JP2004089003A - 海苔製造機及び海苔の乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、抄製した海苔を搬送するための搬送装置を乾燥室の内部に配設し、同搬送装置の搬送経路中途部に、比較的高い温度で乾燥を行う高温乾燥部と、比較的低い温度で乾燥を行う低温乾燥部と、両乾燥部の間の温度で乾燥を行う中温乾燥部とをそれぞれ形成してなる海苔製造機において、搬送装置は、低温乾燥部、高温乾燥部、中温乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成することにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海苔製造機及び海苔の乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の海苔製造機は、熱風を下方から上方に向けて送風する熱風送風装置を乾燥室に連通連結し、同乾燥室の内部に抄製した海苔を搬送するための搬送装置を配設していた。
【0003】
そして、搬送装置で海苔を乾燥室の上部、中部、下部の順に搬送して海苔の乾燥を行うもの(たとえば、特許文献1参照。)、及び搬送装置で海苔を乾燥室の下部、上部、中部の順に搬送して海苔の乾燥を行うものがあった(たとえば、特許文献2参照。)。
【0004】
ここで、熱風送風装置によって熱風が乾燥室の下方から上方に向けて送風されることから、乾燥室の上部は比較的温度が低く、乾燥室の下部は比較的温度が高く、乾燥室の中部は上部と下部との間の温度となっている。
【0005】
そのため、搬送装置で海苔を乾燥室の上部、中部、下部の順に搬送して海苔の乾燥を行う場合には、海苔は、低温乾燥、中温乾燥、高温乾燥の順で乾燥が行われることになり、また、搬送装置で海苔を乾燥室の下部、上部、中部の順に搬送して海苔の乾燥を行う場合には、海苔は、高温乾燥、低温乾燥、中温乾燥の順で乾燥が行われることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−45153号公報(図1)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−318400号公報(図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、海苔を低温乾燥、中温乾燥、高温乾燥の順で乾燥させた場合には、最後の高温乾燥時に乾燥温度を高くし過ぎると、海苔が海苔簀から剥離してしまったり、或いは海苔の角が欠けてしまうおそれがあった。
【0009】
また、海苔を高温乾燥、低温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させた場合には、最初の高温乾燥時に乾燥温度を高くし過ぎると、抄製直後の生海苔が急激に加熱乾燥されることで海苔に縮みが生じるおそれがあった。
【0010】
このように、上記従来の海苔乾燥装置にあっては、特に高温乾燥時に海苔の不良が発生するおそれがあり、これによって、生産能力を向上させることができなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に係る本発明では、抄製した海苔を搬送するための搬送装置を乾燥室の内部に配設し、同搬送装置の搬送経路中途部に、比較的高い温度で乾燥を行う高温乾燥部と、比較的低い温度で乾燥を行う低温乾燥部と、両乾燥部の間の温度で乾燥を行う中温乾燥部とをそれぞれ形成してなる海苔製造機において、搬送装置は、低温乾燥部、高温乾燥部、中温乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成することにした。
【0012】
また、請求項2に係る本発明では、前記中温乾燥部を、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とから形成し、搬送装置は、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成することにした。
【0013】
また、請求項3に係る本発明では、熱風を下方から上方に向けて送風する熱風送風装置を乾燥室に連通連結し、同乾燥室の内部に抄製した海苔を搬送するための搬送装置を配設してなる海苔製造機において、搬送装置は、乾燥室の上部、下部、中部の順に海苔を搬送すべく構成することにした。
【0014】
また、請求項4に係る本発明では、前記乾燥室の中部に、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とを形成し、搬送装置は、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成することにした。
【0015】
また、請求項5に係る本発明では、抄製した海苔を比較的低い温度で乾燥させる低温乾燥工程を行った後に、比較的高い温度で乾燥させる高温乾燥工程を行い、その後、両工程の間の温度で乾燥させる中温乾燥工程を行うことにした。
【0016】
また、請求項6に係る本発明では、前記中温乾燥工程は、比較的高い湿度で海苔を乾燥させる高湿乾燥工程を行った後に、比較的低い湿度で海苔を乾燥させる低湿乾燥工程を行うことにした。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る海苔製造機は、前後方向に伸延させた矩形箱型状の機枠に、簀枠を搬送するための簀枠搬送装置を配設し、同簀枠搬送装置の搬送経路中途部に、抄き装置、脱水装置、乾燥装置、剥離装置を順に配設したものである。
【0018】
そして、乾燥装置は、熱風を下方から上方に向けて送風する熱風送風装置を乾燥室に連通連結し、同乾燥室の内部に抄製した海苔を搬送するための搬送装置を配設したものである。
【0019】
しかも、搬送装置は、乾燥室の上部、下部、中部の順に海苔を搬送するように構成したものである。
【0020】
ここで、熱風送風装置によって熱風が乾燥室の下方から上方に向けて送風されることから、乾燥室の上部は比較的温度が低く、乾燥室の下部は比較的温度が高く、乾燥室の中部は上部と下部との間の温度となっている。
【0021】
したがって、海苔を乾燥室の上部、下部、中部の順に搬送することによって、海苔は低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥されることになる。
【0022】
すなわち、本発明に係る海苔製造機は、抄製した海苔を搬送するための搬送装置を乾燥室の内部に配設し、同搬送装置の搬送経路中途部に、比較的高い温度で乾燥を行う高温乾燥部と、比較的低い温度で乾燥を行う低温乾燥部と、両乾燥部の間の温度で乾燥を行う中温乾燥部とをそれぞれ形成し、しかも、搬送装置は、低温乾燥部、高温乾燥部、中温乾燥部の順に海苔を搬送するように構成したものである。
【0023】
このようにして、海苔を低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させた場合には、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても海苔に不良が発生するおそれが無く、これにより、乾燥時間の短縮化を図ることができて、海苔製造機の生産能力を向上させることができる。
【0024】
すなわち、海苔を低温乾燥によって予め加熱した後に高温乾燥させているため、抄製直後の生海苔が低温度で予備加熱され、その後に高温乾燥されることになり、海苔の縮みの発生を未然に防止することができる。
【0025】
また、比較的水分を含んでいる状態で海苔を高温乾燥させているため、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても、海苔が海苔簀から剥離してしまったり、或いは海苔の角が欠けてしまうことが無い。
【0026】
そのため、高温乾燥時の乾燥温度を高くすることができ、これにより、乾燥時間を短縮することができ、海苔の製造に要する製造時間を短縮することができるので、単位時間内に製造できる海苔の量を増大することができ、よって、海苔製造機の生産能力を向上させることができる。
【0027】
特に、最後に行う中温乾燥を、比較的湿度が高い高湿乾燥と、比較的湿度が低い低湿乾燥とに分け、高湿乾燥、低湿乾燥の順に海苔を乾燥するようにした場合には、乾燥の最後で低湿状態での乾燥を行うことになり、海苔の含水率を減少させることができるので、海苔にくもりが発生するのを未然に防止することができ、これにより、海苔の品質を向上させることができる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
本発明に係る海苔製造機1は、図1に示すように、前後方向に伸延させた矩形箱型状の機枠2に、簀枠3を搬送するための簀枠搬送装置4を配設し、同簀枠搬送装置4の搬送経路中途部に、抄き装置5、脱水装置6、乾燥装置7、剥離装置8を順に配設している。なお、簀枠搬送装置4、抄き装置5、脱水装置6、乾燥装置7、剥離装置8は、機枠2に配設した駆動装置(図示省略)によって連動して動作するようになっている。
【0030】
機枠2は、抄き装置5、脱水装置6、及び剥離装置8を支持する矩形箱型枠状の作業機側機枠10と、同作業機側機枠10の後端部に連設するとともに乾燥装置7を配設した矩形箱型枠状の乾燥機側機枠11とから構成している。
【0031】
簀枠搬送装置4は、簀枠3を抄き装置5、脱水装置6、剥離装置8へと順に搬送するために作業機側機枠10に設けた作業機側簀枠搬送機構12と、簀枠3を乾燥装置7の内部で搬送するために乾燥機側機枠11に設けた乾燥機側簀枠搬送機構9とから構成している。
【0032】
そして、簀枠搬送装置4は、作業機側簀枠搬送機構12によって簀枠3を抄き装置5から脱水装置6へと搬送した後、簀枠3を作業機側簀枠搬送機構12から乾燥機側簀枠搬送機構9へと受け渡し、同乾燥機側簀枠搬送機構9によって簀枠3を乾燥装置7の内部で搬送した後に、簀枠3を乾燥機側簀枠搬送機構9から作業機側簀枠搬送機構12へと受け渡し、作業機側簀枠搬送機構12によって簀枠3を剥離装置8へと搬送し、その後再び、抄き装置5へと搬送して、簀枠3を循環させるようにしている。
【0033】
作業機側簀枠搬送機構12は、作業機側機枠10の左右側前後端部に左右一対の駆動スプロケット13,13と従動スプロケット14,14とを回動自在に配設し、駆動スプロケット13,13と従動スプロケット14,14との間に左右一対の簀枠搬送チェン15,15を縣架している。図中、16はスプロケットである。
【0034】
簀枠3は、平面視で梯子状に形成しており、前後端部間に前後伸縮自在の海苔簀17を左右幅方向に間隔を開けて10個並べて張設している。
【0035】
抄き装置5は、作業機側機枠10の前側上部に配設しており、簀枠3の各海苔簀17の直上方から海苔生地を含んだ抄き水を下方へ向けて供給して、各海苔簀17の上面に海苔生地を抄製するようにしている。
【0036】
脱水装置6は、抄き装置5の後方に配設しており、抄き装置5によって各海苔簀17の上面に抄製した海苔生地に上下一対のスポンジを上下両方から押圧させて脱水を行うようにしている。
【0037】
剥離装置8は、簀枠3の各海苔簀17の表面から海苔を剥離するとともに、剥離した海苔を機体外部へ排出するようにしている。
【0038】
次に、本発明の要旨である乾燥装置7の構造について詳細に説明する。
【0039】
乾燥装置7は、図1及び図2に示すように、乾燥機側機枠11の内部に略矩形箱型状の乾燥室18を形成し、同乾燥室18の側方に熱風送風装置19を連設し、同熱風送風装置19を乾燥室18に連通連結している。
【0040】
熱風送風装置19は、図2に示すように、矩形箱型状の熱風発生室20の上部に送風ファン21を配設するとともに、同送風ファン21の下方に燃焼バーナー(図示省略)に連通連結した燃焼パイプ23を配設し、さらには、熱風発生室20の下部に送風口22を形成し、同送風口22を乾燥室18に連通連結しており、送風口22には、乾燥室18の下方から上方に向けて湾曲させた4枚の板状の送風ガイド22’を取付けている。
【0041】
そして、熱風送風装置19は、熱風発生室20の内部の空気を燃焼パイプ23の熱で加熱し、かかる加熱空気を送風ファン21で送風口22から乾燥室18の内部に送風することによって、熱風を乾燥室18の下方から上方に向けて送風するようにしている。
【0042】
乾燥室18の内部には、図1及び図2に示すように、簀枠3を乾燥室18の内部で循環させるための乾燥機側簀枠搬送機構9を配設している。
【0043】
乾燥機側簀枠搬送機構9は、乾燥室18の上部に配設した上部搬送機構24と、乾燥室18の下部に配設した下部搬送機構25と、乾燥室18の後端部に配設して簀枠3を上部搬送機構24と下部搬送機構25との間で交互に受け渡す受渡機構26とから構成している。
【0044】
上部搬送機構24は、作業機側機枠10の後端上部に左右一対の駆動スプロケット27を回動自在に取付ける一方、乾燥機側機枠11の後上部に左右一対の従動スプロケット28を回動自在に取付け、これら駆動スプロケット27と従動スプロケット28との間に左右一対の無端状の搬送チェン29を懸架し、同搬送チェン29に板状の簀枠保持体30を所定間隔をあけて取付けている。
【0045】
そして、上部搬送機構24は、搬送チェン29の回動に伴って簀枠3を、搬送チェン29の上部においては乾燥室18の前側上部から後側上部に搬送し、一方、搬送チェン29の下部においては乾燥室18の後側中途部から前側中途部に搬送するようにしている。
【0046】
下部搬送機構25は、乾燥機側機枠11の前側中途下部に左右一対の駆動スプロケット31を回動自在に取付ける一方、乾燥機側機枠11の後下部に左右一対の従動スプロケット32を回動自在に取付け、これら駆動スプロケット31と従動スプロケット32との間に左右一対の無端状の搬送チェン33を懸架し、同搬送チェン33に板状の簀枠保持体34を所定間隔をあけて取付けている。
【0047】
そして、下部搬送機構25は、搬送チェン33の回動に伴って簀枠3を、搬送チェン33の上部においては乾燥室18の前側中途部から後側中途部に搬送し、一方、搬送チェン33の下部においては乾燥室18の後側下部から前側下部に搬送するようにしている。
【0048】
受渡機構26は、乾燥機側機枠11の後端下部に左右一対の駆動スプロケット35を回動自在に取付ける一方、上部搬送機構24の従動スプロケット28と下部搬送機構25の従動スプロケット32の直後方に左右一対の従動スプロケット36,37を回動自在に取付け、これら駆動スプロケット35と従動スプロケット36,37との間に左右一対の無端状の搬送チェン38を略コ字状に懸架している。図中、39,40はスプロケット、41はガイド体である。
【0049】
そして、受渡機構26は、搬送チェン38の回動に伴って簀枠3を、搬送チェン38の後側部分においては乾燥室18の後側上部から後側下部に搬送し、一方、搬送チェン38の前側部分においては乾燥室18の後側下部から後側上部に搬送するようにしている。
【0050】
乾燥機側簀枠搬送機構9は、上述した構成となっており、駆動装置(図示省略)によって上部搬送機構24、下部搬送機構25、受渡機構26を駆動すると、作業機側簀枠搬送機構12から上部搬送機構24の前側上部で受け渡された簀枠3を、まず上部搬送機構24によって乾燥室18の前側上部から後側上部に搬送し、次に受渡機構26によって乾燥室18の後側上部から後側下部に搬送し、次に下部搬送機構25によって乾燥室18の後側下部から前側下部に搬送するとともに乾燥室18の前側中途下部から後側中途下部に搬送し、次に再び受渡機構26によって乾燥室18の後側中途下部から後側中途上部に搬送し、次に再び上部搬送機構24によって後側中途上部から前側中途上部に搬送し、その後、作業機側簀枠搬送機構12へ再び受け渡すようになっている。
【0051】
すなわち、簀枠3は、乾燥室18の最上部、最下部、中途下部、中途上部の順で搬送されることになる。
【0052】
ここで、熱風送風装置19によって熱風が乾燥室18の下方から上方に向けて送風されることから、乾燥室18の上部は比較的温度が低く、乾燥室18の下部は比較的温度が高く、乾燥室18の中部は上部と下部との間の温度となっている。
【0053】
また、乾燥によって蒸発した水分が乾燥室18の下方から上方に向けて流動することから、上部搬送機構24と下部搬送機構25とが平面視で重合する部分では下部搬送機構25の下部側を搬送される海苔から蒸発した水分によって比較的湿度が高くなっており、一方、上部搬送機構24と下部搬送機構25とが平面視で重合していない部分では直接熱風によって乾燥が行われるために比較的湿度が低くなっている。
【0054】
したがって、本実施例では、乾燥室18の下部(下部搬送機構25の搬送チェン33の下部)に比較的高い温度で乾燥を行う高温乾燥部42が形成され、また、乾燥室18の上部(上部搬送機構24の搬送チェン29の上部)に比較的低い温度で乾燥を行う低温乾燥部43が形成され、さらには、乾燥室18の中部(下部搬送機構25の搬送チェン33の上部、及び上部搬送機構24の搬送チェン29の下部)に高温乾燥部42と低温乾燥部43との間の温度で乾燥を行う中温乾燥部44が形成されており、しかも、中温乾燥部44は、乾燥室18の後部(下部搬送機構25の搬送チェン33の上部、及び上部搬送機構24の搬送チェン29の後側下部)に比較的湿度が高い高湿乾燥部44aを形成している一方、乾燥室18の前部(上部搬送機構24の搬送チェン29の前側下部)に比較的湿度が低い低湿乾燥部44bを形成している。
【0055】
そして、本実施例では、簀枠3に抄製された海苔を乾燥機側簀枠搬送機構9で乾燥室18の上部、下部、中部の順に搬送することによって、海苔を低温乾燥部43、高温乾燥部42、中温乾燥部44の高湿乾燥部44a、中温乾燥部44の低湿乾燥部44bの順に搬送している。
【0056】
換言すれば、本実施例では、抄製した海苔を比較的低い温度で乾燥させる低温乾燥工程を行った後に、比較的高い温度で乾燥させる高温乾燥工程を行い、その後、両工程の間の温度で乾燥させる中温乾燥工程を行い、中温乾燥工程は、比較的高い湿度で海苔を乾燥させる高湿乾燥工程を行った後に、比較的低い湿度で海苔を乾燥させる低湿乾燥工程を行うようにしている。
【0057】
このようにして、海苔を低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させると、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても海苔に不良が発生するおそれが無く、これにより、乾燥時間の短縮化を図ることができて、海苔製造機1の生産能力を向上させることができる。
【0058】
すなわち、海苔を低温乾燥によって予め加熱した後に高温乾燥させているため、抄製直後の生海苔が低温度で予備加熱され、その後に高温乾燥されることになり、海苔の縮みの発生を未然に防止することができる。
【0059】
また、比較的水分を含んでいる状態で海苔を高温乾燥させているため、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても、海苔が海苔簀から剥離してしまったり、或いは海苔の角が欠けてしまうことが無い。
【0060】
そのため、高温乾燥時の乾燥温度を高くすることができ、これにより、乾燥時間を短縮することができ、海苔の製造に要する製造時間を短縮することができるので、単位時間内に製造できる海苔の量を増大することができ、よって、海苔製造機1の生産能力を向上させることができる。
【0061】
特に、最後に行う中温乾燥を、比較的湿度が高い高湿乾燥と、比較的湿度が低い低湿乾燥とに分け、高湿乾燥、低湿乾燥の順に海苔を乾燥するようにしているため、乾燥の最後で低湿状態での乾燥を行うことになり、海苔の含水率を減少させることができるので、海苔にくもりが発生するのを未然に防止することができ、これにより、海苔の品質を向上させることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0063】
すなわち、請求項1に係る本発明では、搬送装置で、低温乾燥部、高温乾燥部、中温乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成しているため、海苔を低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させることになり、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても海苔に不良が発生するおそれが無く、これにより、乾燥時間の短縮化を図ることができて、海苔製造機の生産能力を向上させることができる。
【0064】
また、請求項2に係る本発明では、中温乾燥部を、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とから形成し、搬送装置で、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成しているため、乾燥の最後に低湿状態で乾燥させることになり、海苔の含水率を減少させることができるので、海苔にくもりが発生するのを未然に防止することができ、これにより、海苔の品質を向上させることができる。
【0065】
また、請求項3に係る本発明では、熱風を下方から上方に向けて送風する熱風送風装置を乾燥室に連通連結し、同乾燥室の内部に抄製した海苔を搬送するための搬送装置を配設してなる海苔製造機において、搬送装置で、乾燥室の上部、下部、中部の順に海苔を搬送すべく構成しているため、これによっても、海苔を低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させることになり、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても海苔に不良が発生するおそれが無く、これにより、乾燥時間の短縮化を図ることができて、海苔製造機の生産能力を向上させることができる。
【0066】
また、請求項4に係る本発明では、乾燥室の中部に、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とを形成し、搬送装置で、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成しているため、これによっても、乾燥の最後に低湿状態で乾燥させることになり、海苔の含水率を減少させることができるので、海苔にくもりが発生するのを未然に防止することができ、これにより、海苔の品質を向上させることができる。
【0067】
また、請求項5に係る本発明では、抄製した海苔を比較的低い温度で乾燥させる低温乾燥工程を行った後に、比較的高い温度で乾燥させる高温乾燥工程を行い、その後、両工程の間の温度で乾燥させる中温乾燥工程を行うようにしているため、これによっても、海苔を低温乾燥、高温乾燥、中温乾燥の順で乾燥させることになり、高温乾燥時に乾燥温度を高くしても海苔に不良が発生するおそれが無く、これにより、乾燥時間の短縮化を図ることができて、海苔製造機の生産能力を向上させることができる。
【0068】
また、請求項6に係る本発明では、中温乾燥工程は、比較的高い湿度で海苔を乾燥させる高湿乾燥工程を行った後に、比較的低い湿度で海苔を乾燥させる低湿乾燥工程を行うようにしているため、これによっても、乾燥の最後に低湿状態で乾燥させることになり、海苔の含水率を減少させることができるので、海苔にくもりが発生するのを未然に防止することができ、これにより、海苔の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海苔製造機を示す側面図。
【図2】乾燥装置を示す側面模式図。
【図3】同正面断面図。
【図4】受渡機構を示す側面図。
【符号の説明】
1 海苔製造機
2 機枠
3 簀枠
4 簀枠搬送装置
5 抄き装置
6 脱水装置
7 乾燥装置
8 剥離装置
9 乾燥機側簀枠搬送機構
18 乾燥室
19 熱風送風装置
24 上部搬送機構
25 下部搬送機構
26 受渡機構
42 高温乾燥部
43 低温乾燥部
44 中温乾燥部
44a 高湿乾燥部
44b 低湿乾燥部
Claims (6)
- 抄製した海苔を搬送するための搬送装置を乾燥室の内部に配設し、同搬送装置の搬送経路中途部に、比較的高い温度で乾燥を行う高温乾燥部と、比較的低い温度で乾燥を行う低温乾燥部と、両乾燥部の間の温度で乾燥を行う中温乾燥部とをそれぞれ形成してなる海苔製造機において、
搬送装置は、低温乾燥部、高温乾燥部、中温乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成したことを特徴とする海苔製造機。 - 前記中温乾燥部を、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とから形成し、搬送装置は、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成したことを特徴とする請求項1記載の海苔製造機。
- 熱風を下方から上方に向けて送風する熱風送風装置を乾燥室に連通連結し、同乾燥室の内部に抄製した海苔を搬送するための搬送装置を配設してなる海苔製造機において、
搬送装置は、乾燥室の上部、下部、中部の順に海苔を搬送すべく構成したことを特徴とする海苔製造機。 - 前記乾燥室の中部に、比較的湿度が高い高湿乾燥部と、比較的湿度が低い低湿乾燥部とを形成し、搬送装置は、高湿乾燥部、低湿乾燥部の順に海苔を搬送すべく構成したことを特徴とする請求項3記載の海苔製造機。
- 抄製した海苔を比較的低い温度で乾燥させる低温乾燥工程を行った後に、比較的高い温度で乾燥させる高温乾燥工程を行い、その後、両工程の間の温度で乾燥させる中温乾燥工程を行うことを特徴とする海苔の乾燥方法。
- 前記中温乾燥工程は、比較的高い湿度で海苔を乾燥させる高湿乾燥工程を行った後に、比較的低い湿度で海苔を乾燥させる低湿乾燥工程を行うことを特徴とする請求項5記載の海苔の乾燥方法。
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