JP2004094310A - 多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】制御装置に故障が発生したことを検出することを可能にする。
【解決手段】基準パルス信号を出力する発振器1と、基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するカウンタ2Aと、クロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数を出力する第1のパルスカウンタ5と、両パルス信号の波形データに基づき、各波形データの多数決を行い、得られた多数決パルス信号を出力する多数決照合回路4Bと、多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該パルス数を出力する第2のパルスカウンタ6と、両パルス数の相対差を算出し、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定するカウント値比較回路7とを備えて構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】基準パルス信号を出力する発振器1と、基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するカウンタ2Aと、クロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数を出力する第1のパルスカウンタ5と、両パルス信号の波形データに基づき、各波形データの多数決を行い、得られた多数決パルス信号を出力する多数決照合回路4Bと、多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該パルス数を出力する第2のパルスカウンタ6と、両パルス数の相対差を算出し、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定するカウント値比較回路7とを備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、鉄道車両の制御に用いられる故障判定機能を有する多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道車両及び航空機の制御を行うような極めて高度の安全性が必要とされる制御システムには、フェールセーフを働かせる観点から、多重系制御システムが採用されている。
【0003】
この種の多重系制御システムとしては、例えば図8に示すような互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムが提案されている。
【0004】
この種の多重系制御システムに設けられた各制御装置A1は、同図に示すように発振器1と、当該発振器1に接続されたカウンタ2Aと、当該カウンタ2A又は図示しない他の制御装置に接続された3つの保持回路3A〜3Cと、各保持回路3A〜3Cに、個別に接続された多数決照合回路4Aと、当該多数決照合回路4Aと各保持回路3A〜3Cとに個別に接続されたCPU8Aとから構成される。
【0005】
発振器1は、当該制御装置A1自体のクロック周波数を有する基準パルス信号としてのパルス信号を出力させ、当該出力したパルス信号をカウンタ2Aに出力する。
【0006】
カウンタ2Aは、発振器1から出力された基準信号のパルス数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号としてのパルス信号を保持回路3A〜3Cに出力すると共に、図示しない他の制御装置に対する割込みパルス信号としての当該パルス信号を他の制御装置に出力する。
【0007】
各保持回路3A〜3Cは、当該カウンタ2A又は他の制御装置から出力されたクロック周波数のパルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを保持し、当該保持した波形データを、各制御装置間で同期させるように多数決照合回路4Aに出力すると共に、多数決照合回路4Aから出力されたリセット信号により、保持したパルス信号の波形データをリセットされる。
【0008】
多数決照合回路4Aは、各保持回路3A〜3Cから出力された当該制御装置A1自体又は図示しない他の制御装置から出力された両パルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを比較し、当該比較の結果として過半数を占めたパルス信号の波形データをCPU8Aに出力すると共に、リセット信号を全ての保持回路3A〜3Cに出力する。
【0009】
CPU8Aは、多数決照合回路4Aから出力されたパルス信号の有するクロック周波数に同期して動作する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の多重系制御システムでは、1つの制御装置が故障し、当該故障に起因して、当該故障の出力した制御装置の有する発振器の出力するパルス信号のクロック周波数にずれが出力したり、当該発振器が停止したりした場合であっても、他の制御装置に故障が出力していなければ、多数決照合回路によって故障が出力していない他の制御装置の有する発振器の出力するパルス信号のクロック周波数と同期して当該パルス信号の有するクロック周波数を出力し、故障出力前と同様の条件で動作することが出来るので、制御装置に故障が発生したことを検出できない可能性がある。
【0011】
そこで本発明は、上記事情に考慮してなされたもので、制御装置に故障が発生したことを検出することを可能にする、多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の主旨はクロックパルス信号に含まれるパルス数と、多数決パルス信号に含まれるパルス数との相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定する構成により、制御装置に故障が発生したことを検出することが可能になるという効果を達成することにある。
【0013】
さて、以上のような本発明の主旨は、具体的には以下のような手段を講じることにより実現される。
【0014】
第1の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、各制御装置は、所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、クロックパルス信号出力手段により出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとにクロック検出信号を出力するクロックパルス数カウント手段と、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに多数決パルス検出信号を出力する多数決パルス数カウント手段と、クロック検出信号の数に対応するパルス数と、多数決パルス検出信号の数に対応するパルス数との相対差を算出し、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が発生したか否かを判定する第1故障判定手段とを備えた多重系制御システムである。
【0015】
このように、基準パルス信号出力手段により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、クロックパルス信号出力手段により、当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、クロックパルス数カウント手段により当該クロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとにクロック検出信号が出力され、当該クロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、多数決手段により当該各波形データの多数決が行われ、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号が出力され、多数決パルス数カウント手段により当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに多数決パルス検出信号が出力され、第1故障判定手段によりクロック検出信号の数に対応するパルス数と、多数決パルス検出信号の数に対応するパルス数との相対差が算出され、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0016】
第2の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、各制御装置は、所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、クロックパルス信号と多数決パルス信号とに基づいて、各制御装置本体に故障が発生したか否かを判定する第2故障判定手段とを備えている多重系制御システムである。
【0017】
このように、基準パルス信号出力手段により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、クロックパルス信号出力手段により当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、当該クロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、多数決手段により、当該各波形データの多数決が行われ、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号が出力され、当該クロックパルス信号と多数決パルス信号とに基づいて、第2故障判定手段により各制御装置本体に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0018】
第3の発明は、第2の発明の多重系制御システムにおいて、第2故障判定手段は、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段と、多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段と、クロックパルス数カウント手段によりカウントされたクロックパルス信号に含まれるパルス数と、多数決パルス数カウント手段によりカウントされた多数決パルス信号に含まれるパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段と、パルス数算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段とを含む多重系制御システムである。
【0019】
これにより、第2の発明の作用と同様の作用を奏することが出来る。
【0020】
第4の発明は、制御装置と、当該制御装置に同期する1つ以上の他の制御装置とがそれぞれ出力するクロックパルス信号と割込みパルス信号とに基づいて、当該制御装置が故障を発生したか否かを判定する多重系制御システムの故障判定方法であって、制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント工程と、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決を行うことにより多数決パルス信号を得る多数決工程と、多数決工程で得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント工程と、クロックパルス数カウント工程によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント工程によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出工程と、パルス差算出工程により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、制御装置に故障が出力しているか否かを判定する故障判定工程とを含む多重系制御システムの故障判定方法である。
【0021】
このように、クロックパルス数カウント工程で、制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、多数決工程で、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決を行うことにより多数決パルス信号が得られ、多数決パルス数カウント工程で、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、クロックパルス数カウント工程によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント工程によりカウントされたパルス数との相対差がパルス差算出工程で算出され、当該算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、故障判定工程で制御装置に故障が出力しているか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0022】
第5の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムの各制御装置の有するメモリに記憶され、各制御装置自体が故障したか否かを判定する故障判定プログラムであって、各制御装置のコンピュータを、各制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段、他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段、クロックパルス数カウント手段によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント手段によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段、パルス差算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、各制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段として機能させるための故障判定プログラムである。
【0023】
このように、当該故障判定プログラムでは、各制御装置のコンピュータを
当該制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段として機能させ、他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段として機能させ、両パルス数の相対差を算出するパルス差算出手段として機能させ、当該算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、各制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段として機能させるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図である。なお、前述した図面と同一部分には、同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは主として異なる部分について説明する。以下の各実施の形態においても、同様に重複した説明を省略する。
【0026】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムは、互いに同一の3個の制御装置が接続された3重系の制御システムである。
【0027】
なお、以下、説明の簡略化を図る観点から、多重系制御システム内の制御装置A2に関してのみ説明するが、他の制御装置に関しても同様であることはいうまでもない。
【0028】
本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた制御装置A2は、は、発振器1と、当該発振器1に接続されたカウンタ2A(クロックパルス信号出力手段)と、当該カウンタ2A又は他の制御装置と個別に接続された3個の保持回路3A〜3Cと、当該各保持回路3A〜3Cと個別に接続された多数決照合回路4B(多数決手段)と、前述のカウンタ2Aと接続された第1のパルスカウンタ5(クロックパルス数カウント手段)と、前述の多数決照合回路4Bに接続された第2のパルスカウンタ6(多数決パルス数カウント手段)と、当該第1及び第2のパルスカウンタ5、6と個別に接続されたカウント値比較回路7(第1故障判定手段)と、当該カウント値比較回路7と前述の多数決照合回路4Bとに、個別に接続されたCPU8Bと、当該CPU8Bにバス9Aを介して接続された表示部10Aから構成される。
【0029】
多数決照合回路4Bは、各保持回路3A〜3Cから出力されたクロックパルス信号又は割込みパルス信号の波形データ、換言すれば、出力レベル(「H」及び「L」の何れか)の入力を受付け、当該波形データの多数決を取り、当該多数決の結果として得られた波形データに対応する多数決パルス信号を第2のパルスカウンタ6及びCPU8Bに出力する。例えば、図2に示す例では、多数決照合回路4の入力側のクロックパルス信号の出力レベルが「H」で、かつ、割込みパルス信号の保持回路3Bの出力レベルが「H」であるので、保持回路3Cの出力レベルが「L」であってもこれらの多数決を取り、多数決照合回路4Bの出力側の出力レベルは、「H」になる。
【0030】
第1のパルスカウンタ5は、図3に示すように、当該制御装置A2内で出力されたクロックパルス信号のパルス数をカウントし、カウントしたパルス数が所定のカウント数に達するごとに、クロック検出信号としてのパルス信号をカウント値比較回路7に出力する。
【0031】
第2のパルスカウンタ6は、図4に示すように、多数決照合回路4Bから出力された多数決パルス信号の数が所定のパルス数に達するごとに、多数決パルス検出信号としてのパルス信号をカウント値比較回路7に出力する。
【0032】
カウント値比較回路7は、第1のパルスカウンタ5と第2のパルスカウンタ6とから出力された両パルス信号(クロック検出信号及び多数決パルス検出信号)にそれぞれ対応する、各パルス数の相対差を算出し、当該算出された相対差が所定の範囲内にない場合に、当該制御装置A2に故障が発生したと判定し、当該判定結果として異常検知信号をCPU8Bに出力する。
【0033】
CPU8Bは、多数決照合回路4Bから出力されたパルス信号のクロック周波数と同一の周波数で動作すると共に、カウント値比較回路7から出力された異常検知信号により当該制御装置A2の有する発振器1が故障したことを検出する。
【0034】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、CPU8Bが設けられていたが、これに限らず、当該CPU8Bは、当該CPU8Bと同様の機能を有するMPU又はASICに変更することが可能である。
【0035】
バス9Aは、CPU8Bが異常検知信号により制御装置A2内に故障が出力していることを検出した場合に、当該制御装置A2に故障が出力していることを示す情報を表示部10Aに伝送するための伝送路である。
【0036】
表示部10Aは、CPU8Bにより制御装置A2内に故障が出力していることが検出された場合に、当該制御装置A2内に故障が出力していることを外部に表示する。
【0037】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムに設けられた制御装置A2の発振器1、カウンタ2A、及び各保持回路3A〜3Cに関しては、先に従来技術で述べたものと同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0038】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、3重系を説明したが、4重系〜7重系又は2重系〜16重系の何れの制御系に変更してもよいことはいうまでもない。
【0039】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムの説明中で、「パルス数」は、「割込み信号の出力回数」と読み替えてもよいことはいうまでもない。
【0040】
次に、以上のように構成された多重系制御システムの動作を図を用いて説明する。
【0041】
図5は、本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
始めに、発振器1から所定のクロック周波数の基準パルス信号がカウンタ2Aに出力される(ST1)。
【0043】
次に、カウンタ2Aは、発振器1から出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウント数が所定のカウント数に達するごとにクロックパルス信号を図示しない他の制御装置、保持回路3A、及び第1のパルスカウンタ5に出力する(ST2)。
【0044】
次に、各保持回路3A〜3Cは、カウンタ2A又は他の制御装置から出力された両パルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを同期させるために保持し、当該保持した波形データを多数決照合回路4Bに出力する(ST3)。
【0045】
次に、多数決照合回路4Bは、各保持回路3A〜3Cから出力された波形データの多数決を取り、当該多数決の結果、得られた波形データに該当する多数決パルス信号をCPU8Bと第2のパルスカウンタ6とに出力する(ST4)。
【0046】
次に、第1のパルスカウンタ5は、カウンタ2Aから出力されたクロックパルス信号に含まれるパルスの数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、パルス信号をカウント値比較回路7に出力する(ST5)。
【0047】
次に、第2のパルスカウンタ6は、多数決照合回路4Bから出力された多数決パルス信号に含まれるパルスの数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、パルス信号をカウント値比較回路7に出力する(ST6)。
【0048】
次に、カウント値比較回路7は、第1のパルスカウンタ5及び第2のパルスカウンタ6からそれぞれ出力されたパルス信号に対応する両パルス数の相対差を算出する(ST7)。
【0049】
次に、カウント値比較回路7は、算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより制御装置A2に故障が発生したか否かを判定する(ST8)。
【0050】
カウント値比較回路7は、この工程ST8で、算出した相対差が所定の範囲内にあると判定した場合には(ST8:YES)、そのまま動作を終了する。
【0051】
一方、カウント値比較回路7は、この工程ST8で、算出した相対差が所定の範囲内にないと判定した場合には(ST9:NO)、当該制御装置A2に故障が発生したと判定して異常検出信号をCPU8に出力する(ST10)。
【0052】
次に、CPU8は、カウント値比較回路7から出力された異常検出信号を受け取り、当該制御装置A2の故障を検出し、バス9Aを介して接続された表示部10Aに当該制御装置A2が故障したことを表示させる(ST11)。
【0053】
以上のような一連の処理(ST1〜ST11)により多重系制御システムは、制御装置A2の故障の検出動作を終了する。
【0054】
上述したように本実施の形態によれば、発振器1により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、カウンタ2Aにより当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、第1のパルスカウンタ5により当該クロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が出力され、カウンタ2A及び図示しない他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データに基づいて、多数決照合回路4Bにより、当該各波形データの多数決が行われ、当該多数決の結果、得られた多数決パルス信号が出力され、第2のパルスカウンタ6により当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該パルス数が出力され、カウント値比較回路7により、第1および第2のパルスカウンタ5、6から出力されたパルス数の相対差が算出され、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置A2に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置A2に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0055】
本実施の形態によれば、故障した制御装置を特定できるため、故障が潜在化せず、復旧させて正常に戻すことが出来る。
【0056】
本実施の形態によれば、カウント値比較回路7によって、パルス数の相対差が所定の範囲内にあるか否かの判定を行うことにより故障した制御装置を特定することが出来るので、制御装置の故障が潜在化することにより、故障した制御装置の出力する割込みパルス信号同士、又はクロックパルス信号及び割込みパルス信号同士の多数決を防止することが可能となり、多重系制御システムの動作の正確性をより一層確実に保証することが出来る。
【0057】
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図である。
【0058】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムは、互いに同一の3個の制御装置が接続された3重系の制御システムである。
【0059】
なお、以下、説明の簡略化を図る観点から、多重系制御システム内の制御装置A3に関してのみ説明するが、他の制御装置に関しても同様であることはいうまでもない。
【0060】
本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた制御装置A3は、図6に示すように発振器1と、当該発振器1と接続されたカウンタ2Aと、当該カウンタ2A又は図示しない他の制御装置と接続された3個の保持回路3A〜3Cと、各保持回路3A〜3Cと個別に接続された多数決照合回路4Aと、当該多数決照合回路4A、前述のカウンタ2A、及び図示しない他の制御装置と個別に接続されたCPU8C(第2の故障判定手段)と、当該CPU8Cにバス9Bを介して接続されたROM11と、前述のCPU8Cにバス9Bを介して接続されたRAM12と、前述のCPU8Cとバス9Bを介して接続された表示部10Bとから構成されている。
【0061】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた各制御装置A3のCPU8Cは、周知のCPUと同様に、バスインターフェースユニット8C1と、汎用レジスタ8C2と、実行ユニット8C3とを内蔵している。
【0062】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、CPU8Cが設けられていたが、これに限らず、当該CPU8Cは、当該CPU8Cと同様の機能を有するMPU又はASICに変更することが可能である。
【0063】
カウンタ2Bは、発振器1から出力された所定のクロック周波数を有する基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を、図示しない他の制御装置及び保持回路3A並びにCPU8Cに出力する。
【0064】
バスインターフェースユニット8C1は、バス9Bに接続されたROM11から読出した故障判定プログラムに含まれる命令及びクロックパルス信号に関する波形データ並びに多数決パルス信号に関する波形データをCPU8Cの内部に取り込むためのものである。
【0065】
汎用レジスタ8C2は、カウンタ2Bから出力され、バスインターフェースユニット8C1から取り込まれたクロックパルス信号の波形データと、多数決照合回路4Aから出力された多数決パルス信号の波形データとを格納するためのものである。
【0066】
実行ユニット8C3は、ROM11から読出された故障判定プログラムが読込まれ、当該故障判定プログラムにより汎用レジスタ8C2に記憶されたクロックパルス信号の波形データを読出し、読出した波形データに含まれるパルス数をカウントする機能(クロックパルス数カウント手段)と、多数決パルス信号の波形データを読出し、読出した波形データに含まれるパルス数をカウントする機能(多数決パルス数カウント手段)と、両パルス数の相対差を算出する機能(パルス差算出手段)と、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、制御装置A3に故障が発生したか否かを判定する機能(第3故障判定手段)とを実現するものである。
【0067】
なお、本実施の形態に係る実行ユニット8C3は、クロックパルス信号と多数決パルス信号とに含まれるパルス数の相対差が所定の範囲内にあるか否かにより故障が出力しているか否かを判定する機能を有していたが、クロックパルス信号と多数決パルス信号との出力レベルが一致しない場合に行われる割込み処理の回数をカウントし、当該割込み処理の回数が所定の範囲内にあるか否かで制御装置A3に故障が発生したか否かを判定する機能を有していてもよいことはいうまでもない。
【0068】
ROM11には、制御装置A3の内部の動作を制御する制御プログラムと、カウンタ2Bと多数決照合回路4Aとからそれぞれ出力されたパルス信号の波形データにより制御装置A3の故障判定を行うための故障判定プログラムとが記憶されており、CPU8Cにより当該制御プログラムと故障判定プログラムとが読出される。
【0069】
RAM12は、実行ユニット8C3によってなされた故障判定処理の結果に関するデータがCPU8Cから、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して出力されて書き込まれる。
【0070】
バス9Bは、制御装置A3内でデータのやり取りを行うための共通路である。
【0071】
表示部10Bは、実行ユニット8C3による故障判定の結果、当該制御装置A3に故障が出力していると判定した場合に、当該制御装置A3に故障が出力していることを外部に表示する。
【0072】
なお、上記以外の構成に関しては、従来技術に係る多重系制御システムと同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0073】
以上のように構成された多重系制御システムの動作に関し、図を用いて説明する。
【0074】
図7は、本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
始めに、CPU8Cは、制御装置A3内部の動作を制御する制御プログラムに基づいて、ROM11から、制御装置A3の故障を判定するための故障判定プログラムをバス9Bとバスインターフェースユニット8C1とを介して読出し、当該読出した故障判定プログラムを内蔵の実行ユニット8C3に予め読み込んでいる。
【0076】
続いて、第1の実施の形態に係る多重系制御システムの場合と同様に、発振器1から基準パルス信号がカウンタ2Bに出力される(ST21)。
【0077】
次に、カウンタ2Bは、発振器1から出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を図示しない他の制御装置、保持回路3A、及びCPU8Cに出力する(ST22)。
【0078】
次に、各保持回路3A〜3Cは、第1の実施の形態に係る多重系制御システムの場合と同様に、クロックパルス信号及び割込みパルス信号の波形データを保持し、当該保持した波形データを多数決照合回路4Aに出力する(ST23)。
【0079】
次に、多数決照合回路4Aは、各保持回路3A〜3Cから出力された波形データの多数決を取り、当該多数決の結果、得られた波形データに該当する多数決パルス信号をCPU8Cに出力する(ST24:多数決工程)。
【0080】
次に、CPU8Cは、カウンタ2Bから出力されたクロックパルス信号の波形データと、多数決照合回路4Aから出力された多数決パルス信号の波形データとをバスインターフェースユニット8C1を介して受け取り、当該受け取った波形データを内蔵の汎用レジスタ8C2に格納する(ST25)。
【0081】
次に、実行ユニット8C3は、汎用レジスタ8C2に格納したクロックパルス信号の波形データを読出し、当該クロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントする(ST26:クロックパルス数カウント工程)。
【0082】
次に、実行ユニット8C3は、汎用レジスタ8C2に格納した多数決パルス信号の波形データを読出し、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする(ST27:多数決パルス数カウント工程)。
【0083】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、工程ST26でクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントした後、工程ST27で多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントしていたが、工程ST26と工程ST27とは、時間的に逆に行ってもよいし、時間的に、同時に行ってもよいことはいうまでもない。
【0084】
工程ST28では、実行ユニット8C3は、カウントした各パルス数の相対差を算出する(パルス差算出工程)。
【0085】
次に、実行ユニット8C3は、算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置A3に故障が出力しているか否かを判定する(ST29:故障判定工程)。
【0086】
実行ユニット8C3は、この工程ST29で、算出した相対差が所定の範囲内にあると判定した場合(ST29:YES)、換言すれば、制御装置A3に故障が出力していないと判定した場合には、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して正常な制御装置A3に関する情報をRAM12に書き込む(ST30)。その後、当該故障判定処理を終了する。
【0087】
一方、実行ユニット8C3は、工程ST29で、算出した相対差が所定の範囲内にないと判定した場合(ST29:NO)、換言すれば、制御装置A3に故障が出力していると判定した場合には、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して、故障の出力した制御装置A3に関する情報をRAM12に書き込むと共に、表示部10Bに当該制御装置A3が故障していることを表示させる(ST31)。その後、当該故障判定処理を終了する。
【0088】
以上のような一連の処理(ST21〜ST31)により、多重系制御システムは、制御装置A3の故障の検出動作を終了する。
【0089】
上述したように本実施の形態によれば、制御装置A3のROM11に記憶された故障判定プログラムにより、各制御装置A3内のCPU8Cが制御装置A3自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし(工程ST26)、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、多数決パルス信号を得た(ST24)後、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし(ST27)、両パルス数の相対差を算出し(ST28)、当該算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、制御装置A3に故障が出力しているか否かを判定する(ST29)ので、各制御装置A3が故障を発生していた場合に、当該故障が発生したことを検出することが出来る。
【0090】
本実施の形態によれば、割込み処理が行われない場合における故障の検出にも使用することが出来る。
【0091】
なお、上記各実施の形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることの出来るプログラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することができる。
【0092】
また、当該記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は、何れの形態であっても良い。
【0093】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本発明の実施の形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0094】
さらに、本発明の実施の形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0095】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本発明の実施の形態における処理が実行される場合も本発明の実施の形態における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成で有っても良い。
【0096】
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施の形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0097】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0098】
なお、プログラムは、上記の機能を実現するものであれば、例えば、C(登録商標)、C++(登録商標)、又はJAVA(登録商標)等、どのようなプログラミング言語で記載されたものであっても良い。
【0099】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。
【0100】
また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には、省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0101】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、制御装置に故障が発生したことを検出することを可能にする、多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【図2】本実施の形態に係る多重系制御システム内の多数決照合回路の動作を説明するための図。
【図3】本実施の形態に係る多重系制御システム内の第1のパルスカウンタの動作を説明するための図。
【図4】本実施の形態に係る多重系制御システム内の第2のパルスカウンタの動作を説明するための図。
【図5】本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【図7】本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図8】従来から用いられている多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【符号の説明】
A2、A3…制御装置
1…発振器
2…カウンタ
3A〜3C…保持回路
4A、4B…多数決照合回路
5…第1のパルスカウンタ
6…第2のパルスカウンタ
7…カウント値比較回路
8A〜8C…CPU
8C1…バスインターフェースユニット
8C2…汎用レジスタ
8C3…実行ユニット
9A、9B…バス
10A、10B…表示部
11…ROM
12…RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、鉄道車両の制御に用いられる故障判定機能を有する多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道車両及び航空機の制御を行うような極めて高度の安全性が必要とされる制御システムには、フェールセーフを働かせる観点から、多重系制御システムが採用されている。
【0003】
この種の多重系制御システムとしては、例えば図8に示すような互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムが提案されている。
【0004】
この種の多重系制御システムに設けられた各制御装置A1は、同図に示すように発振器1と、当該発振器1に接続されたカウンタ2Aと、当該カウンタ2A又は図示しない他の制御装置に接続された3つの保持回路3A〜3Cと、各保持回路3A〜3Cに、個別に接続された多数決照合回路4Aと、当該多数決照合回路4Aと各保持回路3A〜3Cとに個別に接続されたCPU8Aとから構成される。
【0005】
発振器1は、当該制御装置A1自体のクロック周波数を有する基準パルス信号としてのパルス信号を出力させ、当該出力したパルス信号をカウンタ2Aに出力する。
【0006】
カウンタ2Aは、発振器1から出力された基準信号のパルス数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号としてのパルス信号を保持回路3A〜3Cに出力すると共に、図示しない他の制御装置に対する割込みパルス信号としての当該パルス信号を他の制御装置に出力する。
【0007】
各保持回路3A〜3Cは、当該カウンタ2A又は他の制御装置から出力されたクロック周波数のパルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを保持し、当該保持した波形データを、各制御装置間で同期させるように多数決照合回路4Aに出力すると共に、多数決照合回路4Aから出力されたリセット信号により、保持したパルス信号の波形データをリセットされる。
【0008】
多数決照合回路4Aは、各保持回路3A〜3Cから出力された当該制御装置A1自体又は図示しない他の制御装置から出力された両パルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを比較し、当該比較の結果として過半数を占めたパルス信号の波形データをCPU8Aに出力すると共に、リセット信号を全ての保持回路3A〜3Cに出力する。
【0009】
CPU8Aは、多数決照合回路4Aから出力されたパルス信号の有するクロック周波数に同期して動作する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の多重系制御システムでは、1つの制御装置が故障し、当該故障に起因して、当該故障の出力した制御装置の有する発振器の出力するパルス信号のクロック周波数にずれが出力したり、当該発振器が停止したりした場合であっても、他の制御装置に故障が出力していなければ、多数決照合回路によって故障が出力していない他の制御装置の有する発振器の出力するパルス信号のクロック周波数と同期して当該パルス信号の有するクロック周波数を出力し、故障出力前と同様の条件で動作することが出来るので、制御装置に故障が発生したことを検出できない可能性がある。
【0011】
そこで本発明は、上記事情に考慮してなされたもので、制御装置に故障が発生したことを検出することを可能にする、多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の主旨はクロックパルス信号に含まれるパルス数と、多数決パルス信号に含まれるパルス数との相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定する構成により、制御装置に故障が発生したことを検出することが可能になるという効果を達成することにある。
【0013】
さて、以上のような本発明の主旨は、具体的には以下のような手段を講じることにより実現される。
【0014】
第1の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、各制御装置は、所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、クロックパルス信号出力手段により出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとにクロック検出信号を出力するクロックパルス数カウント手段と、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに多数決パルス検出信号を出力する多数決パルス数カウント手段と、クロック検出信号の数に対応するパルス数と、多数決パルス検出信号の数に対応するパルス数との相対差を算出し、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が発生したか否かを判定する第1故障判定手段とを備えた多重系制御システムである。
【0015】
このように、基準パルス信号出力手段により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、クロックパルス信号出力手段により、当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、クロックパルス数カウント手段により当該クロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとにクロック検出信号が出力され、当該クロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、多数決手段により当該各波形データの多数決が行われ、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号が出力され、多数決パルス数カウント手段により当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに多数決パルス検出信号が出力され、第1故障判定手段によりクロック検出信号の数に対応するパルス数と、多数決パルス検出信号の数に対応するパルス数との相対差が算出され、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0016】
第2の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、各制御装置は、所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、クロックパルス信号と多数決パルス信号とに基づいて、各制御装置本体に故障が発生したか否かを判定する第2故障判定手段とを備えている多重系制御システムである。
【0017】
このように、基準パルス信号出力手段により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、クロックパルス信号出力手段により当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、当該クロックパルス信号の波形データと多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、多数決手段により、当該各波形データの多数決が行われ、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号が出力され、当該クロックパルス信号と多数決パルス信号とに基づいて、第2故障判定手段により各制御装置本体に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0018】
第3の発明は、第2の発明の多重系制御システムにおいて、第2故障判定手段は、クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段と、多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段と、クロックパルス数カウント手段によりカウントされたクロックパルス信号に含まれるパルス数と、多数決パルス数カウント手段によりカウントされた多数決パルス信号に含まれるパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段と、パルス数算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段とを含む多重系制御システムである。
【0019】
これにより、第2の発明の作用と同様の作用を奏することが出来る。
【0020】
第4の発明は、制御装置と、当該制御装置に同期する1つ以上の他の制御装置とがそれぞれ出力するクロックパルス信号と割込みパルス信号とに基づいて、当該制御装置が故障を発生したか否かを判定する多重系制御システムの故障判定方法であって、制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント工程と、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決を行うことにより多数決パルス信号を得る多数決工程と、多数決工程で得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント工程と、クロックパルス数カウント工程によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント工程によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出工程と、パルス差算出工程により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、制御装置に故障が出力しているか否かを判定する故障判定工程とを含む多重系制御システムの故障判定方法である。
【0021】
このように、クロックパルス数カウント工程で、制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、多数決工程で、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決を行うことにより多数決パルス信号が得られ、多数決パルス数カウント工程で、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、クロックパルス数カウント工程によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント工程によりカウントされたパルス数との相対差がパルス差算出工程で算出され、当該算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、故障判定工程で制御装置に故障が出力しているか否かが判定されるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0022】
第5の発明は、互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムの各制御装置の有するメモリに記憶され、各制御装置自体が故障したか否かを判定する故障判定プログラムであって、各制御装置のコンピュータを、各制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段、他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段、クロックパルス数カウント手段によりカウントされたパルス数と、多数決パルス数カウント手段によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段、パルス差算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、各制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段として機能させるための故障判定プログラムである。
【0023】
このように、当該故障判定プログラムでは、各制御装置のコンピュータを
当該制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段として機能させ、他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段として機能させ、両パルス数の相対差を算出するパルス差算出手段として機能させ、当該算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、各制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段として機能させるので、制御装置に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図である。なお、前述した図面と同一部分には、同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは主として異なる部分について説明する。以下の各実施の形態においても、同様に重複した説明を省略する。
【0026】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムは、互いに同一の3個の制御装置が接続された3重系の制御システムである。
【0027】
なお、以下、説明の簡略化を図る観点から、多重系制御システム内の制御装置A2に関してのみ説明するが、他の制御装置に関しても同様であることはいうまでもない。
【0028】
本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた制御装置A2は、は、発振器1と、当該発振器1に接続されたカウンタ2A(クロックパルス信号出力手段)と、当該カウンタ2A又は他の制御装置と個別に接続された3個の保持回路3A〜3Cと、当該各保持回路3A〜3Cと個別に接続された多数決照合回路4B(多数決手段)と、前述のカウンタ2Aと接続された第1のパルスカウンタ5(クロックパルス数カウント手段)と、前述の多数決照合回路4Bに接続された第2のパルスカウンタ6(多数決パルス数カウント手段)と、当該第1及び第2のパルスカウンタ5、6と個別に接続されたカウント値比較回路7(第1故障判定手段)と、当該カウント値比較回路7と前述の多数決照合回路4Bとに、個別に接続されたCPU8Bと、当該CPU8Bにバス9Aを介して接続された表示部10Aから構成される。
【0029】
多数決照合回路4Bは、各保持回路3A〜3Cから出力されたクロックパルス信号又は割込みパルス信号の波形データ、換言すれば、出力レベル(「H」及び「L」の何れか)の入力を受付け、当該波形データの多数決を取り、当該多数決の結果として得られた波形データに対応する多数決パルス信号を第2のパルスカウンタ6及びCPU8Bに出力する。例えば、図2に示す例では、多数決照合回路4の入力側のクロックパルス信号の出力レベルが「H」で、かつ、割込みパルス信号の保持回路3Bの出力レベルが「H」であるので、保持回路3Cの出力レベルが「L」であってもこれらの多数決を取り、多数決照合回路4Bの出力側の出力レベルは、「H」になる。
【0030】
第1のパルスカウンタ5は、図3に示すように、当該制御装置A2内で出力されたクロックパルス信号のパルス数をカウントし、カウントしたパルス数が所定のカウント数に達するごとに、クロック検出信号としてのパルス信号をカウント値比較回路7に出力する。
【0031】
第2のパルスカウンタ6は、図4に示すように、多数決照合回路4Bから出力された多数決パルス信号の数が所定のパルス数に達するごとに、多数決パルス検出信号としてのパルス信号をカウント値比較回路7に出力する。
【0032】
カウント値比較回路7は、第1のパルスカウンタ5と第2のパルスカウンタ6とから出力された両パルス信号(クロック検出信号及び多数決パルス検出信号)にそれぞれ対応する、各パルス数の相対差を算出し、当該算出された相対差が所定の範囲内にない場合に、当該制御装置A2に故障が発生したと判定し、当該判定結果として異常検知信号をCPU8Bに出力する。
【0033】
CPU8Bは、多数決照合回路4Bから出力されたパルス信号のクロック周波数と同一の周波数で動作すると共に、カウント値比較回路7から出力された異常検知信号により当該制御装置A2の有する発振器1が故障したことを検出する。
【0034】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、CPU8Bが設けられていたが、これに限らず、当該CPU8Bは、当該CPU8Bと同様の機能を有するMPU又はASICに変更することが可能である。
【0035】
バス9Aは、CPU8Bが異常検知信号により制御装置A2内に故障が出力していることを検出した場合に、当該制御装置A2に故障が出力していることを示す情報を表示部10Aに伝送するための伝送路である。
【0036】
表示部10Aは、CPU8Bにより制御装置A2内に故障が出力していることが検出された場合に、当該制御装置A2内に故障が出力していることを外部に表示する。
【0037】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムに設けられた制御装置A2の発振器1、カウンタ2A、及び各保持回路3A〜3Cに関しては、先に従来技術で述べたものと同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0038】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、3重系を説明したが、4重系〜7重系又は2重系〜16重系の何れの制御系に変更してもよいことはいうまでもない。
【0039】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムの説明中で、「パルス数」は、「割込み信号の出力回数」と読み替えてもよいことはいうまでもない。
【0040】
次に、以上のように構成された多重系制御システムの動作を図を用いて説明する。
【0041】
図5は、本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
始めに、発振器1から所定のクロック周波数の基準パルス信号がカウンタ2Aに出力される(ST1)。
【0043】
次に、カウンタ2Aは、発振器1から出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウント数が所定のカウント数に達するごとにクロックパルス信号を図示しない他の制御装置、保持回路3A、及び第1のパルスカウンタ5に出力する(ST2)。
【0044】
次に、各保持回路3A〜3Cは、カウンタ2A又は他の制御装置から出力された両パルス信号(クロックパルス信号及び割込みパルス信号)の波形データを同期させるために保持し、当該保持した波形データを多数決照合回路4Bに出力する(ST3)。
【0045】
次に、多数決照合回路4Bは、各保持回路3A〜3Cから出力された波形データの多数決を取り、当該多数決の結果、得られた波形データに該当する多数決パルス信号をCPU8Bと第2のパルスカウンタ6とに出力する(ST4)。
【0046】
次に、第1のパルスカウンタ5は、カウンタ2Aから出力されたクロックパルス信号に含まれるパルスの数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、パルス信号をカウント値比較回路7に出力する(ST5)。
【0047】
次に、第2のパルスカウンタ6は、多数決照合回路4Bから出力された多数決パルス信号に含まれるパルスの数をカウントし、当該カウントしたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、パルス信号をカウント値比較回路7に出力する(ST6)。
【0048】
次に、カウント値比較回路7は、第1のパルスカウンタ5及び第2のパルスカウンタ6からそれぞれ出力されたパルス信号に対応する両パルス数の相対差を算出する(ST7)。
【0049】
次に、カウント値比較回路7は、算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより制御装置A2に故障が発生したか否かを判定する(ST8)。
【0050】
カウント値比較回路7は、この工程ST8で、算出した相対差が所定の範囲内にあると判定した場合には(ST8:YES)、そのまま動作を終了する。
【0051】
一方、カウント値比較回路7は、この工程ST8で、算出した相対差が所定の範囲内にないと判定した場合には(ST9:NO)、当該制御装置A2に故障が発生したと判定して異常検出信号をCPU8に出力する(ST10)。
【0052】
次に、CPU8は、カウント値比較回路7から出力された異常検出信号を受け取り、当該制御装置A2の故障を検出し、バス9Aを介して接続された表示部10Aに当該制御装置A2が故障したことを表示させる(ST11)。
【0053】
以上のような一連の処理(ST1〜ST11)により多重系制御システムは、制御装置A2の故障の検出動作を終了する。
【0054】
上述したように本実施の形態によれば、発振器1により所定のクロック周波数を有する基準パルス信号が出力され、カウンタ2Aにより当該基準パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号が出力され、第1のパルスカウンタ5により当該クロックパルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該カウントされたパルス数が出力され、カウンタ2A及び図示しない他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データに基づいて、多数決照合回路4Bにより、当該各波形データの多数決が行われ、当該多数決の結果、得られた多数決パルス信号が出力され、第2のパルスカウンタ6により当該多数決パルス信号に含まれるパルス数がカウントされ、当該パルス数が出力され、カウント値比較回路7により、第1および第2のパルスカウンタ5、6から出力されたパルス数の相対差が算出され、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置A2に故障が発生したか否かが判定されるので、制御装置A2に故障が発生したことを検出することが出来る。
【0055】
本実施の形態によれば、故障した制御装置を特定できるため、故障が潜在化せず、復旧させて正常に戻すことが出来る。
【0056】
本実施の形態によれば、カウント値比較回路7によって、パルス数の相対差が所定の範囲内にあるか否かの判定を行うことにより故障した制御装置を特定することが出来るので、制御装置の故障が潜在化することにより、故障した制御装置の出力する割込みパルス信号同士、又はクロックパルス信号及び割込みパルス信号同士の多数決を防止することが可能となり、多重系制御システムの動作の正確性をより一層確実に保証することが出来る。
【0057】
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図である。
【0058】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムは、互いに同一の3個の制御装置が接続された3重系の制御システムである。
【0059】
なお、以下、説明の簡略化を図る観点から、多重系制御システム内の制御装置A3に関してのみ説明するが、他の制御装置に関しても同様であることはいうまでもない。
【0060】
本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた制御装置A3は、図6に示すように発振器1と、当該発振器1と接続されたカウンタ2Aと、当該カウンタ2A又は図示しない他の制御装置と接続された3個の保持回路3A〜3Cと、各保持回路3A〜3Cと個別に接続された多数決照合回路4Aと、当該多数決照合回路4A、前述のカウンタ2A、及び図示しない他の制御装置と個別に接続されたCPU8C(第2の故障判定手段)と、当該CPU8Cにバス9Bを介して接続されたROM11と、前述のCPU8Cにバス9Bを介して接続されたRAM12と、前述のCPU8Cとバス9Bを介して接続された表示部10Bとから構成されている。
【0061】
また、本実施の形態に係る多重系制御システムに備えられた各制御装置A3のCPU8Cは、周知のCPUと同様に、バスインターフェースユニット8C1と、汎用レジスタ8C2と、実行ユニット8C3とを内蔵している。
【0062】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、CPU8Cが設けられていたが、これに限らず、当該CPU8Cは、当該CPU8Cと同様の機能を有するMPU又はASICに変更することが可能である。
【0063】
カウンタ2Bは、発振器1から出力された所定のクロック周波数を有する基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を、図示しない他の制御装置及び保持回路3A並びにCPU8Cに出力する。
【0064】
バスインターフェースユニット8C1は、バス9Bに接続されたROM11から読出した故障判定プログラムに含まれる命令及びクロックパルス信号に関する波形データ並びに多数決パルス信号に関する波形データをCPU8Cの内部に取り込むためのものである。
【0065】
汎用レジスタ8C2は、カウンタ2Bから出力され、バスインターフェースユニット8C1から取り込まれたクロックパルス信号の波形データと、多数決照合回路4Aから出力された多数決パルス信号の波形データとを格納するためのものである。
【0066】
実行ユニット8C3は、ROM11から読出された故障判定プログラムが読込まれ、当該故障判定プログラムにより汎用レジスタ8C2に記憶されたクロックパルス信号の波形データを読出し、読出した波形データに含まれるパルス数をカウントする機能(クロックパルス数カウント手段)と、多数決パルス信号の波形データを読出し、読出した波形データに含まれるパルス数をカウントする機能(多数決パルス数カウント手段)と、両パルス数の相対差を算出する機能(パルス差算出手段)と、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かを判定することにより、制御装置A3に故障が発生したか否かを判定する機能(第3故障判定手段)とを実現するものである。
【0067】
なお、本実施の形態に係る実行ユニット8C3は、クロックパルス信号と多数決パルス信号とに含まれるパルス数の相対差が所定の範囲内にあるか否かにより故障が出力しているか否かを判定する機能を有していたが、クロックパルス信号と多数決パルス信号との出力レベルが一致しない場合に行われる割込み処理の回数をカウントし、当該割込み処理の回数が所定の範囲内にあるか否かで制御装置A3に故障が発生したか否かを判定する機能を有していてもよいことはいうまでもない。
【0068】
ROM11には、制御装置A3の内部の動作を制御する制御プログラムと、カウンタ2Bと多数決照合回路4Aとからそれぞれ出力されたパルス信号の波形データにより制御装置A3の故障判定を行うための故障判定プログラムとが記憶されており、CPU8Cにより当該制御プログラムと故障判定プログラムとが読出される。
【0069】
RAM12は、実行ユニット8C3によってなされた故障判定処理の結果に関するデータがCPU8Cから、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して出力されて書き込まれる。
【0070】
バス9Bは、制御装置A3内でデータのやり取りを行うための共通路である。
【0071】
表示部10Bは、実行ユニット8C3による故障判定の結果、当該制御装置A3に故障が出力していると判定した場合に、当該制御装置A3に故障が出力していることを外部に表示する。
【0072】
なお、上記以外の構成に関しては、従来技術に係る多重系制御システムと同様であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0073】
以上のように構成された多重系制御システムの動作に関し、図を用いて説明する。
【0074】
図7は、本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
始めに、CPU8Cは、制御装置A3内部の動作を制御する制御プログラムに基づいて、ROM11から、制御装置A3の故障を判定するための故障判定プログラムをバス9Bとバスインターフェースユニット8C1とを介して読出し、当該読出した故障判定プログラムを内蔵の実行ユニット8C3に予め読み込んでいる。
【0076】
続いて、第1の実施の形態に係る多重系制御システムの場合と同様に、発振器1から基準パルス信号がカウンタ2Bに出力される(ST21)。
【0077】
次に、カウンタ2Bは、発振器1から出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を図示しない他の制御装置、保持回路3A、及びCPU8Cに出力する(ST22)。
【0078】
次に、各保持回路3A〜3Cは、第1の実施の形態に係る多重系制御システムの場合と同様に、クロックパルス信号及び割込みパルス信号の波形データを保持し、当該保持した波形データを多数決照合回路4Aに出力する(ST23)。
【0079】
次に、多数決照合回路4Aは、各保持回路3A〜3Cから出力された波形データの多数決を取り、当該多数決の結果、得られた波形データに該当する多数決パルス信号をCPU8Cに出力する(ST24:多数決工程)。
【0080】
次に、CPU8Cは、カウンタ2Bから出力されたクロックパルス信号の波形データと、多数決照合回路4Aから出力された多数決パルス信号の波形データとをバスインターフェースユニット8C1を介して受け取り、当該受け取った波形データを内蔵の汎用レジスタ8C2に格納する(ST25)。
【0081】
次に、実行ユニット8C3は、汎用レジスタ8C2に格納したクロックパルス信号の波形データを読出し、当該クロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントする(ST26:クロックパルス数カウント工程)。
【0082】
次に、実行ユニット8C3は、汎用レジスタ8C2に格納した多数決パルス信号の波形データを読出し、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする(ST27:多数決パルス数カウント工程)。
【0083】
なお、本実施の形態に係る多重系制御システムでは、工程ST26でクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントした後、工程ST27で多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントしていたが、工程ST26と工程ST27とは、時間的に逆に行ってもよいし、時間的に、同時に行ってもよいことはいうまでもない。
【0084】
工程ST28では、実行ユニット8C3は、カウントした各パルス数の相対差を算出する(パルス差算出工程)。
【0085】
次に、実行ユニット8C3は、算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置A3に故障が出力しているか否かを判定する(ST29:故障判定工程)。
【0086】
実行ユニット8C3は、この工程ST29で、算出した相対差が所定の範囲内にあると判定した場合(ST29:YES)、換言すれば、制御装置A3に故障が出力していないと判定した場合には、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して正常な制御装置A3に関する情報をRAM12に書き込む(ST30)。その後、当該故障判定処理を終了する。
【0087】
一方、実行ユニット8C3は、工程ST29で、算出した相対差が所定の範囲内にないと判定した場合(ST29:NO)、換言すれば、制御装置A3に故障が出力していると判定した場合には、バスインターフェースユニット8C1及びバス9Bを介して、故障の出力した制御装置A3に関する情報をRAM12に書き込むと共に、表示部10Bに当該制御装置A3が故障していることを表示させる(ST31)。その後、当該故障判定処理を終了する。
【0088】
以上のような一連の処理(ST21〜ST31)により、多重系制御システムは、制御装置A3の故障の検出動作を終了する。
【0089】
上述したように本実施の形態によれば、制御装置A3のROM11に記憶された故障判定プログラムにより、各制御装置A3内のCPU8Cが制御装置A3自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし(工程ST26)、1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号とクロックパルス信号との多数決の結果、多数決パルス信号を得た(ST24)後、当該多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし(ST27)、両パルス数の相対差を算出し(ST28)、当該算出した相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、制御装置A3に故障が出力しているか否かを判定する(ST29)ので、各制御装置A3が故障を発生していた場合に、当該故障が発生したことを検出することが出来る。
【0090】
本実施の形態によれば、割込み処理が行われない場合における故障の検出にも使用することが出来る。
【0091】
なお、上記各実施の形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることの出来るプログラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することができる。
【0092】
また、当該記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は、何れの形態であっても良い。
【0093】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本発明の実施の形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0094】
さらに、本発明の実施の形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0095】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本発明の実施の形態における処理が実行される場合も本発明の実施の形態における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成で有っても良い。
【0096】
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施の形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0097】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0098】
なお、プログラムは、上記の機能を実現するものであれば、例えば、C(登録商標)、C++(登録商標)、又はJAVA(登録商標)等、どのようなプログラミング言語で記載されたものであっても良い。
【0099】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。
【0100】
また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には、省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0101】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、制御装置に故障が発生したことを検出することを可能にする、多重系制御システム及びその故障判定方法並びに故障判定プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【図2】本実施の形態に係る多重系制御システム内の多数決照合回路の動作を説明するための図。
【図3】本実施の形態に係る多重系制御システム内の第1のパルスカウンタの動作を説明するための図。
【図4】本実施の形態に係る多重系制御システム内の第2のパルスカウンタの動作を説明するための図。
【図5】本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【図7】本実施の形態に係る多重系制御システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図8】従来から用いられている多重系制御システムの構成例を示す模式図。
【符号の説明】
A2、A3…制御装置
1…発振器
2…カウンタ
3A〜3C…保持回路
4A、4B…多数決照合回路
5…第1のパルスカウンタ
6…第2のパルスカウンタ
7…カウント値比較回路
8A〜8C…CPU
8C1…バスインターフェースユニット
8C2…汎用レジスタ
8C3…実行ユニット
9A、9B…バス
10A、10B…表示部
11…ROM
12…RAM
Claims (5)
- 互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、
前記各制御装置は、
所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、
前記基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、
前記クロックパルス信号出力手段により出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとにクロック検出信号を出力するクロックパルス数カウント手段と、
前記クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと前記多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、
前記多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに多数決パルス検出信号を出力する多数決パルス数カウント手段と、
前記クロック検出信号の数に対応するパルス数と、前記多数決パルス検出信号の数に対応するパルス数との相対差を算出し、当該相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が発生したか否かを判定する第1故障判定手段と
を備えたことを特徴とする多重系制御システム。 - 互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムであって、
前記各制御装置は、
所定のクロック周波数を有する基準パルス信号を出力する基準パルス信号出力手段と、
前記基準パルス信号出力手段により出力された基準パルス信号に含まれるパルス数をカウントし、当該カウントされたパルス数が所定のパルス数に達するごとに、クロックパルス信号を出力するクロックパルス信号出力手段と、
前記クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号の波形データと前記多重系制御システム内の他の制御装置から出力された割込みパルス信号の波形データとに基づいて、当該各波形データの多数決を行い、かつ、当該多数決の結果、得られた波形データに対応する多数決パルス信号を出力する多数決手段と、
前記クロックパルス信号と前記多数決パルス信号とに基づいて、前記各制御装置本体に故障が発生したか否かを判定する第2故障判定手段と
を備えていることを特徴とする多重系制御システム。 - 請求項2に記載の多重系制御システムにおいて、
前記第2故障判定手段は、
前記クロックパルス信号出力手段から出力されたクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段と、
前記多数決手段から出力された多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段と、
前記クロックパルス数カウント手段によりカウントされたクロックパルス信号に含まれるパルス数と、前記多数決パルス数カウント手段によりカウントされた多数決パルス信号に含まれるパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段と、
前記パルス数算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、当該制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段とを含むことを特徴とする多重系制御システム。 - 制御装置と、当該制御装置に同期する1つ以上の他の制御装置とがそれぞれ出力するクロックパルス信号と割込みパルス信号とに基づいて、当該制御装置が故障を発生したか否かを判定する多重系制御システムの故障判定方法であって、
前記制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント工程と、
前記1つ以上の他の制御装置が出力する割込みパルス信号と前記クロックパルス信号との多数決を行うことにより多数決パルス信号を得る多数決工程と、
前記多数決工程で得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント工程と、
前記クロックパルス数カウント工程によりカウントされたパルス数と、前記多数決パルス数カウント工程によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出工程と、
前記パルス差算出工程により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、前記制御装置に故障が出力しているか否かを判定する故障判定工程と
を含むことを特徴とする多重系制御システムの故障判定方法。 - 互いに同期する複数の制御装置を備えた多重系制御システムの前記各制御装置の有するメモリに記憶され、前記各制御装置自体が故障したか否かを判定する故障判定プログラムであって、
前記各制御装置のコンピュータを、
前記各制御装置自体が出力するクロックパルス信号に含まれるパルス数をカウントするクロックパルス数カウント手段、
他の制御装置が出力する割込みパルス信号と前記クロックパルス信号との多数決の結果、得られた多数決パルス信号に含まれるパルス数をカウントする多数決パルス数カウント手段、
前記クロックパルス数カウント手段によりカウントされたパルス数と、前記多数決パルス数カウント手段によりカウントされたパルス数との相対差を算出するパルス差算出手段、
前記パルス差算出手段により算出された相対差が所定の範囲内にあるか否かにより、前記各制御装置に故障が出力しているか否かを判定する第3故障判定手段として機能させるための故障判定プログラム。
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CN118567335A (zh) * | 2024-08-01 | 2024-08-30 | 智维精准(北京)医疗科技有限公司 | 一种大型放疗设备控制系统故障检测系统及方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041104 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061128 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20070129 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071002 |