JP2004092170A - トランペット型シース管定着具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トランペット型シース管定着具は、管内部に段差の係止部を設けると共に該段差の位置から外方向に拡径に形成した接続手段を有するトランペット型シース管と、接続手段に嵌合させて前記係止部で係止する長さで嵌合させる所定径の円筒形状に形成したガイドパイプとを有し、トランペット型シース管とガイドパイプとの嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させたことである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランペット型シース管定着具に関し、詳しくはトランペット型シース管に接続するガイドパイプとの接続部位であって、嵌合する面との間に所定幅の耐圧リングを介在させて、グラウト注入時における圧力に耐え得る構造のトランペット型シース管定着具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるトランペット型シース管定着具は、図7に示すように、所定の円筒形状に形成されたガイドパイプ111の端部にトランペット型シース管112を嵌合させて組み立てる。この組み立てたトランペット型シース管12は、支圧板113に定着ブロック114と共に取り付ける構成になっている。定着ブロック114には、楔であるウェッジ115を介在させてPC鋼撚線116を配設する。そして、この定着ブロック114のPC鋼撚線116の部分にはグラウトキャップ117が嵌められ、その上から防塵キャップ118を被せた構成になっている。
又、トランペット型シース管112の外周には外套管119が配置され、この外套管119の延長線上のガイドパイプ111の部分にはダクトシース120を配置した構成となっている。ガイドパイプ111は、環状支承体121及びスリーブ付端板122で支持された構成になっている。
このような構成におけるトランペット型シース管定着具には、定着ブロック114に設けたグラウト注入孔(図示せず)から、トランペット型シース管112及びガイドパイプ111の内部のPC鋼撚線116を除く空隙部分にグラウトを所定圧力で注入してPC鋼撚線116を管内部で固定する。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−279866号公報 (第2−3頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で説明したトランペット型シース管定着具は、トランペット型シース管とガイドパイプとの接続部位が、単に嵌合して組み立てるか、その嵌合した部分に熱伸縮チューブ或いはブチルテープを巻回した程度であるため、グラウトを注入したときに、その接続部位からグラウトが漏れ出てしまうという問題がある。
【0005】
従って、トランペット型シース管とガイドパイプとの接続部位からグラウトの注入時における圧力に抗してグラウトが漏出しないような構造にすることに解決しなければならない課題を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るトランペット型シース管定着具は次のような構成にすることである。
【0007】
(1)トランペット型シース管にガイドパイプを嵌合させて接続係止させるトランペット型シース管定着具であって、前記トランペット型シース管と前記ガイドパイプとの嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させたことを特徴とするトランペット型シース管定着具。
(2)前記耐圧リングは、嵌合する先端側の肉厚を薄くするテーパ状に形成したことを特徴とする(1)に記載のトランペット型シース管定着具。
(3)前記耐圧リングは、ラバーリングである(1)に記載のトランペット型シース管定着具。
【0008】
(4)トランペット型シース管定着具は、管内部に段差の係止部を設けると共に該段差の位置から外方向に拡径に形成した接続手段を有するトランペット型シース管と、前記接続手段に嵌合させて前記係止部で係止する長さで嵌合させる所定径の円筒形状に形成したガイドパイプとを有し、前記トランペット型シース管と前記ガイドパイプとの嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させたことである。
(5)前記耐圧リングは、嵌合する先端側の肉厚を薄くするテーパ状に形成したことを特徴とする(4)に記載のトランペット型シース管定着具。
(6)前記耐圧リングは、ラバーリングである(4)に記載のトランペット型シース管定着具。
【0009】
このように、トランペット型シース管とガイドパイプとの接続部位に嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させて組み立てたことにより、グラウト注入時における圧力に抗することができ、接続部位からのグラウトの漏出を防止することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るトランペット型シース管定着具の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
本発明のトランペット型シース管定着具は、図1に示すように、管内部に段差の係止部11を設けると共にこの段差の位置から外方向に拡径に形成した接続手段を有するトランペット型シース管12と、接続手段に嵌合させて係止部11で係止する長さで嵌合させる所定径の円筒形状に形成したガイドパイプ13とを備え、トランペット型シース管12とガイドパイプ13との嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リング14を介在させた構成になっている。
この耐圧リング14を介在させてトランペット型シース管12に嵌挿させたガイドパイプ13の外周であってトランペット型シース管12の端部位置に円筒形状のスパイクリング15を嵌め込み、このスパイクリング15を所定間隔を持って配置した複数のスパイクボルト16をガイドパイプ13に食い込ませて係止する。
この接続部位の外側には外套管17で覆い、その外套管17の外側にダクトシート18を備えた構成になっている。
【0012】
トランペット型シース管12は、図2に示すように、トランペット型形状に形成した管の先端部分に鍔部19を設け、反対側に接続部20を備えた構成になっている。
接続部20は、外径は同じ径に形成し、内径は係止部11を境にして出口に向かって拡径になるような構造となっている。この係止部11の内径がガイドパイプ13の外径と略同じ大きさに形成されている。
このような構造を有する接続部20は、ガイドパイプ13の先端外周に耐圧リング14を装着し、その耐圧リング14を装着したガイドパイプ13を接続部20に差し込んで接続は完了する。
このようにして耐圧リング14を介在させて接続すると、その接続部位においては耐圧リング14で充填され、トランペット型シース管12の内部に注入されるグラウトの圧力に耐えることができる。
【0013】
耐圧リング14は、実施例においてラバーリングであり、図3及び図4に示すように、トランペット型シース管とガイドパイプとの接続部位の嵌合長さの幅Wを有するものであり、嵌合する先端側の肉厚を薄くするテーパ状に形成した構成になっている。具体的には、嵌合長さの幅Wの略半分が同じ肉厚に形成した同径肉厚部21であり、他の半分が中心位置から外方向に向けて肉薄のテーパ状に形成したテーパ状肉厚部22となっている。
【0014】
このようにテーパ状に形成することにより、ガイドパイプ13に装着した耐圧リング14が、先細の形状にすることで、トランペット型シース管12の接続部20の部位に嵌合し易い構造となっている。
【0015】
図5及び図6は、トランペット型シース管に耐圧リングを装着したガイドパイプを接続するための器具を示したものであり、固定台23にガイドパイプ13を固定するためのガイドパイプ固定部24a、24b、24cを3組用意し、このガイドパイプ固定部24a、24b、24cでガイドパイプ13を略水平になるように配置する。その配置されているガイドパイプ13の水平方向側にトランペット型シース管12の鍔部19で固定するトランペット固定部25を支持する移動部26を設置する。
この移動部26にはジャッキ27が取り付けられ、このジャッキ27を動かす挿入治具28を備えた構成になっている。
【0016】
このような構成からなる器具において、先ず、ガイドパイプ13をガイドパイプ固定部24a、24b、24cに取り付けて固定し、トランペット固定部25にトランペット型シース管12を取付けて固定する。このときガイドパイプ13には耐圧リング14を取り付けておく。
そして、挿入治具28のジャッキ27を動かすことによりトランペット固定部25がガイドパイプ13方向に水平移動し、耐圧リング14を備えたガイドパイプ13にトランペット型シース管12の接続部位が嵌合し、尚もジャッキ27を動かすことにより耐圧リング14を介在させた接続部位への嵌合は完了する。このようにして、ジャッキ27の操作のみでガイドパイプ13とトランペット型シース管12の接続は完了する。耐圧リング14は接続部位の長さ幅で挟持された状態でパッキングされるため、その耐圧は強いものとなる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐圧リングはガイドパイプとトランペット型シース管の接続部位での接続幅と略同じ幅を持って挟持されてパッキングされるため、トランペット型シース管内部に印加されるグラウトの耐圧が強くても、充分に耐え得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトランペット型シース管定着具を略示的に示した断面図である。
【図2】本発明に係るトランペット型シース管、耐圧リング、ガイドパイプを示した説明図である。
【図3】本発明に係る耐圧リングの平面図である。
【図4】図3に示す耐圧リングの断面図である。
【図5】同トランペット型シース管に耐圧リングを介在させてガイドパイプを組み込む治具を略示的に示した側面図である。
【図6】同トランペット型シース管に耐圧リングを介在させてガイドパイプを組み込む治具を略示的に示した平面図である。
【図7】従来技術におけるトランペット型シース管定着具の断面図である。
【符号の説明】
11;係止部、12;トランペット型シース管、13;ガイドパイプ、14;耐圧リング、15;スパイクリング、16;スパイクボルト、17;外套管、18;ダクトシース、19;鍔部、20;接続部、21;同径肉厚部、22;テーパ状肉厚部、23;固定台、24a;ガイドパイプ固定部、24b;ガイドパイプ固定部、24c;ガイドパイプ固定部、25;トランペット固定部、26;移動部、27;ジャッキ、28;挿入治具。
Claims (6)
- トランペット型シース管にガイドパイプを嵌合させて接続係止させるトランペット型シース管定着具であって、
前記トランペット型シース管と前記ガイドパイプとの嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させたことを特徴とするトランペット型シース管定着具。 - 前記耐圧リングは、嵌合する先端側の肉厚を薄くするテーパ状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のトランペット型シース管定着具。
- 前記耐圧リングは、ラバーリングである請求項1に記載のトランペット型シース管定着具。
- 管内部に段差の係止部を設けると共に該段差の位置から外方向に拡径に形成した接続手段を有するトランペット型シース管と、
前記接続手段に嵌合させて前記係止部で係止する長さで嵌合させる所定径の円筒形状に形成したガイドパイプとを有し、
前記トランペット型シース管と前記ガイドパイプとの嵌合面の間に少なくとも嵌合長さの幅を有する耐圧リングを介在させたことを特徴とするトランペット型シース管定着具。 - 前記耐圧リングは、嵌合する先端側の肉厚を薄くするテーパ状に形成したことを特徴とする請求項4に記載のトランペット型シース管定着具。
- 前記耐圧リングは、ラバーリングである請求項4に記載のトランペット型シース管定着具。
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