JPWO2019004434A1 - ガラス物品の製造方法、溶解炉及びガラス物品の製造装置 - Google Patents

ガラス物品の製造方法、溶解炉及びガラス物品の製造装置 Download PDF

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Abstract

ガラス物品の製造方法は、底部1aに複数の電極7A,7Bを備える溶解炉1により、ガラス原料GRMを加熱して溶解する溶解工程S1を含む。底部1aは、電極7A,7Bを囲繞する第一レンガ9A,9Bと、第一レンガ9A,9Bの相互間に配置される第二レンガ10と、を有する。

Description

本発明は、ガラス物品の製造方法、ガラスを溶融させる溶解炉及びガラス物品の製造装置に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、板ガラスが使用される。
特許文献1に開示されるように、板ガラスは、溶解工程、清澄工程、均質化(撹拌)工程、成形工程等の各工程を経て薄板状に形成される。同文献に開示される板ガラスの製造方法では、溶解工程において、耐火物によって構成される溶解槽本体にガラス原料を収容し、当該ガラス原料を電極対及びバーナによって加熱する。
特開2017−14055号公報
上記のような板ガラスの製造方法では、溶融ガラスの電気抵抗率が高い場合に、溶解槽本体を構成する耐火物(耐火レンガ)の電気抵抗率との差が小さいことから、当該耐火物に電流が流れる場合がある。このように耐火物が通電されてしまうと、ガラス原料の溶融が阻害され、或いは消費電力が増大し、ガラス物品の製造コストの高騰化を招くおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、通電加熱によって溶融ガラスを生成する場合に、耐火物の通電を防止することを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、底部に複数の電極を備える溶解炉により、ガラス原料を加熱して溶解する溶解工程を含む、ガラス物品の製造方法であって、前記底部は、前記電極を囲繞する第一レンガと、前記第一レンガの相互間に配置される第二レンガとを有し、前記第一レンガは、前記第二レンガよりも、耐食性に優れ、前記第二レンガは、前記第一レンガよりも、電気抵抗率が高いことを特徴とする。
かかる構成によれば、第一レンガの間に配置される第二レンガにより、当該第一レンガ同士の通電(短絡)を防止できる。電極を囲繞する第一レンガは、電極近傍において生じる高温の溶融ガラスの対流に対して高い耐食性を発揮し得る。また、第二レンガは、第一レンガを介して電極から離れた位置に配置されることから、比較的低温でかつ対流の少ない溶融ガラスに接触することになる。したがって、本発明によれば、第一レンガ間の通電を防止しつつ溶解炉を長期に亘って使用でき、ガラス物品の製造コストを可及的に低減できる。
上記方法において、前記第一レンガは、電鋳レンガであることが望ましい。また、前記第二レンガは、デンスジルコン焼成レンガであることが望ましい。電鋳レンガは、デンスジルコン焼成レンガと比較して耐食性が優れるので、電極近傍で高温の溶融ガラスが対流することによる浸食を確実に低減できる。また、デンスジルコン焼成レンガは、電鋳レンガと比較して電気抵抗率が大幅に高い。したがって、電鋳レンガ同士の通電を確実に防止できる。
また、前記溶解工程は、前記複数の電極のみで前記ガラス原料を通電加熱することが望ましい。バーナと複数の電極を併用する場合と比べ、バーナを使用することなく、複数の電極のみでガラス原料を加熱して溶解する場合には、溶融ガラスの通電を大幅に増加させる必要があり、耐火物の通電も増加する傾向となる。このため、バーナを使用することなく、複数の電極のみでガラス原料を加熱して溶解する場合に本発明を適用すれば、耐火物の通電を防止する効果がより顕著となる。
また、前記ガラス物品は、無アルカリガラスにより構成されることが望ましい。本発明において無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスをいう。無アルカリガラスは、電気抵抗率が高く、溶融ガラスにおいて、第一レンガ(例えば電鋳レンガ)との電気抵抗率の差が小さくなる。このため、第一レンガの通電も増加する傾向となる。このような無アルカリガラスでガラス物品を構成する場合に本発明を適用すれば、耐火物の通電を防止する効果がより顕著となる。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、底部に複数の電極を備える溶解炉であって、前記底部は、前記電極を囲繞する第一レンガと、前記第一レンガの相互間に配置される第二レンガとを有し、前記第一レンガは、前記第二レンガよりも、耐食性に優れ、前記第二レンガは、前記第一レンガよりも、電気抵抗率が高いことを特徴とする。また、本発明に係るガラス物品の製造装置は、上記構成の溶解炉と、前記溶解炉によって生成される溶融ガラスを成形する成形装置とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、通電加熱により溶融ガラスを生成する場合に、耐火物の通電を防止できる。
ガラス物品の製造装置を示す側面図である。 溶解炉の側面断面図である。 溶解炉の平面断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 ガラス物品の製造方法を示すフローチャートである。 溶解炉の他の実施形態を示す平面断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 溶解炉の他の実施形態を示す断面図である。 溶解炉の他の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図4は、本発明に係るガラス物品の製造方法及び製造装置の一実施形態を示す。
図1に示すように、本実施形態に係るガラス物品の製造装置は、上流側から順に、溶解炉1と、清澄槽2と、均質化槽(攪拌槽)3と、ポット4と、成形体5と、これらの各構成要素1〜5を連結するガラス供給路6a〜6dとを備える。この他、製造装置は、成形体5により成形された帯状の板ガラスGR(ガラス物品)を徐冷する徐冷炉(図示せず)及び徐冷後に帯状の板ガラスGRから所望寸法の板ガラスを切り出す切断装置(図示せず)を備える。
溶解炉1は、投入されたガラス原料GRMを溶解して、溶融ガラスGMを得る溶解工程を行うための容器である。溶解炉1は、ガラス供給路6aによって清澄槽2に接続されている。
清澄槽2は、溶解炉1から供給された溶融ガラスGMを清澄剤等の作用により脱泡する清澄工程を行うための容器である。清澄槽2は、ガラス供給路6bによって均質化槽3に接続されている。
均質化槽3は、清澄された溶融ガラスGMを攪拌し、均一化する工程(均質化工程)を行うための容器である。均質化槽3は、撹拌翼を有するスターラ3aを備える。均質化槽3は、ガラス供給路6cによってポット4に接続されている。
ポット4は、溶融ガラスGMを成形に適した状態に調整する状態調整工程を行うための容器である。ポット4は、溶融ガラスGMの粘度調整及び流量調整のための容積部として例示される。ポット4は、ガラス供給路6dによって成形体5に接続されている。
各ガラス供給路6a〜6dは、白金又は白金合金によって構成される複数のガラス供給管を連結することにより構成される。各ガラス供給路6a〜6dの外周面は、耐火物によって保持されている。
本実施形態では、溶融ガラスGMを所望の形状に成形する成形装置が、成形体5によって構成される。成形体5は、オーバーフローダウンドロー法によって溶融ガラスGMを板状に成形する。詳細には、成形体5は、断面形状(図1の紙面と直交する断面形状)が略楔形状を成しており、この成形体5の上部には、オーバーフロー溝(図示せず)が形成されている。
成形体5は、溶融ガラスGMをオーバーフロー溝から溢れ出させて、成形体5の両側の側壁面(紙面の表裏面側に位置する側面)に沿って流下させる。成形体5は、流下させた溶融ガラスGMを側壁面の下頂部で融合させ、板状に成形する。
成形された板ガラスGRは、例えば、厚みが0.01〜10mmであって、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、有機EL照明、太陽電池などの基板や保護カバーに利用される。なお、成形装置は、成形体5に限らず、スロットダウンドロー法などの他のダウンドロー法を実行するものであってもよい。なお、本発明に係るガラス物品は、板ガラスGRに限定されず、ガラス管その他の各種形状を有するものを含む。例えば、ガラス管を形成する場合には、成形体5に代えてダンナー法を利用する成形装置が配備される。
板ガラスGRの材質としては、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、化学強化ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
以下、溶解炉1の具体的な構成について、図2乃至図4を参照しながら説明する。
図2及び図3に示すように、溶解炉1は、長尺状に構成されており、平面視長方形状に構成される底部1aと、底部1aを囲繞する側部1bと、側部1bを閉塞する天井部1cとを有する。溶解炉1は、その長手方向Xの一端部(側部1b)にガラス原料GRMの供給部1dを有し、他端部に溶融ガラスGMの流出部1eを備える。底部1a、側部1b及び天井部1cは、耐火物(耐火レンガ)により構成される。なお、図3及び図4では、溶解炉1の構成を明確に示すために、ガラス原料GRM及び溶融ガラスGMを図示していない。
溶解炉1は、電極7A,7Bの通電によってガラス原料GRMを通電加熱するものであり、バーナを備えていない。図2、図3に示すように、底部1aには、複数の電極7A,7Bが配置されている。各電極7A,7Bは、モリブデン等の耐熱性を有する導電性材料により円柱状に構成されるが、この形状に限定されない。複数の電極7A,7Bは、第一電極7Aと第二電極7Bにより対として構成される。一対の電極7A,7Bは、図3に示すように、溶解炉1の幅方向Yに離間されている。
溶解炉1の底部1aは、各電極7A,7Bを囲繞する電鋳レンガ9A,9B(第一レンガ)と、当該電鋳レンガ9A,9Bの相互間に配置される複数の絶縁レンガ10(第二レンガ)と、を有する。電鋳レンガ9A,9Bの上面及び絶縁レンガ10の上面は、炉内の溶融ガラスGMと接触する。電鋳レンガ9A,9Bの下面側及び絶縁レンガ10の下面側には、断熱(保温)のために耐火レンガが層状に配置される。層状の断熱用耐火レンガは、一層であってもよく、複数層であってもよい。断熱用耐火レンガには、例えばアルミナ・ジルコン質レンガ、ムライト質レンガ、シリカ質レンガを利用できる。電鋳レンガ9A,9Bは、第一電極7Aを囲繞する第一電鋳レンガ9Aと、第二電極7Bを囲繞する第二電鋳レンガ9Bを含む。
電鋳レンガ9A,9Bとしては、例えば、ジルコニア系耐火物を利用できる。電鋳レンガ9A,9Bの電気抵抗率は、例えば、1500℃において100Ω・cm以上1000Ω・cm未満である。
図4に示すように、電鋳レンガ9A,9Bは、電極7A,7Bの一部が挿通される孔9aを有する。各電鋳レンガ9A,9Bは、各電極7A,7Bが孔9aに挿通されることにより、当該孔9aの内面によって各電極7A,7Bの一部を囲繞する。電鋳レンガ9A,9Bの孔9aは、電極7A,7Bの外径よりも大きく構成され、孔9aの内面と電極7A,7Bとの外面との間には、隙間が形成される。この隙間は、溶融ガラスGMが流れ込んで固化することにより閉塞される。
図2及び図4に示すように、各電極7A,7Bは、電極ホルダ8に支持されている。電極ホルダ8は、冷却配管(図示せず)を内部に備える。電極ホルダ8は、冷却配管に水等の液体冷却剤を流通させることにより、当該電極ホルダ8及び各電極7A,7Bを冷却する。
絶縁レンガ10とは、電鋳レンガ9A,9Bよりも高い電気抵抗率を有する耐火レンガをいう。絶縁レンガ10の電気抵抗率は、例えば、1500℃において1000Ω・cm以上である。
本実施形態では、絶縁レンガ10として焼成レンガが使用される。焼成レンガとしては、例えば、アルミナ系、ジルコン系、アルミナ・ジルコン系、シリカ系、ムライト系、粘土質系の焼成レンガが利用できる。絶縁レンガ10の材質としては、デンスジルコン焼成レンガを使用することが最も望ましい。デンスジルコン焼成レンガの電気抵抗率は、例えば、1500℃において1000Ω・cm以上10000Ω・cm以下である。ここで、デンスジルコン焼成レンガは、気孔率が小さく緻密なジルコン焼成レンガであり、例えば気孔率が5%以下であるジルコン焼成レンガを用いればよい。デンスジルコン焼成レンガは、気孔率が小さくなるように、ラバープレス法により成形されることが多い。
絶縁レンガ10の厚みは、50mm以上300mm以下とされることが望ましいが、この範囲に限定されず、溶解させるガラス物品の種別、溶融ガラスGMの温度その他の条件に応じて適宜設定される。絶縁レンガ10の厚みは、電鋳レンガ9A,9Bと同程度とされているが、電鋳レンガ9A,9Bの厚みと異なっていても良い。
図4に示すように、絶縁レンガ10は、第一電鋳レンガ9Aと第二電鋳レンガ9Bとの間に配置され、これらを離間させる。この離間距離、すなわち、絶縁レンガ10の幅W(一対の電極7A,7Bの離間方向における長さ寸法をいう)は、50mm以上3000mm以下とされることが望ましい。絶縁レンガ10の幅Wは、この範囲に限定されず、溶解させるガラスの材質及び温度に応じて適宜設定できる。図2及び図4に示すように、絶縁レンガ10の上面10aは、溶融ガラスGMに対する接触面となっている。
以下、上記構成の製造装置によってガラス物品(板ガラスGR)を製造する方法について説明する。
図5に示すように、本方法は、溶解工程S1と、清澄工程S2と、均質化工程S3と、状態調整工程S4と、成形工程S5と、徐冷工程S6と、切断工程S7とを備える。溶解工程S1では、供給部1dから溶解炉1内にガラス原料GRMが連続投入される。投入されたガラス原料GRMには、各電極7A,7Bによる通電加熱が実行される。これにより、溶解炉1内においてガラス原料GRMが溶解し、溶融ガラスGMが生成される。
溶解工程S1において、各電極7A,7B周辺では、この溶融ガラスGMの温度が相対的に高くなっており、図4において矢印Fで示すように溶融ガラスGMの対流(上昇流)が生じている。この場合、各電極7A,7Bを囲む電鋳レンガ9A,9Bは、絶縁レンガ10よりも耐食性が高いことから、高温の溶融ガラスGMの対流に対して高い耐食性を発揮する。一方、絶縁レンガ10は、電鋳レンガ9A,9Bよりも各電極7A,7Bから離れており、溶融ガラスGMの対流が少ない位置にあって当該溶融ガラスGMに接触する。
溶解工程S1後に、溶融ガラスGMは、溶解炉1の流出部1eから連続排出され、ガラス供給路6aを通じて清澄槽2へと移送される。ガラス原料GRMには清澄剤が配合されており、溶融ガラスGMには、この清澄剤の作用によりガス(泡)が発生する。清澄工程S2では、清澄槽2に溶融ガラスGMを流通させることで、このガスを除去する。
その後、清澄処理(脱泡処理)が実施された溶融ガラスGMを、ガラス供給路6bを通じて均質化槽3に移送する。均質化工程S3では、この均質化槽3においてスターラ3aを回転させることで、溶融ガラスGMが撹拌(均質化)される。
均質化された溶融ガラスGMは、ガラス供給路6cを通じてポット4に移送される。状態調整工程S4では、このポット4を介して、溶融ガラスGMの粘度及び流量が調整される。
ポット4を通過した溶融ガラスGMは、ガラス供給路6dを通じて成形体5のオーバーフロー溝に流入する。成形工程S5では、溶融ガラスGMをオーバーフロー溝から溢れ出させ、成形体5の側壁面に沿って流下させる。成形体5は、流下させた溶融ガラスGMを下頂部で融合させることで、帯状の板ガラスGRを成形する。
その後、帯状の板ガラスGRは、徐冷炉による徐冷工程S6に供される。切断装置による切断工程S7では、徐冷工程S6を経た帯状の板ガラスGRから所望寸法の板ガラスを切り出す。或いは、切断工程S7では、板ガラスGRの幅方向の両端部を切断して除去し、その後、帯状の板ガラスGRをロール状に巻き取ってもよい(巻取工程)。以上により、ガラス物品(板ガラスGR)が完成する。
以上説明した本実施形態に係るガラス物品の製造方法及び製造装置(溶解炉1)によれば、電鋳レンガ9A,9B(第一レンガ)の間に配置される絶縁レンガ10(第二レンガ)により、溶解工程S1中における電鋳レンガ9A,9B間の通電を防止できる。さらに、上記のように、電極7A,7Bの近傍に電鋳レンガ9A,9Bを配置し、電極7A,7Bから離れた位置に絶縁レンガ10を配置することで、電極7A,7Bの近傍で対流する高温の溶融ガラスGMに対する高い耐食性を確保するとともに、絶縁レンガ10の損耗を抑制できる。したがって、電鋳レンガ9A,9B間の通電(短絡)を防止しながらも、溶解炉1を長期に亘って使用でき、これによってガラス物品(板ガラスGR)の製造コストを可及的に低減できる。
図6及び図7は、ガラス物品の製造装置(溶解炉)の他の実施形態を示す。上記した図1乃至図5の例では、一対の電極7A,7Bが溶解炉1の幅方向Yに離間して配置されていたが、本例において、一対の電極7A,7Bは、溶解炉1の長手方向Xに間隔をおいて配置されている(図6参照)。また、図7に示すように、電鋳レンガ9A,9Bは、板状(層状)に構成される複数の電鋳レンガ9A,9Bを上下に積層することにより構成される。積層される各電鋳レンガ9A,9Bは、異なる材質、異なる厚みを有するものが使用されてもよい。同様に、絶縁レンガ10は、複数の焼成レンガ10を上下に積層することにより構成される。各絶縁レンガ10は、異なる厚みを有するものが使用されてもよい。
図8及び図9は、ガラス物品の製造装置(溶解炉)の他の実施形態を示す。図8に示す例では、溶解炉1の底部1aにおいて、一対の電極7A,7Bの間に複数の絶縁レンガ10が配置されている。この複数の絶縁レンガ10の間には、電鋳レンガ9Cが配置され得る。図9に示す例では、溶解炉1の底部1aにおいて、一対の電極7A,7B間に配置される絶縁レンガ10に凹部10bが形成されており、この凹部10bに電鋳レンガ9Cが嵌め込まれている。この構成に限らず、凹部10bに替えて絶縁レンガ10に貫通孔を形成し、当該貫通孔に電鋳レンガ9Cを挿入してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態の製造装置では、バーナを有していない溶解炉1を例示したが、この構成に限定されない。溶解炉1は、溶解工程S1でガラス原料GRMを上方から補助的に加熱するバーナを備えていてもよい。また、溶解工程S1で、バーナを用いることなく、複数の電極のみでガラス原料GRMを通電加熱する場合であっても、立上げ工程では、バーナを用いてもよい。なお、立上げ工程は、溶解炉1を常温の状態から溶融ガラスGMが充満する状態にする工程である。
なお、本発明において、第一レンガ及び第二レンガの電気抵抗率は、交流4端子法で測定するものとし、ガラス物品が無アルカリガラスで構成される場合、測定温度は1500℃とする。また、第一レンガ及び第二レンガの耐食性は、回転浸食試験で測定するものとし、ガラス物品が無アルカリガラスで構成される場合、試験温度は1500℃、試験時間は24時間とする。
1 溶解炉
1a 溶解炉の底部
5 成形体
7A 第一電極
7B 第二電極
9A 第一電鋳レンガ(第一レンガ)
9B 第二電鋳レンガ(第一レンガ)
10 絶縁レンガ(第二レンガ)
GRM ガラス原料
GM 溶融ガラス
GR 板ガラス(ガラス物品)

Claims (7)

  1. 底部に複数の電極を備える溶解炉により、ガラス原料を加熱して溶解する溶解工程を含む、ガラス物品の製造方法であって、
    前記底部は、前記電極を囲繞する第一レンガと、前記第一レンガの相互間に配置される第二レンガとを有し、
    前記第一レンガは、前記第二レンガよりも、耐食性に優れ、
    前記第二レンガは、前記第一レンガよりも、電気抵抗率が高いことを特徴とするガラス物品の製造方法。
  2. 前記第一レンガは、電鋳レンガである請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
  3. 前記第二レンガは、デンスジルコン焼成レンガである請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法。
  4. 前記溶解工程は、前記複数の電極のみで前記ガラス原料を通電加熱する請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  5. 前記ガラス物品は、無アルカリガラスにより構成される請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
  6. 底部に複数の電極を備える溶解炉であって、
    前記底部は、前記電極を囲繞する第一レンガと、前記第一レンガの相互間に配置される第二レンガとを有し、
    前記第一レンガは、前記第二レンガよりも、耐食性に優れ、
    前記第二レンガは、前記第一レンガよりも、電気抵抗率が高いことを特徴とする溶解炉。
  7. 請求項6に記載の溶解炉と、前記溶解炉によって生成される溶融ガラスを成形する成形装置とを備えることを特徴とするガラス物品の製造装置。
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