明電極膜と半導体膜とを有する複合膜であり、前記太陽電池パネルは、前記複合膜を有し、
前記データ生成部は、前記第1赤色画像データの第1輝度を検出し、前記検出された第1輝度を前記第2赤色画像データの第2輝度に基づいて補正し、前記補正された第1輝度と前記設定輝度とに基づいて前記第7膜厚分布データを生成し、前記生成された第7膜厚分布データにおける、前記第1輝度が前記設定輝度以上である第1赤色画像データの占有率を算出し、前記算出された占有率に基づいて、前記複合膜の膜厚分布が正常であるか否かを判断する
太陽電池パネル色むら検査装置。 - 搬送部、撮像制御部、及び撮像部を具備する太陽電池パネル色むら検査装置により実行される太陽電池パネル色むら検査方法において、
前記搬送部が、基板上に薄膜が積層された太陽電池パネルを搬送するステップと、
前記撮像制御部が、前記搬送部により搬送される前記太陽電池パネルの速度に基づいて、撮像要求を送信するステップと、
前記撮像部が、前記撮像制御部からの前記撮像要求に応答して、前記搬送される太陽電池パネルを撮像してパネル画像を生成するステップと、
前記データ生成部が、前記パネル画像を解析して、前記薄膜の膜厚を示す膜厚データを生成するステップとを具備し、
前記パネル画像は、前記薄膜の膜厚を色むらで示し、前記膜厚データは、前記色むらを解析することで生成される
太陽電池パネル色むら検査方法。
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