JP2004092932A - パネル開放装置及びこれを用いた空気調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアーフィルターの清掃・交換時には容易にパネルを開放可能で、かつそれ以外の場合は何らかの衝撃が加わっても容易にはずれることのないパネル開放装置及び空気調節装置を提供する。
【解決手段】本体ケース1あるいはパネル2の左右両端部に、パネル2を本体ケース1にロックするロック部材14が設けられ、一方のロック部材14を解除したときに、他方のロック部材14が、パネル2の回動軸として機能する構成とし、好ましくは、ロック部材14として、パネル2の左右両端部に、上下方向に伸縮可能で、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能な構成のパネル開放装置を用いる。
【選択図】図5
【解決手段】本体ケース1あるいはパネル2の左右両端部に、パネル2を本体ケース1にロックするロック部材14が設けられ、一方のロック部材14を解除したときに、他方のロック部材14が、パネル2の回動軸として機能する構成とし、好ましくは、ロック部材14として、パネル2の左右両端部に、上下方向に伸縮可能で、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能な構成のパネル開放装置を用いる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体ケースとパネルとを備えた電気機器のパネル開放装置に関するものであり、特に、パネル内側の本体ケース内に配置されたエアーフィルターを備えた縦型床置式のクーラー、ヒーター、空気調和機、空気清浄機、加湿機、除湿機等の空気調節装置に好適に適用することができ、エアーフィルターを容易に取り出すことが可能な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調節装置として代表的な縦型床置空気調和機の構造は、図1及び2に示すように、下部にあるフロントパネル2の内側に配置されたファン3がモータ4の駆動により回転することによって、フロントパネル2から吸い込まれた室内空気は、ファン3上方にある熱交換器5にて冷却又は加熱され、空気調和機上部に設けられた空気吹出口6から再び室内に吹き出される。空気吹出し時には、左右上下の風向調節装置8によって、部屋の隅々に吹き出される。
【0003】
ほとんどの場合、空気調和機の空気吸い込み口7はフロントパネル2あるいはフロントパネル2近傍に配設されており、フロントパネル2とファン3との間に空気中の塵埃を吸着するための、繊維メッシュで構成されたエアーフィルター9が配されている。
【0004】
この本体ケース1に内蔵されているエアーフィルター9を掃除するためには、フロントパネル2を外す作業を行うが、従来は、フロントパネル2に固着された図示しないマグネットと、本体ケース側に固着された板金部分との間にはたらく磁力により、フロントパネル2の脱落を防止していた。
【0005】
フロントパネル2の脱落を防止する他の手段としては、フロントパネル上部と本体側のフロントパネル上部とを紐(鎖状のもの)で結びつけ、かつ、本体ケース又はフロントパネルのいずれか一方に突起を設け、他方にこの突起に対応する凹部を設けて突起を凹部に嵌合させてフロントパネルの脱落を防止する方法も採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の空気調和機は、フロントパネル2が本体ケース1の下部にあり、且つその大きさも大きいため、例えば、近くにいる人がフロントパネル2に触れたり、当たったり、空気調和機の近傍で暴れると、磁石の保持力のみではフロントパネル2が容易に外れる問題が生じていた。
【0007】
また、工具なしではフロントパネルが外れないように、ビス等でフロントパネルを固定すると、人が当たったくらいでフロントパネルが外れることは無くなるが、フロントパネルの内部にあるエアーフィルターの汚れ具合を容易に確認出来なくなる。また、容易に清掃できなくなるため、空気調和機の性能の低下を招き、埃・塵がエアーフィルターを通過して空気吹出口より吹出して清潔性が損なわれるという問題が起こってくる。
【0008】
フロントパネルの開閉構造として、磁力を用いる以外の先行技術としては、特開平11−83072号公報には、吸込パネルの開口部と係合し、開閉レバーを操作することにより、係合を解除できるロック手段を設けると共に、開閉レバーの操作を規制する安全保護手段を備えた空気調和機が記載されている。
【0009】
また、特開2001−182957号公報には、エアーフィルターの清掃作業性を良好にするために、フロントパネルを開閉機構を介して、下方に移動可能に支持する空気調和機が記載されている。
【0010】
さらにまた、特開2000−230727号公報には、開閉体の開度が所定の開度になると、開閉体及び本体の何れかに係合して、開き動作を停止させる係合部と開き度制限用ストッパを備え、開き度を制限する機構が記載されている。
【0011】
上述したように、磁力を用いる以外にパネルを本体ケースに開閉自在に取付けるための先行技術は存在するものの、最初の技術は構造が複雑であり、後の二つの技術はいずれも構造が縦置式の空気調和機への適用は難点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、エアーフィルターの清掃・交換時には容易にパネルを開放可能で、かつそれ以外の場合は何らかの衝撃が加わっても容易にはずれることのないパネル開放装置及び空気調節装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るパネル開放装置は、本体ケースあるいはパネルの左右両端部に、パネルを本体ケースにロックするロック部材を設け、一方のロック部材を解除したときに、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、左右のロック部材をそれぞれ操作することにより、左右いずれの側からでも開閉可能であるとともに、両方のロック部材を解除すれば、パネルを完全に取り外すことも容易となる。
【0015】
したがって、本体ケースの設置場所が限定されず、例えば、部屋のコーナー部に本体ケースを設置した場合には、壁側のロック部材を解除して壁と反対側にパネルを回動させればよい。また、周りが家具で囲まれてパネルを回動させるスペースがない場合には、左右のロック部材を両方解除して、パネルを取り外すようにすればよい。
【0016】
いずれの場合でも、パネルの開放が容易で、エアーフィルターの清掃・交換を簡単に行うことができる。また、左右ロック部材をロックすれば、パネルを本体ケースに確実に固定することが可能となり、なんらかの衝撃で不用意にパネルが外れることを防止することが可能となる。
【0017】
ロック部材としては、例えば、本体ケースに上下スライド可能なかんぬきを設け、パネルにかんぬきを挿入可能なロック用孔を設けておき、本体ケースにパネルを取付けた状態でかんぬきをパネルのロック用孔に挿入してロックし、かんぬきをロック用孔から引き抜くことで解除する構成を採用することが可能である。
【0018】
また、パネルの左右両端部に、上下方向に伸縮可能なロック部材を設け、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能としてもよい。
【0019】
この場合、ロック部材の伸縮する具体的な態様として、ロック姿勢に切換えるときに、上方向に移動する第一係止体及び下方向に移動する第二係止体と、両係止体を連結する連結体とを備え、連結体が前記両係止体に回動可能に支持され、連結体を回してロック姿勢と解除姿勢とに切換えるような構成が例示できる。
【0020】
この構成によると、連結体の回動により、両係止体がパネルの上下端部から上下外方向に突出するロック姿勢と、パネルの上下端部から内側に没入する解除姿勢とに切換えることができる。
【0021】
なお、ロック部材の伸縮する別な態様としてロック部材を、二重筒構造とし、外筒に対して内筒をスライド自在に設けた構成や、外筒の内壁と内筒の外壁とに螺合手段を設けて内外筒を回転させて伸縮させる構成が例示できる。
【0022】
ロック部材は、手動で操作してもよいが、上記係止体又は外筒若しくは内筒を吸引可能な電磁石を設け、ロック姿勢と解除姿勢との切換えを電気的に行うようにすれば、より操作性を向上させることが可能となる。
【0023】
ロック部材以外の手段を用いたパネル開放装置としては、本体ケースの下部に開閉自在に取付けられたパネルの開放装置において、本体ケースの左右両側部に上下に回動可能なアームを設け、パネルを前記アームに連結した構成のものを使用することもできる。
【0024】
上記構成によれば、パネルが本体ケースの下部に取り付けられており、パネル(アーム)を上方に引き上げてはじめてパネルが開放されるため、不用意にパネルが外れることはない。特に、アームとしてリンク機構を備えたものを使用すれば、パネルは一定の姿勢で上方にスライドしながら開放されるため、設置スペースが狭い場合でも、容易にエアーフィルターの清掃・交換を行うことができる。
【0025】
また、別の形態として、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの上端面又は下端面のいずれかに設けられた弾性を有する係合爪と、係合爪に対応する側の開口縁部に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成された構成を採用することもできる。
【0026】
上記構成のパネル開放装置においては、まず、係合爪を設けた端面とは反対側のパネル端面を、対応する開口縁部に取付けておき、ついで係合爪を設けた側のパネル端面を取付ける。このとき、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成されているため、開口縁部に接触して、撓みながら爪受け部に係合し、係合した後は復元力によってもとの形状に戻る。
【0027】
したがって、パネルを開放するためには、パネルを引っ張りながら係合爪を撓ませつつ、爪受け部から離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネルが外れるおそれはない。
【0028】
係合爪の素材としては、天然ゴム又はウレタンゴム等の合成ゴムのほかに、ポリプロピレンやポリアミドなどの軟質樹脂を使用することが可能であり、さらに柔軟な金属製バネ材を使用してもよい。ただし、金属材を使用する場合には、本体ケースを傷つけないように金属材表面を樹脂コーティングすることが望ましい。
【0029】
上記係合爪及び爪受け部が設けられたパネル端面及び開口縁部と反対側のパネル端面及び開口縁部には、パネル端面を開口縁部に係止する係止手段を設けるのが好ましい。
【0030】
係止手段としては、パネル端面を開口縁部に固定可能であれば特に限定はなく、例えば、パネル端面を嵌合可能とする嵌合溝を開口縁部に設け、パネル端面を嵌合溝に嵌合した状態でこのパネル端面を中心としてパネルを回動し、係合爪を爪受け部に係合するようにしてもよいし、パネル端面に係止爪を設け、開口縁部に係止爪受け部を設けた構成を採用することも可能である。なお、この場合、係止爪は弾性を有する素材に限定されることなく種々の素材を使用することが可能である。
【0031】
係止爪として弾性を有するものを使用する場合、すなわち、パネル上端面及び下端面に弾性を有する係合爪を設ける場合は、以下の構成とするのが好ましい。すなわち、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの左右両端部においてパネル上端面及び下端面に設けられた弾性を有する係合爪と、開口の上下両縁部に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成された構成とする。
【0032】
上記構成によれば、パネルの左右いずれか一側を引っ張ることにより、一側の係合爪(上端面及び下端面に形成された一対の係合爪)のみを爪受け部から離脱させることが可能となり、このとき、他側の係合爪がフロントパネルの回動軸として機能するため、簡単な構造でパネルの脱落を防止するとともに、左右開きが可能なパネル開放装置を得ることができる。
【0033】
上述した係合爪は、パネル端面に設けるほかに、開口縁部に設けることも可能である。すなわち、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記開口の上縁部又は下縁部のいずれかに設けられた弾性を有する係合爪と、係合爪に対応する側のパネル端面に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪の先端から相対する開口縁部までの距離が、パネルの上下方向長さよりも短くなるように形成された構成を採用することもできる。
【0034】
係合爪を用いた別の態様としては、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの下端面に設けられた係合爪と、前記開口の下縁部に設けられた、係合爪を挿入可能な爪受け部とを備え、パネルは、係合爪を含めた上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成され、かつ、係合爪を爪受け部に最も深く挿し込んだときに、パネル上端面と開口上縁部との間に隙間が生じるように形成され、パネル下端面と開口下縁部との間に、パネルを開口上縁部に付勢する弾性体が設けられた構成を採用することも可能である。
【0035】
上記構成においては、先ず、パネル下端面に形成された係合爪を爪受け部に係合させ、パネルを爪受け部側に押し付けながらパネル上端面を開口上縁部に取付ける。手を離すと、弾性体の復元力によってパネルは開口上縁部に押し付けられて固定される。したがって、パネル上端面と開口上縁部とは隙間なく密着した状態となるため、外観がきれいに仕上がるという効果を奏する。
【0036】
なお、パネル上端面と開口上縁部には、前述のように、係止手段を設けるのが好ましく、これにより、パネルを本体ケースに確実に固定することが可能となる。上記パネル開放装置を開放する場合は、パネルを押し下げた状態でパネル上端面を手前に引き出せば容易に取り外すことができる。
【0037】
上記弾性体は、パネルを開口上縁部に付勢するものであればよいが、特に、弾性体としてコイルスプリングを用い、係合爪を囲むようにパネル下端面に設ければ、コイルスプリングは係合爪に沿って伸縮するため、コイルスプリングの折れ曲がりを効果的に防止することが可能となる。
【0038】
以上説明したところのパネル開放装置は、クーラー、ヒーター、空気調和機、空気清浄機、加湿機、除湿機等の空気調節装置に好適に適用することができ、これにより、エアーフィルターを容易に取り出すことが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に示す各実施形態においては、空気調節装置として縦型床置空気調和機を使用し、これに本発明に係るパネル開放装置を取付けた場合について説明する。
【0040】
[第1の実施形態]
図3は、本発明の第1の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図である。本実施形態においては、弾性を有する係合爪10a、10bが使用されている点が特徴とされ、その他の外観や概略構成は図1、2に示す従来の空気調和機と同じとされている。
【0041】
すなわち、図1及び2に示すように、空気調和機は、本体ケース1と、フロントパネル2と、本体ケース1内においてフロントパネル2の内側に配されるエアーフィルター9とを備えており、本体ケース1内に設置されたファン3によって空気吸込み口7から空気を吸込んで、熱交換器5で熱交換した後、空気吹出し口6から室内に空気を放出する構造とされている。
【0042】
本体ケース1の下部には開口18が形成されており、開口の上縁部13及び下縁部11が開口18から外側に突き出した形で形成され、この上縁部13と下縁部11との間にフロントパネル2を嵌め込んで本体ケース1に対して着脱自在に取付ける構造とされている。なお、図中、従来技術と同一の部品については同一の符号を付している。
【0043】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の上端面に形成された左右一対の弾性を有する係合爪12a、12bと、開口の上縁部13に形成された、係合爪12a、12bを係合可能な爪受け部13a、13bとを備えており、フロントパネル2の下端面及び開口下縁部11には、パネル下端面を開口下縁部11に係止するための係止手段として、左右一対の係止爪10a、10b及び係止爪受け部11a、11bがそれぞれ設けられている。
【0044】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。したがって、後述するように、撓みながら爪受け部13a、13bに係合した係合爪12a、12bは、復元力によって、穴の中でもとの形状に戻り、フロントパネル2の脱落を効果的に防止する。
【0045】
係合爪12a、12bは、係合爪12a、12bを含めたフロントパネル2の上下方向長さが、上縁部13と下縁部11の間の距離よりも長くなるように形成されている。
【0046】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、先ず、係止爪受け部11a、11bに係止爪10a、10bを挿入し、この係止爪受け部11a、11bを中心としてフロントパネル2を開口18側に押し込む。このとき、係合爪12a、12bは上縁部13に接触するが、弾性を有しているため、撓みながら爪受け部13a、13bに係合する。
【0047】
このようにして、爪受け部13a、13bに係合した係合爪12a、12bは、復元力によってもとの形状に戻る。したがって、パネルを開放するためには、フロントパネル2の上部を引っ張りながら係合爪12a、12bを撓ませつつ、爪受け部13a、13bから離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネル2が外れるおそれはない。
【0048】
本実施形態においては、係止爪10a、10bとして、硬質素材を使用しているが、係合爪12a、12bと同様に弾性を有する素材で形成することも可能である。この場合、パネル2の左右いずれか一側を引っ張ることにより、一側の係合爪(12aと10a又は12bと10b)のみを爪受け部(13aと11a又は13bと11b)から離脱させることが可能となる。
【0049】
このとき、左右同じ側の爪受け部(13aと11a、及び、13bと11b)を同軸上に形成しておけば、他側の係合爪がフロントパネル2の回動軸として機能するため、簡単な構造でフロントパネル2の脱落を防止するとともに、左右開きが可能となる。
【0050】
また、本実施形態においては、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bは、フロントパネル2の上下端面に形成しているが、これに限らず、係合爪及び係止爪と爪受け部及び係止爪受け部の形成位置を逆にすることも可能である。
【0051】
すなわち、係合爪及び係止爪を開口上下縁部13、11に設け、フロントパネル2の上下端面に爪受け部及び係止爪受け部をそれぞれ設けることができる。ただ、この場合には、係合爪はその先端から相対する開口縁部までの距離が、パネルの上下方向長さよりも短くなるように形成する。このような構成とすることで、フロントパネル2を本体ケース1に対して着脱自在とすることが可能となる。
【0052】
[第2の実施形態]
図4及び5は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図4(a)は後述するロック部材を解除姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図4(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。また、図5(a)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図5(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【0053】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の左右両端部に、上下方向に伸縮可能なロック部材が設けられた点が特徴とされ、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0054】
ロック部材14は、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能な構成とされている。
【0055】
具体的には、ロック部材14は、ロック姿勢に切換えるときに、上方向に移動する第一係止体14b及び下方向に移動する第二係止体14aと、両係止体14a及び14bを連結する連結体14cとを備え、連結体14cが両係止体14a及び14bに回動可能に支持され、連結体14cを回してロック姿勢と解除姿勢とに切換え可能とされている。
【0056】
第一係止体14b及び第二係止体14aは棒状体であって、一定距離を保って互いに平行に配されており、先端部で屈曲されてロック姿勢において両係止体14a及び14bの先端が同軸上にフロントパネル2から突出する構成とされている。上下縁部13、11には、フロントパネル2から突出する係止体14a及び14bの先端を係合可能な爪受け部13a、13b及び11a、11bがそれぞれ設けられている。
【0057】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係止体14aおよび14bの先端を挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。さらに、左右同じ側の爪受け部(13aと11a、及び、13bと11b)が同軸上に形成されている。
【0058】
実際に連結体14cを操作する場合、ロック部材14はフロントパネル2の内側に配されているため、連結体14cに連動する回動つまみ20をフロントパネル2の外側に設け、この回動つまみ20を回すことで連結体14cの操作を行っている。
【0059】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、図4に示すように、ロック部材14を解除姿勢にした状態で、フロントパネル2を開口18の上縁部13と下縁部11との間に嵌め込む。
【0060】
ついで、図5に示すように、回動つまみ20を廻し、係止体14a及び14bの先端を突出させて、爪受け部13a、13b及び11a、11bに係合させる。このとき、回動つまみ20はロック姿勢において本体ケースの底面と平行になることが望ましい。回動つまみ20が底面と平行になることで外観的にすっきりした形状となる。
【0061】
フロントパネル2を本体ケース1から外す場合は、回動つまみ20を逆方向に廻し、ロック部材14の係止体14a及び14bの先端をパネル2内に没入させればよい。
【0062】
さらに、左右いずれか一方のロック部材14を解除姿勢とし、他方をロック姿勢とすれば、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能し、左右開き可能な空気調和機を得ることが可能となる。したがって、空気調和機の設置場所が限定されることがない。
【0063】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、図6(a)は後述するスライド棒の解除姿勢を示す側面図を、図6(b)はスライド棒をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図をそれぞれ示す。
【0064】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の左右両端部に、第2の実施形態におけるロック部材14と同じ構造を有するスライド棒16を設け、このスライド棒16のロック姿勢及び解除姿勢の切換えを電気的に行うようにした点が特徴とされ、その他の構成は第2の実施形態と同じとされている。
【0065】
すなわち、本実施形態におけるパネル開放装置は、第2の実施形態におけるロック部材14と同じ構成であって、一方の係止体がフロントパネル2内で固定され、他方の係止体が上下にスライド可能とされたスライド棒16を備えており、このスライド棒16がフロントパネル2の上端面の左右2箇所に出没自在に取付けられている。
【0066】
開口上縁部13には、スライド棒16を挿入可能なロック用孔13a、13bが設けられており、このロック用孔13a、13bの上方にはスライド棒16の先端を吸引可能な円筒形の電磁石15が設置されている。また、フロントパネル2の下端面には、係止爪10a、10bが設けられており、開口下縁部11には、係止爪受け部11a、11bが設けられている。
【0067】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。
【0068】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、先ず、係止爪10a、10bを係止爪受け部11a、11bに係止し、フロントパネル2を回動して本体ケース1に取付け位置にセットする。このとき、スイッチ19により電磁石15に通電され、磁力によってスライド棒16が電磁石15に引き寄せられてロック姿勢となる。
【0069】
フロントパネル2を本体ケース1から取り外すときは別のスイッチにより非通電とし、スライド棒16が重力によって落下することで解除姿勢とする構成とされている。
【0070】
左右2つある電磁石15のうち、一方のみを非通電として第二係止体14を落下させると、フロントパネル2は、上記実施の形態2と同じように他方の端を中心として回動するため、フィルター9等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0071】
フロントパネル2を空気調和機1より取り外す場合には、左右の電磁石15を両方とも非通電の状態とすればよい。なお、本実施の形態においては、電磁石は円筒形の構造のものを使用しているが、同様の作用する構造であればどのような形でも良い。
【0072】
また、本実施形態においては、本体ケース1側に電磁石15、フロントパネル2側にスライド棒16を設置しているが、本体ケース1側に双方を設置し、電磁石通電時にフロントパネル2を開放する機構も考えられる。フロントパネル2を開放する場合にのみ、電磁石15の磁力を活用することで電気的にも省電力が実現できる。
【0073】
この場合は、図7に示すように、本体ケース1内の左右両端部に、電磁石15と電磁石15に吸着されるスライド棒16を設置する。このスライド棒16は棒状で、上部16aに比べて下部16bが細く形成されており、上部16aと下部16bとの境界には段差16cが形成されている。
【0074】
一方、フロントパネル2の上端面には、スライド棒16の下部が挿通可能な穴21が形成されている。フロントパネル2の開放時には、電磁石15は通電状態とされ、スライド棒16が上方に引き上げられているが、フロントパネル2を本体ケース1に取り付けると、電磁石15が非通電状態となり、スライド棒16は重力にしたがって落下する。
【0075】
このとき、スライド棒16は、下部16bが穴21に係合し、段差16cが開口上縁部13に接触することによって落下が停止する。このように、スライド棒16が穴21に係合することでフロントパネル2が外れないような構成とされている。フィルター清掃時には、電磁石15に通電することによってスライド棒16が本体ケース1内に引き上げられ、フロントパネル2は開放される。
【0076】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図8(a)はフロントパネルを開放した状態の空気調和機の側面図を、図8(b)はフロントパネルを閉じた状態の空気調和機の側面図をそれぞれ示す。
【0077】
本実施形態においては、フロントパネル2を空気調和機の前方あるいは横方向に外すのではなく、フロントパネル2を上方に引き上げて開放するパネル開放装置が用いられている点が特徴とされており、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0078】
すなわち、本実施形態におけるパネル開放装置は、本体ケースの左右両側面の内壁に、上下に回動可能に設けられたアーム17a、17bを備えている。そして、アーム17a、17bの先端は、フロントパネル2の内壁に回動自在に取付けられている。アーム17a、17bは互いに平行に配されており、両者はリンク機構を構成している。
【0079】
上記構成の空気調和機にフロントパネル2を本体ケース1に取付けた状態ではアーム17a、17bは本体ケース1内に隠れた状態となり、美観に優れるという利点を有する。
【0080】
フロントパネル2を開放する場合には、フロントパネル2は本体ケース1に取付けられてたときと同じ姿勢で上方にスライドしながら引き上げられる。したがって、狭い場所でもフロントパネル2を容易に開放することが可能となる。
【0081】
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図である。本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の下端面に設けられた係合爪10a、10bと、開口の下縁部11に設けられた爪受け部11a、11bとを備え、係合爪10a、10bのまわりにフロントパネル2を開口上縁部13側に付勢するコイルスプリング25が設けられた点が特徴とされ、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0082】
本実施形態におけるパネル開放装置は、上述のごとく、フロントパネル2の下端面に設けられた係合爪10a、10bと、開口の下縁部11に設けられた爪受け部11a、11bとを備えており、フロントパネル2の上端面及び開口上縁部13には、パネル上端面を開口上縁部13に係止するための係止手段として、左右一対の係止爪12a、12b及び係止爪受け部13a、13bがそれぞれ設けられている。
【0083】
なお、係止爪受け部13a、13b及び爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係止爪12a、12b及び係合爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。
【0084】
フロントパネル2は、係合爪10a、10bを除いて、係止爪12a、12bとパネルとを合わせた長さが、上下縁部13、11間の距離よりも短く形成されており、かつ係合爪10a、10bまで合わせたパネル上下長さが、上下縁部13、11間の距離よりも長くなるように形成されている。
【0085】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合、先ず、係合爪10a、10bを爪受け部11a、11bに係合させ、パネル2を爪受け部11a、11b側に押し付けながらパネル上端面の係止爪12a、12bを係止爪受け部13a、13bに合わせる。
【0086】
このとき、コイルスプリング25は圧縮された状態になっているため、手を離すとスプリング25の復元力によってフロントパネル2は押し上げられ、係止爪12a、12bが係止爪受け部13a、13bに係止される。
【0087】
以上の操作により、フロントパネル2は本体ケース1に確実に固定され、しかもパネル上端面と開口上縁部13とは隙間なく密着した状態となるため、外観がきれいに仕上がるという効果を奏する。
【0088】
フロントパネル2を取り外す場合には、フロントパネル2を押し下げ、係止爪12a、12bを係止爪受け部13a、13bから脱離させた状態でパネル上端面を手前に引き出せばよい。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、本体ケースあるいはパネルの左右両端部に、パネルを本体ケースにロックするロック部材を設け、一方のロック部材を解除したときに、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能するようにしたので、パネルを確実に固定することができ、何らかの衝撃が加わっても容易にはずれることがなく、しかも、左右いずれの側からでもパネルを開閉可能であるとともに、両方のロック部材を解除すれば、パネルを完全に取り外すことも容易となる。
【0090】
また、弾性を有する係合爪と、係合爪を係合可能な爪受け部とを用いて、パネルと本体ケースとを係合させるようにすれば、パネルを開放するためには、パネルを引っ張りながら係合爪を撓ませつつ、爪受け部から離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネルが外れるおそれはない。
【0091】
さらに、本体ケースの左右両側部に上下に回動可能なアームを設け、パネルを前記アームに連結すれば、パネル(アーム)を回動してはじめてパネルが開放されるため、不用意にパネルが外れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機を示す斜視図
【図2】上記空気調和機の側面断面図
【図3】第1の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図
【図4】第2の実施形態を示す図であり、図4(a)はロック部材を解除姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図4(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【図5】第2の実施形態を示す図であり、図5(a)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図5(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【図6】第3の実施形態を示す図であり、図6(a)は解除姿勢におけるロック部材の状態を示す側面図を、図6(b)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図をそれぞれ示す。
【図7】第3の実施形態における別の態様を示す要部拡大図
【図8】第4の実施形態を示す空気調和機の側面図
【図9】第5の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図
【符号の説明】
1 本体ケース
2 フロントパネル
3 ファン
4 モータ
5 熱交換器
6 空気吹出し口
7 空気吸込み口
8 風向調節板
9 エアーフィルター
10a、10b 係止爪
11 開口下縁部
11a、11b 係止爪受け部
12a、12b 係合爪
13 開口上縁部
13a、13b 爪受け部
14 ロック部材
14a、14b 係止体
14c 連結体
15 電磁石
16 スライド棒
17 アーム
18 開口
19 スイッチ
20 回動つまみ
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体ケースとパネルとを備えた電気機器のパネル開放装置に関するものであり、特に、パネル内側の本体ケース内に配置されたエアーフィルターを備えた縦型床置式のクーラー、ヒーター、空気調和機、空気清浄機、加湿機、除湿機等の空気調節装置に好適に適用することができ、エアーフィルターを容易に取り出すことが可能な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調節装置として代表的な縦型床置空気調和機の構造は、図1及び2に示すように、下部にあるフロントパネル2の内側に配置されたファン3がモータ4の駆動により回転することによって、フロントパネル2から吸い込まれた室内空気は、ファン3上方にある熱交換器5にて冷却又は加熱され、空気調和機上部に設けられた空気吹出口6から再び室内に吹き出される。空気吹出し時には、左右上下の風向調節装置8によって、部屋の隅々に吹き出される。
【0003】
ほとんどの場合、空気調和機の空気吸い込み口7はフロントパネル2あるいはフロントパネル2近傍に配設されており、フロントパネル2とファン3との間に空気中の塵埃を吸着するための、繊維メッシュで構成されたエアーフィルター9が配されている。
【0004】
この本体ケース1に内蔵されているエアーフィルター9を掃除するためには、フロントパネル2を外す作業を行うが、従来は、フロントパネル2に固着された図示しないマグネットと、本体ケース側に固着された板金部分との間にはたらく磁力により、フロントパネル2の脱落を防止していた。
【0005】
フロントパネル2の脱落を防止する他の手段としては、フロントパネル上部と本体側のフロントパネル上部とを紐(鎖状のもの)で結びつけ、かつ、本体ケース又はフロントパネルのいずれか一方に突起を設け、他方にこの突起に対応する凹部を設けて突起を凹部に嵌合させてフロントパネルの脱落を防止する方法も採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の空気調和機は、フロントパネル2が本体ケース1の下部にあり、且つその大きさも大きいため、例えば、近くにいる人がフロントパネル2に触れたり、当たったり、空気調和機の近傍で暴れると、磁石の保持力のみではフロントパネル2が容易に外れる問題が生じていた。
【0007】
また、工具なしではフロントパネルが外れないように、ビス等でフロントパネルを固定すると、人が当たったくらいでフロントパネルが外れることは無くなるが、フロントパネルの内部にあるエアーフィルターの汚れ具合を容易に確認出来なくなる。また、容易に清掃できなくなるため、空気調和機の性能の低下を招き、埃・塵がエアーフィルターを通過して空気吹出口より吹出して清潔性が損なわれるという問題が起こってくる。
【0008】
フロントパネルの開閉構造として、磁力を用いる以外の先行技術としては、特開平11−83072号公報には、吸込パネルの開口部と係合し、開閉レバーを操作することにより、係合を解除できるロック手段を設けると共に、開閉レバーの操作を規制する安全保護手段を備えた空気調和機が記載されている。
【0009】
また、特開2001−182957号公報には、エアーフィルターの清掃作業性を良好にするために、フロントパネルを開閉機構を介して、下方に移動可能に支持する空気調和機が記載されている。
【0010】
さらにまた、特開2000−230727号公報には、開閉体の開度が所定の開度になると、開閉体及び本体の何れかに係合して、開き動作を停止させる係合部と開き度制限用ストッパを備え、開き度を制限する機構が記載されている。
【0011】
上述したように、磁力を用いる以外にパネルを本体ケースに開閉自在に取付けるための先行技術は存在するものの、最初の技術は構造が複雑であり、後の二つの技術はいずれも構造が縦置式の空気調和機への適用は難点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、エアーフィルターの清掃・交換時には容易にパネルを開放可能で、かつそれ以外の場合は何らかの衝撃が加わっても容易にはずれることのないパネル開放装置及び空気調節装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るパネル開放装置は、本体ケースあるいはパネルの左右両端部に、パネルを本体ケースにロックするロック部材を設け、一方のロック部材を解除したときに、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、左右のロック部材をそれぞれ操作することにより、左右いずれの側からでも開閉可能であるとともに、両方のロック部材を解除すれば、パネルを完全に取り外すことも容易となる。
【0015】
したがって、本体ケースの設置場所が限定されず、例えば、部屋のコーナー部に本体ケースを設置した場合には、壁側のロック部材を解除して壁と反対側にパネルを回動させればよい。また、周りが家具で囲まれてパネルを回動させるスペースがない場合には、左右のロック部材を両方解除して、パネルを取り外すようにすればよい。
【0016】
いずれの場合でも、パネルの開放が容易で、エアーフィルターの清掃・交換を簡単に行うことができる。また、左右ロック部材をロックすれば、パネルを本体ケースに確実に固定することが可能となり、なんらかの衝撃で不用意にパネルが外れることを防止することが可能となる。
【0017】
ロック部材としては、例えば、本体ケースに上下スライド可能なかんぬきを設け、パネルにかんぬきを挿入可能なロック用孔を設けておき、本体ケースにパネルを取付けた状態でかんぬきをパネルのロック用孔に挿入してロックし、かんぬきをロック用孔から引き抜くことで解除する構成を採用することが可能である。
【0018】
また、パネルの左右両端部に、上下方向に伸縮可能なロック部材を設け、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能としてもよい。
【0019】
この場合、ロック部材の伸縮する具体的な態様として、ロック姿勢に切換えるときに、上方向に移動する第一係止体及び下方向に移動する第二係止体と、両係止体を連結する連結体とを備え、連結体が前記両係止体に回動可能に支持され、連結体を回してロック姿勢と解除姿勢とに切換えるような構成が例示できる。
【0020】
この構成によると、連結体の回動により、両係止体がパネルの上下端部から上下外方向に突出するロック姿勢と、パネルの上下端部から内側に没入する解除姿勢とに切換えることができる。
【0021】
なお、ロック部材の伸縮する別な態様としてロック部材を、二重筒構造とし、外筒に対して内筒をスライド自在に設けた構成や、外筒の内壁と内筒の外壁とに螺合手段を設けて内外筒を回転させて伸縮させる構成が例示できる。
【0022】
ロック部材は、手動で操作してもよいが、上記係止体又は外筒若しくは内筒を吸引可能な電磁石を設け、ロック姿勢と解除姿勢との切換えを電気的に行うようにすれば、より操作性を向上させることが可能となる。
【0023】
ロック部材以外の手段を用いたパネル開放装置としては、本体ケースの下部に開閉自在に取付けられたパネルの開放装置において、本体ケースの左右両側部に上下に回動可能なアームを設け、パネルを前記アームに連結した構成のものを使用することもできる。
【0024】
上記構成によれば、パネルが本体ケースの下部に取り付けられており、パネル(アーム)を上方に引き上げてはじめてパネルが開放されるため、不用意にパネルが外れることはない。特に、アームとしてリンク機構を備えたものを使用すれば、パネルは一定の姿勢で上方にスライドしながら開放されるため、設置スペースが狭い場合でも、容易にエアーフィルターの清掃・交換を行うことができる。
【0025】
また、別の形態として、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの上端面又は下端面のいずれかに設けられた弾性を有する係合爪と、係合爪に対応する側の開口縁部に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成された構成を採用することもできる。
【0026】
上記構成のパネル開放装置においては、まず、係合爪を設けた端面とは反対側のパネル端面を、対応する開口縁部に取付けておき、ついで係合爪を設けた側のパネル端面を取付ける。このとき、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成されているため、開口縁部に接触して、撓みながら爪受け部に係合し、係合した後は復元力によってもとの形状に戻る。
【0027】
したがって、パネルを開放するためには、パネルを引っ張りながら係合爪を撓ませつつ、爪受け部から離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネルが外れるおそれはない。
【0028】
係合爪の素材としては、天然ゴム又はウレタンゴム等の合成ゴムのほかに、ポリプロピレンやポリアミドなどの軟質樹脂を使用することが可能であり、さらに柔軟な金属製バネ材を使用してもよい。ただし、金属材を使用する場合には、本体ケースを傷つけないように金属材表面を樹脂コーティングすることが望ましい。
【0029】
上記係合爪及び爪受け部が設けられたパネル端面及び開口縁部と反対側のパネル端面及び開口縁部には、パネル端面を開口縁部に係止する係止手段を設けるのが好ましい。
【0030】
係止手段としては、パネル端面を開口縁部に固定可能であれば特に限定はなく、例えば、パネル端面を嵌合可能とする嵌合溝を開口縁部に設け、パネル端面を嵌合溝に嵌合した状態でこのパネル端面を中心としてパネルを回動し、係合爪を爪受け部に係合するようにしてもよいし、パネル端面に係止爪を設け、開口縁部に係止爪受け部を設けた構成を採用することも可能である。なお、この場合、係止爪は弾性を有する素材に限定されることなく種々の素材を使用することが可能である。
【0031】
係止爪として弾性を有するものを使用する場合、すなわち、パネル上端面及び下端面に弾性を有する係合爪を設ける場合は、以下の構成とするのが好ましい。すなわち、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの左右両端部においてパネル上端面及び下端面に設けられた弾性を有する係合爪と、開口の上下両縁部に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成された構成とする。
【0032】
上記構成によれば、パネルの左右いずれか一側を引っ張ることにより、一側の係合爪(上端面及び下端面に形成された一対の係合爪)のみを爪受け部から離脱させることが可能となり、このとき、他側の係合爪がフロントパネルの回動軸として機能するため、簡単な構造でパネルの脱落を防止するとともに、左右開きが可能なパネル開放装置を得ることができる。
【0033】
上述した係合爪は、パネル端面に設けるほかに、開口縁部に設けることも可能である。すなわち、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記開口の上縁部又は下縁部のいずれかに設けられた弾性を有する係合爪と、係合爪に対応する側のパネル端面に設けられた、係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、係合爪は、係合爪の先端から相対する開口縁部までの距離が、パネルの上下方向長さよりも短くなるように形成された構成を採用することもできる。
【0034】
係合爪を用いた別の態様としては、開口を有する本体ケースと、開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、パネルの下端面に設けられた係合爪と、前記開口の下縁部に設けられた、係合爪を挿入可能な爪受け部とを備え、パネルは、係合爪を含めた上下方向長さが、上下縁部間の距離よりも長くなるように形成され、かつ、係合爪を爪受け部に最も深く挿し込んだときに、パネル上端面と開口上縁部との間に隙間が生じるように形成され、パネル下端面と開口下縁部との間に、パネルを開口上縁部に付勢する弾性体が設けられた構成を採用することも可能である。
【0035】
上記構成においては、先ず、パネル下端面に形成された係合爪を爪受け部に係合させ、パネルを爪受け部側に押し付けながらパネル上端面を開口上縁部に取付ける。手を離すと、弾性体の復元力によってパネルは開口上縁部に押し付けられて固定される。したがって、パネル上端面と開口上縁部とは隙間なく密着した状態となるため、外観がきれいに仕上がるという効果を奏する。
【0036】
なお、パネル上端面と開口上縁部には、前述のように、係止手段を設けるのが好ましく、これにより、パネルを本体ケースに確実に固定することが可能となる。上記パネル開放装置を開放する場合は、パネルを押し下げた状態でパネル上端面を手前に引き出せば容易に取り外すことができる。
【0037】
上記弾性体は、パネルを開口上縁部に付勢するものであればよいが、特に、弾性体としてコイルスプリングを用い、係合爪を囲むようにパネル下端面に設ければ、コイルスプリングは係合爪に沿って伸縮するため、コイルスプリングの折れ曲がりを効果的に防止することが可能となる。
【0038】
以上説明したところのパネル開放装置は、クーラー、ヒーター、空気調和機、空気清浄機、加湿機、除湿機等の空気調節装置に好適に適用することができ、これにより、エアーフィルターを容易に取り出すことが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に示す各実施形態においては、空気調節装置として縦型床置空気調和機を使用し、これに本発明に係るパネル開放装置を取付けた場合について説明する。
【0040】
[第1の実施形態]
図3は、本発明の第1の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図である。本実施形態においては、弾性を有する係合爪10a、10bが使用されている点が特徴とされ、その他の外観や概略構成は図1、2に示す従来の空気調和機と同じとされている。
【0041】
すなわち、図1及び2に示すように、空気調和機は、本体ケース1と、フロントパネル2と、本体ケース1内においてフロントパネル2の内側に配されるエアーフィルター9とを備えており、本体ケース1内に設置されたファン3によって空気吸込み口7から空気を吸込んで、熱交換器5で熱交換した後、空気吹出し口6から室内に空気を放出する構造とされている。
【0042】
本体ケース1の下部には開口18が形成されており、開口の上縁部13及び下縁部11が開口18から外側に突き出した形で形成され、この上縁部13と下縁部11との間にフロントパネル2を嵌め込んで本体ケース1に対して着脱自在に取付ける構造とされている。なお、図中、従来技術と同一の部品については同一の符号を付している。
【0043】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の上端面に形成された左右一対の弾性を有する係合爪12a、12bと、開口の上縁部13に形成された、係合爪12a、12bを係合可能な爪受け部13a、13bとを備えており、フロントパネル2の下端面及び開口下縁部11には、パネル下端面を開口下縁部11に係止するための係止手段として、左右一対の係止爪10a、10b及び係止爪受け部11a、11bがそれぞれ設けられている。
【0044】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。したがって、後述するように、撓みながら爪受け部13a、13bに係合した係合爪12a、12bは、復元力によって、穴の中でもとの形状に戻り、フロントパネル2の脱落を効果的に防止する。
【0045】
係合爪12a、12bは、係合爪12a、12bを含めたフロントパネル2の上下方向長さが、上縁部13と下縁部11の間の距離よりも長くなるように形成されている。
【0046】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、先ず、係止爪受け部11a、11bに係止爪10a、10bを挿入し、この係止爪受け部11a、11bを中心としてフロントパネル2を開口18側に押し込む。このとき、係合爪12a、12bは上縁部13に接触するが、弾性を有しているため、撓みながら爪受け部13a、13bに係合する。
【0047】
このようにして、爪受け部13a、13bに係合した係合爪12a、12bは、復元力によってもとの形状に戻る。したがって、パネルを開放するためには、フロントパネル2の上部を引っ張りながら係合爪12a、12bを撓ませつつ、爪受け部13a、13bから離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネル2が外れるおそれはない。
【0048】
本実施形態においては、係止爪10a、10bとして、硬質素材を使用しているが、係合爪12a、12bと同様に弾性を有する素材で形成することも可能である。この場合、パネル2の左右いずれか一側を引っ張ることにより、一側の係合爪(12aと10a又は12bと10b)のみを爪受け部(13aと11a又は13bと11b)から離脱させることが可能となる。
【0049】
このとき、左右同じ側の爪受け部(13aと11a、及び、13bと11b)を同軸上に形成しておけば、他側の係合爪がフロントパネル2の回動軸として機能するため、簡単な構造でフロントパネル2の脱落を防止するとともに、左右開きが可能となる。
【0050】
また、本実施形態においては、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bは、フロントパネル2の上下端面に形成しているが、これに限らず、係合爪及び係止爪と爪受け部及び係止爪受け部の形成位置を逆にすることも可能である。
【0051】
すなわち、係合爪及び係止爪を開口上下縁部13、11に設け、フロントパネル2の上下端面に爪受け部及び係止爪受け部をそれぞれ設けることができる。ただ、この場合には、係合爪はその先端から相対する開口縁部までの距離が、パネルの上下方向長さよりも短くなるように形成する。このような構成とすることで、フロントパネル2を本体ケース1に対して着脱自在とすることが可能となる。
【0052】
[第2の実施形態]
図4及び5は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図4(a)は後述するロック部材を解除姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図4(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。また、図5(a)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図5(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【0053】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の左右両端部に、上下方向に伸縮可能なロック部材が設けられた点が特徴とされ、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0054】
ロック部材14は、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換え可能な構成とされている。
【0055】
具体的には、ロック部材14は、ロック姿勢に切換えるときに、上方向に移動する第一係止体14b及び下方向に移動する第二係止体14aと、両係止体14a及び14bを連結する連結体14cとを備え、連結体14cが両係止体14a及び14bに回動可能に支持され、連結体14cを回してロック姿勢と解除姿勢とに切換え可能とされている。
【0056】
第一係止体14b及び第二係止体14aは棒状体であって、一定距離を保って互いに平行に配されており、先端部で屈曲されてロック姿勢において両係止体14a及び14bの先端が同軸上にフロントパネル2から突出する構成とされている。上下縁部13、11には、フロントパネル2から突出する係止体14a及び14bの先端を係合可能な爪受け部13a、13b及び11a、11bがそれぞれ設けられている。
【0057】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係止体14aおよび14bの先端を挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。さらに、左右同じ側の爪受け部(13aと11a、及び、13bと11b)が同軸上に形成されている。
【0058】
実際に連結体14cを操作する場合、ロック部材14はフロントパネル2の内側に配されているため、連結体14cに連動する回動つまみ20をフロントパネル2の外側に設け、この回動つまみ20を回すことで連結体14cの操作を行っている。
【0059】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、図4に示すように、ロック部材14を解除姿勢にした状態で、フロントパネル2を開口18の上縁部13と下縁部11との間に嵌め込む。
【0060】
ついで、図5に示すように、回動つまみ20を廻し、係止体14a及び14bの先端を突出させて、爪受け部13a、13b及び11a、11bに係合させる。このとき、回動つまみ20はロック姿勢において本体ケースの底面と平行になることが望ましい。回動つまみ20が底面と平行になることで外観的にすっきりした形状となる。
【0061】
フロントパネル2を本体ケース1から外す場合は、回動つまみ20を逆方向に廻し、ロック部材14の係止体14a及び14bの先端をパネル2内に没入させればよい。
【0062】
さらに、左右いずれか一方のロック部材14を解除姿勢とし、他方をロック姿勢とすれば、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能し、左右開き可能な空気調和機を得ることが可能となる。したがって、空気調和機の設置場所が限定されることがない。
【0063】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、図6(a)は後述するスライド棒の解除姿勢を示す側面図を、図6(b)はスライド棒をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図をそれぞれ示す。
【0064】
本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の左右両端部に、第2の実施形態におけるロック部材14と同じ構造を有するスライド棒16を設け、このスライド棒16のロック姿勢及び解除姿勢の切換えを電気的に行うようにした点が特徴とされ、その他の構成は第2の実施形態と同じとされている。
【0065】
すなわち、本実施形態におけるパネル開放装置は、第2の実施形態におけるロック部材14と同じ構成であって、一方の係止体がフロントパネル2内で固定され、他方の係止体が上下にスライド可能とされたスライド棒16を備えており、このスライド棒16がフロントパネル2の上端面の左右2箇所に出没自在に取付けられている。
【0066】
開口上縁部13には、スライド棒16を挿入可能なロック用孔13a、13bが設けられており、このロック用孔13a、13bの上方にはスライド棒16の先端を吸引可能な円筒形の電磁石15が設置されている。また、フロントパネル2の下端面には、係止爪10a、10bが設けられており、開口下縁部11には、係止爪受け部11a、11bが設けられている。
【0067】
なお、爪受け部13a、13b及び係止爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係合爪12a、12b及び係止爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。
【0068】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合は、先ず、係止爪10a、10bを係止爪受け部11a、11bに係止し、フロントパネル2を回動して本体ケース1に取付け位置にセットする。このとき、スイッチ19により電磁石15に通電され、磁力によってスライド棒16が電磁石15に引き寄せられてロック姿勢となる。
【0069】
フロントパネル2を本体ケース1から取り外すときは別のスイッチにより非通電とし、スライド棒16が重力によって落下することで解除姿勢とする構成とされている。
【0070】
左右2つある電磁石15のうち、一方のみを非通電として第二係止体14を落下させると、フロントパネル2は、上記実施の形態2と同じように他方の端を中心として回動するため、フィルター9等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0071】
フロントパネル2を空気調和機1より取り外す場合には、左右の電磁石15を両方とも非通電の状態とすればよい。なお、本実施の形態においては、電磁石は円筒形の構造のものを使用しているが、同様の作用する構造であればどのような形でも良い。
【0072】
また、本実施形態においては、本体ケース1側に電磁石15、フロントパネル2側にスライド棒16を設置しているが、本体ケース1側に双方を設置し、電磁石通電時にフロントパネル2を開放する機構も考えられる。フロントパネル2を開放する場合にのみ、電磁石15の磁力を活用することで電気的にも省電力が実現できる。
【0073】
この場合は、図7に示すように、本体ケース1内の左右両端部に、電磁石15と電磁石15に吸着されるスライド棒16を設置する。このスライド棒16は棒状で、上部16aに比べて下部16bが細く形成されており、上部16aと下部16bとの境界には段差16cが形成されている。
【0074】
一方、フロントパネル2の上端面には、スライド棒16の下部が挿通可能な穴21が形成されている。フロントパネル2の開放時には、電磁石15は通電状態とされ、スライド棒16が上方に引き上げられているが、フロントパネル2を本体ケース1に取り付けると、電磁石15が非通電状態となり、スライド棒16は重力にしたがって落下する。
【0075】
このとき、スライド棒16は、下部16bが穴21に係合し、段差16cが開口上縁部13に接触することによって落下が停止する。このように、スライド棒16が穴21に係合することでフロントパネル2が外れないような構成とされている。フィルター清掃時には、電磁石15に通電することによってスライド棒16が本体ケース1内に引き上げられ、フロントパネル2は開放される。
【0076】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図8(a)はフロントパネルを開放した状態の空気調和機の側面図を、図8(b)はフロントパネルを閉じた状態の空気調和機の側面図をそれぞれ示す。
【0077】
本実施形態においては、フロントパネル2を空気調和機の前方あるいは横方向に外すのではなく、フロントパネル2を上方に引き上げて開放するパネル開放装置が用いられている点が特徴とされており、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0078】
すなわち、本実施形態におけるパネル開放装置は、本体ケースの左右両側面の内壁に、上下に回動可能に設けられたアーム17a、17bを備えている。そして、アーム17a、17bの先端は、フロントパネル2の内壁に回動自在に取付けられている。アーム17a、17bは互いに平行に配されており、両者はリンク機構を構成している。
【0079】
上記構成の空気調和機にフロントパネル2を本体ケース1に取付けた状態ではアーム17a、17bは本体ケース1内に隠れた状態となり、美観に優れるという利点を有する。
【0080】
フロントパネル2を開放する場合には、フロントパネル2は本体ケース1に取付けられてたときと同じ姿勢で上方にスライドしながら引き上げられる。したがって、狭い場所でもフロントパネル2を容易に開放することが可能となる。
【0081】
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図である。本実施形態においては、パネル開放装置として、フロントパネル2の下端面に設けられた係合爪10a、10bと、開口の下縁部11に設けられた爪受け部11a、11bとを備え、係合爪10a、10bのまわりにフロントパネル2を開口上縁部13側に付勢するコイルスプリング25が設けられた点が特徴とされ、その他の構成は第1の実施形態と同じとされている。
【0082】
本実施形態におけるパネル開放装置は、上述のごとく、フロントパネル2の下端面に設けられた係合爪10a、10bと、開口の下縁部11に設けられた爪受け部11a、11bとを備えており、フロントパネル2の上端面及び開口上縁部13には、パネル上端面を開口上縁部13に係止するための係止手段として、左右一対の係止爪12a、12b及び係止爪受け部13a、13bがそれぞれ設けられている。
【0083】
なお、係止爪受け部13a、13b及び爪受け部11a、11bとしては、第1の実施形態と同様に、係止爪12a、12b及び係合爪10a、10bを挿入可能な大きさで、開口上下縁部13、11をそれぞれ上下に貫通する穴が用いられている。
【0084】
フロントパネル2は、係合爪10a、10bを除いて、係止爪12a、12bとパネルとを合わせた長さが、上下縁部13、11間の距離よりも短く形成されており、かつ係合爪10a、10bまで合わせたパネル上下長さが、上下縁部13、11間の距離よりも長くなるように形成されている。
【0085】
上記構成の空気調和機において、フロントパネル2を取付ける場合、先ず、係合爪10a、10bを爪受け部11a、11bに係合させ、パネル2を爪受け部11a、11b側に押し付けながらパネル上端面の係止爪12a、12bを係止爪受け部13a、13bに合わせる。
【0086】
このとき、コイルスプリング25は圧縮された状態になっているため、手を離すとスプリング25の復元力によってフロントパネル2は押し上げられ、係止爪12a、12bが係止爪受け部13a、13bに係止される。
【0087】
以上の操作により、フロントパネル2は本体ケース1に確実に固定され、しかもパネル上端面と開口上縁部13とは隙間なく密着した状態となるため、外観がきれいに仕上がるという効果を奏する。
【0088】
フロントパネル2を取り外す場合には、フロントパネル2を押し下げ、係止爪12a、12bを係止爪受け部13a、13bから脱離させた状態でパネル上端面を手前に引き出せばよい。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、本体ケースあるいはパネルの左右両端部に、パネルを本体ケースにロックするロック部材を設け、一方のロック部材を解除したときに、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能するようにしたので、パネルを確実に固定することができ、何らかの衝撃が加わっても容易にはずれることがなく、しかも、左右いずれの側からでもパネルを開閉可能であるとともに、両方のロック部材を解除すれば、パネルを完全に取り外すことも容易となる。
【0090】
また、弾性を有する係合爪と、係合爪を係合可能な爪受け部とを用いて、パネルと本体ケースとを係合させるようにすれば、パネルを開放するためには、パネルを引っ張りながら係合爪を撓ませつつ、爪受け部から離脱させることが必要となるため、瞬間的に何らかの衝撃が加わった程度ではパネルが外れるおそれはない。
【0091】
さらに、本体ケースの左右両側部に上下に回動可能なアームを設け、パネルを前記アームに連結すれば、パネル(アーム)を回動してはじめてパネルが開放されるため、不用意にパネルが外れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機を示す斜視図
【図2】上記空気調和機の側面断面図
【図3】第1の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図
【図4】第2の実施形態を示す図であり、図4(a)はロック部材を解除姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図4(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【図5】第2の実施形態を示す図であり、図5(a)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図を、図5(b)はそのときのフロントパネルの側面図をそれぞれ示す。
【図6】第3の実施形態を示す図であり、図6(a)は解除姿勢におけるロック部材の状態を示す側面図を、図6(b)はロック部材をロック姿勢にしたときのフロントパネルの側面断面図をそれぞれ示す。
【図7】第3の実施形態における別の態様を示す要部拡大図
【図8】第4の実施形態を示す空気調和機の側面図
【図9】第5の実施形態を示す空気調和機の分解斜視図
【符号の説明】
1 本体ケース
2 フロントパネル
3 ファン
4 モータ
5 熱交換器
6 空気吹出し口
7 空気吸込み口
8 風向調節板
9 エアーフィルター
10a、10b 係止爪
11 開口下縁部
11a、11b 係止爪受け部
12a、12b 係合爪
13 開口上縁部
13a、13b 爪受け部
14 ロック部材
14a、14b 係止体
14c 連結体
15 電磁石
16 スライド棒
17 アーム
18 開口
19 スイッチ
20 回動つまみ
Claims (9)
- 本体ケースに対して開閉自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記パネルが、左右いずれの側からでも開閉可能とされたことを特徴とするパネル開放装置。
- 前記本体ケースあるいはパネルの左右両端部に、パネルを本体ケースにロックするロック部材が設けられ、一方のロック部材を解除したときに、他方のロック部材が、パネルの回動軸として機能することを特徴とする請求項1記載のパネル開放装置。
- 前記ロック部材は、前記パネルの左右両端部に、上下方向に伸縮可能に設けられ、伸ばした状態でパネルの上端面及び下端面から突出するロック姿勢と、縮めた状態でパネル内に没入する解除姿勢とに切換えられることを特徴とする請求項2記載のパネル開放装置。
- 前記ロック部材は、ロック姿勢に切換えるときに上方向に移動する第一係止体及び下方向に移動する第二係止体と、前記両係止体を連結する連結体とを備え、前記連結体が前記両係止体に回動可能に支持され、前記連結体を回してロック姿勢と解除姿勢とに切換えることを特徴とする請求項3記載のパネル開放装置。
- 前記ロック部材のロック姿勢と解除姿勢との切換えを電気的に行うようにしたことを特徴とする請求項3又は4記載の空気調和機。
- 本体ケースの下部に開閉自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記本体ケースの左右両側部に前記パネルと本体ケースが上下に回動可能なアームによって連結され、前記パネルはアームの上回動による開姿勢と、下回動による閉姿勢とに切換自在とされたことを特徴とするパネル開放装置。
- 開口を有する本体ケースと、前記開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記パネルの左右両端部においてパネル上端面及び下端面に設けられた弾性を有する係合爪と、前記上下両縁部に設けられ、前記係合爪を係合可能な爪受け部とを備え、前記係合爪は、係合爪を含めたパネルの上下方向長さが、前記上下縁部間の距離よりも長くなるように形成され、左右いずれか一方の係合爪を爪受け部から離脱させたときに、他方の係合爪が、パネルの回動軸として機能することを特徴とするパネル開放装置。
- 開口を有する本体ケースと、前記開口の上縁部と下縁部との間に着脱自在に取付けられたパネルの開放装置において、前記パネルの下端面に設けられた係合爪と、前記開口の下縁部に設けられ、前記係合爪を挿入可能な爪受け部とを備え、前記パネルは、係合爪を含めた上下方向長さが、前記上下縁部間の距離よりも長くなるように形成され、かつ、係合爪を爪受け部に最も深く挿し込んだときに、パネル上端面と開口上縁部との間に隙間が生じるように形成され、前記パネル下端面と開口下縁部との間に、パネルを開口上縁部側に付勢する弾性体が設けられたことを特徴とするパネル開放装置。
- 本体ケースと、パネルと、パネルの内側に配置されたエアーフィルターとを備えた空気調節装置において、請求項1〜8のいずれかに記載されたパネル開放装置が用いられたことを特徴とする空気調節装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-08-29 JP JP2002251118A patent/JP2004092932A/ja active Pending
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