JP2004090329A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に関する。更に詳しくは、医療診断で得られた人体の内部の画像を表示するのに好適な医療用画像形成用のインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人体の内部の画像を与える検査法として、超音波検査、医療サーモグラフィ、磁気共鳴画像形成、陽電子放出断層撮影法(PET)及びX線等の放射線を使用する方法などがある。今日の医療用診断としてポピュラーな放射線写真システムにおいては、放射線が人体を透過して人体の内部情報を持つ放射線画像を出力し、いわゆる増感紙(X線変換スクリーン)によってハロゲン化銀乳剤の感度のある波長に変換され、ハロゲン化銀写真フィルムを露光する。次に露光されたフィルムは現像定着後に洗浄・乾燥され、放射線画像に対応した銀塩写真フィルム画像となる。診断はこの銀塩写真フィルム画像を見て行われる。
【0003】
一方、デジタル医療用画像の場合は、ディスプレイスクリーン又は透明フィルムハードコピーに画像を出力することが可能である。医療用画像検査法は、近年デジタルの形で診断評価に好適なデジタル医療用画像を提供している。デジタルの形で診断評価に好適な画像を提供する医療用画像の例としては、デジタル減算方式血管造影法、磁気共鳴画像形成法、コンピューター断層撮影法、コンピューター使用放射線写真などが挙げられる。通常、医療用画像は一人或いは数人の医師により詳細に診断される。つまり、医療用画像は容易に適時に見られることが必要であり、また多くの場合に場所の制限があってはならない。更に詳細な観察を必要とする場合には、ディスプレイスクリーンにかけて評価する。この場合には高解像度、高ダイナミックレンジを有するディスプレイ装置が必要となる。
【0004】
従ってこれら種々の事情により、診断には透明フィルムハードコピーが必要となっている。デジタル医療用画像のハードコピーはレーザイメージャによって主に提供される。レーザイメージャは、通常ハロゲン化銀記録層と透明支持体からなる記録媒体上に医療用画像を形成する。レーザイメージャの構成は、フィルム取り扱い部分とレーザ露光部分と現像処理部分と洗浄・乾燥処理部分からなっており、かなり複雑な構成となっている。従って、現在市販されているレーザイメージャは非常に高価な装置である。一般の使用方法としては1台のレーザイメージャが病院の中心的な場所に設置され、各種医療用画像検査法により得られたデジタル医療用画像を画像ネットワークで結び、印刷できるようにシステム化されている。
【0005】
つまり、レーザイメージャをネットワークの核としてシステム化している。このようなシステムの最大の懸念点は、レーザイメージャやネットワークの故障により、レーザイメージャによる医療用画像出力ができなくなった場合である。
【0006】
周知のごとく、医療用診断には時間が緊迫している場合が多々あり、重大な問題となる。多くの場合、このような問題を回避するために数台のレーザイメージャを設置したり、緊急用回線を設置している。従って、高価なレーザイメージャを安全対策のために数台設置することが余儀なくされている。これらの行為は最終的には医療費のコストアップへつながっていく。更に、小規模な病院では高価なレーザイメージャのために、デジタル化への対応が遅れるという大きな問題をも有している。従って、上記状況より安価なイメージャが望まれている。
【0007】
ところで、上記と異なる分野であるが、オフィス用やパーソナル用向けにコンピュータやワードプロセッサの画像出力装置が開発されている。画像出力方式としては、例えばワイヤードット出力方式、感熱発色出力方式、感熱溶融転写出力方式、感熱昇華転写出力方式、電子写真出力方式、インクジェット出力方式などが開発されている。これらの画像形成出力装置の主な使用方法は、コンピュータなどによって作成された文字、図形などを紙などの不透明支持体に出力することである。また、会議や各種学会発表などにおいて、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)などの原稿としても使用される場合がある。そして近年の技術動向としては、文字、図形などの一部を強調するためにカラー化技術が開発されている。
【0008】
ところでインクジェット出力方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録フィルムに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
【0009】
この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。例えば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に詳細に記載されている。このインクジェット記録で使用されるインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の性能が一般的には要求されている。
【0010】
具体的には、各種支持体上に記録層としてインク受容層を塗布したものが一般的に使用されている。上記インク受容層としては、親水性バインダーを主体に構成されるいわゆる膨潤型のインク受容層と、空隙層を記録層中に持つ空隙型のインク受容層に大きく分けられる。そのうち、空隙型のインク受容層を有するインクジェット記録媒体は、親水性バインダー中に微粒子を存在させることにより空隙を形成させた空隙層をインク受容層として支持体上に有するものであり、インク吸収性に優れ、膨潤型に比較して高インク領域における画像のビーディングが起こりにくく、高濃度域において画質の劣化が少ないという利点を有している。
【0011】
インクジェット記録で得られる画質を、高品質にする試みが近年数多く行われている。そのひとつとして、空隙型インク吸収層を形成するために用いる微粒子として、低屈折率でしかも粒径の小さな微粒子を用いることによって、透明性を高めることができる。また、それによって空隙を効率よく形成でき、しかも比較的高い光沢性が得られ、また濃度の高い画像が得られることがわかってきた。
【0012】
また、染料の耐水性や耐湿性を改良するために、従来から染料をバインダー中に固定させる種々の方法が提案されている。特に有効な手段は3級または4級の窒素原子を有するポリマーを添加することであり、特開昭57−36692号、同53−49113号、同58−24492号、同63−224988号、同63−307979号、同59−198186号、同59−198188号、同60−46288号、同61−61887号、同61−72581号、同61−252189号、同62−174184号、同63−162275号、特開平6−153798号等をはじめとして、非常に多くの方法が提案されている。
【0013】
近年、オフィス用出力装置として好適に用いられているインクジェット記録方式が医療用にも使えるならば、安価であり、デジタルの形で診断評価に好適な画像を出力する医療用画像形成に利用をすることができる。
【0014】
しかしながら、インクジェット記録画像は医療用としては、通常の銀塩写真に比べ画像の鮮鋭性で劣っており、これまで医師を満足させる画像を提供する事ができないでいた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクジェット用記録媒体を医療用画像診断に用いるにあたって、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が改善され医療用画像診断に好適なインクジェット用記録媒体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0017】
1.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(1)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0018】
2.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(2)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0019】
3.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(3)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る一般式(1)で表される界面活性剤について説明する。
【0021】
前記一般式(1)において、Mは、アルカリ金属を表し、該アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられるが、中でもナトリウム、カリウムが好ましい。
【0022】
一般式(1)で表される界面活性剤は特開平7−60096号に記載の製造方法によって製造することができる。
【0023】
本発明に係る一般式(2)で表される界面活性剤について説明する。
前記一般式(2)において、Rfは、炭素原子数4〜10のパーフルオロアルキル基または炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基を表す。Rfで表される炭素原子数4〜10のパーフルオロアルキル基としては、例えば下記一般式(2a)で表される基が挙げられる。
【0024】
一般式(2a)
CkF2k+1−
(式中、kは4〜10の整数を表す。)
具体的には例えば、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヘンエイコサフルオロデシル基、7−トリフルオロメチルヘキサデカフルオロオクチル基、5−トリフルオロメチルドデカフルオロヘキシル基等が挙げられる。これらのパーフルオロアルキル基のうちで炭素原子数4、6または8のものが最も好ましい。
【0025】
また、Rfで表される炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基としては、例えば下記一般式(2b)で表される基を挙げることができる。
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、yは1〜4の整数を表す。)
一般式(2)において、Qは、ポリエチレンオキシド鎖およびポリプロピレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種を有するポリエーテル基を表す。Qで表されるポリエチレンオキシド鎖およびポリプロピレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種を有するポリエーテル基としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのうちの1種または2種以上を構成単量体単位とする重合体鎖である。即ち、ポリエーテル基Qはエチレンオキシドの単独重合鎖、プロピレンオキシドの単独重合鎖及びこれら両者の共重合鎖の何れであってもよい。そして、両者の共重合鎖とする場合は、ブロック重合鎖、ランダム重合鎖の何れの形態でもよい。但し、このポリエーテル基Qは界面活性剤に親水性を付与する目的で導入されるものであるため、その重合度は前述の疎水基である含フッ素有機基Rfとの均衡を考慮して決定する必要がある。
【0028】
例えば、プロピレンオキシド単位は、エチレンオキシド単位に比べて親水性が相対的に低いのでポリエーテル基Qとして、プロピレンオキシドの単独重合鎖を用いる場合は、相対的に高重合度の重合鎖を用いることが望ましい。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合鎖を用いる場合は、全体に占めるプロピレンオキシド単位の含有量は、2〜10モル%の範囲にあることが好ましい。
【0029】
一般式(2)において、Rは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数2〜3のアシル基を表す。Rで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、Rで表される炭素原子数2〜3のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
【0030】
一般式(2)において、p及びmはそれぞれ0または1を表し、nは、1〜3の整数を表す。
【0031】
以下に、一般式(2)で表される界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
一般式(2)で表される界面活性剤は、特開平7−793号に記載の合成方法により合成することができる。
【0035】
本発明に係る一般式(3)で表される界面活性剤について説明する。
前記一般式(3)において、R1、R2、R4は各々、炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルケニル基、またはアリール基を表し、同一でも異なっていてもよい。
【0036】
R1、R2、R4で表される炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルケニル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、2−エチルヘキシル基、2−オクチルドデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、モノメチル分岐−イソステアリル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、ドコセニル基、テトラコセニル基、トリアコンテニル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロドデシル基、ヘンエイコサフルオロドデシル基、ペンタコサフルオロドデシル基、ノナコサフルオ ロドデシル基、トリトリアコンタフルオロオクタデシル基、2−ペンタフルオロエチルペンタフルオロヘキシル基、2−トリデカフルオロヘキシルトリデカフルオロデシル基、2−ヘンエイコサフルオロデシルヘンエイコサフルオロテトラデシル基、2−ペンタコサフルオロドデシルペンタコサフルオロヘキサデシル基、2−ノナコサフルオロテトラデシルノナコサフルオロオクタデシル基等が挙げられる。また、アリール基としては、炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル基例えばエチルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等、やまたアミノフェニル基、クミルフェニル基、o−フェニルフェニル基、p−フェニルフェニル基、ビニルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0037】
R3は前記一般式(3a)で表される基であり、一般式(3a)中のR′は水素原子またはメチル基を表す。
【0038】
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基を表し、同一であっても異なっていてもよい。Aで表される炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン等であり、それらの単独またはブロックあるいはランダムの混合物であってよく、これらは同一であっても異なっていてもよく、好ましくはエチレン基である。
【0039】
Xはハロゲン原子、OH、NO3またはSO4CH3を表す。好ましくはハロゲン原子である。
【0040】
nは0または正の整数を表す。nは0または正の整数であるが、0〜20であることが好ましく、0〜10であることがより好ましい。
【0041】
以下に、一般式(3)で表される界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
一般式(3)で表される界面活性剤は、特開平7−185296号に記載の合成方法により合成することができる。
【0045】
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される界面活性剤のインク受容層への使用量は、該界面活性剤の添加量の増減により、ドット径の大きさ、インク吸収性を制御する観点から、インク受容層塗布液中の全固形分の0.001〜2質量%の範囲で含有されることが好ましく、0.01〜1質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
【0046】
本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体上に、インク受容層を設けることにより得られる。本発明のインクジェット用記録媒体に用いられる支持体は、非吸水性支持体が好ましく、透明支持体あるいは不透明支持体が挙げられる。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフィルム等が挙げられる。
このような透明な支持体の厚さとしては、通常10〜200μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側およびバック層側には公知の下引き層を設けることが、インク受容層やバック層と支持体との接着性を改良する観点から好ましい。
【0047】
また、透明である必要のない場合に用いられる支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加したホワイトペット等が好ましい。
【0048】
上記支持体とインク受容層の接着強度を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明の記録媒体は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録媒体であってもよい。
【0049】
支持体としては、上記の如く普通紙、塗工紙、ラミネート紙等の紙支持体や、合成紙、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステルなどのプラスチックフィルムを挙げることができるが、このなかでもポリエステルフィルムが好ましい。
【0050】
ポリエステルとは、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルである。ポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。本発明に用いられるポリエステルには、酸化防止剤が含有されていてもよい。
【0051】
次に、本発明で用いることのできるポリエステルフィルムの製造方法について説明する。未延伸シートを得る方法および縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く横延伸が可能な範囲とする必要がある。シートが多層構成の場合の延伸温度の設定は各構成層のポリエステルのTgのなかで最も厚い層のポリエステルのTgを基準にすることが好ましい。
【0052】
この際、ポリエステルを積層する場合も、従来公知の方法でよい。例えば、複数の押出機およびフィードブロック式ダイあるいはマルチマニフォールド式ダイによる共押出法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる押出ラミネート法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介して積層するドライラミネート法などが挙げられる。中でも、製造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好な共押出法が好ましい。
【0053】
次に、上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm−20℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整する。本発明の場合、巾方向の弾性率が長手方向の弾性率より大きくなるようにするのが好ましい。使用目的に応じて変化させてもよい。この時、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後フィルムを、その最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に、0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布がさらに低減できて好ましい。
【0054】
熱固定はその最終横延伸温度より高温で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
【0055】
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、巾方向及び/または長手方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また、冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃〜10℃の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
【0056】
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
【0057】
次に、本発明に係るインク受容層について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上に設けられたインク受容層が親水性バインダーを有し、インクジェット記録時にインク受容層が膨潤してインクを受容する膨潤型インクジェット記録媒体である場合と、インク受容層が無機顔料及び少量の親水性バインダーを有する空隙層を形成している空隙型のインクジェット記録媒体の場合のいずれにも適用できる。本発明のインク受容層とは、インクを吸収する層はすべてを含み、他に別の機能を有していてもよい。
【0058】
しかしながら近年高インク吸収性が益々要求されており、特に空隙型のインク受容層であることが画質や記録後の乾燥性或いは皮膜の耐水性の面から好ましい。
【0059】
本発明に係るインク受容層は、空隙率10〜80%を有する層であることが好ましく、これは、平均1次粒子径が5〜150nm以下の無機微粒子や有機微粒子と水溶性高分子を主成分として含有する層であり、微粒子と水溶性高分子の質量比は通常1/1以上であるが、好ましくは、4/1〜20/1である。以下特に好ましい空隙型のインク受容層について説明する。上記無機微粒子の例としては、例えばシリカ粒子、アルミナ水和物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。無機微粒子の好ましい例としては、例えばシリカ粒子やアルミナ水和物を挙げることができる。
【0060】
シリカ粒子は製造法により湿式法と乾式法に大別される。湿式法はケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方の乾式法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスを電気炉中でアークにより加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)で無水シリカを得る方法が主流である。無水シリカ(無水珪酸)の場合に特に空隙率が高く好ましい。
【0061】
アルミナ水和物としては、市販のもの、あるいはアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解などを用いた公知の方法によって製造されたものを用いることができる。その粒子形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等に限定されず、また、配向性の有無も問わない。更に、アルミナ水和物は、透明性、光沢性、染料定着性の高いもので、且つ被膜形成時にクラック等が入らず、塗工性の良いものであればさらに好ましい。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成工業社製の「カタロイドAS−2」、「カタロイドAS−3」、日産化学社製「アルミナゾル−520」等が挙げられる。また、無配向性アルミナ水和物を調製するには、例えば、アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠法及び硝酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムによる加水分解・解膠法を用いることができる。
【0062】
この様な無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできるが、優れた光沢性を得る観点から被膜中で通常0.1〜0.01μmのサイズに成るような無機微粒子を使用することが好ましい。
【0063】
本発明においては、低コストであることや高い反射濃度が得られる観点から低屈折率の微粒子であることが好ましく、表面がアニオン性の無機微粒子がより好ましい。
【0064】
表面がカチオン性の無機微粒子としては、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカおよびアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることができる。
【0065】
有機微粒子としては好ましくは疎水性ポリマー微粒子を挙げることができる。ポリマー微粒子としては、粒径が通常0.05μm〜数μmのポリマー粒子で、好ましくは樹脂の水分散物を挙げることができる。樹脂の水分散物としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルアルコール変性物、セルロースエステル類、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類等を挙げることができる。
【0066】
これらの樹脂のうちでも、活性メチレン基を有する樹脂やカチオン性基を有する樹脂を好ましく用いることができる。
【0067】
活性メチレン基を有する樹脂としては、活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジエン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
【0068】
活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位エチレン性不飽和モノマーと共重合可能なモノマーとしては、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、iso−ノニルアクリレート、n−ドデシルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(例えば、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、iso−ノニルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレートなど)、ジエン類(例えばブタジエン、イソプレンなど)などを挙げることができる。活性メチレン基を有するモノマーやポリマーラテックスの種類やその合成法については上記の他米国特許第3,459,790号、同3,619,195号、同3,929,482号、同3,700,456号、西独特許第2,442,165号、欧州特許第13,147号、特開昭50−73625号、同50−146331号等の記載を参考に行うことができる。
【0069】
ポリマー微粒子を乳化重合する際に乳化剤としての水溶性ポリマーを用いてもよく、水溶性ポリマーとしては、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリマーなども含み、これらの例としてアルギン酸またはその塩、デキストラン、デキストラン硫酸塩、グリコーゲン、アラビアゴム、アルブミン、寒天、でんぷん誘導体、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ヒドロキシセルロース、セルロース硫酸エステル等を挙げることができるが、これらの誘導体も使用できる。
【0070】
乳化重合においては、その目的に応じて、重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、かつ、容易に変更できることはいうまでもない。また、乳化重合反応は、モノマー、界面活性剤、水溶性ポリマー、媒体を予め容器に全量入れておき、開始剤を投入して行ってもよいし、必要に応じて各成分の一部あるいは全量を滴下しながら重合を行ってもよい。
【0071】
これらのポリマー微粒子は、ラテックス重合で作製する以外に、樹脂を水中に分散したり、水中で自己乳化したり、懸濁重合法により得ることができる。また、これらの樹脂の分散物は、単独で用いても複数の種類を用いてもよい。
【0072】
本発明の一般式(1)〜(3)で表される界面活性剤が含まれる層には、バインダーとして親水性バインダーであるポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を含有してもかまわない。
【0073】
親水性バインダーとして特にポリビニルアルコールが好ましい。本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0074】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、平均重合度が1500〜5000のものが特に好ましく用いられる。
【0075】
ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0076】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0077】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0078】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して通常0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0079】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0080】
インク受容層に用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
【0081】
また、インク受容層に用いられる無機微粒子と親水性バインダーの比率は質量比で通常2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
【0082】
本発明のインクジェット用記録媒体は、酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤としては、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物及びホルマリン・ジシアンジアミド系縮合物が挙げられる。ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物は、ポリアルキレンポリアミンとジシアンジアミドの重縮合物である。ポリアルキレンポリアミンとしてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミンおよびこれらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。また、ホルマリン・ジシアンジアミド系縮合物はホルマリンとジシアンジアミドとのメチロール化反応により得られる重縮合物である。
【0083】
本発明のインクジェット記録用媒体は、光沢性に優れ、高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0084】
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0085】
硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬、多価イソシアネート化合物(分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製,商品名:Desmodur L);トリフェニルメタントリイソシアネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等)等が挙げられる。その他、ポリオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマー等が挙げられる。
【0086】
上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、親水性バインダ1g当たり通常5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。上記硬膜剤は、インク受容層塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してある支持体上に、インク受容層塗布液を塗布してもよい。また、インク受容層塗布液(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥した後で硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして供給することができるが、これらの中で、製造効率の観点から、インク受容層塗布液中に硬膜剤を添加して塗布する方法が好ましい。
【0087】
本発明のインクジェット用記録媒体のインク受容層および必要に応じて設けられるその他の層には、上記以外に各種の添加剤を添加することができる。中でも、カチオンポリマーはプリント後の文字や画像の耐水性、耐湿性を改良することができ好ましく用いられる。カチオンポリマーとしては1級〜3級アミノ基及び4級アンモニウム塩を有するポリマーが用いられるが、経時での変色や耐水性の劣化が少なく、染料の定着能が高いこと等から4級アンモニウム塩を有するカチオンポリマーが好ましい。好ましいカチオンポリマーは上記4級アンモニウム塩を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体として得られる。カチオン性の水溶性ポリマーはインクジェット記録用媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
【0088】
前記以外に、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0089】
インク受容層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0090】
インク受容層は任意の方法で形成することができるが、水媒体の塗布液をコーティング後乾燥して得ることができる。コーティング方法としては、ブレードコーター塗布法、リバースローラー塗布法、エアードクター塗布法、ナイフコーター塗布法、スクイズコーター塗布法、バーコーター塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布法、スライドホッパー塗布法等を用いることができる。乾燥条件は特に限定されないが、好ましくは塗膜面の温度が樹脂のガラス転移温度以下であることが好ましい。また、塗布直後に塗膜面を冷却後乾燥してもよい。乾燥後の層の厚さは、5〜100μmが好ましく、単層あるいは多層コーティングで形成してもよい。多層の場合は、全く同じ組成物からなる塗布液を重層塗布して形成しても組成が異なる塗布液を重層して形成してもよい。多層の形成では、一層塗布乾燥後さらに塗布乾燥する逐次塗布でもよいし、同時塗布してもよい。
【0091】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0092】
実施例1
[下引き済み支持体の作製]
青色に着色した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートの両面に、コロナ放電を施した後下記の下引第1層、第2層を順次設け、140℃で2分間熱処理を行い、下引き済み支持体を得た。
【0093】
下引第1層
ポリマーラテックス1 40mg/m2(固形分)
ポリマーラテックス2 760mg/m2(固形分)
水溶性ポリマー1 40mg/m2
界面活性剤1 6mg/m2
下引第2層
ポリマーラテックス3 300mg/m2(固形分)
水溶性ポリマー1 15mg/m2
架橋剤1 100mg/m2
界面活性剤2 7mg/m2
シリカ微粒子(平均粒径3μm) 1mg/m2
ポリマーラテックス1:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート(20/40/40質量%)共重合ポリマーラテックス
ポリマーラテックス2:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート(35/40/5/20質量%)共重合ポリマーラテックス
ポリマーラテックス3:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート(40/40/20質量%)共重合ポリマーラテックス
水溶性ポリマー1:イソプレンスルホン酸ナトリウム/スチレン共重合体
【0094】
【化10】
【0095】
得られた支持体を8インチ径のコアに巻き、110℃で1時間熱処理した。
[インク受容層塗布液1の調製]
(シリカ分散液(分散液A)の調製)
純水44.2kg中に、希硝酸(濃度6%)を84g添加し、さらにエタノール(メタノールを5%含有)249gを加えよく攪拌した。この液をホモジナイザーでかくはんしながら、平均1次粒子径が12nmの気相法シリカ微粒子(QS−20;トクヤマ社製)11.5kgをゆっくりと加えた。全量を加えた後、さらに1時間攪拌を続け、50Lのシリカ分散液(分散液A)を調製した。
【0096】
(シリカ分散液とカチオンポリマーの混合分散液(分散液B)の調製)
純水5.09kg中に、エタノール(メタノールを5%含有)257.6gを加え、希硝酸(濃度6%)30.4gを加え、さらに、ポリ(トリメチルアミノエチルメタクリレートの塩酸塩)の25%水溶液を2392g添加し、攪拌しながら45℃に加熱した。この中をホモジナイザーでよく攪拌しながら、分散液A28.85kgをゆっくりと添加した。添加後1時間攪拌を続けた。この間に、純水3073.2g中に、ホウ酸124.4g、ホウ砂112.4gを溶解し、上記分散液に添加した。この後、液中のだまがなくなるまでホモミキサーで攪拌、さらに、400×9.8×104Paの圧で3回MG分散をかけて分散液Bを調製した。
【0097】
《インク受容層塗布液1の調製》
分散液B33.0kgに純水1.16Lを加え、スリーワンモーターで攪拌しながら、45℃に加熱保持した。さらに、界面活性剤を表1記載のように加え、濃度1%のプロキセルを750g加え、純水4Lを加えてインク受容層塗布液1を調製した。
【0098】
[インクジェット用記録媒体の作製]
前記下引き済み支持体に、インク受容層塗布液1を乾燥膜厚が30μmとなるようにスライドコーターにて塗布し、塗膜を0℃の冷風でゲル化させた後、40℃の温風で乾燥して、インクジェット用記録媒体試料101〜108を作製した。
【0099】
[評価方法]
(インク画像の鮮鋭性)
着色剤液(ダイレクトブラック154を18.9g、エチレングリコール30g、トリエチレングリコール4g、純水41.3g)に薄め液(エチレングリコール30g、トリエチレングリコール14.2g、純水55.6g)を加えてインクを調製した。
【0100】
医療診断画像出力用に35μm四方に最高4滴打てるように調整したピエゾ方式のインクジェットプリンタ及びプリンタードライバーを作製し、10人の被験者の横隔膜下と肺野部のデータを、インクジェット用記録媒体にプリントし、鮮鋭性の適否を目視評価した。評価値は「適」と評価された数の合計であり、10枚のハードコピーに対して、10名の評価者がすべて「適」とした場合が100である。
【0101】
(インク吸収性)
インクジェットプリンター(MJ−910C エプソン社製)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字し、印字直後(約10秒後)に紙を接触し、該紙を目視観察して、インクのインクジェット用記録媒体(インク受容層)への吸収速度および転写状況を、下記基準にて評価した。
【0102】
A:インクの吸収速度が早く、インクが転写されなかった
B:インクの吸収は早いが、インクがわずかに転写された
C:インクの吸収が遅く、インクが転写された
D:インクが流れた
(インク画像の滲み耐性)
インクジェットプリンター(前出)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字した。印字した試料を23℃、相対湿度80%の環境下で72時間保存した後、印字部分からのインクの滲みによるはみ出し個数をシャーカステンにて目視観察し、下記基準にて評価した。
【0103】
A:なし
B:1〜5個
C:6〜20個
D:21個以上
(インク画像の耐水性)
インクジェットプリンター(前出)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字し、その試料を十分な量の水道水(水温25℃)の中に4時間浸漬させた後、風乾し、インクの残留程度を目視観察し、下記基準にて評価した。
【0104】
A:インク残留量が100〜80%
B:インク残留量が80未満〜50%
C:インク残留量が50未満〜0%
結果を、表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
※1:1−1、即ち、界面活性剤1−1は、本発明に係る一般式(1)で表される界面活性剤のジナトリウム塩である
※2:添加量は、インク受容層の全固形分質量に対する質量%である
表1より、本発明のインクジェット用記録媒体(本発明に係る一般式(1)、(2)または(3)で表される界面活性剤をインク受容層に含有する本発明の請求項1、2または3の発明の構成)は、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が優れており、医療用画像診断に好適であることがわかる。
【0107】
※3:比較−1は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである
【0108】
【発明の効果】
本発明により、インクジェット用記録媒体を医療用画像診断に用いるにあたって、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が改善され医療用画像診断に好適なインクジェット用記録媒体を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に関する。更に詳しくは、医療診断で得られた人体の内部の画像を表示するのに好適な医療用画像形成用のインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人体の内部の画像を与える検査法として、超音波検査、医療サーモグラフィ、磁気共鳴画像形成、陽電子放出断層撮影法(PET)及びX線等の放射線を使用する方法などがある。今日の医療用診断としてポピュラーな放射線写真システムにおいては、放射線が人体を透過して人体の内部情報を持つ放射線画像を出力し、いわゆる増感紙(X線変換スクリーン)によってハロゲン化銀乳剤の感度のある波長に変換され、ハロゲン化銀写真フィルムを露光する。次に露光されたフィルムは現像定着後に洗浄・乾燥され、放射線画像に対応した銀塩写真フィルム画像となる。診断はこの銀塩写真フィルム画像を見て行われる。
【0003】
一方、デジタル医療用画像の場合は、ディスプレイスクリーン又は透明フィルムハードコピーに画像を出力することが可能である。医療用画像検査法は、近年デジタルの形で診断評価に好適なデジタル医療用画像を提供している。デジタルの形で診断評価に好適な画像を提供する医療用画像の例としては、デジタル減算方式血管造影法、磁気共鳴画像形成法、コンピューター断層撮影法、コンピューター使用放射線写真などが挙げられる。通常、医療用画像は一人或いは数人の医師により詳細に診断される。つまり、医療用画像は容易に適時に見られることが必要であり、また多くの場合に場所の制限があってはならない。更に詳細な観察を必要とする場合には、ディスプレイスクリーンにかけて評価する。この場合には高解像度、高ダイナミックレンジを有するディスプレイ装置が必要となる。
【0004】
従ってこれら種々の事情により、診断には透明フィルムハードコピーが必要となっている。デジタル医療用画像のハードコピーはレーザイメージャによって主に提供される。レーザイメージャは、通常ハロゲン化銀記録層と透明支持体からなる記録媒体上に医療用画像を形成する。レーザイメージャの構成は、フィルム取り扱い部分とレーザ露光部分と現像処理部分と洗浄・乾燥処理部分からなっており、かなり複雑な構成となっている。従って、現在市販されているレーザイメージャは非常に高価な装置である。一般の使用方法としては1台のレーザイメージャが病院の中心的な場所に設置され、各種医療用画像検査法により得られたデジタル医療用画像を画像ネットワークで結び、印刷できるようにシステム化されている。
【0005】
つまり、レーザイメージャをネットワークの核としてシステム化している。このようなシステムの最大の懸念点は、レーザイメージャやネットワークの故障により、レーザイメージャによる医療用画像出力ができなくなった場合である。
【0006】
周知のごとく、医療用診断には時間が緊迫している場合が多々あり、重大な問題となる。多くの場合、このような問題を回避するために数台のレーザイメージャを設置したり、緊急用回線を設置している。従って、高価なレーザイメージャを安全対策のために数台設置することが余儀なくされている。これらの行為は最終的には医療費のコストアップへつながっていく。更に、小規模な病院では高価なレーザイメージャのために、デジタル化への対応が遅れるという大きな問題をも有している。従って、上記状況より安価なイメージャが望まれている。
【0007】
ところで、上記と異なる分野であるが、オフィス用やパーソナル用向けにコンピュータやワードプロセッサの画像出力装置が開発されている。画像出力方式としては、例えばワイヤードット出力方式、感熱発色出力方式、感熱溶融転写出力方式、感熱昇華転写出力方式、電子写真出力方式、インクジェット出力方式などが開発されている。これらの画像形成出力装置の主な使用方法は、コンピュータなどによって作成された文字、図形などを紙などの不透明支持体に出力することである。また、会議や各種学会発表などにおいて、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)などの原稿としても使用される場合がある。そして近年の技術動向としては、文字、図形などの一部を強調するためにカラー化技術が開発されている。
【0008】
ところでインクジェット出力方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録フィルムに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。
【0009】
この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。例えば、インクジェット記録技術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に詳細に記載されている。このインクジェット記録で使用されるインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の性能が一般的には要求されている。
【0010】
具体的には、各種支持体上に記録層としてインク受容層を塗布したものが一般的に使用されている。上記インク受容層としては、親水性バインダーを主体に構成されるいわゆる膨潤型のインク受容層と、空隙層を記録層中に持つ空隙型のインク受容層に大きく分けられる。そのうち、空隙型のインク受容層を有するインクジェット記録媒体は、親水性バインダー中に微粒子を存在させることにより空隙を形成させた空隙層をインク受容層として支持体上に有するものであり、インク吸収性に優れ、膨潤型に比較して高インク領域における画像のビーディングが起こりにくく、高濃度域において画質の劣化が少ないという利点を有している。
【0011】
インクジェット記録で得られる画質を、高品質にする試みが近年数多く行われている。そのひとつとして、空隙型インク吸収層を形成するために用いる微粒子として、低屈折率でしかも粒径の小さな微粒子を用いることによって、透明性を高めることができる。また、それによって空隙を効率よく形成でき、しかも比較的高い光沢性が得られ、また濃度の高い画像が得られることがわかってきた。
【0012】
また、染料の耐水性や耐湿性を改良するために、従来から染料をバインダー中に固定させる種々の方法が提案されている。特に有効な手段は3級または4級の窒素原子を有するポリマーを添加することであり、特開昭57−36692号、同53−49113号、同58−24492号、同63−224988号、同63−307979号、同59−198186号、同59−198188号、同60−46288号、同61−61887号、同61−72581号、同61−252189号、同62−174184号、同63−162275号、特開平6−153798号等をはじめとして、非常に多くの方法が提案されている。
【0013】
近年、オフィス用出力装置として好適に用いられているインクジェット記録方式が医療用にも使えるならば、安価であり、デジタルの形で診断評価に好適な画像を出力する医療用画像形成に利用をすることができる。
【0014】
しかしながら、インクジェット記録画像は医療用としては、通常の銀塩写真に比べ画像の鮮鋭性で劣っており、これまで医師を満足させる画像を提供する事ができないでいた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクジェット用記録媒体を医療用画像診断に用いるにあたって、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が改善され医療用画像診断に好適なインクジェット用記録媒体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0017】
1.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(1)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0018】
2.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(2)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0019】
3.透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に前記一般式(3)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る一般式(1)で表される界面活性剤について説明する。
【0021】
前記一般式(1)において、Mは、アルカリ金属を表し、該アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられるが、中でもナトリウム、カリウムが好ましい。
【0022】
一般式(1)で表される界面活性剤は特開平7−60096号に記載の製造方法によって製造することができる。
【0023】
本発明に係る一般式(2)で表される界面活性剤について説明する。
前記一般式(2)において、Rfは、炭素原子数4〜10のパーフルオロアルキル基または炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基を表す。Rfで表される炭素原子数4〜10のパーフルオロアルキル基としては、例えば下記一般式(2a)で表される基が挙げられる。
【0024】
一般式(2a)
CkF2k+1−
(式中、kは4〜10の整数を表す。)
具体的には例えば、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヘンエイコサフルオロデシル基、7−トリフルオロメチルヘキサデカフルオロオクチル基、5−トリフルオロメチルドデカフルオロヘキシル基等が挙げられる。これらのパーフルオロアルキル基のうちで炭素原子数4、6または8のものが最も好ましい。
【0025】
また、Rfで表される炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基としては、例えば下記一般式(2b)で表される基を挙げることができる。
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、yは1〜4の整数を表す。)
一般式(2)において、Qは、ポリエチレンオキシド鎖およびポリプロピレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種を有するポリエーテル基を表す。Qで表されるポリエチレンオキシド鎖およびポリプロピレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種を有するポリエーテル基としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのうちの1種または2種以上を構成単量体単位とする重合体鎖である。即ち、ポリエーテル基Qはエチレンオキシドの単独重合鎖、プロピレンオキシドの単独重合鎖及びこれら両者の共重合鎖の何れであってもよい。そして、両者の共重合鎖とする場合は、ブロック重合鎖、ランダム重合鎖の何れの形態でもよい。但し、このポリエーテル基Qは界面活性剤に親水性を付与する目的で導入されるものであるため、その重合度は前述の疎水基である含フッ素有機基Rfとの均衡を考慮して決定する必要がある。
【0028】
例えば、プロピレンオキシド単位は、エチレンオキシド単位に比べて親水性が相対的に低いのでポリエーテル基Qとして、プロピレンオキシドの単独重合鎖を用いる場合は、相対的に高重合度の重合鎖を用いることが望ましい。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合鎖を用いる場合は、全体に占めるプロピレンオキシド単位の含有量は、2〜10モル%の範囲にあることが好ましい。
【0029】
一般式(2)において、Rは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数2〜3のアシル基を表す。Rで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、Rで表される炭素原子数2〜3のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
【0030】
一般式(2)において、p及びmはそれぞれ0または1を表し、nは、1〜3の整数を表す。
【0031】
以下に、一般式(2)で表される界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
一般式(2)で表される界面活性剤は、特開平7−793号に記載の合成方法により合成することができる。
【0035】
本発明に係る一般式(3)で表される界面活性剤について説明する。
前記一般式(3)において、R1、R2、R4は各々、炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルケニル基、またはアリール基を表し、同一でも異なっていてもよい。
【0036】
R1、R2、R4で表される炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基もしくはアルケニル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、2−エチルヘキシル基、2−オクチルドデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、モノメチル分岐−イソステアリル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、ドコセニル基、テトラコセニル基、トリアコンテニル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロドデシル基、ヘンエイコサフルオロドデシル基、ペンタコサフルオロドデシル基、ノナコサフルオ ロドデシル基、トリトリアコンタフルオロオクタデシル基、2−ペンタフルオロエチルペンタフルオロヘキシル基、2−トリデカフルオロヘキシルトリデカフルオロデシル基、2−ヘンエイコサフルオロデシルヘンエイコサフルオロテトラデシル基、2−ペンタコサフルオロドデシルペンタコサフルオロヘキサデシル基、2−ノナコサフルオロテトラデシルノナコサフルオロオクタデシル基等が挙げられる。また、アリール基としては、炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル基例えばエチルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等、やまたアミノフェニル基、クミルフェニル基、o−フェニルフェニル基、p−フェニルフェニル基、ビニルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0037】
R3は前記一般式(3a)で表される基であり、一般式(3a)中のR′は水素原子またはメチル基を表す。
【0038】
Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基を表し、同一であっても異なっていてもよい。Aで表される炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン等であり、それらの単独またはブロックあるいはランダムの混合物であってよく、これらは同一であっても異なっていてもよく、好ましくはエチレン基である。
【0039】
Xはハロゲン原子、OH、NO3またはSO4CH3を表す。好ましくはハロゲン原子である。
【0040】
nは0または正の整数を表す。nは0または正の整数であるが、0〜20であることが好ましく、0〜10であることがより好ましい。
【0041】
以下に、一般式(3)で表される界面活性剤の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
一般式(3)で表される界面活性剤は、特開平7−185296号に記載の合成方法により合成することができる。
【0045】
本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される界面活性剤のインク受容層への使用量は、該界面活性剤の添加量の増減により、ドット径の大きさ、インク吸収性を制御する観点から、インク受容層塗布液中の全固形分の0.001〜2質量%の範囲で含有されることが好ましく、0.01〜1質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
【0046】
本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体上に、インク受容層を設けることにより得られる。本発明のインクジェット用記録媒体に用いられる支持体は、非吸水性支持体が好ましく、透明支持体あるいは不透明支持体が挙げられる。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料からなるフィルム等が挙げられる。
このような透明な支持体の厚さとしては、通常10〜200μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側およびバック層側には公知の下引き層を設けることが、インク受容層やバック層と支持体との接着性を改良する観点から好ましい。
【0047】
また、透明である必要のない場合に用いられる支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに白色顔料を添加したホワイトペット等が好ましい。
【0048】
上記支持体とインク受容層の接着強度を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明の記録媒体は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録媒体であってもよい。
【0049】
支持体としては、上記の如く普通紙、塗工紙、ラミネート紙等の紙支持体や、合成紙、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステルなどのプラスチックフィルムを挙げることができるが、このなかでもポリエステルフィルムが好ましい。
【0050】
ポリエステルとは、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルである。ポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。本発明に用いられるポリエステルには、酸化防止剤が含有されていてもよい。
【0051】
次に、本発明で用いることのできるポリエステルフィルムの製造方法について説明する。未延伸シートを得る方法および縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く横延伸が可能な範囲とする必要がある。シートが多層構成の場合の延伸温度の設定は各構成層のポリエステルのTgのなかで最も厚い層のポリエステルのTgを基準にすることが好ましい。
【0052】
この際、ポリエステルを積層する場合も、従来公知の方法でよい。例えば、複数の押出機およびフィードブロック式ダイあるいはマルチマニフォールド式ダイによる共押出法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる押出ラミネート法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介して積層するドライラミネート法などが挙げられる。中でも、製造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好な共押出法が好ましい。
【0053】
次に、上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm−20℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整する。本発明の場合、巾方向の弾性率が長手方向の弾性率より大きくなるようにするのが好ましい。使用目的に応じて変化させてもよい。この時、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後フィルムを、その最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に、0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布がさらに低減できて好ましい。
【0054】
熱固定はその最終横延伸温度より高温で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
【0055】
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、巾方向及び/または長手方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また、冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃〜10℃の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
【0056】
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
【0057】
次に、本発明に係るインク受容層について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上に設けられたインク受容層が親水性バインダーを有し、インクジェット記録時にインク受容層が膨潤してインクを受容する膨潤型インクジェット記録媒体である場合と、インク受容層が無機顔料及び少量の親水性バインダーを有する空隙層を形成している空隙型のインクジェット記録媒体の場合のいずれにも適用できる。本発明のインク受容層とは、インクを吸収する層はすべてを含み、他に別の機能を有していてもよい。
【0058】
しかしながら近年高インク吸収性が益々要求されており、特に空隙型のインク受容層であることが画質や記録後の乾燥性或いは皮膜の耐水性の面から好ましい。
【0059】
本発明に係るインク受容層は、空隙率10〜80%を有する層であることが好ましく、これは、平均1次粒子径が5〜150nm以下の無機微粒子や有機微粒子と水溶性高分子を主成分として含有する層であり、微粒子と水溶性高分子の質量比は通常1/1以上であるが、好ましくは、4/1〜20/1である。以下特に好ましい空隙型のインク受容層について説明する。上記無機微粒子の例としては、例えばシリカ粒子、アルミナ水和物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。無機微粒子の好ましい例としては、例えばシリカ粒子やアルミナ水和物を挙げることができる。
【0060】
シリカ粒子は製造法により湿式法と乾式法に大別される。湿式法はケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方の乾式法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスを電気炉中でアークにより加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)で無水シリカを得る方法が主流である。無水シリカ(無水珪酸)の場合に特に空隙率が高く好ましい。
【0061】
アルミナ水和物としては、市販のもの、あるいはアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解などを用いた公知の方法によって製造されたものを用いることができる。その粒子形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等に限定されず、また、配向性の有無も問わない。更に、アルミナ水和物は、透明性、光沢性、染料定着性の高いもので、且つ被膜形成時にクラック等が入らず、塗工性の良いものであればさらに好ましい。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成工業社製の「カタロイドAS−2」、「カタロイドAS−3」、日産化学社製「アルミナゾル−520」等が挙げられる。また、無配向性アルミナ水和物を調製するには、例えば、アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠法及び硝酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムによる加水分解・解膠法を用いることができる。
【0062】
この様な無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできるが、優れた光沢性を得る観点から被膜中で通常0.1〜0.01μmのサイズに成るような無機微粒子を使用することが好ましい。
【0063】
本発明においては、低コストであることや高い反射濃度が得られる観点から低屈折率の微粒子であることが好ましく、表面がアニオン性の無機微粒子がより好ましい。
【0064】
表面がカチオン性の無機微粒子としては、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカおよびアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることができる。
【0065】
有機微粒子としては好ましくは疎水性ポリマー微粒子を挙げることができる。ポリマー微粒子としては、粒径が通常0.05μm〜数μmのポリマー粒子で、好ましくは樹脂の水分散物を挙げることができる。樹脂の水分散物としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルアルコール変性物、セルロースエステル類、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類等を挙げることができる。
【0066】
これらの樹脂のうちでも、活性メチレン基を有する樹脂やカチオン性基を有する樹脂を好ましく用いることができる。
【0067】
活性メチレン基を有する樹脂としては、活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位とメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、マレイン酸エステル、ジエン類から選ばれるエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる。
【0068】
活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位エチレン性不飽和モノマーと共重合可能なモノマーとしては、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、iso−ノニルアクリレート、n−ドデシルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(例えば、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、iso−ノニルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレートなど)、ジエン類(例えばブタジエン、イソプレンなど)などを挙げることができる。活性メチレン基を有するモノマーやポリマーラテックスの種類やその合成法については上記の他米国特許第3,459,790号、同3,619,195号、同3,929,482号、同3,700,456号、西独特許第2,442,165号、欧州特許第13,147号、特開昭50−73625号、同50−146331号等の記載を参考に行うことができる。
【0069】
ポリマー微粒子を乳化重合する際に乳化剤としての水溶性ポリマーを用いてもよく、水溶性ポリマーとしては、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリマーなども含み、これらの例としてアルギン酸またはその塩、デキストラン、デキストラン硫酸塩、グリコーゲン、アラビアゴム、アルブミン、寒天、でんぷん誘導体、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ヒドロキシセルロース、セルロース硫酸エステル等を挙げることができるが、これらの誘導体も使用できる。
【0070】
乳化重合においては、その目的に応じて、重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、かつ、容易に変更できることはいうまでもない。また、乳化重合反応は、モノマー、界面活性剤、水溶性ポリマー、媒体を予め容器に全量入れておき、開始剤を投入して行ってもよいし、必要に応じて各成分の一部あるいは全量を滴下しながら重合を行ってもよい。
【0071】
これらのポリマー微粒子は、ラテックス重合で作製する以外に、樹脂を水中に分散したり、水中で自己乳化したり、懸濁重合法により得ることができる。また、これらの樹脂の分散物は、単独で用いても複数の種類を用いてもよい。
【0072】
本発明の一般式(1)〜(3)で表される界面活性剤が含まれる層には、バインダーとして親水性バインダーであるポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を含有してもかまわない。
【0073】
親水性バインダーとして特にポリビニルアルコールが好ましい。本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0074】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、平均重合度が1500〜5000のものが特に好ましく用いられる。
【0075】
ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0076】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0077】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0078】
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して通常0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0079】
アニオン変性ポリビニルアルコールは例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0080】
インク受容層に用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
【0081】
また、インク受容層に用いられる無機微粒子と親水性バインダーの比率は質量比で通常2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
【0082】
本発明のインクジェット用記録媒体は、酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤としては、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物及びホルマリン・ジシアンジアミド系縮合物が挙げられる。ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物は、ポリアルキレンポリアミンとジシアンジアミドの重縮合物である。ポリアルキレンポリアミンとしてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミンおよびこれらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。また、ホルマリン・ジシアンジアミド系縮合物はホルマリンとジシアンジアミドとのメチロール化反応により得られる重縮合物である。
【0083】
本発明のインクジェット記録用媒体は、光沢性に優れ、高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0084】
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0085】
硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬、多価イソシアネート化合物(分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製,商品名:Desmodur L);トリフェニルメタントリイソシアネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等)等が挙げられる。その他、ポリオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマー等が挙げられる。
【0086】
上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、親水性バインダ1g当たり通常5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。上記硬膜剤は、インク受容層塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布してある支持体上に、インク受容層塗布液を塗布してもよい。また、インク受容層塗布液(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥した後で硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして供給することができるが、これらの中で、製造効率の観点から、インク受容層塗布液中に硬膜剤を添加して塗布する方法が好ましい。
【0087】
本発明のインクジェット用記録媒体のインク受容層および必要に応じて設けられるその他の層には、上記以外に各種の添加剤を添加することができる。中でも、カチオンポリマーはプリント後の文字や画像の耐水性、耐湿性を改良することができ好ましく用いられる。カチオンポリマーとしては1級〜3級アミノ基及び4級アンモニウム塩を有するポリマーが用いられるが、経時での変色や耐水性の劣化が少なく、染料の定着能が高いこと等から4級アンモニウム塩を有するカチオンポリマーが好ましい。好ましいカチオンポリマーは上記4級アンモニウム塩を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体として得られる。カチオン性の水溶性ポリマーはインクジェット記録用媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
【0088】
前記以外に、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0089】
インク受容層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0090】
インク受容層は任意の方法で形成することができるが、水媒体の塗布液をコーティング後乾燥して得ることができる。コーティング方法としては、ブレードコーター塗布法、リバースローラー塗布法、エアードクター塗布法、ナイフコーター塗布法、スクイズコーター塗布法、バーコーター塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布法、スライドホッパー塗布法等を用いることができる。乾燥条件は特に限定されないが、好ましくは塗膜面の温度が樹脂のガラス転移温度以下であることが好ましい。また、塗布直後に塗膜面を冷却後乾燥してもよい。乾燥後の層の厚さは、5〜100μmが好ましく、単層あるいは多層コーティングで形成してもよい。多層の場合は、全く同じ組成物からなる塗布液を重層塗布して形成しても組成が異なる塗布液を重層して形成してもよい。多層の形成では、一層塗布乾燥後さらに塗布乾燥する逐次塗布でもよいし、同時塗布してもよい。
【0091】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0092】
実施例1
[下引き済み支持体の作製]
青色に着色した厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートの両面に、コロナ放電を施した後下記の下引第1層、第2層を順次設け、140℃で2分間熱処理を行い、下引き済み支持体を得た。
【0093】
下引第1層
ポリマーラテックス1 40mg/m2(固形分)
ポリマーラテックス2 760mg/m2(固形分)
水溶性ポリマー1 40mg/m2
界面活性剤1 6mg/m2
下引第2層
ポリマーラテックス3 300mg/m2(固形分)
水溶性ポリマー1 15mg/m2
架橋剤1 100mg/m2
界面活性剤2 7mg/m2
シリカ微粒子(平均粒径3μm) 1mg/m2
ポリマーラテックス1:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート(20/40/40質量%)共重合ポリマーラテックス
ポリマーラテックス2:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート(35/40/5/20質量%)共重合ポリマーラテックス
ポリマーラテックス3:スチレン/グリシジルメタクリレート/n−ブチルアクリレート(40/40/20質量%)共重合ポリマーラテックス
水溶性ポリマー1:イソプレンスルホン酸ナトリウム/スチレン共重合体
【0094】
【化10】
【0095】
得られた支持体を8インチ径のコアに巻き、110℃で1時間熱処理した。
[インク受容層塗布液1の調製]
(シリカ分散液(分散液A)の調製)
純水44.2kg中に、希硝酸(濃度6%)を84g添加し、さらにエタノール(メタノールを5%含有)249gを加えよく攪拌した。この液をホモジナイザーでかくはんしながら、平均1次粒子径が12nmの気相法シリカ微粒子(QS−20;トクヤマ社製)11.5kgをゆっくりと加えた。全量を加えた後、さらに1時間攪拌を続け、50Lのシリカ分散液(分散液A)を調製した。
【0096】
(シリカ分散液とカチオンポリマーの混合分散液(分散液B)の調製)
純水5.09kg中に、エタノール(メタノールを5%含有)257.6gを加え、希硝酸(濃度6%)30.4gを加え、さらに、ポリ(トリメチルアミノエチルメタクリレートの塩酸塩)の25%水溶液を2392g添加し、攪拌しながら45℃に加熱した。この中をホモジナイザーでよく攪拌しながら、分散液A28.85kgをゆっくりと添加した。添加後1時間攪拌を続けた。この間に、純水3073.2g中に、ホウ酸124.4g、ホウ砂112.4gを溶解し、上記分散液に添加した。この後、液中のだまがなくなるまでホモミキサーで攪拌、さらに、400×9.8×104Paの圧で3回MG分散をかけて分散液Bを調製した。
【0097】
《インク受容層塗布液1の調製》
分散液B33.0kgに純水1.16Lを加え、スリーワンモーターで攪拌しながら、45℃に加熱保持した。さらに、界面活性剤を表1記載のように加え、濃度1%のプロキセルを750g加え、純水4Lを加えてインク受容層塗布液1を調製した。
【0098】
[インクジェット用記録媒体の作製]
前記下引き済み支持体に、インク受容層塗布液1を乾燥膜厚が30μmとなるようにスライドコーターにて塗布し、塗膜を0℃の冷風でゲル化させた後、40℃の温風で乾燥して、インクジェット用記録媒体試料101〜108を作製した。
【0099】
[評価方法]
(インク画像の鮮鋭性)
着色剤液(ダイレクトブラック154を18.9g、エチレングリコール30g、トリエチレングリコール4g、純水41.3g)に薄め液(エチレングリコール30g、トリエチレングリコール14.2g、純水55.6g)を加えてインクを調製した。
【0100】
医療診断画像出力用に35μm四方に最高4滴打てるように調整したピエゾ方式のインクジェットプリンタ及びプリンタードライバーを作製し、10人の被験者の横隔膜下と肺野部のデータを、インクジェット用記録媒体にプリントし、鮮鋭性の適否を目視評価した。評価値は「適」と評価された数の合計であり、10枚のハードコピーに対して、10名の評価者がすべて「適」とした場合が100である。
【0101】
(インク吸収性)
インクジェットプリンター(MJ−910C エプソン社製)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字し、印字直後(約10秒後)に紙を接触し、該紙を目視観察して、インクのインクジェット用記録媒体(インク受容層)への吸収速度および転写状況を、下記基準にて評価した。
【0102】
A:インクの吸収速度が早く、インクが転写されなかった
B:インクの吸収は早いが、インクがわずかに転写された
C:インクの吸収が遅く、インクが転写された
D:インクが流れた
(インク画像の滲み耐性)
インクジェットプリンター(前出)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字した。印字した試料を23℃、相対湿度80%の環境下で72時間保存した後、印字部分からのインクの滲みによるはみ出し個数をシャーカステンにて目視観察し、下記基準にて評価した。
【0103】
A:なし
B:1〜5個
C:6〜20個
D:21個以上
(インク画像の耐水性)
インクジェットプリンター(前出)により、インクジェット用記録媒体のインク受容層面に上記インクを4センチメートル四方ベタ印字し、その試料を十分な量の水道水(水温25℃)の中に4時間浸漬させた後、風乾し、インクの残留程度を目視観察し、下記基準にて評価した。
【0104】
A:インク残留量が100〜80%
B:インク残留量が80未満〜50%
C:インク残留量が50未満〜0%
結果を、表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
※1:1−1、即ち、界面活性剤1−1は、本発明に係る一般式(1)で表される界面活性剤のジナトリウム塩である
※2:添加量は、インク受容層の全固形分質量に対する質量%である
表1より、本発明のインクジェット用記録媒体(本発明に係る一般式(1)、(2)または(3)で表される界面活性剤をインク受容層に含有する本発明の請求項1、2または3の発明の構成)は、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が優れており、医療用画像診断に好適であることがわかる。
【0107】
※3:比較−1は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである
【0108】
【発明の効果】
本発明により、インクジェット用記録媒体を医療用画像診断に用いるにあたって、インクの吸収性、インク画像の鮮鋭性、インク画像のにじみ耐性、インク画像の耐水性が改善され医療用画像診断に好適なインクジェット用記録媒体を提供できる。
Claims (3)
- 透明支持体上にインク受容層を有するインクジェット用記録媒体において、該インク受容層の少なくとも一層に下記一般式(3)で表される界面活性剤を含有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002253170A JP2004090329A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | インクジェット用記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002253170A JP2004090329A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | インクジェット用記録媒体 |
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JP2004090329A true JP2004090329A (ja) | 2004-03-25 |
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JP2002253170A Pending JP2004090329A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | インクジェット用記録媒体 |
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JP (1) | JP2004090329A (ja) |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002253170A patent/JP2004090329A/ja active Pending
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