JP5648810B2 - ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法 - Google Patents

ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高温の気相雰囲気中でガラス原料粒子から液状のガラス粒子を形成して溶融ガラスを製造するガラス溶融炉、当該ガラス溶融炉による溶融ガラスの製造方法、当該ガラス溶融炉を備えたガラス製品の製造装置、及び当該溶融ガラスの製造方法を用いたガラス製品の製造方法に関する。
特許文献1、2には、高温の気相雰囲気中でガラス原料粒子を溶融し集積して溶融ガラスを製造するガラス溶融炉として、ガラス溶融炉の天井部にガラス原料粒子投入部とガラス原料粒子を溶融するための高温の気相雰囲気を形成する加熱手段とを備えたガラス溶融炉が開示されている。
このガラス溶融炉は、ガラス原料粒子投入部から炉内に投入したガラス原料粒子を、加熱手段により加熱された高温の気相雰囲気中で溶融して液状ガラス粒子とし、液状ガラス粒子をガラス溶融炉底部に集積させてガラス融液を形成し、ガラス融液をガラス溶融炉底部に一時貯留して排出する装置である。また、このような溶融ガラスの製法はガラスの気中溶融法として知られている。この気中溶融法によれば、従来のシーメンス窯による溶融法と比較して、ガラス溶融工程の消費エネルギーを1/3程度まで低減することができるとともに短時間で溶融が可能になり、溶融炉の小型化、蓄熱室の省略、品質の向上、COの削減、ガラス品種の変更時間の短縮化を図ることができると言われている。このようなガラスの気中溶融法は、省エネルギー技術として注目されている。
ところで、ガラス原料粒子投入部から投入されるガラス原料粒子は、粒径が1mm以下に造粒されたものが一般に使用される。ガラス溶融炉に投入されたガラス原料粒子は、高温の気相雰囲気中を下降(飛翔)する間にその一粒一粒が溶融されて液状ガラス粒子となり、液状ガラス粒子は下方に落下してガラス溶融炉底部に集積し、ガラス融液を形成する。このガラス原料粒子から生成する液状ガラス粒子は、ガラス液滴とも表現されるものである。高温の気相雰囲気中で短時間にガラス原料粒子から液状ガラス粒子を生成させるためには、ガラス原料粒子の粒径は上記のように小さなものである必要がある。また、通常の場合、個々のガラス原料粒子から生じる個々の液状ガラス粒子はほぼ同一のガラス組成を有する粒子である必要がある。
ガラス原料粒子が液状ガラス粒子となるときに発生する分解ガス成分は、ガラス原料粒子と液状ガラス粒子がともに小さな粒子であることより、生成する液状ガラス粒子の内部に閉じ込められることなくそのほとんどが液状ガラス粒子外部に放出される。このため、液状ガラス粒子が集積したガラス融液中に泡が生じるおそれは少ない。
一方、各ガラス原料粒子は、構成原料成分がほぼ均一な粒子であり、それから生じる各液状ガラス粒子のガラス組成も相互に均一である。液状ガラス粒子間のガラス組成の相違が少ないことより、多数の液状ガラス粒子が堆積して形成されるガラス融液内に、ガラス組成が異なる部分が生じるおそれは少ない。このため、従来のガラス溶融炉に必要とされていたガラス融液のガラス組成を均質化するための均質化手段が、気中溶融法ではほとんど必要とされない。たとえ少数の液状ガラス粒子が他の大部分の液状ガラス粒子とガラス組成が異なる場合が生じたとしても、液状ガラス粒子は粒径の小さな粒子であることより、ガラス組成が異なる少数の液状ガラス粒子から生じた、ガラス融液中のガラス組成の異質領域は小さく、この異質領域は短時間で容易に均質化して消失する。このように、気中溶融法ではガラス融液の均質化に必要とする熱エネルギーを低減し、均質化に要する時間を短くすることができる。
特許文献1のガラス溶融炉は、高温の気相雰囲気を形成する加熱手段として、複数本のアーク電極や酸素燃焼ノズルを備えており、複数のアーク電極が形成する熱プラズマアークや酸素燃焼ノズルによる酸素燃焼炎(フレーム)によって炉内に約1600℃以上の高温気相雰囲気が形成されている。この高温気相雰囲気中にガラス原料粒子を投入することにより、高温気相雰囲気内でガラス原料粒子を液状ガラス粒子に変化させる。また、特許文献1において使用されているガラス原料粒子としては、短時間で液状ガラス粒子に変化させることができ発生ガスの放散が容易である観点から、粒径が0.5mm(重量平均)以下のものが使用されている。さらに、ガラス原料粒子の微粉化によるコスト上昇と、生成する液状ガラス粒子間のガラス組成変動の低減の観点から、粒径が0.01mm(重量平均)以上のものが使用されている。
一方、特許文献2のガラス溶融炉は、加熱手段として、ガラス溶融炉の天井壁に下向きに取り付けられた酸素バーナを備えている。この酸素バーナには、酸素濃度90容量%以上の支燃ガスとガラス原料粒子が供給されるように、ガス供給系と原料供給系とが接続されている。よって、このガラス溶融炉によれば、酸素バーナを燃焼させ下向きに火炎を形成するとともに、酸素バーナからガラス原料粒子をその火炎中に下向きで供給し、火炎中で液状ガラス粒子を生成させ、生成した液状ガラス粒子を火炎直下の炉底部に集積させてガラス融液を形成させている。この酸素バーナは、ガラス溶融炉の天井壁の上流側壁面に貫通して配置されている。また、特許文献2のガラス溶融炉には、ガラス原料粒子の溶融の際に発生する排ガスを炉外に放出する煙道(排気口)が設けられている。この煙道は、ガラス溶融炉の天井壁の下流側壁面に設置されるとともに吸引ファンに接続され、吸引ファンを駆動することにより、ガラス溶融炉内の排ガスが煙道に吸引されて排気される。
特許文献2の如く酸素バーナは、酸素バーナによって溶解した溶融ガラスを、ガラス溶融炉の下流側で均質化させるために、ガラス溶融炉において溶融ガラスの流れ方向の上流側に設置されている。また、煙道は、酸素バーナから排出された高熱の排ガスを、溶融ガラスの加熱に有効利用するために、溶融ガラスの流れ方向の下流側に設置されている。
特許文献1、2のガラス溶融炉によって製造された約1600℃の溶融ガラスは、ガラス溶融炉から温度調整槽又は清澄槽に供給され、ここで成形可能な温度(ソーダライムガラスでは約1000℃程度)まで冷却される。そして、この溶融ガラスは、フロートバス、フュージョン成形機、ロールアウト成形機、ブロー成形機、プレス成形機等のガラス製品の成形手段に供給され、ここで各種形状のガラス成形体に成形される。そして、ガラス成形体は、徐冷手段によって略室温まで冷却され、その後、必要に応じて切断手段による切断工程、及び/又はその他の後工程を経た後、所望のガラス製品に製造される。
特開2007−297239号公報 特開2008−120609号公報
ところで、特許文献1、2に開示された気中溶融設備では、ガラス原料粒子や溶融ガラス粒子の一部がミスト状となって浮遊し、炉底のガラス融液に到達することなく排ガス気流に乗って浮上し、煙道に吸引されて外部に排気される。その際、炉内に浮遊する粒子は、全て煙道に吸引されて除去されるわけではなく、その一部の粒子は炉壁に付着していた。炉壁に付着した粒子は炉壁の炉材を侵食し、また該粒子と炉材との反応生成物が炉壁から剥離してガラス融液面に落下し、溶融ガラスの品質を低下させるという問題が生じていた。特に、特許文献2の設備では、酸素バーナによる高温の気相部から煙道までの距離が長いため、上記問題が多発するおそれがあった。
ガラス原料粒子が液状のガラス粒子となって炉底に集積する経路から外れて浮遊するに至った上記粒子としては、未溶融のガラス原料粒子、溶融した液状のガラス粒子やそれが固化した粒子、ガラス原料粒子が液状のガラス粒子となる途中の粒子(例えば、ガラス原料粒子中の原料の一部(炭酸塩など)が分解している粒子、表面が溶融した粒子やそれが固化した粒子、など)、これらの粒子の破砕物からなる粒子、などからなると考えられる。また、ガラス原料粒子以外にガラスカレットの粒子を併用して溶融ガラスを製造する場合は、溶融炉に投入されたガラスカレット粒子の一部もまたガラス融液面に到達することなく浮遊する粒子となることもある。例えば、微小なガラスカレット粒子、ガラスカレット粒子が溶融した粒子、いったん溶融したガラスカレット粒子が再度固化した粒子、これらの粒子の破砕物からなる粒子、などが浮遊する粒子となると考えられる。さらには、落下したガラスカレット粒子等がガラス融液に表面に衝突した際に生じる液状ガラスの飛沫やその固化物が浮遊する粒子となることもあると考えられる。
これらのガラス原料粒子やガラスカレット粒子などに由来する、炉底のガラス融液面に到達しない粒子を以下浮遊粒子という。
さらに、特許文献2の設備では、溶融ガラスの上方を排ガスが上流側から下流側に向って流れ、この排ガスの温度は下流側に向うに従って徐々に低くなる。この温度低下の現象により、排ガス中に含まれる揮発成分が液化ないし固化して浮遊粒子となり、下流側に位置するガラス融液面に落下して均質な溶融ガラスを汚染するという問題があった。また、特許文献2の設備では、揮発成分以外にも、排ガス中の浮遊粒子が溶融ガラスの液面に落下する。この浮遊粒子が液状ガラス粒子やそれが固化したガラス粒子であっても、温度履歴やガラス組成が、落下した位置の溶融ガラスとは異なるため、溶融ガラスの不均質の原因になっていた。例えば、揮発性の成分(例えば酸化ホウ素)を含むガラスの場合、浮遊粒子からの揮発成分の揮発とガラス融液からの揮発成分の揮発の程度が異なることより、たとえ同じガラス原料粒子から形成されたガラスであっても、ガラス融液の流れの下流域において浮遊粒子のガラス組成とガラス融液のガラス組成が異なっていることがある。従って、ガラス融液の流れの下流域においてガラス組成の異なる浮遊粒子がガラス融液に混入すると、ガラス融液の均一性が低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、排ガスに起因する溶融ガラスの品質低下を抑えることができるガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置されたガラス原料粒子投入部、前記ガラス溶融炉内のガラス原料粒子投入部下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口、前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、前記ガラス融液を排出する排出部、を備え、前記加熱手段は、前記気相部が前記ガラス融液の流れ方向且つ下方に傾斜して形成されるように配置されていることを特徴とするガラス溶融炉を提供する。
また、本発明は、前記目的を達成するために、ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置されたガラス原料粒子投入部、前記ガラス溶融炉内のガラス原料粒子投入部下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口、前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、前記ガラス融液を排出する排出部、を備え、前記ガラス溶融炉には、前記煙道の下方に形成されたドレンアウト部、及び前記ガラス融液と該ドレンアウト部のガラス融液とを仕切る堰が備えられていることを特徴とするガラス溶融炉を提供する。なお、「気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側」における「気相部」は、加熱手段により形成される高温の雰囲気領域であって、ガラス溶融炉内のそれ以外の雰囲気との境界面で規定される雰囲気領域を示す。
本発明によれば、高温の気相部から散逸して浮遊するガラス原料粒子などに由来する、炉底部のガラス融液面に到達しない粒子(浮遊粒子)は、ガラス溶融炉の炉壁に向うことなく、煙道に効率的に吸引されて外部に排気除去される。これにより、炉壁に対する浮遊粒子の付着量が激減するとともに、下流側に向かう浮遊粒子の量も激減するので、炉壁の損傷や溶融ガラスの品質低下を防止することができる。
なお、ガラス融液面とは、ガラス溶融炉設計時に想定した溶融ガラス液面の高さをいう。例えば、設計時にガラス融液と接触することを想定した炉材の上端部から50〜100mm下方の位置となる。通常のガラス溶融炉の場合の溶融ガラス液面は1〜1.5mであるが、気中溶融の場合のガラス融液面はそれよりも低い高さになることもある。また、ガラス原料粒子を液状ガラス粒子にするに当たっては、ガラス原料粒子投入部と高温の気相部を形成する加熱手段を用いる。液状ガラス粒子は落下してガラス融液面に着液し、溶融ガラスとなって一時貯留され、下流側に供給される。ここでいうガラス溶融炉の上部の炉壁部とは、ガラス溶融炉の天井部及び天井部の内壁から1m以内の側壁の範囲をいう。
この浮遊粒子が良質の場合には、それを捕捉したガラス融液を製品とすることができる。
本発明のガラス溶融炉において、前記煙道の入口は、前記ガラス融液面から、該ガラス融液面から前記ガラス溶融炉の天井内壁面までの距離の1/4〜1/3だけ上方に、該入口の上端部が位置するように配置されていることが好ましい。
この好ましい態様によれば、加熱手段からガラス融液面に向けて吹き出された気相部を形成することに伴う排ガスは、炉内で吹き上がることなく、ガラス溶融炉の下方に配置されている煙道の入口から煙道にいっそう効率良く吸引されて排気される。よって、排ガス中に含まれる浮遊粒子の炉内における拡散をより効率良く防止することができる。
本発明のガラス溶融炉において、前記加熱手段は、前記気相部が前記ガラス融液の流れ方向且つ下方に傾斜して形成されるように配置されている。
この好ましい態様によれば、加熱手段による気相部を形成することに伴う排ガス(原料搬送用のガスを含む)は、加熱手段から噴射された際に斜め下前方に噴射される。その後、排ガスは、煙道のある後方に向けて流れる。このため、排ガス中に含まれる浮遊粒子は、加熱手段を鉛直方向や水平方向に設置した場合と比較して、ガラス融液面にいっそう接し易くなるので、ガラス融液に捕捉され易くなる。これにより、排ガス中の浮遊粒子の量が減少するので、ガラス原料粒子を効率よくガラス化することができる。
本発明のガラス溶融炉において、前記煙道の下方に形成されたドレンアウト部、及び前記ガラス融液と該ドレンアウト部のガラス融液とを仕切る堰が備えられている
煙道を通過する排ガス中の浮遊粒子は、炉壁と同様に煙道に付着するため、煙道の炉材が侵食されるとともに、侵食時の反応生成物が落下する。このため、本発明では、煙道の下方にドレンアウト部を形成し、ガラス溶融炉の大部分を占める溶融ガラスとこのドレンアウト部に存在する溶融ガラスとを仕切る堰を備えていることが好ましい。この好ましい態様によれば、落下した反応生成物は、製品となる溶融ガラスに落下せず、ドレンアウト部にある溶融ガラスの融液面上に落下して外部に排出される。よって、ガラス溶融炉の大部分を占める溶融ガラスの品質には影響を与えない。すなわち、ドレンアウト部には非製品用溶融ガラスが貯留しており、前記反応生成物はこの非製品用溶融ガラスに捕捉される。
本発明のガラス溶融炉において、前記煙道は鉛直方向に設置され、該煙道の上部には、ガラスカレット片を投入するガラスカレット片投入部が設けられてもよい。
この態様によれば、ガラスカレット片投入部からガラスカレット片を投入すると、煙道を流れる高熱の排ガスによってガラスカレット片が加熱され、下方のガラス融液に落下する。これにより、ガラスカレット片は排ガスによって予備加熱されてガラス融液に捕捉されるため、ガラスカレット片をガラス融液に直接投入する形態と比較してガラスカレット片を効率よく溶融することができる。また、排ガス中の浮遊粒子は、投下中のガラスカレット片の表面に付着して、その下方に位置するガラス融液に捕捉される。これにより、煙道に対する浮遊粒子の付着量が激減し、浮遊粒子が煙道に付着することに起因する溶融ガラスの品質低下を防止することができる。
本発明のガラス溶融炉において、前記ガラスカレット片投入部の下方のガラス融液を加熱するための加熱手段が設けられてもよい。
本発明のガラス溶融炉において、前記気相部を形成する加熱手段は、酸素燃焼炎を発生させる酸素燃焼バーナ、及び熱プラズマを発生させる一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置のうち少なくとも一つであることが好ましい。
本発明によれば、酸素燃焼バーナによる酸素燃焼炎の場合には約2000℃の高温雰囲気を形成でき、熱プラズマの場合には5000〜20000℃の高温雰囲気を形成できる。よって、降下するガラス原料粒子を短時間で溶融することができる。なお、酸素燃焼バーナ及び多相アークプラズマ発生装置は、単独で設置してもよく双方を併用してもよい。また、加熱手段として使用される酸素燃焼バーナとしては、ガラス原料粒子投入部が一体となった形態のバーナを使用することができる。
本発明は、前記目的を達成するために、前記のいずれかに一つに記載のガラス溶融炉を用いて溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラスの製造方法を提供する。
本発明の溶融ガラスの製造方法では、ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とする溶融ガラスの製造方法であって、前記ガラス原料粒子を、前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部から下向き供給し、加熱手段により形成された気相部を通過させて液状ガラス粒子とし、前記気相部を形成する加熱手段により生じた排ガスを、前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口から吸引して排気し、前記液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、前記煙道の入口から吸引して排気し、前記煙道を通過する前記排ガス中に含まれるガラス原料粒子に由来する、炉底部のガラス融液面に到達しない浮遊粒子を、前記煙道の直下に位置するガラス融液で捕捉する。
本発明の溶融ガラスの製造方法において、前記煙道の入口は、前記ガラス融液面から、該ガラス融液面から前記ガラス溶融炉の天井内壁面までの距離の1/4〜1/3だけ上方に、該入口の上端部が位置するように配置されていることが好ましい。
本発明は、前記目的を達成するために、前記のいずれか一つに記載のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉の下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えたことを特徴とするガラス製品の製造装置を提供する。
本発明は、前記目的を達成するために、前記のいずれか一つに記載の溶融ガラスの製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程とを含むことを特徴とするガラス製品の製造方法を提供する。
以上説明したように本発明のガラス溶融炉、及び溶融ガラスの製造方法によれば、排ガスに起因する炉壁の損傷及び溶融ガラスの品質低下を抑えることができ、よって、品質のよい溶融ガラスを長期にわたって製造できる。
また、本発明のガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法によれば、本発明のガラス溶融炉及び製造方法により、品質のよい溶融ガラスを製造できるので、品質のよいガラス製品を長期にわたって生産することができる。
本発明のガラス製品の製造装置を構成する第1の実施の形態のガラス溶融炉の縦断面図 第2の実施の形態のガラス溶融炉の縦断面図 図2に示した溶融槽のA−A線に沿う断面図 図1に示したガラス溶融炉におけるガラス微粒子の流れを示した説明図 第3の実施の形態のガラス溶融炉の縦断面図 実施の形態のガラス製品の製造方法を示したフローチャート
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
図示したガラス溶融炉において、気相部を形成する加熱手段は酸素燃焼バーナからなる。気相部は、酸素燃焼バーナの火炎中及び火炎近傍の高温部から構成される。
気相部にガラス原料粒子を供給するためのガラス原料粒子投入部は酸素燃焼バーナと一体となり、酸素燃焼バーナ出口付近で燃焼ガスを供給する管と酸素を供給する管とガラス原料粒子を供給する管が同軸で構成されている。
以降の説明にあたっては、このガラス原料粒子投入部と酸素燃焼バーナとの組み合わせを、ガラス原料粒子加熱ユニットという。
図1は、本発明のガラス製品の製造装置を構成する第1の実施の形態のガラス溶融炉10の縦断面図である。
ガラス溶融炉10は、溶融槽12とガラス融液Gの排出部としての出口14とを備えており、溶融槽12、出口14は周知の耐火煉瓦によって構成されている。溶融槽12は、その上部の炉壁部である天井壁16には1台のガラス原料粒子加熱ユニット18が配置され、それによって炉内気相雰囲気中にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする高温の気相部が形成されている。溶融槽12の底部には炉底部17、出口14にはガラス融液Gが貯留されており、溶融槽12で製造されたガラス融液Gが出口14を介して下流に流れるように構成されている。炉底部17は、周知の耐火煉瓦によって構成されている。なお、ガラス原料粒子加熱ユニット18の配置方向は、鉛直方向下向きに限定されるものではなく、下向きであれば傾斜した方向でも構わない。また、溶融槽12の天井壁16は、フラットな形状に限定されるものではなく、アーチ形状、ドーム形状などであっても構わない。
更に、ガラス原料粒子加熱ユニット18が天井壁16ではなく、溶融槽12の上部の側壁にある場合も本発明の範囲である。ガラス原料粒子加熱ユニット18が側壁に設けられる場合には、溶融槽12の天井壁16の内壁から鉛直方向に1mまでの高さに設けられる。これは、ガラス原料粒子加熱ユニット18が、溶融槽12の天井壁16の内壁から鉛直方向に1mを超えるところに設けられた場合、ガラス原料粒子加熱ユニット18においてガラス融液面との鉛直距離が小さくなりすぎるため水平方向となす角が小さくなり、対向壁面にガラス粒子を吹き付けることになってしまう結果、炉壁侵食とそれに伴うガラス汚染が生じるためである。ガラス原料粒子加熱ユニット18は、溶融槽12の天井壁16の内壁から鉛直方向に80cmまでの高さに設けられることが好ましく、60cmまでの高さに設けられることがより好ましい。
溶融槽12及び出口14にはガラス融液Gが貯留されており、溶融槽12で製造された溶融ガラスが出口14を介して下流に流れるように構成されている。
ガラス原料粒子加熱ユニット18としては、前述のとおり、ガラス原料粒子投入部と加熱手段とが一体となった酸素燃焼バーナ20が適用されている。
この酸素燃焼バーナ20は、無機粉体加熱用バーナとして公知な、原料、燃料、支燃ガス供給ノズルが適切に配置された酸素燃焼バーナである。酸素燃焼バーナ20の先端部のノズル22は、中心部から外周部に向って燃料供給ノズル、一次燃焼用支燃ガス供給ノズル、ガラス原料供給ノズル、及び二次燃焼用支燃ガス供給ノズルの順で全体として同心円状に配列されている。ノズル22から火炎Fを下向きで噴射させて、この火炎F(すなわち、気相部)中にガラス原料粒子26を気体搬送又は機械搬送によりガラス原料粒子供給ノズルから供給する。これにより、ガラス原料粒子26を確実に且つ短時間で液状ガラス粒子とすることができる。なお、不図示であるが、この酸素燃焼バーナ20には、ガラス原料粒子をガラス原料粒子供給ノズルに供給するガラス原料粒子供給系、燃料を燃料供給ノズルに供給する燃料供給系、及び支燃ガスを一次燃焼用支燃ガス供給ノズルと二次燃焼用支燃ガス供給ノズルに供給するガス供給系が接続されている。
ガラス原料粒子の平均粒径(重量平均)は30〜1000μmが好ましい。より好ましくは、平均粒径(重量平均)が50〜500μmの範囲内のガラス原料粒子が使用され、さらに70〜300μmの範囲内のガラス原料粒子が好ましい。ガラス原料粒子が溶融した液状ガラス粒子(a)の平均粒径(重量平均)は、通常ガラス原料粒子の平均粒径の80%程度となることが多い。
このように、ガラス原料粒子投入部と加熱手段とが一体となった酸素燃焼バーナ20を適用した場合には、酸素燃焼バーナ20がガラス原料粒子投入部を兼ねているため、ガラス原料粒子投入部を別個で設ける必要はない。しかしながら、酸素燃焼バーナ20の火炎Fに向けてガラス原料粒子26を投入するガラス原料粒子投入部を酸素燃焼バーナ20に隣接して個別に設けてもよい。
なお、気相部を形成する加熱手段としては酸素燃焼バーナ20に限定されるものではなく、熱プラズマを発生させる、一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置を溶融槽12の天井壁16に設けてもよく、また、酸素燃焼バーナ20及び前記多相アークプラズマ発生装置の双方を溶融槽12に設けてもよい。更に、酸素燃焼バーナ20の火炎F、熱プラズマの温度は、ガラス原料粒子に含まれる分解性化合物(炭酸塩など)を迅速に分解して発生するガスを速やかに気散させて(以下、ガス化気散という)、他のガラス原料と共にガラス化反応を進行させるために、珪砂の溶融温度以上である1600℃以上に設定することが好ましい。これにより、炉内に投下されたガラス原料粒子は、火炎F及び/又は熱プラズマによって、迅速にガス化散逸されるとともに、高温で加熱されることにより液状のガラス粒子となって溶融槽12の底部領域に着地してガラス融液となる。そして、液状ガラス粒子の集積により形成されたガラス融液Gは、火炎F及び/又は熱プラズマによって引き続き加熱されることからガラス化された形態が保持される。なお、火炎Fの場合、その中心温度は酸素燃焼のケースで約2000℃であり、熱プラズマの場合は5000〜20000℃である。
図中、火炎Fの内部やその下方に描いた粒子26は、ガラス原料粒子が液状ガラス粒子となる途中の粒子や液状ガラス粒子を示す。ガラス原料粒子は火炎F中で迅速に液状ガラス粒子となると考えられるので、以下この粒子を液状ガラス粒子26ともいう。
実施の形態の溶融槽12では、ガラス原料粒子加熱ユニット18がガラス融液Gの流れ方向の上流側に設置されている。また、ガラス原料粒子加熱ユニット18で形成される気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側に煙道28が設置されている。煙道28は、鉛直方向に設置されるとともに、溶融槽12の上流側壁面15であってガラス融液Gの液面の近傍に開口された入口30を介して溶融槽12内の雰囲気に連通されている。更に、この煙道28には、不図示の冷却装置、集塵装置を介して吸引ファンが連結されており、吸引ファンを駆動することにより、溶融槽12内の高熱の排ガスが入口30を介して煙道28に吸引される。煙道28に吸引された排ガスは、前記冷却装置によって所定の温度に冷却された後、前記集塵装置によって排ガス中の塵埃が除去され、この後に前記吸引ファンによって外部に排気される。
一方、溶融槽12には、煙道28の下方に、排出孔31を備えたドレンアウト部32が形成されるとともに、このドレンアウト部32に存在する非製品用ガラス融液G1と、溶融槽12内の主要なガラス融液Gとを仕切る堰34が炉底17から設けられている。この堰34は、溶融槽12の上流側壁面15に対して溶融槽12の内側に形成されている。したがって、煙道28の壁面から落下する反応生成物は、ドレンアウト部32に全て落下して排出孔31から炉外に排出されるので、製品となるガラス融液Gに落下することはない。
次に、前記の如く構成されたガラス溶融炉の作用について説明する。
前記ガラス溶融炉では、酸素燃焼バーナ20からガラス原料粒子を投下するとともに、その投下中のガラス原料粒子を酸素燃焼バーナ20の火炎Fによって加熱して溶融し、液状ガラス粒子26、26…とする。液状ガラス粒子26、26…は、下方に向って落下してガラス融液Gの表面に着液する。
このような気中溶融時において、実施の形態の溶融槽12では、ガラス原料粒子加熱ユニット18がガラス融液Gの流れ方向の上流側に設置され、かつ、このガラス原料粒子加熱ユニット18で形成される高温の気相部よりもガラス融液の流れ方向よりも更に上流側に煙道28が設置されているため、酸素燃焼バーナ20の火炎Fから散逸して浮遊するガラス微粒子、すなわち前述の浮遊粒子は、溶融槽12の炉壁に向うことなく、排ガスとともに入口30から煙道28に効率的に吸引されて外部に排気除去される。
図に示した粒子27は、下方に向かう液状ガラス粒子26、26…の主要な流れから逸脱した粒子を示す。この粒子27は下方に向かう火炎Fの途中から散逸し、加熱不十分となって液状ガラス粒子にならないおそれがある。この粒子27は最終的にガラス融液表面に落下するものもあるが、ガラス融液表面に落下せずに浮遊粒子となるものもある。本発明では、このような粒子27を入口30から煙道28に吸引し、浮遊粒子の量を減少させる。ただし、浮遊粒子はこのような粒子27のみに起因するものではない。また、粒子27はそのすべてが浮遊粒子となるものではなく、粒子27の一部は火炎F直下近傍のガラス融液表面に落下してガラス融液と一体化するものもある。
これにより、溶融槽12では、炉壁に対する浮遊粒子の付着量が激減するとともに、下流側に向って浮遊する浮遊粒子の量も激減するので、炉壁の損傷や溶融ガラスの品質低下を防止することができる。よって、実施の形態のガラス溶融炉によれば、良質の溶融ガラスを製造することができる。
また、この溶融槽12によれば、煙道28を通過する排ガス中の浮遊粒子が、炉壁と同様に煙道28に付着するので、煙道28の炉材が侵食されるとともに、侵食時の反応生成物が落下する。このため、溶融槽12では、煙道28の下方にドレンアウト部32を形成し、このドレンアウト部32の非製品用ガラス融液G1とガラス融液Gとを堰34によって仕切っている。したがって、煙道28から落下した反応生成物は、ドレンアウト部32の非製品用ガラス融液G1に落下して排出孔31から炉外に排出されるので、製品となるガラス融液Gに混じることなくドレンアウト部32から外部に排出される。よって、煙道28から落下した反応生成物が、製品となる溶融ガラスの品質に影響を与えることはない。
更に、この溶融槽12によれば、煙道28の入口30がガラス融液Gの液面近傍に配置されている。このため、酸素燃焼バーナ20からガラス融液Gの液面に向けて吹き出された排ガスは、炉内で吹き上がることなく、入口30から煙道28に効率良く吸引されて排気される。よって、排ガス中に含まれる浮遊粒子が、炉内で拡散するのを確実に防止することができる。なお、煙道28の入口30は、ガラス融液Gの液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置される。言い換えると、煙道28の入口30の上端部が、ガラス融液Gの液面から、その液面から炉壁の天井壁16の内壁までの距離の1/2よりも下方に位置するように配置される。ガラス融液Gの液面から、その液面から炉壁の天井壁16の内壁までの距離の1/4〜1/3だけ上方に、入口30の上端部が位置するように配置されていることが、排ガスの排気効率の観点から好ましい。煙道28の入口30をガラス融液Gの液面の上方空間高さの1/2又はその上方に設置すると、浮遊粒子が入口30から円滑に吸引されず、溶融槽12内で拡散されるおそれがある。煙道28の入口30の大きさは、高さ方向が上記のように規定されるので、煙道28での排ガスの流れやすさ、排ガスの種類、排気ガスの温度、排ガスの量、すなわちガラス溶融炉の大きさ等の条件を考慮して、排気効率が高くなるように幅方向の大きさを決めればよい。
また、煙道28の入口30は、ガラス原料粒子を加熱する高温の気相部の位置よりも上流側且つガラス融液Gの液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置されればよいので、煙道28の入口30の位置として、その範囲内で溶融槽12の上流の背面のみならず、溶融槽12の側壁面としてもよい。また、煙道28の入口30の数は、複数であってもよい。例えば、溶融槽12の背面に一つ、側壁面に二つとしてもよく、或いは、溶融槽12の側壁面のみに複数設けてもよい。
図2は、第2の実施の形態に係るガラス溶融炉40の縦断面図であり、図1に示したガラス溶融炉10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
図2のガラス溶融炉40の溶融槽12では、ガラス原料粒子加熱ユニット18の酸素燃焼バーナ20がガラス融液Gの流れ方向に向けて下方に傾斜して配置されている。
図3は、図2に示した溶融槽12のA−A線に沿う断面図である。
同図に示すように、煙道28は、溶融槽12の壁面に開口された酸素燃焼バーナ20の挿入孔19を避けるように、クランク状に構成されている。酸素燃焼バーナ20及び煙道28の入口30は、溶融槽12の幅方向において、その略中央部に配置することがガラス融液Gの均質性を上げる点、及び浮遊粒子を円滑に排気する点で好ましいが、その際に煙道28を直管状に構成すると、煙道28を酸素燃焼バーナ20が貫通する配置となるので好ましくない。よって、このような不具合を解消するために、煙道28が図3の如くクランク状に構成されている。
このように酸素燃焼バーナ20を傾斜配置すると、酸素燃焼バーナ20からの排ガス(ガラス原料粒子搬送用のガスを含む)は、斜め下前方に噴射される。その後、排ガスは、煙道28が設置された上流側壁面15に向って流れる。このため、火炎Fの途中から散逸した粒子27、27…は、酸素燃焼バーナ20を図1の如く鉛直方向や水平方向に設置した場合と比較して、ガラス融液Gの液面により接し易くなるので、ガラス融液Gに捕捉され易くなる。これにより、排ガス中の浮遊粒子の量が減少するので、ガラス原料粒子を効率よくガラス化することができる。
図4には、図1に示した酸素燃焼バーナ20による火炎Fの途中から散逸した粒子の飛散状況が模式的に示されている。このように酸素燃焼バーナ20を鉛直配置すると、排ガスの周辺に含まれている火炎Fの途中から散逸した粒子27、27…が、排ガスにあおられることと、煙道28に吸引されることに相まってガラス融液Gに接触し難くなり炉内で拡散する場合がある。これに対して、図2の如く酸素燃焼バーナ20を下方に傾斜配置すると、排ガスの周辺に含まれている粒子27、27…もガラス融液Gにいっそう接触し易くなるので、ガラス融液Gに捕捉され易くなり、これによって、炉内での粒子27、27…の拡散が防止されて浮遊粒子となることが少なくなるとともに、ガラス原料粒子が効率よくガラス化される。
酸素燃焼バーナ20の傾斜角度は、排ガス中の粒子27、27…をガラス融液Gに効率的に接触させるために、鉛直方向に対して15度〜75度に設定することが好ましく、30度〜60度であることがより好ましい。なお、酸素燃焼バーナの角度を、ガラス融液が流れる方向にする上記形態は、あくまでも好適な実施形態であって、酸素燃焼バーナを鉛直真下の方向、或いはガラス融液が流れる方向の逆方向にする実施形態も本発明の範囲であり、排ガスに起因する炉壁の損傷及び溶融ガラスの品質低下を抑える効果を奏する。
図5は、第3の実施の形態に係るガラス溶融炉50の縦断面図であり、図1に示したガラス溶融炉10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
ガラス溶融炉50の煙道28の上部には、ガラスカレット片52、52…を投入するガラスカレット片投入筒54(ガラスカレット片投入部)が設けられている。
このガラスカレット片投入筒54から下方にガラスカレット片52、52…を投入すると、煙道28を流れる高熱の排ガスによってガラスカレット片52、52…の表面が加熱され、下方のガラス融液Gに落下する。なお、この溶融槽12の煙道28は、壁面が白金60等によりコーティングされ、排ガス中の浮遊粒子から煙道28の炉材が保護されている。また、この溶融槽12には堰(図1、図2、図4で示した堰34)が設けられておらず、よって、煙道28の直下に位置するガラス融液Gも製品用のガラス融液Gとして扱われている。
したがって、この溶融槽12によれば、ガラスカレット片52、52…は排ガスによって予備加熱されて、その下方のガラス融液Gに落下するため、ガラスカレット片52、52…をガラス融液Gに直接投入する形態と比較してガラスカレット片52を効率よく溶融することができる。また、煙道28に吸引された排ガス中の浮遊粒子は、投下中のガラスカレット片52、52…の表面に付着して、その下方に位置するガラス融液Gに落下するので、排ガス中の浮遊粒子を有効利用することができる。
なお、ガラス融液Gに落下したガラスカレット片52、52…の溶融を促進するために、落下位置のガラス融液Gを加熱するヒータ56(ガラス融液を加熱する加熱手段)が設けられている。更に、落下位置の炉底部17には、ドレンアウト管58が炉底部17を貫通して設けられており、落下位置の炉底部17に沈降した、濃縮した異質の溶融ガラスをドレンアウト管58から排出することができる。
ガラスカレット片投入筒54から投入されるガラスカレット片52においては、ガラスカレット片自体が飛散することが少ないこと、及びガラスカレット片を工程内或いは市場から回収、貯蔵し、ガラスカレット片投入口まで搬送する観点における取扱上の効率を考慮して、溶融槽12に投入するために、その粒径を規定した。すなわち、ガラスカレット片の短径(a)を0.1mm<a<50mmとすることが好ましい。短径(a)を有するガラスカレット片は、網目の目開き(Opening)の大きさを変えて、篩に残り、或いは通過させて選別する。すなわち、本発明におけるガラスカレット片は、網目の目開き(Opening)の大きさが0.1mmの篩に残り、且つ、網目の目開き(Opening)の大きさが50mmの篩を通過するものが好ましい。短径(a)は、0.5mm<a<30mmが、ガラスカレット片の上記取扱いの観点からより好ましい。短径(a)は、5mm<a<20mmが、ガラスカレット片の上記取扱いの観点からさらに好ましい。ただし、短径(a)が50mmを超えても、投下中のガラスカレット片52の表面にガラス微粒子を付着させて捕集する効果に変わりはない。
なお、本発明において「ガラスカレット」とは、本発明において最終目的物であるガラス製品のガラスとほぼ同一のガラス組成からなるガラスカレットを意味する。このガラスカレットは、通常、本発明における、炉底部に形成されたガラス融液から最終目的物であるガラス製品を製造する工程で発生する。ただし、これに限られるものではなく、本発明の最終目的物であるガラス製品のガラスとほぼ同一のガラス組成からなる他のガラス製品の製造工程から発生するガラスカレット、本発明によって得られた最終目的物のガラス製品を使用する工程から生じるガラスカレット、などであってもよい。上記他のガラス製品の製造工程におけるガラス溶融炉は、気中溶融法を使用したガラス溶融炉に限られるものではない。
ガラスカレットのガラス組成がガラス原料粒子から形成されるガラスのガラス組成とほぼ同一であることより、ガラスカレット片が融解した液状ガラスとガラス原料粒子から形成された液状ガラスが混合したガラス融液のガラス組成は均一なものとなり、均質化に必要とする熱エネルギーが少なく、均質化に要する時間も短い。ガラスカレットのガラス組成とガラス原料粒子から形成される液状ガラス粒子のガラス組成は同一であることが好ましいが、炉底部に形成されたガラス融液がガラス製品となる間にガラス組成がわずかに変化することがあり(例えば、酸化ホウ素などの揮発性ガラス成分の気散など)、このようなガラス組成のわずかな相違は許容される。
なお、ガラスカレット片はすでにガラスとなっている物質からなることから、加熱されたガラスカレット片は単に融解して液状のガラス粒子となる。一方、ガラス原料粒子は、ガラス原料の熱分解(例えば、金属炭酸塩から金属酸化物への熱分解など)、ガラス化反応と呼ばれるガラスとなる成分の反応と溶融、などの化学反応により液状のガラス粒子となる。固体粒子が液状のガラス粒子となるメカニズムはガラス原料粒子とガラスカレット片とでは異なるが、生成する液状のガラス粒子はほぼ同一のガラス組成の液状のガラス粒子である。
図6は、実施の形態のガラス製品の製造方法の実施の形態を示したフローチャートである。図6では、ガラス製品の製造方法の構成要素である溶融ガラス製造工程(S1)、及び成形手段による成形工程(S2)、並びに徐冷手段による徐冷工程(S3)に加えて、さらに必要に応じて用いる切断工程、その他後工程(S4)が示されている。
図1〜図5の溶融槽12で溶融された溶融ガラスGは、出口及び不図示の導管構造を経て成形手段へと送られ成形される(成形工程)。成形後のガラスは、成形後に固化したガラスの内部に残留応力が残らないように徐冷手段によって徐冷され(徐冷工程)、さらに必要に応じて切断され(切断工程)、その他後工程を経て、ガラス製品となる。なお、成形工程(S2)、徐冷工程(S3)、切断工程、その他後工程(S4)については、その目的を達成できる範囲でどのような工程であってもよい。例えば、板ガラスの場合には、溶融ガラスGを成形手段によってガラスリボンに成形し、それを徐冷手段によって徐冷した後、所望の大きさに切断し、必要に応じてガラス端部を研磨するなどの後加工をして板ガラスが得られる。
本発明の溶融ガラス製造方法によって製造される溶融ガラスは、気中加熱溶融法により製造される溶融ガラスである限り、組成的には制約はない。したがって、ソーダライムガラスや、ホウケイ酸ガラスであってもよい。また、製造されるガラス製品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al23:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe23:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B23:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
液晶ディスプレイ用又は有機ELディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜70%、Al23:3〜25%、B2:1〜20%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al23:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
その他の用途として、耐熱容器または理化学用器具等に使用されるホウケイ酸ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:60〜85%、Al23:0〜5%、B2:5〜20%、Na2O+K2O:2〜10%、という組成を有することが好ましい。
本発明により製造された溶融ガラスは、フロートバス、フュージョン成形機、ロールアウト成形機、ブロー成形機、プレス成形機等の成形手段で各種形状のガラス製品に成形される。
なお、2009年8月20日に出願された日本特許出願2009−191204号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
10…ガラス溶融炉、12…溶融槽、14…出口、15…上流側壁面、16…天井壁、17…炉底部、18…ガラス原料粒子加熱ユニット(ガラス原料粒子投入部及び気相部を形成する加熱手段)、19…挿入孔、20…酸素燃焼バーナ、22…ノズル、F…火炎、26…液状ガラス粒子、27…火炎から散逸した粒子、28…煙道、30…入口、31…排出孔、32…ドレンアウト部、34…堰、40…ガラス溶融炉、50…ガラス溶融炉、52…ガラスカレット片、54…ガラスカレット片投入筒、56…ヒータ、58…ドレンアウト管、60…白金

Claims (11)

  1. ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、
    前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置されたガラス原料粒子投入部、
    前記ガラス溶融炉内のガラス原料粒子投入部下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、
    前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口、
    前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、
    前記ガラス融液を排出する排出部、を備え
    前記加熱手段は、前記気相部が前記ガラス融液の流れ方向且つ下方に傾斜して形成されるように配置されていることを特徴とするガラス溶融炉。
  2. ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、
    前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置されたガラス原料粒子投入部、
    前記ガラス溶融炉内のガラス原料粒子投入部下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、
    前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口、
    前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、
    前記ガラス融液を排出する排出部、を備え、
    前記ガラス溶融炉には、前記煙道の下方に形成されたドレンアウト部、及び前記ガラス融液と該ドレンアウト部のガラス融液とを仕切る堰が備えられていることを特徴とするガラス溶融炉
  3. 前記煙道の入口は、前記ガラス融液面から、該ガラス融液面から前記ガラス溶融炉の天井内壁面までの距離の1/4〜1/3だけ上方に、該入口の上端部が位置するように配置されている請求項1又は2に記載のガラス溶融炉。
  4. 前記煙道は鉛直方向に設置され、該煙道の上部には、ガラスカレット片を投入するガラスカレット片投入部が設けられている請求項1、2又は3に記載のガラス溶融炉。
  5. 前記ガラス溶融炉には、前記ガラスカレット片投入部の下方のガラス融液を加熱するための加熱手段が設けられている請求項4に記載のガラス溶融炉。
  6. 前記気相部を形成する加熱手段は、酸素燃焼炎を発生させる酸素燃焼バーナ、及び熱プラズマを発生させる一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置のうち少なくとも一つである請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガラス溶融炉。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガラス溶融炉を用いて溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラスの製造方法。
  8. ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とする溶融ガラスの製造方法であって、
    前記ガラス原料粒子を、前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部から下向き供給し、加熱手段により形成された気相部を通過させて液状ガラス粒子とし、
    前記気相部を形成する加熱手段により生じた排ガスを、前記気相部よりもガラス融液の流れ方向の上流側且つ前記ガラス融液面の上方空間高さの1/2よりも下方の範囲に設置された煙道の入口から吸引して排気し、
    前記液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、
    前記煙道の入口から吸引して排気し、前記煙道を通過する前記排ガス中に含まれるガラス原料粒子に由来する、炉底部のガラス融液面に到達しない浮遊粒子を、前記煙道の直下に位置するガラス融液で捕捉することを特徴とする溶融ガラスの製造方法。
  9. 前記煙道の入口は、前記ガラス融液面から、該ガラス融液面から前記ガラス溶融炉の天井内壁面までの距離の1/4〜1/3だけ上方に、該入口の上端部が位置するように配置されている請求項8に記載の溶融ガラスの製造方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉の下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えたことを特徴とするガラス製品の製造装置。
  11. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の溶融ガラスの製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程とを含むことを特徴とするガラス製品の製造方法。
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