JP4855623B2 - センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、検出対象領域から取得された特徴量と所定のしきい値との比較により物体の有無を判定するセンサに係り、特に、判定結果をカウントすると共に、カウント結果に対応して様々な態様の出力動作を可能とした新規なセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の検出物体の個数をカウントするシステムとしては、次のようなものが知られている。
【0003】
このシステムには、センサとカウンタとからなる2個の機器が含まれている。それらの機器のそれぞれには、通常、7セグメント表示器等のデジタル表示器が設けられている。このようなシステムにおいては、センサは対象物体の検知を行い、有無状態をカウンタへと出力する。カウンタはセンサからの入力状態の変化から対象物体の個数カウントを行い、個数カウント値が予め設定された数量に達したときには、PLCやPC等の上位システムにその旨の信号出力を行う。このとき、センサには検知した特徴量に相当する数値がデジタル表示され、カウンタにはカウント値に相当する数値がデジタル表示される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−7600号公報
【特許文献2】
特開2000−149615号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来システムにあっては、センサとカウンタとからなる2個の機器を使用せねばならないことから、省スペース化や低コスト化が難しいと言う問題点が指摘されている。
【0006】
この発明は、上述の問題点に着目してなされてものであり、その目的とするところは、物体検知個数を制御要素として含む制御仕様を別途カウンタを使用せずに実現可能としたセンサを提供することにある。
【0007】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の説明を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題は、以下の構成を有するセンサにより解決することができるものと考えられる。
すなわち、そのような解決手段としてのセンサは、検出対象領域から物体有無と相関のある特徴量を取得する特徴量取得手段と、前記特徴量取得手段により取得された特徴量と所定のしきい値との比較により物体の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて物体の個数をカウントするカウント手段と、前記判定手段による判定結果に対応する出力動作を行う第1の出力手段と、前記カウント手段によるカウント結果に対応する出力動作を行う第2の出力手段と、を具備している。
【0009】
尚、具体的な実施の形態としては、そのような解決手段としてのセンサは、光電センサ、超音波センサ、近接センサ、圧力センサ、温度センサ、煙感知器(ガスセンサ)、pHセンサ等々、として実施される。従って、特徴量取得手段の具体的な構成については、それら具体的なセンサの検出原理に応じて特定される。
【0010】
特徴量抽出手段、判定手段、並びに、第1の出力手段については、この種のセンサにおいて従来より備わっているものである。これにより、検出対象領域に物体が存在する場合、第1の出力手段においてその旨の出力動作が行われる。この出力動作には、物体有無を示す二値信号を外部へと出力する動作や、センサがオン状態にあることやセンサのそのときの取得特徴量をセンサ備え付けのデジタル表示器に表示させる動作などが含まれる。
【0011】
これに対して、カウント手段及び第2の出力手段は、本発明に関連して、新たに設けられた構成である。すなわち、カウント手段は、判定手段による判定結果に基づいて物体の個数をカウントする。搬送ライン上を流れてくるワークをセンサで検出するような場合を想定すれば、判定手段による判定結果は、検出対象領域に物体が有るか無いかにより繰り返し反転される。このときカウント手段は、物体有りから無し、又は物体無しから有りの状態変化を捉えてカウント動作を行うことが考えられる。尚、判定手段における物体の有無の判定に際し、一般的には、ノイズによるチャタリング防止のための平均化処理などが行われる。ここで言う判定手段による判定結果には、そのような通常当業者が使用する平均化処理技術等を含むことは言うまでもない。
【0012】
第2の出力手段は、カウント手段によるカウント結果に対応する出力動作を行う。ここで言う『出力動作』は、後述するように、様々な意味を含んでいる。いずれにしても、そのような出力動作はカウント手段によるカウント結果に対応するものでなければならない。
【0013】
このような構成によれば、特徴量取得手段と、判定手段と、第1の出力手段とを有するので、通常のセンサとしての検出機能を実現することに加え、新たにカウント手段と第2の出力手段とを設けたことによって、カウント手段によるカウント結果に対応する出力動作を行うことができる。そのため、単に検出対象領域に物体の有無等を検出できるのみならず、検出対象領域に存在する又は通過する物体の個数に応じた情報を取得することができる。これを利用することによって、ユーザは、検出対象領域を物体が何個通過したか、決められた個数の物体が通過したか、現在通過している物体は何番目の物体か、といった情報を取得し、様々な制御に利用することが可能となる。
【0014】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態としては、前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果に対応する表示を所定の表示器に行うようにすることが考えられる。ここで、『カウント結果に対応する表示』としては、単なるカウント数のみならず、個々のカウント数と予め対応付けられた任意の表示態様を含むことができる。
【0015】
このような構成によれば、センサに備え付けの表示器によって、検出対象領域の通過物体の個数や各通過個数のそれぞれに関連する任意の状態を直ちに目で確認することができるから、検出対象物体が肉眼で捉えにくいものであったり、あるいは微細で判読し難いようなものであったとしても、この表示器上の表示に基づき、それらの情報をユーザは的確に読み取ることができる。
【0016】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態としては、前記カウント手段としてアップカウント動作を行うものを採用することが考えられる。ここで、『アップカウント動作』とは、いわゆる数値加算動作のことである。もっとも、ここで言う加算単位は必ずしも+1ずつに限られるものではなく、2個ずつ又は3個ずつといったように、物体有無が検出されるたびに一定の複数個数を繰り返し加算するものも含まれる。
【0017】
このような構成によれば、検出対象領域を通過する物体の個数が不明であるような場合にも、カウント手段は通過物体の総数に相当する情報を生成するから、それら総数に対応した出力情報を第2の出力手段による表示を介して取得することができる。
【0018】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態としては、前記カウント手段としてダウンカウント動作を行うものを採用することが考えられる。ここで、『ダウンカウント動作』とは、いわゆる数値減算動作のことである。もっとも、アップカウント動作の場合と同様に、ダウンカウント動作についても、−1ずつダウンカウントするものに限らず、−2個ずつ又は−3個ずつダウンカウントするようなものを格別排除するものではない。
【0019】
このような構成によれば、検出対象領域を通過する物体の総量が予め分かっているような場合には、カウント手段によって目標カウント値からの残数情報が得られるため、第2の出力手段による表示を介して、物体の残数に対応した情報を取得することができる。
【0020】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の形態においては、前記カウント手段として、アップカウント動作とダウンカウント動作との双方を実行可能であって、それらの動作のいずれかが、外部から与えられた動作指定信号の内容により選択される、ものを採用することが考えられる。ここで、『与えられた動作指定信号』の意味するところは、センサケースに備えられたキー操作により動作指定信号を生成するものと、動作指定信号が外部から信号線を介して与えられるものとの双方を含んでいる。
【0021】
このような構成によれば、1台のセンサを使用しつつも、これに与えられる動作指定信号の内容を選択することによって、アップカウント動作とダウンカウント動作とを選択的に実施させることができる。殊に、このアップカウント動作とダウンカウント動作との切り替えを、外部から与えられた動作指定信号の内容により選択されるように構成すれば、オンラインで接続されたPLCやPCなどによって、センサにおけるカウント動作を遠隔的に切り替えることができる。
【0022】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態としては、前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント値が所定の目標カウント値に達したときにカウントアップ信号を出力する動作であるように構成することが考えられる。ここで、『カウント値が所定の目標カウント値に達したときに』とあるのは、アップカウント動作とダウンカウント動作との双方を含んでいる。
【0023】
このような構成によれば、検出対象領域を物体が一定個数通過する毎に、何らかの制御を実施するような用途においては、従前のセンサのように、PLCやPCなどの上位装置側において、物体通過個数が所定値に達したことを確認するための処理が不要となり、センサ自体から直ちにその旨の信号を取得することが可能となるし、センサケースに設けられたデジタル表示器にその旨の表示を行えば、センサケースを目で見て直ちに物体が一定個数通過したことなどを判読することができる。いずれにしても、単なる計数動作のみならず、計数値が一定個数に達したことを示す情報が取得されるため、ユーザはこのカウントアップ出力情報を利用することによって、様々な応用が可能となるであろう。
【0024】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態としては、前記カウントアップ信号がワンショットパルスであり、かつカウントアップ信号の出力と共にカウント値がクリアされるように構成することが考えられる。
【0025】
このような構成によれば、カウント手段は一定個数を繰り返しカウントすることが可能となるため、検出対象領域を物体が一定個数通過する毎に何らかの制御を行うような用途には、ユーザ側でその都度カウンタをクリアするための制御が不要となり、使い勝手が向上するであろう。
【0026】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態においては、前記カウントアップ信号が所定のリセット信号が与えられるまで出力保持されるように構成することが考えられる。ここで、『出力保持される』とあるのは、カウントアップ前の論理状態に対し、カウントアップ後の論理状態が反転し、その状態がリセット信号が与えられるまで保持されることを意味している。
【0027】
このような構成によれば、検出対象領域を通過する物体が一定個数を超えた場合には、強制的に何らかの制御を停止させるような制御仕様に対しては、ユーザ側においてカウントアップ信号を保持するための制御が不要となり、使い勝手が向上する。殊に、検出対象領域に一定個数以上の物体が存在する場合が異常とされ、実際に異常かどうかの確認の上でリセットを行わない限り、制御を再開できないような用途の場合、センサ自体から保持された状態の異常信号が得られるため、使い勝手が良好なものとなる。このとき、リセット信号の与え方としては、外部から信号線を介して与えられるものと、センサに設けられたキー入力部におけるキー操作を介して与えられるものとの双方が考えられる。
【0028】
そのような解決手段としてのセンサの好ましい実施の一形態においては、前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果と関連づけて、そのカウント結果に対応するワークの状態レベルを出力するように構成することが考えられる。ここでは、カウント手段によるカウント結果が、検出物体を特定するための情報として使用される。つまり、様々な特性を有する検出物体が検出対象領域をランダムに搬送されているような場合、カウント手段のカウント結果によってそれぞれの物体を特定すると共に、個々の物体毎に得られる特徴量を、そのカウント結果と対応させて出力するようにしているのである。
【0029】
このような構成によれば、センサからは、個々の検出物体を特定する情報と、その検出物体に関する状態レベル(しきい値に対する余裕度や取得特徴量の最大値など)とが出力されるため、各検出物体毎に個々の物体の状態レベルをきめ細かく確認することが可能となる。このとき、前記カウント結果とそのカウント結果に対応するワークの状態レベルとが関連づけて記憶され、かつそれらが任意に読み出し可能となるように構成すれば、例えば複数の検出物体がコンベア上を搬送されているような場合に、本発明センサを適用すれば、検出物体のカウントを行いつつ、検出物体毎に状態レベルを記憶し、ユーザは必要時にそのレベルを検出物体毎に読み出すことができるため、検出物体毎のロッギングが可能となって、検出物体の品質管理を行うことが可能となる。
【0030】
そのような解決手段としてのセンサの更に好ましい実施の一形態においては、前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果を、予め設定された複数のしきい値候補又はしきい値範囲内に存在する全てのしきい値候補の各々について出力するように構成することが考えられる。すなわち、今までの実施形態においては、しきい値の数は特に指定されていないが、この例にあってはしきい値は予め複数個設定される。このしきい値の設定は、ユーザにより任意に設定されているものであってもよいし、システム側においてしきい値範囲内に存在する全てのしきい値候補を自動的に設定するようにしたものでもよい。
【0031】
このような構成を採用すれば、特徴量の異なる複数の検出物体が検出対象領域に流れてくるような場合において、設定すべきしきい値の内容が不明であるような場合に、このセンサを適用して複数のしきい値又は全てのしきい値のそれぞれに対して、個々の検出物体からの特徴量との比較を行い、その大小比較結果を各しきい値毎にカウントするようにすれば、各しきい値毎のカウント結果に基づいて最適なしきい値を決定することが可能となる。
【0032】
このとき、予め設定されたサンプルワーク数と一致するカウント値を有するしきい値候補を検索すると共に、こうして検索されたしきい値候補の1つに基づいて実際のしきい値が自動的に決定されるように構成すれば、特徴量の値の異なる複数の検出物体が存在するような場合、それら検出物体の全てに適用される共通のしきい値を自動的に決定することが可能となる。
【0033】
以上説明したように、上述の解決手段としてのセンサは、従前の物体検知機能を有するセンサに対し、物体の個数をカウントする機能を付加したことを主たる特徴とするものであるから、このカウント値に基づき、従前のセンサでは為し得なかった、様々な新規な制御を別途カウンタ装置を使用せずに実現することができ、制御現場における省スペース化並びにローコスト化を実現することが可能となる。
【0034】
加えて、アップカウントやダウンカウントといったカウント動作の選択、それらの手動並びに自動切り替え、カウント値が目標値に達したことによるカウントアップ信号の生成、カウントアップ信号の信号形態の多様性、カウントアップ信号の保持並びに自在なリセット、さらには、カウントアップ結果による検出物体の特定並びに特定された各物体に関する情報の収集、分析、それらを通じてのしきい値の自動決定といった様々な新規機能を実現するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係るセンサの好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を示すものに過ぎず、本発明の及ぶ範囲は、特許請求の範囲のみによって特定されることは言うまでもない。殊に、以下の実施の形態は光電センサに関するものであるが、本発明の適用範囲は先に述べたように、光電センサに限定されるものではなく、超音波センサ、近接センサ、圧力センサ、温度センサ、煙感知器(ガスセンサ)、pHセンサ等々の他のセンサにも同様に適用が可能である。
【0036】
本発明の一実施形態における光電センサの上部カバーを開いた状態における外観斜視図が図1に示されている。同図に示されるように、光電センサ1は多連装型のプラスチック製筐体101を有する。筐体101の前部には、投光用ファイバ2と受光用ファイバ3とが挿入され、クランプレバー103の操作によって抜け止め固定される。筐体101の後部からは電気コード4が引き出されている。図示の電気コード4は、アース用の芯線41と、正電源用の芯線42と、検出出力用の芯線43と、カウントアップ出力用の芯線44と、カウント動作(UPカウント/DOWNカウント)指定用の芯線45とを有する。
【0037】
筐体101は、制御盤などの取付面に対して図示しないDINレールを介して固定される。符号104で示されるものはDINレール嵌合溝である。筐体101の上部には、透明な上部カバー102が開閉可能に取り付けられている。上部カバー102を開いた状態で露出する筐体101の上面には、第1の表示器105と、第2の表示器106と、第1の操作ボタン(UP)107と、第2の操作ボタン(DOWN)108と、第3の操作ボタン(MODE)109と、第1のスライド操作子(SET/RUN)110と、第2のスライド操作子(L/D)111とが設けられている。
【0038】
本発明光電センサの操作・表示部の拡大図が図2に示されている。図1及び図2を参照して明らかなように、第1の表示器105及び第2の表示器106は、いずれも4桁の7セグメントデジタル表示器で構成されており、それぞれ4桁の数字、アルファベット、さらにはそれらの組み合わせを任意に表示可能となされている。第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、及び第3の操作ボタン109は、いずれもモメンタリタイプの押しボタンスイッチを構成しており、図2に示されるように、第1の操作ボタン107は『UPキー』として、第2の操作ボタン108は『DOWNキー』として、第3の操作ボタン109は『MODEキー』としてそれぞれ機能するように構成されている。第1のスライド操作子110及び第2のスライド操作子111はいずれもスライドスイッチを構成するものであり、図2に示されるように、第1のスライド操作子110は『SET/RUN切替スイッチ』として、第2のスライド操作子111は『L/D切替スイッチ』として機能するように構成されている。
【0039】
図1に戻って、筐体101の内部には、図1では図示しないが、物体検出用の発光素子と物体検出用の受光素子とが内蔵されている。投光用ファイバ2をファイバ挿入孔にしっかりと挿入すると、投光用ファイバ2の端面と検出用の発光素子の発光部とがしっかりと光結合され、これにより検出用の発光素子から発生した光は、投光用光ファイバ2を経由して、その先端の図示しないファイバヘッドから検出領域へと投光される。同様に、受光用ファイバ3をファイバ挿入孔にしっかりと挿入すると、受光用ファイバ3の端面と検出用受光素子とが光結合され、これにより図示しない受光用ファイバ3のファイバヘッドからファイバ内に導入された光は、受光用ファイバ3に案内されて、検出用の受光素子にたどり着くようになっている。以上述べた検出用の発光素子と検出用の受光素子との配置構成は従来のこの種のファイバ型光電スイッチに採用されたものと同様である。
【0040】
次に、本発明の一実施形態である光電センサの電気的ハードウェア構成の全体を示すブロック図が図3に示されている。同図に示されるように、この回路はマイクロプロセッサを主体として構成されるCPU200を中心として構成されている。CPU200内には、マイクロプロセッサの他に、システムプログラムを格納したROMやプログラムの実行に必要なワーキングRAM、その他各種の設定データを格納するためのEEPROM等が内蔵されている。このようなCPU200の構成については、各種の文献において種々公知であるから、その点についての詳細な説明は省略する。
【0041】
図において最も左側には、先に説明した発光素子を有する投光部202と受光素子を有する受光部203とが示されている。投光部202には、検出用の発光素子である発光ダイオード(以下、LEDと称する)202aと、LED202aを駆動するためのLED駆動部202bとが含まれている。一方、受光部203には、検出用の受光素子であるフォトダイオード(以下、PDと言う)203aと、PD203aの出力を増幅するためのアンプ部203bとが含まれている。
【0042】
そして、LED駆動部202bの作用により検出用発光素子であるLED202aから発生したパルス光は、投光用ファイバ2を介して検出領域へと導かれる。検出領域において透過又は反射したことにより受光用ファイバ3に導入された光は、受光用ファイバ3を経由して検出用受光素子であるPD203aへとたどり着く。PD203aで光電変換されて生じた出力信号は、アンプ部203bで増幅された後、CPU200へとA/D変換器を介して取り込まれる。尚、これら投受光の基本的な構成についても、各種の文献において公知であるから、この点についての詳細な説明は省略する。
【0043】
表示部204は、CPU200における各種の演算により生成されたデータを表示させるための表示器で構成されており、この表示部204には、より具体的には、先に図1並びに図2を参照して説明した第1の表示器105並びに第2の表示器106が含まれている。それらの第1並びに第2の表示器105,106には、後に詳細に説明するように、本発明のカウント動作に関連した各種の情報が数値、アルファベット、それらの組み合わせなどにより表示される。
【0044】
入力部205は、CPU200に対して各種の情報を入力するためのものである。この入力部205には、キー入力部205aと信号入力部205bとが含まれている。キー入力部205aは、オペレータが手動操作で各種のデータを入力するためのものであり、このキー入力部205aには、先に図1並びに図2を参照して説明したように、第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、第3の操作ボタン109、第1のスライド操作子110、及び第2のスライド操作子111が含まれている。これに対して、信号入力部205bは、先に図1を参照して説明した電気コード4の芯線45を介してカウント動作指定信号を入力するためのものであり、この信号入力部205bを介して芯線45からのカウント動作指定信号がCPU200へと取り込まれる。
【0045】
出力部206は、CPU200で生成された各種の出力信号を電気コード4に含まれる芯線43及び44へと出力するためのものである。この出力部206には、物体検出信号出力用の出力部206aとカウントアップ信号出力用の出力部206bとが含まれている。すなわち、CPU200で生成された物体検出用の検出信号は、出力部206aを介して電気コード4内の芯線43へと送り出される。同様にして、CPU200で生成されたカウントアップ信号は、出力部206bを介して、電気コード4に含まれる芯線44へと送り出される。これらの電気コード4に含まれる芯線43,44は一般的にはPLCやPCなどの上位装置へ接続される。同様にして、電気コード4に含まれる芯線45についても、PLCやPCなどの上位装置へと接続される。
【0046】
電源201は、図3に示される投光部202、受光部203、表示部204、入力部205、出力部206のそれぞれに対して電源を供給するための電源安定化装置などで構成されており、この電源部201に対する給電は、電気コード4に含まれる芯線41及び42を介して行われる。この例では、芯線41はGNDに接続され、芯線42はVccに接続される。
【0047】
次に、以上述べた機械的構造並びに電気的なハードウェア構成を前提として、この光電センサに備えられた様々な機能並びにそれらを実現するためにCPU200で実行されるシステムプログラムの構成について説明する。
【0048】
この光電センサには、選択的に実行(ON/OFF)可能な複数の機能が備えられている。それらの機能のそれぞれには、様々な選択肢が用意されている。それら機能の選択(ON/OFF)並びに選択肢の選択は、この光電センサをSETモードに設定することで行うことができる。特定の選択肢に従ってON設定された機能を実現させる動作は、この光電センサをRUNモードに設定することで行うことができる。動作モードをSETモードとするかRUNモードとするかの指定は、図2に示されるように、第1のスライド操作子110を『SET』側とするか、『RUN』側とするかにより行うことができる。因みに、第2のスライド操作子111は、この光電センサの検出出力信号の論理極性を設定するためのもので、第2のスライド操作子111が『L』側に設定されているといわゆるライトオンモードとなり、『D』側に設定されるとダークオンモードとなる。
【0049】
CPUで実行されるシステムプログラムの全体を概略的に示すゼネラルフローチャートが図4に示されている。このシステムプログラムは電源投入によって実行を開始される。
【0050】
同図において、処理が開始されると、まず初期設定処理(ステップ401)が実行される。この初期設定処理(ステップ401)においては、後述するルーチン処理を開始するに先立って必要な各種の初期設定処理が実行される。この初期設定処理には、各種メモリ、表示灯、制御出力の初期化の実行や、CPU200に含まれるEEPROMから必要項目の読み出しとデータチェックを行う処理などが実行される。
【0051】
初期設定処理(ステップ401)が実行を完了すると、ルーチン処理への移行が行われ、その最初においてまず第1のスライド操作子110の設定状態が参照される(ステップ402)。ここで、第1のスライド操作子110が『SET』側へ設定されていれば(ステップ402SET)、続いてSETモード初期設定処理(ステップ403)が実行される。このSETモード初期設定処理(ステップ403)では、SETモード用設定値の初期化や機能番号Fの初期化(F=0)などが行われる。
【0052】
SETモード初期設定処理(ステップ403)が実行を完了すると、以後、第1のスライド操作子110が『SET』側へ設定された状態にある限り(ステップ405YES)、様々な機能(F)に関するSETモード処理(ステップ404)が実行される。この状態において、ユーザは、第1の操作ボタン107、第2の操作ボタン108、第3の操作ボタン109を適宜に操作することによって、当該光電センサに用意された様々な機能(F)のON/OFF設定、更には、各機能(F)別の個別設定処理を実行することができる。
【0053】
一方、第1のスライド操作子110の設定状態を参照した結果、『RUN』側へと設定されたと判定されると(ステップ402RUN)、続いて、RUNモード初期設定処理(ステップ406)が実行される。このRUNモード初期設定処理(ステップ406)においては、表示灯、制御出力の初期化、しきい値及び各種RUNモード用設定値の初期化などが行われる。なお、後に図7(a)を参照して説明するカウンタモードの初期化処理等は、このRUNモード初期化設定処理406にて実行される。
【0054】
RUNモード初期設定処理(ステップ406)が完了すると、続いて第1のスライド操作子110が『RUN』側へ設定されている限り(ステップ408YES)、RUNモード処理(ステップ407)が実行される。このRUNモード処理(ステップ407)においては、光電センサとして必要な基本的な動作の他に、ユーザにより選択的に設定された各種の機能が実現される。尚、このRUNモード処理の具体的な内容については、必要に応じて、後に詳細に説明を行う。
【0055】
このように、CPU200で実行されるシステムプログラムは、いわゆる電源投入直後に行われるイニシャル処理である初期設定処理(ステップ401)と、ルーチン処理であるところの2つの処理、すなわちSETモード処理(ステップ404)及びRUNモード処理(ステップ407)に大別される。そして、本発明の要部であるところのカウントモードの実行はRUNモード処理(ステップ407)において行われ、カウントモードにおける各種の機能設定はSETモード処理(ステップ404)において行われる。
【0056】
SETモード処理の全体を示すフローチャートが図5に示されている。同図において、処理が開始されると、まず機能別表示処理(ステップ501)が実行される。この機能別表示処理(ステップ501)では、機能番号Fに該当する様々な表示処理が実行される。
【0057】
続いて、キー入力検知処理が実行され(ステップ502)、図1並びに図2に示される操作ボタン107〜109並びにスライド操作子110,111におけるキー入力操作の有無を待機する状態となる(ステップ503NO)。
【0058】
この状態において、キー入力有りと判定され(ステップ503YES)、しかも機能切替に相当するキー入力シーケンスが確認されると(ステップ504YES)、機能切替指令が確認されるたびに、機能番号Fの値は全機能数に達するまで+1ずつインクリメントされ(ステップ505,506NO)、全機能数に達すると共に(ステップ506YES)、再びゼロリセットされて(ステップ507)、機能(F)の循環切替が実行される。
【0059】
この状態において、そのとき設定されている機能Fに関する実行が指示されると(ステップ504NO,508YES)、機能別実行処理が実行され、機能番号Fに該当する処理が行われる(ステップ509)。
【0060】
本発明に関するカウンタモードにおいては、この機能別実行処理(ステップ509)において、カウンタモードを実行させる(ON)又は実行させない(OFF)の設定、カウントモードをアップカウント動作とするかダウンカウント動作とするかの設定などが実行可能となる。すなわち、この機能別実行処理(ステップ509)の実行によって、CPU200に内蔵されたカウントモード実行フラグの内容は“1”又は“0”に設定され、同様にしてカウントモードフラグの内容もアップカウントに相当する“1”又はダウンカウントに相当する“0”に設定される。これらカウントモード実行フラグ並びにカウントモードフラグの内容は、後に詳細に説明するように、図8のフローチャートにおけるステップ801及びステップ802において参照されることとなる。
【0061】
図5のフローチャートにおいて、機能切替指令でもなく(ステップ504NO)、及びいずれの機能実行でもないと判定されれば(ステップ508NO)、処理は終了して、以上の動作が繰り返し実行される(ステップ501〜508)。
【0062】
次に、図4に戻って、RUNモードの処理について説明する。RUNモードへの導入に先立ち、まずRUNモード初期設定処理が実行される(ステップ406)。このRUNモード初期設定処理(ステップ406)においては、図7(a)に示されるように、設定初期化処理(ステップ701)が実行されて、個数カウント値nの値は初期値である『t』に設定される。この初期値『t』の値は操作ボタン107〜109を使用してユーザが任意に設定可能であり、CPU200に内蔵された図示しないEEPROMから読み出される。尚、図中他の初期化処理(ステップ702)とあるのは、本発明の要部であるカウント関連処理とは無関係な別の処理のための初期化処理を示している(ステップ702)。
【0063】
図4に戻って、RUNモード初期化設定処理(ステップ406)が完了すると、以後第1のスライド操作子110が『RUN』側に設定されている限り(ステップ408YES)、RUNモード処理(ステップ407)が繰り返し実行される。
【0064】
このRUNモード処理(ステップ407)の全体を示すフローチャートが図6に示されている。同図に示されるように、このRUNモード処理の全体は、通常処理(ステップ601〜605)と割込処理(ステップ606〜608)とに大別される。そして、割込処理(ステップ606〜608)は、時間Tsec毎(例えば、100μsec毎)にタイマ割込で実行される。
【0065】
まず、通常処理(ステップ601〜605)について説明する。処理が開始されると、表示灯制御処理(ステップ601)が実行される。この表示灯制御処理(ステップ601)では、指定された表示内容に応じて、7セグメントデジタル表示器である第1及び第2の表示器105,106の点灯制御を行う。
【0066】
続いて、オートパワーコントロール(以下、APCと言う)処理(ステップ602)が実行される。このAPC処理(ステップ602)では、後述する計測用の投受光処理(ステップ606)で取得したモニタ受光量を監視し、一定期間毎に、APC補正を実施する。このAPC補正は、この例においては、投光電流のパワー制御により行われている。
【0067】
続いて、キー入力検知処理(ステップ603)が実行される。このキー入力検知処理(ステップ603)においては、一定期間毎に、キー入力の検知を行い、入力を検知した場合は、該当処理が実行できるように設定を行う。続いて、キー入力対応処理(ステップ604)が実行されて、検知されたキー入力に対応する様々な処理が実行される。
【0068】
本発明の要部であるカウント関連処理においては、図7(b)に示されるように、キー入力検知処理(ステップ603)において、カウントアップ信号をリセットするためのリセット入力の検知が行われ(ステップ703)、ここでリセット入力が検知された場合には、続く入力キー対応処理(ステップ604)において、リセット処理(ステップ704)が実行され、カウントアップ信号の内容はON状態からOFF状態へとリセットされ、同時に個数カウント値nの値は初期値『t』にセットしなおされる。尚、後に詳細に説明するが、カウントアップ信号とは、目標カウント値『t』のカウントが完了したことに応答して出力される二値信号であって、図7(b)の場合は、この二値信号がカウントアップと同時にオン状態に保持される場合を想定している。
【0069】
続いて、図6に戻って、入力キー対応処理(ステップ604)が終了すると、続いて外部入力処理(ステップ605)が実行される。この外部入力処理(ステップ605)では、本発明と関連する処理としては、図1に示される電気コード4に含まれる芯線45から入力された動作指定信号の内容に応じて、アップカウント動作とダウンカウント動作との切り替えが行われる。すなわち、この実施形態においては、電気コード4に含まれる芯線45に対して、信号内容を“H”又は“L”のいずれかに設定することによって、カウント動作の内容をアップカウント動作とダウンカウント動作とに切り替えることが可能にされている。この切り替えを扱うのも外部入力処理(ステップ605)の仕事の1つである。
【0070】
次に、時刻Tsec毎に実行される割込処理について説明する。割込処理が開始されると、まず投受光処理(ステップ606)が実行される。この投受光処理(ステップ606)においては、図3に示されるLED202aをLED駆動部202bを介してパルス駆動することによって、可視光又は赤外線光を発生させ、これを投光用ファイバ2を通じて投光用ヘッド(図示せず)へと導き、投光用ヘッドから検出対象領域へと放出する。同時に、検出対象領域において反射又は透過した光を、受光用ファイバの先端に設けられた受光ヘッドから受光用ファイバ3内へと導入し、これを受光用ファイバ3を経由してPD203aへと導き、PD203aにて光電変換により得られた信号を、アンプ部203bを介してCPU200へと取り込む。これにより、検出対象領域の状況に対応する特徴量を含んだ受光量データが取得される。
【0071】
続いて、ON/OFF判定処理(ステップ607)が実行される。このON/OFF判定処理(ステップ607)においては、予め設定されたオンオフ判定用の光量しきい値を基準として、受光量データを弁別二値化することにより、検出対象領域に物体の有無が判定される。すなわち、検出対象領域に目的とする物体が存在すれば、判定結果はONとなり、存在しなければ判定結果はOFFとされる。後に詳細に説明するように、本発明の要部であるカウントモードの動作においては、判定結果であるONとOFFの変化のタイミング(例えば、OFFからONへの変化タイミング)においてカウントアップ又はカウントダウン処理が実行されることとなる。
【0072】
こうしてON/OFF判定処理(ステップ607)が実行終了すると、続いて本発明の要部であるところのカウントモードを実現するために、カウント機能付き出力制御処理(ステップ608)が実行される。カウント機能付き出力制御処理のフローチャートが図8に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、カウントモード実行フラグの状態が参照される(ステップ801)。先に説明したように、このカウントモード実行フラグの内容は、図4に示される設定モード処理(ステップ404)において、ユーザのキー操作によりON状態又はOFF状態に設定されている。ここで、カウントモード実行フラグの内容がOFF状態に設定されていれば(ステップ801OFF)、カウントモードを実行することなく、通常の出力処理(ステップ811)への移行が行われる。この通常の出力処理(ステップ811)においては、先に図6に示されるON/OFF判定処理(ステップ607)において生成された判定結果に応じて、検出出力信号が、図3に示される出力部206aを介して、電気コード4に含まれる芯線43へと出力される。こうして芯線43へと出力された検出出力信号は、例えばPLCやPCなどの上位装置などへと送られる。
【0073】
一方、図8のフローチャートに戻って、カウントモード実行フラグがON状態であると判定されると(ステップ801ON)、続いてカウントモードフラグの内容が参照される(ステップ802)。カウントモードフラグの内容についても、先に図4を参照して説明したように、SETモード処理(ステップ404)において、ユーザのキー操作に応じて適宜に設定されている。
【0074】
カウントモードフラグの内容を参照した結果、これがアップカウント動作に設定されていれば(ステップ802アップカウント)、以後アップカウント動作が実行される。これに対して、カウントモードフラグを参照した結果、これがダウンカウント動作に設定されていれば(ステップ802ダウンカウント)、以後ダウンカウント動作が実行される。
【0075】
アップカウント動作においては、先に図6のON/OFF判定処理(ステップ607)によって得られた判定結果が、OFF状態からON状態へ変化するたびに(ステップ803YES)、カウント値nの値を+1ずつアップカウントする動作が(ステップ804)、そのカウント値が目標値『t』に達するまで(ステップ805NO)、繰り返し実行される。カウント値nの値が、カウント目標値『t』に達すると(ステップ805YES)、カウントアップ出力がON状態とされる(ステップ806)。すると、図3のブロック図において、CPU200から出力されたカウントアップ信号は、出力部206bを介して、電気コード4に含まれる芯線44へと出力される。この芯線44に出力されたカウントアップ信号についても、例えばPLCやPCなどの上位装置へと送られる。従って、上位装置の側では、このカウントアップ信号を監視することによって、例えば検出対象領域を通過する物体の個数が目標値である『t』に達したことを判別することができる。
【0076】
一方、図8のフローチャートに戻って、ダウンカウント動作が開始されると、先のアップカウント動作の場合と同様に、判定出力結果が、OFF状態からON状態へ変化するたびに(ステップ807YES)、カウント値nの内容を−1ずつダウンカウントする動作が(ステップ808)、カウント値nの値が0になるまで(ステップ809NO)、繰り返される。そして、カウント値nの値が0になると(ステップ809YES)、カウントアップ出力の状態はON状態に設定される(ステップ810)。すると、図3のブロック図において、CPU200から出力されたカウントアップ信号は、出力部206bを介して、電気コード4に含まれる芯線44へと送り出される。この場合、芯線44に送り出されるカウントアップ信号の内容を監視することによって、予め初期設定されたt個の物体の通過が完了したことを判別することができる。
【0077】
先に説明したように、カウントモードの切替(ダウンカウント/アップカウント)は、操作部における手動によるキー操作によって行うこともできるが、図3に示されるように、電気コード4に含まれる芯線45を“H”又は“L”に設定することによっても、カウントモードの切り替えを実行することができる。すなわち、芯線45の内容は、信号入力部205bを介して常時CPU200に取り込まれ、外部入力有効が設定されていれば、その状態によって、カウントモードフラグの内容に反映するように仕組まれている。そのため、電気コード4に含まれる芯線45の論理状態を“H”又は“L”のいずれかに設定すれば、図8に示されるカウントモード参照処理(ステップ802)において、アップカウント又はダウンカウントへの切替動作が自動的に行われる。
【0078】
本発明に係る光電センサの表示例を示す図が図9に示されている。この例にあっては、第1の表示器105には受光光量に相当する数値『3000』が表示され、第2の表示器106には現在カウント値に相当する数値『1328』が表示されている。これらの表示動作は、先に説明したように、図6のフローチャートにおいて、表示灯制御処理(ステップ601)を実行することで行われる。又、表示灯制御処理(ステップ601)で参照されるべきデータは、図8のフローチャートにおいて、アップカウント処理(ステップ804)又はダウンカウント処理(ステップ808)で生成されたものが使用される。
【0079】
次に、本発明に係る光電センサの動作例を概念的に示す説明図が図10に示されている。同図(a)にはアップカウント動作が、同図(b)にはダウンカウント動作が、同図(c)にはカウントアップ時オン動作が、同図(d)にはカウントアップ時クリア動作が、及び同図(e)にはカウントアップ時ホールド動作がそれぞれ示されている。
【0080】
先に、図8を参照して説明したアップカウント動作(ステップ803YES、804、805NO)が実行されると、図10(a)に示されるように、検出信号がOFF状態からON状態へ変化するたびに、アップカウント値が、+1ずつステップ状に増加していき、このアップカウント値が、図9に示されるように、第2の表示器106に数値表示される。同様に、図8を参照して説明したダウンカウント動作(ステップ807YES、808、809NO)が実行されると、図10(b)に示されるように、ダウンカウント値の値は、検出信号の値がOFF状態からON状態へ変化するたびに−1ずつステップ状に減少されていき、このダウンカウント値が図9に示されるように、第2の表示器106に数値表示される。
【0081】
又、図8のフローチャートにおいて、アップカウント動作(ステップ803YES、804、805NO)、又はダウンカウント動作(ステップ807YES、808、809NO)のいずれかが実行され、カウントアップ処理(ステップ806又は810)が実行されると、図10(c)に示されるように、カウントアップ信号の出力状態は、OFF状態からON状態へと立ち上がり、その状態に以後保持される。このとき、図1に示される第3の操作ボタン109が操作されると、先に説明したように、図7(b)に示されるように、リセット入力有りの判定が行われ(ステップ703YES)、続いてリセット処理(ステップ704)が実行されて、カウントアップ出力の状態はON状態からOFF状態へと復帰する。
【0082】
すなわち、図10(c)に示される例にあっては、アップカウント値がカウント目標値に達した場合、カウントアップ出力の値はOFF状態からON状態へと変化してその状態に保持される。一方、カウントアップ値の値はカウント目標値に達した以降も増加を継続する。
【0083】
もっとも、カウントアップ信号並びにアップカウント値の変化傾向は、様々な形態をとることができる。図10(d)に示されるカウントアップ時クリア動作においては、アップカウント値がカウント目標値に達すると同時に、カウントアップ出力としてワンショットパルスが出力され、同時にアップカウント値の値は直ちに0にリセットされる。そのため、このカウントアップ値クリア動作を利用すれば、検出対象領域を一定個数のワークが通過するたびに、繰り返しワンショットパルスであるカウントアップ出力を生ずると言った制御を実現できる。
【0084】
又、図10(e)に示されるカウントアップ時ホールド動作によれば、アップカウント値の値がカウント目標値に達した場合、カウントアップ出力の値はOFF状態からON状態へと変化し、その状態に保持され、アップカウント値の値もカウント目標値に達するとその状態に保持される。このような構成によれば、アップカウント値がカウント目標値に達した以降カウントアップ出力をON状態に保持させると共に、アップカウント値についても内容を保持して、表示状態が維持されるといった制御を実現することができる。
【0085】
次に、本発明に係る光電センサの応用例(その1)を示す図が図11に示されている。同図において、301はラインビーム投光用のファイバヘッド、302はラインビーム受光用のファイバヘッド、307は光電センサ本体である。このような光電センサにおいて、本発明のカウントモードを採用すれば、ラインビーム304を横切ってワーク305,305が落下するような場合、その落下個数に応じた制御出力を生成することができる。このため、部品トレーの上にランダムに部品が落下するようなアプリケーションを想定すれば、一定個数の部品305,305が部品トレーに落下した状態で、トレーを交換するといった制御を、従前のようにセンサとカウンタとからなる2つの機器を用いることなく、センサのみで実現することができる。
【0086】
本発明に係る光電センサの応用例(その2)を示す図が図12に示されている。同図において、308はDIPパッケージ、309はパッケージ308の端子ピン、310は受光用ファイバヘッド、311は投光用ファイバヘッド、312は光電センサ本体である。このように、搬送ライン上をDIPパッケージ308が流れてくるような状況において、端子ピン309の欠落を検出しようとする場合、本発明のカウントモードを適用すれば、投光用ファイバヘッド311により端子ピンが到来する位置を照射しつつ、その透過光を受光側ファイバヘッド310で検出し、その検出個数をカウントアップ又はカウントダウンして端子ピン総数に相当する目標カウント値と比較することによって、DIPパッケージの不良品を容易に判別することができる。従って、この場合にあっても、光電センサとカウンタとの2つの機器を用いることなく、光電センサ312のみをもって、このようなDIPパッケージの端子ピン欠落を判別するシステムを構成することができる。
【0087】
本発明に係る光電センサの応用例(その3)を示す図が図13に示されている。同図において、313は部品、314は投光用ファイバヘッド、315は受光用ファイバヘッド、316はパーツフィーダである。このように、パーツフィーダ316を介して部品313が順次供給されるような場合、その出口にファイバヘッド314,315を配置して、部品313の通過個数をカウントすれば、そのカウント値を表示させたり或いは予め目標カウント値を設定してカウントアップ出力を監視すれば、パーツフィーダを介して何個の部品を供給したかを判定するといった制御を、従前のように、光電センサとカウンタとの2つの機器を使用することなく容易に実現することができる。
【0088】
次に、本発明に係る光電センサの他の実施の一形態が図14〜図17に示されている。この実施形態における光電センサにあっては、カウント結果とそのカウント結果に対応するワークの状態レベルとを関連づけてメモリに記憶する一方、それらを任意に読み出し可能に構成することによって、ワーク状態レベルのロッギング機能を実現している。ここで、『ワーク状態レベル』とは、しきい値に対する余裕度(しきい値レベルと受光量の差の最大値)や受光量最大値(ONピーク)などのことを意味している。
【0089】
ワークの流れる生産ラインに光電センサを設置して、ワークの個々を検出するような制御システムにおいて、しばしばワーク検出用のしきい値が適切であるか否かを判定したいような場合がある。この場合、それぞれのワークに対する受光光量がまちまちな場合には、個々のワーク毎に現在のしきい値に対する余裕度を知ることができれば便利である。
【0090】
このような場合、この実施形態の光電センサにあっては、センサに内蔵されたメモリ上に、図17に示されるメモリテーブルを設け、ここにワーク番号毎に余裕度を記憶させ、その後これを適宜に読み出すことによって、現在のしきい値に対し個々のワークの余裕度がどの程度あるかを確認するといったいわゆるロッギング機能を実現することができる。
【0091】
すなわち、図14のフローチャートにおいて、処理が開始されると、まずイニシャル処理によってワークカウント値C並びに最大余裕度Tmaxはゼロリセットされる(ステップ1401)。
【0092】
その後、所定の終了指令が与えられるまでの間(ステップ1402YES)、個々のワークが到来する毎に(ステップ1404YES)、投受光計測処理で計測された検出量Vに基づき、最大余裕度取得処理(ステップ1405)が実行される。
【0093】
最大余裕度取得処理のフローチャートが図15に示されている。同図において処理が開始されると、まず最初に、余裕度検知処理が実行される(ステップ1501)。この余裕度検知処理(ステップ1501)においては、最新の投受光計測処理(ステップ1504)により得られた検出量Vからしきい値THを差し引くことによって、余裕度Tの値が求められる。
【0094】
続いて、ステップ1502では、最新の余裕度Tとその時点の最大余裕度Tmaxとの大小比較が行われ、最新の余裕度Tが最大余裕度Tmaxよりも大きい場合に限り(ステップ1502YES)、最大余裕度Tmaxの更新が行われる(ステップ1503)。
【0095】
続いて、ステップ1504においては、投受光計測処理が実行されて、その時点の検出量がVとして記憶される。続くステップ1505においては、検出量Vとしきい値THとの大小比較によりワークの有無が判定され、ここでワークが存在すると判定される場合には(ステップ1505YES)、以上説明した余裕度検知処理(ステップ1501)、最大余裕度更新処理(ステップ1502、1503)、及び投受光計測処理(ステップ1504)が繰り返し実行され、これにより1個のワークに関して、最大余裕度Tmaxが求められる(図16参照)。
【0096】
次いで、光電センサの前をワークが通過しきって、ワークなしと判定されると(ステップ1505NO)、ワークカウント値Cの値は+1更新された後(ステップ1506)、その時点の最大余裕度Tmaxの値は、C個目のワーク余裕度Y(C)として、図17に示されるメモリテーブルの該当欄に格納される(図16参照)。
【0097】
以上の処理(ステップ1501〜1507)が繰り返し実行されることによって、所定の終了操作が行われた時点においては(ステップ1402YES)、図17に示されるように、ワーク番号と余裕度とが対となってメモリテーブル内に格納される。こうして格納されたデータは、公知の手法を用いて、操作ボタン106〜109、表示器105,106を利用して任意に読み出し可能とされる。その結果、一通りワークの通過が完了した時点において、キー操作で終了指示を行い、その後図17に示されるメモリテーブルの内容を読み出せば、各ワーク毎に現在のしきい値から見た余裕度を確認することができるから、これに基づき多数のワークが存在する場合にあっても、現在のしきい値が適切であるか否かを個別に判定することができる。
【0098】
本発明に係る光電センサの更に他の実施の一形態が図18〜図21に示されている。この例にあっては、多数のワークが流れる生産ラインに光電センサを適用して個々のワークを検知する場合、最適な検知能力を発揮するためには、どの程度のしきい値に設定すればよいかをセンサ自体を用いて自動決定することを可能としている。
【0099】
まず動作の概略を説明すると、図21に示されるように、この実施形態にあっては、所定の操作によって、複数のしきい値候補A,B,C,Dを設定し、その後実際にラインにワークを流しつつ、各しきい値A,B,C,D毎に、検出回数(カウンタ値)をカウントし、予め設定されたサンプルワーク数に達したならば、そのサンプルワーク数と個々のしきい値A,B,C,D毎の検出回数(カウンタ値)を照合することによって、両者が一致したしきい値を最適しきい値として決定するようにしたものである。以下、この動作を『第1のしきい値自動決定動作』と言う。
【0100】
図18には、第1のしきい値自動決定動作に必要な操作設定手順を示すフローチャートが示されている。すなわち、図18に示されるように、この実施形態においては、まず、ワークサンプル数の入力を行う(ステップ1801)。このワークサンプル数の入力は、センサに設けられた操作キーを用いてサンプル数を設定する操作を通じて行われる。
【0101】
次に、しきい値候補となるべき仮のしきい値の設定を、同様なキー操作で行う(ステップ1802)。このとき仮のしきい値は複数(S)個分設定することが重要である。図21の例にあっては、しきい値A,しきい値B,しきい値C,しきい値Dからなる4個のしきい値が設定されている。
【0102】
続いて、計測開始入力を行う(ステップ1803)。この計測開始入力はキー入力により計測開始を指示する操作を通じて行われる。
【0103】
続いて、ワークを実際に生産ラインに投入し、サンプル数で指定した数のワークをラインに流しつつ、本発明センサによる検出動作を実施させる(ステップ1804)。
【0104】
最後に、計測終了入力を行う(ステップ1805)。この計測終了入力も、キー入力により計測終了を指示する操作を通じて行われる。
【0105】
以上一連の操作に対応して、実行される第1のしきい値自動決定処理のシステムプログラムの構成が、図19及び図20に示されている。
【0106】
同図において、処理が開始されると、まずイニシャル処理が実施されて、ワーク個数カウンタXの値は初期値『1』に設定され(ステップ1901)、その後、ワークサンプル数の入力を待機する状態となる(ステップ1902NO)。
【0107】
この状態において、図18に示されるようにワークサンプル数の入力が行われると(ステップ1801)、ワークサンプル数入力有りとの判定が行われ(ステップ1902YES)、入力されたワークサンプル数は、ワークサンプル数レジスタNに格納される(ステップ1903)。
【0108】
その後、しきい値設定入力の行われるのを待機する状態となる(ステップ1904NO)。この状態において、図18に示されるように、仮しきい値の設定が行われると(ステップ1802)、図19の処理においてはしきい値設定入力有りとの判定が行われ(ステップ1904YES)、入力されたしきい値は、X番目のしきい値として設定され(ステップ1905)、ワークサンプル数カウンタXの値は+1更新される(ステップ1906)。以上の動作(ステップ1904〜1906)が、ワークサンプル数カウンタXの値が最大ワークサンプル数Sに達するまで(ステップ1907NO)、繰り返し実行される。
【0109】
最大ワークサンプル数『S』だけしきい値候補の設定が完了すると(ステップ1907YES)、その後計測開始入力有りを待機する状態となる(ステップ1908NO)。この状態において、図18に示されるように、計測開始入力が行われると(ステップ1803)、図19のフローチャートにおいては、計測開始入力有りとの判定が行われ(ステップ1908YES)、図20に移って、投受光処理が実行された後(ステップ2001)、その後計測終了入力有りとの判定が行われるまでの間(ステップ2003NO)、カウント処理が繰り返し実行される(ステップ2002)。
【0110】
一方、図18のフローチャートに示されるように、この状態でワークの投入を行えば(ステップ1804)、図20においてカウント処理が実行される結果、図21のグラフに示されるように、各しきい値A,B,C,Dのそれぞれについて、受光量としきい値との比較が行われ、各しきい値A,B,C,D毎に、検出回数に相当するカウンタ値が求められる。図21の例にあっては、しきい値Aに関してはカウンタ値は『3』、しきい値Bに対してはカウンタ値は『6』、しきい値Cに対してはカウンタ値は『7』、しきい値Dに対してはカウンタ値は『7』となる。尚、この例にあっては、ワーク数は『7』、サンプル数入力も『7』とされている。
【0111】
この状態において、図18のフローチャートに示されるように、計測終了入力が与えられると(ステップ1805)、図20のフローチャートにおいては、計測終了入力有りとの判定が行われ(ステップ2003YES)、その後、メモリに記憶されたカウンタ値の内容C(X)を順に読み出しつつ(ステップ2004,2006)、読み出された内容C(X)をワークサンプル数Nと照合することによって(ステップ2005)、最適しきい値の決定を行う。
【0112】
すなわち、読み出されたカウント値C(X)とサンプルワーク数Nとが一致するまで(ステップ2005NO)、カウンタ値C(X)とサンプルワーク数Nとの照合を行い(ステップ2005)、両者が一致したことを条件として(ステップ2005YES)、X番目のしきい値を最適しきい値として決定する(ステップ2009)。
【0113】
尚、記憶されたカウント値C(X)とサンプルワーク数Nとの照合を行いつつ、最大サンプル数Sを越えてもカウント値C(X)とサンプルワーク数Nとが一致しなければ(ステップ2007YES)、所定のエラー処理(ステップ2008)を実行して、処理を終了する。
【0114】
このように、図18〜図20の処理並びに操作を実行することによって、図21に示される例であれば、しきい値Cの値が最適しきい値として決定されることとなる。つまり、受光光量の異なる複数のワークを搬送ラインに流しつつ、それらワークにとって最適なしきい値を、光電センサの機能それ自体を利用して、自動的に決定することができるのである。
【0115】
次に、図22〜25には、以上説明したしきい値自動決定処理の変形例(以下、『第2のしきい値自動決定動作』と言う)が示されている。この例にあっては、ユーザによるしきい値候補の設定操作さえも不要として、より操作性ないしは使い勝手の向上を図っている。
【0116】
まず処理の概略について図25を参照して説明すると、先のしきい値決定処理にあっては、予めユーザサイドが複数のしきい値候補を設定することを必要としたが、この実施形態にあっては、図25に示されるように、しきい値設定可能範囲内において、順次全てのしきい値を自動選択しつつ、その都度得られた受光量との大小比較を繰り返すことによって、個々のワークに対する受光量を設定可能な全てのしきい値と比較し、それらしきい値毎に検出回数をカウントするようにしている。
【0117】
第2のしきい値自動決定動作に必要な操作設定手順を示すフローチャートが図22に示されている。同図に示されるように、設定操作に関しては、まず最初にワークサンプル数の入力を行う(ステップ2201)。このワークサンプル数の入力は、キー入力によるサンプル数を設定する操作を通じて行われる。
【0118】
続いて、計測開始入力を行う(ステップ2202)。この計測開始入力も、キー入力により計測開始を指示する操作を通じて行われる。
【0119】
続いて、ワークを投入する(ステップ2203)。このワークの投入は、サンプル数で指定したワークの数を投入する操作を通じて行われる。
【0120】
最後に、計測終了入力を行う(ステップ2204)。この計測終了入力も、キー入力により計測終了を指示する操作を通じて行われる。
【0121】
図22に示される各操作(ステップ2201〜2204)に対応して、CPU側が実行するシステムプログラムの構成が、図23及び図24のフローチャートに示されている。
【0122】
図23において処理が開始されると、CPU側では、まずワークサンプル数の入力を待機する状態となる(ステップ2301NO)。この状態において、図22のフローチャートに示されるように、ワークサンプル数入力操作が行われると(ステップ2201)、図23のフローチャートにおいては、ワークサンプル数の入力ありとの判定が行われ(ステップ2301YES)、続いて入力されたワークサンプル数の値はNとしてメモリに格納され(ステップ2302)、続いてしきい値余裕度の入力を待機する状態となる(ステップ2303NO)。
【0123】
この状態において、しきい値余裕度の入力が行われると(ステップ2304)、入力されたしきい値余裕度(%)はYとしてメモリに格納され、その後計測開始入力の到来を待機する状態となる(ステップ2305NO)。
【0124】
この状態において、図22のフローチャートに示されるように、計測開始入力が与えられると(ステップ2202)、図23のフローチャートにおいては、計測開始入力有りとの判定が行われ(ステップ2305YES)、続いて、図24のフローチャートに移って、投受光処理が行われた後(ステップ2401)、先ほどと同様に、計測終了入力が与えられるまでの間(ステップ2403NO)、カウント処理(ステップ2402)が繰り返し実行される。
【0125】
このカウント処理においては、投受光処理で得られた検出値を1〜X番目のしきい値とそれぞれ比較し、ON/OFF状態からワークのカウントを行う。それぞれのしきい値に対して検出したワークのカウント数をC(A)に格納する(A:1〜X)。
【0126】
その後、図22のフローチャートに示されるように、計測終了入力が与えられると(ステップ2204)、図24のフローチャートにおいては、計測終了入力有りとの判定が行われ(ステップ2403YES)、以後、しきい値自動決定処理への移行が行われる。
【0127】
このしきい値自動決定処理においては、先ほどと同様に、ワークカウンタKの値を初期値Lから+1ずつ更新しながら(ステップ2406)、カウンタKで指定されるカウント値C(K)の値をワークサンプル数Nと照合する処理が実施される(ステップ2405)。このとき、両者が照合一致すれば(ステップ2405YES)、しきい値設定処理(ステップ2409)が実行されて、K+(K×Y)として最適しきい値の決定が行われる。
【0128】
このように、この第2のしきい値自動決定処理においては、ユーザがしきい値候補を複数決定するという複雑な操作を行わずとも、受光光量の異なる複数のワークに対し、最適なしきい値を自動決定して、適切な検出動作を実現することができる。
【0129】
このように、本発明にあっては、センサそれ自体に、ON/OFF出力のカウント機能を内蔵したことによって、これを利用して、カウント値対応出力動作を行わせたり、個々のワーク別状態レベル情報を生成したり、しきい値を自動設定するといった、従来のセンサにはない様々な新規な機能を容易に実現することができるのである。
【0130】
尚、上記実施例では、図1、図3等で示したように、芯線43と芯線44とを設け、物体検出信号とカウントアップ信号をそれぞれ別個独立して出力するようにしたが、物体検出信号並びにカウントアップ信号を所定の切り替え動作を介して同一の芯線(出力線)から適宜に出力するように構成することも可能である。このようにセンサを構成すれば、同一のセンサを、あるときは物体検出を行う通常のセンサとして、またあるときは物体検出信号を利用したカウンタとして使用することができる。なお、このような光電センサは、第1の出力モードにあっては物体検出信号を、第2の出力モードにあってはカウントアップ信号を出力するように構成するとともに、前記出力モードを切り換える手段を設けることにより実現することができる。もっとも、このようなセンサの具体的態様は、上記実施の形態を参照すれば、当業者であれば容易に実現可能であろうから、ここでのこれ以上の説明は省略する。
【0131】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、特徴量取得手段と、判定手段と、第1の出力手段とを有するので、通常のセンサとしての機能を実現することに加え、新たにカウント手段と第2の出力手段とを設けたことによって、カウント手段によるカウント結果に対応する出力動作を行うことができる。そのため、単に検出対象領域に物体の有無を検出できるのみならず、検出対象領域に存在する又は通過する物体の個数に応じた情報を取得することができる。これを利用することによって、ユーザは、検出対象領域を物体が何個通過したか、或いは決められた個数の物体が通過したか、といった情報を取得し、様々な制御に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における光電センサの上部カバーを開いた状態における外観斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態である光電センサの操作・表示部の拡大図である。
【図3】 本発明の一実施形態である光電センサの電気的ハードウェア構成の全体を示すブロック図である。
【図4】 CPUで実行されるシステムプログラムの全体を概略的に示すゼネラルフローチャートである。
【図5】 SETモード処理の全体を示すフローチャートである。
【図6】 RUNモード処理の全体を示すフローチャートである。
【図7】 カウント機能関連処理のフローチャートである。
【図8】 カウント機能付き出力制御処理のフローチャートである。
【図9】 本発明に係る光電センサの表示例を示す図である。
【図10】 本発明に係る光電センサの動作例を示す説明図である。
【図11】 本発明に係る光電センサの応用例(その1)を示す図である。
【図12】 本発明に係る光電センサの応用例(その2)を示す図である。
【図13】 本発明に係る光電センサの応用例(その3)を示す図である。
【図14】 ワーク別余裕度取得処理のフローチャートである。
【図15】 最大余裕度取得処理のフローチャートである。
【図16】 ワーク別余裕度取得動作のタイムチャートである。
【図17】 ワーク別余裕度取得処理に使用されるメモリテーブルの内容を示す説明図である。
【図18】 第1のしきい値自動決定動作に必要な操作設定手順を示すフローチャートである。
【図19】 第1のしきい値自動決定処理のフローチャート(その1)である。
【図20】 第1のしきい値自動決定処理のフローチャート(その2)である。
【図21】 第1のしきい値自動決定動作の説明図である。
【図22】 第2のしきい値自動決定動作に必要な操作設定手順を示すフローチャートである。
【図23】 第2のしきい値自動決定処理のフローチャート(その1)である。
【図24】 第2のしきい値自動決定処理のフローチャート(その2)である。
【図25】 第2のしきい値自動決定動作の説明図である。
【符号の説明】
1 光電センサ
2 投光用ファイバ
3 受光用ファイバ
4 電気コード
41 GND用芯線
42 Vcc用芯線
43 検出出力用芯線
44 カウントアップ出力用芯線
45 カウント動作指定信号入力用芯線
101 筐体
102 透明カバー
103 クランプレバー
104 DINレール嵌合溝
105 第1の表示器
106 第2の表示器
107 第1の操作ボタン
108 第2の操作ボタン
109 第3の操作ボタン
110 第1のスライド操作子
111 第2のスライド操作子
200 CPU
201 電源部
202 投光部
202a LED
202b LED駆動部
203 受光部
203a PD
203b アンプ部
204 表示部
205 入力部
205a キー入力部
205b 信号入力部
206 出力部
206a 出力部
206b 出力部
Claims (8)
- 所定の検出対象領域から当該領域内における検出対象物体の有無と相関のある特徴量を取得する特徴量取得手段と、
前記特徴量取得手段により取得された特徴量と所定のしきい値とを比較し、前記特徴量が前記しきい値を越えたか否かに基づいて前記検出対象領域内に検出対象物体の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果である「物体有り」と「物体無し」の変化をカウントすることにより、前記検出対象領域を通過する物体の個数をカウントするカウント手段と、
前記判定手段による判定結果に対応する出力動作を行う第1の出力手段と、
前記カウント手段によるカウント結果に対応する出力動作を行う第2の出力手段と、を単一の筐体内に収容してなり、かつ
前記第1の出力手段における出力動作が、前記判定結果に対応する検出対象物体の有無を示す検出出力信号を外部へと出力する動作であり、
前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果に対応する数値表示を前記筐体外表面に設けられたデジタル表示器に行う動作を含む、ことを特徴とするセンサ。 - 前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント値が所定の目標カウント値に達したときにカウントアップ信号を外部へと出力する動作をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
- 前記カウントアップ信号がワンショットパルスであり、かつ前記カウントアップ信号の出力と共にカウント値がクリアされる、ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
- 前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果と関連付けて、そのカウント結果に対応する検出対象物体からの取得特徴量のしきい値に対する余裕度、又は取得特徴量の最大値を出力する動作をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
- 前記カウント結果とそのカウント結果に対応する検出対象物体からの取得特徴量のしきい値に対する余裕度、又は取得特徴量の最大値とが関連付けて記憶され、かつそれらが所定操作により読み出し可能とされている、ことを特徴とする請求項4に記載のセンサ。
- 前記第2の出力手段における出力動作が、前記カウント手段によるカウント結果を、予め設定された複数のしきい値候補又はしきい値範囲内に存在する全てのしきい値候補の各々について出力する動作をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
- 予め設定されたサンプルワーク数と一致するカウント値を有するしきい値候補を検索すると共に、こうして検索されたしきい値候補のひとつに基づいて実際のしきい値が自動的に決定される、ことを特徴とする請求項6に記載のセンサ。
- 出力モードが第1の出力モードと第2の出力モードとに切替可能であって、かつ前記検出対象物体の有無を示す検出信号の出力と前記カウントアップ信号の出力とに共用される単一の外部出力線を有し、
前記第1の出力モードにあっては、前記第1の出力手段によって、前記単一の外部出力線から、前記検出対象物体の有無を示す検出信号が出力され、かつ前記第2の出力モードにあっては、前記第2の出力手段によって、前記単一の外部出力線から、前記カウントアップ信号が出力される、ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
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