JP2004334976A - 光学ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化、製造コストの削減に加えて、レーザ発光出力を抑えつつ、DVDに対する高速記録を実現する。
【解決手段】1のレーザ光を出射する第1の光源に加えて、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とを一つの光出射手段として構成し、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、上記記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去、もしくはデータの記録をするための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するため、もしくはデータの読み出しのための第3のレーザ光を出射し、これら光源は、少なくとも第2の光源と第3の光源とを、或いは、少なくとも第1の光源乃至上記第3の光源を、1つの半導体レーザチップ内に構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】1のレーザ光を出射する第1の光源に加えて、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とを一つの光出射手段として構成し、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、上記記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去、もしくはデータの記録をするための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するため、もしくはデータの読み出しのための第3のレーザ光を出射し、これら光源は、少なくとも第2の光源と第3の光源とを、或いは、少なくとも第1の光源乃至上記第3の光源を、1つの半導体レーザチップ内に構成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種類の異なる複数の光記録媒体に対応した光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体として、CD(Compact Disc)と呼ばれる再生専用の光ディスクや、CD−R(Compact Disc−Recordable)と呼ばれる追記型の光ディスク等が実用化されている。これら光ディスクは、量産性に優れ、製造コストを安価に抑えられること、情報の再生或いは情報の記録を比較的安定に行うことができること等から、広く普及するに至っている。
【0003】
ところで、このような光ディスクにおいては、近年、記録容量の増大化が盛んに行われている。このような中、外径寸法をCDと同じとしながら記録容量を飛躍的に増大させ、現行テレビジョン放送並みの画質で映画1本分のデータを収めることを可能にしたDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)が開発され、実用化されるに至っている。このDVDでは、記録密度を高めて記録容量の増大化を実現するために、CD等に使用するレーザよりも波長の短いレーザを用いて情報の記録再生が行われる。
【0004】
そして、光ディスクを記録媒体として用いる光記録再生装置においても、このDVDに対して情報の記録再生を行うことができると共に、CDやCD−Rに対しても情報の記録再生を行うことができる、いわゆる互換性を有する光学ヘッドを備えたものが開発されるに至っている。このCDやCD−RとDVDとの双方に対応可能な光学ヘッドにおいては、ヘッド全体の小型化や製造コストの低減を図るためには、CDやCD−R用の光学系とDVD用の光学系とができるだけ共通化されていることが望ましい。
【0005】
このような要求に応じるべく、CDやCD−Rに対応したレーザ光とDVDに対応したレーザ光との双方を選択的に出射する、いわゆる2波長半導体レーザを備えた光学ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この従来の光学ヘッドでは、CDやCD−Rに対応したレーザ光を出射する光源と、DVDに対応したレーザ光を出射する光源とが近接した位置に配置されてなる2波長半導体レーザを備え、また、CDやCD−RとDVDとの双方に対応したトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の検出を可能とするために、これら光ディスクから反射して戻ってくる各レーザ光の戻り光を受光する受光素子を備えている。そして、この受光素子は、光ディスクから反射して戻ってくる各レーザ光の戻り光が所定の位置に照射されるように分割された複数の受光部を有している。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−101695号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光学ヘッドでは、小型化、或いは製造コストの低減を図ることができても、DVDに対応したレーザ光を出射する光源は、あくまで一つで構成されているため、高速な記録処理を実現するためには、より高いレーザ発光出力が求められる。その結果、光源として用いるレーザダイオード(LD)に対するコストが過大となり、更にはかかるLDの温度特性や寿命が劣化してしまうという問題点が生じる。
【0009】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、小型化、製造コストの削減に加えて、レーザ発光出力を抑えつつ、DVDに対する高速記録を実現できる光学ヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した課題を解決するために、第1のレーザ光を出射する第1の光源に加えて、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とを一つの光出射手段として構成し、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、上記記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するための第3のレーザ光を出射し、或いは、記録トラック上にデータを記録するための第2のレーザ光を出射し、また当該記録トラック上のデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する光学ヘッドを発明した。
【0011】
即ち本発明を適用した光学ヘッドは、種類の異なる複数の光記録媒体に対応した光学ヘッドにおいて、第1のレーザ光を出射する第1の光源と、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とが、少なくとも設けられてなる光出射手段と、光出射手段から出射された第1のレーザ光、又は第2のレーザ光並びに第3のレーザ光が照射される光記録媒体からの戻り光を受光する受光手段とを備え、光出射手段における第2の光源並びに第3の光源は、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、記録媒体の回転方向に沿って、同一の記録トラック上に順次形成されるように相対位置関係が設定され、また、光出射手段における第2の光源は、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するための第2のレーザ光を出射し、また第3の光源は、当該記録トラック上にデータを記録するための第3のレーザ光を出射する。或いは、光出射手段における第2の光源は、記録トラック上データを記録するための第2のレーザ光を出射し、また第3の光源は、当該記録トラック上のデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明に係る光学ヘッドを搭載した光記録再生装置の構成例を図1に示す。この図1に示す光記録再生装置1は、CD−R(Compact Disc−Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc−Recordable)又はDVD−RW(DVD−Rewritable)等のように、異なる波長のレーザ光を用いて情報の記録再生が行われる多種類の光ディスクに対応した記録再生装置であって、光ディスク2を回転駆動させるスピンドルモータ3と、光ディスク2の信号記録面上に光ビームを照射するとともに、光ディスク2からの戻り光を検出する光学ヘッド4と、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて、再生信号及び制御信号を生成する信号処理回路5と、制御信号に基づいてフォーカシング制御及びトラッキング制御を行うフォーカストラックサーボ機構6と、光学ヘッド4を光ディスク2の所定のトラックへと移動させるアクセス機構7と、信号処理回路5により生成された信号に基づいて、スピンドルモータ3、フォーカストラックサーボ機構6及びアクセス機構7を制御するシステムコントローラ8とを備えている。
【0014】
スピンドルモータ3は、システムコントローラ8によって駆動制御され、光ディスク2を所定の速度で回転させる。
【0015】
光学ヘッド4は、スピンドルモータ3の駆動により回転操作される光ディスク2の信号記録面上に光ビームを照射し、光ディスク2の信号記録面にて反射した戻り光を検出して信号処理回路5へ出力する。この際、光学ヘッド4は、回転操作される光ディスク2の種類によって、その光ディスク2に最適な波長の光ビームを出射する。例えば、回転駆動される光ディスク2がCD−Rであれば、光学ヘッド4は、波長が約780nmの光ビームを出射し、回転駆動される光ディスク2がDVDであれば、波長が約650nmの光ビームを出射する。
【0016】
信号処理回路5は、再生時において、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて得られる再生信号及び制御信号を復調し、誤り訂正する。また、この信号処理回路5は、記録時において、インターフェース9から入力される記録信号につき、例えば時分割多重化して固有のヘッダー情報や拡張ファイルのヘッダー情報等を付加する。また信号処理回路5は、記録時において、記録信号を圧縮符号化し、さらには誤り訂正符号を付加する。
【0017】
信号処理回路5により復調され、誤り訂正された再生信号は、コンピュータのデータストレージ用であれば、インターフェース9を介して外部コンピュータ等に送出される。また、この再生信号は、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器10のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル機器に送出される。
【0018】
信号処理回路5により復調された各種制御信号は、システムコントローラ8に出力される。システムコントローラ8は、この制御信号の中から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてフォーカストラックサーボ機構6を駆動する。フォーカストラックサーボ機構6は、システムコントローラ8の制御のもと、光学ヘッド4の備える対物レンズを光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動操作し、フォーカシング制御及びトラッキング制御を行う。
【0019】
また、アクセス機構7は、システムコントローラ8から供給される信号に基づいて、光学ヘッド4を光ディスク2の径方向に送り動作させ、またこの光学ヘッド4が光ディスク2の所定の記録トラック上に位置するように動作させる。
【0020】
ここで、本発明を適用した光学ヘッド4について更に詳しく説明する。
【0021】
この光学ヘッド4は、各半導体レーザを支持するホルダ43と、この半導体レーザから出射されたレーザ光を複数に分割するグレーティング44と、このグレーティング44を通過したレーザ光の光路中に配されたビームスプリッタ45と、このビームスプリッタ45を透過したレーザ光を平行光とするコリメータレンズ46と、このコリメータレンズ46により平行光とされたレーザ光の光路中に配された1/4波長板47と、この1/4波長板47を通過したレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ48と、光ディスク2の信号記録面2aから反射して戻ってきた戻り光を集光させるディテクタレンズ49と、このディテクタレンズ49を通過したレーザ光を受光する受光素子50とを備えている。
【0022】
ホルダ43には、図3に示すように、互いに波長の異なるレーザ光を出射する2種類以上の半導体レーザ71が取り付けられている。この半導体レーザ71は、半導体の再結合発光を利用した発光素子であり、光ディスク2がCD−Rである場合、この光ディスク2に対応した波長約780nmのレーザ光(以下、第1のレーザ光という。)を出射する1つのCD用チップ71aと、光ディスク2がDVDである場合に、この光ディスク2に対応した波長約650nmの2つのレーザ光(以下、第2のレーザ光、第3のレーザ光という。)を同時に出射する2つのDVD用チップ71b,cの2種類で構成されている。
【0023】
これらの各半導体レーザ71は、DVDチップ71bを中心としてホルダ43上の互いに近接した位置に一列に配置されており、CD用チップ71aとDVD用チップ71bとの間隔t1は、80μm〜200μm程度であり、またDVD用チップ71b,cの間隔t2は、80μm〜100μm程度である。このため、半導体レーザ71から出射された第1のレーザ光〜第3のレーザ光は、略々同一の光路を通って光ディスク2に照射されることになる。また、これらの半導体レーザ71は、同一パッケージ内に収納されてなるようにしてもよい。これにより、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して異なる波長のレーザ光を出射する本発明において、更なる小型化、製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0024】
グレーティング44は、回折格子であり、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を回折して、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割する。このグレーティング44により分割されたレーザ光は、ビームスプリッタ45へ入射する。なお、グレーティング44により分割されたレーザ光のうち、0次光及び±1次光以外の光束については、以下の説明において省略するものとする。
【0025】
ビームスプリッタ45は、図2に示すように、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させて受光素子50へと導く。このビームスプリッタ45を透過した発散光であるレーザ光は、コリメータレンズ46により平行光とされ、1/4波長板47を通過する。なお、ビームスプリッタ45は、半導体レーザ71から出射されたレーザ光が偏光を有する場合に、偏光ビームスプリッタを用いることで、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光が半導体レーザ71に戻り、ノイズを発生させる事を防止することができる。
【0026】
1/4波長板47は、通過するレーザ光にπ/2の位相差を与えるものである。半導体レーザ71から出射された直線偏光のレーザ光は、1/4波長板47を通過して円偏光となる。また光ディスク2を反射して戻ってくる円偏光のレーザ光は、この1/4波長板47を通過した場合に、直線偏光となる。
【0027】
対物レンズ48は、コリメータレンズ46を透過したレーザ光の光路中に配設されており、このレーザ光を集光して光ディスク2の信号記録面上に照射させる機能を有する。この対物レンズ48は、フォーカストラックサーボ機構6を構成する図示しない2軸アクチュエータによって、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向に移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ48は、光ディスク2からの戻り光により生成されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータにより移動動作され、フォーカシング制御及びトラッキング制御が実現されることになる。
【0028】
ここで、光ディスク2の信号記録面2a上に集光されるレーザ光は、図4に示すように、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光のスポット位置b1と、DVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光のスポット位置c1とが、同一の記録トラック上に位置するように照射される。なお、図5に示すように、スポット位置b1と、スポット位置c1とを結ぶ直線(図2中において破線で示す直線X)が、信号記録面2a上の記録トラックの方向Yに対して略平行となるように照射されるようにしてもよい。すなわち、DVD用チップ71b,cは、光ディスク2の信号記録面2a上に集光される第2のレーザ光のスポット位置b1と第3のレーザ光のスポット位置c1とが同一の記録トラック上に位置するように、或いはこれらのスポットb1,c1を結ぶ直線が、この光ディスク2の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行となるように、ホルダ43上に支持される。
【0029】
ちなみに第2のレーザ光によるスポット位置b1と、第3のレーザ光によるスポット位置c1は、光ディスクの回転方向に沿って順次形成されるため、同一記録位置について、第2のレーザ光が先に照射され、その後に第3のレーザ光が照射されることになる。
【0030】
光ディスク2の信号記録面2a上に集光された各レーザ光は、この信号記録面2aで反射され、対物レンズ48を通過することにより平行光となる。そして、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光は、1/4波長板47を介してコリメータレンズ46を通過することにより収束光とされ、ビームスプリッタ45を反射する。
【0031】
反射した戻り光は、ディテクタレンズ49を透過する。その際ディテクタレンズ49により非点収差が発生させられることにより、この光記録再生装置1においては、いわゆる非点収差法によるフォーカスエラー信号の検出が可能となる。
【0032】
受光素子50へは、ディテクタレンズ49によりさらにビームスポットの大きさにつき調整された戻り光を受光して光電変換し、受光信号として信号処理回路5に供給する。
【0033】
この受光素子50には、例えば、図6に示すように、光ディスク2(CD−R)にて反射された第1のレーザ光の戻り光を受光する受光部A,B,Cと、光ディスク2(DVD)にて反射された第2のレーザ光の戻り光を受光する受光部D、E、F並びに第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部G、H、Jがそれぞれ設けられている。第1のレーザ光の戻り光を受光する受光部A,B,Cのうち、受光部A,Cは、上述したグレーティング23により分割された第1のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものである。同じく第2のレーザ光の戻り光を受光する受光部D、E、Fのうち、受光部D、Fは、上述したグレーティング23により分割された第2のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものであり、第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部G、H、Jのうち、受光部G、Jは、上述したグレーティング23により分割された第3のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものである。また、第1のレーザ光における0次光の戻り光を受光する受光部Bと、第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部E、Hは、略田字状に4分割されている。
【0034】
ここで、以上のように構成される光記録再生装置1により、光ディスク2からの情報を読み出す動作について説明する。
【0035】
先ず、光ディスク2としてCD−Rが用いられた場合について説明する。光ディスク2としてCD−Rが光記録再生装置1に装着されると、スピンドルモータ3が、システムコントローラ8の制御の下、光ディスク2を所定の回転数で回転操作する。また、光学ヘッド4が備える半導体レーザ71に駆動電流が供給され、CD用チップ71aから、波長が約780nmの第1のレーザ光が出射される。
【0036】
この出射された第1のレーザ光は、グレーティング44を通過することにより、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割される。グレーティング44により複数の光束に分割された第1のレーザ光は、ビームスプリッタ45を透過する。そして、ビームスプリッタ45を透過した第1のレーザ光は、コリメータレンズ46を透過することにより平行光に変換された後、対物レンズ48に入射する。対物レンズ48に入射した第1のレーザ光は、この対物レンズ48により集束され、回転操作される光ディスク2(CD−R)の信号記録面上の所定の記録トラックに合焦照射される。このとき、グレーティング43により分割された0次光と±1次光とによって、光ディスク2の信号記録面上には、3つのスポットが形成されることになる。
【0037】
光ディスク2の信号記録面にて反射された信号成分を含む第1のレーザ光の戻り光は、対物レンズ48、コリメータレンズ46を再度通過して、ビームスプリッタ45により反射され、光路が折り曲げられる。
【0038】
ビームスプリッタ45を透過した第1のレーザ光の戻り光は、受光素子50へ向かい、0次光の戻り光がフォトディテクタ26の受光部Bにより受光される。また、±1次光の戻り光がフォトディテクタ26の受光部A,Cによりそれぞれ受光される。
【0039】
受光素子50の受光部A,B,Cにより受光された第1のレーザ光の戻り光は、この受光素子50により光電変換され、受光信号として信号処理回路5に供給される。そして、信号処理回路5において、この受光信号に基づく演算処理がなされ、再生信号RF1及び非点収差法によるフォーカスエラー信号FE1、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号TR1がそれぞれ生成される。
【0040】
次に、光ディスク2としてDVD−RWが用いられた場合について説明する。光ディスク2としてDVD−RWが光記録再生装置1に装着されると、スピンドルモータ3が、システムコントローラ8の制御のもと、光ディスク2を所定の回転数で回転操作する。また、光学ヘッド4が備えるDVD用チップ71b,cに駆動電流が供給され、約650nmの波長である第2のレーザ光、第3のレーザ光が同時に出射される。
【0041】
この出射された第2のレーザ光は、光ディスク2の記録トラック上のデータを消去するためのレーザ光であり、第3のレーザ光は、少なくとも当該記録トラック上にデータを記録するためのレーザ光である。第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、第1のレーザ光とほぼ同一の光路を通って、グレーティング43に入射する。この出射された第2のレーザ光は、グレーティング44を通過することにより、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割される。
グレーティング44により複数の光束に分割された第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、ビームスプリッタ45を透過する。そして、第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、それぞれコリメータレンズ46を透過することにより平行光に変換された後、対物レンズ48に入射する。対物レンズ48に入射した第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、この対物レンズ48により集束され、回転操作される光ディスク2(DVD)の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行に合焦照射される。
【0042】
第2のレーザ光に基づく光スポットが形成された記録トラックは、結晶化温度以上まで徐熱徐冷されて結晶化する。このため当該記録トラックに予め記録されているデータは消去される。なお、第2のレーザ光による光スポットの形状を記録トラックの方向に対して長く伸びた楕円形状とすることにより、熱分布をなだらかにして結晶化するようにしてもよい。
【0043】
その後、第3のレーザ光に基づく光スポットが形成された当該記録トラック上にデータが記録される。
【0044】
光ディスク2の信号記録面にて反射された信号成分を含む第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、対物レンズ48、コリメータレンズ46を再度通過して、ビームスプリッタ45により反射されて光路が折り曲げられる。
【0045】
ビームスプリッタ45を反射した第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、受光素子50の受光部D、E、F、G、H、Jによりそれぞれ受光される。
【0046】
受光素子50の受光部D、E、F、G、H、Jにより受光された第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、この受光素子50により光電変換され、受光信号として信号処理回路5に供給される。そして、信号処理回路5において、この受光信号に基づく演算処理がなされ、再生信号RF2及び非点収差法によるフォーカスエラー信号FE2、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号TR2がそれぞれ生成される。
【0047】
ところで、以上説明した光記録再生装置1において、再生信号RF1,RF2,RF3や、フォーカスエラー信号FE1,FE2,FE3、トラッキングエラー信号TR1,TR2,TR3等の制御信号を適切に検出するためには、CD用チップ71aから出射された第1のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Bの中心に戻り光スポットを形成すると共に、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Dの中心に戻り光スポットを形成するように、更にDVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Eの中心に戻り光スポットを形成するように、それぞれ相対的な位置関係が設定されている必要がある。
【0048】
本発明を適用した光学ヘッド4では、ホルダ43を回転操作することにより、これに保持された半導体レーザ71を回転調整することができ、第2のレーザ光のスポット位置b1と、第3のレーザ光のスポット位置c1とが同一の記録トラック上に位置するように、或いはこれらのスポットb1,c1を結ぶ直線が、この光ディスク2の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行となるように容易に調整することができ、ひいては受光素子50の各受光部A〜Eに形成される戻り光スポットの位置を回転調整することができる。このため、ホルダ43の回転中心に取り付けられるLD用チップ71bから出射される第2のレーザ光の戻り光が受光素子50の受光部Dの中心に戻り光スポットを形成するように位置決めすることにより、ホルダ43をその軸周り方向に回転させて、記録トラックの方向Yに対するスポット位置や、各受光部A〜Eに対するスポット位置を容易に調整することが可能となる。
【0049】
即ち、本発明を適用した光学ヘッド4では、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して、第1のレーザ光を出射するCD用チップ71aと、上記第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光、並びに第3のレーザ光を出射するDVD用チップ71b,cとを共にホルダ43上に実装することができる。このため、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して、小型化、製造コストの削減を図ることができる。
【0050】
また、本発明を適用した光学ヘッド4では、記録トラックの方向Yに対して、第2のレーザ光に基づく光スポットb1と、第3のレーザ光に基づく光スポットc1とを同一の記録トラック上に形成することができる。このため、DVDに対してデータを記録する際に、第2のレーザ光を先行して照射することにより、当該記録トラック上のデータを予め消去し、その後に第3のレーザ光を照射してデータを記録することができる。上述した小型化、製造コストの削減と相俟って、各半導体レーザ71におけるレーザ発光出力を抑えつつ、DVDに対して高速記録を実現することができるという相乗的な効果が得られる。さらに半導体レーザ71に対するコストを大幅に抑えることができ、温度特性や寿命の劣化を防止することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、第2のレーザ光を照射することにより、予め記録トラック上に記録されているデータを消去し、次に、当該記録トラックに対して第3のレーザ光を照射することによりデータを記録する場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではない。例えば、第2のレーザ光を照射することにより、記録トラック上にデータを記録し、第3のレーザ光を照射することにより、当該記録トラックに記録したデータを読み出すようにしてもよい。これにより、第2のレーザ光により記録したデータを、即座に読み出し、これを再生することができる。
【0052】
また、上述した実施の形態では、半導体レーザ71として、1つのCD用チップ71aと、2つのレーザ光を同時に出射する2つのDVD用チップ71b,cより構成される場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、1つ以上のCD用チップと、2つ以上のレーザ光を同時に出射する2つ以上のDVD用チップで構成されていればよい。仮に、3つのレーザ光を同時に出射する3つのDVD用チップで構成する場合に、上述した第2のレーザ光、第3のレーザ光に加え、第4のレーザ光を出射するDVD用チップ71dをホルダ43上に追加する。このDVD用チップ71dは、第4のレーザ光として再生用のレーザ光を出射するようにしてもよい。これにより、第2のレーザ光を照射することにより、予め記録トラック上に記録されているデータを消去し、次に、当該記録トラックに対して第3のレーザ光を照射することによりデータを記録し、次に第4のレーザ光を照射することにより、第3のレーザ光により記録トラックに記録されたデータを順次再生することが可能となる。
【0053】
また、本発明を適用した光学ヘッド4は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、記録トラックの方向Yに対して、第2のレーザ光に基づく光スポットb1と、第3のレーザ光に基づく光スポットc1が所定の方向になるように調整されていればよい。例えば、図7に示すように第1のレーザ光〜第3のレーザ光に基づく光スポットが、互いに異なる記録トラック上に形成されるように調整してもよい。これにより、第2のレーザ光及び第3のレーザ光につき、共に記録再生用のレーザ光として同時に出射することもできる。
【0054】
また、本発明を適用した光学ヘッド4は、例えば図8に示すように、CD−Rに対応した第1のレーザ光を出射するCD用チップ71aに対して、DVDに対応した第2のレーザ光、第3のレーザ光を出射するDVD用チップ71b,cにつき、2つの発光点を有する一つのチップ95で構成するようにしてもよい。同様に図9に示すように、CD用チップ71a並びにDVD用チップ71b,cにつき、3つの発光点を有する1つの2波長半導体レーザ素子96で構成するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、半導体レーザ71を回転可能に保持する保持部材として円筒状のホルダ43を備えているが、この円筒状のホルダ43以外のものを保持部材として備えるように構成されていてもよい。
【0056】
また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光の戻り光を受光部Bで受光するようにしてもよい。これにより、受光素子50において第1のレーザ光と第2のレーザ光を一つの受光部Bで受光する簡略な構成にすることが可能となる。また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光に加えて、DVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光の戻り光を受光部Bで受光するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
上述したように、本発明を適用した光学ヘッドは、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するため、もしくはデータを記録するための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するため、もしくはデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する。これら光源は、少なくとも第2の光源と第3の光源とが、或いは、少なくとも第1の光源乃至上記第3の光源が、1つの半導体レーザチップ内に構成されている。
【0058】
これにより、本発明を適用した光学ヘッドでは、小型化、製造コストの削減と相俟って、各光源におけるレーザ発光出力を抑えつつ、高速記録を実現することができるという相乗的な効果が得られる。さらに各光源に対するコストを大幅に抑えることができ、温度特性や寿命の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録再生装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した光学ヘッドの一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した光学ヘッドが備えるホルダ43に実装された半導体レーザ71につき説明するための斜視図である。
【図4】光ディスク上に形成される各レーザ光のスポットにつき説明するための図である。
【図5】各レーザ光のスポットにつき更に説明するための図である。
【図6】本発明を適用した光学ヘッドが備える受光素子の平面図である。
【図7】第1のレーザ光〜第3のレーザ光に基づく光スポットが、互いに異なる記録トラック上に形成される場合につき説明するための図である。
【図8】半導体レーザの実装例を示す図である。
【図9】半導体レーザの他の実装例を示す図である。
【符号の説明】
1 光記録再生装置、2 光ディスク、4 光学ヘッド、43 ホルダ、44グレーティング、45 ビームスプリッタ、46 コリメータレンズ、47 1/4波長板、48 対物レンズ、49 ディテクタレンズ、50 受光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、種類の異なる複数の光記録媒体に対応した光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体として、CD(Compact Disc)と呼ばれる再生専用の光ディスクや、CD−R(Compact Disc−Recordable)と呼ばれる追記型の光ディスク等が実用化されている。これら光ディスクは、量産性に優れ、製造コストを安価に抑えられること、情報の再生或いは情報の記録を比較的安定に行うことができること等から、広く普及するに至っている。
【0003】
ところで、このような光ディスクにおいては、近年、記録容量の増大化が盛んに行われている。このような中、外径寸法をCDと同じとしながら記録容量を飛躍的に増大させ、現行テレビジョン放送並みの画質で映画1本分のデータを収めることを可能にしたDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)が開発され、実用化されるに至っている。このDVDでは、記録密度を高めて記録容量の増大化を実現するために、CD等に使用するレーザよりも波長の短いレーザを用いて情報の記録再生が行われる。
【0004】
そして、光ディスクを記録媒体として用いる光記録再生装置においても、このDVDに対して情報の記録再生を行うことができると共に、CDやCD−Rに対しても情報の記録再生を行うことができる、いわゆる互換性を有する光学ヘッドを備えたものが開発されるに至っている。このCDやCD−RとDVDとの双方に対応可能な光学ヘッドにおいては、ヘッド全体の小型化や製造コストの低減を図るためには、CDやCD−R用の光学系とDVD用の光学系とができるだけ共通化されていることが望ましい。
【0005】
このような要求に応じるべく、CDやCD−Rに対応したレーザ光とDVDに対応したレーザ光との双方を選択的に出射する、いわゆる2波長半導体レーザを備えた光学ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この従来の光学ヘッドでは、CDやCD−Rに対応したレーザ光を出射する光源と、DVDに対応したレーザ光を出射する光源とが近接した位置に配置されてなる2波長半導体レーザを備え、また、CDやCD−RとDVDとの双方に対応したトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の検出を可能とするために、これら光ディスクから反射して戻ってくる各レーザ光の戻り光を受光する受光素子を備えている。そして、この受光素子は、光ディスクから反射して戻ってくる各レーザ光の戻り光が所定の位置に照射されるように分割された複数の受光部を有している。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−101695号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光学ヘッドでは、小型化、或いは製造コストの低減を図ることができても、DVDに対応したレーザ光を出射する光源は、あくまで一つで構成されているため、高速な記録処理を実現するためには、より高いレーザ発光出力が求められる。その結果、光源として用いるレーザダイオード(LD)に対するコストが過大となり、更にはかかるLDの温度特性や寿命が劣化してしまうという問題点が生じる。
【0009】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、小型化、製造コストの削減に加えて、レーザ発光出力を抑えつつ、DVDに対する高速記録を実現できる光学ヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した課題を解決するために、第1のレーザ光を出射する第1の光源に加えて、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とを一つの光出射手段として構成し、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、上記記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するための第3のレーザ光を出射し、或いは、記録トラック上にデータを記録するための第2のレーザ光を出射し、また当該記録トラック上のデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する光学ヘッドを発明した。
【0011】
即ち本発明を適用した光学ヘッドは、種類の異なる複数の光記録媒体に対応した光学ヘッドにおいて、第1のレーザ光を出射する第1の光源と、第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とが、少なくとも設けられてなる光出射手段と、光出射手段から出射された第1のレーザ光、又は第2のレーザ光並びに第3のレーザ光が照射される光記録媒体からの戻り光を受光する受光手段とを備え、光出射手段における第2の光源並びに第3の光源は、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、記録媒体の回転方向に沿って、同一の記録トラック上に順次形成されるように相対位置関係が設定され、また、光出射手段における第2の光源は、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するための第2のレーザ光を出射し、また第3の光源は、当該記録トラック上にデータを記録するための第3のレーザ光を出射する。或いは、光出射手段における第2の光源は、記録トラック上データを記録するための第2のレーザ光を出射し、また第3の光源は、当該記録トラック上のデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明に係る光学ヘッドを搭載した光記録再生装置の構成例を図1に示す。この図1に示す光記録再生装置1は、CD−R(Compact Disc−Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc−Recordable)又はDVD−RW(DVD−Rewritable)等のように、異なる波長のレーザ光を用いて情報の記録再生が行われる多種類の光ディスクに対応した記録再生装置であって、光ディスク2を回転駆動させるスピンドルモータ3と、光ディスク2の信号記録面上に光ビームを照射するとともに、光ディスク2からの戻り光を検出する光学ヘッド4と、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて、再生信号及び制御信号を生成する信号処理回路5と、制御信号に基づいてフォーカシング制御及びトラッキング制御を行うフォーカストラックサーボ機構6と、光学ヘッド4を光ディスク2の所定のトラックへと移動させるアクセス機構7と、信号処理回路5により生成された信号に基づいて、スピンドルモータ3、フォーカストラックサーボ機構6及びアクセス機構7を制御するシステムコントローラ8とを備えている。
【0014】
スピンドルモータ3は、システムコントローラ8によって駆動制御され、光ディスク2を所定の速度で回転させる。
【0015】
光学ヘッド4は、スピンドルモータ3の駆動により回転操作される光ディスク2の信号記録面上に光ビームを照射し、光ディスク2の信号記録面にて反射した戻り光を検出して信号処理回路5へ出力する。この際、光学ヘッド4は、回転操作される光ディスク2の種類によって、その光ディスク2に最適な波長の光ビームを出射する。例えば、回転駆動される光ディスク2がCD−Rであれば、光学ヘッド4は、波長が約780nmの光ビームを出射し、回転駆動される光ディスク2がDVDであれば、波長が約650nmの光ビームを出射する。
【0016】
信号処理回路5は、再生時において、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて得られる再生信号及び制御信号を復調し、誤り訂正する。また、この信号処理回路5は、記録時において、インターフェース9から入力される記録信号につき、例えば時分割多重化して固有のヘッダー情報や拡張ファイルのヘッダー情報等を付加する。また信号処理回路5は、記録時において、記録信号を圧縮符号化し、さらには誤り訂正符号を付加する。
【0017】
信号処理回路5により復調され、誤り訂正された再生信号は、コンピュータのデータストレージ用であれば、インターフェース9を介して外部コンピュータ等に送出される。また、この再生信号は、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器10のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル機器に送出される。
【0018】
信号処理回路5により復調された各種制御信号は、システムコントローラ8に出力される。システムコントローラ8は、この制御信号の中から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてフォーカストラックサーボ機構6を駆動する。フォーカストラックサーボ機構6は、システムコントローラ8の制御のもと、光学ヘッド4の備える対物レンズを光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動操作し、フォーカシング制御及びトラッキング制御を行う。
【0019】
また、アクセス機構7は、システムコントローラ8から供給される信号に基づいて、光学ヘッド4を光ディスク2の径方向に送り動作させ、またこの光学ヘッド4が光ディスク2の所定の記録トラック上に位置するように動作させる。
【0020】
ここで、本発明を適用した光学ヘッド4について更に詳しく説明する。
【0021】
この光学ヘッド4は、各半導体レーザを支持するホルダ43と、この半導体レーザから出射されたレーザ光を複数に分割するグレーティング44と、このグレーティング44を通過したレーザ光の光路中に配されたビームスプリッタ45と、このビームスプリッタ45を透過したレーザ光を平行光とするコリメータレンズ46と、このコリメータレンズ46により平行光とされたレーザ光の光路中に配された1/4波長板47と、この1/4波長板47を通過したレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ48と、光ディスク2の信号記録面2aから反射して戻ってきた戻り光を集光させるディテクタレンズ49と、このディテクタレンズ49を通過したレーザ光を受光する受光素子50とを備えている。
【0022】
ホルダ43には、図3に示すように、互いに波長の異なるレーザ光を出射する2種類以上の半導体レーザ71が取り付けられている。この半導体レーザ71は、半導体の再結合発光を利用した発光素子であり、光ディスク2がCD−Rである場合、この光ディスク2に対応した波長約780nmのレーザ光(以下、第1のレーザ光という。)を出射する1つのCD用チップ71aと、光ディスク2がDVDである場合に、この光ディスク2に対応した波長約650nmの2つのレーザ光(以下、第2のレーザ光、第3のレーザ光という。)を同時に出射する2つのDVD用チップ71b,cの2種類で構成されている。
【0023】
これらの各半導体レーザ71は、DVDチップ71bを中心としてホルダ43上の互いに近接した位置に一列に配置されており、CD用チップ71aとDVD用チップ71bとの間隔t1は、80μm〜200μm程度であり、またDVD用チップ71b,cの間隔t2は、80μm〜100μm程度である。このため、半導体レーザ71から出射された第1のレーザ光〜第3のレーザ光は、略々同一の光路を通って光ディスク2に照射されることになる。また、これらの半導体レーザ71は、同一パッケージ内に収納されてなるようにしてもよい。これにより、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して異なる波長のレーザ光を出射する本発明において、更なる小型化、製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0024】
グレーティング44は、回折格子であり、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を回折して、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割する。このグレーティング44により分割されたレーザ光は、ビームスプリッタ45へ入射する。なお、グレーティング44により分割されたレーザ光のうち、0次光及び±1次光以外の光束については、以下の説明において省略するものとする。
【0025】
ビームスプリッタ45は、図2に示すように、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させて受光素子50へと導く。このビームスプリッタ45を透過した発散光であるレーザ光は、コリメータレンズ46により平行光とされ、1/4波長板47を通過する。なお、ビームスプリッタ45は、半導体レーザ71から出射されたレーザ光が偏光を有する場合に、偏光ビームスプリッタを用いることで、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光が半導体レーザ71に戻り、ノイズを発生させる事を防止することができる。
【0026】
1/4波長板47は、通過するレーザ光にπ/2の位相差を与えるものである。半導体レーザ71から出射された直線偏光のレーザ光は、1/4波長板47を通過して円偏光となる。また光ディスク2を反射して戻ってくる円偏光のレーザ光は、この1/4波長板47を通過した場合に、直線偏光となる。
【0027】
対物レンズ48は、コリメータレンズ46を透過したレーザ光の光路中に配設されており、このレーザ光を集光して光ディスク2の信号記録面上に照射させる機能を有する。この対物レンズ48は、フォーカストラックサーボ機構6を構成する図示しない2軸アクチュエータによって、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向に移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ48は、光ディスク2からの戻り光により生成されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータにより移動動作され、フォーカシング制御及びトラッキング制御が実現されることになる。
【0028】
ここで、光ディスク2の信号記録面2a上に集光されるレーザ光は、図4に示すように、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光のスポット位置b1と、DVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光のスポット位置c1とが、同一の記録トラック上に位置するように照射される。なお、図5に示すように、スポット位置b1と、スポット位置c1とを結ぶ直線(図2中において破線で示す直線X)が、信号記録面2a上の記録トラックの方向Yに対して略平行となるように照射されるようにしてもよい。すなわち、DVD用チップ71b,cは、光ディスク2の信号記録面2a上に集光される第2のレーザ光のスポット位置b1と第3のレーザ光のスポット位置c1とが同一の記録トラック上に位置するように、或いはこれらのスポットb1,c1を結ぶ直線が、この光ディスク2の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行となるように、ホルダ43上に支持される。
【0029】
ちなみに第2のレーザ光によるスポット位置b1と、第3のレーザ光によるスポット位置c1は、光ディスクの回転方向に沿って順次形成されるため、同一記録位置について、第2のレーザ光が先に照射され、その後に第3のレーザ光が照射されることになる。
【0030】
光ディスク2の信号記録面2a上に集光された各レーザ光は、この信号記録面2aで反射され、対物レンズ48を通過することにより平行光となる。そして、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光は、1/4波長板47を介してコリメータレンズ46を通過することにより収束光とされ、ビームスプリッタ45を反射する。
【0031】
反射した戻り光は、ディテクタレンズ49を透過する。その際ディテクタレンズ49により非点収差が発生させられることにより、この光記録再生装置1においては、いわゆる非点収差法によるフォーカスエラー信号の検出が可能となる。
【0032】
受光素子50へは、ディテクタレンズ49によりさらにビームスポットの大きさにつき調整された戻り光を受光して光電変換し、受光信号として信号処理回路5に供給する。
【0033】
この受光素子50には、例えば、図6に示すように、光ディスク2(CD−R)にて反射された第1のレーザ光の戻り光を受光する受光部A,B,Cと、光ディスク2(DVD)にて反射された第2のレーザ光の戻り光を受光する受光部D、E、F並びに第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部G、H、Jがそれぞれ設けられている。第1のレーザ光の戻り光を受光する受光部A,B,Cのうち、受光部A,Cは、上述したグレーティング23により分割された第1のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものである。同じく第2のレーザ光の戻り光を受光する受光部D、E、Fのうち、受光部D、Fは、上述したグレーティング23により分割された第2のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものであり、第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部G、H、Jのうち、受光部G、Jは、上述したグレーティング23により分割された第3のレーザ光における±1次光の戻り光を受光するものである。また、第1のレーザ光における0次光の戻り光を受光する受光部Bと、第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の戻り光を受光する受光部E、Hは、略田字状に4分割されている。
【0034】
ここで、以上のように構成される光記録再生装置1により、光ディスク2からの情報を読み出す動作について説明する。
【0035】
先ず、光ディスク2としてCD−Rが用いられた場合について説明する。光ディスク2としてCD−Rが光記録再生装置1に装着されると、スピンドルモータ3が、システムコントローラ8の制御の下、光ディスク2を所定の回転数で回転操作する。また、光学ヘッド4が備える半導体レーザ71に駆動電流が供給され、CD用チップ71aから、波長が約780nmの第1のレーザ光が出射される。
【0036】
この出射された第1のレーザ光は、グレーティング44を通過することにより、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割される。グレーティング44により複数の光束に分割された第1のレーザ光は、ビームスプリッタ45を透過する。そして、ビームスプリッタ45を透過した第1のレーザ光は、コリメータレンズ46を透過することにより平行光に変換された後、対物レンズ48に入射する。対物レンズ48に入射した第1のレーザ光は、この対物レンズ48により集束され、回転操作される光ディスク2(CD−R)の信号記録面上の所定の記録トラックに合焦照射される。このとき、グレーティング43により分割された0次光と±1次光とによって、光ディスク2の信号記録面上には、3つのスポットが形成されることになる。
【0037】
光ディスク2の信号記録面にて反射された信号成分を含む第1のレーザ光の戻り光は、対物レンズ48、コリメータレンズ46を再度通過して、ビームスプリッタ45により反射され、光路が折り曲げられる。
【0038】
ビームスプリッタ45を透過した第1のレーザ光の戻り光は、受光素子50へ向かい、0次光の戻り光がフォトディテクタ26の受光部Bにより受光される。また、±1次光の戻り光がフォトディテクタ26の受光部A,Cによりそれぞれ受光される。
【0039】
受光素子50の受光部A,B,Cにより受光された第1のレーザ光の戻り光は、この受光素子50により光電変換され、受光信号として信号処理回路5に供給される。そして、信号処理回路5において、この受光信号に基づく演算処理がなされ、再生信号RF1及び非点収差法によるフォーカスエラー信号FE1、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号TR1がそれぞれ生成される。
【0040】
次に、光ディスク2としてDVD−RWが用いられた場合について説明する。光ディスク2としてDVD−RWが光記録再生装置1に装着されると、スピンドルモータ3が、システムコントローラ8の制御のもと、光ディスク2を所定の回転数で回転操作する。また、光学ヘッド4が備えるDVD用チップ71b,cに駆動電流が供給され、約650nmの波長である第2のレーザ光、第3のレーザ光が同時に出射される。
【0041】
この出射された第2のレーザ光は、光ディスク2の記録トラック上のデータを消去するためのレーザ光であり、第3のレーザ光は、少なくとも当該記録トラック上にデータを記録するためのレーザ光である。第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、第1のレーザ光とほぼ同一の光路を通って、グレーティング43に入射する。この出射された第2のレーザ光は、グレーティング44を通過することにより、0次光及び±1次光の3光束を含む複数の光束に分割される。
グレーティング44により複数の光束に分割された第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、ビームスプリッタ45を透過する。そして、第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、それぞれコリメータレンズ46を透過することにより平行光に変換された後、対物レンズ48に入射する。対物レンズ48に入射した第2のレーザ光並びに第3のレーザ光は、この対物レンズ48により集束され、回転操作される光ディスク2(DVD)の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行に合焦照射される。
【0042】
第2のレーザ光に基づく光スポットが形成された記録トラックは、結晶化温度以上まで徐熱徐冷されて結晶化する。このため当該記録トラックに予め記録されているデータは消去される。なお、第2のレーザ光による光スポットの形状を記録トラックの方向に対して長く伸びた楕円形状とすることにより、熱分布をなだらかにして結晶化するようにしてもよい。
【0043】
その後、第3のレーザ光に基づく光スポットが形成された当該記録トラック上にデータが記録される。
【0044】
光ディスク2の信号記録面にて反射された信号成分を含む第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、対物レンズ48、コリメータレンズ46を再度通過して、ビームスプリッタ45により反射されて光路が折り曲げられる。
【0045】
ビームスプリッタ45を反射した第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、受光素子50の受光部D、E、F、G、H、Jによりそれぞれ受光される。
【0046】
受光素子50の受光部D、E、F、G、H、Jにより受光された第2のレーザ光並びに第3のレーザ光の各戻り光は、この受光素子50により光電変換され、受光信号として信号処理回路5に供給される。そして、信号処理回路5において、この受光信号に基づく演算処理がなされ、再生信号RF2及び非点収差法によるフォーカスエラー信号FE2、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号TR2がそれぞれ生成される。
【0047】
ところで、以上説明した光記録再生装置1において、再生信号RF1,RF2,RF3や、フォーカスエラー信号FE1,FE2,FE3、トラッキングエラー信号TR1,TR2,TR3等の制御信号を適切に検出するためには、CD用チップ71aから出射された第1のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Bの中心に戻り光スポットを形成すると共に、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Dの中心に戻り光スポットを形成するように、更にDVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光の戻り光が、受光素子50の受光部Eの中心に戻り光スポットを形成するように、それぞれ相対的な位置関係が設定されている必要がある。
【0048】
本発明を適用した光学ヘッド4では、ホルダ43を回転操作することにより、これに保持された半導体レーザ71を回転調整することができ、第2のレーザ光のスポット位置b1と、第3のレーザ光のスポット位置c1とが同一の記録トラック上に位置するように、或いはこれらのスポットb1,c1を結ぶ直線が、この光ディスク2の信号記録面2a上の記録トラックに対して略平行となるように容易に調整することができ、ひいては受光素子50の各受光部A〜Eに形成される戻り光スポットの位置を回転調整することができる。このため、ホルダ43の回転中心に取り付けられるLD用チップ71bから出射される第2のレーザ光の戻り光が受光素子50の受光部Dの中心に戻り光スポットを形成するように位置決めすることにより、ホルダ43をその軸周り方向に回転させて、記録トラックの方向Yに対するスポット位置や、各受光部A〜Eに対するスポット位置を容易に調整することが可能となる。
【0049】
即ち、本発明を適用した光学ヘッド4では、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して、第1のレーザ光を出射するCD用チップ71aと、上記第1のレーザ光と波長の異なる第2のレーザ光、並びに第3のレーザ光を出射するDVD用チップ71b,cとを共にホルダ43上に実装することができる。このため、種類の異なる複数の光ディスク2に対応して、小型化、製造コストの削減を図ることができる。
【0050】
また、本発明を適用した光学ヘッド4では、記録トラックの方向Yに対して、第2のレーザ光に基づく光スポットb1と、第3のレーザ光に基づく光スポットc1とを同一の記録トラック上に形成することができる。このため、DVDに対してデータを記録する際に、第2のレーザ光を先行して照射することにより、当該記録トラック上のデータを予め消去し、その後に第3のレーザ光を照射してデータを記録することができる。上述した小型化、製造コストの削減と相俟って、各半導体レーザ71におけるレーザ発光出力を抑えつつ、DVDに対して高速記録を実現することができるという相乗的な効果が得られる。さらに半導体レーザ71に対するコストを大幅に抑えることができ、温度特性や寿命の劣化を防止することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、第2のレーザ光を照射することにより、予め記録トラック上に記録されているデータを消去し、次に、当該記録トラックに対して第3のレーザ光を照射することによりデータを記録する場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではない。例えば、第2のレーザ光を照射することにより、記録トラック上にデータを記録し、第3のレーザ光を照射することにより、当該記録トラックに記録したデータを読み出すようにしてもよい。これにより、第2のレーザ光により記録したデータを、即座に読み出し、これを再生することができる。
【0052】
また、上述した実施の形態では、半導体レーザ71として、1つのCD用チップ71aと、2つのレーザ光を同時に出射する2つのDVD用チップ71b,cより構成される場合を例にとり説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、1つ以上のCD用チップと、2つ以上のレーザ光を同時に出射する2つ以上のDVD用チップで構成されていればよい。仮に、3つのレーザ光を同時に出射する3つのDVD用チップで構成する場合に、上述した第2のレーザ光、第3のレーザ光に加え、第4のレーザ光を出射するDVD用チップ71dをホルダ43上に追加する。このDVD用チップ71dは、第4のレーザ光として再生用のレーザ光を出射するようにしてもよい。これにより、第2のレーザ光を照射することにより、予め記録トラック上に記録されているデータを消去し、次に、当該記録トラックに対して第3のレーザ光を照射することによりデータを記録し、次に第4のレーザ光を照射することにより、第3のレーザ光により記録トラックに記録されたデータを順次再生することが可能となる。
【0053】
また、本発明を適用した光学ヘッド4は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、記録トラックの方向Yに対して、第2のレーザ光に基づく光スポットb1と、第3のレーザ光に基づく光スポットc1が所定の方向になるように調整されていればよい。例えば、図7に示すように第1のレーザ光〜第3のレーザ光に基づく光スポットが、互いに異なる記録トラック上に形成されるように調整してもよい。これにより、第2のレーザ光及び第3のレーザ光につき、共に記録再生用のレーザ光として同時に出射することもできる。
【0054】
また、本発明を適用した光学ヘッド4は、例えば図8に示すように、CD−Rに対応した第1のレーザ光を出射するCD用チップ71aに対して、DVDに対応した第2のレーザ光、第3のレーザ光を出射するDVD用チップ71b,cにつき、2つの発光点を有する一つのチップ95で構成するようにしてもよい。同様に図9に示すように、CD用チップ71a並びにDVD用チップ71b,cにつき、3つの発光点を有する1つの2波長半導体レーザ素子96で構成するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、半導体レーザ71を回転可能に保持する保持部材として円筒状のホルダ43を備えているが、この円筒状のホルダ43以外のものを保持部材として備えるように構成されていてもよい。
【0056】
また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光の戻り光を受光部Bで受光するようにしてもよい。これにより、受光素子50において第1のレーザ光と第2のレーザ光を一つの受光部Bで受光する簡略な構成にすることが可能となる。また、本発明を適用した光学ヘッド4においては、DVD用チップ71bから出射された第2のレーザ光に加えて、DVD用チップ71cから出射された第3のレーザ光の戻り光を受光部Bで受光するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
上述したように、本発明を適用した光学ヘッドは、上記光学ヘッドにおける第2の光源並びに第3の光源につき、光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、記録媒体の回転方向に沿って順次形成されるように相対位置関係を設定し、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するため、もしくはデータを記録するための第2のレーザ光を出射し、当該記録トラック上にデータを記録するため、もしくはデータを読み出すための第3のレーザ光を出射する。これら光源は、少なくとも第2の光源と第3の光源とが、或いは、少なくとも第1の光源乃至上記第3の光源が、1つの半導体レーザチップ内に構成されている。
【0058】
これにより、本発明を適用した光学ヘッドでは、小型化、製造コストの削減と相俟って、各光源におけるレーザ発光出力を抑えつつ、高速記録を実現することができるという相乗的な効果が得られる。さらに各光源に対するコストを大幅に抑えることができ、温度特性や寿命の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録再生装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した光学ヘッドの一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した光学ヘッドが備えるホルダ43に実装された半導体レーザ71につき説明するための斜視図である。
【図4】光ディスク上に形成される各レーザ光のスポットにつき説明するための図である。
【図5】各レーザ光のスポットにつき更に説明するための図である。
【図6】本発明を適用した光学ヘッドが備える受光素子の平面図である。
【図7】第1のレーザ光〜第3のレーザ光に基づく光スポットが、互いに異なる記録トラック上に形成される場合につき説明するための図である。
【図8】半導体レーザの実装例を示す図である。
【図9】半導体レーザの他の実装例を示す図である。
【符号の説明】
1 光記録再生装置、2 光ディスク、4 光学ヘッド、43 ホルダ、44グレーティング、45 ビームスプリッタ、46 コリメータレンズ、47 1/4波長板、48 対物レンズ、49 ディテクタレンズ、50 受光素子
Claims (3)
- 種類の異なる複数の光記録媒体に対応した光学ヘッドにおいて、
第1のレーザ光を出射する第1の光源と、上記第1のレーザ光と異なる波長である第2のレーザ光並びに第3のレーザ光を同時に出射する第2の光源並びに第3の光源とが、少なくとも設けられてなる光出射手段と、
上記光出射手段から出射された上記第1のレーザ光、又は上記第2のレーザ光並びに上記第3のレーザ光が照射される上記光記録媒体からの戻り光を受光する受光手段とを備え、
上記光出射手段における第2の光源並びに第3の光源は、上記光記録媒体に照射される第2のレーザ光におけるスポット位置と第3のレーザ光におけるスポット位置とが、上記記録媒体の回転方向に沿って、同一の記録トラック上に順次形成されるように相対位置関係が設定され、
上記光出射手段における上記第2の光源は、記録トラック上に予め記録されているデータを消去するための第2のレーザ光を出射し、また上記第3の光源は、当該記録トラック上にデータを記録するための第3のレーザ光を出射し、
或いは、上記光出射手段における上記第2の光源は、当該記録トラック上にデータを記録するための第2のレーザ光を出射し、また上記第3の光源は、当該記録トラック上のデータを読み出すための第3のレーザ光を出射すること
を特徴とする光学ヘッド。 - 上記光出射手段における第2の光源並びに第3の光源は、上記光記録媒体に照射される第2のレーザ光並びに第3のレーザ光におけるスポット位置を結ぶ直線が上記光記録媒体の記録トラックに対して略平行となるように、相対位置関係が設定されていること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記光出射手段は、少なくとも第2の光源と第3の光源とが、或いは、少なくとも上記第1の光源乃至上記第3の光源が、1つの半導体レーザチップ内に構成されてなること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
Priority Applications (1)
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JP2003129432A JP2004334976A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 光学ヘッド |
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JP (1) | JP2004334976A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013093087A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-16 | Panasonic Corp | 光ピックアップおよび光記録再生装置 |
-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003129432A patent/JP2004334976A/ja not_active Withdrawn
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