JP2004090725A - 車輪用吸音装置 - Google Patents

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Yoshinori Yasumoto
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Abstract

【課題】車輪における気柱共鳴とそれに起因するロードノイズに対して有効な低減効果を発揮し得る、コンパクトな車輪用吸音装置を提供すること。
【解決手段】リム18の全周に亘って配設されて固定的に取り付けられる取付部材24を設けると共に、該取付部材24においてリム18の外周側に位置せしめられる支持部28を設けて、該支持部28によって多孔質の吸音材30を支持せしめることにより、かかる吸音材30を車輪の空気室20内において少なくとも一部がリム18から離隔位置するように配設せしめて、吸音材30とリム18の間に空隙40が形成されるようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車等の車両の車輪において走行時に惹起される共鳴音を低減する技術に係り、特に車輪におけるホイールのリムとタイヤの間に形成される空気室内に吸音材を配設することによって走行時の共鳴音を低減するようにした車輪用吸音装置および車輪の構造の改良に関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、ホイールのリムとタイヤの間に空気室を形成した自動車用の車輪では、走行中に空気室に対して気柱共鳴に起因する共鳴音が惹起されることとなり、この共鳴音が200〜300Hz程度の周波数域におけるロードノイズを悪化させる原因の一つであることが知られている。
【0003】
そこで、かかる気柱共鳴を低減するために、従来から、特許文献1や特許文献2に記載されているように、ウレタン発泡材等からなる吸音材を車輪の空気室に収容してリムの外周面に直接に固着せしめた吸音装置が提案されており、また、特開平6−106903号公報には、リムの外周面に巻き付けて固定されるベルト部材を用いて、吸音材をリムに固定した吸音装置が開示されている。
【0004】
ところが、これら従来構造の何れの吸音装置においても、車輪の空気室内における気柱共鳴に起因するロードノイズの低減に対して未だ充分な効果を得ることが難しかったのであり、更なる改良が望まれていた。
【0005】
なお、特許文献3等においては、リムとタイヤの何れにも拘束することなく自由に移動可能な状態で吸音材を空気室内に収容配置せしめた吸音装置も提案されているが、このような吸音装置では、走行時における吸音材のリムやタイヤへの当接に伴う打音の発生や磨耗等が問題となるおそれがある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−216803号公報
【特許文献2】
特開昭64−78902号公報
【特許文献3】
特開平7−52616号公報
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、車輪の空気室内の気柱共鳴に起因する共鳴音を吸音材によって一層効率的に低減せしめることの出来る、改良された構造の車両用吸音装置および車輪を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
本発明の第一の態様は、車輪のホイールにおけるリムの外周面に装着されて、走行時の車輪に惹起される共鳴音を低減する車輪用吸音装置であって、前記リムの全周に亘って配設されて該リムの外周面に対して固定的に取り付けられる取付部材を設けると共に、該取付部材において該リムの外周側に位置せしめられる支持部を設けて、該支持部によって多孔質の吸音材を支持せしめることにより、かかる吸音材を車輪の空気室内において少なくとも一部が該リムから離隔位置するように配設せしめて、該吸音材と該リムの間に空隙が形成される状態で、該吸音材を前記ホイールに対して装着支持せしめるようにしたことを、特徴とする。
【0010】
このような本態様に従う構造とされた車輪用吸音装置においては、吸音材が、その少なくとも一部において、リムの外周面から離隔して車輪の空気室内に配設されることから、吸音材の外周面だけでなく側面や内周面までも空気室内に露呈させることが出来るのであり、吸音材の空気室内への露出面積が効率的に大きく設定され得て、空気室内に惹起される気柱共鳴の吸音材による低減効果が向上され得る。
【0011】
しかも、吸音材とリムの間に空隙が形成されており、空気室内に惹起された気柱共鳴による加振力のリムへの伝播が、かかる空隙内の空気層による緩衝作用や、或いは該空気層に惹起される気圧変動の干渉的な相殺作用に基づいて低減され得るのであり、その結果、気柱共鳴に起因してホイールからサスペンション部材を経て車室内に伝達される振動エネルギ、ひいては車室内騒音を抑えることが出来るのである。
【0012】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る車輪用吸音装置において、前記取付部材の内径寸法を周上で異ならせて、前記リムの外周面に密接せしめられる密接部と、該リムの外周面から径方向外方に離隔位置せしめられる突出部とを、周方向で交互に各複数形成することにより、該突出部によって前記支持部を構成し、該突出部によって前記吸音材を支持せしめたことを、特徴とする。このような本態様の車輪用吸音装置にあっては、取付部材において、吸音材をリムから離隔して支持せしめる支持部としての突出部を、簡単な構造をもって形成することが可能となる。また、突出部を周方向の適当な箇所に複数設けることにより、車輪の回転バランスに及ぼされる悪影響も容易に且つ効果的に回避することも出来るのである。
【0013】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る車輪用吸音装置において、前記取付部材の少なくとも一部を弾性材で構成して、前記リムに対して弾性的に密接されるようにしたことを、特徴とする。このような本態様の車輪用吸音装置においては、取付部材自体の弾性に基づいて、取付部材をホイールに対して密接状態で固定的に取り付けることが出来るのであり、取付部材のホイールへの取付構造の簡略化が図られ得る。なお、弾性材としては、ゴム弾性体の他、金属ばねも採用可能であり、特に金属ばねとしてコイルスプリング等のように長さ寸法が弾性変化するものの他、金属板ばねも採用可能であって、例えば金属板ばねを採用する場合には、例えば径方向寸法を周方向で異ならせることで周方向径方向外方への弾性変形が実質的に許容されるようにすることが有効である。
【0014】
また、本発明の第四の態様は、前記第三の態様に係る車輪用吸音装置において、前記取付部材を周方向に連続した環状の単一部材からなる弾性材で構成して、該取付部材を拡径方向に弾性変形させることにより、前記リムに外挿装着することが出来るようにしたことを、特徴とする。このような本態様の車輪用吸音装置においては、取付部材の耐久性や強度を有利に確保しつつ、取付部材の拡径方向への弾性変形量を大きく設定せしめて、ホイールへの装着を、リムの外縁の大径部を乗り越えて外挿せしめることにより、容易に且つ速やかに行うことが出来るのである。
【0015】
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る車輪用吸音装置であって、前記取付部材における周上の少なくとも一カ所において、該取付部材を前記リムの外周面に固着する固着手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、取付部材をホイールのリムに対して一層強固に且つ優れた耐久性をもって固定することが出来るのであり、特に、前記第三又は第四の態様において、取付部材をリムに対して弾性的に密接させて固定するに際しては、弾性特性のへたりに起因する固定力の低下が固着手段によって補助されて、耐久性と信頼性の向上が有利に図られ得る。なお、固定手段は、カシメやリベット等の他、接着や溶着等であっても良い。
【0016】
さらに、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る車輪用吸音装置をホイールに装着せしめた車輪を、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた車輪においては、従来から採用されているホイールを用いて、車輪における気柱共鳴に起因するロードノイズの発生を、容易に且つ有効に低減せしめることが出来るのである。
【0017】
また、本発明の第七の態様は、車輪のホイールにおけるリムの外周面に対して、タイヤとの間に形成される空気室内に突出する支持部を突設して、該支持部によって多孔質の吸音材を支持せしめることにより、かかる吸音材を車輪の空気室内において少なくとも一部が該リムから離隔位置するように配設せしめて、該吸音材と該リムの間に空隙を形成した車輪を、特徴とする。
【0018】
このような本態様に従う構造とされた車輪においては、前述の如き本発明の第一乃至第五の何れかの態様に係る車輪用吸音装置を車輪に装着せしめた場合と同様に、吸音材の空気室内への露出面積が効率的に大きく設定され得て、空気室内に惹起される気柱共鳴の吸音材による低減効果が極めて有効に発揮され得ると共に、吸音材とリムの間に形成された空隙内の空気層による気圧変動の伝達の緩衝作用や、気圧変動に対する直接的な相殺作用に基づいて、空気室内に生ぜしめられる気柱共鳴に起因する振動エネルギのホイールへの伝達が抑えられるのであり、その結果、車輪の空気室内での気柱共鳴に起因する車室内騒音に対して有効な低減効果が発揮され得るのである。
【0019】
しかも、吸音材がホイールに対して直接的に取り付けられることから、前記第六の態様に係る車輪に比して、より少ない部品点数と簡単な構造をもって、気柱共鳴に起因するロードノイズを有効に低減せしめる車輪が実現可能となるのである。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての車両用吸音装置10が、単品で示されていると共に、図2〜3には、かかる吸音装置10が、車輪12への装着状態で示されている。ここにおいて、車輪12は、周知の如く、ホイール14に対してタイヤ16が組み付けられることによって構成されており、ホイール14におけるリム18とダイヤ16の間に空気室20が形成されていると共に、ホイール14におけるディスク22の中央部分において、図示しない車軸のハブに対してボルト固定されることにより、自動車に装着されるようになっている。そして、このような車輪12において、本実施形態では、その空気室20に収容配置された状態で、吸音装置10が組み付けられている。
【0022】
より詳細には、かかる吸音装置10は、円環形状を有する取付部材24に対して、その適当な部位に吸音材30が固着されることによって構成されている。
【0023】
取付部材24は、適当なゴム材料によって形成されて周方向に連続して延びる環状の単一部材で構成されている。この取付部材24は、多少の外力が及ぼされても円環形状を保持し得る程度のばね剛性を有しており、全体として略真円形状をもって取付部材24が構成されている。また、取付部材24には、周上の複数箇所(本実施形態では、周方向で等分の4箇所)において、それぞれ、径方向内方に向かって突出する密接部26が形成されている。なお、これら密接部26は、何れも、取付部材24の内径寸法が周方向で部分的に小さくされて、取付部材24の径方向肉厚寸法が径方向内方に向かって厚肉とされることによって、取付部材24に一体形成されている。また、取付部材24の外径寸法は、本実施形態では周方向の全周に亘って略一定寸法とされている。
【0024】
要するに、取付部材24は、径方向の肉厚寸法が周方向で変化せしめられており、それによって、内径寸法の小さい厚肉の密接部26と、内径寸法の大きい薄肉の突出部28が、周方向で交互に各複数(本実施形態では、各4つ)形成されているのである。なお、取付部材24における軸方向の幅寸法は、例えば、密接部26と突出部28で相互に異ならせても良いが、本実施形態では、周方向の全周に亘って略一定の幅寸法をもって形成されている。
【0025】
さらに、かかる取付部材24には、各突出部28に対して吸音材30が被着形成されている。この吸音材30は、多孔質材によって形成されたものであり、より好適には弾性多孔質材によって形成され、更に好適には連続気泡を有する多孔質材によって形成される。具体的には、吸音材30は、例えば発泡ウレタンや発泡ゴム等によって有利に形成され得、問題となるロードノイズの周波数域等を考慮して発泡率や弾性率等が適宜に調節され得る。
【0026】
なお、吸音材30を取付部材24に被着形成するには、例えば別体形成された吸音材30を取付部材24に対して後接着等で固着することも可能であるが、例えば、予め成形した取付部材24を、吸音材30の成形型内にセットすることにより、吸音材30の成形と同時に該吸音材30を取付部材24の突出部28に対して被着するようにしても良い。また、吸音材30を発泡ゴムで形成する場合には、取付部材24の一部だけ、具体的には突出部28の外周面だけを発泡させることにより、取付部材24に対して突出部28を一体成形することも可能である。
【0027】
そして、このような吸音材30は、各突出部28の長手方向の少なくとも一部に固着されており、該突出部28の内周面と外周面の両表面を被覆する状態で設けられている。特に本実施形態では、突出部28の周方向の実質的に全長に亘って、突出部28の全表面を被覆するようにして、吸音材30が取付部材24に対して固着されている。なお、吸音材30の肉厚寸法は、突出部28の外周面側や軸方向両側面に被着形成された部位においては特に制限されるものでないが、突出部28の内周面側に被着形成された吸音材30においては、その内径寸法が密接部28の内径寸法よりも小さくならないように、吸音材30の肉厚寸法が設定されている。
【0028】
而して、このような構造とされた吸音装置10は、図2〜3に示されているように、車輪12を構成するホイール14のリム18に対して外挿状態で装着されている。
【0029】
ここにおいて、本実施形態では、取付部材24が全周に亘ってゴム弾性体で形成されていることから、吸音装置10に対して周方向の引張力を外力として及ぼすことにより吸音装置10の全体を弾性変形させて大径化することが出来る。それ故、吸音装置10を大径化させることにより、リム18の軸方向両端縁部に形成された大径のフランジ32を外周側から乗り越えさせて、リム18の中央部分に形成されたウェル34の部位に対して装着することが可能とされている。なお、特に本実施形態のディスク22では、ウェル34が、ビードシート36に比して充分に小径とされており、それによって、リム18の軸方向中間部分において、外周面に開口する比較的大きな深底環状の配設空間38が形成されている。
【0030】
そして、リム18に外挿された吸音装置10は、ウェル34に導かれて、配設空間38に収容状態で装着されている。そこにおいて、吸音装置10における取付部材24の密接部26は、外力が及ぼされていない自由状態下での内径寸法:Da(図1参照)が、リム18におけるウェル34の外径寸法:Dbよりも小さく設定されており(Da<Db)、それによって、吸音装置10をホイール14に外挿装着せしめた状態下では、取付部材24の弾性に基づく縮径方向の力が、常時、リム18に対して及ぼされることとなる。それ故、かかる弾性に基づいて、各密接部26がリム18の周上の複数箇所で径方向に当接せしめられており、かかる当接力に基づいて、取付部材24ひいては吸音装置10が、リム18に対して位置固定に取り付けられているのである。
【0031】
なお、この取付部材24の弾性に基づく各密接部26のリム18に対する当接力だけで、吸音装置10をリム18に対して固定的に取り付けることは、一般的な条件下において充分に実現可能であるが、密接部26のリム18に対する固定力を補助するために、例えば密接部26の内周面をリム18に対して適当な接着剤や粘着剤で接着や密着補助せしめたり、或いはリベット等で固定するようにしても良い。
【0032】
また、このようにしてホイール14に装着された吸音装置10においては、各密接部26がリム18の外周面に対して所定の当接力で密接されている一方、各突出部28は、周方向の全体に亘って、リム18の外周側に所定距離だけ離隔位置せしめられている。更にまた、それら各突出部28に被着形成された吸音材30も、リム18に対して外周側に所定距離だけ離隔位置せしめられており、リム18と吸音材30の径方向対向面間には、空隙としての空気層40が形成されている。
【0033】
特に本実施形態では、各吸音材30が、何れも、全体に亘ってリム18から径方向外方に離隔して位置せしめられている。また、各吸音材30は、その外周面がタイヤ16に当接しないようにタイヤ16から充分に離隔位置せしめられていることは勿論、その軸方向両側面においても、それぞれ、リム18から離隔せしめられており、全表面において実質的にリム18及びタイヤ16から離隔位置せしめられている。即ち、吸音材30は、車輪12の空気室20内において、空気室20内の中間部分に配設保持せしめられているのである。
【0034】
従って、上述の如き車両用吸音装置10が装着された車輪12においては、吸音材30が、リム18の外周面から離隔して車輪の空気室20内の中間部分に配設されており、吸音材30の外周面だけでなく側面や内周面までも空気室20内に直接に露出せしめられて、吸音材30の空気室20内への露出面積が効率的に大きく設定され得ることから、自動車の走行に際して空気室20内に惹起される気柱共鳴が吸音材30によって有効に抑えられ得て、気柱共鳴に起因するロードロイズの低減が図られ得るのである。
【0035】
しかも、かかる車両用制振装置10が装着された車輪12においては、吸音材30とリム18の間に形成された空気層40における圧力変動の緩衝作用乃至は相殺作用に基づいて、空気室20内に惹起された気柱共鳴による加振力のリムへの伝播が抑えられることから、空気室20内の気柱共鳴に起因してホイール14からサスペンション部材を経て車室内に伝達される振動エネルギによるロードノイズの更なる低減が図られ得るのである。
【0036】
そして、特に、上述の如き車両用制振装置10が装着された車輪12においては、吸音材30の容積に比して空気室20内への露呈面積が効率的に大きく設定されることに加えて、吸音材30とリム18の間に形成される空気層40による気柱共鳴の低減効果も発揮されることから、有効なロードノイズの低減効果を確保しつつ、吸音材30をコンパクトに設計することが可能となるのであり、それによって、走行性能への影響が大きいばね下荷重の増大が抑えられ得ると共に、タイヤ16の着脱に悪影響を及ぼさない程度のコンパクトサイズで、目的とする吸音装置10が有利に実現可能となるのであって、そこに、本発明の格別の技術的意義が存するのである。
【0037】
加えて、本実施形態の車両用制振装置10においては、取付部材24がゴム弾性体で形成されており、弾性的な拡径変形によってフランジ32を乗り越えさせてリム18の外周面に装着することが出来ると共に、その弾性に基づいて密接部26をリム18に対して固定することが出来ることから、ホイール14への装着を容易に且つ安定して行うことが可能であり、取付不良等の問題発生も効果的に回避され得るのである。
【0038】
次に、図4には、本発明の第二の実施形態とのしての車両用吸音装置42を備えた車輪44が示されている。なお、以下の実施形態において、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0039】
すなわち、本実施形態の車両用吸音装置42は、第一の実施形態と基本的構造がそれぞれ同一とされた複数(本実施形態では二つ)の車両用吸音装置42a,42aによって構成されている。そして、これら複数の車両用吸音装置42a,42aが、互いに並立的に周方向に延びる状態で、第一の実施形態と同様に、リム18に外挿されて、ホイール14に装着されている。
【0040】
このような本態様においては、複数の車両用吸音装置42aを採用したことにより、第一の実施形態の如く全体として一つの大きな車両用吸音装置10を採用する場合に比して一つの車両用吸音装置42aをコンパクトにすることが可能となって、拡径変形を伴うホイール14への装着作業が容易となると共に、各個別の車輪12において問題となっているロードノイズの大きさ等を考慮して装着する吸音装置42aの数を調節して対応することも可能となる。
【0041】
また、図5〜6には、本発明の第三の実施形態とのしての車両用吸音装置46を備えた車輪48が示されている。本実施形態の車両用吸音装置46おいては、第一の実施形態で採用されていたゴム弾性体によって形成された取付部材24に代えて、ばね鋼等からなる金属製の板ばねによって形成された取付部材50が採用されている。この取付部材50は、扁平の断面形状をもって周方向に延びており、溶接やリベット等で端部が相互に連結されることによって全体として一体的に周方向に連続した環状とされている。また、取付部材50の断面形状は、その肉厚寸法を含めて、周方向の全周に亘って略一定とされている。更にまた、取付部材50の径寸法は、周方向で周期的に変化せしめられており、それぞれ所定長さで周方向に延びる小径の密接部52と大径の突出部54が、周方向で交互に各複数(本実施形態では、各4つ)形成されている。
【0042】
そして、第一の実施形態と同様に、かかる取付部材50における各突出部54に対して、その略全体を被覆する状態で多孔質材からなる吸音材30が被着形成されている。
【0043】
而して、かくの如き本実施形態の車両用吸音装置46は、第一の実施形態と同様に、弾性的に拡径変形せしめてリム18のフランジ32を乗り越えさせることにより、リム18に対して外挿装着されている。そして、かかる装着状態下では、各密接部52が、取付部材50の弾性に基づいてリム18に当接せしめられて密接状態で位置決めされている一方、各突出部54に被着された吸音材30が、リム18から外周側に離隔位置せしめられて、車輪12の空気室20内の中間部分に配設されているのである。
【0044】
従って、このような本実施形態の車両用吸音装置46を備えた車輪48においても、第一の実施形態と同様な効果が何れも有効に発揮され得るのであり、特に本実施形態では、取付部材50が金属ばね材で形成されていることから、ゴム弾性体で形成された取付部材を採用した場合に比して、ヘタリに起因するリム18への固定力の低下が軽減され得て、より優れた耐久性が実現可能となる。
【0045】
更にまた、図7〜8には、本発明の第四の実施形態としての車両用吸音装置56を備えた車輪58が示されている。本実施形態の車両用吸音装置56においては、ゴム弾性体によって一体形成された取付部材60が、周方向の全周に亘って略一定の断面積と略一定の径寸法をもって形成されており、リム18への装着状態下、周方向の全体に亘って、リム18から径方向外方に向かって突出位置せしめられている。
【0046】
また、この取付部材60の突出先端部、換言すれば外周縁部に対して多孔室の吸音材30が被着形成されている。この吸音材30は、周方向の全周に亘って略一定の断面形状で延びる厚肉円筒形状を有しており、取付部材60の外周縁部に被着されて、取付部材60から軸方向両側および軸方向外方にそれぞれ所定高さで突設されている。そして、取付部材60がリム18に外挿装着された状態下では、吸音材30の全体が、リム18から外周側に離隔位置せしめられており、吸音材30の内周面を含む外周面や両側面が、何れも、車輪12の空気室20に露出せしめられていると共に、吸音材30とリム18の径方向対向面間には、取付部材60を挟んだ軸方向両側部分において、それぞれ、空隙としての空気層40,40が形成されている。
【0047】
さらに、図9には、本発明の第五の実施形態としての車両用吸音装置62を備えた車輪64が示されている。本実施形態の車両用吸音装置62においては、前記第四の実施形態の車両用制振装置56に比して、取付部材60が複数(本実施形態では二つ)用いられており、それら複数の取付部材60が軸方向で互いに所定距離を隔てて配設位置せしめられている。そして、それら複数の取付部材60の各外周縁部をつなぐようにして、吸音材30が被着されていることにより、それら複数の取付部材60によって、吸音材30が、軸方向の複数箇所で、リム18に対して支持せしめらるようになっている。従って、このような本態様の車両用吸音装置62においては、複数の取付部材60,60を用いて、吸音材30を、リム18に対して、より強固に且つ安定して装着固定せしめることが出来るのである。
【0048】
なお、前記第一〜五の実施形態では、何れも、吸音材30が、その周方向の全体においてリム18から外周側に離隔位置せしめられており、吸音材30とリム18の対向面間に環状の空気層40が形成されていたが、吸音材30は、その少なくとも一部においてリム18から離隔配置せしめられていれば良く、その限りにおいて、前述の如き、ロードノイズに対する優れた低減効果が発揮され得るのである。具体的には、例えば、図5〜6に示されている如き前記第三の実施形態に係る車両用吸音装置46において、図10に示されているように、取付部材50の各突出部54だけでなく各密接部52に対しても吸音材30を被着形成するようにしても良い。
【0049】
また、前記第一〜第五の実施形態では、何れも、周方向に連続した単体構造からなる環状の取付部材24,50,60が採用されていたが、周方向の一カ所、或いは複数箇所で係合/離脱可能に連結された、周方向に分断構造を有する取付部材を採用することも可能である。即ち、周方向での分断構造を有する取付部材を採用するに際しては、例えば、図11に示されているような一対のフック形状の係止部70,72からなる係止構造等をはじめ、特開平6−106903号公報や特開平9−86112号公報等に記載されている如き公知の各種の係止構造を用いて、取付部材が分断部位において適宜に連結され得、それによって、全体として環状の取付部材が構成され得るのである。
【0050】
更にまた、前記実施形態では、何れも、車両用吸音装置10,42,46,56,62,66がホイール14と別体構造とされており、ホイール14に対して着脱可能とされていたが、例えば、図12〜13に示されているように、ホイール14に対して車両用吸音装置を一体形成することも可能である。
【0051】
かかる車両用吸音装置74は、ホイール14において、リム18の幅方向中間部分から外周面上に支持部76を突設せしめて、この支持部76の突出先端部に対して吸音部材78を固定的に取り付けた構造とされている。なお、支持部76は、リム18の周方向全周に亘って連続して突出形成しても良いが、本実施形態では、周方向に所定長さで延びるように形成されている。一方、吸音部材78は、薄肉の固定プレート80に対して、その略全面を覆うように多孔材からなる吸音材30を被着形成することによって形成されている。そして、吸音部材78は、支持部76の突出先端部に載置されて、固定ボルト82で固定プレート80を支持部76に固定せしめられており、かかる固定状態下、吸音部材78は、支持部76からリム18の軸方向両側および周方向両側にそれぞれ突出せしめられている。
【0052】
それ故、本実施形態でも、吸音材30は、その外周面だけでなく、両側面や内周面においても、車輪12の空気室20内に露呈されていると共に、吸音材30とリム18の対向面間には、空隙としての空気層40が形成されているのであり、それによって、前記各実施形態と同様に、気柱共鳴とそれに起因するロードノイズに対して、有効な低減効果を得ることが出来るのである。
【0053】
なお、このような吸音部材78は、ホイール14の周方向のバランスを考慮して、周方向の全周に亘って連続して形成するか、或いは周方向の複数箇所に配設することが望ましい。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって何等限定的に解釈されるものでなく、また、そのような実施形態が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0055】
例えば、吸音材として、例示の如き多孔質の発泡材の他、グラスウール等の繊維材をばらけないように接着材等で保持せしめたもの等を採用することも可能である。また、本発明が装着されるホイールやタイヤの構造は、何等限定されるものでないことが理解されるべきである。
【0056】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた車両用吸音装置および車輪においては、何れも、車輪の空気室内において吸音材の表面を大きく露呈させて吸音材による気柱共鳴の低減効果を一層効率的に得ることが出来ると共に、吸音材とリムの間に形成される空気層による気柱共鳴の低減効果も発揮されることから、有効なロードノイズの低減効果を確保しつつ、吸音材をコンパクトに設計して車輪に装着することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての車両用吸音装置を示す正面図である。
【図2】図1に示された車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図1におけるII−II断面に相当する横断面図である。
【図3】図1に示された車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図1におけるIII −III 断面に相当する横断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態としての車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図2に対応した横断面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態としての車両用吸音装置を示す正面図である。
【図6】図5に示された車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図5におけるVI−VI断面に相当する横断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態としての車両用吸音装置を示す正面図である。
【図8】図7に示された車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図7におけるVIII−VIII断面に相当する横断面図である。
【図9】本発明の第五の実施形態としての車両用吸音装置を装着した車輪を示す、図8に対応した横断面図である。
【図10】本発明の更に別の実施形態としての車両用制振装置を示す正面図である。
【図11】本発明の更に別の実施形態として、周方向に分断された取付部材を採用するに際しての取付部材における周方向の連結構造の一具体例を示す斜視図である。
【図12】本発明の更に別の実施形態としての車両用制振装置を装着した車輪を示す、図8に対応した横断面図である。
【図13】図12におけるXIII−XIII断面図である。
【符号の説明】
10 車両用吸音装置
12 車輪
14 ホイール
16 タイヤ
18 リム
20 空気室
24 取付部材
26 密接部
28 突出部
30 吸音材
40 空気層
42 車両用吸音装置
44 車輪
46 車両用吸音装置
48 車輪
50 取付部材
52 密接部
54 突出部
56 車両用吸音装置
58 車輪
60 取付部材
62 車両用吸音装置
64 車輪
66 車両用吸音装置
68 車輪
74 車両用吸音装置
76 支持部
78 吸音部材

Claims (7)

  1. 車輪のホイールにおけるリムの外周面に装着されて、走行時の車輪に惹起される共鳴音を低減する車輪用吸音装置であって、
    前記リムの全周に亘って配設されて該リムの外周面に対して固定的に取り付けられる取付部材を設けると共に、該取付部材において該リムの外周側に位置せしめられる支持部を設けて、該支持部によって多孔質の吸音材を支持せしめることにより、かかる吸音材を車輪の空気室内において少なくとも一部が該リムから離隔位置するように配設せしめて、該吸音材と該リムの間に空隙が形成される状態で、該吸音材を前記ホイールに対して装着支持せしめるようにしたことを特徴とする車輪用吸音装置。
  2. 前記取付部材の内径寸法を周上で異ならせて、前記リムの外周面に密接せしめられる密接部と、該リムの外周面から径方向外方に離隔位置せしめられる突出部とを、周方向で交互に各複数形成することにより、該突出部によって前記支持部を構成し、該突出部によって前記吸音材を支持せしめた請求項1に記載の車輪用吸音装置。
  3. 前記取付部材の少なくとも一部が弾性材で構成されており、前記リムに対して弾性的に密接されるようになっている請求項1又は2に記載の車輪用吸音装置。
  4. 前記取付部材を周方向に連続した環状の単一部材からなる弾性材で構成して、該取付部材を拡径方向に弾性変形させることにより、前記リムに外挿装着することが出来るようにした請求項3に記載の車輪用吸音装置。
  5. 前記取付部材における周上の少なくとも一カ所において、該取付部材を前記リムの外周面に固着する固着手段を設けた請求項1乃至4の何れかに記載の車輪用吸音装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の車輪用吸音装置をホイールに装着せしめたことを特徴とする車輪。
  7. 車輪のホイールにおけるリムの外周面に対して、タイヤとの間に形成される空気室内に突出する支持部を突設して、該支持部によって多孔質の吸音材を支持せしめることにより、かかる吸音材を車輪の空気室内において少なくとも一部が該リムから離隔位置するように配設せしめて、該吸音材と該リムの間に空隙を形成したことを特徴とする車輪。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014031087A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤとリムとの組立体
CN105745095A (zh) * 2013-10-24 2016-07-06 宾利汽车有限公司 一种轮胎空腔噪音吸收器
US10632790B2 (en) 2014-09-12 2020-04-28 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
CN111086353A (zh) * 2020-01-25 2020-05-01 蔡翔 一体式轮毂减震降噪结构

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