JP2004092516A - 気体圧縮機及び気体圧縮機用吐出弁 - Google Patents

気体圧縮機及び気体圧縮機用吐出弁 Download PDF

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Abstract

【課題】高負荷圧力時に発生する過圧縮を防止するとともに、バルブの叩き音による騒音を低減させる。
【解決手段】シリンダ吐出孔22aの開口断面積B´を従来のシリンダ吐出孔22の開口断面積Bよりも拡大化し、先端当接部41−1に開口断面積Bのガス通路孔41aを有する第1のバルブ41と、このガス通路孔41aを覆う先端当接部42−1を有する第2のバルブ42との2重構造からなる吐出弁40を備え、定常運転時には、第2のバルブ42のみを持ち上げて第1のバルブ41のガス通路孔41aから冷媒ガスを開放し、過圧縮運転時には、第1のバルブ41と第2のバルブ42の双方のバルブを持ち上げて拡大されたシリンダ吐出孔22aから冷媒ガスを開放する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコンシステム等に用いられる気体圧縮機に係り、特に、圧縮された冷媒ガスを吐出するためのシリンダ吐出孔の開口端に設けられる吐出弁の構造を改良した気体圧縮機、及び気体圧縮機用吐出弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアコンシステム等に使用される気体圧縮機としては、図6に示すベーンロータリー型の気体圧縮機Cが知られており、この気体圧縮機Cは、一端が開口されたケーシング11とケーシング11の開口端に装着されるフロントヘッド12からなる密閉されたハウジング内に、電磁クラッチ13に連結された圧縮機本体10が収容されている。
【0003】
この圧縮機本体10は、内周略楕円筒型の内筒部が形成されたシリンダ20を有し、シリンダ20の吸入室16側の端面にフロントサイドブロック14が装着され、シリンダ20の吐出室18側の端面にリアサイドブロック15が装着されることにより、シリンダ20内部に密閉された略楕円筒型のシリンダ室23が形成されている。
【0004】
シリンダ室23内部には、軸心にロータシャフト25が一体に設けられたロータ24が横架されており、ロータシャフト25はフロントサイドブロック14のフロント軸受14aとリアサイドブロック15のリア軸受15aとにより回転可能に支持されている。
【0005】
また、図7に示すように、ロータ24にはその外周面に複数のスリット状のベーン溝27,27,…が形成され、これらのベーン溝27に摺動可能に装着された複数のベーン26,26,…がロータ24の回転運動に伴う遠心力と、ベーン溝27底部の油圧とによりロータ24の外周面からシリンダ20の内周面に向かって進退自在に設けられている。
【0006】
複数のベーン26,26,…によりシリンダ室23は圧縮室と称する複数の小室に仕切られ、これら圧縮室28,28,…はロータ24の回転により容積の大小変化を繰り返すとともに、その容積変化により、フロントヘッド12に開口された吸入ポート17、吸入室16、そしてシリンダ20に開設されたシリンダ吸入孔21を介して吸入された冷媒ガスを圧縮する。一方、シリンダ20には、圧縮室28側に一端が開口され、吐出室18側に他端が開口されて、圧縮室28と吐出室18とを連通させる複数のシリンダ吐出孔22,22,…が開口されており、圧縮後の高圧冷媒ガスは、このシリンダ吐出孔22から吐出室18を介してケーシング11に開口された吐出ポート19から吐出される。
【0007】
さらに、このシリンダ吐出孔22の吐出室18側の開口端には、吐出室18側から圧縮室28側への冷媒ガスの逆流を阻止するために、図7に示すようなバルブ31とバルブ31の上方への変形量を制御するバルブサポート32の各々の基端部が取付ボルト33でシリンダ20に共締めされた吐出弁30が設けられている。
【0008】
この吐出弁30は、ロータ24が図中矢印方向に回転することにより圧縮室28の容積が最小になると、圧縮された冷媒ガスの圧力により圧縮室28の内圧が上昇し、この圧縮室28の内圧が吐出室18の圧力を超過するとこの圧力差によりバルブ31の先端当接部がシリンダ20の座面から持ち上がり、シリンダ吐出孔22を開状態として高圧の冷媒ガスを圧縮室28から吐出室18側へと吐出する。
【0009】
一方、圧縮工程終了時には、圧縮室28の内圧が低下し、圧縮室28と吐出室18との圧力差によりバルブ31が圧縮室28側へと押し付けられ、バルブ31の先端当接部がシリンダ吐出孔22の開口を塞ぐことにより圧縮室28内の気密性が保たれて、吐出室18側から圧縮室28側への冷媒ガスの逆流を阻止し、圧縮室28内における冷媒ガスの再圧縮を防止している。
【0010】
ところが、従来の吐出弁30にあっては、いかなる圧縮工程吐出圧力にも関わらず同一バネ力を有するバルブ31を用いてシリンダ吐出孔22を塞いで気密性を保つようにしていること、また、強いバネ力を有するバルブ31を用いた場合、バルブ31が油膜によりシリンダ20の座面に貼り付く現象が顕著になること等の理由により、バルブ31の先端当接部が持ち上がるタイミングが遅れ、高負荷圧力時になってもバルブ31が開かずに圧縮室28内の冷媒ガスの圧力が通常よりも一層高圧になるまで圧縮動作が続けられる過圧縮が発生し、圧縮機の運転に要する消費動力の増大や吐出される冷媒ガスの温度上昇を招き、圧縮機の冷却性能が低下するという問題がある。
【0011】
また、この過圧縮を防止するための手段として、シリンダ吐出孔22を大径化してバルブ31先端当接部底面の受圧面積を大きくし、バルブ31先端部がシリンダ20の座面から剥がれ易くして、バルブ31が持ち上がるタイミングを調整する方法も考えられるが、この場合、大径化されたシリンダ吐出孔22の開口部を塞ぐためにバルブ31先端当接部の面積を大きくしなければならず、シリンダ吐出孔22を閉じる際に、バルブ31の先端当接部がシリンダ20の座面を叩くバルブ31の衝突音が一層大きくなり、このことから圧縮機全体の騒音を増大させてしまうという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダ吐出孔の開口端に設けられる吐出弁の構造を改良し、圧縮機運転中の高負荷圧力時に発生する過圧縮を防止し、かつバルブの叩き音による騒音を低減させることができる気体圧縮機、及び気体圧縮機用吐出弁を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る気体圧縮機は、シリンダ内部の圧縮室内に吸入された冷媒ガスを圧縮し、圧縮された冷媒ガスをシリンダ外部の吐出室側に吐出する圧縮機本体と、上記シリンダの圧縮室側に一端が開口され、上記シリンダの吐出室側に他端が開口されて、上記圧縮室と上記吐出室とを連通させるシリンダ吐出孔と、上記シリンダ吐出孔の吐出室側開口端に設けられ、上記冷媒ガスが通過するガス通路孔を有する第1のバルブと、上記第1のバルブの上面に設けられ、上記ガス通路孔を覆う先端部を有する第2のバルブと、を具備し、上記シリンダ吐出孔の開口断面積が、上記ガス通路孔の開口断面積の1.5〜2.0倍であることを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、上記ガス通路孔の開口断面積をB、上記冷媒ガスの吐出容量をa、上記シリンダ吐出孔の吐出通路長さをc、上記シリンダ吐出孔の個数をe、および上記シリンダ吐出孔開口端における角面取り空間容積等その他容積をαとすると、下記の式1を満たすことを条件とする。
【0015】
【式1】
Figure 2004092516
【0016】
さらに、本発明は、シリンダ吐出孔から吐出される冷媒ガスの逆流を防止するための気体圧縮機用吐出弁であって、上記吐出弁は、上記シリンダ吐出孔の開口断面積の1/2〜2/3倍の開口断面積のガス通路孔を有する第1のバルブと、上記第1のバルブの上面に設けられ、上記ガス通路孔を覆う先端部を有する第2のバルブと、を具備することを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、通常の圧縮工程吐出圧力の場合、第2のバルブのみが持ち上がり、第1のバルブはシリンダの座面に貼り付いたままの状態となり、第1のバルブの先端に開口されたガス通路孔から冷媒ガスが吐出される。過圧縮が起こる高負荷の圧縮工程吐出圧力の場合、第1のバルブと第2のバルブがともに持ち上がり、大径化されたシリンダ吐出孔から冷媒ガスが吐出される。
【0018】
このように、気体圧縮機用の吐出弁を2重構造化し、圧縮工程吐出圧力の高低度合いによりシリンダ吐出孔の開閉動作の最適化を図ることで、過圧縮を防止し、圧縮機の運転に要する消費動力を低減でき、また冷媒ガスの温度上昇を抑制できるため、圧縮機の冷却性能が向上する。
【0019】
加えて、シリンダ吐出孔を拡大したことによるバルブ開閉時に発生する衝突音を軽減することができ、また、衝突によるバルブの破壊を防止できるため、圧縮機の耐久性が向上し、長期に亘り信頼性の高い気体圧縮機となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明を適用したベーンロータリー型の気体圧縮機の基本的な構成については図6および図7に示した従来例と同様であるので、同一部材には同一符号を附してその詳細な説明は省略する。
【0021】
本発明に係る気体圧縮機は、図1乃至図5に示す吐出弁40を採用したものである。
【0022】
この吐出弁40は、図1(b)に示すように、シリンダ吐出孔22aの吐出室18側の開口端に設けられ、冷媒ガスが通過するガス通路孔41aが開口された先端当接部41−1を有する第1のバルブ41と、同図(c)に示すように、この第1のバルブ41の上面に設けられ、第1のバルブ41のガス通路孔41aを覆う先端当接部42−1を有する第2のバルブ42との2重構造により大略構成されている。
【0023】
また、同図(d)中、符号32で示すものは、第1のバルブ41および第2のバルブ42の上方への変形量を制御するためのバルブサポートであり、同図(a)に示すように、この吐出弁40は、第1のバルブ41、第2のバルブ42、およびバルブサポート32の順に積層され、これらの基端部は取付ボルト33によりシリンダ吐出孔22aの開口縁部に締結されている。
【0024】
なお、図示しないが、第1のバルブ41と第2のバルブ42との油膜による貼り付きを防止するために、第1のバルブ41の基端部と第2のバルブ42の基端部との間に薄板を介在させる等の手段により所定の間隙が形成されていると良い。
【0025】
また、図2に示すように、この吐出弁40(発明品)が配設されるシリンダ吐出孔22aは、従来の吐出弁30(従来品)が配設されるシリンダ吐出孔22と比較して、シリンダ吐出孔の開口断面積が拡大されている。
【0026】
ここで、第1のバルブ41に開設されるガス通路孔41aの開口断面積と、シリンダ吐出孔22aの開口断面積とは以下のようにして定められている。
【0027】
すなわち、本発明者等は、シリンダ吐出孔22aの孔径が圧縮室28内で圧縮された冷媒ガスがシリンダ吐出孔22aから吐出室18側へと吐出される際の冷媒ガスの吐出容量と密接な関係があることを知見し、第1のバルブ41に開設するガス通路孔41aとシリンダ吐出孔22aの開口断面積を以下の関係式に基づいて定めることとした。
【0028】
【式1】
Figure 2004092516
【0029】
ここで、冷媒ガスの吐出容量aとは、冷媒ガスの吸入、圧縮から吐出までの一連の圧縮工程の範囲内、つまり本実施形態ではロータ24が180°回転する範囲内における冷媒ガスの吐出容量(cc/rev)を表わし、シリンダ吐出孔22aの吐出通路長さcとは、圧縮室28と吐出室18間におけるシリンダ20の外壁面からシリンダ20の内壁面にかけての吐出通路の距離(mm)を表わす。
【0030】
また、シリンダ吐出孔22aの個数eとは、上記一連の圧縮工程の範囲内(ロータ24の180°回転範囲内)に設けられたシリンダ吐出孔22の個数の総数(個)を表わし、その他容積αとは、シリンダ吐出孔22a開口端における角面取りの空間容積等(mm)を表わす。
【0031】
上記関係式(式1)に基づき算出された開口断面積をBとすると、第1のバルブ41の先端当接部41−1には、この開口断面積Bを有するガス通路孔41aが開口されることとなる。
【0032】
次に、シリンダ吐出孔22aの開口断面積B´は以下の関係式(式2)に基づき定められる。
【0033】
【式2】
Figure 2004092516
【0034】
したがって、この吐出弁40は、図3に示すように、先端当接部41−1に開口断面積B(直径b)のガス通路孔41aを有する第1のバルブ41と、この第1のバルブ41のガス通路孔41aを覆う先端当接部42−1を有する第2のバルブ42と、この第1のバルブ41に開口されたガス通路孔41aの開口断面積B(直径b)の1.5〜2.0倍に大径化された開口断面積B´(直径b´)を有するシリンダ吐出孔22aを備えることとなる。なお、同図において、第1のバルブ41は一点鎖線で示し、第2のバルブは二点鎖線で示し、バルブサポート32は実線で示している。
【0035】
例えば、本実施形態において、吐出容量aが72cc用の圧縮機本体を具備し、シリンダ吐出孔22aの片側(ロータ24の180°回転範囲内)個数eが2つであって、シリンダ吐出孔22aの吐出通路長さcを5mm、シリンダ吐出孔22a開口端における角面取り空間容積等その他容積αを110mmとして、係数を2.0とした場合には、上記式1に代入した値は以下のようになる。
【0036】
B=4(2×72−110)/(5×2)
=13.6(mm
【0037】
したがって、第1のバルブ41の先端当接部41−1に開設するガス通路孔41aはその開口断面積Bを13.6mm、その直径bを4.1mmとすれば良いことになる。
【0038】
また、上記式2に代入した値(係数を1.5とした場合)は以下のようになる。
【0039】
B´=1.5×13.6
=20.4(mm
【0040】
したがって、シリンダ吐出孔22aの開口断面積B´を20.4mm、その直径b´を5.1mmとすれば良いことになる。
【0041】
なお、上記式1および式2の関係から、係数A(1.25≦A≦2)の値に関しては冷媒ガスの吐出容量aが少ないときは2に近づき、係数D(1.5≦D≦2.0)の値に関しては冷媒ガスの吐出容量aが少ないときは1.5に近づくことが分かる。
【0042】
次に、上記構成からなる吐出弁を備えた気体圧縮機の作用について説明する。
【0043】
ロータ24が図中矢印方向に回転することにより圧縮室28はその容積の大小変化を繰り返すが、圧縮室28の容積増大時には吸入室16内の冷媒ガスはシリンダ吸入孔21を介して圧縮室28内に吸入され、圧縮室28の容積が減少するにつれて圧縮室28内の冷媒ガスが圧縮される。
【0044】
一方、圧縮室28の容積が最小になると、圧縮された冷媒ガスの圧力により圧縮室28の内圧が上昇し、この圧縮室28の内圧が吐出室18の内圧を超過することによりシリンダ吐出孔22aの吐出室18側開口端を塞ぐ吐出弁40の下面に作用する。ここで、この吐出弁40の開閉動作特性は以下のようになる。
【0045】
<定常運転(低負荷圧力)時>
通常の圧縮工程が正常に行なわれる吐出圧力の場合、図3に示すように、冷媒ガスの吐出圧力P1は、第1のバルブ41の先端当接部41−1底面、および第1のバルブ41のガス通路孔41aを通過して第2のバルブ42の先端当接部42−1底面にも作用するが、定常運転時には冷媒ガスの吐出圧力P1が低いため、第2のバルブ42のみを持ち上げることにより、冷媒ガスは第1のバルブ41のガス通路孔41aから吐出室18へと開放される。
【0046】
このとき先端当接部面積の小さな第2のバルブ42のみが開閉動作するため、シリンダ吐出孔22aを従来のシリンダ吐出孔22よりも拡大したことによるバルブの衝突音の増大は発生しない。
【0047】
また、第1のバルブ41と第2のバルブ42との間に所定の間隙が形成されていると、第1のバルブ41の先端当接部41−1と第2のバルブ42の先端当接部42−1との面同士の衝突が回避され、第2のバルブ42が第1のバルブ41に接触するときの速度が遅くなるため、両者の衝突音がさらに低減できる。
【0048】
<過圧縮運転(高負荷圧力)時>
圧縮工程が異常な場合、つまり過圧縮が発生する高い吐出圧力の場合にあっても、図4に示すように、冷媒ガスの吐出圧力P2は、定常運転時と同様に、第1のバルブ41の先端当接部41−1底面、および第1のバルブ41のガス通路孔41aを通過して第2のバルブ42の先端当接部42−1底面にも作用する。
【0049】
ところが、過圧縮運転時には冷媒ガスの吐出圧力P2は定常運転時における冷媒ガスの吐出圧力P1よりも高いため、通常圧縮工程では開かなかった第1のバルブ41が持ち上がり、この第1のバルブ41がその上面に設けられた第2のバルブ42を押し上げて、双方のバルブがともに開の状態となり、過圧縮冷媒ガスは拡大されたシリンダ吐出孔22aから吐出室18へと瞬時に開放されるため、過圧縮を効果的に防止することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、吐出弁を2重構造化し、圧縮工程吐出圧力の高低度合いによりシリンダ吐出孔の開閉動作の最適化を図ることで、過圧縮を防止し、圧縮機の運転に要する消費動力を低減でき、かつ冷媒ガスの温度上昇を抑制できるため、圧縮機の冷却性能を向上させることができる。
【0051】
また、本発明によれば、過圧縮防止のためにシリンダ吐出孔を大径化したが、定常運転時における低負荷吐出圧力の場合には、先端部の面積の小さな第2のバルブのみが開閉動作するため、バルブ開閉時に発生する衝突音の増大を抑制できるとともに、強い衝突によるバルブの破壊を防止できるため、圧縮機の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体圧縮機の要部の構成を示す図。
【図2】従来品と発明品におけるシリンダ吐出孔の孔径の相違を示す断面図。
【図3】(a)は図1に示す吐出弁の構成を示す断面図、(b)は(a)のA方向矢視図。
【図4】本発明の定常運転時における吐出弁の動作特性を示す断面図。
【図5】本発明の過圧縮運転時における吐出弁の動作特性を示す断面図。
【図6】従来のベーンロータリー型気体圧縮機の構成を示す縦断面図。
【図7】図6に示すVII−VII線断面図。
【符号の説明】
18 吐出室
21 シリンダ吸入孔
22a シリンダ吐出孔
24 ロータ
28 圧縮室
32 バルブサポート
33 取付ボルト
40 吐出弁
41 第1のバルブ
41−1 第1のバルブの先端当接部
41a ガス通路孔
42 第2のバルブ
42−1 第2のバルブの先端当接部
P1 定常運転時の冷媒ガスの吐出圧力
P2 過圧縮運転時の冷媒ガスの吐出圧力

Claims (3)

  1. シリンダ内部の圧縮室内に吸入された冷媒ガスを圧縮し、圧縮された冷媒ガスをシリンダ外部の吐出室側に吐出する圧縮機本体と、
    上記シリンダの圧縮室側に一端が開口され、上記シリンダの吐出室側に他端が開口されて、上記圧縮室と上記吐出室とを連通させるシリンダ吐出孔と、
    上記シリンダ吐出孔の吐出室側開口端に設けられ、上記冷媒ガスが通過するガス通路孔を有する第1のバルブと、
    上記第1のバルブの上面に設けられ、上記ガス通路孔を覆う先端部を有する第2のバルブと、
    を具備し、
    上記シリンダ吐出孔の開口断面積が、上記ガス通路孔の開口断面積の1.5〜2.0倍であることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 上記ガス通路孔の開口断面積をB、上記冷媒ガスの吐出容量をa、上記シリンダ吐出孔の吐出通路長さをc、上記シリンダ吐出孔の個数をe、および上記シリンダ吐出孔開口端における角面取り空間容積等その他容積をαとすると、下記の式1を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
    【式1】
    Figure 2004092516
  3. シリンダ吐出孔から吐出される冷媒ガスの逆流を防止するための気体圧縮機用吐出弁であって、
    上記吐出弁は、上記シリンダ吐出孔の開口断面積の1/2〜2/3倍の開口断面積のガス通路孔を有する第1のバルブと、
    上記第1のバルブの上面に設けられ、上記ガス通路孔を覆う先端部を有する第2のバルブと、
    を具備することを特徴とする気体圧縮機用吐出弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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