JP2024047915A - ガラス溶解装置、およびガラス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気抵抗率の高い溶融ガラスの加熱電力(W)を向上する、技術を提供する。【解決手段】ガラス溶解装置は、ガラス原料と前記ガラス原料を溶解してなる溶融ガラスとを収容する溶解槽と、前記溶融ガラスを通電加熱する複数の電極と、を備える。前記溶融ガラスは、1600℃において0.5Ωm以上の電気抵抗率を有する。複数の前記電極は、最短距離が1800mm以下である通電経路を形成する。【選択図】図5
Description
本開示は、ガラス溶解装置、およびガラス製造方法に関する。
特許文献1及び2には、溶融ガラスを通電加熱する電気溶解炉が記載されている。電気溶解炉は、上側から下側に向けて、火炎空間と、上部プールと、下部プールとをこの順番で備える。上方から見たときに、上部プールは六角形であり、六角形の各頂点の近傍にモリブデン電極が設けられる。6本のモリブデン電極が溶融ガラスを通電加熱する。
特許文献3に記載の電気溶解炉は、その底壁部に複数の電極を備える。複数の電極が溶融ガラスを通電加熱する。この電気溶解炉は、溶融ガラスの通電加熱のみで、ガラス原料を溶融する全電気溶解炉である。特許文献3には、ガスの燃焼熱と通電加熱を併用してガラス原料を溶融してもよい旨記載されている。特許文献4及び5にも、溶融ガラスの通電加熱について記載がある。
図1~図3に示すように、上方から見たときに多角形である溶解槽120が知られている。上記多角形の各頂点の近傍に電極130が設けられる。複数の電極130が溶融ガラスを通電加熱する。上方から見たときに、複数の電極130は、上記多角形の中心を通る対角線に沿って通電経路131を形成する。
通電経路131ごとに2つの電極130が配線132で電気的に接続されている。図1~図3において、図面の都合上、複数の配線132のうち1つの配線132のみ図示する。各配線132の途中には例えばトランス133が設けられる。トランス133は、複数の電極130に交流電圧を印可する。各通電経路131に電流が流れるように、交流電圧の位相が調節される。
交流電圧は、安全性の観点から上限が定められている。そのため、溶融ガラスの加熱電力の上限は、溶融ガラスの電気抵抗に依存する。電力(P)は、電圧(V)の二乗と、電気抵抗(R)の逆数(1/R)との積になる(P=V2/R)からである。溶融ガラスの電気抵抗が大きいほど、溶融ガラスの加熱電力の上限が小さくなる。
一般的なソーダライムガラスよりも電気抵抗率の高いガラス、例えば無アルカリガラスが製造されることがある。電気抵抗率の高い溶融ガラスを通電加熱する場合に、従来のように長い通電経路131を使用すると、電気抵抗(R)が大きくなり過ぎ、加熱電力が不足することがあった。
本開示の一態様は、電気抵抗率の高い溶融ガラスの加熱電力(W)を向上する、技術を提供する。
本開示の一態様に係るガラス溶解装置は、ガラス原料と前記ガラス原料を溶解してなる溶融ガラスとを収容する溶解槽と、前記溶融ガラスを通電加熱する複数の電極と、を備える。前記溶融ガラスは、1600℃において0.5Ωm以上の電気抵抗率を有する。複数の前記電極は、最短距離が1800mm以下である通電経路を形成する。
本開示の一態様によれば、最短距離が1800mm以下である通電経路を使用することで、電気抵抗率の高い溶融ガラスの加熱電力(W)を向上することができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図4を参照して、一実施形態に係るガラス溶解装置10について説明する。ガラス溶解装置10は、ガラス原料G1を溶解することで、溶融ガラスG2を製造する。ガラス原料G1は、複数種類の材料を混ぜて調製される。ガラス原料G1は、清澄剤を含んでもよい。ガラス原料G1は、ガラスをリサイクルすべく、ガラスカレットを含んでもよい。ガラス原料G1は、粉体原料でもよいし、粉体原料を造粒した造粒原料でもよい。ガラス原料G1は、ガラスの組成に応じて決定される。
ガラス溶解装置10は、ガラス原料G1とガラス原料G1を溶解してなる溶融ガラスG2とを収容する溶解槽20と、溶融ガラスG2を通電加熱する複数の電極30と、を備える。ガラス原料G1は、溶融ガラスG2の液面LSに対して上方から投入され、液面LSの上に層を形成する。ガラス原料G1は、溶融ガラスG2から伝達する熱によって徐々に溶解する。
ガラス原料G1の層は、溶融ガラスG2から熱または揮発成分が逃げるのを抑制すべく、溶融ガラスG2の液面LSの80%以上を覆うことが好ましく、液面LSの90%以上を覆うことがより好ましい。また、ガラス原料G1の層は、表面の最高温度が500℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましい。
ガラス溶解装置10は、溶融ガラスG2の通電加熱のみで、ガラス原料G1を溶解させる全電気溶解炉であることが好ましい。全電気溶解炉は、ガラス原料G1を溶解させる加熱源として、複数の電極30のみを有する。ガラス原料G1は、溶融ガラスG2から伝達する熱によって徐々に溶解する。電極30は、特に限定されないが、例えばモリブデン電極である。
なお、ガラス溶解装置10は、全電気溶解炉ではなくてもよく、溶融ガラスG2の通電加熱と、可燃性ガス又は重油等の燃焼熱とを併用して、ガラス原料G1を溶解させてもよい。但し、ガラス原料G1を溶解させる単位時間当たりの熱量に占める通電加熱量の割合は、好ましくは80%以上である。この割合が100%であるのが全電気溶解炉である。
溶融ガラスG2の液面LSの面積が大きいほど、ガラス原料G1の単位時間当たりの投入量を増やすことが可能であり、溶融ガラスG2の大量生産が可能である。溶融ガラスG2の液面LSの面積1m2に対する通電経路31の数Nは、好ましくは0.4以上である。通電経路31の数Nが0.4以上であれば、ガラス原料G1の投入量に対して十分な加熱電力(W)が得られる。通電経路31の数Nは、50以下である。
溶解槽20は、例えば、二階建て構造(ダブルデッカー構造)を有し、第1槽21と、第1槽21の下に配置される第2槽22と、を有する。第1槽21は、溶融ガラスG2を取り囲む第1側壁21aと、溶融ガラスG2を下から支える第1底壁21bと、第1底壁21bを貫通して形成される流通口21cと、を有する。溶融ガラスG2は、流通口21cを介して第1槽21から第2槽22に移動する。
第2槽22は、流通口21cの周縁から下方に延びる第2側壁22aと、溶融ガラスG2を下から支える第2底壁22bと、を有する。第2側壁22aには、溶融ガラスG2の取出口23が設けられる。溶融ガラスG2の取出口23は、第2側壁22aではなく、第2底壁22bに設けられてもよい。
なお、溶解槽20は、ダブルデッカー構造を有しなくてもよく、第2槽22を有しなくてもよい。溶解槽20は、第1槽21を有すればよい。溶解槽20が第2槽22を有しない場合、第1底壁21bには流通口21cが形成されない。また、溶解槽20が第2槽22を有しない場合、溶融ガラスG2の取出口23は、第1側壁21aに設けられるが、第1底壁21bに設けられてもよい。
溶解槽20は、耐火レンガで構成される。耐火レンガは、例えば、ジルコニア系電鋳レンガやアルミナ系電鋳レンガ、アルミナ・ジルコニア系電鋳レンガ、AZS(Al-Zr-Si)系電鋳レンガ、またはデンス焼成レンガなどを含む。溶解槽20は、複数種類の耐火レンガで構成されてもよい。
電極30は、棒状であって、例えば第1底壁21bから斜め上方または真上(図4では斜め上方)に突き出す。電極30が第1側壁21aから内側に水平に突き出す場合に比べて、電極30の上下方向全体において通電されやすく、電極30の先端への電流集中を抑制でき、電極30の溶損を抑制することができる。電極30は、第1底壁21bの流通口21cの外側に配置される。それゆえ、流通口21cを挟んで対向する2つの電極30の距離が長い。
流通口21cを挟んで対向する2つの電極30が通電経路を形成する場合、通電経路(図1~図3の通電経路131参照)の電気抵抗が高くなってしまう。そこで、詳しくは後述するが、本実施形態では、上方から見たときに第1側壁21aが描く多角形の辺に沿って通電経路31が形成される(図5~図10参照)。これにより、通電経路31を短縮でき、通電経路31の電気抵抗を低下でき、溶融ガラスG2の加熱電力を向上できる。
電極30は、好ましくは、第1底壁21bから斜め上に向けて突き出し、上方に向かうほど第1側壁21aから離れる方向に傾斜する。電極30の上端を電極30の下端よりも第1側壁21aから離すことで、第1側壁21aに電気が流れることを抑制できる。その結果、第1側壁21aの浸食速度を遅くでき、溶解槽20の寿命を伸ばすことができる。特に、上方から見たときに第1側壁21aが描く多角形の辺に沿って通電経路31が形成される場合(図5~図10参照)に有効である。
特許文献1及び2には、棒状の電極を斜めに挿入することが記載されている。但し、本実施形態では、上方から見たときに、第1側壁21aが描く多角形の少なくとも一辺に沿って通電経路31が形成される。これにより、図1~図3に示すように多角形の中心を通る対角線に沿って通電経路131が形成される場合に比べて、通電経路31を短縮でき、通電経路31の電気抵抗を低下でき、溶融ガラスG2の加熱電力を向上できる。
但し、上方から見たときに、多角形の少なくとも一辺に沿って通電経路31が形成される場合、多角形の中心を通る対角線に沿って通電経路131が形成される場合に比べて、第1側壁21aの近くを電流が流れることになる。仮に電流が第1側壁21aを流れてしまうと、溶融ガラスG2の加熱電力が低下する恐れがある。
本実施形態のように電極30を傾けることで通電経路31を第1側壁21aから離すことは、公知の構成(特許文献1及び2の構成)を模擬しているのではなく、多角形の辺に沿って通電経路31を構成することと組み合わせることで、安全に高電力を投入するという効果を十分に発揮させる効果があり、単なる組み合わせ以上の大きな効果がある。
図4に示すように、第1底壁21bには、電極30を挿し通すための挿通孔21dが形成される。挿通孔21dは、第1側壁21aよりも内側であって且つ第2側壁22aよりも外側に設定される。それゆえ、挿通孔21dの位置には、構造上の制約がある。その挿通孔21dの位置で、電極30の下端の位置が決まる。従って、電極30の下端と第1側壁21aとの距離には、構造上の制約がある。そこで、本実施形態では、電極30の上端を電極30の下端よりも第1側壁21aから離している。
挿通孔21dには、電極フォルダ40が設けられる。電極フォルダ40は、電極30の外周を保持すると共に電極30を冷却することで、溶融ガラスG2が挿通孔21dを介して溶解槽20の外部に漏出するのを防止する。電極フォルダ40には、水などの冷媒が供給される。冷媒は、電極フォルダ40の熱を外部に排出する。なお、電極フォルダ40は、電極30の下端を保持してもよい。また、電極フォルダ40は、挿通孔21dから上方に突出しないが、突出してもよい。
溶融ガラスG2は、1600℃において0.5Ωm以上の電気抵抗率を有する。高い電気抵抗率を有する溶融ガラスG2として、無アルカリガラスが例示される。無アルカリガラスとは、Na2O、K2O等のアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスのことである。ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下を意味する。
無アルカリガラスは、例えば、酸化物基準の質量%表示で、SiO2を54%~73%、Al2O3を10%~23%、B2O3を0.1%~12%、MgOを0%~12%、CaOを0%~15%、SrOを0%~16%、BaOを0%~15%、MgOとCaOとSrOとBaOを合計で8%~26%含有する。ここで、B2O3とMgOとCaOとSrOとBaOは、必須成分ではなく、任意成分である。
なお、1600℃において溶融ガラスG2の電気抵抗率は、好ましくは2.5Ωm以下である。
次に、図5~図10を参照して、電極30と通電経路31について説明する。通電経路31ごとに2つの電極30が配線32で電気的に接続されている。配線32の途中には例えばトランス33が設けられる。トランス33は、複数の電極30に交流電圧を印可する。各通電経路31に電流が流れるように、交流電圧の位相が調節される。
交流電圧は、安全性の観点から上限が定められている。そのため、溶融ガラスG2の加熱電力の上限は、溶融ガラスG2の電気抵抗に依存する。電力(P)は、電圧(V)の二乗と、電気抵抗(R)の逆数(1/R)との積になる(P=V2/R)からである。溶融ガラスG2の電気抵抗が大きいほど、溶融ガラスG2の加熱電力の上限が小さくなる。
一般的なソーダライムガラスよりも電気抵抗率の高いガラス、例えば無アルカリガラスが製造されることがある。電気抵抗率の高い溶融ガラスG2を通電加熱する場合に、従来のように長い通電経路131(図1~図3参照)を使用すると、通電経路131の電気抵抗が大きくなる。
本実施形態では、複数の電極30は、最短距離Lmin(図11参照)が1800mm以下である通電経路31を形成する。これにより、通電経路31の電気抵抗を低下でき、十分な加熱電力を得ることができる、最短距離Lminは、好ましくは1800mm以下であり、より好ましくは1500mm以下である。最短距離Lminは、ガラス原料G1を溶解槽20に投入してから溶融ガラスG2を溶解槽20から取り出すまでの温度履歴(以下、単に「温度履歴」と記載する。)の均一性の観点から、好ましくは100mm以上である。
なお、図11に示すように電極30が傾斜している場合、最短距離Lminは電極30の上端同士の距離である。この場合、主に電極30の上端同士を結ぶ直線の上に、通電経路31が形成される。一方、電極30が鉛直に立っている場合、最短距離Lminは電極30の同じ高さ同士の距離である。この場合、電極30の上下方向全体において、通電経路31が形成される。
図5~図10に示すように、上方から見たときに、第1側壁21aが多角形である。上記多角形は、6角形(図5、図7及び図10参照)、7角形(図9参照)または12角形(図6及び図8参照)には限定されない。上記多角形は、3角形~5角形、8角形~11角形または13角形以上でもよい。上記多角形は、偶数角形と奇数角形のいずれでもよい。上記多角形は、溶融ガラスG2の温度分布の対称性などの観点から、正多角形、または正多角形の各角を面取りした多角形(長辺と短辺を交互に有する多角形(図8参照))であることが好ましい。正多角形の各角を面取りすることで、通電加熱できない場所(デッドスペース)を減らすことができる。上記多角形は、取出口23に対して線対称であることが好ましい。
なお、図示しないが、上方から見たときに、第1側壁21aが多角形である場合、第2側壁22aは第1側壁21aを縮小した相似形であって多角形である。上方から見たときに、第2側壁22aが描く多角形の中心は、第1側壁21aが描く多角形の中心と一致する。なお、第1側壁21aと第2側壁22aは相似形では無くてもよく、例えば第1側壁21aが12角形であって第2側壁22aが6角形であってもよい。
図5~図10に示すように、上方から見たときに、複数の電極30は、上記多角形の少なくとも一辺に沿って通電経路31を形成する。図1~図3に示すように多角形の中心を通る対角線に沿って通電経路131を形成する場合に比べて、通電経路31を短縮でき、通電経路31の電気抵抗を低下でき、溶融ガラスG2の加熱電力を向上できる。
本明細書において、通電経路31が上記多角形の一辺に沿うことは、通電経路31が上記多角形の一辺に対して完全に平行であることと、通電経路31が上記多角形の一辺に対して±10°の範囲で傾斜していることと、の両方を含む。通電経路31が上記多角形の一辺に対して上記範囲を逸脱して傾斜している場合に比べて、複数の通電経路31を対称に配置しやすい。
図7~図10に示すように、上方から見たときに、複数の電極30は、上記多角形の各辺に沿って通電経路31を形成することが好ましい。通電経路31が上記多角形の各辺に沿わない場合に比べて、通電加熱できない場所(デッドスペース)を低減でき、温度履歴の均一性を向上できる。
図10に示すように、3本の電極30が、上記多角形の少なくとも一辺(好ましくは各辺)に沿って2本の通電経路31を形成することが好ましい。単に通電経路31を短縮できるだけではなく、4本の電極30で2本の通電経路31を形成する場合に比べて、電極30と電極フォルダ40の数を低減できる。その結果、冷媒の使用量を低減でき、溶融ガラスG2の加熱効率を向上できる。
図5~図10に示すように、上方から見たときに、上記多角形の各頂点の近傍に、電極30が設けられることが好ましい。ここで、各頂点の近傍に電極30が設けられるとは、上記多角形と同じ面積の円の直径を100%とすると、各頂点から20%以内の範囲内に電極30の上面中心が設けられることをいう。各頂点の近傍に電極30が設けられることで、通電加熱できない場所(デッドスペース)を低減できる。
次に、図4と図11~図15を参照して、電極30の傾斜について説明する。上記の通り、図4に示すように、電極30は、棒状であって、第1底壁21bから斜め上に向けて突き出しており、上方に向かうほど第1側壁21aから離れる方向に傾斜している。図11に示すように、上方から見たときに、電極30の上面中心は、電極30の下面中心に比べて、溶解槽20の中心P20に向けて変位していることが好ましい。
図12に示すように、上方から見たときに、電極30の下面中心と溶解槽20の中心P20とを結ぶ第1基準線L1と、電極30の下面中心と電極30の上面中心とを結ぶ直線PLとのなす角α1が±5°の範囲内であることが好ましい。なお、上方から見たときに、第1基準線L1と、下記の第1鉛直面P1が一致する。
図13に示すように、図12に示す第1鉛直面P1に直交する第1方向(矢印XIII方向)から見たときに、電極30の下面中心を通る鉛直線L3に対する、電極30の下面中心と電極30の上面中心とを結ぶ直線PLの傾斜角β1が5°~45°の範囲内であることが好ましい。
図14に示すように、上方から見たときに、第1側壁21aが多角形であって、多角形の辺のうち電極30の下面中心に最も近い辺に直交し且つ電極30の下面中心を通る第2基準線L2と、電極30の下面中心と電極30の上面中心とを結ぶ直線PLとのなす角α2が±30°の範囲内であることが好ましい。なお、上方から見たときに、第2基準線L2と、下記の第2鉛直面P2が一致する。
図15に示すように、図14に示す第2鉛直面P2に直交する第2方向(矢印XV方向)から見たときに、第1側壁21aの内壁面と、電極30の下面中心と電極30の上面中心とを結ぶ直線PLとのなす角β2が5°~60°の範囲内であることが好ましい。第1側壁21aの内壁面は、上方に向かうほど外側に傾斜していてもよい。
次に、ガラス製造方法について説明する。ガラス製造方法は、ガラス溶解装置10を用いて溶融ガラスG2を製造することと、溶融ガラスG2を所望の形状に成形して冷却することで、ガラス物品を製造することと、を有する。ガラス物品は、例えばディスプレイ用ガラス基板である。但し、ガラス物品の形状は、板形状には限定されない。
以上、本開示に係るガラス溶解装置、およびガラス製造方法について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
10 ガラス溶解装置
20 溶解槽
30 電極
31 通電経路
20 溶解槽
30 電極
31 通電経路
Claims (16)
- ガラス原料と前記ガラス原料を溶解してなる溶融ガラスとを収容する溶解槽と、前記溶融ガラスを通電加熱する複数の電極と、を備える、ガラス溶解装置であって、
前記溶融ガラスは、1600℃において0.5Ωm以上の電気抵抗率を有し、
複数の前記電極は、最短距離が1800mm以下である通電経路を形成する、ガラス溶解装置。 - 前記溶融ガラスの液面の面積1m2に対する前記通電経路の数が0.4以上である、請求項1に記載のガラス溶解装置。
- 前記溶解槽は、第1槽と、前記第1槽の下に配置される第2槽と、有し、
前記第1槽は、前記溶融ガラスを取り囲む第1側壁と、前記溶融ガラスを下から支える第1底壁と、前記第1底壁に形成される流通口と、を有し、
前記第2槽は、前記流通口の周縁から下方に延びる第2側壁と、前記溶融ガラスを下から支える第2底壁と、を有する、請求項1に記載のガラス溶解装置。 - 上方から見たときに、前記第1側壁が多角形である、請求項3に記載のガラス溶解装置。
- 上方から見たときに、複数の前記電極は、前記多角形の少なくとも一辺に沿って前記通電経路を形成する、請求項4に記載のガラス溶解装置。
- 上方から見たときに、3本の前記電極が、前記多角形の少なくとも一辺に沿って2本の前記通電経路を形成する、請求項5に記載のガラス溶解装置。
- 上方から見たときに、前記多角形の各頂点の近傍に、前記電極が設けられる、請求項4~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置。
- 前記電極は、棒状であって、前記第1底壁から斜め上に向けて突き出しており、上方に向かうほど前記第1側壁から離れる方向に傾斜している、請求項3~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置。
- 第1鉛直面に直交する第1方向から見たときに、前記電極の下面中心を通る鉛直線に対する、前記電極の下面中心と前記電極の上面中心とを結ぶ直線の傾斜角が5°~45°の範囲内であって、
上方から見たときに、前記第1鉛直面は、前記電極の下面中心と前記溶解槽の中心とを結ぶ第1基準線に一致する、請求項8に記載のガラス溶解装置。 - 第2鉛直面に直交する第2方向から見たときに、前記第1側壁の内壁面と、前記電極の下面中心と前記電極の上面中心とを結ぶ直線とのなす角が5°~60°の範囲内であって、
上方から見たときに、前記第1側壁が多角形であって、前記第2鉛直面は前記多角形の辺のうち前記電極の下面中心に最も近い辺に直交し且つ前記電極の下面中心を通る第2基準線に一致する、請求項8に記載のガラス溶解装置。 - 上方から見たときに、前記電極の下面中心と前記溶解槽の中心とを結ぶ第1基準線と、前記電極の下面中心と前記電極の上面中心とを結ぶ直線とのなす角が±5°の範囲内である、請求項8に記載のガラス溶解装置。
- 上方から見たときに、前記第1側壁が多角形であって、前記多角形の辺のうち前記電極の下面中心に最も近い辺に直交し且つ前記電極の下面中心を通る第2基準線と、前記電極の下面中心と前記電極の上面中心とを結ぶ直線とのなす角が±30°の範囲内である、請求項8に記載のガラス溶解装置。
- 前記溶融ガラスは、無アルカリガラスである、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置。
- 前記ガラス原料を溶解させる単位時間当たりの熱量に占める通電加熱量の割合が80%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置。
- 前記ガラス原料が前記溶融ガラスの液面の80%以上を覆う、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス溶解装置を用いて前記溶融ガラスを製造することと、
前記溶融ガラスを所望の形状に成形して冷却することで、ガラス物品を製造することと、
を有する、ガラス製造方法。
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