JP3658821B2 - 姿勢制御型すべり案内装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は工作機械のテーブル等に用いられる摺動体の案内装置に関し、特に摺動体の姿勢を自動的に制御することができるすべり案内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のすべり案内装置は、摺動体を潤滑油を介して案内面に接触させた状態で支持している。
また、摺動体と案内面とのすべり面に圧力空気を供給してすべり面に作用する荷重を一定に補償し、摺動体を一定摩擦力のもとに摺動案内するようにしたものが特公昭61−32525に開示されている。
【0003】
このものは図4に示すように、圧力空気供給源4からの圧力空気を摺動体2に設けられた圧力センサ溝7に供給し、その背圧を自動調圧弁6の第2の作動室9に導き、第2の作動室9の圧力と第1の作動室8に設けられた圧縮ばね12のばね力によってダイヤフラム11を作動させ、ダイヤフラム11に取り付けられた弁棒10の移動によりポケット3へ供給する空気の圧力を制御するように構成されている。そして、基台1と摺動体2の間に圧力空気を送り込むことにより、摺動体2に作用する荷重の一部を基台1と摺動体2の直接的な接触によって受け、残りの荷重は圧力空気によって受けるようにし、荷重の変動に対しては圧力空気供給源4からポケット3に送り込む空気の圧力が自動的に調整され、基台1と摺動体2の直接的な接触による面圧が常に一定になるように制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のすべり案内装置は、摺動体の移動による動圧効果によって摺動体の進行方向前方部分が浮き上がり、移動体が傾斜して送り動力の変動や送り精度の悪化といった問題を生じる。
また、工作機械等の剛性を要する案内装置においては圧力流体として油を用いるのが一般的であるが、特公昭61−32325のものも空気に代えて粘性の大きな油を用いると動圧効果による摺動体の傾きという問題を無視することができなくなる。特公昭61−32325には、摺動体の姿勢を制御するために図5に示すように摺動体2の4すみにポケット3およびセンサ溝7を設けることが開示されているが、自動調圧弁6を使用しているためコスト高であり、さらに、基台1と摺動体2の接触面圧を一定量に設定するためには圧縮ばね12を調整して自動調圧弁6の感度をチューニングするという作業が必要となる。
【0005】
そこで、本発明は上記の課題を解決し、簡単な構成で低コストでありながら、動圧効果による摺動体の傾きを防止して摺動体の姿勢を自動的に制御することができる案内装置を得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は摺動体に圧力流体供給路を設け、前記摺動体の摺動面に、摺動体に作用する荷重の一部を支持する第1および第2の荷重支持ポケットを前記摺動体の移動方向に対して直列に配設し、前記摺動面の前記第1の荷重支持ポケットの前記摺動体の移動方向外方に第1のセンサパッドを形成するとともに、前記第2の荷重支持ポケットの前記摺動体の移動方向外方に第2のセンサパッドを形成し、前記第1および第2のセンサパッドの各々は前記圧力流体供給路に連通する供給口と、その外周に形成された環状溝と、前記供給口と前記環状溝との間に形成されるランド部とから構成され、前記第1のセンサパッドの前記環状溝に前記第2の荷重支持ポケットを、また前記第2のセンサパッドの前記環状溝に前記第1の荷重支持ポケットをそれぞれ連通するようにしたものである。
【0007】
さらに、前記摺動面の前記第1および第2の荷重支持ポケットの間に、前記摺動体に作用する荷重の一部を支持する静圧ポケットを形成し、前記静圧ポケットを絞りを介して圧力流体供給源に連通するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図3に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
固定体20の案内面21上には摺動体22が載置されており、摺動体22は固定体20に対して長手方向(図面左右方向)に移動可能である。摺動体22の摺動面23には3つのポケット24a、24b、25が摺動体22の移動方向に対して直列に設けられている。両側のポケット24a、24bは荷重支持用のポケットであり、中央のポケット25は静圧ポケットである。後述するように、荷重支持ポケット24a、24bに圧力流体を供給することにより摺動体22に作用する荷重の一部を支持し、静圧ポケット25に絞り26を介して圧力流体を供給することにより摺動体22に作用する荷重の一部を支持すると共に摺動体22の平行変位が制御される。
【0009】
摺動面23の両端、すなわち、荷重支持ポケット24a、24bの外側には2つのセンサパッド27a、27bが設けられている。このセンサパッド27a、27bは中央に設けられた圧力流体の供給口28a、28bと、その周囲を取り囲むように形成された環状溝29a、29bと、供給口28a、28bと環状溝29a、29bによってその間に形成される環状のランド部30a、30bによって構成されている。このランド部30a、30bの高さは摺動面23と同じであるかあるいは摺動面23よりも若干低く形成されている。
【0010】
摺動体22の内部には連通路31a、31bが設けられており、センサパッド27a、27bの環状溝29a、29bと荷重支持ポケット24a、24bを連通している。ここで、図面右側のセンサパッド27aの環状溝29aは左側の荷重支持ポケット24aと、左側のセンサパッド27bの環状溝29bは右側の荷重支持ポケット24bと連通している。
【0011】
また、摺動体22の内部には圧力流体の供給路32が設けられており、図略の圧力流体供給源から供給される圧力流体が供給路32を通って、センサパッド27a、27bの供給口28a、28bおよび静圧ポケット25に供給される。供給路32の静圧ポケット25の近傍には絞り26が設けられている。
次に、上述した構成のすべり案内装置の作用について説明する。
【0012】
供給路32から供給された圧力流体は絞り26を介して静圧ポケット25に供給されると共に、センサパッド27a、27bの供給口28a、28bに供給され、案内面21とランド部30a、30bによる表面絞り作用を受け、減圧されて環状溝29a、29bに導かれる。そして、連通路31a、31bを通って荷重支持ポケット24a、24bに供給される。
【0013】
ここで、摺動体22が静止している状態において、圧力Pの圧力流体が供給路32から供給されており、絞り26によりPs に減圧されて静圧ポケット25へ供給されると共に、案内面21とセンサパッド27a、27bのランド部30a、30bによって絞られ、Pr に減圧されて荷重支持ポケット24a、24bに供給されているとする。静圧ポケット25の面積をA1 、荷重支持ポケット24a、24bの面積をA2 とすると、静圧ポケット25にはF1 =Ps ×A1 の支持力が働き、荷重支持ポケット24a、24bにはそれぞれ F2 =Pr ×A2 なる支持力が働く。したがって、摺動体22にはF=F1 +2×F2 =Ps ×A1 +2(Pr ×A2 )の支持力が働いていることになる。しかし、この力Fは摺動体22に作用する荷重よりも小さく設定されており、摺動体22に作用する荷重の一部を支持しているに過ぎず、あくまでも摺動体22は案内面21と接触した状態で移動する。
【0014】
いま、摺動体22が移動して案内面21と摺動面23の間に動圧効果が発生すると摺動体22の移動方向前方が浮き上がる。以下、摺動体22が図面左側へ移動し摺動体22の左側が浮き上がった場合を考えるが、摺動体22が図面右側へ移動した場合も左右が逆になるだけで全く同じ作用である。
摺動体22の左側が浮き上がると、案内面21と左側のセンサパッド27bのランド部30bとの隙間が大きくなる。したがって、環状溝29bに供給される圧力流体の圧力は増加してPr +ΔPr となり、右側の荷重支持ポケット24bに働く支持力F2 はF2 =(Pr +ΔPr )×A2 となって左側の荷重支持ポケット24aに働く支持力よりも大きくなる。すなわち、摺動体22の浮き上がった方とは反対側の荷重支持ポケット24bの支持力が大きくなり、摺動体22の傾きが修正されることになる。この支持力の増加量は案内面21とランド部30bの隙間の増加量に比例するため、摺動体22の傾きに応じて荷重支持ポケット24bに作用する支持力が自動的に制御されることになる。
【0015】
上述の作用では動圧効果によって浮き上がるのとは反対方向の荷重支持ポケットの圧力が増加して傾きを修正しているため、摺動体22が平行変位して全体的に浮上することとなるが、実際には摺動体22の傾きが修正され摺動体22が平行となると動圧効果が減少するため、摺動体22の動圧効果による浮き上がり作用自体が低減されることとなり、摺動体22の平行変位が修正されることなる。
【0016】
さらに、摺動面22にはその中央に静圧ポケット25が設けられているため、摺動体22の平行変位により静圧ポケット25と案内面21との間の隙間が大きくなると静圧ポケット25内の圧力が低下し、この静圧作用によって摺動体22の平行変位が修正されることとなるので、摺動体22の傾きを修正することによって摺動体22が平行変位して全体的に浮き上がることはない。
【0017】
以上述べたように、本実施の形態によれば動圧効果による摺動体22の傾きおよび平行変位が自動的に修正される。
また、摺動体22に作用する荷重は荷重支持ポケット24a、24bに作用する支持力および静圧ポケット25に作用する支持力によってその一部が支持されるので、従来のすべり案内装置に比べて摺動面と案内面との間の摩擦抵抗が少なく、送り動力を低減することができる。
【0018】
さらに、センサパッド27a、27bの感度はランド部30a、30bの幅と高さによって設定されるため、設計段階で最適なランド部の形状を決定すればよく、特別なチユーニング作業は不要となる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、右側のセンサパッドと左側の荷重支持ポケットを、左側のセンサパッドと右側の荷重支持ポケットをそれぞれ連通するように構成したので、特別に調圧弁等を用いることなく簡単な構成で低コストであるにも係わらず、摺動体の移動によって生じる動圧効果による摺動体の傾きを自動的に修正して高精度の送りが可能となる。
【0020】
さらに、請求項2に記載の発明によれば、摺動面中央に静圧ポケットを設けたので、摺動体の平行変位が自動的に補正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の案内装置の摺動体の底面図である。
【図2】図1のII矢視断面図である。
【図3】図 1のIII矢視断面図である。
【図4】従来の案内装置を示す断面図である。
【図5】従来の案内装置の摺動体の底面図である。
【符号の説明】
20 固定体
21 案内面
22 摺動体
23 摺動面
24a、24b 荷重支持ポケット
25 静圧ポケット
26 絞り
27a、27b センサパッド
28a、28b 供給口
29a、29b 環状溝
30a、30b ランド部
31a、31b 連通路
32 供給路
Claims (2)
- 案内面に対して摺動体を摺動可能に案内支持する案内装置において、前記摺動体に圧力流体供給路を設け、前記摺動体の摺動面に、摺動体に作用する荷重の一部を支持する第1および第2の荷重支持ポケットを前記摺動体の移動方向に対して直列に配設し、前記摺動面の前記第1の荷重支持ポケットの前記摺動体の移動方向外方に第1のセンサパッドを形成するとともに、前記第2の荷重支持ポケットの前記摺動体の移動方向外方に第2のセンサパッドを形成し、前記第1および第2のセンサパッドの各々は前記圧力流体供給路に連通する供給口と、その外周に形成された環状溝と、前記供給口と前記環状溝との間に形成されるランド部とから構成され、前記第1のセンサパッドの前記環状溝に前記第2の荷重支持ポケットを、また前記第2のセンサパッドの前記環状溝に前記第1の荷重支持ポケットをそれぞれ連通したことを特徴とする姿勢制御型すべり案内装置。
- 請求項1に記載の姿勢制御型すべり案内装置において、前記摺動面の前記第1および第2の荷重支持ポケットの間に、前記摺動体に作用する荷重の一部を支持する静圧ポケットを形成し、前記静圧ポケットを絞りを介して圧力流体供給源に連通したことを特徴とする姿勢制御型すべり案内装置。
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