JP2004095039A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することができる光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】複数の光源53、54から出射された各光束は、光学素子52で略平行光とされた後、対物レンズ60を介して対応する情報記録媒体の記録面に集光される。ここでは、光学素子に入射する各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいために、波長が短い光束では、対物レンズで集光される光束の光強度分布がほぼ均一となり、波長が長い光束では、その大部分が対物レンズで集光されることとなる。すなわち、対物レンズに取り込まれる光束のRIMをその波長での理想値に近づけることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、複数種類の情報記録媒体の記録面に光を照射し、その記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置では、光ディスクなどの情報記録媒体が用いられ、そのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射することにより情報の記録及び消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御などに必要な情報(サーボ制御情報)を含む信号が出力される。
【0004】
近年、情報記録媒体として、記録容量がCD(Compact Disc)よりも飛躍的に大きなDVD(Digital Versatile Disc)が一般化されてきた。CDに対して記録及び再生を行なうには、波長が785nmのレーザ光が用いられ、DVDに対して記録及び再生を行なうには、波長が660nmのレーザ光が用いられるため、従来は、CD用の光ディスク装置とDVD用の光ディスク装置とがそれぞれ独立して、パーソナルコンピュータなどの情報機器の周辺機器として用いられていた。
【0005】
その後、上記情報機器の小型軽量化に伴い、CDとDVDの両方をアクセスできる光ディスク装置の必要性が高まってきた。この場合、DVDとCDの両方に対応するために、光ピックアップ装置は、光源として、波長が660nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(以下、「DVD光源」ともいう)と波長が785nmのレーザ光を出射する半導体レーザ(以下、「CD光源」ともいう)とが必要であり、さらにそれぞれのレーザ光を検出するための光学系が必要である。しかしながら、660nm用の光学系と785nm用の光学系とをそれぞれ個別に配置すると、光ピックアップ装置が大型化してしまうという不都合があった。以下では、2つの異なる波長の光源を備えた光ピックアップ装置を「2波長光ピックアップ装置」ともいう。
【0006】
そこで、例えば、特許第3026279号公報には、互いに波長が異なるレーザ光を出力する2つのレーザ素子が一体に集積されたLDモジュールを備え、かつ各波長の戻り光束に対して受光素子を共用化した記録再生装置用レーザモジュールが開示されている。このレーザモジュールを用いた光ピックアップ装置では、光学系の共用化及び光学部品点数の削減が可能となり、部品組み付けの簡易化、低コスト化及び小型化が促進された。
【0007】
一般的に、光源として用いられる半導体レーザから出射される光束(以下、「出射光束」ともいう)は、一例として図14に示されるように、半導体レーザLDの活性層(ヘテロ接合面)ALに対して垂直な方向を長軸方向とする楕円形の強度分布を持つ発散光である。そして、出射光束のうちで対物レンズに取り込まれ、情報記録媒体の記録面に集光される光束(以下、「取込光束」ともいう)の割合は、対物レンズの入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における強度の比で示され、リム強度と呼ばれている。例えばリム強度=50%の場合の取込光束の一例が図15に示されている。そして、出射光束の光量に対する記録面での光量の割合、すなわち光利用効率は、一例として図16に示されるように、リム強度とほぼ反比例の関係にある。すなわち、リム強度が高くなるように設計すれば光利用効率が低下し、光利用効率が高くなるように設計すればリム強度が低くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、CD光源からの出射光束に対するリム強度は、DVD光源からの出射光束に対するリム強度に比べて低く設計されている。これは、DVDでは記録密度が高いために光スポットのスポット径を正確に制御する必要があり、一方、CDでは光利用効率を高めることが重要視されるためである。
【0009】
しかしながら、上記特許第3026279号公報のレーザモジュールを用いた光ピックアップ装置では、CD光源からの出射光束に対するリム強度とDVD光源からの出射光束に対するリム強度とが等しくなるために、例えば光学系をDVDに対して最適化すると、CDにおける光利用効率が低下し、アクセス速度の高速化に対応するのが困難であるという不都合があった。一方、光学系をCDに対して最適化すると、DVDにおける光スポットのスポット径を正確に制御することが困難であるという不都合があった。
【0010】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、高速度でのアクセスを安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数種類の情報記録媒体の記録面上に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設けられ、波長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源と;前記各光束を対応する情報記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、前記複数の光源から出射され前記対物レンズに向かう各光束を略平行光とする光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する光検出器と;を備え、前記光学素子に入射する各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいことを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0013】
これによれば、複数の光源から択一的に出射された各光束は、光学素子で略平行光とされた後、対物レンズを介して対応する情報記録媒体の記録面に集光される。通常、光束の波長が短いほど対応する情報記録媒体の記録密度が高く、対物レンズでは光スポットをより小さく絞る必要がある。このためには、できるだけ光強度が一様であることが望ましい。一方、情報記録媒体の記録密度があまり高くない場合には、アクセス速度を上げることが重要視され、そのために光源から出射される光束の大部分が対物レンズで集光されることが望ましい。ここでは、光学素子に入射する各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいために、波長が短い光束では、対物レンズで集光される光束の光強度がほぼ一様となり、波長が長い光束では、その大部分が対物レンズで集光されることとなる。すなわち、対物レンズに取り込まれる光束のリム強度をその波長での理想値に近づけることができる。また、複数の光源から出射される各光束に対して対物レンズを共通化しているため、光ピックアップ装置の小型化及び低コスト化を促進することができるとともに、組み付け工程及び調整工程を簡略化することが可能となる。従って、大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することが可能となる。
【0014】
この場合において、請求項2に記載の光ピックアップ装置の如く、前記対物レンズで集光される前記各光束は、その波長が短いほど前記対物レンズの入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における強度の比であるリム強度が大きいこととすることができる。
【0015】
この場合において、請求項3に記載の光ピックアップ装置の如く、前記リム強度は、10%以上でありかつ70%以下であることとすることができる。
【0016】
上記請求項1〜3に記載の各光ピックアップ装置において、請求項4に記載の光ピックアップ装置の如く、前記複数の光源から出射される各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいこととすることができる。かかる場合には、例えば光源から出射される光束の発散角を調整せずに、波長が短いほどその発散角が大きい光束を光学素子に入射することが可能となる。
【0017】
上記請求項1〜4に記載の各光ピックアップ装置において、請求項5に記載の光ピックアップ装置の如く、前記複数の光源から出射される各光束は、その最大強度出射方向の断面における光強度分布が楕円形状の発散光であり、その波長が短いほど前記楕円の短軸を含む面での発散角が大きいこととすることができる。かかる場合には、波長に応じたリム強度を確保することが可能となる。
【0018】
上記請求項1〜5に記載の各光ピックアップ装置において、請求項6に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学系は、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源から出射され前記光学素子に向かう光束の発散角を調整する調整光学素子を含むこととすることができる。かかる場合には、光源から出射される光束の発散角は調整光学素子で調整されるため、汎用の安価な光源を用いることが可能となる。
【0019】
この場合において、請求項7に記載の光ピックアップ装置の如く、前記調整光学素子は、波長選択性を有することとすることができる。かかる場合には、調整光学素子の配置位置に関する許容誤差が大きくなり、組み付け作業及び調整作業を簡素化することが可能となる。すなわち、作業コストを低減することができる。
【0020】
この場合において、請求項8に記載の光ピックアップ装置の如く、前記複数の光源が、第1の波長の光束を第1の光束として出射する第1の光源と、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光束を第2の光束として出射する第2の光源とを含む場合に、前記第1の光束及び第2の光束が、その最大強度出射方向の断面における光強度分布が楕円形状の発散光であるとき、前記調整光学素子は、前記第1の光束の光強度分布がほぼ円形状となるように前記楕円の短軸を含む面での発散角を拡大する第1の調整光学素子と、前記第2の光束の光強度分布がほぼ円形状となるように前記楕円の長軸を含む面での発散角を縮小する第2の調整光学素子とを含むこととすることができる。かかる場合には、波長に応じたリム強度を確保することができるとともに、各光束をほぼ理想とするスポット径に絞ることが可能となる。
【0021】
この場合において、請求項9に記載の光ピックアップ装置の如く、前記第1の調整光学素子と前記第2の調整光学素子とは、互いに積層され一体化されていることとすることができる。かかる場合には、組み付け時の部品点数が減少し、組み付け作業及び調整作業を簡素化することができ、作業コストを低減することが可能となる。
【0022】
上記請求項6に記載の光ピックアップ装置において、請求項10に記載の光ピックアップ装置の如く、前記調整光学素子は、印加電圧に応じて発散角の調整作用が変化することとすることができる。かかる場合には、例えば印加電圧を制御することにより、1つの調整光学素子を用いて、波長の異なる複数の光束に対してそれぞれの発散角を最適な角度に調整することができる。
【0023】
上記請求項6〜10に記載の各光ピックアップ装置において、請求項11に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学系が、前記複数の光源と前記光学素子との間に配置され前記戻り光束を往路と復路の共通光路上から分岐する分岐光学素子を含む場合に、前記調整光学素子は、前記分岐光学素子と前記光学素子との間に配置されていることとすることができる。かかる場合には、分岐光学素子で分岐された戻り光束が調整光学素子で干渉されることを防止できる。従って、光検出器から出力される信号を安定させることが可能となる。
【0024】
請求項12に記載の発明は、複数種類の情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0025】
これによれば、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を備えているために、複数種類の情報記録媒体に対して、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することができ、結果として、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、高速度での記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを安定して行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0027】
図1には、本発明に係る光ピックアップ装置を備える一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成が示されている。
【0028】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、ドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、光ディスク装置20は、CD及びDVDの2種類の情報記録媒体に対応可能であるものとする。
【0029】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0030】
図1に戻り、前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28は、ウォブル信号からアドレス情報及び同期信号等を抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0031】
前記サーボコントローラ33は、サーボ信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御する制御信号を生成し、ドライバ27に出力する。
【0032】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になると、CPU40に通知する。
【0033】
前記ドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23及びスピンドルモータ22を制御する。
【0034】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を作成する。そして、エンコーダ25は、CPU40からの指示に基づいて、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0035】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号に基づいて、光ピックアップ装置23からのレーザ光出力を制御する。なお、レーザコントロール回路24は、CPU40の指示に基づいて後述する光ピックアップ装置23の2つの光源の一方を制御対象とする。
【0036】
前記インターフェース38は、ホスト(例えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
【0037】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、ROM39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。
【0038】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図2(A)及び図2(B)に基づいて説明する。
【0039】
光ピックアップ装置23は、図2(A)に示されるように、波長が660nmのレーザ光及び波長が785nmのレーザ光をそれぞれ択一的に出射するとともに、光ディスク15の記録面からの戻り光束を受光する受発光モジュールLM、第1の発散角調整素子M1、第2の発散角調整素子M2、カップリングレンズ52、対物レンズ60及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ)(いずれも図示省略)などを備えている。
【0040】
受発光モジュールLMは、一例として図2(B)に示されるように、波長が660nmのレーザ光を出射する第1の半導体レーザ53、及び波長が785nmのレーザ光を出射する第2の半導体レーザ54などを備える発光部ELと、光ディスク15の記録面からの戻り光束を分岐する分岐光学素子としてのホログラム61及び該ホログラム61で分岐された戻り光束を受光する光検出器としての受光素子59などを備える受光部RLとを含んで構成されている。第1の半導体レーザ53は光ディスク15がDVDの場合に選択され、第2の半導体レーザ54は光ディスク15がCDの場合に選択される。本実施形態では、各半導体レーザから出射される光束の最大強度出射方向を−Z方向とする。
【0041】
本実施形態では、第1の半導体レーザ53及び第2の半導体レーザ54は、一例として図3に示されるように、その活性層AL1、AL2がXZ面に平行となるように配置されているものとする。従って、各半導体レーザから出射される光束は、Y軸方向を長軸方向とする楕円形の光強度分布を持つ発散光である。すなわち、第1の半導体レーザ53から出射される光束(以下、便宜上「第1の出射光束」ともいう)は、一例として図4(A)及び図4(B)に示されるように、YZ面内での発散角θ1YとXZ面内での発散角θ1Zとは同一ではなく、θ1Y>θ1Zの関係にある。同様に、第2の半導体レーザ54から出射される光束(以下、便宜上「第2の出射光束」ともいう)も、一例として図5(A)及び図5(B)に示されるように、YZ面内での発散角(θ2Yとする)とXZ面内での発散角(θ2Zとする)とは同一ではなく、θ2Y>θ2Zの関係にある。
【0042】
図2(B)に戻り、各半導体レーザの−Z側には出射窓に固定された前記ホログラム61が配置されている。前記受光器59は、従来と同様に、ウォブル信号、再生信号及びサーボ信号などを検出するのに最適な信号を出力する複数の受光素子を含んでいる。
【0043】
図2(A)に戻り、受発光モジュールLMの−Z側には、前記第1の発散角調整素子M1が配置されている。この第1の発散角調整素子M1は、波長選択性を有し、第1の出射光束の発散角を選択的に調整する。
【0044】
第1の発散角調整素子M1の−Z側には、前記第2の発散角調整素子M2が配置されている。この第2の発散角調整素子M2は、波長選択性を有し、第2の出射光束の発散角を選択的に調整する。第1の発散角調整素子M1及び第2の発散角調整素子M2としては、例えば高分子液晶のように屈折率が波長によって異なる材料を硝材とする光学素子が用いられる。
【0045】
ここで、カップリングレンズ52の焦点距離をfclとすると、カップリングレンズ52を透過した第1の出射光束のビーム径φdvdは、図6に示されるように、次の(1)式で求めることができる。ここで、θ1は、カップリングレンズ52に入射する第1の出射光束の発散角である。
【0046】
φdvd=2×fcl×sin(θ1/2) ……(1)
【0047】
また、カップリングレンズ52を透過した第2の出射光束のビーム径φcdは、次の(2)式で求めることができる。ここで、θ2は、カップリングレンズ52に入射する第2の出射光束の発散角である。
【0048】
φcd=2×fcl×sin(θ2/2) ……(2)
【0049】
一例として図7に示されるように、カップリングレンズ52に入射する光束の発散角とリム強度との間には相関関係があり、発散角が大きくなるとリム強度は高くなる。そこで、DVDの場合のリム強度をCDの場合のリム強度よりも高く、言い換えると、DVDの場合よりもCDの場合の光利用効率を高く設計するには、次の(3)式を満足する必要がある。
【0050】
φdvd>φcd ……(3)
【0051】
すなわち、次の(4)式を満足する必要がある。
【0052】
θ1>θ2 ……(4)
【0053】
ここで、例えばDVDの場合のリム強度を30%(光利用効率=約45%)、CDの場合のリム強度を15%(光利用効率=約50%)とするには、一例としてカップリングレンズ52の焦点距離fclが11mmであれば、θ1は11度、θ2は7.7度となる。
【0054】
なお、本実施形態では一例として、図8(A)に示されるように、第1の発散角調整素子M1がない場合に、第1の出射光束のうち対物レンズ60に取り込まれる光束Bdvdは、Y軸方向に関してはほぼリム強度=30%であるが、X軸方向に関してはリム強度<30%であるものとする。また、図8(B)に示されるように、第2の発散角調整素子M2がない場合に、第2の出射光束のうち対物レンズ60に取り込まれる光束Bcdは、X軸方向に関してはほぼリム強度=15%であるが、Y軸方向に関してはリム強度>15%であるものとする。
【0055】
そこで、第1の発散角調整素子M1は、第1の出射光束のXZ面内における発散角θ1Zを(θ1Y/θ1Z)倍(>1)にする。これにより、図9(A)に示されるように、第1の発散角調整素子M1を透過した第1の出射光束のXZ面内における発散角は、発散角θ1Zよりも大きくなり、YZ面内における発散角θ1Yとほぼ等しくなる。そして、対物レンズ60に取り込まれる光束は、X軸方向に関してもほぼリム強度=30%となる。
【0056】
また、第2の発散角調整素子M2は、第2の出射光束のYZ面内における発散角θ2Yを(θ2Z/θ2Y)倍(<1)にする。これにより、図9(B)に示されるように、第2の発散角調整素子M2を透過した第2の出射光束のYZ面内における発散角は、発散角θ2Yよりも小さくなり、XZ面内における発散角θ2Zとほぼ等しくなる。そして、対物レンズ60に取り込まれる光束は、Y軸方向に関してもほぼリム強度=15%となる。
【0057】
前記カップリングレンズ52は、第2の発散角調整素子M2の−Z側に配置され、第1の出射光束及び第2の出射光束をそれぞれ略平行光とする。カップリングレンズ52の−Z側には前記対物レンズ60が配置されている。この対物レンズ60は、カップリングレンズ52を透過した光束を集光し、光ディスク15の記録面上に光スポットを形成する。
【0058】
上記のように構成される光ピックアップ装置23の作用を説明する。先ず、光ディスク15がDVDの場合について説明する。
【0059】
第1の半導体レーザ53から出射された光束は、ホログラム61に入射する。このホログラム61を透過した光束は、第1の発散角調整素子M1にてXZ面における発散角が拡大される。この光束は、第2の発散角調整素子M2をそのまま透過し、カップリングレンズ52で略平行光となった後、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0060】
光ディスク15の記録面で反射した反射光は、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされる。この戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、第2の発散角調整素子M2及び第1の発散角調整素子M1を介してホログラム61に入射する。このホログラム61で回折された戻り光束は受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0061】
次に、光ディスク15がCDの場合について説明する。第2の半導体レーザ54から出射された光束は、ホログラム61に入射する。このホログラム61を透過した光束は、第1の発散角調整素子M1をそのまま透過し、第2の発散角調整素子M2に入射する。この光束は第2の発散角調整素子M2にてYZ面における発散角が縮小され、カップリングレンズ52で略平行光となった後、対物レンズ60を介して光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0062】
光ディスク15の記録面で反射した反射光は、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされる。この戻り光束は、コリメートレンズ52を透過した後、第2の発散角調整素子M2及び第1の発散角調整素子M1を介してホログラム61に入射する。このホログラム61で回折された戻り光束は受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0063】
また、光ディスク15がCDであるかDVDであるかは、その記録面からの反射光の強度から判別することができる。通常、この判別は光ディスク15が光ディスク装置20の所定位置に挿入されたとき、すなわちローディング時に行われる。また、光ディスク15に予め記録されているTOC(Table Of Contents)情報、PMA(Program Memory Area)情報及びウォブル信号などに基づいて光ディスク15の種類を判別することも可能である。そして、その判別結果はレーザコントロール回路24に通知され、レーザコントロール回路24によって、第1の半導体レーザ53及び第2の半導体レーザ54のいずれか一方が選択される。
【0064】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。なお、半導体レーザの選択は上述の如くして、すでに行われているものとする。
【0065】
CPU40はホストから記録要求のコマンドを受信すると、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、ホストから記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したデータをバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積する。
【0066】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいて、トラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。サーボコントローラ33では、再生信号処理回路28からのトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいて、ドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータ及びフォーカシングアクチュエータを駆動する。すなわち、トラックずれ及びフォーカスずれを補正する。
【0067】
再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてアドレス情報を取得し、CPU40に通知する。そして、CPU40はそのアドレス情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する制御信号をドライバ27に出力する。
【0068】
CPU40はバッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたデータ量が所定の値を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の作成を指示する。また、CPU40はアドレス情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。そして、エンコーダ25はレーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、書き込み信号を光ディスク15に記録する。
【0069】
次に、前述した光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。なお、半導体レーザの選択は上述の如くして、すでに行われているものとする。
【0070】
CPU40はホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。そして、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、上記記録処理の場合と同様に、対物レンズ60のトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。また、再生信号処理回路28は上記記録処理の場合と同様に、アドレス情報を検出し、CPU40に通知する。
【0071】
CPU40はアドレス情報に基づいて、指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する制御信号をドライバ27に出力する。CPU40はアドレス情報に基づいて、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
【0072】
そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0073】
なお、記録処理及び再生処理が終了するまで、再生信号処理回路28は、上述した如く、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33及びドライバ27を介してフォーカスずれ及びトラックずれを随時補正する。
【0074】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る光ピックアップ装置によると、第1の発散角調整素子M1を用いて、第1の半導体レーザ53から出射される光束のXZ面内における発散角θ1Zを(θ1Y/θ1Z)倍(>1)に拡大しているために、第1の半導体レーザ53から出射される光束のうち対物レンズ60に取り込まれる光束は、X軸方向に関してもほぼリム強度=30%となる。従って、DVDに最適な光スポットを記録面に形成することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態によると、第2の発散角調整素子M2を用いて、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面内における発散角θ2Yを(θ2Z/θ2Y)倍(<1)に縮小しているために、第2の半導体レーザ54から出射される光束のうち対物レンズ60に取り込まれる光束は、Y軸方向に関してもほぼリム強度=15%となる。従って、第2の半導体レーザ54から出射される光束の大部分が対物レンズ60に取り込まれることとなり、光利用効率を向上させることが可能となる。このことから、CDに最適な光スポットを記録面に形成することが可能となり、アクセス速度の高速化に対応することができる。
【0077】
すなわち、本実施形態によると、カップリングレンズ52に入射される光束は、その波長に最適な光強度分布を有しているために、対物レンズ60に取り込まれる光束は、その波長に最適なリム強度を確保することができる。従って、その結果として大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを記録面に形成することができる。
【0078】
また、本実施形態によると、カップリングレンズ52を透過した光束は、その光強度分布がほぼ円形状となるために、光束をほぼ理想とするビーム径に絞ることが可能となり、光利用効率を更に向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態によると、ホログラムとカップリングレンズとの間に第1の発散角調整素子及び第2の発散角調整素子が配置されているために、ホログラムで回折された戻り光束が第1の発散角調整素子及び第2の発散角調整素子で干渉されることを防止できる。従って、受光器から出力される信号を安定させることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、DVD及びCDいずれに対しても、それぞれに最適な光スポットを記録面に形成することができるため、DVD及びCDいずれにも対応可能で、正確な情報の記録及び再生を安定して行うことが可能となる。さらに、光ピックアップ装置23の小型化によって、光ディスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進することができ、例えば、携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易となり、さらに長時間の使用が可能となる。
【0081】
なお、上記実施形態では、第1の発散角調整素子M1と第2の発散角調整素子M2とが個別に配置される場合について説明したが、これに限らず、第1の発散角調整素子M1と第2の発散角調整素子M2とが一体化されていても良い。これにより、組み付け時の部品点数が減少し、組み付け作業及び調整作業を簡素化することができ、作業コストを低減することが可能となる。
【0082】
また、上記実施形態では、第1の発散角調整素子M1が光源側に配置される場合について説明したが、これに限らず、第2の発散角調整素子M2が光源側に配置されても良い。
【0083】
また、上記実施形態では、発散角を変更するための光学素子として波長選択性を有する光学素子(第1の発散角調整素子M1、第2の発散角調整素子M2)を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば図10(A)に示されるように、XZ面内における発散角θ1Zを(θ1Y/θ1Z)倍(>1)に変更する第1のレンズL1を第1の半導体レーザ53の−Z側に配置し、例えば図10(B)に示されるように、YZ面内における発散角θ2Yを(θ2Z/θ2Y)倍(<1)に変更する第2のレンズL2を第2の半導体レーザ54の−Z側に配置しても良い。そして、この場合には、一例として図11に示されるように、第1のレンズL1及び第2のレンズL2は、それぞれ受発光モジュールLM1内に実装されても良い。
【0084】
また、第1の発散角調整素子M1及び第2の発散角調整素子M2の代わりに、一例として図12に示されるように、印加電圧によって発散角の調整量を制御することが可能な第3の発散角調整素子M3を用いても良い。ここでは、光ディスクがDVDの場合には、一例として図13(A)に示されるように、CPU40の指示により、ドライバ27を介して電圧V1が第3の発散角調整素子M3に印加され、XZ面内における発散角θ1Zが(θ1Y/θ1Z)倍(>1)に拡大される。一方、光ディスクがCDの場合には、一例として図13(B)に示されるように、CPU40の指示により、ドライバ27を介して電圧V2が第3の発散角調整素子M3に印加され、YZ面内における発散角θ2Yが(θ2Z/θ2Y)倍(<1)に縮小される。なお、第3の発散角調整素子M3としては、いわゆる液晶レンズ(例えば特開平5−54414号公報参照)などを用いることができる。
【0085】
また、上記実施形態では、第1の発散角調整素子M1がない場合に、第1の半導体レーザ53から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束におけるY軸方向のリム強度が約30%の場合について説明したが、これに限らず、例えばY軸方向のリム強度が30%より小さくても良い。但し、その場合には、Y軸方向及びX軸方向に関してほぼリム強度=30%となるように、第1の発散角調整素子M1の代わりに、第1の半導体レーザ53から出射される光束のYZ面における発散角θ1Y及びXZ面における発散角θ1Zの両方を大きくする作用を有する光学素子が用いられることとなる。
【0086】
同様に、上記実施形態では、第2の発散角調整素子M2がない場合に、第2の半導体レーザ54から出射される光束のうち、対物レンズ60に取り込まれる光束におけるX軸方向のリム強度が約15%の場合について説明したが、これに限らず、例えばX軸方向のリム強度が15%より大きくても良い。但し、その場合には、Y軸方向及びX軸方向に関してほぼリム強度=15%となるように、第2の発散角調整素子M2の代わりに、第2の半導体レーザ54から出射される光束のYZ面における発散角θ2Y及びXZ面における発散角θ2Zの両方を小さくする作用を有する光学素子が用いられることとなる。
【0087】
また、上記実施形態では、第1の出射光束の発散角を大きくする第1の発散角調整素子M1と第2の出射光束の発散角を小さくする第2の発散角調整素子M2とが用いられる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば第1の出射光束に最適なカップリングレンズが用いられる場合には、第1の発散角調整素子M1は不要である。なお、この場合には、第2の出射光束に対しては、その発散角の調整量が大きくなるために、第2の発散角調整素子とは異なる光学素子が用いられることとなる。また、例えば第2の出射光束に最適なカップリングレンズが用いられる場合には、第2の発散角調整素子M2は不要である。なお、この場合には、第1の出射光束に対しては、その発散角の調整量が大きくなるために、第1の発散角調整素子M1とは異なる光学素子が用いられることとなる。
【0088】
また、上記実施形態では、各半導体レーザから出射される光束の発散角が調整されてカップリングレンズに入射する場合について説明したが、各半導体レーザから出射される光束が、上記(4)式を満足している場合には、発散角を調整しなくても良い。すなわち、第1の発散角調整素子M1及び第2の発散角調整素子M2はなくても良い。なお、この場合であっても、リム強度が理想とする値から大きくずれているときには、発散角を調整しても良い。
【0089】
また、上記実施形態では、光源から出射される光束の波長が2種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0090】
なお、上記実施形態では、波長が660nmの光束を出射する光源と波長が785nmの光束を出射する光源とを備える場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えばいずれかの光源の代わりに、波長が405nmの光束を出射する光源を備えても良い。
【0091】
また、上記実施形態では、戻り光束を分岐するための分岐光学素子としてホログラムを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば偏光ホログラムを用いても良い。これにより、各半導体レーザから出射される光束は、その光量がほとんど低下することなくカップリングレンズ52に入射されることとなる。従って、光ディスク15への高速アクセスが可能となる。また、受光器59での受光量が増加するために、受光器59を構成する各受光素子から出力される信号の信号レベル及びS/N比を向上させることができる。なお、この場合には、例えばλ/4板のような光学的位相差を付与するための位相差板がカップリングレンズ52と対物レンズ60との間に配置される。また、ホログラムの代わりにビームスプリッタを用いても良い。
【0092】
また、上記実施形態では、発光部ELと受光部RLとが一体化した場合について説明したが、これに限らず、発光部ELと受光部RLとがそれぞれ個別に配置されていても良い。
【0093】
また、上記実施形態では、各半導体レーザが互いに近接して配置される場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0094】
また、上記実施形態では、光源から出射される光束の形状が楕円形の光強度分布を持つ発散光である場合について説明したが、これに限らず、光源から出射される光束の形状がほぼ円形の光強度分布を持つ発散光であっても良い。
【0095】
また、上記実施形態では、光ディスクがDVDの場合には、目標とするリム強度が30%、光ディスクがCDの場合には、目標とするリム強度が15%の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。なお、リム強度は10%以上で、かつ70%以下であることが望ましい。これは、リム強度が70%を超えると、必要な光量を確保することが困難となるためである。また、10%未満のリム強度とするにはカップリングレンズの開口数を大きくする必要があり、コストアップを招くためである。
【0096】
また、上記実施形態では、各半導体レーザから出射された光束は、その光強度分布がほぼ円形形状となるように発散角が調整されてカップリングレンズに入射する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0097】
また、上記実施形態では、ホログラム61が受発光モジュールの構成部品の一つである場合について説明したが、これに限らず、ホログラム61を受発光モジュールと分離して配置しても良い。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、大型化及び高コスト化を招くことなく、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、各情報記録媒体に最適な光スポットを形成することができるという効果がある。
【0099】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、複数種類の情報記録媒体に対応可能で、高速度でのアクセスを安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)は、図1の光ピックアップ装置における光学系の概略構成を示す図であり、図2(B)は、図2(A)の受発光モジュールの詳細構成を説明するための図である。
【図3】各半導体レーザから出射される光束の形状を説明するための図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、それぞれ第1の半導体レーザから出射される光束の発散角を説明するための図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、それぞれ第2の半導体レーザから出射される光束の発散角を説明するための図である。
【図6】カップリングレンズに入射する光束の発散角とカップリングレンズを透過した光束のビーム径との関係を説明するための図である。
【図7】カップリングレンズに入射する光束の発散角とリム強度との関係を説明するための図である。
【図8】図8(A)は、発散角を調整しない場合に、第1の半導体レーザから出射される光束のうち対物レンズに取り込まれる光束のリム強度を説明するための図であり、図8(B)は、発散角を調整しない場合に、第2の半導体レーザから出射される光束のうち対物レンズに取り込まれる光束のリム強度を説明するための図である。
【図9】図9(A)は、第1の半導体レーザから出射される光束の発散角を第1の発散角調整素子を用いて拡大する例を説明するための図であり、図9(B)は、第2の半導体レーザから出射される光束の発散角を第2の発散角調整素子を用いて縮小する例を説明するための図である。
【図10】図10(A)は、第1の半導体レーザから出射される光束の発散角を第1のレンズを用いて拡大する例を説明するための図であり、図10(B)は、第2の半導体レーザから出射される光束の発散角を第2のレンズを用いて縮小する例を説明するための図である。
【図11】第1のレンズ及び第2のレンズが、受発光モジュール内に実装された例を説明するための図である。
【図12】選択された半導体レーザに応じて発散角の調整作用を最適化することができる第3の発散角調整素子が用いられた光ピックアップ装置23’を説明するための図である。
【図13】図13(A)は、第1の半導体レーザから出射される光束の発散角を第3の発散角調整素子を用いて拡大する例を説明するための図であり、図13(B)は、第2の半導体レーザから出射される光束の発散角を第3の発散角調整素子を用いて縮小する例を説明するための図である。
【図14】半導体レーザから出射される光束の強度分布と活性層との位置関係を説明するための図である。
【図15】半導体レーザから出射される光束におけるリム強度=50%を説明するための図である。
【図16】半導体レーザから出射される光束の光利用効率とリム強度との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、52…カップリングレンズ(光学素子)、53…第1の半導体レーザ(光源)、54…第2の半導体レーザ(光源)、59…受光器(光検出器)、60…対物レンズ、L1…第1のレンズ(調整光学素子、第1の調整光学素子)、L2…第2のレンズ(調整光学素子、第2の調整光学素子)、M1…第1の発散角調整素子(調整光学素子、第1の調整光学素子)、M2…第2の発散角調整素子(調整光学素子、第2の調整光学素子)、M3…第3の発散角調整素子(調整光学素子)。

Claims (12)

  1. 複数種類の情報記録媒体の記録面上に光を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記複数の情報記録媒体に個別に対応して設けられ、波長の異なる光束を択一的に出射する複数の光源と;
    前記各光束を対応する情報記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、前記複数の光源から出射され前記対物レンズに向かう各光束を略平行光とする光学素子とを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系と;
    前記受光位置に配置され、前記戻り光束を受光する光検出器と;を備え、
    前記光学素子に入射する各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記対物レンズで集光される前記各光束は、その波長が短いほど前記対物レンズの入射瞳中の最大強度に対する瞳端部における強度の比であるリム強度が大きいことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記リム強度は、10%以上でありかつ70%以下であることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記複数の光源から出射される各光束は、波長が短いほどその発散角が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記複数の光源から出射される各光束は、その最大強度出射方向の断面における光強度分布が楕円形状の発散光であり、その波長が短いほど前記楕円の短軸を含む面での発散角が大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記光学系は、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源から出射され前記光学素子に向かう光束の発散角を調整する調整光学素子を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記調整光学素子は、波長選択性を有することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記複数の光源は、第1の波長の光束を第1の光束として出射する第1の光源と、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光束を第2の光束として出射する第2の光源とを含み、
    前記第1の光束及び第2の光束は、その最大強度出射方向の断面における光強度分布が楕円形状の発散光であり、
    前記調整光学素子は、前記第1の光束の光強度分布がほぼ円形状となるように前記楕円の短軸を含む面での発散角を拡大する第1の調整光学素子と、前記第2の光束の光強度分布がほぼ円形状となるように前記楕円の長軸を含む面での発散角を縮小する第2の調整光学素子とを含むことを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第1の調整光学素子と前記第2の調整光学素子とは、互いに積層され一体化されていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記調整光学素子は、印加電圧に応じて発散角の調整作用が変化することを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光学系は、前記複数の光源と前記光学素子との間に配置され前記戻り光束を往路と復路の共通光路上から分岐する分岐光学素子を含み、
    前記調整光学素子は、前記分岐光学素子と前記光学素子との間に配置されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
  12. 複数種類の情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;
    前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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