JP2004092314A - パワーウインドウ駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パワーウインドウ駆動制御装置100は、モータ140と、回転センサ200と、回転センサ200から出力される回転信号に基づき窓ガラスの位置を検出しつつ操作スイッチ120からの開指令信号及び閉指令信号に応じてモータ140を制御するマイコン160を備える。マイコン160は回転信号の出力の有無に応じて回転センサ200の異常判定を行う。マイコン160はIGスイッチがオフからオンに切替えられた後の最初の開指令信号の入力中に、又は操作スイッチ120から閉指令信号が入力された後の最初の開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときには、回転センサ200の異常判定を無効化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーウインドウ駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からウインドウガラス(以下、窓ガラスという)を閉める際、モータの回転信号を監視し、モータの回転数が閾値以下に低下した場合に異物挟み込みと判断して窓ガラスの閉動作を停止,開動作をさせるようにしてモータ回転監視方式の異物挟み込み防止機能付きパワーウインドウ駆動制御装置が知られている。
【0003】
この種のパワーウインドウ駆動制御装置では、例えば、モータ軸に取り付けられた磁石の回転による磁界の変化を検出するホール素子磁気センサ又はモータ軸に取り付けられた導体の回転を検出する摺動接点等の回転センサを用いてモータ回転数の検出を行っている。この回転センサを複数設けた場合には、モータ回転数(回転速度)のみでなく、センサ出力の位相差によってモータの回転方向をも検出するようになっている。
【0004】
又、この種のパワーウインドウ駆動制御装置では、回転センサの出力である回転信号(パルス信号)をマイクロコンピュータにてカウントすることにより、窓ガラスの位置をも検出するようになっている。すなわち、回転センサから出力される正・逆転方向のパルス数をそれぞれパルスカウンタでカウントし、マイクロコンピュータにてパルスカウンタのカウント値を予めメモリに記憶された基準位置に対応するカウント値(パルス値)に加減算することにより、窓ガラスの位置を求めている。
【0005】
そして、このパワーウインドウ駆動制御装置では、窓ガラスが全閉位置の直前の領域を、異物挟み込み防止動作を行わない挟み込み防止解除領域(以下、不感帯領域という)として設定したものがある。
【0006】
これは、不感帯領域を設定していない場合、窓ガラスが上昇中にドア窓に設けたウェザストリップ(防音や防水のために設けてある)の内底壁に当たると、モータ回転数の変化率が異物の挟み込みの時と同様に変化するため、異物挟み込みと判断されて窓ガラスが所定量下降して停止してしまう。これを回避するように挟み込み防止動作をさせないようにしている。一方、この不感帯領域では異物挟み込みが生じる可能性は殆どなく(ゴミ等の小さな異物の挟み込みを除き)、異物挟み込み検出機能を解除しても不都合はないからである。
【0007】
そして、この種のパワーウインドウ駆動制御装置では、操作スイッチにて昇降操作を行っているにも拘わらず、前記回転センサからの回転信号(パルス信号)が所定時間ない場合(パルス入力がない場合)、センサ故障と判定するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、窓ガラスが全閉位置に位置した全閉状態において、操作スイッチにてダウン操作を行った際、凍結により窓ガラスがドア(例えばウェザストリップ)に固着した場合、モータが回転しなくなる。この場合、従来は、前記回転センサからのパルス入力がなくなるため、回転センサは正常であるにも拘わらず、パワーウインドウ駆動制御装置は回転センサが故障したとする誤判定を行う問題があった。
【0009】
本発明の目的は、凍結により、窓ガラスが固着した場合においては、回転センサに関する誤判定を抑制することができるパワーウインドウ駆動制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レギュレータを介して窓ガラスに作動連結された窓ガラス開閉駆動用のモータと、窓ガラスの開指令信号及び閉指令信号を出力する操作スイッチと、前記モータの回転に応じた回転信号を出力する回転センサと、この回転センサから出力される回転信号に基づき前記窓ガラスの位置を検出しつつ前記操作スイッチからの開指令信号及び閉指令信号に応じて前記モータを制御する制御手段と、前記回転信号の出力の有無に応じて前記回転センサの異常判定を行う判定手段を備えたパワーウインドウ駆動制御装置において、前記レギュレータの遊びの範囲で同レギュレータの移動を検出した場合に、前記判定手段の異常判定を無効にする無効化手段を備えたことを特徴とするパワーウインドウ駆動制御装置を要旨とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記無効化手段による、前記レギュレータの遊びの範囲で同レギュレータの移動を検出した場合とは、前記操作スイッチからの開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときであることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2において、前記操作スイッチからの開指令信号の入力は、イグニッションスイッチがオフからオンに切替えられた後の最初の開指令信号の入力であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項2において、前記操作スイッチからの開指令信号の入力は、操作スイッチから閉指令信号が入力された後の最初の開指令信号の入力であること特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記無効化手段は、前記操作スイッチからの開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったとき、前記判定手段を無効化し、さらに、その後に、新たな前記操作スイッチの操作による開指令信号の入力中に回転信号の出力がない場合、前記判定手段を無効化することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項において、前記制御手段は、前記回転センサから出力される回転信号に基づいた前記窓ガラスの位置に基づいて、窓ガラスの挟み込み検出が不能な不感帯領域と、窓ガラスの挟み込み検出が可能な感帯領域の検知を可能としており、前記無効化手段は、前記不感帯領域において、前記判定手段への無効化を行うことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図9を参照して説明する。
図1は自動車のパワーウインドウ駆動制御装置の電気ブロック図である。
【0017】
同図に示すように、パワーウインドウ駆動制御装置100は、開指令信号及び閉指令信号を出力する操作スイッチ120と、窓ガラス開閉駆動用のモータ140と、前記開指令信号及び閉指令信号に応じてモータ140を制御するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン160」という)を備えている。又、パワーウインドウ駆動制御装置100は、マイコン160からの指令に応じてモータ140を駆動するモータドライバ180を備えている。
【0018】
又、モータ140には、同モータ140の回転に応じた回転信号(パルス信号)を出力する回転センサ200が併設され、この回転センサ200から出力される回転信号がマイコン160に送出される。
【0019】
操作スイッチ120は、閉・開両方向に各2段の設定が可能な押しボタンスイッチにて構成されている。操作スイッチ120は、閉方向第1段がマニュアル閉,閉方向第2段がオート閉とされている。又,操作スイッチ120は、開方向第1段がマニュアル開,開方向第2段がオート開となっており、マニュアル閉,マニュアル開の操作がなされると、操作スイッチ120は操作されている間、閉指令信号,開指令信号をマイコン160に送出するようになっている。このため、マニュアル閉,マニュアル開の状態で、ユーザーが操作スイッチ120から指を離すと、マイコン160に対する閉指令信号,開指令信号の入力が停止される。
【0020】
モータ140は、レギュレータを介して窓ガラス(ともに図示しない)に作動連結されており同窓ガラスを上昇(閉方向移動),下降(開方向移動)させるようになっている。レギュレータは、遊びを有している。このため、窓ガラスを全閉位置に位置させた状態において、窓ガラスが凍結によりドアの窓枠に設けられたウェザストリップに固着された状態では、モータ140はレギュレータの遊びの範囲内で開方向駆動(逆転駆動)し、窓ガラスは移動しない。
【0021】
なお、モータ140は駆動源を構成している。
マイコン160は、入力ポート20と、ROM(リード・オンリ・メモリ)30と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)40と、出力ポート50と、これらにシステム・バス60を介して接続されたCPU(中央処理装置)70等を含んで構成されている。
【0022】
マイコン160は、ROM30に予め格納されたモータ制御プログラムに基づき、操作スイッチ120からの開指令信号,閉指令信号に応じてモータ140の制御信号を出力してモータドライバ180を介してモータ140を制御する。又、オート閉時の異物挟み込み防止制御,回転センサ200の出力である回転信号異常発生時の制御等の諸機能を有している。又、ROM30に予め格納された、フェール検出制御プログラム及びモータロック検出制御プログラムをマイコン160は実行する。
【0023】
又、マイコン160は、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという)のオン・オフ信号を入力ポート20を介して入力する。
マイコン160は、制御手段、判定手段、無効化手段に相当する。
【0024】
モータドライバ180は、マイコン160から入力される制御信号に応じてモータ140を正・逆両方向に駆動し、制御信号が入力されないときは、モータ140を停止させる回路として構成されている。この回路は、例えば、モータ140の一端と他端を電源とグランドに切替え接続する一組のリレースイッチ等を含んで構成されている。
【0025】
回転センサ200は、図2に示すように、モータ140の回転軸140aに取り付けられた磁石200a,200bの回転により生ずる磁界の変化を検出する2個のホール素子磁気センサ210a,210bを含んで構成されている。ホール素子磁気センサ210a,210bは、回転軸140aの軸心を中心として中心角90度を成し、磁石200a,200bの外周から所定距離を隔てて配置されている。
【0026】
回転センサ200は、ホール素子磁気センサ210a,210bの相互に90°位相のずれた回転信号を第1の出力A(図3の(A)参照),第2の出力B(図3の(B)参照)として出力する。又、第1の出力A,第2の出力Bはモータ140の1回転で1周期分出力される。なお、マイコン160では、回転センサ200から出力される第1の出力Aと第2の出力Bとの位相差により、モータ140の回転方向をも確認できるようになっている。
【0027】
上記のように構成された、本実施形態のパワーウインドウ駆動制御装置100の異物挟み込みの生じない通常時の動作、及びオート閉時の異物挟み込み検出動作は従来の公知のものと同様なので、ここでは簡単に説明する。
【0028】
操作スイッチ120が操作され、開方向第2段に設定されると、操作スイッチ120からオート開の指令信号が出力される。マイコン160では、このオート開の指令信号の入力により、回転センサ200からの回転信号をカウントして窓ガラスの位置を検出しつつモータドライバ180を介してモータ140を開方向駆動(逆転駆動)し続ける。この結果、窓ガラスは開方向移動をし続ける。この窓ガラスの開方向移動が停止するのは、回転信号のカウント値に基づきマイコン160が窓ガラスの全開位置を検出したときである。
【0029】
操作スイッチ120が操作され、閉方向第2段に設定されると、当該操作スイッチ120からオート閉の指令信号が出力される。マイコン160では前記と同様に回転センサ200からの回転信号のカウント値により窓ガラスの全閉位置を検出するまでモータドライバ180を介してモータ140を閉方向駆動(正転駆動)し続ける。
【0030】
この結果、窓ガラスは上昇し続け、全閉位置で停止する。但し、このオート閉の場合は、マイコン160は、公知のモータ回転監視方式の異物挟み込み検出を行い、挟み込みを検出した場合には、モータ140を停止させた後所定量だけ逆転させる。
【0031】
なお、窓ガラスが全閉位置に達する直前の領域を、異物挟み込み防止動作を行わない挟み込み防止解除領域(以下、不感帯領域という)として設定されており、マイコン160はこの不感帯領域に入ると、挟み込み検出しないようにしている。不感帯領域以外の窓ガラスが移動する他の領域は感帯領域とされている。
【0032】
マイコン160は回転信号のカウント値により、不感帯領域及び感帯領域を検知可能とされている。
不感帯領域を設けている理由は、従来技術で述べたので説明を省略する。
【0033】
又、操作スイッチ120が操作され、開方向第1段に設定されると、操作スイッチ120から開指令信号が入力され、マイコン160ではこの開指令信号が入力されている間は、モータ140を開方向に回転制御し、この開指令信号の入力が停止されるとモータ140を停止させる。この結果、窓ガラスは操作スイッチ120が操作されている間だけ、開方向移動を行う。操作スイッチ120が操作され、閉方向第1段に設定された場合にも、マイコン160では操作スイッチ120が操作されている間だけ、モータ140を閉方向に駆動する。
【0034】
さて、上記のように構成されたパワーウインドウ駆動制御装置100の作用を説明する。
(1.フェール検出制御)
図4及び図5は、回転センサ200のフェール検出制御プログラムのフローチャートを示し、マイコン160は所定周期毎に実行する。
【0035】
なお、ここでは、操作スイッチ120が開方向第1段、又は閉方向第1段に設定され、マニュアル開、又はマニュアル閉の動作が行われる場合について説明するが、開方向第2段、又は閉方向第2段に操作スイッチ120が設定されてオート開、又はオート閉になった場合も同様である。
【0036】
又、前提条件として、窓ガラスが全閉位置に位置している状態を想定する。
この制御プログラムが開始されると、S10では、アップ作動中か否かを判定する。すなわち、閉指令信号が操作スイッチ120から入力中か否かを判定し、閉指令信号が入力されている場合には、S20に移行する。又、閉指令信号が入力されていない場合には、S90で、IGスイッチが、オフ(オフ信号)からオン(オン信号)に切り替わったか否かを判定する。S90で、IGスイッチが、オフからオンに切り替わったと判定した場合には、S20に移行し、オフからオンに切り替わっていないと判定した場合、S30に移行する。
【0037】
S20では、両PLS異常検出禁止フラグ(以下、検出禁止フラグKという)をクリア(K←0)にして,S30に移行する。なお、PLSは、回転信号の出力のことであり、両PLSは、回転信号の第1の出力A,第2の出力Bのことである。従って、検出禁止フラグKは、回転信号の異常検出を行うか否かを決定するためのフラグである。
【0038】
S30では、ダウン作動中か否かを判定する。すなわち、開指令信号が入力中か否かを判定する。開指令信号が入力中であれば、S100に移行し、入力中でない場合には、S40に移行する。
【0039】
S40では、両PLS異常検出要フラグ(以下、検出要フラグFという)をクリアする。
S50では、窓ガラスの位置が不感帯領域にあるか否かを回転センサ200から入力した回転信号のカウント値に基づいて判定する。なお、IGスイッチがオフされると、オフ時の窓ガラスの位置を示すカウント値は、マイコン160に設けられた図示しないEEPROMに記憶され、IGスイッチがオンとなると、EEPROMから読み出される。
【0040】
なお、IGスイッチがオフされても、マイコン160に、電力が供給されるようにして、RAM40に、IGスイッチオフ時の窓ガラスの位置を示すカウント値を記憶するようにしてもよい。
【0041】
不感帯領域でない場合には、このフローチャートを一旦終了し、不感帯領域に窓ガラスの位置があるのであれば、S60に移行する。
S60では、検出禁止フラグKが0か否かを判定する。検出禁止フラグKが0の場合には、回転信号の異常検出を行ってよいとして、S70で検出要フラグFをセット(F←1)し、S80に移行する。又、検出禁止フラグKが1の場合には、回転信号の異常検出を行わないものとして、このフローチャートを一旦終了する。
【0042】
S80では、フェール検出タイマを所定時間τ1にプリセットし、このフローチャートを一旦終了する。
S100では、S30で、ダウン作動中であると判定したため、検出要フラグFがセットされているか否かを判定する。検出要フラグFが1にセットされていれば、異常検出のためにS110に移行し、検出要フラグFが0であれば、異常検出しないものとしてこのフローチャートを一旦終了する。
【0043】
S110では、回転信号の出力があり、その第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出があったか否かを判定する。第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出があった場合には、S120に移行し、回転信号の出力がなく、エッジ検出がない場合には、S140に移行する。
【0044】
なお、本実施形態のエッジ検出では、パルス信号の立ち下がりエッジの検出によって行っている。
S120では、検出要フラグFをクリア(F←0)し、S130において、検出禁止フラグKをセット(K←1)し、このフローチャートを一旦終了する。
【0045】
すなわち、回転信号の出力があったため、S120及びS130では、回転センサ200の異常検出を行わないようにするのである。
又、S140に移行した場合には、フェール検出タイマの値が残っているか否かを判定する。フェール検出タイマの値が、例えば、0未満であれば、残っていないとして、S160に移行し、フェール検出タイマの値が残っている場合には、S150に移行し、フェール検出タイマの値をデクリメントし、このフローチャートを一旦終了する。
【0046】
又、S140からS160に移行した場合には、フェール検出タイマの値が残っていないため、PLSフェール検出フラグをセットし、このフローチャートを一旦終了する。
【0047】
すなわち、S160でPLSフェール検出フラグをセットすることにより、回転センサ200の異常検出が行われたのである。
(2.モータロック検出制御)
次に、モータロック検出制御について説明する。
【0048】
図6及び図7は、回転センサ200のモータロック検出制御プログラムのフローチャートを示し、マイコン160は所定周期毎に実行する。
なお、ここでは、操作スイッチ120が開方向第1段、又は閉方向第1段に設定され、マニュアル開、又はマニュアル閉の動作が行われる場合について説明するが、開方向第2段、又は閉方向第2段に操作スイッチ120が設定されてオート開、又はオート閉になった場合も同様である。
【0049】
S210では、操作スイッチ120が、操作されているか否かを開指令信号又は閉指令信号の入力の有無に基づいて判定する。
操作スイッチ120が開指令信号又は閉指令信号の入力がなく、操作されていない場合には、S250に移行し、ロック検出タイマを所定時間τ2にプリセットして、このフローチャートを一旦終了する。なお、所定時間τ2は、数100ms程度である。
【0050】
操作スイッチ120が開指令信号又は閉指令信号の入力があり、操作されている場合には、S220に移行する。
S220では、回転信号の出力があり、その第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出があったか否かを判定する。第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出があった場合には、S250に移行し、回転信号の出力がなく、エッジ検出がない場合には、S230に移行する。
【0051】
このように、操作スイッチ120が操作されておらず、又は、回転信号の出力がない場合に、このフローチャートを実行した際にはS250においてロック検出タイマは所定時間τ2にプリセットされることになる。
【0052】
S230では、ロック検出タイマの値が残っているか否かを判定する。ロック検出タイマの値が、例えば、0未満であれば、残っていないとして、S260に移行し、ロック検出タイマの値が残っている場合には、S240に移行し、ロック検出タイマの値をデクリメントし、このフローチャートを一旦終了する。
【0053】
S260では、アップ出力中か否かを判定する。すなわち、操作スイッチ120から閉指令信号が出力中か否かを判定し、閉指令信号が出力されている場合には、S270に移行し、出力されていない場合には、S290に移行する。
【0054】
S270では、窓ガラスの位置が不感帯領域にあるか否かを回転センサ200から入力した回転信号のカウント値に基づいて判定する。不感帯領域でない場合には、S290に移行し、不感帯領域に窓ガラスの位置があるのであれば、S280に移行する。
【0055】
S280では、S270において、窓ガラスの位置が不感帯領域に位置していると判定したため、ロック検出フラグLをセット(L←1)し、このフローチャートを一旦終了する。
【0056】
S290ではダウン出力中か否かを判定する。すなわち、操作スイッチ120から開指令信号が出力中か否かを判定する。開指令信号が出力中であれば、S300に移行し、出力中でない場合には、このフローチャートを一旦終了する。
【0057】
S300では、窓ガラスの位置が感帯領域にあるか否かを回転センサ200から入力した回転信号のカウント値に基づいて判定する。感帯領域でない場合には、S320に移行して、両PLSの異常検出の禁止がされているか否かを検出禁止フラグKに基づいて判定する。S320で検出禁止フラグKが1の場合には、両PLSの異常検出の禁止がされているとして、S310に移行し、検出禁止フラグKが0の場合には、両PLSの異常検出の禁止がされていないとしてこのフローチャートを一旦終了する。
【0058】
S300において、感帯領域に窓ガラスの位置があるのであれば、S310に移行する。
S310では、ロック検出フラグを1にセットし、このフローチャートを一旦終了する。
【0059】
1.凍結時のフェール検出
次に、窓ガラスが全閉位置に位置している状態で凍結し、ウェザストリップに固着している状態において、回転センサの両PLS異常検出の具体的な例を図8及び図9を参照して説明する。なお、図8及び図9は、回転センサの両PLS異常検出のタイミングチャートを示している。
【0060】
図8及び図9において、IGはIGスイッチ、UPSWは操作スイッチ120のマニュアル閉,又はオート閉の操作を示している。
又、同図において、UP出力は操作スイッチ120の閉指令信号の出力を示し、DNSWは、操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作を示し、DN出力は、操作スイッチ120の開指令信号の出力を示している。なお、図8、及び図9において、DNSW,DN出力のオン(ON)時の実線は、マニュアル開がオンを示し、オン(ON)時の点線はオート開を示している。
【0061】
又、同図において、説明の便宜上、PLS信号は回転センサ200の第1の出力Aのみを示している。以下の説明では便宜上、PLS信号の次の括弧内に(第1の出力A)と記載することがある。しかし、実際は第2の出力Bは、第1の出力Aが出力されない場合には出力がなく、第1の出力Aがある場合には、出力があるものとする。
【0062】
(1.T1時)
図8に示す例では、IGがオフ(OFF)からオン(ON)の状態になると(T1時)、図4のフローチャートでは、S10で「NO」とされ、S90で「YES」とされて、S20で検出禁止フラグKをクリア(K←0)する。この時点では、操作スイッチ120は操作されていないため、S30では「NO」とされ、S40では、検出要フラグFをクリアする。続く、S50では、不感帯領域に窓ガラスが位置しているため、「YES」と判定され、S60では、検出禁止フラグKは0にされているため、検出禁止が解除されていると判定される。そして、S70では、検出要フラグFが1にセットされ、S80では、フェール検出タイマを所定時間τ1にプリセットして、このフローチャートを一旦終了する。
【0063】
(2.T2時)
T2時以前において、DNSWがオン(ON)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作)されていると、例えばT2時に起動された図4、図5のフローチャートでは、S10及びS90では「NO」と判定され、S30で「YES」と判定される。このため、S100に移行する。
【0064】
S100では、T1時において検出要フラグFが1にセットされているため(S70参照)、「YES」と判定され、S110に移行する。S110において、回転センサ200の第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出ができたか否かを判定する。
【0065】
第1の出力A、又は第2の出力Bがあるため、エッジ検出がされて、S110の判定を「YES」とし、S120に移行する。S120では、検出要フラグFをクリア(F←0)し、S130において、検出禁止フラグKをセット(K←1)し、このフローチャートを一旦終了する。
【0066】
従って、T2時以後は、検出禁止フラグKが1にセットされているため、両PLSの異常検出の禁止がされたことになる。
又、T2時を経過すると、検出要フラグFが0となる。
【0067】
(3.T2〜T3時)
なお、T3時は、DNSWがオフ(OFF)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作の解除)時であり、モータロック検出がされてから、所定時間τ1以上経過した時点である。
【0068】
(モータロック検出制御)
ここで、T2時の少し前から、T3時までのモータロック検出制御について簡単に説明する。
【0069】
DNSWがオンされると、窓ガラスが凍結によりドアの窓枠に設けられたウェザストリップに固着された状態では、モータ140はレギュレータの遊びの範囲内で開方向駆動(逆転駆動)し、窓ガラスは移動しない。
【0070】
従って、DNSWがオンされた時から、レギュレータの遊びがモータ140の回転を許容する範囲の限界(以下、凍結時におけるモータの下動限界という)まで、達する時までは、PLS信号(第1の出力A)は出力される。このため、図6のフローチャートでは、S210が「NO」と判定され、S220では、「YES」と判定されて、S250においてロック検出タイマは所定時間τ2にプリセットされる。
【0071】
そして、モータ140が、前記下動限界に達すると、モータ140がロックされて、T6時にPLS信号(第1の出力A)の出力がなくなる。
このように、T6時で、モータ140が下動限界に達した場合には、PLS信号(第1の出力A)の出力がないため、図6のフローチャートでは、S220の判定が「NO」となり、S230では、ロック検出タイマの値が残っているため、S240で、ロック検出タイマの値をデクリメントする。この後、窓ガラスの凍結状態が継続していると、図6のフローチャートが実行される毎に、S240でロック検出タイマの値のデクリメントを繰り返す。
【0072】
そして、PLS信号(第1の出力A)の出力がなくなってから、所定時間τ2を経過した時点(T7時)における図6のフローチャートの実行時には、S230の判定が「NO」となり、S260で「NO」と判定されて、S290に移行する。そして、図7のフローチャートのS290では、DN出力がオン(ON)であるため、「YES」とされる。続くS300では、窓ガラスは不感帯領域に位置するため、「NO」と判定され、S320に移行する。
【0073】
S320では、フェール検出制御プログラムのフローチャートにおいて、S110で第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出が行われて、S120を介してS130で、検出禁止フラグKが1にセットされているため、「YES」とされ、S310に移行する。
【0074】
この結果、S310において、ロック検出フラグLがセットされて、モータロック検出制御プログラムのフローチャートを一旦終了する(T7時)。
このロック検出フラグLは、マイコン160の他の種々の制御において、使用される。
【0075】
ここで、話を元に戻して、フェール検出制御プログラムにおけるT2〜T3時の説明をする。
T2時〜T3時の間、検出禁止フラグKは1にセットされ、DN出力がオン(ON)となっている。
【0076】
この間において、PLS信号が出力されており、図4、図5のフローチャートが実行されると、S10で「NO」、S90で「NO」、S30で「YES」とし、S100に移行する。しかし、マイコン160は検出要フラグFはT2時において0にしたため、S100で「NO」と判定して、このフローチャートを一旦終了する。
【0077】
この結果、図4、図5のフローチャートにおいては、T2時〜T3時の間、フェール検出することがない。すなわち、PLS信号(第1の出力A)の出力がなくなったT6時から、所定時間τ1以上経過したT3時に、DNSWがオフ(OFF)操作されても、図4、図5のフローチャートにおいては、フェール検出することがない。
【0078】
(4.T3〜T4時)
T3〜T4時の間は、DNSWがオフ(OFF)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作の解除)されている時である。
【0079】
この間において、マイコン160が図4、図5のフローチャートを定期的に実行する処理は、S10で「NO」、S90で「NO」、S30で「NO」と判定し、S40を経てS50で「NO」と判定する処理である。又、S60では、検出禁止フラグKは1にセットしたままであるため、「NO」と判定してこのフローチャートを終了する処理である。
【0080】
(5.T4〜T5時)
T4時は、DNSWがオン(ON)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作)された時点である。T5時は、DNSWがオフ(OFF)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作の解除)時であり、モータロック検出がされてから、所定時間τ1以上経過した時点である。
【0081】
この間、窓ガラスは、凍結状態が継続しているものとし、PLS信号が出力されていないものとする。なお、PLS信号が出力されない理由は後述する。
この間において、マイコン160が図4、図5のフローチャートが定期的に実行する処理は、S10で「NO」、S90で「NO」、S30で「YES」と判定し、S100に移行する処理である。
【0082】
しかし、マイコン160はT3〜T4時の間は、S40において検出要フラグFを0にしたため、S100で「NO」と判定して、このフローチャートを一旦終了する。
【0083】
この結果、図4、図5のフローチャートにおいては、T4〜T5時の間、フェール検出することがない。すなわち、PLS信号(第1の出力A)の出力がないT4時から、所定時間τ1以上経過したT5時に、DNSWがオフ(OFF)操作されても、図4、図5のフローチャートにおいては、フェール検出することがない。
【0084】
なお、T4〜T5時の間のモータロック検出制御は、T2〜T3時で説明したモータロック検出制御とほぼ同様であるため、説明を省略する。
T8はT4時からτ2経過した時点、すなわち、モータロック検出の時点である。
【0085】
なお、T2〜T3時のモータロック検出制御の説明では、モータ140は、レギュレータの遊びの範囲内で、逆転駆動する。しかしT4〜T5時の間では、既に、モータ140は下動限界にあるため、下動限界からさらには回転しない。従って、PLS信号は出力されない。
【0086】
(6.T5〜T9時)
図8、図9に示すT5〜T9時はDNSWがオフ状態、DN出力がオフ状態、検出禁止フラグKが1にセットされた状態を示している。
【0087】
(7.T9〜T10時)
T9時は、操作スイッチ120がマニュアル閉するように操作されて、UPSWがオン(ON)となった時点である。このときの操作スイッチ120の操作により、モータ140が駆動され、レギュレータの遊びの範囲内で回転して、停止する。このとき、PLS信号が出力されている。
【0088】
この操作スイッチ120のマニュアル閉の操作している間において、マイコン160が図4、図5のフローチャートを定期的に実行する処理は、S10で「YES」、S20で検出禁止フラグKを0にクリアし、S30で「NO」と判定しする処理である。続いて、マイコン160はS40を経て、S50で「YES」と判定し、S60では、前記S20で検出禁止フラグKを0にクリアしているため、「YES」と判定し、S70で検出要フラグFを1にセットし、S80ではフェール検出タイマを所定時間τ1にプリセットして、このフローチャートを終了する処理である。
【0089】
(8.T10時)
T10時は、T2時と同様に、T10時の直前において、DNSWがオン(ON)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作)されたことにより、検出禁止フラグKが1にセットされた時である。
【0090】
なお、この例では、窓ガラスの凍結状態が継続しているものとする。従って、T10時の直前において、DNSWがオンされると、モータ140は、レギュレータの遊びの範囲内で、逆転駆動する。
【0091】
このため、T10時の直前において、DNSWがオン(ON)操作されると、T10時に起動された図4、図5のフローチャートでは、S10及びS90では「NO」と判定され、S30で「YES」と判定される。このため、S100に移行する。
【0092】
S100では、T9〜T10時において検出要フラグFが1にセットされているため(S70参照)、「YES」と判定され、S110に移行する。S110において、回転センサ200の第1の出力A又は第2の出力Bのエッジ検出ができたか否かを判定する。
【0093】
第1の出力A、又は第2の出力Bがあるため、エッジ検出がされて、S110の判定を「YES」とし、S120に移行する。S120では、検出要フラグFをクリア(F←0)し、S130において、検出禁止フラグKをセット(K←1)し、このフローチャートを一旦終了する。
【0094】
従って、T10時以後は、T2時以後と同様に検出禁止フラグKが1にセットされているため、両PLSの異常検出の禁止がされたことになる。
又、T10時を経過すると、検出要フラグFが0となる。
【0095】
上記のように、T10時のマイコン160のフェール検出制御は、窓ガラスが凍結状態で、DNSWがオンされ、レギュレータの遊びの範囲内で、モータ140が下動限界に達する動作をするため、T2時のフェール検出制御と同様となる。
【0096】
(9.T10〜T11時)
なお、T11時は、DNSWがオフ(OFF)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作の解除)時であり、モータロック検出がされてから、所定時間τ1以上経過した時点である。
【0097】
このT10〜T11時における、マイコン160のフェール検出制御は、T2〜T3時におけるフェール検出制御と同様であるため、説明を省略する。
又、このT10〜T11時における、モータロック検出制御も、T2〜T3時におけるモータロック検出制御と同様であるため説明を省略する。
【0098】
従って、図9において、T15は、図8のT6時に相当し、T16時は、T7時に相当する。
この結果、図4、図5のフローチャートにおいては、T10〜T11時の間、フェール検出することがない。すなわち、PLS信号(第1の出力A)の出力がなくなったT15時から、所定時間τ1以上経過したT11時に、DNSWがオフ(OFF)操作されても、図4、図5のフローチャートにおいては、フェール検出することがない。
【0099】
(10.T11〜T12時)
この例では、T11以後に、IGスイッチがオンからオフになったことを示している。
【0100】
2.非凍結時のフェール検出
次に、窓ガラスが凍結しておらず、ウェザストリップに固着していないで全閉位置に位置している状態、すなわち、不感帯領域に窓ガラスが位置している状態のフェール検出を説明する。なお、前提として、回転センサ200に故障が発生し、回転信号の出力がないものとする。
【0101】
なお、T13時以前にIGスイッチが、オン操作されているものとする。
IGスイッチがオンされると、T1時と同様のマイコン160は、フェール検出制御を行う。
【0102】
IGスイッチが、オン操作された後、最初にDNSWが(ON)操作された場合には、マイコン160は、T12時、及びT13〜T15時のフェール検出制御と同様に行うことにより、フェール検出を行う。
【0103】
すなわち、IGがオフ(OFF)からオン(ON)の状態になると、図4のフローチャートでは、S10で「NO」とされ、S90で「YES」とされて、S20で検出禁止フラグKをクリア(K←0)する。この時点では、操作スイッチ120は操作されていないため、S30では「NO」とされ、S40では、検出要フラグFをクリアする。続く、S50では、不感帯領域に窓ガラスが位置しているため、「YES」と判定され、S60では、検出禁止フラグKは0にされているため、検出禁止が解除されていると判定される。
【0104】
そして、S70では、検出要フラグFが1にセットされ、S80では、フェール検出タイマを所定時間τ1にプリセットして、このフローチャートを一旦終了する。
【0105】
従って、検出禁止フラグKはT12時以降は0にクリアされたままとなる。
T13時はDNSWがオン(ON)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作)された時点である。T15時はDNSWがオフ(OFF)操作(操作スイッチ120のマニュアル開又はオート開の操作の解除)時であり、モータロック検出がされてから、所定時間τ1以上経過した時点である。
【0106】
T13〜T15時間において、回転センサ200に故障が発生し、回転信号の出力がないと、所定周期毎に処理するマイコン160のフェール検出制御では、S10で「NO」、S90で「NO」、S30で「YES」とし、S100では「YES」とする。続く、S110では、回転信号の出力がなく、第1の出力A、及び第2の出力Bがないため、判定を「NO」とし、S140に移行する。
【0107】
S140では、始めは、フェール検出タイマの値が残っているため、S150に移行し、フェール検出タイマの値をデクリメントし、図4、図5のフローチャートを一旦終了する。
【0108】
しかし、T13時から、τ1時間経過した場合には、S140では「NO」と判定してS160に移行し、PLSフェール検出フラグをセットする。
この結果、S160でPLSフェール検出フラグをセットすることにより、回転センサ200の異常検出が行われる。
【0109】
次に、上記のように構成した検査装置10の特徴について説明する。
(1) 本実施形態のパワーウインドウ駆動制御装置100は、モータ140と、回転センサ200と、回転センサ200から出力される回転信号に基づき窓ガラスの位置を検出しつつ操作スイッチ120からの開指令信号及び閉指令信号に応じてモータ140を制御するマイコン160(制御手段)を備える。又、パワーウインドウ駆動制御装置100は回転信号の出力の有無に応じて回転センサ200の異常判定を行うマイコン160(判定手段)を備える。
【0110】
さらに、パワーウインドウ駆動制御装置100のマイコン160(無効化手段)はレギュレータの遊びの範囲で同レギュレータの移動を検出した場合に、回転センサ200の異常判定を無効化するようにした。
【0111】
この結果、例えば、窓ガラスが凍結状態になって、ドア(ウェザストリップ)に対して固着した状態の際に、レギュレータの遊びが許容する範囲内でモータ140が回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として検出することがない。
【0112】
従って、窓ガラスが凍結状態であって、モータ140が少しでも開方向へ回転した際には、回転センサの故障検出することがなくなるため、誤検出を少なくする、すなわち抑制することができる。
【0113】
(2) 本実施形態では、マイコン160(無効化手段)が、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったことを検出することは、レギュレータの遊びの範囲内で同レギュレータの移動を検出したことに相当する。
【0114】
すなわち、本実施形態では、操作スイッチ120からの開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときには、回転センサ200の異常判定を無効化するようにした。
【0115】
この結果、上記(1)の作用効果を容易に実現できる。
(3) 本実施形態のパワーウインドウ駆動制御装置100では、IGスイッチがオフからオンに切替えられた後の最初の開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときには、回転センサ200の異常判定を無効化するようにした。
【0116】
この結果、IGスイッチがオフからオンに切替えられた後の最初の開指令信号の入力中に、レギュレータの遊びが許容する範囲内でモータ140が回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として誤検出することがない。
【0117】
(4) 本実施形態のパワーウインドウ駆動制御装置100では、操作スイッチ120から閉指令信号が入力された後の最初の開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときには、回転センサ200の異常判定を無効化するようにした。
【0118】
この結果、操作スイッチ120から閉指令信号が入力された後の最初の開指令信号の入力中に凍結状態の窓ガラスがレギュレータの遊びが許容する範囲内でモータ140が回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として誤検出しない。
【0119】
(5) 本実施形態では、マイコン160は操作スイッチ120からの開指令信号の入力中に回転信号の出力があった後にその出力がなくなったとき、異常判定を無効化し、その後に、新たな操作スイッチ120の操作による開指令信号の入力中に回転信号の出力がない場合、異常検出を行わないようにした。
【0120】
その結果、新たな操作スイッチ120の操作による開指令信号の入力中に回転信号の出力がない状態を回転センサ故障として誤検出することがない。
(6) 本実施形態では、マイコン160(制御手段)は、回転センサ200から出力される回転信号に基づいた窓ガラスの位置に基づいて、窓ガラスの挟み込み検出が不能な不感帯領域と、窓ガラスの挟み込み検出が可能な感帯領域の検知を可能としている。そして、マイコン160(無効化手段)は、不感帯領域においては、回転センサ200の異常判定を無効化するようにした。
【0121】
この結果、不感帯領域において、窓ガラスが凍結状態になって、レギュレータの遊びが許容する範囲内でモータ140が回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として誤検出することがない。
【0122】
なお、実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、不感帯領域において、窓ガラスが凍結状態になって、レギュレータの遊びが許容する範囲内でモータ140が回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として誤検出しないようにした。
【0123】
これに代えて、感帯領域においても、同様に窓ガラスが凍結状態になって、モータが回転したときは、回転センサ200が故障していないにも拘わらず、回転信号が出力されていない状態を回転センサ故障として誤検出しないようにしてもよい。
【0124】
○ 前記実施形態では、自動車のパワーウインドウ駆動制御装置に具体化したが、他の車両におけるパワーウインドウ駆動制御装置に具体化してもよい。
○ 前記実施形態では、ドアの窓ガラスに関するパワーウインドウ駆動制御装置に具体化したが、ドア以外の窓ガラスに関するパワーウインドウ駆動制御装置に具体化してもよい。
【0125】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項6の発明によれば、凍結により、窓ガラスが固着した場合、回転センサに関する誤判定を抑制することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のパワーウィンドウ駆動制御装置の構成示すブロック図。
【図2】回転センサの内部構造を示す概略断面図。
【図3】(A)は第1の出力のパルス信号の説明図、(B)は第2の出力のパルス信号の説明図。
【図4】フェール検出制御に関するフローチャート。
【図5】フェール検出制御に関するフローチャート。
【図6】モータロック検出制御に関するフローチャート。
【図7】モータロック検出制御に関するフローチャート。
【図8】回転センサの両PLS異常検出のタイミングチャート。
【図9】回転センサの両PLS異常検出のタイミングチャート。
【符号の説明】
100…パワーウインドウ駆動制御装置
120…操作スイッチ
140…モータ
160…マイコン(制御手段、判定手段、無効化手段)
200…回転センサ
Claims (6)
- レギュレータを介して窓ガラスに作動連結された窓ガラス開閉駆動用のモータと、窓ガラスの開指令信号及び閉指令信号を出力する操作スイッチと、前記モータの回転に応じた回転信号を出力する回転センサと、この回転センサから出力される回転信号に基づき前記窓ガラスの位置を検出しつつ前記操作スイッチからの開指令信号及び閉指令信号に応じて前記モータを制御する制御手段と、前記回転信号の出力の有無に応じて前記回転センサの異常判定を行う判定手段を備えたパワーウインドウ駆動制御装置において、
前記レギュレータの遊びの範囲で同レギュレータの移動を検出した場合に、前記判定手段の異常判定を無効にする無効化手段を備えたことを特徴とするパワーウインドウ駆動制御装置。 - 前記無効化手段による、前記レギュレータの遊びの範囲で同レギュレータの移動を検出した場合とは、
前記操作スイッチからの開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったときであることを特徴とする請求項1に記載のパワーウインドウ駆動制御装置。 - 前記操作スイッチからの開指令信号の入力は、イグニッションスイッチがオフからオンに切替えられた後の最初の開指令信号の入力であることを特徴とする請求項2に記載のパワーウインドウ駆動制御装置。
- 前記操作スイッチからの開指令信号の入力は、操作スイッチから閉指令信号が入力された後の最初の開指令信号の入力であること特徴とする請求項2に記載のパワーウインドウ駆動制御装置。
- 前記無効化手段は、前記操作スイッチからの開指令信号の入力中に、回転信号の出力があった後にその出力がなくなったとき、前記判定手段を無効化し、さらに、その後に、新たな前記操作スイッチの操作による開指令信号の入力中に回転信号の出力がない場合、前記判定手段を無効化することを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のパワーウインドウ駆動制御装置。
- 前記制御手段は、前記回転センサから出力される回転信号に基づいた前記窓ガラスの位置に基づいて、窓ガラスの挟み込み検出が不能な不感帯領域と、窓ガラスの挟み込み検出が可能な感帯領域の検知を可能としており、前記無効化手段は、前記不感帯領域において、前記判定手段への無効化を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のパワーウインドウ駆動制御装置。
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