JP2004090017A - Zn系めっき鋼板のアーク溶接方法 - Google Patents

Zn系めっき鋼板のアーク溶接方法 Download PDF

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Abstract

【目的】ブローホールが発生しやすいZn系めっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際に、ブローホールが発生しても、Zn系めっき鋼板の強度以上の接合強度が得られるめっき鋼板のアーク溶接方法を提供する。
【構成】使用する溶接ワイヤおよびシールドガスに応じて、予めめっき層の厚みt(mm)および板間隙間G(mm)を種々変更した予備溶接実験を行ってブローホール占有率Bを測定し、下記(2)式から係数Aを求め、実際のZn系めっき鋼板重ねすみ肉継手溶接部の接合強度Tを被溶接材の強度T・t・L以上とするべく、下記(1)式を満たすようなのど厚寸法t(mm)になるように溶接する。
T=W・t・(1−B)・L≧T・t・L  ・・・(1)
=A・t/(1+G)           ・・・(2)
ただし、Wはブローホールがない部分の溶接金属の引張強さ(N/mm),Tは被溶接材の引張強さ(N/mm),tは被溶接材の板厚(mm),Lは溶接ビードの長さ(mm)である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、Zn系めっき鋼板のアーク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重ねすみ肉継手でZn系めっき鋼板をアーク溶接する場合には、被溶接材であるZn系めっき鋼板間に溶接ワイヤを供給しながら加熱して接合している。その溶接法としては、MAG法,MIG法などがある。
Zn系めっき鋼板をアーク溶接した際には、被溶接材であるZn系めっき鋼板をアークで加熱した態様になるので、表面のめっき層が蒸気化して、その蒸気が溶融部に入り込み、溶融部表面から抜け出せない蒸気がブローホールとして溶接部内に残存することがある。特に図1に示すような重ねすみ肉継手溶接の際に、溶接部表面5から抜け出せない蒸気3がブローホール8となって溶接部7内に多く残りやすくなる。
【0003】
ブローホール8の発生を抑制するために、種々の方法が提案されている。
例えば、特開平4−59172号公報では、アーク溶融部を電流波形や磁界により振動・攪拌してブローホールを溶融部から凝固する前に排出する方法が提案されている。しかし、この方法では、電流波形の制御装置や磁界発生装置を新たに設置する必要があり、設備コストが増加すると言う問題がある。
また、特開平6−2162号公報では、めっき付着量を制限してめっき層の蒸発量を低減するアーク溶接方法が提案されている。しかし、この方法では、被溶接材自体の耐食性が低下することから、溶接部以外にも耐食性を確保するために何らかの皮膜を被覆する必要があり、工程の増加や被覆材により製造コストが増加するという問題がある。
さらに、特開平7−232294号公報では、アーク溶接時の溶接ワイヤ成分やシールドガス成分を規定した方法が提案されている。しかし、この方法では、めっきの種類によっては溶接金属の流動性が悪化して溶接ビード外観が粗悪になるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
Zn系めっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際、ブローホール発生の抑制のために種々の方法が提案されていることは前記した通りである。しかし、それらの方法には様々な問題がある。しかも、完全にブローホールを消滅させることはできない。
ブローホールの発生は溶接部の接合面積を減少させることになるので、ブローホールの発生量が溶接部の強度に大きく影響することになる。しかし、ブローホールが少しでも発生すると必ず溶接部の接合強度が低下すると言うものではない。一定量以上で溶接部の接合強度低下を招くが、そのブローホール発生量は明確になっていない。
そのため、極力ブローホールが発生しない接合方法の開発に注力したり、ブローホールが発生した場合にその都度、引張せん断試験などの機械的な試験で溶接部の接合強度を確認して、最適溶接条件を把握するのが現状であり、多くの時間と費用を要するという問題がある。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、Zn系めっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際に、ブローホールが発生しても、予め溶接金属自体の強度を確認しておき、溶接部ののど厚寸法を調整することにより、所定値以上の接合強度が得られるZn系めっき鋼板のアーク溶接方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のめっき鋼板のアーク溶接方法は、その目的を達成するため、Zn系めっきを施しためっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際に、溶接金属自体の引張強さ(W)とのど厚寸法(t)とが下記式(1),(2)の関係を満たすのど厚寸法を確保するように溶接することを特徴とする。
T=W・t・(1−B)・L≧T・t・L  ・・・(1)
=A・t/(1+G)           ・・・(2)
ただし、Tは溶接部の接合強度(単位「N」、以下同様),Wはブローホールがない部分の溶接金属の引張強さ(N/mm),Tは被溶接材の引張強さ(N/mm),tはのど厚寸法(mm),tは被溶接材の板厚(mm),Bは溶接した長さに対する溶接線方向のブローホール長さの積算値との比率で、ブローホール長さは溶接部表面より測定した値,Lは溶接ビードの長さ(mm),Aは溶接ワイヤ成分やシールドガス種類,流量などで決まる定数,tはめっき層の厚さ(mm),Gは重ね合わせた被溶接材間の板間隙間(mm)である。
なお、溶接金属自体の引張強さ:Wとは、溶接ワイヤや溶接棒自体の強度ではなく、これらの溶接材料を使用してブローホール等の欠陥発生がないように溶融溶接した後、欠陥のない部分の強度のことである。最適溶接条件で得られた溶接部から試験片を切り出し、機械的試験を行って、溶接ワイヤや溶接棒毎に予め求めたものである。
【0006】
【実施の態様】
Zn系めっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際に、ブローホールの発生を完全になくすことは困難であるため、溶接部の接合強度に影響を及ぼさないブローホール発生量およびブローホールの形態を明確にする必要がある。
そこで、本発明者等は、Zn系めっき鋼板の重ねすみ肉継手を図1に示したアーク溶接で接合し、ブローホールの発生状況および溶接部の接合強度に影響するブローホールの形態について検討した。
その結果、Zn系めっき鋼板1を溶接トーチ9からのアーク6と溶接ワイヤ10で溶接すると、Zn系めっき鋼板1の重ね部分11よりZn系めっき層2の蒸気3が溶融部4の表面5に向かって上昇していき、表面5から抜け出せない蒸気3がブローホール8として溶接部7内に残存していた。
【0007】
Zn系めっき層2の蒸気3の挙動が前記のような状態であるため、ブローホール8の発生位置は溶接部7ののど厚の位置に相当し、形状は、ほとんど溶接部7ののど厚方向に細長い楕円形状となっていた。溶接部7ののど厚方向におけるブローホール8の長径がブローホール8間で大差がないことがわかった。また、溶接部7ののど厚も溶接された領域において大差がなかった。
ブローホール8がない場合の溶接部7の接合強度は、溶接部7自体の引張強さWsとのど厚方向の断面積で決まるが、ブローホール8が発生した場合は前記の断面積からブローホール8の断面積を差し引いた値にしなくてはならない。つまり、ブローホール8が発生した場合の溶接部7の接合強度は、溶接部7自体の引張強さWに溶接部7ののど厚方向の断面積を乗じた値に、溶接部7ののど厚方向の断面積とブローホール8の断面積との比率を乗じることで得られる。溶接部7ののど厚方向の断面積とブローホール8の断面積との比率は、溶接部7ののど厚方向のブローホール8の長さやのど厚が溶接された領域内で大差がないことから、図2に示すように、溶接部7の表面から測定した溶接線12方向の各ブローホール長さL,L,・・・Lの積算値と溶接線12の溶接ビードの長さLとの比率で算出することができる。なお、この比率をブローホール占有率Bと称することとする。
【0008】
ところで、ブローホール8は、Zn系めっき層の厚みtが大きいほど、重ね合わされたZn系めっき鋼板1間の隙間Gが小さいほど多く発生する。また、Zn系めっき層2の蒸気3の溶融部4からの抜け出しやすさは、溶接ワイヤ10の成分やシールドガスの種類,流量などに左右される。
つまり、ブローホール占有率Bは、Zn系めっき層の厚さt,重ね合わされためっき鋼板1間の隙間G,溶接ワイヤ10の成分,シールドガスの種類,流量などで決まることになる。
すなわち、Zn系めっき鋼板のめっき層の厚みtと重ね合わされたZn系めっき鋼板1間の板間隙間Gに対する定性的な関係は図3に示すようになる。図3において、定性的な関係を示す直線の傾きは、使用する溶接ワイヤの成分,シールドガスの種類,流量などで決まる係数Aに左右される。
【0009】
そこで、重ねすみ肉溶接継手するZn系めっき鋼板と使用する溶接ワイヤ、およびシールドガスを用い、予め、めっき層2の厚みtおよび板間隙間Gを種々変更した予備溶接実験を行ってブローホール占有率Bを測定し、図3の関係を参酌して、下記(2)式から係数Aを求めた。
=A・t/(1+G)           ・・・(2)
ただし、tはめっき層の厚さ(mm),Gは重ね合わせた被溶接材間の板間隙間(mm)である。
【0010】
実際にZn系めっき鋼板を重ねすみ肉継手溶接した際の溶接部接合強度Tは、溶接部7の断面積からブローホール8の断面積を差し引いた値にしなくてはならない。
そして、溶接部7の接合強度Tが被溶接材の強度T・t・L以上となるには、以下(1)式を満足することが必要である。
T=W・t・(1−B)・L≧T・t・L  ・・・(1)
ただし、Tは溶接部の接合強度,Wはブローホールがない部分の溶接金属の引張強さ,Tは被溶接材の引張強さ,tはのど厚寸法,tは被溶接材の板厚,Bは溶接した長さに対する溶接線方向のブローホール長さの積算値との比率で、ブローホール長さは溶接部表面より測定した値,Lは溶接ビードの長さである。
この関係を満たすようなのど厚寸法tになるように、アーク電流,アーク電圧および溶接速度などを調整しながら溶接すると、接合強度が十分な重ねすみ肉溶接継手が得られる。
【0011】
なお、溶接部7自体の引張強さWは、ブローホールが発生しにくい単板でのビードオンプレート溶接を用い、溶接条件を種々変更してブローホール8が発生していない試験片を作製して機械的試験を行って予め求めておけばよい。
【0012】
【実施例】
実施例1:
板厚が2.3mmでめっき層2の厚みtが15μm,引張強さTが447N/mmのZn−Al−Mg系めっき鋼板1を用い、図1に示した重ねすみ肉継手のMAG溶接を行った。溶接条件は、溶接電流:150A,アーク電圧:20V,溶接速度:0.4m/minであり、溶接ビード長さLを300mmとした。シールドガスはAr−10%COガスを、流量15l/minにして用い、溶接ワイヤ10としてYGW14を用いた。その際の溶接金属自体の引張強さWは、455N/mmであった。
ブローホール占有率Bは、前記の溶接条件で板間隙間Gを0mm,0.2mm,0.4mm,0.6mmにしてMAG溶接し、溶接部7の表面からX線撮影した写真から測定した溶接線12方向の各ブローホール8の長さL,L,・・・Lと溶接ビードの長さLより算出した。一方、(2)式から板間隙間Gに対する係数Aを算出した。その結果、めっき層厚みt,板間隙間Gに応じて定数Aおよびブローホール占有率Bは表1に示す値となった。また、板間隙間Gとブローホール占有率Bの関係は図4に示す通りとなった。
表1の値と溶接金属自身の引張強さW,被溶接材の各諸元を(1)式に代入すると、溶接部7の接合強度Tが被溶接材の強度T・t・Lとなる、つまり強度比R{T/(T・t・L)}が1以上となるのど厚寸法tは、各ブローホール占有率Bとの関係で図5に示す関係となった。
【0013】
Figure 2004090017
【0014】
上記溶接条件での実際の溶接部7ののど厚寸法tは3.2mmであり、溶接ビードの長さL中で均一であったことから、そののど厚寸法tを用い、(1),(2)式により溶接部7の接合強度Tを求めると図6の実線で示す傾向となった。ここで、図5に示したようにブローホール占有率Bが30%以下では、のど厚寸法tが3.2mm以下で強度比Rが1以上となるため、ブローホール占有率Bが30%以下での溶接部7の接合強度Tは被溶接材の強度T・t・Lの値とした。
各板間隙間Gで作製した溶接サンプルより平行部幅25mmの試験片を切り出して引張せん断試験を行ったところ、図6の丸印プロット値となり、(1),(2)式より求めた溶接部7の接合強度Tとよく一致した。
【0015】
これにより、溶接ワイヤ10やシールドガス種類,流量などが決まれば、のど厚寸法tを測定するだけで溶接部7の接合強度Tを求めることができ、数多くの試験片を機械的試験する必要がない。このため、非常に短い時間で所定の接合強度Tが得られるアーク電流,アーク電圧などの溶接条件を把握してZn系めっき鋼板の重ねすみ肉継手溶接を行うことができた。
また、図5の関係からブローホール占有率Bに応じて、すなわち表1にもどり板間隙間G(0mm,0.2mm,0.4mm,0.6mm)に応じて、強度比R{T/(T・t・L)}が1以上になるようなのど厚寸法t(4.8mm,3.2mm,2.6mm,2.3mm)を確認し、その厚さ以上ののど厚が得られるようにアーク電流,アーク電圧あるいは溶接速度などを調整して溶接作業を行えば良いことがわかる。
【0016】
比較例1:
板間隙間Gを0mmから0.6mmまで0.05mm間隔で設定し、その他の条件は実施例1と同じにして、各板間隙間Gでの溶接サンプルを作成した。それらの溶接サンプルから平行部幅25mmの試験片を切り出して引張せん断試験を行った。その結果、図7に示すように図6で示した計算値と良く一致していたが、所定の接合強度Tが得られるアーク電流,アーク電圧などの溶接条件を得るために多大の時間を要した。
【0017】
実施例2:
溶接金属自体の引張強さWが500N/mmとなる溶接ワイヤ10を用い、その他の条件は同じにしてMAG溶接を行った。
同様にブローホール長さを測定し、(2)式により計算すると、めっき層厚みt,板間隙間Gに対する係数Aおよびブローホール占有率Bは表2に示す値となった。また、板間隙間Gとブローホール占有率Bの関係は図8に示す通りとなった。
表2の値と溶接金属自身の引張強さW,被溶接材の各諸元を(1)式に代入すると、溶接部7の接合強度Tが被溶接材の強度T・t・Lとなる、つまり強度比R{T/(T・t・L)}が1以上となるのど厚寸法tは、各ブローホール占有率Bとの関係で図9に示す関係となった。
【0018】
Figure 2004090017
【0019】
上記溶接条件での実際の溶接部7ののど厚寸法tは3.2mmであり、溶接ビードの長さL中で均一であったことから、そののど厚寸法tを用い、(1),(2)式により溶接部7の接合強度Tを求めると図10の実線で示す傾向となった。ここで、図9に示したようにブローホール占有率Bが35%以下では、のど厚寸法tが3.2mm以下で強度比Rが1以上となるため、ブローホール占有率Bが35%以下での溶接部7の接合強度Tは被溶接材の強度T・t・Lの値とした。
各板間隙間Gで作製した溶接サンプルより平行部幅25mmの試験片を切り出して引張せん断試験を行ったところ、図10の丸印プロット値となり、(1),(2)式より求めた溶接部7の接合強度Tとよく一致した。
【0020】
これにより、溶接ワイヤ10やシールドガス種類,流量などが決まれば、のど厚寸法tを測定するだけで溶接部7の接合強度Tを求めることができ、数多くの試験片を機械的試験する必要がない。このため、非常に短い時間で所定の接合強度Tが得られるアーク電流,アーク電圧などの溶接条件を把握してZn系めっき鋼板の重ねすみ肉継手溶接を行うことができた。
また、図9の関係からブローホール占有率Bに応じて、すなわち表2にもどり板間隙間G(0mm,0.2mm,0.4mm,0.6mm)に応じて、強度比R{T/(T・t・L)}が1以上になるようなのど厚寸法t(4.8mm,3.2mm,2.4mm,2.0mm)を確認し、その厚さ以上ののど厚が得られるようにアーク電流,アーク電圧あるいは溶接速度などを調整して溶接作業を行えば良いことがわかる。
【0021】
比較例2:
板間隙間Gを0mmから0.6mmまで0.05mm間隔で設定し、その他の条件は実施例2と同じにして、各板間隙間Gでの溶接サンプルを作成した。それらの溶接サンプルから平行部幅25mmの試験片を切り出して引張せん断試験を行った。その結果、図11に示すように図10で示した計算値と良く一致していたが、所定の接合強度Tが得られるアーク電流,アーク電圧などの溶接条件を得るために多大の時間を要した。
【0022】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、めっき鋼板を重ねすみ肉継手アーク溶接する際に、ブローホールが発生しても、予め使用する溶接金属自体の引張強さと
ブローホール占有率を把握しておけば、すみ肉溶接部ののど厚のみを所定値以上になるように溶接条件を調整しながらアーク溶接するのみで、所望の接合強度を有する重ねすみ肉継手溶接が行える。
必要な溶接部接合強度を、溶接後の溶接部から測定して溶接条件を調整するに比べて格段に効率良く所定値以上の接合強度が得られる最適溶接条件を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重ねすみ肉溶接継手の概略とブローホールの発生状況を説明する図。(a)のa−a線が(b)図、b−b線が(c)図、c−c線が(d)図。
【図2】ブローホール占有率の定義を説明する図。
【図3】Zn系めっき鋼板のめっき層厚みと、ブローホール占有率や重ねすみ肉継手の板間隙間との定性的な関係を説明する図。
【図4】実施例1での、板間隙間量と定数Aおよびブローホール占有率の関係を示す図。
【図5】実施例1での、ブローホール占有率の違いによるのど厚と強度比の関係を説明する図。
【図6】実施例1における、ブローホール占有率と接合強度の関係の計算値と実測値を表した図。
【図7】比較例1における、ブローホール占有率と接合強度の関係の実測値を表した図。
【図8】実施例2での、板間隙間量と定数Aおよびブローホール占有率の関係を示す図。
【図9】実施例2での、ブローホール占有率の違いによるのど厚と強度比の関係を説明する図。
【図10】実施例2における、ブローホール占有率と接合強度の関係の計算値と実測値を表した図。
【図11】比較例2における、ブローホール占有率と接合強度の関係の実測値を表した図。
【符号の説明】
1:めっき鋼板   2:めっき層   3:蒸気   4:溶融部
5:溶融部表面   6:アーク   7:溶接部   8:ブローホール
9:溶接トーチ   10:溶接ワイヤ   11:めっき鋼板の重ね部分
12:溶接線
,L,L,・・・L:溶接線方向のブローホール長さ
:溶接ビードの長さ

Claims (1)

  1. Zn系めっきを施しためっき鋼板を重ねすみ肉継手でアーク溶接により接合する際に、溶接金属自体の引張強さ(W)とのど厚寸法(t)とが下記式(1),(2)の関係を満たすのど厚寸法を確保するように溶接することを特徴とするZn系めっき鋼板のアーク溶接方法。
    T=W・t・(1−B)・L≧T・t・L  ・・・(1)
    =A・t/(1+G)           ・・・(2)
    ただし、Tは溶接部の接合強度(単位「N」、以下同様),Wはブローホールがない部分の溶接金属の引張強さ(N/mm),Tは被溶接材の引張強さ(N/mm),tはのど厚寸法(mm),tは被溶接材の板厚(mm),Bは溶接した長さに対する溶接線方向のブローホール長さの積算値との比率で、ブローホール長さは溶接部表面より測定した値,Lは溶接ビードの長さ(mm),Aは溶接ワイヤ成分やシールドガス種類,流量などで決まる定数,tはめっき層の厚さ(mm),Gは重ね合わせた被溶接材間の板間隙間(mm)である。
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