JP2004090300A - 感熱記録体の製造方法 - Google Patents

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Takanori Otohata
乙幡 隆範
Chuichi Fukuchi
福地 忠一
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Abstract

【課題】発色感度に優れるとともに、耐水性、印刷適性が良好な感熱記録体の製造方法。
【解決手段】支持体上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカとを含有する感熱記録層塗液を、エアナイフコーターを用いて塗工する感熱記録体の製造方法。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐水性が付与された感熱記録体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料と顕色剤との熱による発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録体は、発色が非常に鮮明であることや、記録時に騒音がなく装置も比較的安価でコンパクト、メンテナンス容易であるなどの利点から、ファクシミリやコンピューター分野、各種計測器等に広く実用化されている。さらに最近では、ラベル、チケットの他、屋外計測用のハンディターミナルや配送伝票など、各種プリンター、プロッターの出力媒体として用途も急速に拡大しつつある。これらの用途の場合、屋外で使用されることが多く、雨などの水分や湿気、日光、真夏の車内の高温状態など、従来に比べて過酷な環境下での使用に耐える品質性能が必要となる。また、感熱記録体の記録層表面にUVオフセット印刷処理を施す用途についても急速に拡大しつつある。
【0003】
耐水性やUVオフセット印刷適性の改善に関しては、従来用いられているポリビニルアルコール等に代わり、耐水性や印刷適性に優れ、且つ記録時のヘッドカス付着やスティッキングの発生など印字走行性に優れたバインダーとして、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカを使用することが提案されている(例えば、特開平7−266711号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする問題】
しかし、アクリルエマルジョンを使用した感熱記録層の場合、従来用いられているポリビニルアルコール等のバインダーを使用した感熱記録層と比較して、感熱記録体使用時に十分な印字濃度を得ることができないことがある。そこで、本発明は、発色感度に優れるとともに、耐水性、印刷適性が良好な感熱記録体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、感熱記録層の形成方法に着目し、従来用いられている塗工機であるブレード方式等に代わり、エアナイフ方式の塗工機を用いて製造することによりこの問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、支持体上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカとを含有する感熱記録層塗液を、エアナイフコーターを用いて塗工する感熱記録体の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録体を得るには、例えば、塩基性ロイコ染料および顕色剤をそれぞれバインダーとともに分散した分散液と、アクリルエマルジョン、コロイダルシリカ、填料等その他必要な添加剤を加えて混合し、感熱記録層塗液を調製し支持体上に塗布乾燥して感熱記録層を形成することにより製造することができる。
【0007】
感熱記録層の塗工方式としては、従来ベントブレードやバーブレード等が一般的に用いられているが、本発明において感熱記録層は、エアナイフコーターを用いたエアナイフ塗工方式によって形成される。エアナイフ塗工方式は、塗工速度、エアナイフ圧等によって塗布量をコントロールする方式である。アクリルエマルジョンを使用した感熱記録層塗液は、ポリビニルアルコール等のバインダーを使用した場合と比較して粘性が低く、塗布量を確保することが困難であり、そのため十分な発色感度が得られにくいと考えられる。これに対し、エアナイフ塗工方式は、従来のベントブレード塗工方式やバーブレード塗工方式に比較して塗布量のコントロール範囲が広いという利点によって、所望する塗布量の確保を可能にすると考えられる。エアナイフコーターの塗工速度は30〜1500m/min、エアナイフ圧は200〜8000mmH20の範囲が適当である。感熱記録層の塗布量は通常乾燥重量で2〜12g/m、より好ましくは3〜10g/mの範囲である。
【0008】
本発明において、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカとは、混合して感熱記録層中に含有されることが重要である。コロイダルシリカをアクリル樹脂成分中に導入した複合粒子タイプも知られているが、このような複合粒子は混合した場合に比べて耐水性に劣り、本発明では用いられない。この理由は明らかではないが、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの結合状態によるものと考えられる。複合粒子タイプでは、アクリル粒子の周囲にコロイダルシリカが重合結合によって強く結合しており、感熱記録層の接着剤(バインダー)として使用しても、コロイダルシリカの存在によってアクリル粒子同士が融着あるいは接近しにくくなり、成膜性が阻害されると考えられる。一方、混合の場合は、コロイダルシリカは吸着のような状態でアクリルエマルジョン粒子に弱く結合し、アクリルエマルジョン粒子同士による成膜を妨げることがないため強固な膜が形成され、ひいては耐水性が向上すると考えられる。
【0009】
本発明で用いられるアクリルエマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸共重合物、酢酸ビニル−メタクリル酸共重合物、酢酸ビニル−アクリル酸アルキル共重合物、酢酸ビニル−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−アクリル酸共重合物、アクリロニトリル−アクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル−アクリルアミド共重合物、アクリル酸−メタクリル酸共重合物、アクリル酸−アクリル酸アルキル共重合物等の金属塩、アクリル酸−アクリル酸アルキル−アクリルアミド共重合物、アクリル酸−メタクリルアミド−スチレン酸共重合物、メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合物、メタクリル酸金属塩−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合物、メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−アクリルアミド共重合物、メタクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリル酸アルキル−アクリルアミド−スチレン共重合物、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル−無水マレイン酸共重合物、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル−無水マレイン酸金属塩共重合物、アクリル酸アルキル−スチレン−無水マレイン酸金属塩共重合物、メタクリル酸アルキル−フマル酸共重合物、アクリル酸アルキル−イタコン酸金属塩共重合物等およびこれらの変性物を、必要に応じて乳化剤等を用いて水系エマルジョンとし用いることができる。
【0010】
上記のアクリルエマルジョンにおいて、アルキルとはメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数10以下の飽和炭化水素が挙げられ、また金属塩としてはアンモニウム、Li、Na、K、Mg、Ca、Al等の塩が挙げられる。
【0011】
本発明で用いられるコロイダルシリカは、無水珪酸の超微粒子を水中に分散させたコロイド溶液として使用される。コロイダルシリカの粒子の平均粒径は、アクリルエマルジョン粒子の平均粒径100に対して、5〜50の範囲のものが好ましい。また、コロイド溶液のpHは約7〜10のものが好ましく使用される。
【0012】
アクリルエマルジョンの配合量としては、感熱記録層100重量部(以下重量部は固形換算とする)に対して3〜50重量部配合することが好ましく、より好ましくは5〜30重量部である。少なすぎると耐水性が不足し、多すぎると感度低下が起こりやすい。コロイダルシリカの好ましい配合量は、アクリルエマルジョン100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、より好ましくは10〜60重量部である。少なすぎるとヘッドカス付着やスティッキングが発生したり、多すぎると感熱記録層塗料の経時安定性に問題が出やすい。
【0013】
本発明で用いられる顕色剤は、顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
【0014】
本発明で使用する塩基性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらは単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0015】
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3´−ニトロ)アニリノラクタム
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタム
1,1−ビス−〔2´,2´,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン
1,1−ビス−〔2´,2´,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン
1,1−ビス−〔2´,2´,2’’,2’’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン
ビス−〔2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【0016】
本発明において、感熱記録層に含まれる接着剤いわゆるバインダーとしては、前記のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとを主として用いるが、塗料の流動性向上などのため、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で感熱記録層用接着剤として一般的に知られているものを用いることもできる。具体的には、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチルラール、ポリスチレンおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用し、要求される品質に応じて併用することも可能である。
【0017】
また本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、エチレンビスアミド,モンタン酸ワックス,ポリエチレンワックス,1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン,p−ベンジルビフェニル,β−ベンジルオキシナフタレン,4−ビフェニル−p−トリルエーテル,m−ターフェニル,1,2−ジフェノキシエタン,4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル,ジベンゾイルオキシメタン,1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン,1,2−ジフェノキシエチレン,ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル,p−ニトロ安息香酸メチル,シュウ酸ジベンジル,シュウ酸ジ(p−クロロベンジル),シュウ酸ジ(p−メチルベンジル),テレフタル酸ジベンジル,p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル,ジ−p−トリルカーボネート,フェニル−α−ナフチルカーボネート,1,4−ジエトキシナフタレン,1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル,4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、オルトトルエンスルホンアミド、パラトルエンスルホンアミドを例示することができるが,特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は,単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0018】
本発明で使用する填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。このほかにワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【0019】
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性等を付与する安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、4−ベンジルオキシ−4′−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホンエポキシレジン等を添加することもできる。
【0020】
本発明の感熱記録体に使用する塩基性ロイコ染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性ロイコ染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、填料0.5〜10部程度が使用される。
【0021】
上記組成から成る塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録シートが得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
【0022】
塩基性ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、アクリルエマルジョン、コロイダルシリカおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
【0023】
本発明の感熱記録体はさらに、保存性を高める目的で、高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上に設けたり、発色感度を高める目的で、填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けることもできる。上記オーバー層やアンダーコート層は、ベントブレードコーター、バーブレードコーター、ロッドブレードコーター、ビルブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、カーテンコーターなど従来公知のあらゆる塗工方式を用いることができる。また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を適宜付加することができる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」を示す。
【0025】
[実施例1]
染料、顕色剤の各材料は、あらかじめ以下の配合の分散液をつくり、サンドグラインダーで平均粒径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
Figure 2004090300
以下の組成物を混合し、感熱記録層塗液を得た。この塗液を坪量50g/mの上質紙にエアナイフコーターを用いて塗工速度100m/min、エアナイフ圧1000mmH20の条件で乾燥後の塗布量が6g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒になるように処理し、感熱記録体を得た。
顕色剤分散液                 36.0部
染料分散液                  13.8部
増感剤分散液                 36.0部
水酸化アルミニウム50%分散液        26.0部
ステアリン酸亜鉛30%分散液          6.7部
アクリルエマルジョン             20.0部
(アクリル酸エステル共重合体、クラリアントホ゜リマー(株)製;商品名モヒ゛ニール735)
コロイダルシリカ                5.0部
(クラリアントシ゛ャハ゜ン(株)製;商品名クレホ゛ソ゛ール40R12)
【0026】
[比較例1]
エアナイフ塗工方式を用いる代わりに、ベントブレード塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0027】
[比較例2]
エアナイフ塗工方式を用いる代わりに、バーブレード塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0028】
[比較例3]
エアナイフ塗工方式を用いる代わりに、ゲートロール塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0029】
[比較例4]
アクリルエマルジョン及びコロイダルシリカの代わりにポリビニルアルコール(商品名;クラレ(株)製PVA117)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0030】
[比較例5]
アクリルエマルジョン及びコロイダルシリカの代わりにポリビニルアルコール(商品名;クラレ(株)製PVA117)を用い、さらにエアナイフ塗工方式の代わりにベントブレード塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0031】
[比較例6]
アクリルエマルジョン及びコロイダルシリカの代わりにポリビニルアルコール(商品名;クラレ(株)製PVA117)を用い、さらにエアナイフ塗工方式の代わりにバーブレード塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0032】
[比較例7]
アクリルエマルジョン及びコロイダルシリカの代わりにポリビニルアルコール(商品名;クラレ(株)製PVA117)を用い、さらにエアナイフ塗工方式の代わりにゲートロール塗工方式を用い、塗工速度100m/minで塗工した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0033】
[発色感度]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー(1)0.25mJ/dot、(2)0.34mJ/dotで印字を行った。印字後及び品質試験後の画像濃度はマクベス濃度計(アンバーフィルター使用)で測定した。
【0034】
[耐水性]
感熱記録体の表面に水滴を1滴垂らし、10秒後にティッシュペーパーで1回擦って記録面の剥がれ度合いを目視判定し、次の基準で評価した。
○:記録面の剥がれがほとんどない
×:記録面の剥がれが多い
【0035】
[印刷適性]
UVインクで感熱記録体の表面にRI印刷を行った際の、インクの抜けの有無を次の基準で目視で評価した。
○:インクの抜けがほとんどない
×:インクの抜けが多く見られる
【0036】
【表1】
Figure 2004090300
【0037】
【発明の効果】
表1の結果から明らかなように、本発明の感熱記録体は、高い発色感度を有し、かつ感熱記録層の強度が向上し耐水性および印刷適性が良好であり、極めて実用的価値が高い。

Claims (1)

  1. 支持体上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカとを含有する感熱記録層塗液を、エアナイフコーターを用いて塗工することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
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