JP2004093239A - 光電センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】検出対象物体の有無に拘わらず、検出用の発光素子の状態を正確にモニタ可能とした光電センサを提供すること。
【解決手段】光電センサを、検出用の発光素子と、検出用の受光素子と、検出用の受光素子の出力信号に基づいて検出用の外部出力信号を生成する検出用の出力信号生成手段と、検出用の発光素子の状態をモニタするためのモニタ用の受光素子と、を含んで構成し、前記検出用の発光素子とモニタ用の受光素子との間における光の伝達を当該センサの筐体内部を通じて行う。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、検出用の発光素子からの光を筐体内部を通じてモニタ用の受光素子へと導くことにより、検出対象物体の有無に拘わらず、当該発光素子の状態を確実にモニタ可能とした光電センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
光電センサには、物体の有無に対応する二値信号を出力する形式のもの(例えば、光電スイッチ等)、物体の有無に対応する光量値そのものを出力する形式のもの、さらには、物体の形状等に対応する計測値を出力する形式のもの(例えば、三角測距による変位センサ等)、等々のような種々の形式のものが従来より知られているが、いずれのものにあっても、検出用の発光素子と検出用の受光素子とに基づいて、上述の出力信号を生成する。なお、検出用の発光素子と受光素子とが対向配置されるものが透過型、並行配置されるものが反射型と呼ばれる。
【0003】
ところで、検出用の発光素子が断線して発光しなくなったり、劣化により輝度が低下したり、投光レンズに曇りが生じたりした場合、検出動作に支障を来すことが想定される。
【0004】
従来、発光素子からの投光が正常に行われていることを判定するためには、検出用の受光素子の出力信号に着目する判定手法(例えば特開平8−15445号公報)(以下、第1の手法と言う)や、検出用の発光素子の駆動電流に着目する判定手法(例えば特開平11−68162号公報)(以下、第2の手法と言う)が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の第1の手法にあっては、発光素子から検出対象領域に投光されたのち、検出対象領域を透過又は反射された光を受光するものであるから、判定に先立って、検出対象領域に物体の有無を確認することが必要となり、使い勝手が悪いと言う問題点がある。
【0006】
一方、第2の手法にあっては、投受光を介在するものではないから、検出対象領域に物体の有無を確認する必要はないものの、発光素子の輝度変化と発光素子の駆動電流変化とは必ずしも正確に対応する訳ではないので、発光素子の劣化等に伴う微妙な発光輝度の変化をなかなか正確には検出することができないと言う問題点がある。
【0007】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、検出対象物体の有無に拘わらず、検出用の発光素子の状態を正確にモニタ可能とした光電センサを提供することにある。
【0008】
この発明の他の目的とするところは、上記のモニタ結果に基づいて、当該発光素子の状態を診断する機能を有する光電センサを提供することにある。
【0009】
この発明の他の目的とするところは、上記の診断結果を外部出力又は外部表示可能とした光電センサを提供することにある。
【0010】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記載を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の光電センサは、検出用の発光素子と、検出用の受光素子と、検出用の受光素子の出力信号に基づいて検出用の外部出力信号を生成する検出用の出力信号生成手段と、検出用の発光素子の状態をモニタするためのモニタ用受光素子と、を含み、かつ前記検出用の発光素子とモニタ用の受光素子との間における光の伝達は当該センサの筐体内部を通じて行われる。
【0012】
ここで『検出用の発光素子』とは、検出領域に対して投光を行うための発光素子である。また『検出用の受光素子』とは、検出領域を経由して到来する透過光又は反射光を受光するための受光素子である。
【0013】
『検出用の出力信号生成手段』にて生成される外部出力信号の形態は、検出領域に物体の有無を示す二値信号である場合、検出領域から到来する透過光又は反射光の光量値である場合、さらには検出領域に置かれた物体の計測値である場合の全てを含んでいる。
【0014】
本発明の最大の特徴は、センサの筐体内部にモニタ用の受光素子を有することである。加えて、このモニタ用の受光素子と検出用の発光素子との間における光の伝達は当該センサの筐体内部を通じて行われる。ここで、『筐体内部』とあるのは、投受光一体型のセンサにあってはもちろんその筐体の内部であるが、投受光別体型のセンサにあっては、投光素子が収容された筐体の内部であることを意味している。
【0015】
以上の構成よりなる光電センサによれば、モニタ用の受光素子が受け取るのは、検出領域を経由して検出用の発光素子から到来する透過光又は反射光ではなくて、検出用の発光素子から直接に到来する光であるから、検出領域に物体があろうとなかろうと、モニタ用の受光素子が受け取る光量値に変動は生じない。従って、本発明の光電センサによれば、検出用の発光素子の光量をモニタするに際しては、検出領域に物体の有無を確認する必要がなく、使い勝手が良好なものとなる。加えて、モニタ用の受光素子が受け取る光は、検出用の発光素子から直接到来する光だけであって、その他の外乱光は一切到来しないため、検出用の発光素子とモニタ用の受光素子との間で同期をとらずとも、モニタ用の受光素子は検出用の発光素子の発光状態を正確にモニタすることができる。従って、モニタ用の受光素子の出力側において同期処理のためのゲート手段等が不要となって、ハードウェア的並びにソフトウェア的に構成が簡素化される。このように、本発明の光電センサにおいては、筐体の内部にモニタ用の受光素子を設けると共に、検出用の発光素子とモニタ用の受光素子との間における光の伝達をセンサの筐体内部を通じて行うようにしているため、検出領域を経由して到来する透過光や反射光あるいは検出用の発光素子の駆動電流等を介して検出用の発光素子の発光状態をモニタする従来例に比べ、操作性の向上並びに構成の簡素化を実現することができる。こうしてモニタ用受光素子を介して得られたモニタ結果は、種々の目的に利用することができる。以下に述べる検出用の発光素子の発光状態の診断は、その一例に過ぎない。
【0016】
本発明光電センサの好ましい実施の一形態としては、モニタ用の受光素子の出力信号に基づいて発光素子診断用の外部出力信号を生成する発光素子診断用の出力信号生成手段をさらに有することが考えられる。
【0017】
ここで、『発光素子診断用の出力信号生成手段』において生成される外部出力信号は、モニタ用の受光素子の受光する光量値そのものを出力するものであってもよいし、その光量値を何らかのしきい値と比較して二値化したものを出力するようにしてもよい。いずれにせよ、発光素子診断用の外部出力信号は、モニタ用の受光素子の出力信号に対応するものでなければならない。
【0018】
このような構成によれば、光電センサから出力される発光素子診断用の外部出力信号に基づいて、検出用の発光素子の発光状態を正確に診断することができる。すなわち、検出用の発光素子が断線していたり、劣化により輝度が低下していたり、ドリフトにより輝度が不安定であったりすれば、モニタ用の受光素子からはそのような光量値の変動に正確に対応する出力信号が得られるから、発光素子診断用の外部出力信号も検出用発光素子の発光状態を正確に表すものとなるため、発光素子診断の精度を向上させることができる。一方、モニタ用の受光素子が検出用の発光素子から受け取る光量値が十分な値を有するにも拘わらず、検出用の受光素子が受け取る光量値が十分でないような場合には、検出用の発光素子の前面に配置された投光用レンズに曇りが生じている可能性が高くなり、そのようなレンズ等の曇りに起因する投受光素子間の光伝達不良を的確に判定可能となるであろう。
【0019】
本発明の光電センサの更に好ましい実施の形態においては、発光素子診断用の出力信号生成手段が、モニタ用の受光素子を介して得られた発光素子の光量値を1若しくは2以上のしきい値と比較することにより発光素子の発光状態を弁別する発光状態弁別手段を含み、この発光状態弁別手段による弁別結果に対応する外部出力信号を生成することが考えられる。
【0020】
このような構成によれば、光電センサから出力される外部出力信号は、モニタ用の受光素子を介して得られた発光素子の光量値を1若しくは2以上のしきい値と比較することにより発光素子の発光状態を弁別した結果を反映するため、光電センサの外部において別途弁別処理を実施せずとも、光電センサから得られる外部出力信号に基づいて直ちに発光素子の発光状態を判定することができる。1若しくは2以上のしきい値の値は、ユーザの側において必要に応じ適宜に設定すればよいであろう。もっとも、それらしきい値を発光素子の故障状態における光量値若しくはその僅かに手前の光量値に設定すれば、外部出力信号の値に基づいて、検出用発光素子の故障乃至不良を直ちに判定することが可能となる。
【0021】
本発明光電センサの更に好ましい実施の形態においては、発光素子診断用の出力信号生成手段が、特定の弁別結果が得られた時に、それに対応する外部出力信号の状態を所定のリセット操作が行われるまで保持する機能をさらに有することが考えられる。
【0022】
検出用の発光素子が故障したり劣化したような場合、その光量変化乃至輝度変化は一般に不安定なものとなり、必ずしもある時点以降継続的に光量値が低下するとは限らない。これに対して、この実施形態のように、ひとたび特定の弁別結果が得られた後にあっては、それに対応する外部出力信号の状態を所定のリセット操作が行われるまで保持するように構成すれば、外部出力信号の安定化を図ることができる。もっとも、検出用の発光素子の発光状態が不安定となったからといって、光電センサを直ちに使用禁止乃至停止とすることは適切ではない。なぜなら、生産計画の都合等によって、生産ラインを停止できない場合もあるし、他方発光素子の輝度が若干不安定であっても、センサの使用を継続できる場合も存在するからである。そこで、この光電センサにあっては、ひとたび外部出力信号の状態に基づいて発光素子の故障や不良と判定された場合であっても、なおも使用可能と判断されるような場合には、手動によりリセット操作を行うことによって、外部出力信号の状態をリセットし、当該センサによる制御対象の動作を再開することも可能となるのである。
【0023】
本発明光電センサの更に好適な実施の形態にあっては、モニタ用の受光素子の出力信号に基づいて発光素子診断用の表示データを生成する発光素子診断用の表示データ生成手段と、この表示データ生成手段により生成された表示データが表示される表示器とをさらに有することが考えられる。
【0024】
ここで、『表示器』は、筐体に一体に取り付けられたものであってもよいし、筐体とは別個に分離された独立した構造を有するものであってもよい。いずれにしても、この表示器には、発光素子診断結果に相当する表示が行われる。
【0025】
このような構成によれば、検出用発光素子の発光状態がどのようなものであるかを目で見て確認することができるため、生産現場の作業者等にとって一層使い勝手が向上する。
【0026】
本発明光電センサの更に好ましい実施の形態においては、発光素子診断用の表示データ生成手段が、モニタ用の受光素子を介して得られた発光素子の光量値を1若しくは2以上のしきい値と比較することにより発光素子の発光状態を弁別する発光状態弁別手段を含み、この発光状態弁別手段による弁別結果に対応する表示データを生成するものが考えられる。
【0027】
このような構成によれば、表示器に表示される表示データは、モニタ用の受光素子の受光光量を単に数値表示したごときものではなく、それをさらに1若しくは2以上のしきい値と比較して弁別した弁別結果を反映したものとなるため、表示器に表示される表示データから、作業者は検出用発光素子の発光状態がどのような段階に相当するかを直ちに読み取ることができ、一層の使い易さを向上させることができる。
【0028】
本発明光電センサの更に好適な実施の形態にあっては、発光素子診断用の表示データ生成手段が、発光状態弁別手段により特定の弁別結果が得られたときに、そのときの光量値に対応する表示データを生成する機能をさらに有することが考えられる。
【0029】
このような構成によれば、例えば発光状態が発光素子の故障又は劣化に対応するものと表示データを介して判定されたときに、実際にそのときのモニタ用受光素子の受光光量値をさらに目で確認することができるため、検出用発光素子の発光状態を一層的確に判断することができる。つまり、しきい値が不適切に設定されていたことなどによって、発光素子が故障乃至劣化していると表示データが示していても、さらにその状態における発光素子の発光状態そのものを目で見て確認することによって、しきい値が不適切に設定されたことによるのか、それとも実際に発光素子が故障乃至劣化したのであるかを的確に判断することができるのである。
【0030】
本発明光電センサの更に好適な実施の形態においては、発光素子診断用の表示データ生成手段が、現在の光量値のしきい値に対する余裕度に相当する表示データを生成する機能を有するように構成することが考えられる。
【0031】
このような構成によれば、表示器上の表示データに基づいて検出用発光素子の状態が正常と判定される場合であっても、この余裕度表示を確認することによって、発光素子の劣化がどの程度進んでいるかを判断したり、あるいは判定用しきい値が適切に設定されているか否かなどを確認することが可能となる。つまり、モニタ用受光素子の受光光量を判定するために1若しくは2以上のしきい値を設定したとしても、それらしきい値とモニタ用受光素子が受ける実際の受光光量との関係がわからなければ、生産ラインに使用して運転中に不意に発光素子の故障によって生産ラインを停止せざるを得ない場面も想定されるが、このような余裕度表示を有するように構成すれば、発光素子の劣化が生じ始めたとしても、それがあとどの程度使用可能かをある程度推定することができ、適切な生産ラインの運転が可能となるであろう。
【0032】
本発明光電センサの更に好適な実施の形態においては、発光状態弁別手段におけるしきい値がデフォルト値として出荷時より与えられていることが考えられる。
【0033】
このような構成によれば、センサに使用される発光素子の特性は、それを出荷するメーカ側が最も熟知しているものであるから、仮に故障時又は想定される劣化時をユーザに知らせるのであれば、それの判定に使用されるしきい値は最もメーカが熟知したものであり、これをデフォルト値としてユーザに提供することによって、ユーザ側においてはその弁別結果に基づく表示を見るだけで、確実に発光素子の故障や使用不能となる劣化状態を認識することが可能となる。
【0034】
本発明光電センサの更に好適な実施の形態においては、発光状態弁別手段におけるしきい値が出荷後において任意に設定可能とされていることが考えられる。
【0035】
このような構成によれば、検出物体の透過特性や反射特性に応じて、検出に最適な発光素子の輝度乃至光量値はまちまちであろうから、それに対応する判定しき値をユーザの側で任意に設定可能とすることによって、ユーザサイドにおける使い勝手を向上させることができる。
【0036】
以上種々述べたように、本発明の光電センサは発光素子に関する正確なモニタ機能を有するものであるため、これを発光素子の発光状態診断に利用すれば、診断結果の外部出力並びに外部表示などを高精度をもって実現することが可能となるのである。
【0037】
尚、発光素子の診断に本発明を利用する場合、そのような診断処理をいつ行うかについては様々な考え方が存在するであろう。第1の考え方としては、センサの電源が投入された直後において自動的に診断処理を行うものが考えられる。このような構成を採用すれば、センサの使用が開始されるに先立ち、必ず発光素子の診断が行われるため、発光素子が故障乃至不良のまま、計測が開始されるといった不都合な事態を確実に防止することができる。第2の考え方としては、ユーザが指示する任意のタイミングにおいて、診断処理が実行されるものが考えられる。このような構成によれば、生産ラインの作業者が一定の操作マニュアルに従って、定期的に診断処理を実行させることによって、当該光電センサの発光素子の故障乃至不良に基づく動作不良を回避することができる。第3の考え方としては、タイマあるいは運用時間の積算値などに基づき、自動的に診断処理が実行されるものが考えられる。このような構成によれば、実稼働時間に対応して適切なタイミングをもって発光素子の状態を診断することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明光電センサの好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を示すものに過ぎず、本発明の及ぶ範囲は、特許請求の範囲のみによって特定されることは言うまでもないことである。
【0039】
本発明光電センサの上部カバーを開いた状態における外観斜視図が図1に示されている。同図に示されるように、光電センサ1は多連装型のプラスチック製筐体101を有する。筐体101の前部には、投光用ファイバ2と受光用ファイバ3とが挿入され、クランプレバー103の操作によって抜け止め固定される。筐体101の後部からは電気コード4が引き出されている。図示の電気コード4は、アース用の芯線41と、正電源用の芯線42と、検出出力用の芯線43と、診断出力用の芯線44とを有する。
【0040】
筐体101は、制御盤等の取付面に対して、図示しないDINレールを介して固定される。符号104で示されるものはDINレール嵌合溝である。筐体101の上部には、透明な上部カバー102が開閉可能に取り付けられている。上部カバー102を開いた状態で露出する筐体101の上面には、第1の表示器105と、第2の表示器106と、第1の操作ボタン107と、第2の操作ボタン108と、第3の操作ボタン109と、第1のスライド操作子110と、第2のスライド操作子111とが設けられている。
【0041】
本発明光電センサの操作・表示部の拡大図が図2に示されている。図1及び図2を参照して明らかなように、第1の表示器105及び第2の表示器106は、いずれも4桁の7セグメントデジタル表示器で構成されており、それぞれ4桁の数字、アルファベット、さらにはそれらの組み合わせを任意に表示可能となされている。第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、及び第3の操作ボタン109は、いずれもモメンタリタイプの押しボタンスイッチを構成しており、図2に示されるように、第1の操作ボタン107は『UPキー』として、第2の操作ボタン108は『DOWNキー』として、第3の操作ボタン109は『MODEキー』としてそれぞれ機能するように構成されている。第1のスライド操作子110及び第2の操作スライド子111はいずれもスライドスイッチを構成するものであり、図2に示されるように、第1のスライド操作子110は『SET/RUN切替スイッチ』として、第2のスライド操作子111は『L/D(ライトオン/ダークオン)切替スイッチ』として機能するように構成されている。
【0042】
検出用の発光素子、受光素子とモニタ用の受光素子との位置関係を示す筐体の縦断面図が図3に示されている。同図において、112は投光用ファイバ挿入孔、113は受光用ファイバ挿入孔、114は検出用の発光素子、115は検出用の受光素子、116はモニタ用の受光素子である。このように、筐体101の前部を縦断面にしてみると、投光用ファイバ挿入孔112の奥部には検出用の発光素子114が、また受光用ファイバ挿入孔113の奥部には検出用の受光素子115が内蔵されている。投光用ファイバ挿入孔112に対して投光用ファイバ2をしっかりと挿入すると、投光用ファイバ2の端面と検出用の発光素子114の発光部114cとがしっかりと光結合され、これにより検出用の発光素子114から発生した光は、投光用ファイバ2を経由して、その先端の図示しないファイバヘッドから検出領域へと投光される。同様に、受光用ファイバ挿入孔113に対して受光用ファイバ3をしっかりと挿入すると、受光用ファイバ3の端面と検出用受光素子115とが光結合され、これにより図示しない受光用ファイバ3のファイバヘッドからファイバ内に導入された光は、受光用ファイバ3に案内されて、検出用の受光素子115にたどり着く。以上述べた検出用発光素子114と検出用の受光素子115との配置構成は従来のこの種のファイバ型光電スイッチに採用されたものと同様である。
【0043】
これに対して、本発明の特徴は、検出用の発光素子114の隣にモニタ用の受光素子116を有する点にある。すなわち、検出用の発光素子114の隣、すなわち図では上部には、モニタ用の受光素子116が配置されている。これら検出用の発光素子114とモニタ用の受光素子116は、同一の筐体101により保持されており、検出用発光素子114の発光部114cから出射された光が、モニタ用受光素子116の下方に位置する受光窓116cへ到る光路中には保持部材が存在しない。ここに示す例では、互いの素子(114、116)が接触した状態で一体に保持されている。モニタ用の受光素子116の検出用の発光素子114に面する面のみ、図では下面には、受光窓116cが開口されているが、その他の面は筐体101並びに他の部材によって覆われる。すなわち、図3には示されていないが、モニタ用受光素子116の端子側(図では右側)の面を回路基板によって覆うことで、検出用発光素子114以外から到来する光の入射を防止している。モニタ用の受光素子116としては、この例ではフォトダイオードが採用されているが、その他フォトトランジスタや任意の受光素子を採用することができる。検出用の発光素子114の発光部114cは、符号114eで示されるパラボラ型反射鏡の内側に配置されており、そのため発光部114cから発生した光は、その大部分が投光用ファイバ挿入孔112の光軸に沿って前方へと出射される。これにより、検出用の発光素子114から発生した光は、投光用ファイバ2へと導入される。一方、発光部114cを取り巻く外周面114dの中で、特にモニタ用の受光素子116の受光窓116cと対面する位置は、透明な樹脂等でつくられており、そのため検出用の発光素子114の発光部114cから発生された光の一部は、外周面114dから漏れ出して、モニタ用の受光素子116の受光窓116cに照射される。
【0044】
このように、この光電センサ1の筐体101内には、検出用の発光素子114と、検出用の受光素子115と、検出用の発光素子114の状態をモニタするためのモニタ用の受光素子116とが内蔵されており、かつ検出用の発光素子114とモニタ用の受光素子116との間における光の伝達は当該センサの筐体101の内部を通じて行われるように構成されている。なお、この例にあっては、検出用の発光素子114の発光部114cからの光が一部外周面114dから漏れ出して、受光窓116cにたどり着くように構成したが、検出用の発光素子114とモニタ用の受光素子116との間における光の伝達経路並びに手段はこれに限定されるものではない。例えば、適当な導光部材を介して、検出用の発光素子114から発生した光の一部をモニタ用の受光用素子116へ導くようにしてもよい。要は、検出用の発光素子114から発生された光の一部が、モニタ用の受光素子116へとたどり着く構成であれば、どのような構造であっても差し支えない。もっとも、受光窓116cに対しては、検出用の発光素子114から発生した光以外の光が入射することは極力回避せねばならない。さもなければ、検出用の発光素子114とモニタ用の受光素子116との間において同期をとらなければ、外乱光の影響を排除できなくなるからである。
【0045】
尚、図において、114a,114bは検出用の発光素子114の端子ピン、115a,115bは検出用の受光素子115の端子ピン、116a,116bはモニタ用の受光素子116の端子ピンをそれぞれ示している。さらに、筐体101の材質としては、外部からの光がモニタ用の受光素子116へと入射することがないよう、遮光性の素材であることは言うまでもない。
【0046】
また、検出用の発光素子114としては、発光ダイオードやレーザダイオードを採用することができ、検出用の受光素子115としてもフォトダイオードやフォトトランジスタ等を採用することができる。
【0047】
更に、検出用の発光素子114とモニタ用の受光素子116との間における光の伝達は筐体101の内部で行うものであるが、ここで言う筐体101の内部というのは、真の意味については、投光用ファイバを介して一旦外部へ放射された後、これが戻されてモニタ用の受光素子116にたどり着くものではないということを意味するものであり、そのためここで言う内部というのは、必ずしも筐体101自体の内部に限定するものではなく、例えば筐体101の外部を経由する光ファイバを介して、モニタ用の受光素子116へたどり着くような構成もとりわけ排除するものではない。
【0048】
次に、本発明光電センサの電気的ハードウェア構成を示す回路図が図4に示されている。同図に示されるように、この回路はマイクロプロセッサを主体として構成されるCPU201を中心として構成されている。CPU201内には、マイクロプロセッサの他に、システムプログラムを格納したROMやプログラムの実行に必要なワーキングRAM等が格納されている。このようなCPU201の構成については、各種の文献において種々公知であるから、その点についての詳細な説明は省略する。
【0049】
図において最も左側には、図3を参照して先に説明した検出用の発光素子114と、検出用の受光素子115と、モニタ用の受光素子116とが描かれている。検出用の発光素子114は、CPU201からの指令を受けて、駆動部202を介して周期的にパルス駆動される。例えば、検出用発光素子114は、100μsec周期でパルス駆動される。そして、先に説明したように、検出用発光素子114から発生した光は、投光用光ファイバを介して検出領域へと導かれる。検出領域において透過又は反射したことにより受光用ファイバに導入された光は、受光用ファイバ3を経由して受光素子115へとたどり着く。受光素子115で光電変換されて生じた出力信号は、受光用増幅部203で増幅された後、CPU201へとA/D変換器を介して取り込まれる。尚、これら投受光の基本的な構成についても、各種の文献において公知であるから、この点についての詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、図3を参照して説明したように、検出用発光素子114から発生された光の一部はモニタ用受光素子116へとたどり着く。ここで光電変換されて生じた電気信号は、モニタ用増幅部204を介して増幅された後、A/D変換器を介してCPU201へと取り込まれる。ここで重要な点は、受光用ファイバを経由して検出用受光素子115へとたどり着く光には、通常の外光乃至室内光も含まれているため、いわゆる投受光間における同期処理を採用しないと、検出用発光素子114から到来した光を適切にとらえることができない。つまり、CPU201では、駆動部202の駆動タイミングと、受光用増幅部203からのデータ取込みとの間に同期をとるための処理を実行せねばならない。
【0051】
これに対して、モニタ用受光素子116にたどり着く光は、検出用発光素子114から発生した光のみに限られるため、先の投受光間の処理のように、同期処理を採用せずとも、モニタ用増幅部204の出力からは、検出用発光素子114の発光状態を適切に反映した電気信号を取り込むことができる。そのため、このように2種類の受光素子115,116を有するとは言え、モニタ用受光素子116からの電気信号の取り込みに関しては簡素な回路構成並びにソフトウェア構成を採用することができ、格別のコストアップを来すことがない。
【0052】
入力操作部205は、先に図1並びに図2を参照して説明した各種のスイッチに対応するものである。すなわち、入力操作部205は、第1の操作ボタン107,第2の操作ボタン108、及び第3の操作ボタン109のそれぞれに対応するモメンタリタイプの押しボタンスイッチや、第1のスライド操作子110及び第2のスライド操作子111に対応するスライドスイッチ等で構成されている。これらのスイッチからの信号は、公知のキー入力シーケンス処理を用いてCPU201に取り込まれ、これによりユーザの操作がCPU201に伝えられる。
【0053】
表示部206は、先に図1及び図2を参照して説明した各種の表示器を含んでいる。すなわち、表示部206は、第1の表示部105及び第2の表示部106を構成するデジタル表示器を含んでいる。これらの表示部105,106には、CPU201の制御によって、各種の数値、アルファベット並びにそれらの組み合わせなどが表示される。これらの表示器105,106に対する具体的な表示例については、後に詳細に説明される。
【0054】
記憶部207は、CPU201のアドレス空間を構成する全記憶領域の中で、特にEEPROM等で構成される不揮発性メモリ部分を取り出して示すものであり、この記憶部207には、メーカサイドで出荷の際に設定されたり、あるいは出荷後にユーザによって設定された各種のデータが不揮発記憶される。
【0055】
次に、出力部の構成について説明する。先に図1を参照して説明したように、この光電センサには、電気コード4が引き出されている。そして、この電気コード4には、アース並びに正電源として機能する芯線41,42の他に、2系統の信号線として機能する検出出力用芯線43及び診断出力用の芯線44が含まれている。ここで、符号211で示される外部電源端子が正電源用の芯線42に対応しており、符号213で示されるアース用外部端子がアース用芯線41に対応している。さらに、符号212で示される補助出力端子が自己診断結果の出力用の芯線44に対応しており、さらに符号210で示される信号出力ポートが物体検出出力用の芯線43に対応している。
【0056】
電源部208は、外部から与えられた直流電源216を安定化するための安定化回路などで構成されており、この電源部208の出力によってCPU201及び他その他の内部回路が動作する。
【0057】
補助出力ポート209はこの光電センサの自己診断信号を出力するためのもので、この補助出力ポートからの信号によってトランジスタ214を介してリレーのコイル等の負荷217が駆動される。尚、215はトランジスタ214保護用のツェナーダイオードである。信号出力ポート210は、検出出力信号を外部へと送出するものであり、この信号出力ポート210から得られた二値信号は、検出出力用芯線43を介して、図示しないプログラマブルコントローラ(PLC)などへと供給される。
【0058】
このように、この光電センサにあっては、通常の光電センサ同様に、信号出力用ポート210を介して図示しない外部負荷(PLC等)を駆動できる他に、補助出力ポート209を介して外部負荷217を駆動することが可能となされている。従って、この補助出力ポート209を介して得られる診断出力信号(二値信号)に基づき、検出用発光素子114の状態(故障や劣化がひどく進んだ状態あるいは正常な状態)を直ちに判定することができる。
【0059】
次に、以上述べた機械的構造並びに電気的なハードウェア構成を前提として、この光電センサに備えられた様々な機能並びにそれらを実現するためにCPUで実行されるシステムプログラムの構成について説明する。この光電センサには、選択的に実行(ON/OFF)可能な複数の機能が備えられている。それらの機能のそれぞれには、様々な選択肢が用意されている。それら機能の選択(ON/OFF)並びに選択肢の選択は、この光電センサをSETモードに設定することで行うことができる。特定の選択肢に従ってON設定された機能を実現させる動作は、この光電センサをRUNモードに設定することで行うことができる。動作モードをSETモードとするかRUNモードとするかの指定は、図2に示されるように、第1のスライド操作子110を『SET』側とするか、『RUN』側とするかにより行うことができる。因みに、第2のスライド操作子111は、この光電センサの検出出力信号の論理極性を設定するためのもので、第2のスライド操作子111が『L』側に設定されるといわゆるライトオンモードとなり、『D』側に設定されるとダークオンモードとなる。
【0060】
一方、本発明の要部である発光素子の診断機能(以下、自己診断機能と言う)も、光電センサに備えられた機能の1つではあるが、この自己診断機能は、他の一般的な機能とは若干異なる位置付けがされている。というのは、先に説明した一般的な複数の機能は、電源投入から電源が遮断されるまでの間継続的に実行されるものであるのに対し、本発明の要部である自己診断機能は電源投入直後に1回だけしか実行されないからである。つまり、光電センサの発光素子の状態が故障若しくはひどく劣化していれば、これをそのまま生産ラインに適用することは不良品発生の原因ともなりかねない。一方、このような発光素子の故障乃至劣化は、時間単位又は1日単位のように急速に進むとは考えられないから、生産ラインの稼働時(電源投入時)などに1回だけ検査すれば、十分であると共に、電源投入の際にはその都度発光素子が故障又はひどく劣化していないかどうかを確認する必要があるという考え方によるのである。
【0061】
一方、この自己診断機能においても、それを実行させるか否か(ON/OFF)の設定、並びに、どのような態様で実行させるかの設定が可能とされている。これらの設定操作は、第1のスライド操作子110の設定状態とは無関係に、ユーザが別途特別なキー操作を行った場合にのみ実行可能となされている。
【0062】
自己診断に関するキー操作並びに表示態様の説明図が図5に示されている。尚、同図において、105は第1の表示器、106は第2の表示器、107は第1の操作ボタン『UP』、108は第2の操作ボタン『DOWN』、109は第3の操作ボタン『MODE』、110は第1のスライド操作子『SET/RUN』、111は第2のスライド操作子『L/D』である。
【0063】
同図(a)には、自己診断設定処理への移行のためのキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、自己診断設定処理へと移行させるためには、第1の操作ボタン『UP』107を押した状態のままで、電源の投入を行う。電源の投入は、電気コード4を介して接続された外部スイッチで行うことができる。このとき、第1のスライド操作子110並びに第2のスライド操作子111はどのような設定状態であっても差し支えない。
【0064】
次に、同図(b)には、自己診断設定処理へと移行が完了した後、実際に設定処理を開始するか又は終了させるかを指示するために必要なキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、自己診断設定処理への移行が完了した後にあっては、第1の操作ボタン『UP』107はYESボタンとして、また第2の操作ボタン『DOWN』108はNOボタンとして機能する。さらに、第3の操作ボタン『MODE』109は決定ボタンとして機能する。ここで、第1の操作ボタン107によって『YES』を選択し、第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、自己診断設定処理が開始される。これに対して、第2の操作ボタン108によって『NO』を選択し、第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、自己診断設定処理を終了して、他の処理へスキップする処理が実行される。尚、図では、第1の表示器105には、自己診断設定処理への移行を示す表示『Scmd』が行われており、第2の表示器106には第1の操作ボタン107の選択内容を示す表示『YES』が行われている。第3の操作ボタン109が操作されると、自己診断ON/OFF設定処理への移行が行われる。
【0065】
同図(c)には、自己診断ON/OFF設定処理に必要なキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、自己診断ON/OFF設定処理においては、第1の操作ボタン『UP』107はONボタンとして、また第2の操作ボタン『DOWN』108はOFFボタンとして機能する。また、第3の操作ボタン『MODE』109は決定ボタンとして機能する。そのため、第1の操作ボタン107によって『ON』を選択し、第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、自己診断機能はON状態に設定される。これに対して、第2の操作ボタン108によって『OFF』を選択し、第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、自己診断機能はOFF状態に設定される。図においては、第1の表示器105には自己診断機能を示す表示『SLFc』が行われ、第2の表示器106には第1の操作ボタン107の選択内容を示す表示『on』が行われている。また、第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、続いてしきい値段数設定処理へのスキップ処理が自動的に行われる。
【0066】
同図(d)には、しきい値段数設定処理に必要なキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、しきい値段数設定処理においては、第1の操作ボタン107はインクリメントボタンとして機能し、第2の操作ボタン108はディクリメントボタンとして機能する。また、第3の操作ボタン109は決定ボタンとして機能する。そのため、第1の操作ボタン107又は第2の操作ボタン108を適当に操作してしきい値段数に相当する数値を選択した状態において、第3の操作ボタン109において『決定』を選択すると、しきい値段数に相当する数値の設定が行われる。図においては、第1の表示器105にはしきい値段数を示す表示『ScLv』が行われ、第2の表示器106には、ユーザ操作により決定されたしきい値段数に相当する数値『2』が表示されている。また、第3の操作ボタン109は『決定』の選択と共にスキップボタンとしても機能するため、続いて、しきい値設定処理へのスキップ処理が自動的に行われる。
【0067】
同図(e)には、第1しきい値設定処理に必要なキー操作並びに表示態様が示されている。尚、この例では、図5(d)に示されるように、ユーザ選択によりしきい値段数が『2』に設定された場合、すなわち、第1と第2の2つのしきい値設定を行う態様を示す。同図に示されるように、第1しきい値設定処理においては、第1の操作ボタン107は都度インクリメントボタン又は連続インクリメントボタンとして機能し、第2の操作ボタン108は都度ディクリメントボタン又は連続ディクリメントボタンとして機能する。また、第3の操作ボタン109は決定ボタンとして機能する。そのため、第1の操作ボタン107又は第2の操作ボタン108を適当に操作して、第1しきい値に相当する数値を選択した状態において、第3の操作ボタン109において『決定』を選択すれば、第1しきい値の設定が行われる。図では第1の表示器105には第1しきい値に相当する表示『ScL1』が行われ、第2の表示器106には第1しきい値を示す数値表示『500』が行われている。また、第3の操作ボタン109はスキップボタンとしても機能するため、続いて第2しきい値設定処理へのスキップ処理が自動的に行われる。
【0068】
同図(f)には第2しきい値設定処理に必要なキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、この第2しきい値設定処理においても、第1の操作ボタン107は都度インクリメントボタン又は連続インクリメントボタンとして機能し、第2の操作ボタン108は都度ディクリメントボタン又は連続ディクリメントボタンとして機能する。また、第3の操作ボタン109は決定ボタンとして機能する。そのため、第1の操作ボタン107又は第2の操作ボタン108を適当に操作して第2しきい値に相当する数値を選択した状態において、第3の操作ボタン109において『決定』を選択すれば、第2しきい値の設定が完了する。図では、第1の表示器105には第2しきい値を示す表示『ScL2』が行われ、第2の表示器106には第2にしきい値に相当する数値表示『150』が行われている。また、第3の操作ボタン109はスキップボタンとしても機能するため、決定操作と同時に、続いて余裕度表示ON/OFF設定処理へのスキップ処理が自動的に行われる。
【0069】
同図(g)には、余裕度表示ON/OFF設定処理に必要なキー操作並びに表示態様が示されている。同図に示されるように、余裕度表示ON/OFF設定処理においては、第1の操作ボタン107はONボタンとして機能し、第2の操作ボタン108はOFFボタンとして機能する。また、第3の操作ボタン109は決定ボタンとして機能する。そのため、第1の操作ボタン107によって『ON』を選択し、その状態において第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、余裕度表示ON状態への設定が行われる。これに対して、第2の操作ボタン108によって『OFF』を選択し、その状態において第3の操作ボタン109によって『決定』を選択すれば、余裕度表示OFF状態への設定が行われる。図では、第1の表示器105には、余裕度を示す表示『ScdP』が行われ、第2の表示器106には第1の操作ボタン107による選択内容を示す表示『on』が行われている。このとき、第3の操作ボタン109は同様にスキップボタンとしても機能することとなって、以後同図(b)に示される開始/終了選択処理への移行が自動的に行われる。先に説明したように、同図(b)に示される開始/終了処理において、第2の操作ボタン108によって『no』を選択し、その状態で第3の操作ボタン109を使用して『決定』を選択すれば、自己診断設定処理は終了して、以後他の初期設定処理などへの移行が行われる。
【0070】
上述のキー操作並びに表示態様から明らかなように、この光電センサによれば、自己診断機能のON/OFF設定、しきい値段数設定、各段のしきい値設定、さらには、余裕度表示のON/OFF設定を自在に行うことができ、これらを用いて、使い勝手の良好な発光素子の自己診断機能を実現することができる。
【0071】
自己診断処理の実行結果の表示態様を示す図が図6に示されている。同図(a)に示されるものは、自己診断の結果、それが異常であった場合の表示態様である。すなわち、第1の表示器105には自己診断を示す表示『SLFc』が行われ、第2の表示器106にはモニタ用受光素子を介して得られた受光光量が、予め規定された第1段目のしきい値よりも低下したことを示す表示『Err1』が行われている。ここで、図5(e)並びに図5(f)に示されるように、第1段目のしきい値を『500』、第2段目のしきい値を『150』と設定した場合であれば、モニタ用受光素子の受光光量が500よりも低下したときに、このような表示が行われることとなる。例えば、このとき、第1段目のしきい値『500』を発光素子の故障又は劣化予告レベルに設定し、第2段目のしきい値『150』を実際の故障又はひどく劣化した状態に対応するレベルに設定すれば、この第1段目の異常表示に基づき、そろそろセンサを新しいものと交換せねばならない時期が近づいたことをユーザは判断することができるであろう。また、電源投入直後に、第2段目のしきい値よりも低下した旨の表示がなされた場合には、直ちにセンサの取り替えが必要である旨の判断を行うことができるであろう。
【0072】
同図(b)には、モニタ用受光素子による実際の受光光量が予め設定されたしきい値に対して現在どの程度の余裕があるかを示すための表示態様が示されている。この場合、第1の表示器105には自己診断余裕度表示を示す表示『ScLv』が行われ、第2の表示器106にはしきい値に対する実際の光量値のパーセント表示に相当する数値表示『1800』が行われている。このような余裕度表示によれば、ユーザは、実際に故障予告や故障警告が行われるに先立ち、現在の発光素子の状態が故障時相当の状態に対してどの程度の余裕があるかを適切に認識することができるであろう。尚、この自己診断余裕度表示は、故障予告表示が行われたような場合に、実際の故障レベルに対して現在の光量レベルがどの程度のレベルであるかを確認するために行うことができる。つまり、故障予告レベルにおいて警告がなされたような場合、システム側では、その時の実際の受光光量値を故障時相当のしきい値と比較して余裕度のパーセント表示を求め、このパーセント表示によって自己診断余裕度表示を実行可能としている。
【0073】
次に、以上図5及び図6を参照して説明したキー操作並びに表示態様を実現するために、CPU201において実行されるシステムプログラムの構成を、図7〜図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
CPUで実行されるシステムプログラムの全体を概略的に示すゼネラルフローチャートが図7に示されている。このシステムプログラムは電源投入によって実行開始される。
【0075】
同図において、処理が開始されると、まず初期設定処理(ステップ701)が実行される。この初期設定処理(ステップ701)において、本発明の要部である自己診断関連処理が実行される。
【0076】
初期設定処理(ステップ701)が実行完了すると、ルーチン処理への移行が行われ、その最初においてまず第1のスライド操作子110の設定状態が参照される(ステップ702)。ここで、第1のスライド操作子110が『SET』側へ設定されていれば(ステップ702SET)、続いてSETモード初期設定処理(ステップ703)が実行される。このSETモード初期設定処理(ステップ703)では、一般的な様々な機能の設定処理に必要なフラグ、カウンタ、レジスタ類等の初期設定処理が行われる。
【0077】
SETモード初期設定処理(ステップ703)が実行完了すると、以後、第1のスライド操作子110が『SET』側へ設定された状態にある限り(ステップ705YES)、様々な機能に関するSETモード処理(ステップ704)が実行される。この状態において、ユーザは、第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、第3の操作ボタン109を適宜に操作することによって、当該光電センサに用意された様々な機能のON/OFF設定、さらには、各機能別の個別設定処理を実行することができる。ここでどのような機能を設定選択するかについては、この発明の要部ではないため、詳細な説明は省略する。
【0078】
一方、第1のスライド操作子110の設定状態を参照した結果、『RUN』側へと設定されたと判定されると(ステップ702RUN)、続いて、RUNモード初期設定処理(ステップ706)が実行される。このRUNモード初期設定処理(ステップ706)においては、RUNモードの実行に必要な各種のフラグ、カウンタ、レジスタ類等の初期設定処理が行われる。
【0079】
RUNモード初期設定処理(ステップ706)が完了すると、続いて第1のスライド操作子110が『RUN』側へ設定されている限り(ステップ708YES)、RUNモード処理(ステップ707)が実行される。このRUNモード処理(ステップ707)においては、光電センサとして必要な基本的な動作の他に、ユーザにより選択的に設定された各種の機能が実現される。尚、RUNモード処理の具体的な内容については、必要に応じて、後に詳細に説明を行う。
【0080】
このようにCPUで実行されるシステムプログラムは、いわゆる電源投入直後に行われるイニシャル処理である初期設定処理(ステップ701)と、ルーチン処理であるところの2つの処理、すなわちSETモード処理(ステップ704)及びRUNモード処理(ステップ707)に大別される。そして、本発明の要部である自己診断処理については、初期設定処理(ステップ701)において実行が行われる。
【0081】
初期設定処理の全体を自己診断・初期設定処理を中心として示すフローチャートが図8に示されている。同図に示されるように、初期設定処理の全体は、本発明に関連する自己診断・初期設定処理(ステップ801〜804)と、その他の初期設定処理(ステップ805)とに大別される。自己診断・初期設定処理が開始されると、まず自己診断設定要求キーの入力有無が判定される(ステップ801)。先に図5(a)を参照して説明したように、第1の操作ボタン107を押した状態のままで、電源投入が行われれば、自己診断設定要求キーの入力有りとの判定が行われる。
【0082】
このようにして、自己診断設定要求キー入力有りと判定されると(ステップ801YES)、続いて自己診断設定処理(ステップ803)への移行が行われる。これに対して、自己診断設定要求キー入力無しと判定された場合には(ステップ801NO)、続いて自己診断機能ON/OFF状態が判定される(ステップ802)。この自己診断機能ON/OFFの判定処理は、先に図5(c)において行われた設定内容に基づき行われる。ここで、自己診断機能がON状態と判定されれば(ステップ802ON)、自己診断処理(ステップ804)への移行が行われる。これに対して、自己診断機能がOFF状態であると判定された場合には(ステップ802OFF)、自己診断処理(ステップ804)はスキップされて、その他の初期設定処理への移行が行われる(ステップ805)。
【0083】
自己診断設定処理の全体を概略的に示すゼネラルフローチャートが図9に示されている。同図に示されるように、自己診断設定処理が開始されると、まず、しきい値段数を設定するためのレジスタL並びに現在指定されているしきい値段数を示すポインタNの内容はいずれも『1』に初期設定される(ステップ901)。
【0084】
その後、設定キーの入力を待機する状態となる(ステップ902NO)。先に説明したように、第3の操作ボタン109は決定ボタンとして機能するため、この第3の操作ボタン109が操作されると、設定キー入力有りとの判定が行われ(ステップ902YES)、以後、自己診断設定処理の終了が確認されるまで(ステップ903NO)、項目対応の設定処理が繰り返し実行される(ステップ904)。ここで、先に図5(b)を参照して説明したように、第2の操作ボタン108を使用して『no』を選択し、その状態において第3の操作ボタン109を使用して『決定』が選択されれば、ステップ903において自己診断設定処理の終了との判定が行われる(ステップ903YES)。
【0085】
項目対応設定処理の詳細を示すフローチャートが図10に示されている。本発明の説明において、この図10のフローチャートは極めて重要である。同図において処理が開始されると、第1の操作ボタン109の操作と共にコンピュータに読み込まれた設定データの内容に基づいて、自己診断ON/OFF設定要求か(ステップ1001)、しきい値段数設定要求か(ステップ1003)、しきい値レベル設定要求か(ステップ1005)、余裕度表示ON/OFF設定要求か(ステップ1009)の判定が繰り返し行われる。
【0086】
ここで、自己診断ON/OFF設定要求であると判定されると(ステップ1001YES)、自己診断ON/OFF設定処理が実行される(ステップ1002)。この自己診断ON/OFF設定処理(ステップ1002)では、先に図5(c)を参照して説明したように、第3の操作ボタン109の操作で読み込まれた入力データ(ON又はOFF)に基づいて、所定の自己診断ON/OFF設定フラグ(F1)の内容を“1”又は“0”に設定する処理が実行される。例えば、入力データがONであればフラグ(F1)は“1”に設定され、入力データがOFFであればフラグ(F1)は“0”に設定される。
【0087】
しきい値段数設定要求であると判定された場合には(ステップ2003YES)、続いてしきい値段数設定処理(ステップ1004)が実行される。このしきい値段数設定処理(ステップ1004)では、先に図5(d)を参照して説明したように、第3の操作ボタン109の操作で読み込まれた数値データを、しきい値段数レジスタLに設定する処理が実行される。例えば、しきい値段数が2段であったとすれば、しきい値段数レジスタLの内容は『2』に設定される。
【0088】
しきい値レベル設定要求であると判定された場合には(ステップ1005YES)、カウンタNの値を初期値『1』から+1ずつインクリメントさせながら(ステップ1007)、カウンタNの値が最大しきい値段数Lに達するまで(ステップ1008NO)、しきい値レベル設定処理(ステップ1006)が繰り返し実行される。これにより、各しきい値段についてしきい値設定が行われる。このしきい値レベル設定処理(ステップ1006)は、先に図5(e)及び図5(f)を参照して説明したように、第3の操作ボタン109の操作で読み込まれた各段のしきい値に相当する数値データを、該当する段数レジスタに設定する処理が実行される。例えば、図5(e)及び図5(f)に示される例であれば、第1段目のしきい値レジスタに数値『500』が設定され、第2段目のしきい値レジスタには数値『150』が設定される。
【0089】
余裕度表示ON/OFF設定要求であると判定された場合には(ステップ1009YES)、続いて余裕度表示ON/OFF設定処理が実行される(ステップ1010)。この余裕度表示ON/OFF設定処理(ステップ1010)においては、先に図5(g)を参照して説明したように、第1の操作ボタン109の操作で読み込まれた入力データ(ON又はOFF)に基づいて、所定の余裕度表示ON/OFF設定フラグ(F2)の内容を“1”又は“0”に設定する処理が実行される。例えば、入力データの内容がONであれば、フラグ(F2)の内容は“1”に設定され、入力データの内容がOFFであれば、フラグ(F2)の内容は“0”に設定される。
【0090】
以上説明した自己診断ON/OFF設定処理(ステップ1002)、しきい値段数設定処理(ステップ1004)、しきい値レベル設定処理(ステップ1006)、及び余裕度表示ON/OFF設定処理(ステップ1010)が適宜に実行されることによって、先に図5(a)〜(g)を参照して説明した設定処理が実行されるわけである。
【0091】
次に、図8に戻って、自己診断処理(ステップ804)の詳細を、図11のフローチャートを参照して説明する。すなわち、自己診断処理の詳細を示すフローチャートが図11に示されている。
【0092】
同図において処理が開始されると、光量データ取得処理(ステップ1101)が実行される。この光量データ取得処理(ステップ1101)においては、モニタ用受光素子116を介して得られた受光信号に基づいて、発光素子114の発光状態に対応する光量データを取得する。この光量データの取得は、発光素子114の駆動と同期して行う必要はない。なぜなら、発光素子114とモニタ用受光素子116との間における光の伝達は、筐体101の内部を通じて行われるため、モニタ用受光素子116に対して届くのは発光素子114からの光だけであって、その他の外光などはモニタ用の受光素子116には届かないからである。もっとも、発光素子114はパルス駆動されているから、これに対応してモニタ用受光素子116からの受光信号もパルス上となるが、それらパルスのピーク値をサンプル・ホールドしたりそれらの平均値を取得するといった簡易な処理を行うだけで、検出用発光素子114の発光状態に対応する光量データを簡単に取得することができる。
【0093】
続いて、こうして得られた光量データに基づいて、各段の設定しきい値レベルとの比較が順次行われる(ステップ1102)。すなわち、カウンタNの内容を初期値『1』から+1ずつ歩進させながら(ステップ1103)、カウンタNで指定される該当段数のしきい値データの内容を読み出してこれをしきい値レベルとして設定し、このしきい値レベルと先にステップ1001で取得された光量データとの比較を行う。ここで、取得データの値が全ての設定しきい値レベルよりも高ければ(ステップ1102YES、1104YES)、続いて、取得された光量データの実際の値が、故障時に相当するしきい値レベルに対しどの程度の余裕があるかを知らせるために、余裕度表示処理が行われる(ステップ1106)。この余裕度表示処理(ステップ1106)は、先に図10を参照して説明したように、余裕度表示ON/OFF設定処理(ステップ1010)において、フラグ(F2)が“1”に設定されていた場合に限り(ステップ1105YES)、実行される。図6(b)に示されるように、この余裕度表示は、第1の表示器105に対して余裕度表示を示す表示『ScLv』を行うと共に、第2の表示器106において故障時に相当するしきい値レベルに対する実際の取得光量データのパーセント表示『1800』を行うことで実行される。尚、これは表示態様の一例に過ぎず、その他バーグラフ状にLEDを一列に配列して、その点灯バーの長さでパーセント表示を行ったり、その他余裕度を大中小の3段階に表示するなど様々な構成を選択的に採用できることは勿論である。また、図11の例では、取得データが正常であった場合に限り、余裕度表示処理(ステップ1106)が実行されるようにしたが、後に説明するエラー状態において、余裕度表示を行うようにしてもよいことは勿論である。このように正常な状態において余裕度表示を行えばあとどの程度センサを使用可能かの判断を行ったり、投光用レンズの曇りが徐々に進むようであれば、いつごろクリーニング作業を行えばよいかの目途を付けることができるし、異常状態においてこのような余裕度表示を行えば、真に取得データがしきい値レベルを下回っているのかどうかの確認を行うために有効なものとなる。
【0094】
一方、ステップ1102において取得データがいずれかのしきい値レベルを下回ったものと判定されると(ステップ1102NO)、続いてエラー表示処理が実行される(ステップ1107)。図6(a)に示されるように、エラー表示処理は、第1の表示器105に自己診断を示す表示『SLFc』を行うと共に、第2の表示器106に何段目のしきい値よりも下回ったかを示すエラー表示『Err1』を行うことによって実行することができる。尚、この表示態様は本発明の一例に過ぎないことは言うまでもなく、その他各段数毎に表示ランプを設けておいて、それらの該当するものを点灯させるなど様々な構成を選択的に採用することができる。
【0095】
続いて、補助出力処理が実行される(ステップ1108)。この補助出力処理(ステップ1108)では、先に図4を参照して説明したように、補助出力ポート209から二値信号を出力し、トランジスタ214を介してリレーコイル等の負荷217の駆動を行う。つまり図1において、電気コード4に含まれる芯線41と芯線44との間に負荷217と直流電源216とを直列に接続することによって、当該負荷217をスイッチング駆動することができる。尚、ここで負荷217としてはリレーのコイルの他にプログラマブルコントローラの入力ユニットを想定することができるであろう。
【0096】
以上述べたエラー処理(ステップ1107)及び補助出力処理(ステップ1108)は、ユーザによって解除入力が与えられるまで(ステップ1109NO)、継続的に実行される。これにより、ひとたび発光素子114に関していずれかのしきい値に関し取得データがそれを下回るといったエラーが発生すると、筐体101に設けられた第1の表示器105及び第2の表示器106には、該当するエラー表示が継続的に行われ、同時に電気コード4に含まれる診断出力用の芯線44には補助出力(ON)が出力保持されることとなる。そして、この表示並びに補助出力は、第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、第3の操作ボタン109をユーザが適当に操作して、解除入力を与えるまで(ステップ1109NO)、継続されることとなる。一方、解除入力が与えられた場合には(ステップ1109YES)、エラー表示解除処理(ステップ1110)並びに補助出力解除処理(ステップ1111)が順次に実行されて、エラー表示の解除並びに補助出力の解除がそれぞれ実行される。従って、光電センサの外部において、この補助出力に基づいて、制御対象装置の動作を停止させるように回路を組んでおけば、別途装置側で保持処理を組まずとも、センサの補助出力を用いて直ちに制御対象装置の運転を停止させ、センサが故障した状態のままで、計測へ移行する事態を未然に防止することができる。もっとも、エラー表示は各しきい値別に行われるから、何らかのエラー表示並びに補助出力ONが送出されたからといって、制御対象装置を全面的に停止せねばならないというわけではないであろう。エラー表示が単なる故障予告表示であれば、これを所定操作で解除することによって、制御対象装置の運転を再開させることもあり得るであろう。このように、ユーザの解除入力を条件としてエラー表示並びに補助出力を解除するように構成しているので、ユーザ側の制御対象装置並びにしきい値の設定の仕方に応じて、自由な使い勝手が可能となるのである。
【0097】
最後に、本発明の要部である自己診断機能以外の光電センサの一般的な動作について説明する。先に図7のフローチャートを参照して説明したように、光電センサの基本的なルーチン動作には、SETモードの動作とRUNモードの動作とが存在する。
【0098】
SETモード処理の全体を示すフローチャートが図12に示されている。同図に示されるように、処理が開始されると、機能別表示処理(ステップ1201)が実行される。この機能別表示処理(ステップ1201)では、機能番号Fによって指定されるそれぞれの機能に対応する表示処理が行われ、これにより第1の表示器105及び第2の表示器106にはそれぞれの機能の実現に必要な表示が行われる。
【0099】
続いて、キー入力検知処理が実行される(ステップ1202)。このキー入力検知処理(ステップ1202)では、第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、第3の操作ボタン109の操作で入力されたデータがCPU201内の所定のレジスタに格納される。以後、このレジスタに格納された各キー入力データの内容に基づいて、種々の判定処理が実行される。
【0100】
すなわち、まず上述のレジスタの内容に基づいて、キー入力有りと判定されると(ステップ1203YES)、それが機能切替を要求するデータであるかどうかの判定が行われる(ステップ1204)。ここで機能切替要求と判定されれば(ステップ1204YES)、所定の機能ポインタFの内容は+1ずつインクリメントされ(ステップ1205)、こうして得られたポインタFの内容に基づいて先に説明した機能別表示処理(ステップ1201)が実行される。尚、この機能ポインタFの内容は予め決められた全機能数を超えると(ステップ1206YES)、ゼロリセットされる(ステップ1207)。その結果、例えば、第3の操作ボタン109を押すたびに、機能の切り替えが実行され、そのときの機能ポインタFの内容に応じた機能別表示処理が実行されることとなる(ステップ1201)。
【0101】
一方、キー入力が確認された後(ステップ1203YES)、機能実行要求であると判定されると(ステップ1204NO、1208YES)、機能ポインタFで指定される機能別実行処理が行われる(ステップ1209)。こうして予め決められた複数の機能のいずれかが、指定された設定態様をもって実行される。機能別実行処理(ステップ1209)の終了に続いて、プログラムの先頭に戻り以上の動作が繰り返し実行されることとなる。
【0102】
次に、RUNモード処理の全体を示すフローチャートが図13に示されている。同図に示されるように、このRUNモード処理の全体は、通常処理(ステップ1301〜1304)と、割込処理(ステップ1310〜1312)とに大別される。すなわち、通常処理においては、表示灯制御処理(ステップ1301)、APC処理(ステップ1302)、キー入力検知処理(ステップ1303)、及びキー入力対応処理(ステップ1304)が繰り返し実行され、これによりRUNモード処理中にあっても、各種の表示制御や、発光素子のオートパワーコントロール処理や、操作キーの受付処理並びに当該キーに対応する処理が支障なく行われる。これに対して、投光タイミングに相当する時間Tが到来する毎に割り込み処理が実行されて、投受光処理(ステップ1310)、ON/OFF判定処理(ステップ1311)、及び出力制御処理(ステップ1312)が実行される。その結果、例えば100μsec毎に投光用ファイバから検出領域に向けて投光が行われると共に受光用ファイバを介して受光された光は検出用発光素子115に戻され、さらに検出用発光素子115を介して得られた光量データは、A/D変換されてCPU201へと取り込まれ、同期検波処理、平均化処理、その他必要な各種の受光データ生成処理が実行される。加えて、こうして得られた受光データは、別途ユーザにより設定された検出用のしきい値と比較されて、ON/OFF二値化され、さらに信号出力ポート210を介して外部へと送出される。この信号出力ポート210からの信号で、トランジスタ(図示せず)を介して負荷(PLC等)が駆動されることは先に述べた通りである。尚、図13の例では、信号出力ポート210から二値信号を外部へと送り出すようにしているが、出力ビット数が許すのであれば、あるいはシリアルな出力が許されるのであれば、投受光処理(ステップ1310)において取得された光量データを、二値化処理を経由せずに、そのまま出力制御処理(ステップ1312)によって、外部へと送り出すように構成してもよい。
【0103】
尚、以上の実施形態の説明においては、各段のしきい値の値を全てユーザサイドで設定できるように構成したが、発光素子の規格乃至特性についてはメーカサイド側が熟知しているものであるから、故障時に対応するしきい値レベルなどに関しては、出荷時にメーカ側において予めEEPROMに該当するしきい値データを書き込んでおくようにしてもよいであろう。このような構成によれば、特別な使い方をするユーザを除いては、通常の検出対象物体の透過率乃至反射率はある程度予測がつくから、このようにメーカ側により規定されたデフォルト値としてのしきい値であっても、発光素子に異常が生じた場合には、これをかなり正確に判定して、該当する補助出力信号を送出したり該当する表示を行ってユーザにこれを的確に知らせることが可能となるであろう。
【0104】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、検出対象物体の有無に拘わらず、検出用の発光素子の状態を正確にモニタ可能とした光電センサを実現すると共に、このモニタ結果に基づいて、当該発光素子の状態を的確に診断し、その診断結果を外部出力又は外部表示させることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明光電センサの上部カバーを開いた状態における外観斜視図である。
【図2】本発明光電センサの操作・表示部の拡大図である。
【図3】検出用の発光素子、受光素子とモニタ用の受光素子との位置関係を示す筐体の縦断面図である。
【図4】本発明光電センサの電気的ハードウェア構成を示す回路図である。
【図5】自己診断に関するキー操作並びに表示態様の説明図である。
【図6】自己診断処理の実行結果の表示態様を示す図である。
【図7】CPUで実行されるシステムプログラムの全体を概略的に示すゼネラルフローチャートである。
【図8】初期設定処理の全体を自己診断・初期設定処理を中心として示すフローチャートである。
【図9】自己診断設定処理の全体を概略的に示すゼネラルフローチャートである。
【図10】項目対応設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】自己診断処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】SETモード処理の全体を示すフローチャートである。
【図13】RUNモード処理の全体を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 光電センサ
2 投光用ファイバ
3 受光用ファイバ
4 電気コード
41 アース用芯線
42 正電源用芯線
43 検出出力用芯線
44 診断出力用芯線
101 筐体
102 上部カバー
103 クランプレバー
104 DINレール嵌合溝
105 第1の表示器
106 第2の表示器
107 第1の操作ボタン
108 第2の操作ボタン
109 第3の操作ボタン
110 第1のスライド操作子
111 第2のスライド操作子
112 投光用ファイバ挿入孔
113 受光用ファイバ挿入孔
114 検出用の発光素子
114a,114b 検出量発光素子の端子
114c 発光部
114d 外周面
115 検出用の受光素子
115a,115b 検出用受光素子の端子
116 モニタ用の受光素子
116a,116b モニタ用受光素子の端子
116c 受光窓
201 CPU
202 駆動部
203 受光用増幅部
204 モニタ用増幅部
205 入力操作部
206 表示部
207 記憶部
208 電源部
209 補助出力ポート
210 信号出力ポート
211 電源端子
212 補助出力端子
213 接地端子
214 トランジスタ
215 ツェナーダイオード
216 直流電源
217 負荷

Claims (10)

  1. 検出用の発光素子と、検出用の受光素子と、検出用の受光素子の出力信号に基づいて検出用の外部出力信号を生成する検出用の出力信号生成手段と、検出用の発光素子の状態をモニタするためのモニタ用の受光素子と、を含み、かつ前記検出用の発光素子とモニタ用の受光素子との間における光の伝達は当該センサの筐体内部を通じて行われる、ことを特徴とする光電センサ。
  2. モニタ用の受光素子の出力信号に基づいて発光素子診断用の外部出力信号を生成する発光素子診断用の出力信号生成手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の光電センサ。
  3. 発光素子診断用の出力信号生成手段が、モニタ用の受光素子を介して得られた発光素子の光量値を1若しくは2以上のしきい値と比較することにより発光素子の発光状態を弁別する発光状態弁別手段を含み、この発光状態弁別手段による弁別結果に対応する外部出力信号を生成する、ことを特徴とする請求項2に記載の光電センサ。
  4. 発光素子診断用の出力信号生成手段が、特定の弁別結果が得られたときに、それに対応する外部出力信号の状態を所定のリセット操作が行われるまで保持する機能をさらに有する、ことを特徴とする請求項3に記載の光電センサ。
  5. モニタ用の受光素子の出力信号に基づいて発光素子診断用の表示データを生成する発光素子診断用の表示データ生成手段と、この表示データ生成手段により生成された表示データが表示される表示器とをさらに有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電センサ。
  6. 発光素子診断用の表示データ生成手段が、モニタ用の受光素子を介して得られた発光素子の光量値を1若しくは2以上のしきい値と比較することにより発光素子の発光状態を弁別する発光状態弁別手段を含み、この発光状態弁別手段による弁別結果に対応する表示データを生成する、ことを特徴とする請求項5に記載の光電センサ。
  7. 発光素子診断用の表示データ生成手段が、発光状態弁別手段により特定の弁別結果が得られたときに、モニタ用受光素子を介して得られたそのときの光量値に対応する表示データを生成する機能をさらに有する、ことを特徴とする請求項6に記載の光電センサ。
  8. 発光素子診断用の表示データ生成手段が、モニタ用受光素子を介して得られた現在の光量値のしきい値に対する余裕度に相当する表示データを生成する機能を有する、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の光電センサ。
  9. 発光状態弁別手段におけるしきい値がデフォルト値として出荷時より与えられている、請求項3、4、6又は7に記載の光電センサ。
  10. 発光状態弁別手段におけるしきい値が出荷後において任意に設定可能とされている、請求項3、4、6又は7に記載の光電センサ。
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