JP2004090875A - 車載用電子制御装置 - Google Patents
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- H05K5/02—Details
- H05K5/0213—Venting apertures; Constructional details thereof
- H05K5/0216—Venting plugs comprising semi-permeable membranes
Abstract
【課題】電子部品を収納したケースにその内外を連通させるための筒部を突設し、この筒部にフィルタを装着した車載用電子制御装置において、ケース内の電子部品を水分から保護することができるようにする。
【解決手段】密閉されたケース1内部に電子部品が収納され、ケース1の上面(2a)において筒部3が突設され、その内部がケース1の内外を連通させるための連通孔4となっている。キャップ型呼吸フィルタ10が筒部3に対し被せるように装着され、フィルタ膜13を介して筒部3での連通孔4と筒部3の外周部を通してケース1の内外が連通状態となっている。筒部3を設けたケース1の上面(2a)における当該筒部3の周辺に突起20が形成され、ケース1の上面(2a)とキャップ型フィルタ10との隙間を狭くしている。
【選択図】 図2
【解決手段】密閉されたケース1内部に電子部品が収納され、ケース1の上面(2a)において筒部3が突設され、その内部がケース1の内外を連通させるための連通孔4となっている。キャップ型呼吸フィルタ10が筒部3に対し被せるように装着され、フィルタ膜13を介して筒部3での連通孔4と筒部3の外周部を通してケース1の内外が連通状態となっている。筒部3を設けたケース1の上面(2a)における当該筒部3の周辺に突起20が形成され、ケース1の上面(2a)とキャップ型フィルタ10との隙間を狭くしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車載用電子制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載用電子制御装置において、密閉されたケース内に電子部品を収納して防水対策を講じた場合、ケースの内外の圧力差をなくすためにケースに呼吸フィルタを取り付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。この種の装置を、図6,7を用いて説明する。図6は電子制御装置の呼吸フィルタ取付部における平面図であり、図7は図6のA−A線での縦断面図である。
【0003】
ケース100内に電子部品が収納されるとともに、ケース100の上面での端部に凹部101が設けられ、凹部101での底面部101aにおいて筒部102が立設されている。筒部102の内部にはケース内外を連通させるための連通孔103が形成されている。筒部102の上端開口部に呼吸フィルタ104が装着され、呼吸フィルタ104の膜104aを介してケース100内の空気が出入りできるようになっている。
【0004】
ところが、高圧スチーム洗車ノズル110を用いて高圧スチームにより洗車を行うと、その時にかかる水圧、水蒸気に対して、条件によっては呼吸フィルタ膜104aを通してケース100の内部へ水蒸気が簡単に浸入してしまうといった問題が生じる可能性がある。これにより、図8に示すように、ケース100内におけるフィルタ104の下方に配置される電子部品(図8ではチップ抵抗器を示す)120が水蒸気により悪影響を受けしてしまう可能性がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−134939公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、電子部品を収納したケースにその内外を連通させるための筒部を突設し、この筒部にフィルタを装着した車載用電子制御装置において、ケース内の電子部品を水分から保護することができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、筒部を設けたケースの外表面における当該筒部の周辺に形成され、ケースの外表面とキャップ型フィルタとの隙間を狭くするための突起を備えたことを特徴としている。よって、高圧スチーム洗車時に、水蒸気がケース外部からケース内部に至る通路(隙間)において突起により狭くなっているので水蒸気が通過しにくくなる。その結果、電子部品を収納したケースにその内外を連通させるための筒部を突設し、この筒部にフィルタを装着した車載用電子制御装置において、ケース内の電子部品を水分から保護することができることとなる。
【0008】
請求項2に記載のように、突起は、筒部を設けたケースの外表面における当該筒部の周囲に環状に形成するとよい。
請求項3に記載のように、ケースの外表面における突起の外周側に第2の突起を形成すると、高圧スチームを分散させることができ、これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
【0009】
請求項4に記載のように、筒部での連通孔に絞りを設けることにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
請求項5に記載のように、ケース内において制御上、水の影響を受けにくい場所に対応する位置に筒部を設けるようにするとよい。
【0010】
請求項6に記載のように、ケース内における筒部での連通孔の開口部付近には電子部品のリード部を配置しないようにすると、ケース内の電子部品に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態の車載用電子制御装置(ECU)での呼吸フィルタ取付部における平面図を示す。また、図2には、図1のA−A線での縦断面を示す。本ECUはエンジン制御を行うためのECUであり、自動車(車両)のエンジンルーム内に配置される。
【0012】
図2に示すように、ECUのケース1はその内部が密閉され、ケース内部には電子部品(図示略)が収納されている。詳しくは、プリント基板に各種の電子部品が実装されている。このようにケース1内を密閉することにより防水構造を有することになる。また、ケース1にはコネクタ(図示略)が設けられ、このコネクタにはワイヤーを介してバッテリー、各種センサ、エンジン制御用アクチュエータが接続されている。そして、ECUはセンサ信号にてエンジンの運転状態を検知し各種の演算を実行してインジェクタやイグナイタといったアクチュエータを駆動してエンジンを最適な状態で運転させる。
【0013】
一方、図1,2に示すように、ケース1の上面における右側の端部には、凹部2が形成されている。図1での凹部2の平面形状としては、左側は半円形状をなし、右側は開口している。また、凹部2の底面(広義にはケース1の外表面)2aにおける中央部には、図2に示すように、フィルタ取り付け用ボスである筒部3が立設されている(突設されている)。筒部(フィルタ取り付け用ボス)3は円筒形状をなし、ケース1と一体形成されている。筒部(円筒形状のボス)3の内部はケース1の内外を連通させるための連通孔4、即ち、呼吸穴となっている。
【0014】
筒部(ボス)3には呼吸フィルタ10が外嵌されている。つまり、筒部(ボス)3の上端から当該筒部(ボス)3の外側に呼吸フィルタ10が嵌め込まれている。呼吸フィルタ10は、有蓋円筒状のキャップ材11と、キャップ材11の内面に形成した突起12と、フィルタ膜13とからなる。キャップ材11の内部にフィルタ膜13が設置されている。フィルタ10を取り付ける際には突起12が筒部3の外周面と接触しながら圧入される。フィルタ10を取り付けた状態においては筒部3の外周面とキャップ材11の内周面との間に空隙が形成され、この空隙は連通孔4とつながっている。また、フィルタ膜13が筒部3での連通孔4の上端開口部を塞いでいる。フィルタ膜13は気体(空気)を通すが液体(水)は通さない。
【0015】
このようにして、キャップ型呼吸フィルタ(キャップ型フィルタ)10が筒部3に対し被せるように装着され、フィルタ膜13を介して筒部3での連通孔4と筒部3の外周部を通してケース1の内外が連通状態となっている。そして、フィルタ膜13を介してケース1内の空気の出入りができるとともにフィルタ膜13により液状の水やほこりがケース1内に進入するのを防いでいる。
【0016】
また、呼吸フィルタ(キャップ型フィルタ)10の上面はケース1における凹部2以外の部位での上面と同じ高さになっている。
図1において前記凹部2における右側の開口部には板状の突起5が立設されており、この突起5によりフィルタ10を指で掴めないようになっている。つまり、フィルタ10の無用な取り外しを防止している。また、図1での突起5の両側には隙間6a,6bが形成されており、ここから凹部2内に入った水を排出することができるようになっている。
【0017】
また、凹部2での底面2a、即ち、筒部3を設けたケース1の上面(ケース1の外表面)における当該筒部3の周辺には突起20が環状に一体形成されている。図2のごとく突起20はその断面形状としては内端側は垂直なる壁を形成し、その外側は斜状面となっている。この突起20によりケース1の上面(ケース1の外表面)とフィルタ10との隙間を狭くしている。そして、高圧スチーム洗車ノズル30を用いて洗車を行う際、図1のように、隙間6a,6bから、高速の水蒸気がフィルタ10および筒部3での連通孔(呼吸穴)4を通してケース1内に浸入しようとする。このとき、水蒸気がケース外部からケース内部に至る通路(隙間)において突起20により狭くなっているので水蒸気が通過しにくい。その結果、ケース1内の電子部品を水分から保護することができる。
【0018】
また、図2のごとく、筒部3での連通孔4に絞り(突起)3aを設け、連通孔4の上端開口部での径D1を絞ってD2に狭くしている。具体的には、図7における筒部102での連通孔103の径D(図2でのD1値に相当)を例えば5.6mmとしていたものに比べ、図2における筒部3での連通孔4の内径(絞り径)D2を、例えば3.0mmとしている。これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。具体的には、例えば、フィルタ10を通過した水蒸気を筒内部の壁面に付着させやすくしてケース1内に向かう水蒸気の量を減らすことができる。
【0019】
また、図3に示すように、ケース1内において制御上、水の影響を受けにくい場所に対応する位置に筒部3を設けるようにしている(筒部10を設ける位置をケース1内部の機能重要度に応じて設定している)。これにより、フィルタ10を通過した水蒸気による影響を低減することができる。詳しくは、図3のケース1内においてケース底板部1aには突起40が形成され、この突起40の上にプリント基板41がネジ42によって固定され、かつ、筒部3の下方にはネジ42が位置し、電子部品の無い箇所としている。よって、水蒸気が筒部3からケース1内に入ってきても、呼吸フィルタ10の下方に設置される部品が非電子部品であるため水蒸気が付着したとしても悪影響を受ける可能性が低い。
【0020】
ここで、図3に代わる構成として、図4に示すように、ケース1内において筒部3での連通孔4の開口部にはLSI用パッケージ43を配置し、かつ、リード(端子)44は連通孔4の開口部から離れた位置とする。このようにケース1内における筒部3での連通孔4の開口部付近には電子部品のリード部を配置しないようにすると、ケース1内の電子部品に向かう水蒸気による影響を受けにくくすることができる。
【0021】
以下、本実施形態の効果について更に説明を加える。
呼吸フィルタ10に設けられる膜13は、液状の水は通さないが空気は通す細かい穴があいている。しかし、水蒸気の分子はとても細かくてこの穴を通り抜けてしまう。特に、高圧スチーム洗車時に発生する水蒸気は高速であるためフィルタ膜(呼吸膜)13を通った水蒸気はケース内部の回路(電子部品)へ影響を及ぼす可能性は大きくなる。
【0022】
この影響を少なくするためには、
(1)フィルタ10を通過する水蒸気のスピードを落とす。
(2)フィルタ10を通過する水蒸気量を減らす。
(3)通過した水蒸気の影響を受けにくい構成とする。
ことが有効である。
【0023】
ここで、図1,2に示したように、
(i)ケース(筐体)1に突起20を設置したこと、
(ii)筒部3での連通孔4に絞り3aを設け、内径D2を細くして空気の通過経路を絞ること、
により、上記(1),(2)の効果を得ることができる。
【0024】
図2に代わる構成として、図5に示すように、ケース1の外表面(2a)における突起20の外周側に第2の突起21を形成してもよい。突起21は突起20と同じ断面形状を有する。このようにすると、高圧スチーム洗車時において高圧スチーム(水蒸気)を分散させることができ、これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる(詳しくは、上記(1),(2)の効果をより上げることができる)。
【0025】
また、呼吸フィルタとその下方に設置される部品との位置関係において、図8のようにフィルタ104の下方に電子部品120を配置するのではなく、図3に示すようにフィルタ10の下方に非電子部品を配置することにより、呼吸フィルタ10を通して浸入した水蒸気の影響を少なくすることができ、上記(3)を達成することができる。
【0026】
これらの構成にすることにより、高圧スチーム洗車時に発生する水蒸気に対して、信頼性の高い防水構造を実現することができる。
なお、これまでの説明ではエンジン制御用ECUに適用したが、他のECU(例えば、ABS用ECU等)に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における車載用電子制御装置の平面図。
【図2】図1のA−A線での縦断面図。
【図3】車載用電子制御装置の縦断面図。
【図4】車載用電子制御装置の縦断面図。
【図5】別例の車載用電子制御装置の縦断面図。
【図6】従来技術を説明するための車載用電子制御装置の平面図。
【図7】図6のA−A線での縦断面図。
【図8】従来技術を説明するための車載用電子制御装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…ケース、2…凹部、3…筒部、3a…絞り、4…連通孔、10…呼吸フィルタ、13…フィルタ膜、20…突起、21…突起。
【発明の属する技術分野】
本発明は車載用電子制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車載用電子制御装置において、密閉されたケース内に電子部品を収納して防水対策を講じた場合、ケースの内外の圧力差をなくすためにケースに呼吸フィルタを取り付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。この種の装置を、図6,7を用いて説明する。図6は電子制御装置の呼吸フィルタ取付部における平面図であり、図7は図6のA−A線での縦断面図である。
【0003】
ケース100内に電子部品が収納されるとともに、ケース100の上面での端部に凹部101が設けられ、凹部101での底面部101aにおいて筒部102が立設されている。筒部102の内部にはケース内外を連通させるための連通孔103が形成されている。筒部102の上端開口部に呼吸フィルタ104が装着され、呼吸フィルタ104の膜104aを介してケース100内の空気が出入りできるようになっている。
【0004】
ところが、高圧スチーム洗車ノズル110を用いて高圧スチームにより洗車を行うと、その時にかかる水圧、水蒸気に対して、条件によっては呼吸フィルタ膜104aを通してケース100の内部へ水蒸気が簡単に浸入してしまうといった問題が生じる可能性がある。これにより、図8に示すように、ケース100内におけるフィルタ104の下方に配置される電子部品(図8ではチップ抵抗器を示す)120が水蒸気により悪影響を受けしてしまう可能性がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−134939公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、電子部品を収納したケースにその内外を連通させるための筒部を突設し、この筒部にフィルタを装着した車載用電子制御装置において、ケース内の電子部品を水分から保護することができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、筒部を設けたケースの外表面における当該筒部の周辺に形成され、ケースの外表面とキャップ型フィルタとの隙間を狭くするための突起を備えたことを特徴としている。よって、高圧スチーム洗車時に、水蒸気がケース外部からケース内部に至る通路(隙間)において突起により狭くなっているので水蒸気が通過しにくくなる。その結果、電子部品を収納したケースにその内外を連通させるための筒部を突設し、この筒部にフィルタを装着した車載用電子制御装置において、ケース内の電子部品を水分から保護することができることとなる。
【0008】
請求項2に記載のように、突起は、筒部を設けたケースの外表面における当該筒部の周囲に環状に形成するとよい。
請求項3に記載のように、ケースの外表面における突起の外周側に第2の突起を形成すると、高圧スチームを分散させることができ、これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
【0009】
請求項4に記載のように、筒部での連通孔に絞りを設けることにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
請求項5に記載のように、ケース内において制御上、水の影響を受けにくい場所に対応する位置に筒部を設けるようにするとよい。
【0010】
請求項6に記載のように、ケース内における筒部での連通孔の開口部付近には電子部品のリード部を配置しないようにすると、ケース内の電子部品に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態の車載用電子制御装置(ECU)での呼吸フィルタ取付部における平面図を示す。また、図2には、図1のA−A線での縦断面を示す。本ECUはエンジン制御を行うためのECUであり、自動車(車両)のエンジンルーム内に配置される。
【0012】
図2に示すように、ECUのケース1はその内部が密閉され、ケース内部には電子部品(図示略)が収納されている。詳しくは、プリント基板に各種の電子部品が実装されている。このようにケース1内を密閉することにより防水構造を有することになる。また、ケース1にはコネクタ(図示略)が設けられ、このコネクタにはワイヤーを介してバッテリー、各種センサ、エンジン制御用アクチュエータが接続されている。そして、ECUはセンサ信号にてエンジンの運転状態を検知し各種の演算を実行してインジェクタやイグナイタといったアクチュエータを駆動してエンジンを最適な状態で運転させる。
【0013】
一方、図1,2に示すように、ケース1の上面における右側の端部には、凹部2が形成されている。図1での凹部2の平面形状としては、左側は半円形状をなし、右側は開口している。また、凹部2の底面(広義にはケース1の外表面)2aにおける中央部には、図2に示すように、フィルタ取り付け用ボスである筒部3が立設されている(突設されている)。筒部(フィルタ取り付け用ボス)3は円筒形状をなし、ケース1と一体形成されている。筒部(円筒形状のボス)3の内部はケース1の内外を連通させるための連通孔4、即ち、呼吸穴となっている。
【0014】
筒部(ボス)3には呼吸フィルタ10が外嵌されている。つまり、筒部(ボス)3の上端から当該筒部(ボス)3の外側に呼吸フィルタ10が嵌め込まれている。呼吸フィルタ10は、有蓋円筒状のキャップ材11と、キャップ材11の内面に形成した突起12と、フィルタ膜13とからなる。キャップ材11の内部にフィルタ膜13が設置されている。フィルタ10を取り付ける際には突起12が筒部3の外周面と接触しながら圧入される。フィルタ10を取り付けた状態においては筒部3の外周面とキャップ材11の内周面との間に空隙が形成され、この空隙は連通孔4とつながっている。また、フィルタ膜13が筒部3での連通孔4の上端開口部を塞いでいる。フィルタ膜13は気体(空気)を通すが液体(水)は通さない。
【0015】
このようにして、キャップ型呼吸フィルタ(キャップ型フィルタ)10が筒部3に対し被せるように装着され、フィルタ膜13を介して筒部3での連通孔4と筒部3の外周部を通してケース1の内外が連通状態となっている。そして、フィルタ膜13を介してケース1内の空気の出入りができるとともにフィルタ膜13により液状の水やほこりがケース1内に進入するのを防いでいる。
【0016】
また、呼吸フィルタ(キャップ型フィルタ)10の上面はケース1における凹部2以外の部位での上面と同じ高さになっている。
図1において前記凹部2における右側の開口部には板状の突起5が立設されており、この突起5によりフィルタ10を指で掴めないようになっている。つまり、フィルタ10の無用な取り外しを防止している。また、図1での突起5の両側には隙間6a,6bが形成されており、ここから凹部2内に入った水を排出することができるようになっている。
【0017】
また、凹部2での底面2a、即ち、筒部3を設けたケース1の上面(ケース1の外表面)における当該筒部3の周辺には突起20が環状に一体形成されている。図2のごとく突起20はその断面形状としては内端側は垂直なる壁を形成し、その外側は斜状面となっている。この突起20によりケース1の上面(ケース1の外表面)とフィルタ10との隙間を狭くしている。そして、高圧スチーム洗車ノズル30を用いて洗車を行う際、図1のように、隙間6a,6bから、高速の水蒸気がフィルタ10および筒部3での連通孔(呼吸穴)4を通してケース1内に浸入しようとする。このとき、水蒸気がケース外部からケース内部に至る通路(隙間)において突起20により狭くなっているので水蒸気が通過しにくい。その結果、ケース1内の電子部品を水分から保護することができる。
【0018】
また、図2のごとく、筒部3での連通孔4に絞り(突起)3aを設け、連通孔4の上端開口部での径D1を絞ってD2に狭くしている。具体的には、図7における筒部102での連通孔103の径D(図2でのD1値に相当)を例えば5.6mmとしていたものに比べ、図2における筒部3での連通孔4の内径(絞り径)D2を、例えば3.0mmとしている。これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる。具体的には、例えば、フィルタ10を通過した水蒸気を筒内部の壁面に付着させやすくしてケース1内に向かう水蒸気の量を減らすことができる。
【0019】
また、図3に示すように、ケース1内において制御上、水の影響を受けにくい場所に対応する位置に筒部3を設けるようにしている(筒部10を設ける位置をケース1内部の機能重要度に応じて設定している)。これにより、フィルタ10を通過した水蒸気による影響を低減することができる。詳しくは、図3のケース1内においてケース底板部1aには突起40が形成され、この突起40の上にプリント基板41がネジ42によって固定され、かつ、筒部3の下方にはネジ42が位置し、電子部品の無い箇所としている。よって、水蒸気が筒部3からケース1内に入ってきても、呼吸フィルタ10の下方に設置される部品が非電子部品であるため水蒸気が付着したとしても悪影響を受ける可能性が低い。
【0020】
ここで、図3に代わる構成として、図4に示すように、ケース1内において筒部3での連通孔4の開口部にはLSI用パッケージ43を配置し、かつ、リード(端子)44は連通孔4の開口部から離れた位置とする。このようにケース1内における筒部3での連通孔4の開口部付近には電子部品のリード部を配置しないようにすると、ケース1内の電子部品に向かう水蒸気による影響を受けにくくすることができる。
【0021】
以下、本実施形態の効果について更に説明を加える。
呼吸フィルタ10に設けられる膜13は、液状の水は通さないが空気は通す細かい穴があいている。しかし、水蒸気の分子はとても細かくてこの穴を通り抜けてしまう。特に、高圧スチーム洗車時に発生する水蒸気は高速であるためフィルタ膜(呼吸膜)13を通った水蒸気はケース内部の回路(電子部品)へ影響を及ぼす可能性は大きくなる。
【0022】
この影響を少なくするためには、
(1)フィルタ10を通過する水蒸気のスピードを落とす。
(2)フィルタ10を通過する水蒸気量を減らす。
(3)通過した水蒸気の影響を受けにくい構成とする。
ことが有効である。
【0023】
ここで、図1,2に示したように、
(i)ケース(筐体)1に突起20を設置したこと、
(ii)筒部3での連通孔4に絞り3aを設け、内径D2を細くして空気の通過経路を絞ること、
により、上記(1),(2)の効果を得ることができる。
【0024】
図2に代わる構成として、図5に示すように、ケース1の外表面(2a)における突起20の外周側に第2の突起21を形成してもよい。突起21は突起20と同じ断面形状を有する。このようにすると、高圧スチーム洗車時において高圧スチーム(水蒸気)を分散させることができ、これにより、ケース内に向かう水蒸気の影響を受けにくくすることができる(詳しくは、上記(1),(2)の効果をより上げることができる)。
【0025】
また、呼吸フィルタとその下方に設置される部品との位置関係において、図8のようにフィルタ104の下方に電子部品120を配置するのではなく、図3に示すようにフィルタ10の下方に非電子部品を配置することにより、呼吸フィルタ10を通して浸入した水蒸気の影響を少なくすることができ、上記(3)を達成することができる。
【0026】
これらの構成にすることにより、高圧スチーム洗車時に発生する水蒸気に対して、信頼性の高い防水構造を実現することができる。
なお、これまでの説明ではエンジン制御用ECUに適用したが、他のECU(例えば、ABS用ECU等)に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における車載用電子制御装置の平面図。
【図2】図1のA−A線での縦断面図。
【図3】車載用電子制御装置の縦断面図。
【図4】車載用電子制御装置の縦断面図。
【図5】別例の車載用電子制御装置の縦断面図。
【図6】従来技術を説明するための車載用電子制御装置の平面図。
【図7】図6のA−A線での縦断面図。
【図8】従来技術を説明するための車載用電子制御装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…ケース、2…凹部、3…筒部、3a…絞り、4…連通孔、10…呼吸フィルタ、13…フィルタ膜、20…突起、21…突起。
Claims (6)
- 密閉された内部に電子部品が収納されるケース(1)と、
前記ケース(1)の外表面(2a)において突設され、その内部がケース(1)の内外を連通させるための連通孔(4)となる筒部(3)と、
前記筒部(3)に対し被せるように装着され、フィルタ膜(13)を介して筒部(3)での連通孔(4)と筒部(3)の外周部を通してケース(1)の内外が連通状態となるキャップ型フィルタ(10)と、
前記筒部(3)を設けた前記ケース(1)の外表面(2a)における当該筒部(3)の周辺に形成され、ケース(1)の外表面(2a)とキャップ型フィルタ(10)との隙間を狭くするための突起(20)と、
を備えたことを特徴とする車載用電子制御装置。 - 前記突起(20)は、筒部(3)を設けた前記ケース(1)の外表面(2a)における当該筒部(3)の周囲に環状に形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の車載用電子制御装置。
- 前記ケース(1)の外表面(2a)における前記突起(20)の外周側に第2の突起(21)を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子制御装置。
- 前記筒部(3)での連通孔(4)に絞り(3a)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車載用電子制御装置。
- 前記ケース(1)内において制御上、水の影響を受けにくい場所に対応する位置に前記筒部(3)を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子制御装置。
- 前記ケース(1)内における前記筒部(3)での連通孔(4)の開口部付近には電子部品のリード部を配置しないようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電子制御装置。
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- 2002-09-03 JP JP2002257966A patent/JP2004090875A/ja active Pending
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