JP2004092879A - 静圧案内装置 - Google Patents

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Tanehiro Shinohara
篠原 種宏
Tetsuo Ichikizaki
市来崎 哲雄
Kazuto Nakamura
中村 和人
Seiji Horiuchi
堀内 聖二
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】静圧案内装置において、大幅な大型化、構造の複雑化、高コスト化を招くことなくテーブルを高精度で円滑に移動可能とする。
【解決手段】静圧案内装置12にて、ベッド11に左右一対のレール部21,22を形成する一方、テーブル13にこのレール部21,22に嵌合する左右一対のガイド部23,24を形成し、レール部21,22の上下の摺動面に対向するガイド部23,24の上下の摺動面に上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30を形成し、ガイド部23,24における下摺動面23c,24cを、先端側が上方に位置するように所定角度θだけ傾斜させる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マシニングセンタなどの工作機械において、テーブルを移動自在に支持する静圧案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マシニングセンタにおいて、ベッドにはテーブルがこのベッドの長手方向に沿って移動自在に支持されている。そして、このベッドにはテーブルを跨ぐように門形のコラムが設置されており、このコラムには水平なクロスレールが固定され、このクロスレールにサドルがテーブルの移動方向にほぼ直交する方向に移動自在に支持されている。そして、このサドルにラムが上下方向に沿って移動自在に支持されており、このラムの下端部に主軸ヘッドが装着されている。
【0003】
従って、主軸ヘッドに所定のアタッチメントを取付ける一方、テーブル上に被加工物を保持し、この状態でテーブルを送り移動しながら、サドル及びラムを上下左右に移動することで、アタッチメントによって被加工物に対して所定の加工が行われる。
【0004】
ところで、このマシニングセンタでは、各種の加工を高精度に行うためにベッドに対してテーブルを迅速に、且つ、精度良く支持する必要があり、テーブルは静圧案内装置によりベッドに移動自在に支持されている。
【0005】
図10に従来の静圧案内装置の概略、図11に従来の静圧案内装置におけるガイド部の変形状態を表す概略を示す。
【0006】
従来の静圧案内装置において、図10に示すように、ベッド001は、その上部に左右一対のレール部002,003が設けられており、この左右のレール部002,003は、上面から立ち上がって外方に向かって張り出すようなL字形状をなしている。一方、テーブル004は、その両側部に左右一対のガイド部005,006が設けられており、この左右のガイド部005,006はレール部002,003を外側から抱え込むようなコ字形状をなしている。また、各レール部002,003の上下の摺動面に対向する各ガイド部005,006の上下の摺動面にはそれぞれ上静圧ポケット007,008及び下静圧ポケット009,010が形成されている。そして、上静圧ポケット007,008及び下静圧ポケット009,010には、油圧供給ライン011、絞り012、供給ポンプ013、供給タンク014が接続されている。
【0007】
従って、供給ポンプ013を作動して供給タンク014の作動油を絞り012及び油圧供給ライン011を介して上静圧ポケット007,008及び下静圧ポケット009,010に供給する。このとき、テーブル004(被加工物を含む)の重量及び上静圧ポケット007,008に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット009,010に作用する上向きの圧力とをバランスさせる。すると、レール部002,003に対してガイド部005,006が非接触となってテーブル004に作用する上下方向の力がほとんどなくなり、テーブル004はベッド001に対して円滑に移動することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の静圧案内装置にあっては、ベッド001のレール部002,003に嵌合するテーブル004のガイド部005,006に上静圧ポケット007,008及び下静圧ポケット009,010形成し、ここに油圧を供給して静圧を作用させることでテーブル004を円滑に移動可能としている。ところが、このテーブル004は左右のガイド部005,006がレール部002,003を抱え込むようにベッド001に支持されており、このガイド部005,006が片持ち状態となって剛性が不十分なものとなっている。
【0009】
そのため、ガイド部005,006の上静圧ポケット007,008及び下静圧ポケット009,010に所定の油圧を供給すると、図11に示すように、ガイド部006(005)が変形し、レール部003(002)の下摺動面に対向するガイド部006(005)の先端部が傾斜状態となる。すると、下静圧ポケット010(009)に供給された作動油が漏洩してしまい、テーブル004からベッド001に作用する下向きの圧力と上向きの圧力とのバランスが崩れ、テーブル004をベッド001に対して円滑に移動することができいという問題がある。
【0010】
なお、このような静圧案内装置としては、例えば、下記に記載した特許文献1、2に開示されたものがある。特許文献1の「すべり案内装置」では、上述した問題が発生し、特許文献2の「静圧案内装置」では、ガイド部の変形は抑制されるものの、大型化や構造の複雑化、高コスト化を招いてしまう。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−277350号公報
【特許文献2】
特開2000−074065号公報
【0012】
本発明はこのような問題を解決するものであって、大幅な大型化、構造の複雑化、高コスト化を招くことなくテーブルを高精度で円滑に移動可能とした静圧案内装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の静圧案内装置は、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットが設けられた静圧案内装置において、前記レール部の下方に対向する前記ガイド部の摺動面を、先端側が上方に位置するように傾斜させたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2の発明の静圧案内装置では、前記左右のレール部はベッドの中心から外方に向かって張り出し、前記ガイド部は該レール部を外側から抱え込むようにコ字形状をなし、該ガイド部の先端部を上方に傾斜させたことを特徴としている。
【0015】
また、請求項3の発明の静圧案内装置は、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットの中心部分に膨出部を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項4の発明の静圧案内装置では、前記静圧ポケットは、外周面に沿って形成された流体貯留溝の内側に前記膨出部が形成されたことを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明の静圧案内装置では、前記膨出部と前記レール部との距離を、前記ガイド部と前記レール部との距離よりも大きく、且つ、前記静圧ポケットと前記レール部との距離よりも小さく設定したことを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明の静圧案内装置では、前記膨出部における前記レール部との対向面を凹凸形状としたことを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明の静圧案内装置では、前記膨出部は、前記静圧ポケット内に移動自在に支持されたことを特徴としている。
【0020】
また、請求項8の発明の静圧案内装置は、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットを一区画に3つ以上設けたことを特徴とするものである。
【0021】
更に、請求項9の発明の静圧案内装置は、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットを、前記レール部と前記ガイド部が嵌合する上下の摺動部及び左右の摺動部に設けたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1に本発明の第1実施形態に係る静圧案内装置を表すテーブルの断面、図2に第1実施形態の静圧案内装置が適用されたマシニングセンタの要部断面、図3に本実施形態の静圧案内装置が適用されたマシニングセンタの概略を示す。
【0024】
第1実施形態の静圧案内装置が適用されたマシニングセンタにおいて、図3に示すように、ベッド11上には静圧案内装置12を介してテーブル13がベッド11の長手方向に沿って移動自在に支持されており、このテーブル13上に図示しない被加工物を固定することができる。このベッド11にはテーブル13を跨ぐように門形をなすコラム14が設置されており、このコラム14には水平なクロスレール15が固定され、このクロスレール15の前面には一対のガイド16を介してサドル17がテーブル13の移動方向にほぼ直交する水平方向に沿って移動自在に支持されている。そして、このサドル17にラム18が上下方向に沿って移動自在に支持されており、このラム18の下端部に主軸ヘッド19が装着され、この主軸ヘッド19にアタッチメントAが着脱可能となっている。
【0025】
従って、このマシニングセンタを用いて所定の加工を行うには、主軸ヘッド19に所定のアタッチメント20を取付ける一方、テーブル13上に被加工物を固定する。この状態でテーブル13を送り移動しながら、サドル17及びラム18を上下左右に移動することで、主軸ヘッド19に装着されたアタッチメント20に切り込みを与え、被加工物を所定形状に加工することができる。
【0026】
このように構成されたマシニングセンタでは、ベッド11に対してテーブル13を高速で精度良く移動支持する必要があり、このテーブル13は静圧案内装置12によりベッド11に移動自在に支持されている。
【0027】
即ち、この静圧案内装置12において、図1乃至図3に示すように、ベッド11は、その上部に左右一対のレール部21,22が設けられており、この左右のレール部21,22は、上面から立ち上がって外方に向かって張り出すようなL字形状をなしている。一方、テーブル13は、その両側部に左右一対のガイド部23,24が設けられており、この左右のガイド部23,24はレール部21,22を外側から抱え込むようなコ字形状をなしている。そして、左右のガイド部23,24が左右のレール部21,22に嵌合することで、テーブル13はベッド11に移動自在となっている。
【0028】
この左右のガイド部23,24はほぼ左右対称であり、各ガイド部23,24は、テーブル13の側部が下方にほぼ直角に折曲したガイド基部23a,24aと、このガイド基部23a,24aの下面にボルト25,26により固定されたガイド先端部23b,24bとから構成されている。
【0029】
また、左右レール部21,22の上下の摺動面に対向する各ガイド部23,24の上下の摺動面にはそれぞれ上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30が形成されている。そして、テーブル13にはこの上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に外部から連通する油圧供給孔31〜34が形成されており、この油圧供給孔31〜34には、それぞれ独立した油圧供給ライン35、絞り36、供給ポンプ37、供給タンク38が接続されている。
【0030】
更に、このテーブル13にて、各ガイド部23,24はガイド先端部23b,24bが予め上方に傾斜した状態で固定されている。即ち、ベッド11のレール部21,22の下摺動面21a,22aに対向するガイド部23,24の摺動面23c,24cは、先端側が上方に位置するように所定角度θだけ傾斜している。
【0031】
そして、ベッド11のレール部21,22に、テーブル13のガイド部23,24を嵌合して両者を組み付けると、ガイド先端部23b,24bが傾斜しているため、レール部21,22の下摺動面21a,22aとこの摺動面23c,24cが平行状態とならない。ところが、テーブル13の上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に油圧を供給すると、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力によりガイド先端部23b,24bが下方に変形することで、レール部21,22の下摺動面21a,22aとガイド部23,24の摺動面23c,24cとが平行状態となる。即ち、ベッド11にテーブル13を組み付けた状態で、上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に油圧を供給したときに、ガイド先端部23b,24bが変形するその変形量(変形角度)を予め把握し、ガイド部23,24の摺動面23c,24cの傾斜角度θを、このガイド先端部23b,24bの変形量に応じて設定している。
【0032】
従って、供給ポンプ37を作動して供給タンク38の作動油を絞り36及び油圧供給ライン35を介して上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に供給し、図示しない被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット27,28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力とをバランスさせる。すると、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力によりガイド先端部23b,24bが下方に変形し、レール部21,22の下摺動面21a,22aとガイド部23,24の摺動面23c,24cとが平行状態となると共に、レール部21,22に対してガイド部23,24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなり、テーブル13はベッド11に対して円滑に移動することができる。
【0033】
このように第1実施形態の静圧案内装置12にあっては、ベッド11に左右一対のレール部21,22を形成する一方、テーブル13にこのレール部21,22に嵌合する左右一対のガイド部23,24を形成し、レール部21,22の上下の摺動面に対向するガイド部23,24の上下の摺動面に上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30を形成し、ガイド部23,24における下摺動面23c,24cを、先端側が上方に位置するように所定角度θだけ傾斜させている。
【0034】
従って、ベッド11のレール部21,22にテーブル13のガイド部23,24を嵌合して両者を組み付け、上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に油圧を供給すると、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力によりガイド先端部23b,24bが下方に変形することで、レール部21,22の下摺動面21a,22aとガイド部23,24の摺動面23c,24cとが平行状態となる。そのため、テーブル13の重量及び上静圧ポケット27,28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力とをバランスさせると、レール部21,22に対してガイド部23,24が非接触となり、テーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなり、テーブル13をベッド11に対して円滑に移動することができる。
【0035】
図4に本発明の第2実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面、図5に図4のIV−IV断面、図6に本発明の第3実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面、図7に本発明の第4実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面、図8に本発明の第5実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面、図9に本発明の第6実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0036】
図4及び図5に示すように、第2実施形態の静圧案内装置41において、ベッド11のレール部22に対してテーブル13のガイド部24が嵌合しており、各ガイド部24の上下の摺動面には、レール部22の上下の摺動面に対向して上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30が前後方向に沿って2つ形成されている。
【0037】
この静圧案内装置41では、作動油を上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に供給し、ベッドのレール部22とテーブル13のガイド部23との間に静圧を作用させた状態で、テーブル13をベッド11に対して移動する場合、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30と油圧供給孔32,34と絞り36までの油圧供給ライン35とを合わせた容積が小さい程、その応答性がよい。
【0038】
そこで、本実施形態では、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に、その中央部(中心部分)に膨出部42,43を一体に設け、この膨出部42,43の中央部に油圧供給孔32,34を連通している。即ち、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30は矩形の立体形をなし、その外周面に沿って作動油貯留溝(流体貯留溝)44,45が全周にわたって形成され、その内側に膨出部42,43が形成されている。そして、この膨出部42,43の平面部とレール部22との距離を、ガイド部24とレール部22との距離よりも大きく、且つ、作動油貯留溝44,45(上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30)とレール部22との距離よりも小さく設定している。
【0039】
なお、図4及び図5では、ベッド11及びテーブル13の右側のみ図示しているが、右側、つまり、レール部、ガイド部、上静圧ポケット及び下静圧ポケット、油圧供給孔などは同様の構成となっており、左側の上静圧ポケット及び下静圧ポケットにも、膨出部42,43や作動油貯留溝が形成されている。
【0040】
従って、油圧供給ライン35を通して上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に油圧を供給し、被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット30に作用する上向きの圧力とをバランスさせると、レール部22に対してガイド部24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなる。この場合、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に膨出部42,43が位置しているため、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30の容積が減少している。そのため、テーブル13をベッド11に対して移動させるときの応答性が向上し、テーブル13の停止時や反転動作時にこのテーブル13が傾斜せずに姿勢が安定するため、テーブル13を円滑に、且つ、高精度に移動することができる。
【0041】
図6に示すように、第3実施形態の静圧案内装置51において、ベッド11のレール部22に対してテーブル13のガイド部24が嵌合し、ガイド部24の上下の摺動面に上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30が形成されている。そして、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30にその中央部に位置して膨出部52,53が設けられており、その外周部に作動油貯留溝54,55が全周にわたって形成されるとと共に、膨出部52,53におけるレール部22の対向面が凹凸部56,57が形成されている。
【0042】
従って、油圧供給ライン35を通して上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に油圧を供給し、被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット30に作用する上向きの圧力とをバランスさせると、レール部22に対してガイド部24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなる。この場合、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に膨出部52,53が位置し、この膨出部52,53に凹凸部56,57が形成されている。そのため、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30の容積が減少し、且つ、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30での動圧を抑制され、テーブル13をベッド11に対して移動させるときの応答性が向上し、テーブル13を円滑に、且つ、高精度に移動することができる。
【0043】
図7に示すように、第4実施形態の静圧案内装置61において、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に矩形の立体形状をなす膨出部62,63を別体に設け、複数の支持部材64,65により浮遊自在に支持している。
【0044】
従って、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に油圧を供給し、被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット30に作用する上向きの圧力とをバランスさせると、レール部22に対してガイド部24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなる。この場合、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30に膨出部62,63が浮遊自在に位置しているため、上静圧ポケット28及び下静圧ポケット30の容積が減少し、テーブル13をベッド11に対して移動させるときの応答性が向上し、テーブル13を円滑に、且つ、高精度に移動することができる。
【0045】
図8に示すように、第5実施形態の静圧案内装置71において、ベッド11のレール部22に対してテーブル13のガイド部24が嵌合しており、ガイド部24の上下の摺動面に上静圧ポケット72及び下静圧ポケット73が4つ並んで形成されている。そして、各上静圧ポケット72及び各下静圧ポケット73にはそれぞれ対応した絞り74,75を介して油圧供給ライン76,77が接続されている。
【0046】
従って、油圧供給ライン76,77を通して上静圧ポケット72及び下静圧ポケット73に油圧を供給し、被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット72に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット73に作用する上向きの圧力とをバランスさせると、レール部22に対してガイド部24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向の力がほとんどなくなる。この場合、一つのガイド部24に4つの上静圧ポケット72及び下静圧ポケット73が形成されているため、レール部22とガイド部24との間では水平方向にほぼ均一な静圧が作用することとなり、テーブル13のモーメント剛性が向上し、テーブル13を円滑に、且つ、高精度に移動することができる。
【0047】
図9に示すように、第6実施形態の静圧案内装置81において、ベッド11のレール部21,22に対してテーブル13のガイド部23,24が嵌合しており、各ガイド部23,24の上下の摺動面には、レール部21,22の上下の摺動面に対向して上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30が形成されている。また、各ガイド部23,24の左右の摺動面には、レール部2122の左右の摺動面に対向して左静圧ポケット82,83及び右静圧ポケット84,85が形成されている。
【0048】
従って、上静圧ポケット27,28及び下静圧ポケット29,30に油圧を供給すると共に、左静圧ポケット82,83及び右静圧ポケット84,85に油圧を供給し、被加工物を含むテーブル13の重量及び上静圧ポケット27,28に作用する下向きの圧力と、下静圧ポケット29,30に作用する上向きの圧力とをバランスさせると共に、左静圧ポケット82,83に作用する右向きの圧力と、右静圧ポケット84,85に作用する左向きの圧力とをバランスさせると、レール部21,22に対してガイド部23,24が非接触となってテーブル13に作用する上下方向及び左右方向の力がほとんどなくなり、テーブル13を円滑に、且つ、高精度に移動することができる。
【0049】
なお、本発明の静圧案内装置について、複数の実施形態を用いて説明したが、各実施形態を単独で構成するだけでなく、複数組み合わせて構成してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の静圧案内装置によれば、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部を嵌合し、レール部とガイド部との対向面に静圧ポケットを設け、レール部の下方に対向するガイド部の摺動面を、先端側が上方に位置するように傾斜させたので、ベッドのレール部にテーブルのガイド部を嵌合した組付状態で、静圧ポケットに作動流体を供給すると、その圧力によりガイド部の先端側が下方に変形することで、レール部とガイド部とが平行状態となり、静圧ポケットに作用する上下方向の圧力をバランスさせると、レール部に対してガイド部が非接触となってテーブルに作用する上下方向の力がほとんどなくなり、大幅な大型化、構造の複雑化、高コスト化を招くことなくテーブルを高精度で円滑に移動することが可能となる。
【0051】
請求項2の発明の静圧案内装置によれば、左右のレール部がベッドの中心から外方に向かって張り出し、ガイド部がレール部を外側から抱え込むようにコ字形状をなし、ガイド部の先端部を上方に傾斜させたので、簡単な構成でテーブルを高精度で円滑に移動することが可能となる。
【0052】
また、請求項3の発明の静圧案内装置によれば、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部を嵌合し、レール部とガイド部との対向面に静圧ポケットを設け、この静圧ポケットの中心部分に膨出部を設けたので、静圧ポケットに作動流体を供給して上下方向の圧力をバランスさせると、レール部に対してガイド部が非接触となってテーブルに作用する上下方向の力がほとんどなくなり、このとき、静圧ポケットに膨出部が位置していて容積が減少しているため、テーブルをベッドに対して移動させるときの応答性が向上し、テーブルの停止時や反転動作時にこのテーブルが傾斜せずに姿勢が安定するため、テーブルを円滑に、且つ、高精度に移動することが可能となる。
【0053】
請求項4の発明の静圧案内装置によれば、静圧ポケットは、外周面に沿って形成された流体貯留溝の内側に膨出部が形成されたので、静圧ポケットの機能を損なうことなく静圧ポケットの容積を減少し、テーブルをベッドに対して移動させるときの応答性を向上することができる。
【0054】
請求項5の発明の静圧案内装置によれば、膨出部とレール部との距離を、ガイド部とレール部との距離よりも大きく、且つ、静圧ポケットとレール部との距離よりも小さく設定したので、静圧ポケットの機能を損なうことなく静圧ポケットの容積を最大限に減少し、テーブルをベッドに対して移動させるときの応答性を向上することができる。
【0055】
請求項6の発明の静圧案内装置によれば、膨出部におけるレール部との対向面を凹凸形状としたので、静圧ポケットの容積を減少すると共に動圧の発生を抑制し、テーブルをベッドに対して移動させるときの応答性を向上することができる。
【0056】
請求項7の発明の静圧案内装置によれば、膨出部を静圧ポケット内に移動自在に支持したので、膨出部を容易に形成してテーブルをベッドに対して移動させるときの応答性を向上することができる。
【0057】
また、請求項8の発明の静圧案内装置によれば、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部を嵌合し、レール部とガイド部との対向面に静圧ポケットを設け、この静圧ポケットを一区画に3つ以上設けたので、静圧ポケットに作動流体を供給して上下方向の圧力をバランスさせると、レール部に対してガイド部が非接触となってテーブルに作用する上下方向の力がほとんどなくなり、このとき、複数の静圧ポケットによりレール部とガイド部との間では水平方向にほぼ均一な静圧が作用することとなり、テーブルのモーメント剛性が向上し、テーブルを円滑に、且つ、高精度に移動することが可能となる。
【0058】
更に、請求項9の発明の静圧案内装置によれば、ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部を嵌合し、レール部とガイド部との対向面に静圧ポケットを設け、この静圧ポケットを、レール部とガイド部が嵌合する上下の摺動部及び左右の摺動部に設けたので、各静圧ポケットに作動流体を供給して上下方向及び左右方向の圧力をバランスさせると、レール部に対してガイド部が非接触となってテーブルに作用する上下方向及び左右方向の力がほとんどなくなり、テーブルをがたつくことなく円滑に、且つ、高精度に移動することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る静圧案内装置を表すテーブルの断面図である。
【図2】第1実施形態の静圧案内装置が適用されたマシニングセンタの要部断面図である。
【図3】本実施形態の静圧案内装置が適用されたマシニングセンタの概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面図である。
【図5】図4のIV−IV断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る静圧案内装置を表す要部断面図である。
【図10】従来の静圧案内装置の概略図である。
【図11】従来の静圧案内装置におけるガイド部の変形状態を表す概略図である。
【符号の説明】
11 ベッド
12,41,51,61,71,81 静圧案内装置
13 テーブル
21,22 レール部
21a,22a 下摺動面
23 24 ガイド部23,24
23a,24a ガイド基部
23b,24b ガイド先端部
23c,24c 下摺動面
27,28,72 上静圧ポケット
29,30,73 下静圧ポケット
31〜34 油圧供給孔
35,76,77 油圧供給ライン
42,43,51,53,62,63 膨出部
44,45,54,55 作動油貯留溝
56,57 凹凸部
64,65 支持部材
82,83 左静圧ポケット
84,85 右静圧ポケット

Claims (9)

  1. ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットが設けられた静圧案内装置において、前記レール部の下方に対向する前記ガイド部の摺動面を、先端側が上方に位置するように傾斜させたことを特徴とする静圧案内装置。
  2. 請求項1記載の静圧案内装置において、前記左右のレール部はベッドの中心から外方に向かって張り出し、前記ガイド部は該レール部を外側から抱え込むようにコ字形状をなし、該ガイド部の先端部を上方に傾斜させたことを特徴とする静圧案内装置。
  3. ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットの中心部分に膨出部を設けたことを特徴とする静圧案内装置。
  4. 請求項3記載の静圧案内装置において、前記静圧ポケットは、外周面に沿って形成された流体貯留溝の内側に前記膨出部が形成されたことを特徴とする静圧案内装置。
  5. 請求項3記載の静圧案内装置において、前記膨出部と前記レール部との距離を、前記ガイド部と前記レール部との距離よりも大きく、且つ、前記静圧ポケットと前記レール部との距離よりも小さく設定したことを特徴とする静圧案内装置。
  6. 請求項3記載の静圧案内装置において、前記膨出部における前記レール部との対向面を凹凸形状としたことを特徴とする静圧案内装置。
  7. 請求項3記載の静圧案内装置において、前記膨出部は、前記静圧ポケット内に移動自在に支持されたことを特徴とする静圧案内装置。
  8. ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットを一区画に3つ以上設けたことを特徴とする静圧案内装置。
  9. ベッドの上部に設けられたほぼ水平に張り出す左右のレール部に、テーブルの両側部に設けられた左右のガイド部が嵌合し、前記レール部と前記ガイド部との対向面に静圧ポケットを設けられた静圧案内装置において、前記静圧ポケットを、前記レール部と前記ガイド部が嵌合する上下の摺動部及び左右の摺動部に設けたことを特徴とする静圧案内装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006123087A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Nachi Fujikoshi Corp 表面加工機
JP2006247641A (ja) * 2005-02-14 2006-09-21 Iai:Kk 超音波浮上装置
CN101979218A (zh) * 2010-12-08 2011-02-23 上海机床厂有限公司 高精度高刚度双矩形闭式静压导轨
CN112963450A (zh) * 2021-03-23 2021-06-15 西安工业大学 新型三坐标t型气浮工作台

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