JP2004090490A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことによって、記録ヘッドのノズルの損傷を防止するとともに、記録媒体への高精細な画像形成を可能とする画像記録装置を提供する。
【解決手段】所定の方向に搬送される記録媒体Rの画像記録面にインクを吐出することにより記録媒体Rに所定の画像を記録する記録ヘッド31a〜31dと、記録媒体Rの非記録面を支持する平坦な支持面41aを有する記録媒体支持部41及び記録媒体Rを支持面41aに吸着させる吸引ファン43を有するプラテン40と、を備える画像記録装置において、記録媒体Rをプラテン40の記録媒体支持部41の支持面41aに押し付けるスクイズローラ50と、プラテン40の吸引ファン43による吸引力の作用位置をスクイズローラ50の移動に応じて変化させる吸引位置可変手段と、を備える。
【選択図】       図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に関し、特に、記録媒体にインクを吐出することにより所定の画像を記録する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定の画像情報に基づいて、用紙やプラスチック薄板等の記録媒体に、(文字や記号などを含む)所定の画像を記録する画像記録装置が提案されている。例えば、所定の記録媒体にインクを吐出し着弾させることにより所定の画像を記録するインクジェット方式を採用した画像記録装置(インクジェットプリンタ)が提案され、実用化されている。かかるインクジェットプリンタを、特定のインク及び特定の専用紙と組み合わせて使用することにより、きわめて高精細な画像を形成することができる。
【0003】
また、近年では、インクジェットプリンタを、前記した専用紙とは異なる記録媒体と組み合わせて使用する技術が種々提案されている。例えば、インクジェットプリンタにUV(紫外線)照射源を設け、記録ヘッドから所定の記録媒体にインクを吐出して着弾させた後にUV照射源からUV光を照射することによってインクを硬化させる、いわゆる「UVインクジェット方式」が提案されている。かかるUVインクジェット方式は種々の用途への適用が見込まれており、現在では、食品包装をはじめとする軟包装に適用されるフィルム(以下、「軟包装用フィルム」という)にUVインクジェット方式を採用して所定の画像を記録するための技術が開発されつつある。
【0004】
ところで、前記した専用紙や軟包装用フィルム等の記録媒体にインクジェットプリンタを用いて画像を記録する際には、記録媒体を所定の搬送装置により搬送しながら、記録媒体の画像記録面に記録ヘッドからインクを吐出する。このインク吐出時(すなわち画像記録時)に、記録媒体の平面性を維持し、記録ヘッドと記録媒体との間隔を一定に保つことで、記録媒体に高精細な画像を形成することができる。
【0005】
従来は、記録媒体の平面性を維持して記録ヘッドと記録媒体との間隔を一定に保つため、記録媒体の画像記録面と反対側の面を支持するプラテンを設けていた。プラテンは、記録媒体の搬送時に記録媒体の画像記録面と反対側の面を支持する支持面及びこの支持面に連通する吸引孔を有する記録媒体支持部と、この記録媒体支持部の支持面に記録媒体を吸着させるための吸引手段と、を備えている。そして、記録媒体支持部の吸引孔を介して、支持面と記録媒体との間の空気を吸引手段で吸引することにより、記録媒体を記録媒体支持部の支持面に吸着させて、記録ヘッドと記録媒体との間隔を一定に保っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記した軟包装用フィルムを記録媒体として用いる場合には、搬送時に軟包装用フィルムに皺が形成されることが多く、前記した従来のプラテンのみによっては、形成された皺を取り除くことができなかった。
【0007】
このように軟包装用フィルムに皺が形成されたまま記録媒体の搬送を続行すると、軟包装用フィルムの皺が記録ヘッドのノズルに接触し、ノズルを損傷させてしまう場合があった。また、軟包装用フィルムに皺が形成されると、軟包装用フィルムと記録ヘッドとの間隔を一定に保つことが困難となるため、形成される画像品質の低下を招くこととなる。
【0008】
本発明の課題は、記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことによって、記録ヘッドのノズルの損傷を防止するとともに、記録媒体への高精細な画像形成を可能とする画像記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するため、請求項1記載の発明は、
所定の方向に搬送される記録媒体の画像記録面にノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体に所定の画像を記録する記録ヘッドと、
前記記録媒体の前記画像記録面と反対側の面を支持する平坦な支持面及び前記支持面に連通する吸引孔を有する記録媒体支持部と、前記吸引孔を介して前記記録媒体を前記支持面に吸着させる吸引力を前記記録媒体に作用させる吸引手段と、を有するプラテンと、
を備える画像記録装置において、
前記記録媒体の搬送方向に沿って移動可能とされ、前記記録媒体を前記プラテンの前記記録媒体支持部の前記支持面に押し付ける押圧力を前記記録媒体に作用させるローラと、
前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の作用位置を前記ローラの移動に応じて変化させる吸引位置可変手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、吸引位置可変手段により、プラテンの吸引手段による吸引力の作用位置をローラの移動に応じて変化させることができる。従って、例えば、ローラによって記録媒体をプラテンの記録媒体支持部の支持面に押し付けながら、吸引位置可変手段によってプラテンの吸引手段による吸引力をローラと対峙する位置に作用させることにより、記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0011】
この結果、記録媒体に形成された皺と記録ヘッドのノズルとの接触を回避し、ノズルの損傷を防止することができる。また、記録媒体と記録ヘッドのノズルとの間隔を一定に保つことができ、高精細な画像を形成することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、
前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の作用位置に前記ローラを対峙させるように前記ローラの位置を制御するローラ位置制御手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ローラ位置制御手段によって、プラテンの吸引手段による吸引力の作用位置にローラを対峙させることができるので、記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像記録装置において、
前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の大きさを、前記記録媒体の物性又は前記記録媒体に形成された皺の状態に応じて変化させる吸引力可変手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、吸引力可変手段により、記録媒体の物性又は記録媒体に形成された皺の状態に応じて、記録媒体に作用させる吸引力を変化させることができるので、種々のケースに応じて無理なく皺を取り除くことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の画像記録装置において、
前記ローラによる押圧力の大きさを、前記記録媒体の物性又は前記記録媒体に形成された皺の状態に応じて変化させる押圧力可変手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、押圧力可変手段により、記録媒体の物性又は記録媒体に形成された皺の状態に応じて、記録媒体に作用させる押圧力を変化させることができるので、種々のケースに応じて無理なく皺を取り除くことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の画像記録装置において、
前記記録媒体は、
軟包装用フィルムであることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の画像記録装置において、
前記記録ヘッドによる前記記録媒体への画像記録方式は、
インクジェット記録方式であることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載の画像記録装置において、
前記インクは、
活性光紫外線硬化化合物を含有することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像記録装置において、
前記活性光紫外線硬化化合物は、
カチオン重合系であることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の画像記録装置において、
前記記録ヘッドは、
前記記録媒体の搬送方向と略直角な方向に前記記録媒体の記録領域の全幅にわたって複数並設されたインク吐出口を有するラインヘッドであることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
本実施の形態において例示する画像記録装置は、記録媒体Rの記録領域の全幅にわたって複数並設されたノズル(インク吐出口)を有する長尺のラインヘッドを備え、これらノズルから記録媒体Rへインクを吐出して所定の画像の記録を行うインクジェットプリンタである。
【0025】
なお、本実施の形態においては、記録媒体Rとして、ロール状に巻回された長尺(ウェブ)状の合成樹脂製フィルムを採用している。記録媒体Rである合成樹脂フィルムの具体例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(延伸ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。また、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリアセタール、PVA(ポロビニルアルコール)等で調製したフィルムを適用することもできる。また、本実施の形態では、軟包装に用いられる厚さ12μm〜60μmの合成樹脂製フィルムを採用している。
【0026】
まず、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの構成について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を説明するための概略側面図である。
【0027】
インクジェットプリンタは、図1に示されるように、記録媒体Rを巻き付けた元巻ローラ10、巻取ローラ20、記録部30、プラテン40、スクイズローラ50、制御部60、等を備えている。
【0028】
巻取ローラ20は、元巻ローラ10に巻き付けられた記録媒体Rを巻き取ることにより記録媒体Rを矢印Aの方向に搬送するものであり、図示されていない駆動モータによって駆動される。
【0029】
記録部30は、巻取部20により矢印Aの方向に搬送される記録媒体Rの画像記録面にインクを吐出することにより、記録媒体Rに所定の画像を記録するものである。プラテン40は、矢印Aの方向に搬送される記録媒体Rの画像記録面と反対側の面(以下、「非記録面」という)を吸引保持するものである。これら記録部30及びプラテン40の構成については、図2を用いて後述する。
【0030】
スクイズローラ50は、記録媒体Rの搬送方向(矢印Aの方向)に沿って移動可能とされ、記録媒体Rをプラテン40の(後述する)記録媒体支持部41の平坦支持面41aに押し付ける押圧力を記録媒体Rに作用させるものである。すなわち、スクイズローラ50は、本発明におけるローラである。
【0031】
制御部60は、巻取ローラ20やプラテン40の(後述する)吸引ファン43やスクイズローラ50等を制御するものである。制御部60の構成については、図3を用いて後述する。
【0032】
次に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの記録部30、プラテン40及びスクイズローラ50の構成について、図2を用いて説明する。図2は、記録部30、プラテン40及びスクイズローラ50の拡大側面図である。
【0033】
記録部30は、ラインヘッド31a、31b、31c、31d及びUV光ユニット33a、33b、33c、33dを備えた構成部材であり、図示されていない移動機構により、図2の矢印Bの方向に移動可能とされている。
【0034】
ラインヘッド31a、31b、31c、31dは、記録媒体Rの搬送方向(図1及び図2の矢印Aの方向)と直角な方向に記録媒体Rの記録領域の全幅にわたって複数並設されたインク吐出口であるノズル32a、32b、32c、32dを有する長尺の記録ヘッドである。ラインヘッド31a、31b、31c、31dの各ノズル32a、32b、32c、32dからは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マジェンダ(M)、イエロー(Y)の各色のインクが吐出される。
【0035】
ラインヘッド31a、31b、31c、31dには、ノズル32a、32b、32c、32dに連通するインク流路が各々設けられており、各インク流路には、図示されていないインクチューブを介してインクタンクが各々接続されている。そして、図示されていない加圧ポンプにより、各インクタンクからラインヘッド31a、31b、31c、31dのインク流路へとインクが供給される。
【0036】
ここで、本実施の形態で使用するインクについて説明する。本実施の形態においては、常温において高粘性を有し、加熱するに従い低粘性を有するインク、具体的には、30℃での粘度が30〜3000mPa・sのインクを採用する。30mPa・s以下では記録媒体Rに滲みやすいため明瞭な記録を行うことができず、3000mPa・s以上では画質の平滑性が失われるからである。なお、インクの30℃での粘度は、50〜1000mPa・sであるのがより好ましく、100〜500mPa・sであるのがさらに好ましい。
【0037】
また、インクは、60℃での粘度が3〜30mPa・sのものであることがさらに好ましい。3mPa・S未満ではラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dからの高速吐出に不具合を生じるおそれがあり、30mPa・sを超えると吐出性が劣化してしまうおそれがあるからである。なお、このインクの粘度は、JIS Z 8803に規定する液体の粘度−測定方法において測定されたものであって、実際の粘度の測定には、HAAKE社製回転式粘度形(ビスコテスタ)型式VT07Lを用いた。
【0038】
また、各ノズル32a、32b、32c、32dから吐出される一滴当たりのインク滴の吐出量をMとすると、2pl≦M≦20plであることが好ましい。吐出量Mが、20pl以上であると高精細印字が難しく、2pl以下であると記録媒体Rに形成される画像の濃度が低くなってしまうからである。前記した範囲の中でも、2pl≦M≦10plであることがより好ましく、4pl≦M≦7plであることがさらに好ましい。
【0039】
また、記録媒体Rに着弾したインク滴の滴径(ドット径)をDとすると、50μm≦D≦200μmであることが好ましい。ドット径Dが、50μm以下であると記録媒体Rに形成される画像の濃度が低くなってしまい、200μm以上であると高精細印字が難しいからである。前記した範囲の中でも、50μm≦D≦150μmであることがより好ましく、55μm≦D≦100μmであることがさらに好ましい。
【0040】
また、本実施の形態においては、紫外線の被照射により硬化する性質を有するインク(UVインク)を採用している。UVインクは、カチオン硬化型のものであり、少なくとも、UV照射により重合して硬化するカチオン重合性化合物(紫外線硬化化合物)と、このカチオン重合性化合物の重合反応をUV照射により開始させるためのカチオン性光重合開始剤(光酸発生剤)と、インキとしての色を現出するための色材と、を含むものである。また、UVインクには、カチオン硬化型の光硬化樹脂で用いられる周知の各種添加剤のうちの少なくとも一部を添加するものとしてもよい。
【0041】
カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマが使用出来る。例えば、特開平6−9714、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0042】
カチオン性光重合開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。また、色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用出来るが、耐候性の点で顔料が好ましい。
【0043】
UV光ユニット33a、33b、33c、33dは、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dから吐出され記録媒体Rに着弾したインクにUV(紫外線)を照射することによりインクを硬化させるものである。UV光ユニット33a、33b、33c、33dは、記録媒体Rの搬送方向に対して略直角な方向に延在する長尺なユニットとされ、ラインヘッド31a、31b、31c、31dの各々の下流側に設けられている。
【0044】
UV光ユニット33a、33b、33c、33dは、紫外線を照射する照射線源を有する。照射源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、UVレーザ、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED、メタルハライドランプ、無電極UVランプ等を挙げることができる。
【0045】
UV光ユニット33a、33b、33c、33dの照射源からのUVの照射は、各ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dからインク滴が吐出される毎に、すなわち、一色のインク滴が吐出される毎に行われることが好ましい。また、照射源を二種類(第一照射源及び第二照射源)用意し、第二照射源からの光の照射によって、インク滴の硬化を完了させることが好ましい。これは、記録媒体Rに着弾した二色目のインク滴の濡れ性、各インク滴間の接着性を得ることに寄与するからである。
【0046】
なお、第一照射源の照射エネルギを第二照射源の照射エネルギより小さくすることが好ましい。具体的には、第一照射源の照射エネルギを、照射エネルギ総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%にする。照度を変えた照射を行うことで、インク滴が硬化した後の分子量分布が好ましいものとなる。
【0047】
また、第一照射源から照射されるUVの波長を、第二照射源から照射されるUVの波長よりも短波長とすることが好ましい。この場合、第一照射源によるUVの照射では、インク滴の表層を硬化させて記録媒体Rに対するインクの滲みを抑え、第二照射源によるUVの照射では、照射線が届き難い記録媒体R近傍のインクを硬化させ、当該インクと記録媒体Rとの密着性を改善できる。従い、記録媒体Rに着弾したインク滴内部の硬化を促進させるためにも、第二照射源によるUVの照射線波長は長波長であることが好ましい。
【0048】
また、本実施の形態においては、インク滴が記録媒体Rに着弾してから、0.01〜0.5秒後、好ましくは0.01〜0.3秒後、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後に、UV光ユニット33a、33b、33c、33dの照射源からUVを照射するように制御する。このように、インク滴の記録媒体Rへの着弾から照射源によるUVの照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体Rに着弾したインク滴に次のインク滴が着弾した際のインク滴同士の滲みを回避することができ、ドットの広がりを抑制することができる。
【0049】
プラテン40は、矢印Aの方向に搬送される記録媒体Rの非記録面を吸引保持するものであり、搬送される記録媒体Rの非記録面全体を下方から支持する平板状の記録媒体支持部41と、記録媒体支持部41の下方に配置された環状ベルト42と、環状ベルト42の内部に配置された吸引ファン43と、を備えている。
【0050】
記録媒体支持部41の上面は、高い平面精度を有する平坦支持面41aとされており、この平坦支持面41aに記録媒体Rの非記録面全体を接触させることにより、画像記録時において記録媒体Rを高い平面精度で支持することができる。また、記録媒体支持部41には、平坦支持面41aから下面に貫通する支持部側吸引孔41bが、記録媒体Rの搬送方向に沿って複数箇所に設けられている。
【0051】
環状ベルト42は、後述する吸引ファン43による吸引力の作用位置を変化させるためのものである。環状ベルト42は、その最上端位置が記録媒体支持部41の下面に近接するように配置されている。そして、記録媒体Rの搬送経路の上流側及び下流側に配置されたベルト駆動ローラ42a、42bによって、図2の矢印Cの方向に走行する。
【0052】
環状ベルト42は、後述する吸引ファン43による吸引力を、記録媒体支持部41の支持部側吸引孔41bを介して記録媒体Rに作用させるためのベルト側吸引孔42cを有している。環状ベルト42のベルト側吸引孔42cの大きさ及び形状は、記録媒体支持部41の支持部側吸引孔41bの大きさ及び形状と略同一とされている。
【0053】
環状ベルト42を図2の矢印Cの方向に走行させることにより、ベルト側吸引孔42cの位置を移動させて、記録媒体Rの搬送経路の上流側の支持部側吸引孔41bから下流側の支持部側吸引孔41bへとベルト側吸引孔42cを順次対峙させることができる。この結果、吸引ファン43による吸引力の作用位置を、記録媒体Rの搬送経路の上流側から下流側へと移動させることができる。
【0054】
なお、環状ベルト42近傍には、環状ベルト42の走行速度を検出するベルト速度検出センサ42dが設けられている(図3参照)。ベルト速度検出センサ42dによって検出された環状ベルト42の走行速度は、後述する制御部60のCPU62に伝送され、後述するスクイズローラ50の移動速度の制御に使用される。
【0055】
吸引ファン43は、環状ベルト42のベルト側吸引孔42c及び記録媒体支持部41の支持部側吸引孔41bを介して、記録媒体Rを記録媒体支持部41の平坦支持面41aに吸着させる吸引力を記録媒体Rに作用させるものである。すなわち、吸引ファン43は、本発明における吸引手段である。吸引ファン43による吸引力は、後述する制御部60の制御により変化させることができる。なお、本実施の形態においては、記録媒体Rに吸引力を作用させるために、記録媒体支持部41の平坦支持面41aと記録媒体Rとの間の圧力を吸引ファン43によって0.8mmHO〜8.0mmHOに設定している。
【0056】
スクイズローラ50は、記録媒体Rをプラテン40の記録媒体支持部41の平坦支持面41aに押し付ける押圧力を、記録媒体Rに作用させることにより、記録媒体Rに形成された皺を取り除く円柱状部材である。スクイズローラ50は、記録媒体Rの上方に配置されており、このスクイズローラ50とプラテン40の記録媒体支持部41の平坦支持面41aとで記録媒体Rを挟持することにより、記録媒体Rに形成された皺を取り除くことができる。
【0057】
スクイズローラ50は、ローラ移動機構51(図3参照)によって、記録媒体Rの搬送方向(図2の矢印Aの方向)に沿って移動可能とされている。そして、スクイズローラ50の移動速度は、後述する制御部60のCPU62によって制御される。
【0058】
スクイズローラ50の長さは、記録媒体Rの記録領域よりも長くする。これにより、少なくとも記録媒体Rの記録領域に形成された皺を取り除くことができる。なお、スクイズローラ50の直径は、10mm〜100mmに設定するのが好ましい。直径が10mm以下になると調製が困難となり、直径が100mm以上になるとスクイズローラ50表面の平滑度が低下するため記録媒体Rの皺取り効果が低くなるからである。
【0059】
なお、図2には示していないが、本実施の形態に係るインクジェットプリンタには、記録媒体Rに皺が形成されたか否かを検出する皺検出センサを、記録媒体Rの搬送経路近傍に設けている。かかる皺検出センサによって皺が検出された場合には、後述する皺取り動作に移行する。
【0060】
次に、図3を参照して制御部60について説明する。図3は、制御部60に係る構成を示すブロック図である。
【0061】
制御部60は、図3に示すように、その基本構成として、インクジェットプリンタ1の各構成の動作を制御するための制御プログラム及びこの制御プログラムで使用されるデータ等をあらかじめ格納するROM61と、制御プログラムに基づく各種処理を行うCPU62と、ROM61から読み出したデータ及び制御プログラムに基づいてCPU62により算出されたデータ等を格納するRAM63と、を備える。
【0062】
CPU62には、インターフェース(以下、「I/F」という。)64を介して、環状ベルト42の近傍に設けられたベルト速度検出センサ42dが接続されている。また、CPU62には、I/F65を介して、スクイズローラ50を移動させるローラ移動機構51が接続されている。CPU62は、ベルト速度検出センサ42dからの検知信号に基づき、スクイズローラ50を所定の移動速度で移動させる旨の制御信号をローラ移動機構51に出力して、スクイズローラ50の位置を制御する。すなわち、CPU52は、本発明におけるローラ位置制御手段である。
【0063】
次に、本実施の形態に係るインクジェットプリンタによる皺取り動作について説明する。
【0064】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタにより記録媒体Rに所定の画像を記録している際に、前記した皺検出センサによって記録媒体Rに皺が形成された旨が検出された場合には、制御部60のCPU62にその検出信号が出力される。
【0065】
皺が形成された旨の検出信号を受けたCPU62は、巻取ローラ20による記録媒体Rの搬送動作と、記録部30のラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dからのインク吐出動作と、を停止させるとともに、記録部30全体を図2の紙面上方に移動させる。
【0066】
そして、CPU62は、ベルト速度検出センサ42dにより検出された環状ベルト42の速度に応じて、ローラ移動機構51を駆動制御し、スクイズローラ50を図1及び図2の矢印Aの方向に所定の移動速度で移動させる。そして、環状ベルト42のベルト側吸引孔42cの移動速度と、スクイズローラ50の移動速度と、を同期させる。
【0067】
この結果、プラテン40の吸引ファン43による吸引力の作用位置と、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、を記録媒体Rの上流側から下流側にわたって対峙させることができる。これらプラテン40の吸引ファン43の吸引力と、スクイズローラ50による押圧力と、の協働により、記録媒体Rに形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0068】
ここで、図4を用いて、プラテン40とスクイズローラ50との協働による皺取り動作の原理について説明する。図4(a)は、記録媒体Rの孔対応部Rに、プラテン40の吸引ファン43による吸引力Sと、スクイズローラ50による押圧力(以下、「垂直押圧力」という)Pと、を同時に作用させた状態を示すものである。
【0069】
なお、記録媒体Rの孔対応部Rとは、記録媒体Rの一部であって、プラテン40の記録媒体支持部41の支持部側吸引孔41bの上方に配置された部分である。本説明においては、図4(a)に示すように、記録媒体Rの上流側の孔対応部Rに皺が形成された状態(すなわち、記録媒体Rの孔対応部Rが、プラテン40の記録媒体支持部41の平坦支持部41aから離隔した状態)を想定している。
【0070】
CPU62の制御により、記録媒体Rの孔対応部Rには、プラテン40の吸引ファン43による吸引力Sと、スクイズローラ50による垂直押圧力Pと、が同時に作用する。また、スクイズローラ50は、記録媒体Rの孔対応部Rに垂直押圧力Pを作用させながら紙面左方向へと移動するため、記録媒体Rの孔対応部Rを紙面左方向へと押す力(以下、「水平押圧力」という)Fを、孔対応部Rに作用させることができる。
【0071】
このように、スクイズローラ50による垂直押圧力P及び水平押圧力Fと、プラテン40の吸引ファン43による吸引力Sと、を記録媒体Rの孔対応部Rに作用させることにより、記録媒体Rの孔対応部Rに形成された皺を取り除くことができる。図4(b)は、これら垂直押圧力P、水平押圧力F及び吸引力Sにより、記録媒体Rの孔対応部Rに形成された皺を取り除いた状態を示すものである。
【0072】
以下、同様の原理により、隣接する孔対応部Rにおける皺を取り除くことができる。なお、スクイズローラ50による水平押圧力Fの作用によって、記録媒体Rの一の孔対応部Rと隣接する他の孔対応部Rとの間の部分における皺をも、紙面左側に順次移動させて取り除くことができる(図4(b)参照)。
【0073】
以上説明した第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおいては、ローラ位置制御手段である制御部60のCPU62によって、プラテン40の吸引ファン43による吸引力の作用位置に、スクイズローラ50を対峙させることができるので、記録媒体Rに形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0074】
従って、記録媒体Rに形成された皺と、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の接触を回避し、これらノズル32a、32b、32c、32dの損傷を防止することができる。また、記録媒体Rと、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の間隔を一定に保つことができ、高精細な画像を形成することができる。
【0075】
なお、以上説明した第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおいては、環状ベルト42の走行速度を検出し、制御部60のCPU62がその検出信号に応じてスクイズローラ50の移動速度を調整することにより、プラテン40による吸引力の作用位置と、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、を対峙させているが、これら吸引力の作用位置と押圧力の作用位置とを対峙させるための制御方法は、これに限られるものではない。
【0076】
例えば、スクイズローラ50の移動速度を検出するローラ速度検出センサを設け、制御部60のCPU62が、ローラ速度検出センサによるスクイズローラ50の移動速度に応じてプラテン40の環状ベルト42の走行速度を調整することにより、プラテン40による吸引力の作用位置と、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、を対峙させることもできる。かかる制御方法を採用した場合におけるCPU62は、本発明における吸引位置可変手段である。
【0077】
また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタの巻取ローラ20の搬送力を、記録媒体Rの物性によって変化させることができる。さらに、巻取ローラ20の搬送力を検出する搬送力検出センサや、記録媒体Rの皺の状態を監視する皺状態監視センサを設けることもできる。そして、これら搬送力検出センサや皺状態監視センサによる検知信号に基づき、CPU62が、プラテン40の吸引ファン43による吸引力及び/又はスクイズローラ50による押圧力を変化させることもできる。かかる場合におけるCPU62は、本発明における吸引力可変手段及び/又は押圧力可変手段である。
【0078】
CPU62を、このように吸引力可変手段及び/又は押圧力可変手段として使用することにより、記録媒体の物性又は記録媒体に形成された皺の状態に応じて、記録媒体に作用させる吸引力を変化させることができるので、種々のケースに応じて無理なく皺を取り除くことができる。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、図5及び図6を用いて、第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおけるプラテン及び制御部の構成を変更したものであり、その他の構成については実質的に同一である。このため、本実施の形態においては、プラテン及び制御部に係る構成を中心に説明する。また、第1の実施の形態と重複する構成については第1の実施の形態と同様の符号を付して説明する。
【0080】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタの記録部30、プラテン70及びスクイズローラ50の拡大側面図を、図5に示した。
【0081】
本実施の形態におけるプラテン70は、搬送される記録媒体Rの非記録面全体を下方から支持する平板状の記録媒体支持部71と、記録媒体支持部71の下方に配置された複数の吸引ファン73a、73b、73c、73dと、を備えている。
【0082】
記録媒体支持部71の上面は、高い平面精度を有する平坦支持面71aとされており、この平坦支持面71aに記録媒体Rの非記録面全体を接触させることにより、画像記録時において記録媒体Rを高い平面精度で支持することができる。また、記録媒体支持部71には、平坦支持面71aから下面に貫通する吸引孔72a、72b、72c、72dが、ラインヘッド31a、31b、31c、31dの各ノズル32a、32b、32c、32dに対峙する位置に設けられている(図5参照)。
【0083】
吸引ファン73a、73b、73c、73dは、記録媒体支持部71の各吸引孔72a、72b、72c、72dの下方に設けられており、記録媒体支持部71の吸引孔72a、72b、72c、72dを介して、記録媒体Rを記録媒体支持部71の平坦支持面71aに吸着させる吸引力を記録媒体Rに作用させるものである。すなわち、吸引ファン73a、73b、73c、73dは、本発明における吸引手段である。吸引ファン73a、73b、73c、73dの駆動のタイミングは、制御部60のCPU62により制御される。
【0084】
次に、図6を参照して、本実施の形態におけるインクジェットプリンタの制御部60に係る構成とその動作について説明する。図6は、制御部60に係る構成を示すブロック図である。
【0085】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタには、スクイズローラ50の移動速度を検出するローラ速度検出センサ52が設けられている。制御部60のCPU62には、I/F64を介して、かかるローラ速度検出センサ52によって検出された検出信号が伝送される。CPU62には、I/F65を介して、プラテン70の各吸引ファン73a、73b、73c、73dを駆動するためのファン駆動回路73eが接続されている。
【0086】
CPU62は、ローラ速度検出センサ52からの検知信号に基づいてファン駆動回路73eを制御することにより、吸引ファン73a、73b、73c、73dを所定のタイミングで駆動させる。具体的には、スクイズローラ50の図5の矢印A方向への移動に対応させて、吸引ファン73d、吸引ファン73c、吸引ファン73b、吸引ファン73aをこの順で駆動することにより、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、吸引ファンによる吸引力の作用位置と、を対峙させる。すなわち、本実施の形態におけるCPU62は、本発明における吸引位置可変手段である。
【0087】
以上説明した第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおいては、プラテン40の記録媒体支持部71のラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dに対峙する位置に吸引孔71a、71b、72c、72dを設け、各吸引孔71a、71b、72c、72dを介して記録媒体Rに吸引力を作用させている。そして、制御部60のCPU62により、スクイズローラ50の移動に応じてプラテン70の吸引ファン73a、73b、73c、73dの駆動のタイミングを制御することにより、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、吸引ファンによる吸引力の作用位置と、を対峙させることができる。
【0088】
従って、スクイズローラ50によって記録媒体Rをプラテン70の記録媒体支持部71の平坦支持面71aに押し付けながら、CPU62によってプラテン70の吸引ファン73a、73b、73c、73dによる吸引力をスクイズローラ50と対峙する位置に作用させることにより、記録媒体Rに形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0089】
この結果、記録媒体Rに形成された皺と、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の接触を回避し、これらノズル32a、32b、32c、32dの損傷を防止することができる。また、記録媒体Rと、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の間隔を一定に保つことができ、高精細な画像を形成することができる。
【0090】
[第3の実施の形態]
次に、図7及び図8を用いて、第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。本実施の形態に係るインクジェットプリンタは、第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおけるプラテン及び制御部の構成を変更したものであり、その他の構成については実質的に同一である。このため、本実施の形態においては、プラテン及び制御部に係る構成を中心に説明する。また、第1の実施の形態と重複する構成については第1の実施の形態と同様の符号を付して説明する。
【0091】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタの記録部30、プラテン80及びスクイズローラ50の拡大側面図を、図7に示した。
【0092】
本実施の形態におけるプラテン80は、搬送される記録媒体Rの非記録面全体を下方から支持する平板状の記録媒体支持部81と、記録媒体支持部81の下方に対して気密に取り付けられた吸引室82と、この吸引室82の下方に設けられた吸引ファン83と、吸引室82の内部に設けられた制御弁84a、84b、84c、84dと、を備えている。
【0093】
記録媒体支持部81の上面は、高い平面精度を有する平坦支持面81aとされており、この平坦支持面81aに記録媒体Rの非記録面全体を接触させることにより、画像記録時において記録媒体Rを高い平面精度で支持することができる。また、記録媒体支持部81には、平坦支持面81aから下面に貫通する吸引孔82a、82b、82c、82dが、ラインヘッド31a、31b、31c、31dの各ノズル32a、32b、32c、32dに対峙する位置に設けられている(図7参照)。
【0094】
吸引ファン83は、記録媒体支持部81の吸引孔82a、82b、82c、82dを介して、記録媒体Rを記録媒体支持部81の平坦支持面81aに吸着させる吸引力を記録媒体Rに作用させるものである。すなわち、吸引ファン43は、本発明における吸引手段である。
【0095】
制御弁84a、84b、84c、84dは、記録媒体支持部81の各吸引孔82a、82b、82c、82dの下方に設けられており、記録媒体支持部81の吸引孔82a、82b、82c、82dの開閉を行うものである。制御弁84a、84b、84c、84dの駆動のタイミングは、制御部60のCPU62により制御される。
【0096】
次に、図8を参照して、本実施の形態におけるインクジェットプリンタの制御部60に係る構成とその動作について説明する。図8は、制御部60に係る構成を示すブロック図である。
【0097】
本実施の形態に係るインクジェットプリンタには、スクイズローラ50の移動速度を検出するローラ速度検出センサ52が設けられている。制御部60のCPU62には、I/F64を介して、かかるローラ速度検出センサ52によって検出された検出信号が伝送される。CPU62には、I/F65を介して、プラテン80の各制御弁84a、84b、84c、84dを駆動するための弁駆動機構84eが接続されている。
【0098】
CPU62は、ローラ速度検出センサ52からの検知信号に基づいて弁駆動機構84eを制御することにより、制御弁84a、84b、84c、84dを所定のタイミングで駆動させる。具体的には、閉じられていた各制御弁を、スクイズローラ50の図5の矢印A方向への移動に対応させて、制御弁84d、制御弁84c、制御弁84b、制御弁84aの順で開くことにより、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、吸引ファン83による吸引力の作用位置と、を対峙させる。すなわち、本実施の形態におけるCPU62は、本発明における吸引位置可変手段である。
【0099】
以上説明した第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタにおいては、プラテン80の記録媒体支持部81のラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dに対峙する位置に吸引孔82a、82b、82c、82dを設け、各吸引孔82a、82b、82c、82dを介して記録媒体Rに吸引力を作用させている。そして、制御部60のCPU62により、スクイズローラ50の移動に応じてプラテン80の制御弁84a、84b、84c、84dの開閉のタイミングを制御することにより、スクイズローラ50による押圧力の作用位置と、吸引ファン83による吸引力の作用位置と、を対峙させることができる。
【0100】
従って、スクイズローラ50によって記録媒体Rをプラテン80の記録媒体支持部81の平坦支持面81aに押し付けながら、CPU62によってプラテン80の吸引ファン83による吸引力をスクイズローラ50と対峙する位置に作用させることにより、記録媒体Rに形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0101】
この結果、記録媒体Rに形成された皺と、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の接触を回避し、これらノズル32a、32b、32c、32dの損傷を防止することができる。また、記録媒体Rと、ラインヘッド31a、31b、31c、31dのノズル32a、32b、32c、32dと、の間隔を一定に保つことができ、高精細な画像を形成することができる。
【0102】
なお、以上の各実施の形態においてはUVインクを採用したが、赤外線、可視光等の光や電子線等の活性エネルギ線で硬化するインクを用いてもよい。また、以上の各実施の形態においては、インクを硬化させる光としてUV(紫外線)を採用しているが、紫外線以外にも、電子線、X線、可視光線、赤外線等を採用することもできる。
【0103】
また、以上の各実施の形態におけるUV光ユニット33a、33b、33c、33dに代えて、光ファイバを用いた構成や、コリメートされた光源から照射された光をラインヘッド31a、31b、31c、31dの側面に設けた鏡面に当てることで記録媒体Rのうちインク滴が着弾した領域に照射する構成等を採用することもできる。
【0104】
また、以上の各実施の形態においては、記録媒体Rとして合成樹脂製フィルムを採用したが、金属製フィルム等の他の軟包装用フィルムを記録媒体Rとして採用した場合においても、同様の効果を得ることができる。
【0105】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、吸引位置可変手段により、プラテンの吸引手段による吸引力の作用位置をローラの移動に応じて変化させることができる。従って、例えば、ローラによって記録媒体をプラテンの記録媒体支持部の支持面に押し付けながら、吸引位置可変手段によってプラテンの吸引手段による吸引力をローラと対峙する位置に作用させることにより、記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことができる。この結果、記録媒体に形成された皺と記録ヘッドのノズルとの接触を回避し、ノズルの損傷を防止することができる。また、記録媒体と記録ヘッドのノズルとの間隔を一定に保つことができ、高精細な画像を形成することができる。
【0106】
請求項2に記載の発明によれば、ローラ位置制御手段によって、プラテンの吸引手段による吸引力の作用位置にローラを対峙させることができるので、記録媒体に形成された皺を効果的に取り除くことができる。
【0107】
請求項3に記載の発明によれば、吸引力可変手段により、記録媒体の物性又は記録媒体に形成された皺の状態に応じて、記録媒体に作用させる吸引力を変化させることができるので、種々のケースに応じて無理なく皺を取り除くことができる。
【0108】
請求項4に記載の発明によれば、押圧力可変手段により、記録媒体の物性又は記録媒体に形成された皺の状態に応じて、記録媒体に作用させる押圧力を変化させることができるので、種々のケースに応じて無理なく皺を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を説明するための概略側面図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタの記録部、プラテン及びスクイズローラの拡大側面図である。
【図3】図1に示したインクジェットプリンタの制御部に係る構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したインクジェットプリンタのプラテンとスクイズローラとの協働による皺取り動作の原理について説明するための説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタの記録部、プラテン及びスクイズローラの拡大側面図である。
【図6】図5に示したインクジェットプリンタの制御部に係る構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るインクジェットプリンタの記録部、プラテン及びスクイズローラの拡大側面図である。
【図8】図7に示したインクジェットプリンタの制御部に係る構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10       元巻ローラ
20       巻取ローラ
30       記録部
31a〜31d ラインヘッド
32a〜32d ノズル
33a〜33d UV光ユニット
40       プラテン
41      記録媒体支持部
41a     平坦支持面
41b     支持部側吸引孔
42      環状ベルト
42a、42b ベルト駆動ローラ
42c     ベルト側吸引孔
42d     ベルト速度検出センサ
43      吸引ファン
50       スクイズローラ
51      ローラ移動機構
52      ローラ速度検出センサ
60       制御部
61      ROM
62      CPU
63      RAM
64、65   I/F
70       プラテン
71      記録媒体支持部
72a〜72d 吸引孔
73a〜73d 吸引ファン
73e     ファン駆動回路
80       プラテン
81      記録媒体支持部
82      吸引室
83      吸引ファン
84a〜84d 制御弁
84e     弁駆動機構
R        記録媒体

Claims (9)

  1. 所定の方向に搬送される記録媒体の画像記録面にノズルからインクを吐出することにより前記記録媒体に所定の画像を記録する記録ヘッドと、
    前記記録媒体の前記画像記録面と反対側の面を支持する平坦な支持面及び前記支持面に連通する吸引孔を有する記録媒体支持部と、前記吸引孔を介して前記記録媒体を前記支持面に吸着させる吸引力を前記記録媒体に作用させる吸引手段と、を有するプラテンと、
    を備える画像記録装置において、
    前記記録媒体の搬送方向に沿って移動可能とされ、前記記録媒体を前記プラテンの前記記録媒体支持部の前記支持面に押し付ける押圧力を前記記録媒体に作用させるローラと、
    前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の作用位置を前記ローラの移動に応じて変化させる吸引位置可変手段と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の作用位置に前記ローラを対峙させるように前記ローラの位置を制御するローラ位置制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記プラテンの前記吸引手段による吸引力の大きさを、前記記録媒体の物性又は前記記録媒体に形成された皺の状態に応じて変化させる吸引力可変手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記ローラによる押圧力の大きさを、前記記録媒体の物性又は前記記録媒体に形成された皺の状態に応じて変化させる押圧力可変手段を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像記録装置。
  5. 前記記録媒体は、
    軟包装用フィルムであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像記録装置。
  6. 前記記録ヘッドによる前記記録媒体への画像記録方式は、
    インクジェット記録方式であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像記録装置。
  7. 前記記録ヘッドから前記記録媒体へと吐出されるインクは、
    活性光紫外線硬化化合物を含有することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像記録装置。
  8. 前記活性光紫外線硬化化合物は、
    カチオン重合系であることを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、
    前記記録媒体の搬送方向と略直角な方向に前記記録媒体の記録領域の全幅にわたって複数並設されたノズルを有するラインヘッドであることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像記録装置。
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