JP2004090074A - 圧延機のエッジドロップ制御装置 - Google Patents

圧延機のエッジドロップ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モデルのパラメータの妥当性を考慮し、モデルのパラメータの精度を向上することで、エッジドロップの改善を達成する。
【解決手段】圧延中の圧延データを収集するデータ収集手段10と、データ収集手段10で収集した圧延データに基づいてエッジドロップのワークサイドとドライブサイドそれぞれモデルのパラメータの更新値を演算するパラメータ演算手段11と、パラメータ演算手段11で演算した更新値に基づいて更新値が異常であるかどうか判定するパラメータ判定手段12と、パラメータ判定手段12で判定した結果に基づいてエッジドロップのモデルのパラメータを修正するモデル修正手段13とを備える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属等を圧延する圧延機に係わり、特にモデルを用いてエッジドロップを制御するアクチュエータのプリセットを行う圧延機のエッジドロップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延材の板幅方向端部において板厚が急激に減少する現象をエッジドロップと言うが、このエッジドロップが大きいと製品品質を満たさない板幅方向端部の切り落とし量が増加し、歩留りが低下する。また、圧延材をプレス成形やせん断加工等2次加工する際に割れや加工不良の原因となることもある。そのため、エッジドロップ量の低減は非常に重要であり、各所でエッジドロップ制御技術の開発がなされてきた。
【0003】
従来、モデルを用いてエッジドロップを制御するアクチュエータのプリセットを行う技術としては特開平3−243206号公報に記載のものが知られている。この公報記載の先行例によると、ワークサイド、ドライブサイドでそれぞれモデルを用意し、実測値に基づいてモデルの係数を更新している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−243206号公報の方法では、モデルの係数の更新方法について提案されているが、得られた係数の妥当性に関しては考慮されていない。実際には、センサ等の汚れや特殊な操業等によりモデルの係数が異常な値となることが考えられる。また、パラメータにリミットを設けるなどして異常な値をとらないようにするが、モデルの形にあわせて適当なリミットの値を設定するのは、特にシステムの立ち上げ時等困難である。
【0005】
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、モデルのパラメータの妥当性を考慮し、モデルのパラメータの精度を向上することで、エッジドロップの改善を達成する圧延機のエッジドロップ制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エッジドロップを制御するアクチュエータのプリセット計算に用いるモデルを修正する圧延機のエッジドロップ制御装置において、圧延中の圧延データを収集するデータ収集手段と、前記データ収集手段で収集した圧延データに基づいて前記エッジドロップのワークサイドとドライブサイドそれぞれモデルのパラメータの更新値を演算するパラメータ演算手段と、前記パラメータ演算手段で演算した更新値に基づいて前記更新値が異常であるかどうか判定するパラメータ判定手段と、前記パラメータ判定手段で判定した結果に基づいて前記エッジドロップのモデルのパラメータを修正するモデル修正手段を、備えることを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。
【0007】
上記構成によれば、モデルのパラメータの妥当性を考慮し、モデルのパラメータの精度を向上することで、エッジドロップの改善を達成することが可能となる。また、パラメータの妥当性を考慮するにあたり、ワークサイドとドライブサイドでそれぞれパラメータを求め、それらを比較して行っているため、経時的な変動にも対応でき、演算も容易に実施できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記データ収集手段は最も上流にある圧延機あるいはセンサの位置で前記圧延データの圧延材上に収集点を決定するとともに前記圧延データを収集し、最も下流にある圧延機あるいはセンサまで前記収集点をトラッキングし、前記収集点が圧延機あるいはセンサに到達するごとに前記圧延データを収集することを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。圧延材上の同一点のデータを用いることにより、モデル構築上整合性のとれた学習を実施することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記パラメータ判定手段は、前記パラメータ演算手段で演算したワークサイドとドライブサイドのエッジドロップのモデルのパラメータの更新値を比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。ワークサイドとドライブサイドでそれぞれ同じ現象についてモデルのパラメータを演算し、比較することでより正確に異常の判定が可能である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記パラメータ判定手段は、予め設定した代表データを用いて更新値を適用したモデルからエッジドロップを演算し、ワークサイドとドライブサイドそれぞれ代表データの値と比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。これにより、少なくとも重要である圧延材に対してはモデルの精度を常に確保することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記パラメータ判定手段は予め設定した代表データを用いて更新値を適用したモデルからエッジドロップを演算し、ワークサイドとドライブサイドのエッジドロップの値を比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。
【0012】
これにより、少なくとも重要である圧延材に対してはモデルの精度を常に確保することができるとともに経時的な変化にも対応できる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記パラメータ演算手段は、ワークサイドとドライブサイドの圧延データを平均し、平均した圧延データに基づいてエッジドロップのモデルのパラメータを演算し、得られたパラメータと前記圧延データを用いてワークサイドとドライブサイドそれぞれの補正パラメータを演算し、前記パラメータ判定手段は前記ワークサイドとドライブサイドの補正パラメータを比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、平均値に基づいてパラメータを演算することにより、データのばらつきによる変動を抑えることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、少なくとも前記パラメータ判定手段が異常と判定した場合、異常となる原因を検出する異常検出手段をさらに備えていることを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。これにより、機械やセンサのメンテナンスが容易となる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の圧延機のエッジドロップ制御装置において、前記圧延材のエッジドロップを制御するアクチュエータとして少なくとも片テーパワークロールシフト装置を備えていることを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置である。エッジドロップを制御するアクチュエータとして片テーパワークロールシフト装置を用いることで、より効果的な制御が実施可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態の構成を適用対象である冷間圧延機と併せて示した構成図である。同図において、圧延機100は冷間圧延機であり、第1スタンド1から第5スタンド5まで5機をタンデムに配置して構成され、圧延材6を矢印7の方向に向かって所望の製品に圧延する。第1スタンド1は、図2に示すロール端の片側がテーパ状に研磨されているワークロールを上下逆向きに配置し、板幅方向に上下独立に移動可能なワークロールシフト装置を備えている。また、冷間圧延機100の入側と出側にはエッジドロップを検出するエッジドロップ計8,9が設置されている。
【0019】
ここで、エッジドロップについて簡単に説明する。エッジドロップは板幅方向端部で板厚が急激に薄くなる現象のことを言い、通常、板幅方向端部における2つの位置での板厚差として定義される。
【0020】
ED=hX1−hX2 ・・・(1)
ただし、
ED:エッジドロップ量[μm]
X1:板幅方向板端からX1[mm]点における板厚[μm]
X2:板幅方向板端からX2[mm]点における板厚[μm]
である。一般に、X1点としては100[mm]が、X2点としては15〜25[mm]の値が用いられていることが多い。
【0021】
エッジドロップが大きいと製品品質を満たさない板幅方向端部での切り落とし量が増加し、歩留まりが低下する。そのため、様々なアクチュエータによるエッジドロップ制御が開発され、実機に適用されている。エッジドロップの改善には、周知のように、設定計算によるアクチュエータの初期値設定と、フィードフォワード制御やフィードバック制御との協調が欠かせず、特にエッジドロップのオフゲージの観点からすると、プリセット計算によるアクチュエータの設定位置の演算は非常に重要である。
【0022】
通常、プリセット計算では圧延現象を表したモデルを用いてエッジドロップが所望の値となるようにアクチュエータの初期値を演算している。圧延材6のエッジドロップを制御するアクチュエータを第1スタンド1の片テーパワークロールシフト装置であるとすると、モデルは一般的に次式のように表すことができる。
【0023】
ED=f(ED,WRS,…) ・・・(2)
ただし、
ED:圧延後のエッジドロップ量[μm]
ED:圧延前のエッジドロップ量[μm]
WRS:第1スタンドのワークロールシフト量[mm]
である。プリセット計算では、圧延後のエッジドロップ量を目標値に設定して、(2)式を逆算することによりワークロールシフトの設定位置を求める。このことから分かるように、特にエッジドロップのオフゲージの改善にはモデルの精度向上が不可欠であり、その精度向上のためにエッジドロップのモデルの修正を行う。
【0024】
エッジドロップ制御装置200は、圧延中の圧延データを収集するデータ収集手段10と、データ収集手段10で収集した圧延データに基づいてエッジドロップのワークサイドとドライブサイドそれぞれモデルのパラメータの更新値を演算するパラメータ演算手段11と、パラメータ演算手段11で演算した更新値に基づいて更新値が異常であるかどうか判定するパラメータ判定手段12と、パラメータ判定手段12で判定した結果に基づいてエッジドロップのモデルのパラメータを修正するモデル修正手段13とを備えている。
【0025】
データ収集手段10は、予め設定したタイミング、例えば、圧延材6の先端からの距離がある位置に到達したタイミングで圧延データの収集を開始する。圧延データの収集にあたっては、同一時刻に必要なデータを一斉に収集する方法も考えられるが、モデル構築上の整合性を考慮して圧延材6の同一点での圧延データを収集する。すなわち、データ収集タイミングになったとき、データ収集手段10は最上流にある入側のエッジドロップ計8で検出したエッジドロップのデータを収集する。データ収集手段10は、圧延データの収集点を最下流にある出側のエッジドロップ計9までトラッキングし、収集点が各スタンド1〜5に到達するごとに関連する圧延データを収集する。最後に収集点が出側のエッジドロップ計9に到達したら、出側のエッジドロップ計9が検出したエッジドロップのデータを収集する。
【0026】
パラメータ演算手段11では、エッジドロップのモデルはワークサイドとドライブサイドでそれぞれモデルを用意する。また、モデルは一般的に(2)式で表されるが、ここでは説明を簡単にするために、影響因子を圧延前(原板)のエッジドロップと第1スタンド1のワークロールシフトによる線形式とする。
【0027】
EDDW=a・EDEW+b・WRS1W ・・・(3)
EDDD=a・EDED+b・WRS1D ・・・(4)
ただし、
EDDW:圧延後のワークサイドのエッジドロップ量[μm]
 :圧延前のワークサイドのエッジドロップ量に対するパラメータ[−]EDEW:圧延前のワークサイドの圧延材のエッジドロップ量[μm]
 :第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量に対するパラメータ[−]
WRS1W:第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量[mm]
EDDD:圧延後のドライブサイドのエッジドロップ量[μm]
 :圧延前のドライブサイドのエッジドロップ量に対するパラメータ[−]
EDED:圧延前のドライブサイドの圧延材のエッジドロップ量[μm]
 :第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量に対するパラメータ[−]
WRS1D:第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量[mm]である。パラメータ演算手段11は、データ収集手段10で収集した圧延データに基づいて、(3),(4)式のパラメータの更新値を逐次最小二乗法等により演算する。ここで、圧延前の圧延材6のエッジドロップは入側のエッジドロップ計8で検出するが、入側にエッジドロップ計が設置されていない場合、上流工程で検出した値、あるいは熱間圧延における圧延材情報に基づいた値を利用しても良い。また、ワークサイド、ドライブサイドのデータがない場合、共通のデータを用いてモデルを構築することも可能である。
【0028】
また、パラメータ演算手段11は以下のように演算することも可能である。
【0029】
EDDW=a・EDEW+b・WRS1W+Z[k] ・・・(5)
EDDD=a・EDED+b・WRS1D+Z[k] ・・・(6)
ただし、
[k]:k本圧延後のワークサイドの学習パラメータ[μm]
[k]:k本圧延後のドライブサイドの学習パラメータ[μm]
である。この場合、パラメータa,b,a,bは固定とし、パラメータ演算手段11は学習パラメータの更新値を演算する。まず、収集した圧延データに基づいてモデル誤差を求める。
【0030】
=EDEW −(a・EDEW +b・WRS1W ) ・・・(7)
=EDDD −(a・EDED +b・WRS1D ) ・・・(8)
ただし、
 :ワークサイドのエッジドロップのモデル誤差[μm]
EDDW :圧延後のワークサイドのエッジドロップ量検出値[μm]
EDEW :圧延前のワークサイドのエッジドロップ量検出値[μm]
WRS1W :第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量検出値[mm]
 :ワークサイドのエッジドロップのモデル誤差[μm]
EDDD :圧延後のワークサイドのエッジドロップ量検出値[μm]
EDED :圧延前のワークサイドのエッジドロップ量検出値[μm]
WRS1D :第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量検出値[mm]
である。そして、(7),(8)式の演算結果を用いてk+1本圧延後の学習パラメータの更新値を演算する。
【0031】
[k+1]=Z[k]+β・(Z −Z[k]) ・・・(9)
[k+1]=Z[k]+β・(Z −Z[k]) ・・・(10)
ただし、
β:ワークサイドの更新率[−]
β:ドライブサイドの更新率[−]
である。
【0032】
以上では、パラメータ演算手段11の動作について説明したが、パラメータの更新値の演算はすべてのパラメータに対して行う必要は無く、少なくともひとつのパラメータに対して実施すればよい。また、更新値の演算を行うパラメータや鋼種やサイズ等で層別化すれば、さらに精度の向上が図れる。
【0033】
さらに、パラメータ判定手段12の動作について説明する。パラメータ判定手段12は、パラメータ演算手段11で演算したパラメータの更新値に基づいて、得られた更新値が異常であるかどうか判定する。(3),(4)式の場合、
|a−a|≦a ・・・(11)
|b−b|≦b ・・・(12)
あるいは、(5),(6)式の場合、
|Z[k+1]−Z[k+1]|≦Z  ・・・(13)
を満たさないとき、パラメータ判定手段12は異常と判定する。ただし、
:圧延前のエッジドロップ量に対するパラメータのリミット値[−]
:シフト量に対するパラメータのリミット値[−]
:学習パラメータのリミット値[μm]
である。
【0034】
モデル修正手段13は、パラメータ判定手段12が異常と判定していなければ、パラメータを更新値に修正する。パラメータ判定手段12が異常と判定していれば、パラメータは前回値のままに保持しておく。あるいは、(9),(10)式のワークサイドとドライブサイドの更新率を変更してパラメータの更新値を演算しなおす等更新値を補正してから、パラメータを更新値に修正する。以上より、ワークサイドとドライブサイドでそれぞれ同じ現象についてモデルのパラメータを演算し、比較することでより正確に異常の判定できるため、モデルの精度が向上する。
【0035】
異常検出手段14は、少なくともパラメータ判定手段12で異常と判定した場合、どのデータが原因であったか検出する。まず、ワークロールシフトについて確認する。
【0036】
|WRS1W −WRS1W |≦WRS1W  ・・・(14)
|WRS1D −WRS1D |≦WRS1D  ・・・(15)
ただし、
WRS1W :第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量設定値[mm]
WRS1W :第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量の誤差に対するリミット値[mm]
WRS1D :第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量設定値[mm]
WRS1W :第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量の誤差に対するリミット値[mm]
である。(14),(15)式を満たしていなければ、異常検出手段14はワークロールシフトに関するデータが異常であったと判断する。満たしていた場合、入側エッジドロップ計8か出側エッジドロップ計9に異常が発生していることになる。どちらかに特定するのは困難であるが、ここでは下記のようにして判断する。(3),(4)式の場合、
【数1】
Figure 2004090074
あるいは、(5),(6)式の場合、
【数2】
Figure 2004090074
を満たさないとき、異常検出手段14は入側エッジドロップ計8によるデータを異常と判定し、満たしていれば出側エッジドロップ計9によるデータを異常と判定する。ただし、
ED LL:圧延前のエッジドロップ量に対する下限値[μm]
ED UL:圧延前のエッジドロップ量に対する上限値[μm]
であり、これらは過去の実績に基づいて設定される。以上により、原因となったデータを検出できる。また、異常と判定したデータについてアラーム等を出すことにより、設備のメンテナンスが容易になるとともに早急な対応が可能となる。
【0037】
図3は本発明の第2の実施形態の構成を適用対象である冷間圧延機と併せて示した構成図である。
【0038】
第2の実施形態は、第1の実施形態とパラメータ判定手段12の判定方法のみが異なっているため、以下ではパラメータ判定手段12の動作についてのみ説明することとする。
【0039】
パラメータ判定手段12に予め代表データを用意しておき、これを用いて(3),(4)式あるいは(5),(6)式により圧延後のエッジドロップ量を推定演算する。
【0040】
EDDW =a・EDEW +b・WRS1W   ・・・(20)
EDDD =a・EDED +b・WRS1D   ・・・(21)
あるいは、
EDDW =a・EDEW +b・WRS1W +Z[k] ・・・(22)
EDDD =a・EDED +b・WRS1D +Z[k] ・・・(23)
ただし、
EDDW :圧延後のワークサイドのエッジドロップ量演算値[μm]
EDEW :圧延前のワークサイドのエッジドロップ量代表値[μm]
WRS1W :第1スタンドのワークロールのワークサイドシフト量代表値[mm]
EDDD :圧延後のドライブサイドのエッジドロップ量演算値[μm]
EDED :圧延前のドライブサイドのエッジドロップ量代表値[μm]
WRS1D :第1スタンドのワークロールのドライブサイドシフト量代表値[mm]
である。このとき、
|EDDW −EDD |≦ED ・・・(24)
|EDDD −EDD |≦ED ・・・(25)
を満たさなければ、パラメータ判定手段12は異常と判定する。ただし、
ED :圧延後のエッジドロップ量代表値[μm]
ED:圧延後のエッジドロップ量のリミット値[μm]
である。代表データは操業形態に合わせて複数組用意しておいても良い。これにより、少なくとも予め代表データを用意した圧延材に対してはモデルの精度を常に確保することができる。
【0041】
また、パラメータ判定手段12は圧延後のエッジドロップ代表値を利用せず、図4に示すように、ワークサイドとドライブサイドの圧延後のエッジドロップ量演算値を比較することで異常を判定することもできる。すなわち、
|EDDW −EDDD |≦ED ・・・(26)
を満たさなければ、パラメータ判定手段12は異常と判定する。これより、さらに経時的な変化にも対応できるようになる。
【0042】
図5は本発明の第3の実施形態の構成を適用対象である冷間圧延機と併せて示した構成図である。
【0043】
第3の実施形態は、第1の実施形態とパラメータ演算手段11の演算方法がのみ異なっているので、以下ではパラメータ演算手段11の動作についてのみ説明することとする。
【0044】
パラメータ演算手段11はワークサイドの圧延データとドライブサイドの圧延データの平均値を演算する。
【0045】
【数3】
Figure 2004090074
ただし、
ED :圧延後のエッジドロップ量平均値[μm]
ED :圧延前のエッジドロップ量平均値[μm]
WRS :第1スタンドのワークロールのシフト量平均値[mm]
である。これら平均値に基づいてワークサイド、ドライブサイド共通のパラメータを逐次最小二乗法等により求める。演算されたパラメータを用いてモデルを書きなおすと、
ED=a・ED+b・WRS ・・・(30)
となる。ただし、
:平均データによる圧延前のエッジドロップ量に対するパラメータ[−]
:平均データによるシフト量に対するパラメータ[−]
である。(30)式をベースに、(5),(6)式のようにワークサイド、ドライブサイドの学習パラメータを追加し、パラメータ演算手段11はそれぞれについてワークサイド、ドライブサイドのデータを用いて学習パラメータの更新値を演算する。以上より、平均値に基づいてパラメータを演算するため、データのばらつきによる変動を抑えることができる。
【0046】
なお、上記の実施の形態の説明ではエッジドロップとして説明したが、ワークサイドとドライブサイドを別個に検出でき、制御実施可能なものであれば本発明を適用することができる。また、適用対象を冷間圧延機としたが、本発明は熱間圧延機やシングルミル等すべての圧延機を対象とすることができ、エッジドロップを制御するアクチュエータも片テーパワークロールシフト装置に限定されるものではない。さらに、上記の実施の形態の説明では第1スタンド1のみがエッジドロップを制御するアクチュエータを備えているが、他のスタンドや複数のスタンドが備えても良い。また、エッジドロップ計はスタンド間に設置されていても同様に実施可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、ワークサイドとドライブサイドのモデルのパラメータを比較し、異常を判定することで、より正確にモデルの学習が実施でき、その結果、高精度に圧延材のエッジドロップを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示した説明図である。
【図2】片テーパワークロールの構成を示すを説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示した説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の変形例の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示した説明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の概略構成を、適用対象圧延機と併せて示した説明図である。
【符号の説明】
1〜5 圧延機のスタンド
6 圧延材
7 圧延方向
8,9 エッジドロップ計
10 データ収集手段
11 パラメータ演算手段
12 パラメータ比較手段
13 モデル修正手段
14 異常検出手段
100 圧延機
200 エッジドロップ制御装置

Claims (8)

  1. エッジドロップを制御するアクチュエータのプリセット計算に用いるモデルを修正する圧延機のエッジドロップ制御装置において、
    圧延中の圧延データを収集するデータ収集手段と、
    前記データ収集手段で収集した圧延データに基づいて前記エッジドロップのワークサイドとドライブサイドそれぞれモデルのパラメータの更新値を演算するパラメータ演算手段と、
    前記パラメータ演算手段で演算した更新値に基づいて前記更新値が異常であるかどうか判定するパラメータ判定手段と、前記パラメータ判定手段で判定した結果に基づいて前記エッジドロップのモデルのパラメータを修正するモデル修正手段と、
    を備えることを特徴とする圧延機のエッジドロップ制御装置。
  2. 前記データ収集手段は、最も上流にある圧延機あるいはセンサの位置で前記圧延データの圧延材上に収集点を決定するとともに前記圧延データを収集し、最も下流にある圧延機あるいはセンサまで前記収集点をトラッキングし、前記収集点が圧延機あるいはセンサに到達するごとに前記圧延データを収集することを特徴とする請求項1に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  3. 前記パラメータ判定手段は、前記パラメータ演算手段で演算したワークサイドとドライブサイドのエッジドロップのモデルのパラメータの更新値を比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  4. 前記パラメータ判定手段は、予め設定した代表データを用いて更新値を適用したモデルからエッジドロップを演算し、ワークサイドとドライブサイドそれぞれ代表データの値と比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  5. 前記パラメータ判定手段は、予め設定した代表データを用いて更新値を適用したモデルからエッジドロップを演算し、ワークサイドとドライブサイドのエッジドロップの値を比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  6. 前記パラメータ演算手段は、ワークサイドとドライブサイドの圧延データを平均し、平均した圧延データに基づいてエッジドロップのモデルのパラメータを演算し、得られたパラメータと前記圧延データを用いてワークサイドとドライブサイドそれぞれの補正パラメータを演算し、前記パラメータ判定手段は前記ワークサイドとドライブサイドの補正パラメータを比較し、予め設定した範囲を超えていれば異常と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  7. 少なくとも前記パラメータ判定手段が異常と判定した場合、異常となる原因を検出する異常検出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
  8. 前記圧延材のエッジドロップを制御するアクチュエータとして少なくとも片テーパワークロールシフト装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の圧延機のエッジドロップ制御装置。
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CN100512988C (zh) * 2004-10-12 2009-07-15 株式会社日立制作所 轧制控制方法和轧制控制装置

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