JP2004091290A - 打放しコンクリートの防水・防汚工法 - Google Patents

打放しコンクリートの防水・防汚工法 Download PDF

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Akira Yoshida
吉田 晃
Hiroshi Yoshida
吉田 洋
Kunihide Saito
斉藤 邦秀
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Abstract

【課題】光触媒により分解されることのない防水層を形成させるようにして、防水性と防汚性とを兼ね備えた打放しコンクリートの防水・防汚工法を提供する。
【解決手段】打放しコンクリート1の表面にアルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材を塗布して吸水防止層2を形成し、該吸水防止層2の上に光触媒材を塗布して防汚性薄膜3を形成する。ここで、光触媒材としては酸化チタン系光触媒材が好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打放しコンクリートの素地模様、質感などを生かした透明塗装工法、特に防水・防汚工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、打放しコンクリートの透明塗装は、下塗り材としてシラン系、シロキサン系、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の溶剤系又は水系の樹脂を主成分とする有機系の浸透性吸水防止材を塗布した後、上塗り材として水性のアクリルシリコーン樹脂系防水材、エマルジョン系透明合成樹脂防水材、フッ素樹脂系、アクリルシリコーン系樹脂防水材等を塗布して防水塗膜を形成する工法が行われている。このように、従来工法は、有機系の浸透性吸水防止材と有機系の防水塗膜との組合せによる工法である。上塗り材としての防水塗膜は、親水性が付与された低汚染タイプのものが主流となっており、防水性の点では優れているが、防汚性の面では不十分であった。
【0003】
ところで、光触媒、例えば酸化チタン系光触媒は、その表面に付着した有機系汚染物を強力に酸化分解させて除去する防汚性に優れていることが知られている。しかしながら、この酸化チタン系光触媒薄膜の下にフィルム、樹脂、塗膜などの有機物層が存在すると、酸化チタン系光触媒がその有機物層の有機物をも酸化分解してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、光触媒により分解されることのない防水層を形成させるようにして、防水性と防汚性とを兼ね備えた打放しコンクリートの防水・防汚工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による打放しコンクリートの防水・防汚工法は、打放しコンクリートの表面にアルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材を塗布して吸水防止層を形成し、該吸水防止層の上に光触媒材を塗布して防汚性薄膜を形成すること、を特徴としている。
ここで、光触媒材としては酸化チタン系光触媒材が好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は本発明の防水・防汚工法の実施例を示す打放しコンクリートの断面と防汚のメカニズムを模式的に示す説明図である。
まず、本発明における第1工程は、打放しコンクリート1の表面にアルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材を塗布して、打放しコンクリート1表面に吸水防止層2を形成する工程である。
ここで、アルカリ金属珪酸化合物系は、無機質であるため、この吸水防止層2の上に光触媒を直接塗布しても、酸化分解されることはなく、打放しコンクリート表面層の吸水防止性を永久的に発揮する。
アルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材をコンクリート表面に塗布すると、コンクリート表面層に浸透し、コンクリート表面層の遊離アルカリやシリカ質と反応して、表面層の空隙に珪酸塩とコロイド珪酸等からなる緻密な複合無機質を生成し、これまでの多孔質層を無孔質化させる。その結果、コンクリート表面層に吸水防止性を付与して、本来の表面質感を保ち、長期に亘りコンクリートを保護する。
【0007】
次に、第2工程は、第1工程により形成した無機系の吸水防止層2の上に光触媒材を塗布して防汚性塗膜3を形成する工程である。
ここで、防汚手段として用いる光触媒材としては、酸化チタン系、酸化スズ系、酸化亜鉛系、酸化鉄系等の光触媒材が挙げられるが、酸化チタン系光触媒材が光触媒性能(防汚性)に優れる点等から最も好ましい。酸化チタン系光触媒は、アナターゼ型結晶構造をもつ酸化チタン微粒子からなる。コンクリート、フィルム、塗膜などの表面に、アナターゼ型結晶構造をもつ酸化チタン微粒子の薄膜を形成させると、この薄膜は光エネルギーの吸収によって励起され、表面に付着した有機物系汚染物を強力に酸化分解し、次いで降雨によって洗い流すという、所謂セルフクリーニング作用を有している。かかる酸化チタン系光触媒の光触媒性能発現のメカニズムとしては、次のように考えられる。アナターゼ型結晶構造をもつ酸化チタン微粒子は、光エネルギー(紫外線 hν)を吸収し、電子と正孔を発生する。この電子と正孔がそれぞれラジカルを発生し、酸化チタン系光触媒薄膜3の表面に存在する有機物などの汚染物質4を強力に酸化分解し親水化する。その後の雨水で酸化チタン系触媒は、水分を吸収し(表面は軽度の濡れ色を呈する)、酸化分解された汚染物を洗い流す、というセルフクリーニング作用を有している(図1)。
【0008】
従来の有機系による浸透吸水防止材や有機系の防水塗膜の上にかかる光触媒薄膜を形成したのでは、光触媒が有機物を酸化分解するため、これを阻止する無機系のバリアー層を介在させる必要があるが、本発明においては、浸透性吸水防止材として無機系のアルカリ金属珪酸化合物を用いるため、かかるバリヤー層を介在させる必要はない。
なお、酸化チタン系光触媒の塗布液には、無機系の体質顔料、繊維、細骨材などの各種の混和材、無機系の顔料、増粘剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0009】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これらは例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0010】
浸透性吸水防止材として、下記符号A,B,Cに示すものを用いた。
A:アルカリ金属珪酸化合物系からなる水溶液(有効成分23%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「バリアコート 1」 塗布量200g/m
B:アルカリ金属珪酸化合物系からなる水溶液(有効成分18%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「バリアコート 2」 塗布量200g/m
C:アルキルアルコキシシラン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、芳香族有機溶剤からなる溶剤溶液(有効成分15%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「NY−Aシーラー」  塗布量100g/m
【0011】
防水塗膜材として、下記符号Dに示すものを用いた。
D:艶消し材含有のアクリル酸エステル系共重合樹脂エマルジョン(水性)(固形分36%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「NY−7090艶消し」 塗布量200g/m
【0012】
酸化チタン系光触媒材として、下記符号E,Fに示すものを用いた。
E:アナターゼ型酸化チタン微粒子の水分散液(有効成分2.2%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「NY−光触媒A」 塗布量40g/m
F:アナターゼ型酸化チタンのコロイド溶液(有効成分1.3%) ニチエー吉田株式会社製 商品名「NY−光触媒B」 塗布量30g/m
【0013】
〔性能評価用試験体の作製〕
歩道用敷石コンクリート板(30cm×30cm×5cm)の型枠脱型面(30cm×30cm)に、表1の実施例1〜4及び比較例1〜6に示す浸透性吸水防止材、防水塗膜材、酸化チタン系光触媒材を一日一工程で塗布し、4日間常温養生させて、性能評価試験体とした。
【0014】
〔性能評価方法〕
(強雨を想定した水掛け試験)
上記の方法で作製した性能評価用試験体を略垂直に立て、コンクリート面から約1mの所に水道蛇口から接続したホース口をセットする。ここで、水圧一杯に蛇口を開き、そして、ホース口を狭くして大型台風並みで横殴りの大粒の強雨を塗布面に5分間吹きつける。また、後述の屋外暴露1年実施の試験体についても、再度上記の水掛け試験を実施した。その結果を表1に示す。かかる水掛け試験の評価方法は次の通りである。
◎:外観変化なし
○:表面全体に若干の水が浸透し、軽度の濡れ色となる
△:ピンホールから水が浸透し、その周辺が濡れ色となる
×:コンクリート面の大半に水が浸透し、完全な濡れ色となる
この内、「◎」と「○」が合格で、「△」と「×」が不合格である。
【0015】
(耐汚染性)
性能評価用試験体を南面45°に傾けて、屋外暴露を1年実施した。暴露期間が0、1年時の試験体表面の色差値(ΔE)を日本電色工業株式会社製 ハンディー色差計 NR−3000を用いて測定し、暴露時間0と1年時の色差値から暴露1年時のΔE値を算出した。その結果を表1に示す。評価としては、ΔE値が小さい程汚れ難く、セルフクリーニング性が優れていると評価できる。ΔE値が0.5程度以下では、目視によりほとんど色の変化を確認できない。ΔE値が5程度以上になると、目視により黒ずみがはっきり分かる。
【0016】
【表1】
Figure 2004091290
【0017】
表1に示した結果から分かるように、実施例1〜4では、水掛け試験結果は、室内養生4日後と屋外暴露1年後とで性能の低下がない。また耐汚染性(ΔE値)についても、低い値を示しており、セルフクリーニング性に優れていることが分かる。
一方、比較例1、4、5では、酸化チタン系光触媒を用いていないことから、ΔE値が大きな値を示し、耐汚染性が悪いことが分かる。また、比較例2、3では、酸化チタン系光触媒を用いたため、ΔE値は小さな値を示し耐汚染性に優れているが、酸化チタン系光触媒の下塗り材として有機系のものを用いているため、該有機系の下塗り材が酸化チタン系光触媒により分解されて、暴露後1年で既に水掛け試験で不合格となり防水性に劣化をきたしていることが分かる。なお、比較例6では、浸透性吸水防止材も防水塗膜も施していないため、防水性の点で不合格である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による防水・防汚工法によれば、浸透性吸水防止材として、無機系のアルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材を用い、該吸水防止層の上に光触媒材による防汚塗膜を形成するようにしたので、防水性を損なうことなく、防汚性を兼ね備えた打放しコンクリートとすることができる。
光触媒材として酸化チタン系光触媒材を用いれば、防汚性のより優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水・防汚工法の実施例を示す打放しコンクリートの断面と防汚のメカニズムを模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1 打放しコンクリート
2 吸水防止層
3 防汚性薄膜
4 有機系汚染物

Claims (2)

  1. 打放しコンクリートの表面にアルカリ金属珪酸化合物系の浸透性吸水防止材を塗布して吸水防止層を形成し、該吸水防止層の上に光触媒材を塗布して防汚性薄膜を形成することを特徴とする打放しコンクリートの防水・防汚工法。
  2. 光触媒材は酸化チタン系光触媒材である請求項1に記載の打放しコンクリートの防水・防汚工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101167600B1 (ko) * 2010-01-06 2012-07-27 정민상 광촉매 콘크리트 제조방법
CN111807771A (zh) * 2020-07-14 2020-10-23 四川华西绿舍建材有限公司 一种用于异形柱结构的自密实清水混凝土及其制备方法

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