JP2004092458A - コージェネレーションシステムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン発電機11又は燃料電池の出力電力を家電機器4等のユーザ負荷に供給し、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には複数の負荷から成る余剰電力回収用負荷部12を制御して余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置2であって、制御装置は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路22、23と、CT入力回路で検出した引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータ21とを有し、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化により余剰電力回収用負荷部の異常を判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力を家電機器等のユーザ負荷に供給し、エンジン発電機又は燃料電池の排熱を貯湯の加熱などに利用すると共にエンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には余剰電力回収用負荷部に余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、商用電力の使用量低減のため、エンジン発電機を自家用電源として使用すると共にその排熱を熱交換器による湯水の加熱に利用するコージェネレーションシステムが広まりつつある。
【0003】
図1は、分電盤とコージェネレーションシステムとを含む電気系統を示す電気系統図である。
図1において、1はコージェネレーションシステム、2はコージェネレーションシステム1の制御装置、3は電気系統を分岐する分電盤、4は家電機器、5は商用電源である。
【0004】
コージェネレーションシステム1は、エンジン駆動のエンジン発電機11と、複数のヒータ(抵抗器)から成るヒータ部(余剰電力回収用負荷部)12と、循環ポンプ13と、コージェネレーションシステム1内の漏電ブレーカ14とを有する。ヒータ部12は、100W(ワット)ヒータ121、124と、200Wヒータ122、125と、300Wヒータ123、126とから成り、この組み合わせにより100W〜1200Wの範囲で100W刻みの設定が可能となる。
【0005】
制御装置2は、全体を制御するコンピュータ21と、後述の分電盤3の電流変換器(CT)38、39の出力電流を検出するCT入力回路22、23と、ヒータ部12と循環ポンプ13のオン、オフを制御するスイッチ回路24とを有する。CT入力回路22、23は、交流を直流に変換する整流回路221、231と、脈流を平滑するためのコンデンサ222、232と、電流を電圧に変換するための抵抗器223、233とから成り、また、スイッチ回路24は、ヒータ121〜126のオン、オフを制御するスイッチ241〜246と、循環ポンプ13のオン、オフを制御するスイッチ247とから成る。
【0006】
分電盤3は、最大電力(つまり契約電力)を定めるためのリミッタ(SB)31と、漏電ブレーカ(ELB)32と、家電機器4としてのテレビ系統41の安全ブレーカ(B)33と、洗濯機系統42の安全ブレーカ34と、冷蔵庫系統43の安全ブレーカ35と、その他の安全ブレーカ36と、U,V,O相の単相3線式電気系統の安全ブレーカ37と、上述したCT38、39とを有する。ここで、リミッタ31と商用電源5との間の電線と、リミッタ31と漏電ブレーカ32との間の電線とは引込み線である。また、U相とアース接続されるO相との間の電圧およびV相とO相との間の電圧は100Vであり、U相とV相との間の電圧は200Vである。
【0007】
このように構成されたコージェネレーションシステム1と分電盤3とについて、制御装置2を中心とする動作を説明する。
引込み線を流れる電流はCT38、39により電流変換される。ここでは、CT38、39の電流変換比は1/3000である。つまり、引込み線U−O,V−Oを流れる電流が各々10Aの場合、CT38、39の出力電流は1/300Aとなり、このとき、抵抗器223、233の値を1500Ωに設定すると、抵抗器223、233の両端にかかる電圧は5V(コンピュータ21に入力可能な最大電圧)となる。コンピュータ21に入力可能な最大電圧が5Vであることから、測定可能な引込み線最大電流は10Aとなる。抵抗器223、233の値を300Ωに設定すると、測定可能な引込み線最大電流は50Aとなる。CT入力回路22、23で電流電圧変換された引込み線電流検出値はコンピュータ21に取り込まれ、データとして記憶される。このようにして制御装置2による引込み線電流の検出が可能となり、例えば過大電流か否かの判定などを行うことができる。
エンジン発電機11から出力される電力は、漏電ブレーカ14等を介して家電機器4に供給されるが、その出力電力に余剰電力が発生した場合(たとえば、エンジン発電機11の定格出力電力を1000Wとしたときの実使用電力が500Wの場合には500Wの余剰電力が発生する)は、その余剰電力を余剰電力吸収負荷部としてのヒータ部12に供給し、ヒータ部12は、発生した熱により、コージェネレーションシステムにおける湯水を加熱することができる。
【0008】
しかし、このような制御装置2では、CT入力回路22、23から出力される引込み線電流検出値は整流回路221、231で整流された値、すなわち絶対値であることから、引込み線電流は、商用電源5側から分電盤3へ流れる通常潮流の電流なのか、その通常潮流とは逆に流れる逆潮流の電流なのかを判定することができないという不具合があった。
【0009】
図2は、逆潮流を判定することができないという不具合を是正するためのコンピュータ21の動作原理を示す説明図である。図2において、分電盤3、家電機器4、商用電源5、エンジン発電機11、余剰電力回収用負荷部(ヒータ部)12は図1と同様のものである。
【0010】
図2に示すように、商用電源5から分電盤3へ電流が流れる通常潮流においては、商用電源5から分電盤3へ引込み線電流I1が流れ、家電機器4には分電盤3から負荷電流ILが流れ、エンジン発電機11からは電流IGが出力され、余剰電力回収用負荷部12には負荷電流IHが流れる。このとき、次式(1)で示すような関係が成立する
I1=IL−(IG−IH)・・・・・(1)
また、分電盤3から商用電源5へ電流が流れる逆潮流時においては、分電盤3から商用電源5へ引込み線電流I2が流れる。IL、IG、IHについては通常潮流の場合と同様である。このとき、次式(2)で示すような関係が成立する。
I2=IG−IH−IL・・・・・・・(2)
【0011】
(1)式から、通常潮流時においては、負荷電流IHが増加すると、引込み線電流I1が増加することが分かる。また、(2)式から、逆潮流時においては、負荷電流IHが増加すると、引込み線電流I2が減少することが分かる。
このように、負荷電流IHを増加したときに引込み線電流が増加するか減少するかで、通常潮流(正常)か逆潮流(異常)かを判定することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家電機器4の負荷電流ILは絶えず変動している場合があり、このような場合には、通常潮流であっても、負荷電流IHの増加により引込み線電流I1が増加するとは限らず(例えば、負荷電流ILが絶えず減少している場合には、引込み線電流I1は、負荷電流IHの増加により僅かに増加または減少し、所定値以上の増加とならず、正常ではないと判定される場合がある)、正確な判定を行うことができないという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、ユーザ負荷等の電源負荷の変動にかかわらず正確に正常か異常かを判定することができるコージェネレーションシステムの制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のコージェネレーションシステムの制御装置は、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力を家電機器等のユーザ負荷に供給し、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には複数の負荷から成る余剰電力回収用負荷部を制御して余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置であって、制御装置は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路と、CT入力回路で検出した引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータとを有し、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化により余剰電力回収用負荷部の異常を判定する構成を備えている。
これにより、ユーザ負荷等の電源負荷の変動にかかわらず正確に正常か異常かを判定することができるコージェネレーションシステムの制御装置が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置は、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力を家電機器等のユーザ負荷に供給し、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には複数の負荷から成る余剰電力回収用負荷部を制御して余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置であって、制御装置は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路と、CT入力回路で検出した引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータとを有し、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化により余剰電力回収用負荷部の異常を判定することとしたものである。
この構成により、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化を取り込んで判定、すなわち余剰電力回収用負荷部の各負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定すると共に余剰電力回収用負荷部の各負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するようにすることができるので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができるという作用を有する。
【0016】
請求項2に記載のコージェネレーションシステムの制御装置は、請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の所定の負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、所定の負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行う余剰電力異常検知手段と、余剰電力異常検知手段において異常と判定する限り、所定の負荷を所定回数だけ変えて、余剰電力異常検知手段によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段とを有することとしたものである。
この構成により、余剰電力回収用負荷部の所定の負荷をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常か異常かを判定することができるという作用を有する。
【0017】
請求項3に記載のコージェネレーションシステムの制御装置は、請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、余剰電力回収用負荷部は消費電力の異なる第1のヒータ、第2のヒータ、・・・、第Nのヒータから成るヒータ部であり、コンピュータは、第1のヒータをオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、第1のヒータをオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行うヒータ断線検知手段を有し、ヒータ断線検知手段は順次第2のヒータ、第3のヒータ、・・・、第Nのヒータと切り替えてヒータ断線検知手段によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段を有することとしたものである。この構成により、余剰電力回収用負荷部のヒータをオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、消費電力の異なる第1のヒータ、第2のヒータ、・・・、第Nのヒータについて行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常(通常潮流)か異常(逆潮流)かを判定することができると共に、ヒータの正常・異常の判定をも行うことができるという作用を有する。
【0018】
請求項4に記載のコージェネレーションシステムの制御装置は、請求項3に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、ヒータ断線検知手段は、ヒータをオン・オフするヒータオンオフ手段と、ヒータオンオフ手段によりヒータをオンしたときの電力増加値またはヒータをオフしたときの電力減少値が正常か否かを判定する電力判定手段と、電力増加値および電力減少値が正常でない間は電力判定手段における判定を繰り返させるサブリトライ回数判定手段とを有することとしたものである。
この構成により、余剰電力回収用負荷部の所定のヒータ(例えば100ワットのヒータ)をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が複雑な変動をしていても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができるという作用を有する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるコージェネレーションシステムの制御装置の構成は、図1に示す一般的な構成と同様である。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1によるコージェネレーションシステムの制御装置2を構成するコンピュータ21における機能実現手段を示す機能ブロック図である。
図3において、211は余剰電力回収用負荷部(ヒータ部)12の所定の負荷(ヒータ)をオンしたときに引込み線電流I1(図2参照)の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、所定の負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行う余剰電力異常検知手段としてのヒータ断線検知手段、212はヒータ断線検知手段211における判定結果に基づいて正常か異常かを判定する正常異常判定手段、213はヒータ断線検知手段211における正常・異常の判定回数(すなわちヒータの変更回数)を判定するリトライ回数判定手段、214は時間を計測する計時手段である。
【0021】
このように構成されたコンピュータ21における動作について、図4を用いて説明する。図4はコンピュータ21の動作を示すフローチャートである。
図4において、まず、ヒータ断線検知手段211は、所定のヒータ(たとえば100ワットのヒータ)をオン、オフしたときの引込み線電流I1が増加したか否かを判定することにより通常潮流(正常)か逆潮流(異常)かを判定する(S1)。次に、正常異常判定手段212は、ヒータ断線検知手段211における判定結果に基づいて正常か異常かを判定し(S2)、異常と判定したときは次にリトライ回数判定手段213は、4回のリトライが終了したか否か判定する(S3)。ヒータ部4は、100Wヒータ121、124と200Wヒータ122、125と300Wヒータ123、126とから成るので、正常異常判定手段212は、各ヒータを用いた場合の3回の正常・異常と、全ヒータ(600ワットまたは1200ワット)を用いた場合の1回の正常・異常を異常が続く限り判定する。なお、ヒータは図1に示すように100W、200W、300Wが2個ずつあるが、各判定においては、判定基準値に応じて2個用いても1個用いてもよい。次に、リトライ回数判定手段213が4回のリトライは終了していないと判定した場合、計時手段214において1.2秒の経過であると判定した後、ステップS1へ戻る(S4)。
【0022】
ステップS1においては、ヒータ断線検知手段211は、例えば1回目において100Wのヒータを使用した場合は2回目において200Wのヒータを使用する。このようにして、正常、異常にかかわらず、100Wヒータ121、124と200Wヒータ122、125と300Wヒータ123、126と全ヒータ121〜126とについて正常か異常かの判定動作を行う。ステップS2において正常であると判定したときは正常であると決定し、この処理を終了する(S5)。また、ステップS3において4回目のリトライであったと判定したときは異常であると決定し、この処理を終了する(S6)。
【0023】
次に、図3のヒータ断線検知手段211の動作について、図5および図6を用いて詳細に説明する。図5はヒータ断線検知手段211を示す機能ブロック図であり、図6は図5のヒータ断線検知手段211の動作を示すフローチャートである。
図5において、215はヒータ部12のヒータをオン・オフするヒータオンオフ手段、216は時間計測を行うサブ計時手段、217はヒータオンオフ手段215によりヒータをオンしたときの電力増加値またはヒータをオフしたときの電力減少値が正常か否かを判定する電力判定手段、218は電力増加値および電力減少値が正常でない間は電力判定手段217における判定を繰り返させるサブリトライ回数判定手段である。
【0024】
図6において、まず、ヒータオンオフ手段215は、所定のヒータ(たとえば100Wのヒータ121)をオンし(S11)、サブ計時手段216が130msec(ミリ秒)経過したと判定した後(S12)に電力判定手段217は、所定電力(たとえば80W)以上の電力増加があるか否かを判定し(S13)、所定電力以上の電力増加がなかったと判定したときはヒータオンオフ手段215は次にヒータをオフし(S14)、サブ計時手段216が200msec(ミリ秒)経過したと判定した後(S15)に電力判定手段217は、所定電力(たとえば80W)以上の電力減少があるか否かを判定し(S16)、所定電力以上の電力減少がなかったと判定したときは次にサブリトライ回数判定手段218は、リトライ回数が4回目であったか否かを判定し(S17)、4回目のリトライではなかったと判定したときは、リトライ回数に応じて、サブ計時手段216における所定の時間経過の判定後に、ステップS11へ戻る(S18〜S21)。ステップS18〜S21においては、1回目のリトライの場合には経過時間100msecを確認し(S19)、2回目のリトライの場合には経過時間200msecを確認(S20)、3回目のリトライの場合には経過時間300msecを確認する(S21)。このようにして、所定のヒータたとえば100Wのヒータ121について、異常が続く限り、4回のリトライを行う。
【0025】
ステップS13、S16において所定電力以上であると判定した場合には正常と決定し(S22、S23)、この処理を終了する。また、ステップS17において4回目のリトライであったと判定したときは異常であると決定し、この処理を終了する(S24)。
なお、図6における判定が200Wのヒータ122についての判定の場合は所定電力は160Wとなり、300Wのヒータ123についての判定の場合は所定電力は240W、600Wのヒータ121〜123についての判定の場合は所定電力480Wとなる。同じ種類のヒータを2個使用した場合の判定においては所定電力は倍となる。なお、これらの所定電力値はユーザ負荷等に応じて適正なものを選択するようにする。
【0026】
以上のように本実施の形態によれば、制御装置2は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路22、23と、CT入力回路22、23で検出した引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータ21とを有し、コンピュータ21は、余剰電力回収用負荷部12の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化により余剰電力回収用負荷部の異常を判定することにより、余剰電力回収用負荷部12の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化を取り込んで判定、すなわち余剰電力回収用負荷部12の各負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定すると共に余剰電力回収用負荷部12の各負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するようにすることができるので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができる。
【0027】
また、コンピュータ21は、余剰電力回収用負荷部12の所定の負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、所定の負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行うヒータ断線検知手段211と、ヒータ断線検知手段211において異常と判定する限り、所定の負荷を所定回数だけ変えて、ヒータ断線検知手段211によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段213とを有することにより、余剰電力回収用負荷部12の所定の負荷をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、正常、異常にかかわらず、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常か異常かを判定することができる。たまたまユーザ負荷のオフと余剰電力回収用負荷のオンが重なった場合でもリトライにより判定することができる。
【0028】
さらに、余剰電力回収用負荷部12は消費電力の異なる第1のヒータ121、第2のヒータ122、・・・、第Nのヒータ126から成るヒータ部であり、コンピュータ21は、第1のヒータ121をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、第1のヒータをオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行うヒータ断線検知手段211を有し、ヒータ断線検知手段211は順次第2のヒータ122、第3のヒータ123、・・・、第Nのヒータ126と切り替えてヒータ断線検知手段211によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段213を有することにより、余剰電力回収用負荷部12のヒータをオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、消費電力の異なる第1のヒータ121、第2のヒータ122、・・・、第Nのヒータ126について行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常(通常潮流)か異常(逆潮流)かを判定することができると共に、ヒータの正常・異常の判定をも行うことができる。
【0029】
さらに、ヒータ断線検知手段211は、ヒータをオン・オフするヒータオンオフ手段215と、ヒータオンオフ手段215によりヒータをオンしたときの電力増加値またはヒータをオフしたときの電力減少値が正常か否かを判定する電力判定手段217と、電力増加値および電力減少値が正常でない間は電力判定手段217における判定を繰り返させるサブリトライ回数判定手段218とを有することにより、余剰電力回収用負荷部12の所定のヒータ(例えば100ワットのヒータ121)をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が複雑な変動をしていても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置によれば、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力を家電機器等のユーザ負荷に供給し、エンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には複数の負荷から成る余剰電力回収用負荷部を制御して余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置であって、制御装置は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路と、CT入力回路で検出した引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータとを有し、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化により余剰電力回収用負荷部の異常を判定することにより、余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの引込み線電流の値の変化を取り込んで判定、すなわち余剰電力回収用負荷部の各負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定すると共に余剰電力回収用負荷部の各負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するようにすることができるので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができるという有利な効果が得られる。
【0031】
請求項2に記載のコージェネレーションシステムの制御装置によれば、請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、コンピュータは、余剰電力回収用負荷部の所定の負荷をオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、所定の負荷をオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行う余剰電力異常検知手段と、余剰電力異常検知手段において異常と判定する限り、所定の負荷を所定回数だけ変えて、余剰電力異常検知手段によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段とを有することにより、余剰電力回収用負荷部の所定の負荷をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常か異常かを判定することができるという有利な効果が得られる。
【0032】
請求項3に記載のコージェネレーションシステムの制御装置によれば、請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、余剰電力回収用負荷部は消費電力の異なる第1のヒータ、第2のヒータ、・・・、第Nのヒータから成るヒータ部であり、コンピュータは、第1のヒータをオンしたときに引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、第1のヒータをオフしたときに引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行うヒータ断線検知手段を有し、ヒータ断線検知手段は順次第2のヒータ、第3のヒータ、・・・、第Nのヒータと切り替えてヒータ断線検知手段によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段を有することにより、余剰電力回収用負荷部のヒータをオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、消費電力の異なる第1のヒータ、第2のヒータ、・・・、第Nのヒータについて行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が変動していても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において更に正確に正常(通常潮流)か異常(逆潮流)かを判定することができると共に、ヒータの正常・異常の判定をも行うことができるという有利な効果が得られる。
【0033】
請求項4に記載のコージェネレーションシステムの制御装置によれば、請求項3に記載のコージェネレーションシステムの制御装置において、ヒータ断線検知手段は、ヒータをオン・オフするヒータオンオフ手段と、ヒータオンオフ手段によりヒータをオンしたときの電力増加値またはヒータをオフしたときの電力減少値が正常か否かを判定する電力判定手段と、電力増加値および電力減少値が正常でない間は電力判定手段における判定を繰り返させるサブリトライ回数判定手段とを有することにより、余剰電力回収用負荷部の所定のヒータ(例えば100ワットのヒータ)をオン、オフしたときの引込み線電流の値の増加、減少の判定を、異常が続く限り、所定回数行うようにしたので、ユーザ負荷等の電源負荷が複雑な変動をしていても、引込み線電流の値の増加方向または減少方向において正確に正常か異常かを判定することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分電盤とコージェネレーションシステムとを含む電気系統を示す電気系統図
【図2】逆潮流を判定することができないという不具合を是正するためのコンピュータの動作原理を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態1によるコージェネレーションシステムの制御装置を構成するコンピュータにおける機能実現手段を示す機能ブロック図
【図4】コンピュータの動作を示すフローチャート
【図5】ヒータ断線検知手段を示す機能ブロック図
【図6】図5のヒータ断線検知手段の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 コージェネレーションシステム
2 制御装置
3 分電盤
4 家電機器
5 商用電源
11 エンジン発電機
12 ヒータ部(余剰電力回収用負荷部)
13 循環ポンプ
14 漏電ブレーカ
21 コンピュータ
22、23 CT入力回路
24 スイッチ回路
31 リミッタ(SB)
32 漏電ブレーカ(ELB)
33、34、35、36、37 安全ブレーカ
38、39 CT(電流変換器)
41 テレビ系統
42 洗濯機系統
43 冷蔵庫系統
121、122、123、124、125、126 ヒータ
211 ヒータ断線検知手段
212 正常異常判定手段
213 リトライ回数判定手段
214 計時手段
215 ヒータオンオフ手段
216 サブ計時手段
217 電力判定手段
218 サブリトライ回数判定手段
221、231 整流回路
222、232 コンデンサ
223、233 抵抗器
241、242、243、244、245、246、247 スイッチ
Claims (4)
- エンジン発電機又は燃料電池の出力電力を家電機器等のユーザ負荷に供給し、前記エンジン発電機又は燃料電池の出力電力に余剰電力が生じた場合には複数の負荷から成る余剰電力回収用負荷部を制御して前記余剰電力を熱として回収するコージェネレーションシステムの制御装置であって、
前記制御装置は、商用電源の電力を引き込む引込み線を流れる引込み線電流を検出するCT入力回路と、前記CT入力回路で検出した前記引込み線電流の値を取り込むと共に全体を制御するコンピュータとを有し、
前記コンピュータは、前記余剰電力回収用負荷部の各負荷をオン・オフしたときの前記引込み線電流の値の変化により前記余剰電力回収用負荷部の異常を判定することを特徴とするコージェネレーションシステムの制御装置。 - 前記コンピュータは、前記余剰電力回収用負荷部の所定の負荷をオンしたときに前記引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、前記所定の負荷をオフしたときに前記引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行う余剰電力異常検知手段と、前記余剰電力異常検知手段において異常と判定する限り、前記所定の負荷を所定回数だけ変えて、前記余剰電力異常検知手段によるオン判定動作とオフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置。
- 前記余剰電力回収用負荷部は消費電力の異なる第1のヒータ、第2のヒータ、・・・、第Nのヒータから成るヒータ部であり、前記コンピュータは、前記第1のヒータをオンしたときに前記引込み線電流の値が増加するか否かを判定するオン判定動作と、前記第1のヒータをオフしたときに前記引込み線電流の値が減少するか否かを判定するオフ判定動作とを行うヒータ断線検知手段を有し、前記ヒータ断線検知手段は順次前記第2のヒータ、第3のヒータ、・・・、第Nのヒータと切り替えて前記ヒータ断線検知手段による前記オン判定動作と前記オフ判定動作とを繰り返すリトライ回数判定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステムの制御装置。
- 前記ヒータ断線検知手段は、前記ヒータをオン・オフするヒータオンオフ手段と、前記ヒータオンオフ手段により前記ヒータをオンしたときの電力増加値または前記ヒータをオフしたときの電力減少値が正常か否かを判定する電力判定手段と、前記電力増加値および前記電力減少値が正常でない間は前記電力判定手段における判定を繰り返させるサブリトライ回数判定手段とを有することを特徴とする請求項3に記載のコージェネレーションシステムの制御装置。
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