JP3921431B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン制御装置に関する。特に、大気圧センサを備え、大気圧センサで検知された情報により、エンジンを制御するエンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2001−214776号公報には、エンジンルーム内に設置するのに適した密閉構造のECUやスロットル装置等のコントロールケースに、圧力センサを内装することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例においては、構造が複雑であり、かつ、エンジンルームにおいてはガソリン及び雨水等の各種液体がコントロールユニット内部へ進入するため、導電性の液体によってコントロールユニット内に電気的ショートを生じてしまう可能性がある。また、ケース内部で大気圧を検知する為に、高価なセンサを用いても応答性が問題となる場合があった。
【0004】
本発明の目的は、各種液体の進入によるコントロールユニットへの影響をより低減し、かつ、圧力検出の応答性をより向上することが出来るエンジン制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、コントロールユニットが液体がコントロールユニット内部へ進入せず、空気を通すフィルターを備えた構造を備え、コントロールユニット内部に大気圧センサを内蔵している。
【0006】
【発明の実施の形態】
今回、発明者らはエンジン制御装置について種々検討した。特に、エンジン制御装置の防水構造について検討した。
【0007】
従来のエンジン制御装置(即ち、エンジンコントロールユニット)は車室内に実装されるため、防水のための対策が必要ないことから、エンジンコントロールユニットを密閉構造にする必要性がなかった。また、防水の必要性がないことからコントロールユニット内部に配置された基板に大気圧センサを実装することが可能であった。
【0008】
しかし、近年、コントロールユニットのエンジンへの組み付け易さの改善、及びエンジンルーム内へ配線を引き回すハーネスコストの削減の為、エンジンコントロールユニットをエンジンルーム内へ直接配置する手法が取られている。これに対応すべく用いられているものに、圧力を導くための孔が設けられ、圧力センサと回路基板を一つのケースとして構造をもったコントロールユニットがある。
【0009】
しかし、上記の構造のコントロールユニットでは構造が複雑であり、かつ、エンジンルームにおいてはガソリン及び雨水等の各種液体がコントロールユニット内部へ進入する。そのためのコントロールユニットの電気的ショートを防ぐ手段は講じられていない。
【0010】
そのため、必然的にコントロールユニットは完全防水構造としなければならなくなり、従来の車室内では可能であった大気圧を検知して、各種アクチュエータを駆動させるような制御を行うことが難しくなっている。
【0011】
エンジンルーム内へ実装される、エンジンコントロールユニットにおいて、大気圧を検知するセンサはエンジンルームの油及び水の影響が少ないところへ配置される。
【0012】
防水の為密閉された構造においても、従来と変わらず大気圧を検知する機能を持たせるために、高価なセンサを採用しなければならなくなり、かつ、エンジンコントロール外へセンサを配置させる為、コントロールユニットとセンサの接続のため、コネクタピンを余分に設定しなければならなく、また、信号ラインが長くなるためノイズによる影響を受け易い構成となっている。
【0013】
これに対応するものとして、発明者らは以下の構成を検討した。即ち、ガソリン等の油及び雨水等の液体を通さず、空気のみ通過できるような呼吸可能なフィルターを備える空気導入孔を備えることで、防水構造でありながら、大気圧を導入可能となり、かつ、コントロールユニット内部へ小型の大気圧センサを実装させることができる。
【0014】
そのため、安価で小型の大気圧センサをエンジンコントロールユニット内部へ実装することが可能となり、且つ、コントロールユニット内部へ直接実装ができ、かつ、空気導入孔の近くに配置することにより信号ラインが短くなり、検出精度を向上することが可能となり、応答性が良くなる。主な構成は次の通りである。
【0015】
第一に、密閉されたコントロールユニット内部に、エンジン制御の回路基板と圧力センサが、ALベースの上に配置され、フィルターがついたケースにて密閉された構成の中に内蔵されている。
【0016】
第二に、空気を導入する孔に対し、圧力センサを空気導入孔の近くなるように配置する。
【0017】
第三に、空気導入孔に対し、空気を導くための導入孔を2つにすることで、片方が雪等の固体にて目づまりを起こしても、もう片方の空気導入孔から空気が取り込まれ、検出が可能となる。また、導入孔が両方(2ヶ所)とも目づまりを起こした場合は、2ヶ所から、コントロールユニット内部にある空気の圧力の変化により、空気導入孔の空気がコントロールユニット内部へ引き込まれるのを利用して、圧力により雪でつまった箇所を取り除けるようにする。
【0018】
以下、図面により実施例のセンサ内蔵防水型エンジンコントロールユニットの一実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1に、実施例の防水構造のコントロールユニットの構造を示す。
【0020】
図1のB部断面図に示すように、コントロールユニット100はエンジンルーム内に実装されるため、外界から油及び水の進入を防ぐ構造になっている。
【0021】
このコントロールユニット100の側面に油及び水の進入を防ぎ、かつ、空気のみは通過可能であり、呼吸ができるフィルター102がついている。
【0022】
このフィルター102から空気103がコントロールユニット内部の空気取入口104を介して、コントロールユニット内部に流れてくる。この空気の流れにより、コントロールユニット100内部の気圧状態が変化し、その気圧状態をコントロールユニット100に実装された大気圧センサ101で空気圧変動状態を検知し、検知した値によりエンジン制御を行うものである。
【0023】
また、気圧変化の応答性を、即、検出できるように、大気圧センサ101を空気取入口104の近くへ配置する。
【0024】
図2に、コントロールユニット100外部に取付ける空気導入孔の構造を示す。
【0025】
図2A部断面図に示すように、空気はこの空気導入孔の側面及び下面両方から、空気103が流れる導入孔があり、導入孔が雪等で片方が詰まった場合はもう片方から空気103を導入しフィルター102を介して空気取入口104からコントロールユニット100内部へ空気を導入できるような構造とする。また、側面及び下面両方が詰まった場合は、コントロールユニット内部の内圧変化により、空気の膨張で雪等を空気導入孔の内部へ引き込み(外部へ押し出す)し、空気を導入できるような構造とする。
【0026】
なお、図1では大気圧センサがエンジン制御用電子回路と別の基板に搭載されているが、本実施例においては、これら両方を同一の基板に搭載することも可能である。
【0027】
以上、実施例によれば、エンジンルーム内へ配置される、エンジンコントロールユニットにおいて、油や水等の液体の進入を防ぐことができる防水構造を維持しつつ、大気圧が検知可能なエンジンコントロールユニットを構成することができ、安価なセンサを用いることができ、かつ、応答性が良く精度が高い検出ができる効果がある。
【0028】
また、エンジンルームへ実装されるコントロールユニットにおいて、大気圧センサをコントロールユニット内部へ内蔵できる良さがある。また、センサを空気導入孔の近くに配置することで、安価なセンサを用いることができ、かつ、空気導入時の応答性が早く精度が良い検出が行える良さがある。また、空気導入孔を2個以上の複数個を備えることで、雪等の固形物により、空気の導入が妨げられるのを防ぐことができる良さがある。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、各種液体の進入によるコントロールユニットへの影響をより低減し、かつ、圧力検出の応答性をより向上することができるエンジン制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コントロールユニット形状を示す図である。
【図2】コントロールユニット空気導入孔形状を示す図である。
【符号の説明】
100…コントロールユニット(ECU)、101…大気圧センサ、102…防水フィルター、103…空気(大気圧)、104…空気取入口。

Claims (1)

  1. ケースにて密閉されたエンジン制御用の電子回路と、
    前記ケースの外部と内部との間で空気のやり取りを可能にした少なくとも2個の空気導入孔と、
    前記ケースの内部の気圧状態を検知する大気圧センサと、
    前記ケースの内部への液体の進入を防止して空気の通過は可能にするフィルタとを有し、
    前記少なくとも2個の空気導入孔は、互いに異なる面に設けられており、空気の流れの方向が異なるように構成され
    前記フィルタは、前記少なくとも2個の空気導入孔から導入された空気を前記ケースの内部に導入させるための前記空気導入孔とは別の孔をふさぐように設けられていることを特徴とするエンジン制御装置。
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