JP7230606B2 - 亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法 - Google Patents
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Description
ここで、前記a~dは、溶接部を含み、溶接のパスの進行方向に垂直な断面において測定された距離であって、aは、表ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、bは、表ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、cは、裏ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、dは、裏ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離である。
ここで、前記a~dは、溶接部を含み、溶接のパスの進行方向に垂直な断面において測定された距離であって、aは、表ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、bは、表ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、cは、裏ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、dは、裏ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離である。
本実施形態は、亜鉛系めっき鋼板を用いたレーザ溶接及びアーク溶接による複合溶接方法である。亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき層を有する第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を含み、レーザ溶接は、レーザビームのスポット直径を0.8mm以下で行い、アーク溶接は、直径1.2mm以下の溶接ワイヤを用いて行うことが好ましい。
レーザ溶接は、キーホール型の溶接方法、すなわち、母材裏側までの貫通孔を溶融金属内に形成させながら接合するタイプの溶接方法である。レーザビームのエネルギー密度が高いので、母材が急速に加熱及び溶融される。レーザビームのスポット直径が0.8mmを超えると、溶接ビードの幅が広がるため、亜鉛系めっき鋼板の溶接部近傍において、めっき層の消失範囲が拡大する恐れがある。また、溶接部と母材との間にアンダーカットが形成される傾向がある。これらの観点から、本実施形態は、レーザビームのスポット直径を0.8mm以下でレーザ溶接を行うことが好ましい。
アーク溶接で使用する溶接ワイヤの直径が1.2mm以上であると、溶接ワイヤを溶融させるために加熱する入熱が大きくなって、溶接部近傍におけるめっき層が消失する領域が拡大する恐れがある。そのため、本実施形態は、直径1.2mm以下の溶接ワイヤを用いて溶接を行うことが好ましい。
亜鉛系めっき鋼板の表面に存在する亜鉛系めっき層は、溶接部においては溶融によって消失する。溶接部近傍においても、溶接時の加熱によって、めっき層の一部が蒸発して消失する。当該めっき層の消失範囲が大きいと、亜鉛系めっき鋼板が保有する耐食性が低減する。そのため、溶接部近傍におけるめっき層の消失範囲は、小さいことが好ましい。
本実施形態は、亜鉛系めっき層を有する第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を含み、a,b,c,d≦2mmであって、裏ビードが0.2mm以上である溶接部を有する、亜鉛系めっき鋼板の溶接構造体であることが好ましい。上記のa~dは、溶接部を含み、溶接のパスの進行方向に垂直な断面において測定された距離であって、以下の距離に相当する。溶接のパスの進行方向に沿って溶接線が形成されるので、当該断面は、溶接線に垂直な断面であるともいえる。
表1に溶接条件を示す。表1の「めっき層」欄には、Zn-6%Al-3%Mg組成のめっき層を有するめっき鋼板を用いた例を「1」で表示し、Zn-10%Fe組成のめっき層を有するめっき鋼板を用いた例を「2」で表示した。試験材No.1~No.14は、レーザ溶接及びアーク溶接を併用する複合溶接を施した。試験材No.1~No.5、試験材No.9~No.14は、レーザ溶接を先行させて溶接した。試験材No.6~No.8は、アーク溶接を先行させて溶接した。試験材No.15~No.18は、複合溶接と対比するため、レーザ溶接またはアーク溶接の何れか一方による単独溶接を突合せ部に対して片側から施した比較例である。
試験体を溶接線(溶接のパスの進行方向)に対して垂直に切断し、溶接部を含む断面の拡大画像により、鋼板表面のめっき層の状況を観察した。図1に示すように、溶接部の表ビード及び裏ビードの周辺においてめっき層が消失し、溶接ビードから離れた箇所にめっき層が残存する領域21、22、23、24が観察された。このめっき層の消失した領域が存在する範囲を評価するため、接触箇所からめっき層が残存する領域までの距離であるa~dを測定した。長さ50cmの溶接部において5cmピッチで10箇所のa~dを測定し、その平均値を算出した。これらの測定結果を表1に示す。
上記の溶接部の断面においてアンダーカットの程度を観察した。表ビードについては、アンダーカットを測定した。日本建築学会発行の「建築工事標準仕様書6 鉄骨工事」の「付則6.鉄骨精度検査基準」で推奨されている管理許容値の0.3mmを基準にして、アンダーカットが0.3mm以下である場合を良好であると判定し、0.3mm超である場合を不適であると判定した。アンダーカットに関する評価結果を表1に示す。良好である場合を「○」で示し、不適である場合を「×」で示した。
2 第2めっき鋼板
3 第1めっき鋼板の表面
4 第2めっき鋼板の端面
5 第2めっき鋼板の表面
6 第2めっき鋼板の表面
7 第1接触箇所
8 第2接触箇所
9 表ビード
10 裏ビード
11 被溶接材(フランジ材)
12 被溶接材(ウェブ材)
21、22、23、24 めっき層の残存領域
Claims (4)
- 亜鉛系めっき鋼板を用いたレーザ溶接及びアーク溶接による複合溶接方法であって、
前記亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき層を有する第1めっき鋼板と第2めっき鋼板を含み、
前記レーザ溶接は、レーザビームのスポット直径を0.8mm以下で行い、前記アーク溶接は、直径1.2mm未満の溶接ワイヤを用いて行い、
前記第1めっき鋼板の表面に前記第2めっき鋼板の端面を突き合わせた部分において、当該部分の片側から前記レーザ溶接及び前記アーク溶接を1パスで進行させる、亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。 - 前記亜鉛系めっき層の消失範囲が、a,b,c,d≦2mmである溶接部を形成する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
ここで、前記a~dは、溶接部を含み、溶接のパスの進行方向に垂直な断面において測定された距離であって、
aは、表ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、
bは、表ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第1接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、
cは、裏ビード側の前記第1めっき鋼板の表面上において、前記第1めっき鋼板の表面と前記第2めっき鋼板の端面との第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離、
dは、裏ビード側の前記第2めっき鋼板の表面上において、前記第2接触箇所から前記めっき層が残存する領域までの距離である。 - 前記アーク溶接は、シールドガスとして、アルゴンガスに2~30体積%の炭酸ガスを混合したガスを用いる、請求項1または2に記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
- 前記第1めっき鋼板がフランジ材であり、前記第2めっき鋼板がウェブ材である、請求項1~3のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の複合溶接方法。
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