JP2004091232A - ガラス屑の再生利用方法およびそれに用いる熔融炉 - Google Patents

ガラス屑の再生利用方法およびそれに用いる熔融炉 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物が付着するガラス屑をガラス原料として利用した場合であっても、通常のガラス原料を用いた場合と同様に、紡糸などの加工処理を行うことができる方法を提供する。さらには、このガラス屑の再生利用方法に適した熔融炉を提供する。
【解決手段】熔融ガラスの表層部分が流入しない位置に排出口を備え、かつ、内部に電極を備える熔融バスを構成装置とするガラス屑の熔融炉。熔融バス内に設置された複数の電極間について、1,450℃の熔融ガラスの電気抵抗値が1.0〜2.0Ωであるガラス屑の熔融炉。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面に集束剤などの有機物が付着したガラス繊維などの屑を再生利用する方法に関する。さらには、そのようなガラス屑の再生利用に適した熔融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維の紡糸工程においては、スターチやシランカップリング剤などの有機物を含有する集束剤をガラスフィラメントに塗布する。また、その後の加工処理工程では、ゴムラテックスを含有する溶液を前記ガラス繊維に塗布し、その表面にゴム被膜を成形することがある。また、ガラス繊維を数mmの長さに切断し、前記集束剤と似た成分からなる造粒剤を塗布して、前記ガラス繊維を顆粒状に成形することもある。同様に、鱗片状ガラスについても、飛散性を抑えて取扱い性を良くするため、前記造粒剤を用いて顆粒状に成形することがある。
【0003】
ガラス繊維または鱗片状ガラスが不良品または端切れとなった場合、環境負荷を低減し、かつ、製造コストを抑制するために、それらの再生利用が望まれる。しかし、これらのガラス屑は、比表面積が極めて大きく、有機物ないし水分などを多量に含有するため、ケイ砂などの通常のガラス原料の使用を前提に設計されたガラス繊維紡糸装置を用いて再生利用すると、ガラス繊維の品質にバラツキが大きくなったり、糸切れが頻発して生産性が低下したりするなどの問題が生じる。これらの問題は、ガラス屑に付着する有機物が熔融時に気化して発泡し、熔融ガラスの表面上に熱伝導性の低い発泡層が形成されて、熔融バス内の火炎バーナーの熱が熔融ガラスの深層にまで到達できなくなるために生じると考えられる。また、ガラス屑は比表面積が大きく、多量の空気を抱え込んでしまうため、前記発泡層を一層大きくし、これも前記問題の一因と考えられる。
【0004】
そこで、ガラス屑を再生利用するには、ガラス屑を熔融バスに投入する前に予備加熱などを行い、予め有機物ないし水分を完全に除去する必要があった。たとえば、特開2000−351633号公報には、ガラス原料を加熱熔融する熔融バスに設けたバーナーの燃焼火炎中に、有機物で被覆されたガラス繊維の廃材を搬送ガスに同伴させて分散供給する手段が記載されている。また、特表平6−511422号公報には、有機結合剤コーティングを塗布されたガラス繊維のスクラップを、内部に電極を備える熔融バスの上部から投入し、その熔融炉内の熔融ガラスを撹拌機を用いて強制的に混合撹拌して、同熔融バスの投入口に近い個所に設けた排出口から発生ガスと供に、熔融ガラスを排出する技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開2000−351633号公報に記載の装置では、予備加熱はガラス屑がバーナー火炎中を通過する間だけであるから、有機物ないし水分が完全に除去されることはなく、熔融ガラスの表面上の発泡層の形成を回避することはできない。また、ガラス屑がバーナー火炎と供に熔融ガラスの表面に叩きつけられるため、熔融ガラスの表面には元来泡が発生し易い。また、ガラス屑が空気を抱え込んでいるため、発泡層が大きくなり易い。さらに、熔融ガラスの加熱手段が熔融バスの上部の火炎バーナーだけであるから、発泡層が断熱層として機能して、熔融ガラスの表層と深層とで温度差が大きくなり易い。そのため、この公報に記載の装置では、均質な熔融ガラスを得ることが困難であるなどの問題があった。
【0006】
また、特表平6−511422号公報に記載の技術は、ガラス繊維のスクラップを熔融バスの上部から投入し、熔融バス内に設置した電極に通電することにより、熔融ガラス自体を発熱させつつ、撹拌機で強制的に混合するものである。そのため、熔融バス内における熔融ガラスの均質性を高めることはできるが、熔融ガラスの排出口が熔融バスの上部にあるため、熔融バス内で発生したガスと共に熔融ガラスを排出することになり、取り出した熔融ガラスに気泡が残留し易く、この熔融ガラスをガラス繊維に紡糸した場合、糸切れが頻発するおそれがある。また、高温環境下で撹拌機を利用するなど、装置が複雑で故障し易い問題もある。
【0007】
この発明は、このような問題点に着目して完成されたものである。その目的とするところは、有機物が付着するガラス屑をガラス原料として利用した場合であっても、通常のガラス原料を用いた場合と同様に、紡糸などの加工処理を行うことができる方法を提供することにある。さらには、このガラス屑の再生利用方法に適した熔融炉を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明の熔融炉は、熔融ガラスの表層部分が流入しない位置に熔融ガラスの排出口が設けられ、かつ、内部に電極を備える熔融バスを構成装置とすることを特徴とする。ガラス屑に付着した有機物に由来する発泡ないしガラス屑が抱え込んだ空気に由来する気泡は、熔融ガラスの表面上に滞留することから、その近傍である不均質な表層部分を避けて熔融ガラスを採取することにより、均質性の高い熔融ガラスを得ることができる。ここで、「熔融ガラスの表層部分が流入しない位置」とは、熔融ガラスの排出口の全てが熔融ガラスの表面下にあることをいうが、前記排出口の最上部と熔融ガラスの表面との距離は、100mm以上離れていることが好ましい。また、熔融バス内に電極を設置し、熔融ガラス自体を発熱させることにより、熔融ガラスの表面上に発泡層が形成されても、熔融ガラスを全体として均一に加熱することができる。
【0009】
さらに、このような構造からなる熔融炉を利用することにより、有機物ないし水分が付着したガラス屑のみをガラス原料として利用した場合でも、その熔融ガラスから直接紡糸できるなど、ガラス屑の再生利用を効率的に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、下記の実施の形態に限定する趣旨ではない。
【0011】
この熔融炉の概要を図1を用いて説明する。図1は、平板電極1を熔融バス6内に複数設置した熔融炉の断面図である。熔融バス6には、ガラス原料の投入口2が1または2以上設置され、火炎バーナー3も必要に応じて複数設置される。投入口2から投入されたガラス屑を含有するガラス原料11は、前記投入口直下の熔融ガラス10の表面に積もり、火炎バーナー3からの加熱と、平板電極間の通電に基づく熔融ガラス10の発熱による加熱とを受け、時間を掛けて徐々に熔融していく。このガラス原料が熔融するときに、ガラス屑に付着した有機物が発泡し、またガラス屑が抱えて持ち込んだ空気が気泡となって、熔融ガラスの表面に発泡層12が形成される。この発泡層12が流入できない位置に、図1では熔融バス6の底面と同じレベルに熔融ガラスの排出口4が設けられる。この排出口4は、熔融ガラスの出口5に連結している。図示しないが、出口5から取り出される熔融ガラスは、そのまま紡糸したり、マーブルまたはペレットに成型して保存することができる。
【0012】
図1において、平板電極1は、ガラス原料の投入口2から排出口4に向かう方向と垂直に、かつ、鉛直に設置されており、熔融ガラス10の流れを堰き止め、平板電極間で加熱された熔融ガラスが熔融バス内で対流を形成して均質になるように工夫されている。この熔融ガラスの対流を生み出すには、平板電極の一主表面の面積が、その一主表面を含む熔融ガラスの断面の面積の40%以上であることが好ましい。
【0013】
なお、平板電極1は、ガラス原料の投入口2から排出口4までの距離が十分に確保されている場合など熔融ガラスが均質になることを条件に、前記投入口2から排出口4に向かう方向に一主表面が沿うように設置されてもよい。また、その設置手段もとくに限定されるものではなく、熔融バス6の底面または側壁に、直接または支持材を介して固定されていればよい。
【0014】
また、平板電極1の代わりに、熔融ガラスがムラなく均一に加熱されるように、たとえば図2に示すような配置で棒状電極20を設置してもよい。この場合、熔融炉の底面に、たとえば底面側から鉛直上向きに挿入するなどして、棒状電極を固定する。
【0015】
電極の材質は、導電性、耐熱性および成形性に優れるものであれば、とくに限定されるものではない。たとえば、白金、白金−ロジウム合金または白金−ロジウム−ルテニウム合金は、硬度がやや不足するものの、成形性に優れるため、平板電極に適している。一方、モリブデンは、白金よりも硬度が高いので、棒状電極に好適である。
【0016】
電極は、熔融ガラスの表面から深さ100mmの範囲(図1中の「D」)に存在しないことが好ましい。この範囲の熔融ガラスは、投入されるガラス原料の影響を受け易く、深層部分に比べ温度が低くなる。そのため、この範囲に電極が存在すると、電極の温度が低下して、最高加熱温度域が熔融バスの底面側に移行する。この場合、熔融バスの底面温度が上昇するため、底面煉瓦の浸蝕が促進され、また熔融ガラスの表面近傍の熱量が不足するため、熔融不良などの問題が生じ易い。
【0017】
電極の設置位置は、熔融ガラスが均一に通電加熱されるよう、熔融ガラスの電気抵抗を計算して決定される。具体的には、熔融ガラスが1,450℃のときに、その電気抵抗値が1.0〜2.0Ωとなる位置が好ましい。電極間の距離が短すぎれば、局部加熱となり、一方長すぎれば、通電不能となる。具体的には、一主表面が700×275mmである平板電極を用いて、その電極間の距離を750mmとし、そこに電圧を200V印加すれば、Eガラス組成からなる1,450℃の熔融ガラスの抵抗値は約1.2Ωとなる。同様にして、500×165mmの白金平板電極を300mm離した場合は、その抵抗値が約1.1Ωとなる。
【0018】
上記の範囲Dに電極が存在せず、電極間の電気抵抗値が1.0〜2.0Ωであれば、熔融ガラスの深層部分の温度が表層部分よりも高くなるので、深層部分から表層部分に向かって熔融ガラスが流れることになる。また、熔融バスの側壁に電極を埋め込むなどしない限り、熔融ガラスの温度は前記側壁に近づくほど低下するので、前記の深層部分から表層部分に湧き上がった熔融ガラスは、熔融バスの側壁近傍で深層部分に向かって沈降し始める。そして、深層部分に沈降した熔融ガラスは、そこでまた加熱されて、再度表層部分に到達する。この熔融バス内における熔融ガラスの対流が形成されることにより、熔融ガラスの均質性が著しく向上する。したがって、熔融バスにおいて、中央部に近づくほど、熔融ガラスの温度が高くなるように電極を設置すれば、前記対流が整流となって、熔融ガラスの均質性が一層高まる。
【0019】
ガラス原料の投入口2と熔融ガラス10の表面との距離(図1中の「H」)は、150mm以上、さらには300mm以上であることが好ましい。この発明では、嵩高いガラス屑を含むガラス原料を用いるため、この距離が150mm未満では、一度に投入できるガラス原料の量が限定されてしまい、ガラス屑の再生利用効率が低下してしまう。
【0020】
また、熔融バスの底面から熔融ガラスの表面までの距離すなわち熔融ガラスの深さは、400mm以上であることが好ましい。熔融ガラスの深さが浅すぎると、熔融バスを構成する煉瓦の損傷が激しくなり、またガラス原料の投入によって熔融ガラスの温度が急激に変化するため、均質な熔融ガラスが得られ難くなる。
【0021】
熔融ガラスの排出口4は、熔融ガラスの表層部分が流入しなければ、その設置位置をとくに限定されるものではないが、熔融バスの底面と同じレベルであり、その最上部が熔融ガラスの深さの1/4以下であることが好ましい。
【0022】
ガラス原料の投入口2は、距離を置いて複数設置されることが好ましい。ガラス原料には、嵩高いガラス屑が含まれるため、この投入口が一つだけでは、一度に投入できるガラス原料の量が限られ、ガラス屑の利用再生効率が低下してしまう。また、投入口2を距離を置いて複数設置することにより、ガラス原料が熔融バスの全体に拡散し易くなり、より均質な熔融ガラスが得られるようになる。さらに、個々の投入口から時間をずらして順番にガラス原料を投入することにより、熔融ガラスの急激な温度低下を抑制することもできる。
【0023】
この熔融炉は、バッチ式のものでもよいし、連続熔融式のものでもよい。少ロット品を多品種作製する場合は、バッチ式の熔融炉が適しており、一方工業的に大量生産を行う場合は、連続熔融式の熔融炉が適している。
【0024】
ガラス屑を含むガラス原料を上記の熔融バス内に投入して熔融させるが、その投入方法は、とくに限定されなるものではない。連続熔融式の熔融炉の場合は、熔融ガラスの急激な温度低下を防止するため、ガラス原料を一定時間を掛けて徐々に投入し、その後暫くガラス原料の投入を停止する間欠的な投入が好ましい。さらには、距離を空けて投入口を複数設置し、これらの投入口からガラス原料を順番に投入し、加えてそれぞれの投入口について、間欠的に投入を行えば、熔融バス内における熔融ガラスの温度のバラツキを極力小さくすることができる。前記間欠的な投入について、より具体的には、投入時間を10分とする場合、投入停止時間を2〜5分とするのが適当である。
【0025】
ガラス屑としては、有機物が付着したケイ素を主成分とするものであれば、その組成および形状などをとくに限定されるものではない。たとえば、熔融ガラスを単に紡糸しただけのガラス繊維、ガラス繊維の織布または不織布、あるいはガラス繊維または鱗片状ガラスの造粒体などが挙げられる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により、この発明について具体的に説明する。
【0027】
(実施例1)
図1に示す構成からなる連続熔融式の熔融炉を作製し、出口5から流下する熔融ガラスをマーブル(いわゆるビー玉)およびペレットに成型した。熔融バス6は、その内寸法が700mm(幅:図1では紙面に垂直方向)×700mm(奥行き:図1では投入口2から排出口4の方向)×265mm(熔融ガラスの深さ)であり、投入口2と熔融ガラスの表面との鉛直距離が150mmであり、投入口2が互いに300mmの間隔を置いて3個設置されている。また、熔融ガラスの排出口4は、熔融バスの底面と同じレベルであり、その最上部は前記底面から50mmすなわち熔融ガラスの深さの1/4以下であった。平板電極1は白金製で、その寸法は500mm(幅)×165mm(高さ)×1mm(厚さ)であった。この白金平板電極を、その厚さ方向が熔融バスの奥行きと揃うように300mmの等間隔で熔融バスの底面に3枚設置した。したがって、この白金平板電極の一主表面の面積は、その一主表面を含む熔融ガラスの断面の面積の44%となる。この熔融バス内を、乾燥したEガラス組成のガラス繊維(有機物付着量:約1質量%)で満たし、すなわちガラス原料にガラス屑のみを用いて、火炎バーナー3を作動させ熔融バス内温度が1,300℃になるまで加熱し続けた。ガラス原料が熔融し、熔融バスの中央部底面付近に設置した温度計が1,300℃を示した段階で、個々の電極間電圧が200Vとなるように前記白金平板電極1に印加した。その後、火炎バーナーを併用しつつ、熔融ガラスを1,450℃まで昇温させ、熔融ガラスの出口5を閉じたままで通電加熱を2日間行った。熔融バス内において、熔融ガラスが中央部で湧き上がり、かつ、側壁周辺で沈降する対流が生じていることを確認した後、前記出口5を開け、熔融ガラスを70kg/hの割合で8時間流下させた。流下の間、流下量と同じ割合で、3つの各投入口から20分間投入−5分間投入停止の間欠的な投入サイクルで前記ガラス原料を投入した。なお、各投入口の投入停止時間が重ならないように、すなわち常に2つの投入口からガラス原料が投入されるようにした。その後、引き続き同じ条件で出口5から熔融ガラスを流下させ、その熔融ガラスを公知の装置を用いてマーブルおよびペレットに成型した。
【0028】
上記手段により製造した100,000kgのマーブルを、特開平6−56452号公報に記載の製造装置に投入し、再度熔融して鱗片状ガラスを連続的に製造した。この鱗片状ガラスの製造において、風船割れは発生せず、その他製造を中断しなければならない事態も生じなかった。
【0029】
また、公知のマーブルメルト方式の紡糸炉に上記マーブルを投入し、平均径9μmのガラスフィラメントを400本集束して、ガラス繊維を製造した。このガラス繊維の製造において、糸切れが数回発生したが、その発生頻度は下記参考例1における糸切れの発生頻度と同程度であった。
【0030】
また、上記ペレット50,000kgについても、同様の手段で鱗片状ガラスおよびガラス繊維を製造したが、上記マーブルを用いた場合とほぼ同様の結果となった。
【0031】
(参考例1)
実施例1において、ガラス屑を含まないケイ砂などのみからなる通常のガラス原料を用いて、マーブルおよびペレットを成型した。明記しない点については実施例1と同様にして、鱗片状ガラスおよびガラス繊維を製造した。鱗片状ガラスの製造において、風船割れは発生せず、その他製造を中断すべき事態も生じなかった。また、ガラス繊維の製造において、糸切れが数回発生したが、その発生頻度は実施例1のそれと同程度であった。
【0032】
上記実施例1でマーブルから製造した鱗片状ガラスと、この参考例1で製造した鱗片状ガラスとを適宜サンプリングして、これらの平均粒径、平均厚さを測定した。その結果、どちらの鱗片状ガラスも、ほぼ同じ平均粒径と平均厚さであることが判った。
【0033】
(実施例2)
実施例1において、熔融バスを大型化し、白金平板電極1の代わりに、図2に示す配置でモリブデン棒状電極20を熔融バスの底面から9本挿入した。熔融バス6の内寸法は2,400mm(幅:図1では紙面に垂直方向)×880mm(奥行き:図1では投入口2から排出口4の方向)×400mm(熔融ガラスの深さ)であり、投入口2と熔融ガラスの表面との鉛直距離は200mmであった。また、投入口2を互いに500mmの間隔を空けて3つ設置した。モリブデン棒状電極20は直径50mm、長さ300mmであり、各電極間の距離を450mm(電極間の熔融ガラスの抵抗値は1.0〜2.0Ωの範囲内)とした。このガラス屑の熔融炉を用いて、明記しない点については実施例1と同様にして、マーブルおよびペレットを成型し、鱗片状ガラスおよびガラス繊維を製造した。
【0034】
このマーブルまたはペレットを原料とする鱗片状ガラスの製造において、風船割れは発生せず、その他製造を中断しなければならない事態も生じなかった。また、ガラス繊維の製造において、糸切れが数回発生したが、その発生頻度は実施例1のそれと同程度であった。さらに、マーブルから得られた鱗片状ガラスの平均粒径および平均厚さは、実施例1のそれとほぼ同一であった。すなわち、実施例2の結果から、この発明の熔融炉であれば、熔融バスの大きさに関わらず、ガラス屑を簡便に再生利用できることが判る。
【0035】
【発明の効果】
以上記載したとおり、この発明のガラス屑の熔融炉を用いれば、熔融ガラスの表層部分が流入しない位置に排出口を備え、かつ、内部に電極を備える熔融バスを構成装置とするので、有機物が付着するガラス屑のみをガラス原料とする場合であっても、ケイ砂など通常のガラス原料を用いる場合と同様の手段で、同等の品質のガラス製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の平板電極を用いた熔融炉の概要を示す断面図である。
【図2】この発明の棒状電極を用いた熔融炉の概要を示す平面図である。
【符号の説明】
1  平板電極
2  ガラス原料(ガラス屑を含む)の投入口
3  火炎バーナー
4  熔融ガラスの排出口
5  熔融ガラスの出口
6  熔融バス
10 熔融ガラス
11 未熔解のガラス屑を含むガラス原料
12 発泡層
20 棒状電極

Claims (13)

  1. 熔融ガラスの表層部分が流入しない位置に排出口を備え、かつ、内部に電極を備える熔融バスを構成装置とするガラス屑の熔融炉。
  2. 上記熔融バス内の電極は、熔融ガラスが1,450℃のとき、前記電極間の電気抵抗値が1.0〜2.0Ωとなる位置に設置されたものである請求項1に記載のガラス屑の熔融炉。
  3. 上記電極が平板電極であり、その一主表面の面積が、同一主表面を含む熔融ガラスの断面の面積の40%以上である請求項1または2に記載のガラス屑の熔融炉。
  4. 上記電極は、熔融バスの底面から鉛直上向きに取り付けられた棒状電極である請求項1または2に記載のガラス屑の熔融炉。
  5. 上記熔融バス内において、熔融ガラスの表面から深さ100mmの範囲に、電極が存在しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス屑の熔融炉。
  6. 上記熔融バスの中央部において、熔融ガラスの温度が最も高くなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス屑の熔融炉。
  7. 熔融バスの底面から熔融ガラスの表面までの鉛直距離が400mm以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス屑の熔融炉。
  8. 熔融ガラスの表面からガラス原料の投入口までの鉛直距離が150mm以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス屑の熔融炉。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熔融炉を用いたガラス屑の再生利用方法。
  10. ガラス原料として、有機物が付着したガラス繊維ないし同鱗片状ガラスのみを用いる請求項9に記載のガラス屑の再生利用方法。
  11. 熔融バス中にガラス原料を間欠的に投入する請求項9または10に記載のガラス屑の再生利用方法。
  12. 熔融バス中にガラス原料を投入する時間を10とする場合、投入しない時間が2〜5の割合である請求項11に記載のガラス屑の再生利用方法。
  13. 複数の投入口から順番にガラス原料を投入する請求項9〜12のいずれか1項に記載のガラス屑の再生利用方法。
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