JP2004092761A - 伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リブゴム層4のベルト内面側の内面部位4aと、接着ゴム層2とがカーボンブラックによる黒色であるのに対し、リブゴム層4のベルト背面側の背面部位4bを、ホワイトカーボンにより白色にする。そして、ベルト内面側から目視して、黒色の内面部位4a中に白色の背面部位4bが露呈したときには、ベルト交換時期が近いと判別し、白色の背面部位4b中に黒色の接着ゴム層2が露呈したときには、ベルト交換時期であると判別するようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Vリブドベルト,平ベルト,Vベルトなどの伝動ベルトに関し、特に適正なベルト交換時期を判別しやすくする対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用エンジンのベルト式補機駆動装置の伝動ベルトとして、図8に示すようなVリブドベルトが使用されていることは知られている。この従来のVリブドベルトは、帆布aにより形成された上帆布層bと、各々、カーボンブラックを含有するベルト背面側(同図の上側)の未加硫ゴムシートcおよびベルト内面側(同図の下側)の加硫ゴムシートdにより形成された接着ゴム層eと、この接着ゴム層eに埋設された心線fと、同じくカーボンブラックを含有する未加硫ゴムシートgにより形成されたリブゴム層(ベルト一般では、底ゴム層)hとを備えている。
【0003】
ところで、上記のVリブドベルトでは、使用時間の経過に伴い、リブ面がプーリと摩擦接触することや、ベルトがプーリに対する入出により屈伸することなどにより、図9に誇張して示すように、ベルト内面側にクラックが発生し、そのクラックがベルト背面側に向かって成長する。そして、そのようなクラックが心線fまで達したときには、そのベルトは寿命であり、最早、使用は不可である。
【0004】
尚、Vリブドベルトのように、ベルト内面がプーリとの接触面とされる伝動ベルトの場合には、上記のクラックに加え、図10に仮想線から実線への変化として示すように、ベルト内面からベルト背面に向かって進行する摩耗が心線fまで達したときにも、使用不可となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のVリブドベルトの場合には、周辺に多くの部品が入り組んでおりかつ外界よりも暗いエンジンルーム内では、クラックの有無を確認すること自体が容易ではない。また、実際には、ベルトを外し、逆曲げにして確認する必要があるが、それでも、心線fが見えるという使用不可レベルに達していない状態では、適正な交換時期を判断することは困難である。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、接着ゴム層に心線が埋設されてなるVリブドベルトなどの伝動ベルトにおいて、ベルト材料に工夫を加えることで、クラックの進行程度に応じてベルトを交換する際に、適正な交換時期を判りやすくできるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明では、従来の伝動ベルトのゴム層がカーボンブラックによる黒色であるのに対し、相隣接する接着ゴム層および底ゴム層の各部位に、白色など、一般ゴムの黒色とは異なる色を付け、このことで、ベルト内面側からの目視による色の違いでもって、クラックの進行程度を確認できるようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、心線が埋設された接着ゴム層と、この接着ゴム層のベルト内面側に積層された底ゴム層とを備えていて、プーリとの摩擦接触により該プーリとの間での動力伝達を行うようにした伝動ベルトを前提としている。
【0009】
そして、上記の底ゴム層におけるベルト厚さ方向の各部位のうち、少なくとも、最もベルト背面側の背面部位と、上記の接着ゴム層におけるベルト厚さ方向の各部位のうち、少なくとも、最もベルト内面側の内面部位とが、互いに異なる色を呈しているものとする。
【0010】
上記の構成において、心線が埋設された接着ゴム層と、該接着ゴム層のベルト内面側に積層された底ゴム層とを備えていて、プーリとの摩擦接触により該プーリとの間での動力伝達を行うようにした伝動ベルトでは、クラックが接着ゴム層に達したときに、そのことは、底ゴム層の背面部位と接着ゴム層の内面部位との色の違いとして、ベルト内面側からの目視により確認することができる。よって、クラックによるベルト交換時期であるか否かが容易にかつ適正に判別される。
【0011】
また、Vリブドベルトのように、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合には、摩耗によるベルト交換時期であるか否かの判別についても、上記クラックによるベルト交換時期であるか否かの判別の場合と同様に行える。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合に、接着ゴム層の内面部位におけるベルト長さ方向の一部は、ベルト内面側に張り出しており、その張出部分のベルト幅方向両端部は、ベルト両側面に露出しているものとする。
【0013】
上記の構成において、Vリブドベルトのように、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合には、ベルト内面からベルト背面に向かって進行する摩耗が接着ゴム層に達する前段階として、その接着ゴム層の内面部位の張出部分に摩耗が達したときに、そのことは、その張出部分の端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、底ゴム層の背面部位と接着ゴム層の内面部位との色の違いとして、ベルト内面側からの目視により確認することができる。よって、摩耗によるベルト交換時期が近いか否かが容易にかつ適正に判別される。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、底ゴム層の背面部位と接着ゴム層の内面部位とに加え、底ゴム層の背面部位と、該底ゴム層における上記ベルト背面部位のベルト内面側に隣接する内面部位とも、互いに異なる色を呈しているものとする。
【0015】
上記の構成において、クラックが接着ゴム層に達する前段階として、そのクラックが底ゴム層の背面部位に達したとき、そのことは、底ゴム部における内面部位と背面部位との色の違いとして、ベルト内面側からの目視により確認することができる。よって、クラックによるベルト交換時期が近いか否かが容易にかつ適正に判別される。
【0016】
また、Vリブドベルトのように、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合には、摩耗によるベルト交換時期が近いか否かの判別についても、上記クラックによるベルト交換時期が近いか否かの判別の場合と同様に行える。
【0017】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合に、底ゴム層の背面部位におけるベルト長さ方向の一部は、ベルト内面側に張り出しており、その張出部分のベルト幅方向両端部は、ベルト両側面に露出しているものとする。
【0018】
上記の構成において、Vリブドベルトのように、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合に、ベルト内面からベルト背面に向かって進行する摩耗が底ゴム層の背面部位に達する前段階として、その背面部位の張出部分に摩耗が達したとき、そのことは、その張出部分の端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、底ゴム部における内面部位と背面部位との色の違いとして、ベルト内面側からの目視により確認することができる。よって、このときには、摩耗が或る程度まで進行したか否かが容易にかつ適正に判別される。また、その摩耗程度の判別基準は、張出部分のベルト内面側への張出量により定まる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るVリブドベルトの全体構成を示しており、このVリブドベルトは、例えば、自動車用エンジンのベルト式補機駆動装置において、自動車用エンジンのクランク軸のトルクを、補機の入力軸に伝達するために使用される。
【0021】
このVリブドベルトは、心線1が埋設された接着ゴム層2を備えている。この接着ゴム層2は、略矩形状をなしていて、ベルト厚さ方向(図1の上下方向)のベルト内面側(同図の下側)に位置する内面部位2aと、ベルト厚さ方向のベルト背面側(同図の上側)に位置する背面部位2bとからなっており、心線1は、これら内面部位2aと背面部位2bとの間に挟まれた状態に配置されている。また、接着ゴム層2のベルト背面側には、上帆布層3が積層されている。
【0022】
上記接着ゴム層2のベルト内面側には、リブゴム層4が積層されており、リブゴム層4のベルト内面側には、各々、ベルト長さ方向(図1の左下−右上方向)に延びる複数条(図示する例では、3条)のリブ5,5,…がベルト幅方向(同図の左右方向)に並ぶように形成されている。このリブゴム層4は、ベルト厚さ方向のベルト内面側に位置する内面部位4aと、ベルト厚さ方向のベルト背面側に接着ゴム層2の内面部位2aに隣接して位置する背面部位4bとの2層構造とされている。
【0023】
そして、本実施形態では、リブゴム層4における背面部位4bと、接着ゴム層2およびリブゴム層における内面部位4aとは、互いに異なる色を呈するようになされている。
【0024】
具体的には、接着ゴム層2の内面部位2aおよび背面部位2bならびにリブゴム層4の内面部位4aの各材料にはカーボンブラックが配合されているのに対し、リブゴム層4の背面部位4bの材料には、ホワイトカーボンが配合されており、これらのことで、接着ゴム層2の内面部位2aおよび背面部位2bならびにリブゴム層4の内面部位4aが黒色を呈するのに対し、リブゴム層4の背面部位4bが白色を呈するようになっている。
【0025】
次に、上記のように構成されたVリブドベルトの製造方法を、図2に基づいて説明する。
【0026】
Vリブドベルトの成形工程では、外周に、ベルト背面を所定形状に形成する成形面を有する内金型と、内周に、ベルト内面を所定形状に形成する成形面を有するゴムスリーブとを用いる。そして、内金型に、上帆布層3を形成するための帆布3′と、接着ゴム層2の背面部位2bを形成するための未加硫ゴムシート2b′とを順に巻き付け、その上に、心線1をスパイラル状に巻き付け、その上に、接着ゴム層2の内面部位2aを形成するための未加硫ゴムシート2a′を巻き付ける。
【0027】
次いで、リブゴム層4の背面部位4bを形成するための未加硫ゴムシート4b′を巻き付け、その上に、リブゴム層4の内面部位4aを形成するための未加硫ゴムシート4a′を巻き付ける。これにより、筒状のベルトスラブが得られる。尚、各未加硫ゴムシート2b′,2a′,4b′,4a′を巻き付ける際には、それぞれ、巻付方向両端部同士は、重ね合わせないで、突付けとする。
【0028】
しかる後、上記内金型上のベルトスラブにゴムスリーブを套嵌し、内金型を高熱の水蒸気などにより加熱しつつ、ゴムスリーブを半径方向内方に押圧してベルトスラブを所定形状に加硫成形する。その後、幅切り工程,研磨工程などを経て、Vリブドベルトを得る。
【0029】
ここで、上記のVリブドベルトにおけるベルト交換時期を判別する際の作用について説明する。
【0030】
上記のVリブドベルトにおいて、クラックないし摩耗の進行によるベルト交換時期であるか否かの判別は、ベルトリブ面側から目視したときに、リブゴム層4における白色の背面部位4bと、黒色の接着ゴム層2との色の違いにより、つまり、白色の背面部位4b中に黒色の接着ゴム層2が見えるか否かにより行われる。
【0031】
また、上記のベルト交換時期が到来する前の段階として、摩耗の進行によるベルト交換時期が近いか否かの判別は、リブゴム層4における黒色の内面部位4aと、白色の背面部位4bとの間の色の違いにより、つまり、黒色の内面部位4a中に白色の背面部位4bが見えるか否かにより行われる。
【0032】
したがって、本実施形態によれば、心線1が埋設された接着ゴム層2と、この接着ゴム層2のベルト内面側に積層されたリブゴム層4とを備えたVリブドベルトにおいて、リブゴム層4における白色の背面部位4b中に黒色の接着ゴム層2が露呈しているか否かをベルト内面側から目視することで、クラックないし摩耗が接着ゴム層2に達しているか否かを確認することができるので、そのようなクラックないし摩耗の進行によるベルト交換時期であるか否かを、容易にかつ適正に判別することができる。
【0033】
また、上記のベルト交換時期が到来する以前の段階では、リブゴム層4における黒色の内面部位4a中に該リブゴム層4における白色の背面部位4bが露呈しているか否かをベルト内面側から目視することで、摩耗がリブゴム層4の背面部位4bに達しているか否かを確認することができるので、摩耗の進行によるベルト交換時期が近いか否かの事前の判別を、容易にかつ適正に行うことができる。
【0034】
尚、上記の実施形態では、リブゴム層4の背面部位4bを白色にする一方、リブゴム層4の内面部位4a、接着ゴム層2の内面部位4aをそれぞれ黒色にするようにしているが、これらを2色に分ける場合には、白色および黒色を逆にしたり、又は、顔料入りのホワイトカーボンを使用して白黒以外の色にするようにしてもよい。さらには、3色以上に分けるようにしてもよい。
【0035】
また、上記の実施形態では、リブゴム層4の内面部位4bを形成する未加硫ゴムシート4b′を巻き付ける際に、その巻付方向両端部を突付けにするようにしているが、重ね合わせてベルト内面側への張出部分(次の実施形態2で詳しく説明)を形成するようにしてもよい。
【0036】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係るVリブドベルトの全体構成を示しており、実施形態1の場合と同じ部分には同じ符号を付して示している。
【0037】
本実施形態では、リブゴム層4は、実施形態1の場合とは異なり、単一の部位からなっている。
【0038】
そして、本実施形態では、接着ゴム層2の内面部位2aは、白色を呈しており、これに対し、接着ゴム層2の背面部位2bおよびリブゴム層4は黒色を呈している。
【0039】
また、上記接着ゴム層2の内面部位2aにおけるベルト長さ方向の一部が、ベルト内面側に張り出して張出部分6を形成しており、この張出部分6のベルト幅方向両端部は、図4に示すように、ベルト両側面に露出している。
【0040】
次に、上記のように構成されたVリブドベルトの製造方法を、図5に基づいて説明する。
【0041】
Vリブドベルトの成形工程では、実施形態1の場合と同様に、外周に成形面を有する内金型と、内周に成形面を有するゴムスリーブとを用いる。そして、内金型に、上帆布層3を形成するための帆布3′と、接着ゴム層2の背面部位2bを形成するための未加硫ゴムシート2b′とを順に巻き付け、その上に、心線1をスパイラル状に巻き付ける。
【0042】
次いで、接着ゴム層2の内面部位2aを形成するための未加硫ゴムシート2a′を巻き付ける。このとき、張出部分6が形成されるように、未加硫ゴムシート2a′の巻付方向両端部同士を重ね合わせる。その上に、リブゴム層4を形成するための未加硫ゴムシート4′を巻き付ける。これにより、筒状のベルトスラブが得られる。尚、接着ゴム層2の内面部位2aを形成するための未加硫ゴムシート2a′以外の未加硫ゴムシート2b′,4′を巻き付ける際には、各巻付方向両端部同士は、それぞれ、突付けとする。
【0043】
しかる後、上記内金型上のベルトスラブにゴムスリーブを套嵌し、内金型を高熱の水蒸気などにより加熱しつつ、ゴムスリーブを半径方向内方に押圧してベルトスラブを所定形状に加硫成形する。その後、幅切り工程,研磨工程などを経て、Vリブドベルトを得る。
【0044】
ここで、上記のVリブドベルトにおけるベルト交換時期を判別する際の作用について説明する。
【0045】
上記のVリブドベルトにおいて、クラックないし摩耗の進行によるベルト交換時期であるか否の判定は、ベルト内面側から目視したときに、黒色のリブゴム層4中に白色の内面部位2aが露呈しているか否かにより行われる。つまり、内面部位2aが露呈しているときには、ベルト交換時期であり、露呈していないときときには、未だベルト交換時期は到来していない。
【0046】
また、上記のベルト交換時期が到来する前の段階において、そのようなベルト交換時期が近いか否かの判定は、接着ゴム層2における内面部位2aの張出部分6のベルト幅方向端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、黒色のリブゴム層4中に白色の内面部位2aの張出部分6が露呈しているか否かにより行われる。つまり、内面部位2aの張出部分6が露呈しているときには、ベルト交換時期は近く、露呈していないときには、ベルト交換時期は未だ近くない。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、心線1が埋設された接着ゴム層2と、この接着ゴム層2のベルト内面側に積層されたリブゴム層4とを備えたVリブドベルトにおいて、黒色のリブゴム層4中に接着ゴム層2における白色の内面部位2aが露呈しているか否かをベルト内面側から目視することで、クラックないし摩耗の進行によるベルト交換時期であるか否かを、容易にかつ適正に判別することができる。
【0048】
また、上記のベルト交換時期が到来する以前の段階では、接着ゴム層2における内面部位2aのベルト内面側への張出部分6のベルト幅方向端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、黒色のリブゴム層4中に白色の内面部位2aが露呈しているか否かをベルト内面側から目視することで、クラックないし摩耗の進行によるベルト交換時期が近いか否かを、容易にかつ適正に判別することができる。
【0049】
尚、上記の実施形態では、接着ゴム層2の背面部位2bを黒色とするようにしているが、内面部位2aと同じ白色にして該内面部位2aと同じ材料を使用できるようにしてもよい。
【0050】
さらに、上記の実施形態1および実施形態2では、Vリブドベルトの場合について説明しているが、本発明は、図6に示す本発明の実施形態3に係るVリブドベルトや、図7に示す本発明の実施形態4に係る平ベルトのように、種々の伝動ベルトに適用することができる。尚、図6において、7は、接着ゴム層2と上帆布層3との間に配置された上ゴム層であり、8は、底ゴム層4のベルト内面側に積層された下帆布層である。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、心線が埋設された接着ゴム層と、該接着ゴム層のベルト内面側に積層された底ゴム層とを備え、プーリとの摩擦接触により該プーリとの間での動力伝達を行うようにした伝動ベルトにおいて、クラックが接着ゴム層に達したことを、底ゴム層と接着ゴム層との色の違いとして確認することができるので、クラックによるベルト交換時期であるか否かを容易にかつ適正に判別することができる。また、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合には、クラックによるベルト交換時期の判別に加え、摩耗によるベルト交換時期であるか否かの判別についても容易にかつ適正に行うことができる。
【0052】
請求項2の発明によれば、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合に、摩耗が接着ゴム層に達する前段階として、その摩耗が接着ゴム層の内面部位におけるベルト内面側への張出部分に既に達しているということを、その張出部分の端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、底ゴム層と接着ゴム層との色の違いとして確認することができるので、摩耗によるベルト交換時期が近いか否かを容易にかつ適正に判別することができる。
【0053】
請求項3の発明によれば、クラックが接着ゴム層に達する前段階として、そのクラックが底ゴム層の背面部位に達しているということを、底ゴム層における背面部位と内面部位との色の違いとして確認することができるので、クラックによるベルト交換時期が近いか否かを容易にかつ適正に判別することができる。また、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合には、上記クラックによるベルト交換時期が近いか否かの判別に加え、摩耗によるベルト交換時期が近いか否かの判別についても容易にかつ適正に行うことができる。
【0054】
請求項4の発明によれば、ベルト内面がプーリ接触面とされる伝動ベルトの場合に、摩耗が底ゴム層の背面部位に達する前段階として、その摩耗が上記背面部位のベルト内面側への張出部分に達しているということを、その張出部分の端部がベルト側面に露出しているベルト長さ方向の箇所において、底ゴム層における背面部位と内面部位との色の違いとして確認することができるので、上記張出部分の張出量により予め定められた程度まで摩耗が進行しているか否かを容易にかつ適正に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るVリブドベルトの全体構成を示す斜視図である。
【図2】Vリブドベルトの使用材料(a)および全体構成(b)を併せて示す図である。
【図3】本発明の実施形態2に係るVリブドベルトの全体構成を示す図1相当図である。
【図4】Vリブドベルトを示す側面図である。
【図5】Vリブドベルトの使用材料(a)および全体構成(b)を併せて示す図2相当図である。
【図6】本発明の実施形態3に係るVベルトの全体構成を示す図1相当図である。
【図7】本発明の実施形態4に係る平ベルトの全体構成を示す図1相当図である。
【図8】従来のVリブドベルトの使用材料(a)および全体構成(b)を併せて示す図2相当図である。
【図9】Vリブドベルトにクラックが発生した状態を示す斜視図である。
【図10】Vリブドベルトの摩耗が進行する状態を示す図9相当図である。
【符号の説明】
1 心線
2 接着ゴム層
2a 内面部位
2b 背面部位
4 リブゴム層(底ゴム層)
4a 内面部位
4b 背面部位
6 張出部分
Claims (4)
- 心線が埋設された接着ゴム層と、該接着ゴム層のベルト内面側に積層された底ゴム層とを備え、プーリとの摩擦接触により該プーリとの間での動力伝達を行うようにした伝動ベルトであって、
上記底ゴム層におけるベルト厚さ方向の各部位のうち、少なくとも、最もベルト背面側の背面部位と、上記接着ゴム層におけるベルト厚さ方向の各部位のうち、少なくとも、最もベルト内面側の内面部位とが、互いに異なる色を呈している
ことを特徴とする伝動ベルト。 - 請求項1記載の伝動ベルトは、ベルト内面がプーリとの接触面とされ、
接着ゴム層の内面部位におけるベルト長さ方向の一部は、上記ベルト内面側に張り出し、
上記張出部分のベルト幅方向両端部は、ベルト両側面に露出している
ことを特徴とする伝動ベルト。 - 請求項1記載の伝動ベルトにおいて、
底ゴム層の背面部位と、接着ゴム層の内面部位とに加え、上記底ゴム層の背面部位と、該底ゴム層における上記背面部位のベルト内面側に隣接する内面側部位とも、互いに異なる色を呈している
ことを特徴とする伝動ベルト。 - 請求項3記載の伝動ベルトは、ベルト内面がプーリとの接触面とされ、
底ゴム層の背面部位におけるベルト長さ方向の一部は、ベルト内面側に張り出し、
上記張出部分のベルト幅方向両端部は、ベルト両側面に露出している
ことを特徴とする伝動ベルト。
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