JP2004089787A - 分散剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用インク、塗料等の顔料分散剤として用いられる優れた性能を有する分散剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリルアミン又はポリエチレンイミンとポリエステルを反応させて得られる化合物は印刷用インク、塗料等の顔料分散剤として有用であることが知られている。例えば、特開平9−169821号公報には、ポリアリルアミンと各種ポリエステルから合成された分散剤が報告されている。また、特開平11−197485号公報には、ポリエチレンイミンと各種ポリエステルから合成された分散剤が報告されており、特開昭54−37082号公報には、ポリエチレンイミンと、12−ヒドロキシステアリン酸の縮合物であるポリエステルとから合成された分散剤が報告されている。これらの分散剤の構造において、ポリアリルアミン又はポリエチレンイミンにより主鎖が構成され、それに前記ポリエステル或は縮合物が複数の側鎖を構成して結合し、全体として櫛型構造を形成している。
【0003】
一方、分散剤を使用するインキ、塗料業界ではその製造工程において、環境への配慮から、トルエンなどの非極性溶剤を使用せずに、アルコールなどの極性溶剤を使用する指向が強くなっている。これに対し、上記公報に示されている従来の分散剤はアルコール等の極性溶剤には溶解しないため低公害型分散剤としての効果がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、アルコール等の極性溶剤に広い温度範囲で溶解し、顔料などの固体微粒子に対し、十分な分散、及び減粘効果を有する分散剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの検討により、櫛型構造を有する重合体性分散剤の溶剤に対する溶解性は、その側鎖部分の分子構造に依存することが確認された。そして、特定のポリアミンに、側鎖として特定のエーテルカルボン酸を特定の比率で導入したポリアミン誘導体からなる分散剤が、極性溶剤に溶解し、固体微粒子に対して高い分散性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明の分散剤は、分子当り2個以上の第一級及び/又は第2級アミノ基を有し、かつ2〜1800個の窒素原子を含むポリアミン化合物1質量部と、下記一般式(1):
【化2】
〔但し、式(1)において、R1 は1〜22個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を表わし、Xは、k個のプロピレンオキシ基(−CH2 −CH(CH3 )−O−)と、m個のエチレンオキシ基(−CH2 −CH2 −O−)とのランダム重合又はランダムな順序におけるブロック重合により形成された2価の重合体基を表し、kは0〜50の整数を表わし、mは10〜100の整数を表わし、但し、k+m=10〜150であり、pは1又は2の整数を表わす〕
により表わされるエーテルカルボン酸化合物1〜50質量部との反応により生成した変性ポリアミン化合物、又はその塩を主成分として含むことを特徴とするものである。
本発明の分散剤において、前記ポリアミン化合物が、ポリ(低級アルキレンイミン)(但し、前記低級アルキレンは2〜4個の炭素原子を有する)及びポリアリルアミンから選ばれることが好ましい。
本発明の分散剤において、前記変性ポリアミン化合物の塩が、前記変性ポリアミン化合物と、硫酸、酢酸、塩酸、燐酸、及びアルキルスルホン酸から選ばれた少なくとも1種の酸との塩、並びに前記変性ポリアミン化合物と、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジメチル、ハロゲン化メチル及びハロゲン化エチルから選ばれた少なくとも1種の第四級化剤との塩から選ばれることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の分散剤用変性ポリアミン化合物の主鎖の構成に用いられるポリアミン化合物は、分子当り2個以上の第一級及び/又は第二級アミノ基を有し、かつ2〜1800個の窒素原子を含むものである。1分子当りの窒素原子数が1では得られる分散剤の分散性能が不十分であり、またそれが、1800を超えると溶剤特に極性溶剤への溶解性が不十分になり、かつ、分散性能も不良になる。ポリアミン化合物としては、ポリ(低級アルキレンイミン)やポリアリルアミンが好ましい。ここで、低級アルキレンとは、2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。ポリ(低級アルキレンイミン)としては、ポリエチレンイミンを用いることが好ましい。
【0008】
本発明の分散剤用変性ポリアミン化合物において、前記ポリアミン化合物1質量部に対し、前記一般式(1)のエーテルカルボン酸1〜50質量部が櫛の歯状にグラフト重合される。
一般式(1)のエーテルカルボン酸において、R1 基は1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、−X−基は、k個(0〜50)のプロピレンオキシ(−CH2 −CH(CH3 )−O−)基と、m個(10〜100、但し、k+m=10〜150)のエチレンオキシ(−CH2 CH2 −O−)基とのランダム重合又はランダムな順序におけるブロック重合により形成された2価の重合体基であり、pは1又は2の整数を表す。
式(1)のエーテルカルボン酸の一例を下記一般式(1a)により示す。
【化3】
式(1a)中R1 ,k,m及びpは前記定義のとおりである。式(1a)中の−(−CH2 −CH(CH3 )−O−)−k 基と−(−CH2 −CH2 −O−)m −基とは、その配置位置を互いに入れ替えられていてもよく、或は、それぞれが2以上のブロックに分れてランダムな順序でブロック重合していてもよく、或はk個の−(−CH2 −CH(CH3 )−O−)−基とm個の−(−CH2 −CH2 −O−)−基とは、ランダム重合していてもよい。
【0009】
一般式(1)又は(1a)で表されるエーテルカルボン酸kは0〜50の整数であり、mは10〜100の整数であり、かつk+m=10〜150である。kはプロピレンオキシドの付加モル数であるが、それが50を超えると得られる変性ポリアミン化合物の溶剤への溶解性が不良になり、かつ分散性能が不十分になる。mはエチレンオキシドの付加モル数であるが、それが100を超えると溶剤への溶解性が不良になると共に分散性能が不十分になる。またmの値が10未満、つまり、9以下では得られる変性ポリアミン化合物の分散性能が不十分になる。エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基は任意の順序に配列されていても良く、ランダム重合あるいはブロック重合していてもよい。また、R1は1〜22の炭素原子を有する直鎖状あるいは分枝鎖状の脂肪族炭化水素基である。R1基の炭素原子数が22を超えると、得られる変性ポリアミン化合物の溶剤への溶解性が不良になり、かつその分散性能が不十分になる。
【0010】
ポリアミン化合物に対するエーテルカルボン酸化合物の導入量は、ポリアミン化合物1質量部に対して1から50質量部であり、1〜40質量部であることが好ましく、3〜25質量部であることがさらに好ましい。それが50質量部を超えると得られる変性ポリアミン化合物の分散性が不十分になる。
【0011】
本発明の変性ポリアミン化合物の製造方法に、特に限定はないが、例えば下記の方法により製造することができる。
すなわち、分子当り2個以上の第一級及び/又は第二級アミノ基を有し、かつ2〜1800個の窒素原子を含むポリアミン化合物1質量部と、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸化合物1〜50質量部とを、80〜180℃、好ましくは100〜150℃で1〜10時間反応することにより製造できる。
【0012】
一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸において、pが1である化合物は、一般式(2):
【化4】
〔但し、式(2)中、R1、k、mは前記と同じ)で表されるポリ(アルキレンオキシ)モノエーテル化合物のヒドロキシル基を、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水素化物などによりアルコキシド化し、これに、モノクロロ酢酸ナトリウムなどのハロゲン化酢酸アルカリ金属塩を、反応温度60〜130℃、好ましくは80〜110℃で反応させ、反応生成物を硫酸、又は塩酸などを用いて酸析することにより製造することができる。
【0013】
また、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸において、pが2である化合物は、一般式(2)で表されるポリ(アルキレンオキシ)モノエーテルに、トルエン溶媒中、アクリロニトリルを20〜70℃、好ましくは30〜50℃で反応させ、得られた反応生成物を塩酸あるいは硫酸などの酸を使用し、50〜100℃、好ましくは80〜100℃の温度において加水分解することにより製造することができる。
【0014】
一般式(2)で表されるポリ(アルキレンオキシ)モノエーテルは、炭素数1〜22の直鎖あるいは分枝鎖の脂肪族炭化水素基を有するアルコールに、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属カルボキシレート、又は3級アミンからなる触媒の存在下に、エチレンオキシドのみ、あるいは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとをランダム状あるいはブロック状に付加反応させることにより製造することができる。
反応は、有機物の酸素による分解を防ぐために、窒素雰囲気中で行うことが好ましい。
【0015】
本発明の変性ポリアミン化合物は、遊離アミンの形であってもよく、或は塩の形でもよい。塩は変性ポリアミン化合物と、酸を反応させるか、アミノ基を4級化することで形成することができる。これに使用できる酸は、硫酸、酢酸、塩酸、燐酸、アルキルスルホン酸である。また、アミノ基の4級化剤は、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジメチル、ハロゲン化メチルおよびハロゲン化エチルなどを包含する。
【0016】
本発明の分散剤は、二酸化チタン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、クロム酸塩、カーボンブラック、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、プルシアンブルー、ウルトラマリン等の無機顔料を、また、アゾ系、ジアゾ系、チオインジゴ系、インダントロン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、イソベンズアントロン等の有機顔料を良好に分散することができ、印刷インキ、塗料等の製造に有用なものである。
【0017】
【実施例】
本発明を下記実施例により具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により、限定されるものではない。
【0018】
エーテルカルボン酸化合物の製造例
製造例1 エーテルカルボン酸(1)の製造
200ml容量の四ツ口フラスコに、ラウリルアルコール(新日本理化(株)製、商標:カルコール2098)150.0g、ナトリウムメトキシドメタノール溶液(ナトリウムメトキシドとして28.0%含有、商標:SM−28、川研ファインケミカル製、以下これをSM−28と記す)2.63gを仕込み、両者を減圧下、温度90℃において、50分反応させた。次に、反応物混合物の全量を2リットルオートクレーブに仕込み、110℃に昇温後、エチレンオキサイド(以下、EOと記す)351.9g(10倍モル vs ラウリルアルコール)を、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように、3時間かけて添加し反応させた。反応終了後、反応物の質量は497.4gであり、水酸基価は80.4mgKOH/gであった。得られたEO10モル付加物400.0gと、113.9gのSM−28とを四ツ口フラスコに仕込み、減圧下80℃において、3.5時間攪拌して、アルコキシドを合成した。この四つ口フラスコ中に、さらにトルエン200.0g、及びモノクロロ酢酸ナトリウム77.27g(純度95%)を仕込み、110℃において14時間攪拌した。得られた反応混合物を80℃に冷却し、これに水244.8gと、75%硫酸水溶液74.93gとを投入し、この混合物を80℃において30分攪拌し、30分静置した後、分液を行って反応生成物のトルエン溶液を捕集した。その後、この捕集された反応生成物のトルエン溶液に、さらに10%硫酸ナトリウム水溶液244.8gによる洗浄を2回施した。反応生成物のトルエン溶液を濃縮後、析出した塩をろ過除去した。416.5gのエーテルカルボン酸化合物(1)を得た。その酸価は84.4mgKOH/gであった。
【0019】
製造例2 エーテルカルボン酸(2)の製造
容量1リットルのオートクレーブに、メタノール20.6gと、11.9gのSM−28とを仕込み、この混合物の温度を110℃に昇温後、898.2gのEO(21倍モル vs メタノール)を、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように7.5時間かけて添加して反応させた。反応終了後、さらにEO付加を行うためオートクレーブ内の反応混合物の質量が245.0gになるように反応物の一部分を取り出した。その後、反応混合物の温度を110℃に昇温し、479.5gのEO(45倍モル vs メタノール、総計で66倍モル)をオートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように5時間かけて添加して反応させた。反応終了後、反応生成物の質量は718.1gであり、かつ、水酸基価は19.1mgKOH/gであった。このEO66モル付加物340.0gと、23.0gのSM−28とを四ツ口フラスコに仕込み、減圧下、80℃において3.5時間攪拌し、アルコキシドを合成した。このフラスコ中に、さらにトルエン170.0g、及びモノクロロ酢酸ナトリウム15.61g(純度95%)を仕込み、反応混合物を110℃で14時間攪拌して反応させた。反応混合物を製造例1と同様に処理し、344.3gのエーテルカルボン酸(2)を得た。その酸価は16.1mgKOH/gであった。
【0020】
製造例3 エーテルカルボン酸(3)の製造
容量2リットルのオートクレーブに、メタノール20.6gと、11.8gのSM−28とを仕込み、この混合物の温度を110℃に昇温後、これに1587.3g(28倍モル vs メタノール)のプロピレンオキサイド(以下、POと記す)を、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように12時間かけて添加し反応させた。反応終了後、さらにEO付加を行うため、オートクレーブ内の反応物の質量が643.0gになるように反応物の一部分を取り出した。その後、オートクレーブ中の反応生成物を110℃に昇温し、478.9g(28倍モル vs メタノール)のEOを、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように5時間かけて添加し反応させた。反応終了後、反応生成物の質量は1120.4gであり、その水酸基価は19.4mgKOH/gであった。得られたPO28モル−EO28モル付加物400.0gと、トルエン400.0gとを2リットルの四ツ口フラスコに仕込み、50℃に加熱し、この混合物中に、アクリロニトリル7.32gを1時間かけて滴下して反応させた。滴下終了後50℃で1時間攪拌してさらに反応させ、反応生成物に、36%塩酸28.0gを添加して、80℃で10時間攪拌して加水分解した。その後、得られた反応混合物に静置〜分液処理を施し、さらに捕集有機相フラクションを水100.0gにより2回、洗浄した。有機相フラクションを濃縮後、析出した塩をろ過除去し、エーテルカルボン酸(3)を401.5gの収量で得た。その酸価は16.4 4mgKOH/gであった。
【0021】
製造例4 エーテルカルボン酸(4)の製造
容量2リットルのオートクレーブに、1−ブタノール40.0g、及び水酸化ナトリウム 0.71gを仕込んだ。この混合物の温度を110℃に昇温後、1569.0g(66倍モル vs 1−ブタノール)のEOを、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように、12時間かけて添加し反応させた。反応終了後、反応生成物の質量は1600.9gであり、水酸基価は18.8mgKOH/gであった。得られたEO66モル付加物400.0gと、26.6gのSM−28とを、四ツ口フラスコに仕込み、減圧下80℃において3.5時間攪拌して反応させて、アルコキシドを合成した。このフラスコ中に、さらに、トルエン200.0gと、モノクロロ酢酸ナトリウム18.08g(純度95%)とを仕込み、反応混合物を110℃で14時間攪拌し反応させた。得られた反応混合物を、製造例1と同様に処理し、394.9gのエーテルカルボン酸(4)を得た。酸価は15.6mgKOH/gであった。
【0022】
製造例5 エーテルカルボン酸(5)の製造
容量2リットルのオートクレーブに1−ブタノール50.0g、及び水酸化ナトリウム0.89gを仕込んだ。この混合物の温度を110℃に昇温後、1097.0g(28倍モル vs 1−ブタノール)のPOを、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように12時間かけて添加し、反応させた。反応終了後、さらにEO付加を行うため、オートクレーブ内の反応物の質量が450.0gになるように反応物の一部を取り出した。その後、反応生成物の温度を110℃に昇温し、483.9g(28倍モル vs 1−ブタノール)のEOを、オートクレーブの内圧が0.2〜0.4MPaになるように5時間かけて添加し、反応させた。反応終了後、反応生成物の質量は924.5gであり、その水酸基価は27.51mgKOH/gであった。このPO28−EO28モル付加物400.0gと、39.0gのSM−28とを四ツ口フラスコに仕込み、減圧下80℃において3.5時間攪拌し反応させてアルコキシドを合成した。このフラスコに、さらにトルエン200.0g、及びモノクロロ酢酸ナトリウム26.44g(純度95%)を仕込み、反応混合物を110℃において、14時間攪拌し反応させた。得られた反応混合物を製造例1と同様にして処理し、393.9gのエーテルカルボン酸(5)を得た。その酸価は24.9mgKOH/gであった。
【0023】
製造例6及び7 エーテルカルボン酸(6)及び(7)の製造
製造例6及び7の各々において、製造例5と同様にして、但し、表1に示した量のEO及びPOを用いて、エーテルカルボン酸(6)又は(7)を製造した。
【0024】
製造例8 エーテルカルボン酸8
製造例1と同様にして、但し、表1に示したアルコールを用い、かつ表1に示した添加量のEOを用いて、エーテルカルボン酸(8)を製造した。
【0025】
製造例9〜13 エーテルカルボン酸(9)〜(13)の製造
製造例9〜13の各々において、製造例1と同様にして、但し、表1に示した量のEO及びPOを用いて、エーテルカルボン酸(9)〜(13)を製造した。
【0026】
【表1】
【0027】
変性ポリアミン化合物の製造
実施例1 変性ポリアミン化合物(1)の製造
容量200mlの四ツ口フラスコに、ポリアリルアミン(日東紡績(株)製、商標:PAA−01、質量平均分子量:約1000、純分:15.0%水溶液)100.0gと、エーテルカルボン酸(1)55.5gとを仕込んだ。この混合物を減圧下、100℃において脱水した後、その温度を150℃まで昇温し、圧力1.3kPa下で、2時間反応させて、変性ポリアミン化合物(1)153.9gを調製した。その酸価は20.6mgKOH/gでありアミン価は166.9mgKOH/gであった。
【0028】
実施例2 変性ポリアミン化合物(2)の製造
容量200ml四ツ口フラスコに、ポリエチレンイミン((株)日本触媒製、商標:エポミンSP−012、数平均分子量約1200)27.0gと、エーテルカルボン酸(1)を99.9gとを仕込んだ。この混合物を150℃まで昇温し、圧力1.3kPa下で、2時間反応させて、変性ポリアミン化合物(2)、125.6gを得た。その酸価は18.6mgKOH/gであり、アミン価は164.9mgKOH/gであった。
【0029】
実施例3〜17 変性ポリアミン化合物(2)〜(17)の製造
実施例3〜17の各々において、実施例1又は4と同様にして、但し、表2又は表3に示したポリアミン(ポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン)、及びエーテルカルボン酸を、表2又は表3に記載の添加量で用いて変性ポリアミン化合物(2)〜(17)を製造した。
【0030】
実施例18 変性ポリアミン化合物塩(18)の製造
容量100mlの四ツ口フラスコに、変性ポリアミン化合物(17)(実施例17)50.0gと、ジメチル硫酸4.0gとを仕込み、100℃で1時間反応させて、変性ポリアミン化合物塩(18)を製造した。
【0031】
実施例19 変性ポリアミン化合物(19)の製造
実施例19において、実施例1と同様にして、但し、表3に示されたポリアミン化合物及びエーテルカルボン酸化合物を表3に記載の添加量で用いて、変性ポリアミン化合物(19)を製造した。
【0032】
実施例20 変性ポリアミン化合物塩(20)の製造
実施例18と同様にして、但し、変性ポリアミン化合物(17)に換えて変性ポリアミン化合物(19)(実施例19)を使用して、変性ポリアミン化合物塩(20)を製造した。
【0033】
実施例21〜28 変性ポリアミン化合物(21)〜(28)の製造
実施例21〜28の各々において、表2に記載の実施例と同様にして、但し、表2に記載のポリアミン化合物、エーテルカルボン酸化合物を、表4に記載の質量比で用いて、変性ポリアミン化合物(21)〜(28)を製造した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
溶解性試験
実施例1から28で得られた変性ポリアミン化合物(1)〜(28)の極性溶剤への溶解性について調査し、その結果を表5に示す。
【0038】
分散性能試験
また、得られたポリアミン誘導体の分散性能試験を行った。分散性能は沈降安定性試験と減粘試験によって評価した。
沈降安定性試験…試験管に、顔料として、酸化チタン(テイカ社製、商標:JR)、カーボンブラック(コロンビアン・カーボン日本社製、商標:ラーベン780)、カーミンレッド(大日精化工業社製、商標:セイカファーストカーミン1476T−7)、シアニンブルー(大日精化工業社製、商標:シアニンブルー4927−EP)の4種類のそれぞれ100mgを入れ、それに、供試変性ポリアミン化合物を0.5%濃度に調整した溶剤溶液1.0gを添加し、溶剤で全体を10mlに希釈した。倒立攪拌を30回施し、静置210分後の分散層の厚さを測定した。結果を表6および表7に示す。
減粘試験…2−プロパノール、あるいは水/2−プロパノール=1/1(質量比)混合液に、実施例1〜28の変性ポリアミン化合物の各々を溶解して分散剤溶液を調製し、前記顔料に所定量添加後、乳鉢で5分混練後の粘度を測定した(B型粘度計、ローター2100rpm)。表8には各種顔料の使用量、分散剤溶液添加量を示す。また、表9および表10には減粘試験結果を示す。
【0039】
表5〜10に記載の比較例1は、供試試料として、市販分散剤、Solsperse 20000(商標)、Avecia Limited製を用いたものであり、比較例2は、供試試料として、特開平9−169821号公報、実施例9により得られた化合物を使用したものである。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】
【表10】
【0046】
【発明の効果】
本発明の変性ポリアミン化合物からなる分散剤は、従来の分散剤よりも極性溶剤に対する溶解性に優れ、良好な分散性能を有する。このため、本発明の分散剤は環境への影響が少ないアルコールなどの極性溶媒を使用して製造する印刷用インキ、塗料等の顔料分散剤として有用である。
Claims (3)
- 分子当り2個以上の第一級及び/又は第2級アミノ基を有し、かつ2〜1800個の窒素原子を含むポリアミン化合物1質量部と、下記一般式(1):
により表わされるエーテルカルボン酸化合物1〜50質量部との反応により生成した変性ポリアミン化合物、又はその塩を主成分として含む分散剤。 - 前記ポリアミン化合物が、ポリ(低級アルキレンイミン)(但し、前記低級アルキレンは2〜4個の炭素原子を有する)及びポリアリルアミンから選ばれる、請求項1に記載の分散剤。
- 前記変性ポリアミン化合物の塩が、前記変性ポリアミン化合物と、硫酸、酢酸、塩酸、燐酸、及びアルキルスルホン酸から選ばれた少なくとも1種の酸との塩、並びに前記変性ポリアミン化合物と、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジメチル、ハロゲン化メチル及びハロゲン化エチルから選ばれた少なくとも1種の第四級化剤との塩から選ばれる、請求項1又は2に記載の分散剤。
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