JP2004088692A - 移動無線端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信品質の改善により当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になった場合には、迅速に適正な送信電力レベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供する。
【解決手段】第1基準値生成回路81aは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて基準値R1を生成し、第2基準値生成回路82aは、基準値R1の最大値より低い値に予め設定された基準値R2を生成する。選択回路83は、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、基準値R1を出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値R2を出力する。比較回路100は、選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】第1基準値生成回路81aは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて基準値R1を生成し、第2基準値生成回路82aは、基準値R1の最大値より低い値に予め設定された基準値R2を生成する。選択回路83は、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、基準値R1を出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値R2を出力する。比較回路100は、選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御する移動無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアヘの親和性、伝送速度の高速化および大容量化に対する需要の拡大に伴い、次世代移動通信システムの規格として、CDMA方式が採用されている。
【0003】
このCDMA方式を採用する移動無線通信システムを実現するにあたり、必要な要素技術の1つとして、RAKE受信がある。これは符号系列の直交性を利用して、ベースバンドの受信信号に含まれるマルチパス成分を分離・合成する技術である。
【0004】
このRAKE受信を行う移動無線端末装置においては、定期的に周辺セルからのマルチパスの品質を測定してマルチパスの情報を取得し、この情報に基づいて適当なパスを選択してRAKE受信回路に割り当てることで、所定の品質を満足するようにしている。
【0005】
一方、CDMA方式を採用する移動通信システムにおいては、複数の移動無線端末装置が大容量の通信を行うために、送信電力制御(TPC:Transmit Power
Control)技術が必要となる。
【0006】
特に、近年実用化されつつあるW−CDMA方式においては、下りリンクと上りリンクの両方にSIR(Signal to Interference noise Ratio)測定に基づくTPCを実施することになっている。
【0007】
以下、従来の移動無線端末装置における送信電力制御について説明する。
図12は、従来の移動無線端末装置の受信系の構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0008】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20に通知する。
【0009】
制御部20は、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0010】
そして、上記無線通信を実現するために、制御部20は、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30を制御する。
この制御により拡散符号生成器30は、制御部20より指示されるタイミングで、制御部20により指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20から指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0011】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0012】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0013】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0014】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90に出力される。
【0015】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20から指示される。
【0016】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0017】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0018】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80に出力される。
【0019】
基準値生成部80は、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値Rを決定する。この送信電力制御用基準値Rは、比較回路100に通知される。
【0020】
第1の受信品質測定回路90は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0021】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80にて決定した送信電力制御用基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0022】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90の測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0023】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0024】
以上のような構成により、従来の移動無線端末装置は、無線基地局側の送信電力を制御するためのTPC情報を送信し、これを受信した無線基地局は、上記TPC情報に基づいて上記移動無線端末装置宛ての無線信号の電力レベルを制御することで、移動無線端末装置毎に常に送信電力を最小にできるので、収容するユーザ数をできるだけ多くすることができる。
【0025】
しかしながら、従来の移動無線端末装置では、送信電力制御用基準値Rの更新周期が、第1の受信品質測定回路90によるSIRの測定周期よりも長くなることが避けられない。
【0026】
このため、例えば図13に示すように、時刻t0より通信品質が改善され、当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になったとしても、送信電力制御用基準値Rの更新に時間がかかるので、適正な送信電力レベルに下げるには、ある程度の時間を要してしまう。
【0027】
このように送信電力レベルを適正なレベルまで下げるのに時間がかかってしまうと、その間、他の移動無線端末装置の通信にとっては干渉波として悪影響を及ぼすことになり、システムとしてはユーザ収容数を圧迫することになる。
【0028】
また通信環境が悪いなどして一時的に送信電力を上げる必要が頻発する場合には、無線基地局からの送信電力レベルが不必要に高い状態が継続してしまうことになり、より深刻な問題となる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
従来の移動無線端末装置では、通信品質の改善により当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になったとしても、適正な送信電力レベルに下げるには、ある程度の時間を要してしまうため、他の移動無線端末装置の通信に干渉波として悪影響を及ぼし、ユーザ収容数を圧迫するという問題があった。
【0030】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、通信品質の改善により当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になった場合には、迅速に適正な送信電力レベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づき、所定の範囲内で基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を前記範囲内の最大値よりも小さい予め設定された既定値に決定する基準値決定手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、第1の受信品質が基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、第1の受信品質が基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0032】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて所定の範囲内で基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を上記範囲内の最大値よりも予め小さく設定された既定値に決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0033】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値が予め小さく設定された既定値に決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0034】
また、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定する基準値決定手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、第1の受信品質が基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、第1の受信品質が基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0035】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0036】
すなわち、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第2の受信品質検出手段よりもその検出周期を短くすることが可能な第1の受信品質検出手段が求めた受信品質に基づいて基準値が決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、迅速に受信品質に対応する基準値に基づいて送信電力レベルの要求量を決定することができる。
【0037】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、第1の受信品質検出手段により高い受信品質が検出される場合には、基地局の送信電力レベルを低くするような基準値を迅速に設定することができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0038】
さらに、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定する基準値決定手段と、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、制御幅を可変する制御幅可変手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じて、制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0039】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定し、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、上記制御幅を可変するようにしている。
【0040】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合に、例えば上記制御幅を大きく設定することで、ソフトハンドオフの実施に伴って改善される受信品質が顕著に基準値に反映されることになる。
【0041】
このため、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くする際には、これを速やかに制御情報に反映できるので、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の構成を示すものである。
【0043】
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0044】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20aに通知する。
【0045】
制御部20aは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0046】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20aは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性に応じて基準値生成部80aを切換制御する機能を備える。
【0047】
拡散符号生成器30は、制御部20aより指示されるタイミングで、制御部20aにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20aから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0048】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0049】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0050】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0051】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90aに出力される。
【0052】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20aから指示される。
【0053】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0054】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0055】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80aに出力される。
【0056】
基準値生成部80aは、第1基準値生成回路81aと、第2基準値生成回路82aと、選択回路83とを備える。
第1基準値生成回路81aは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R1を決定する。この送信電力制御用基準値R1は、選択回路83に出力される。
【0057】
第2基準値生成回路82aは、予め設定された送信電力制御用基準値R2を選択回路83に出力する。なお、基準値R2は、基準値R1の最小値より低い値に設定される。
【0058】
選択回路83は、制御部20aによって切換制御され、第1基準値生成回路81aより入力される基準値R1と、第2基準値生成回路82aより入力される基準値R2のうち、いずれか一方を送信電力制御用基準値Rとして選択的に比較回路100に出力する。
【0059】
第1の受信品質測定回路90aは、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0060】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80aにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0061】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90aの測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0062】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0063】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図5は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20aの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0064】
まず、ステップ5aにおいて制御部20aは、選択回路83を切換制御して、第1基準値生成回路81aより入力される基準値R1を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ5bに移行する。
【0065】
これにより、比較回路100は、基準値R1を基準として、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0066】
ステップ5bにおいて制御部20aは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0067】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20bはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ5cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ5bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0068】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R1を基準として第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0069】
ステップ5cにおいて制御部20aは、選択回路83を切換制御して、第2基準値生成回路82aより入力される基準値R2を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ5dに移行する。
【0070】
これにより、比較回路100は、基準値R2を基準として、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0071】
ステップ5dにおいて制御部20aは、ステップ5bで検出したソフトハンドオフが完了したか否かを判定する。
ここで、ソフトハンドオフが完了した場合には、ステップ5aに移行し、一方、ソフトハンドオフが完了していない場合には、ステップ5dに戻り、ソフトハンドオフの完了を待機する。
【0072】
なお、ここで、上記完了を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R2を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0073】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質測定回路70の測定結果(受信データの誤り率)に基づいて送信電力制御用基準値R1を生成する第1基準値生成回路81aと、上記送信電力制御用基準値R1の最大値より低い値に予め設定された送信電力制御用基準値R2を生成する第2基準値生成回路82aとを備える。
【0074】
そして、選択回路83が、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、送信電力制御用基準値R1を比較回路100に出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、送信電力制御用基準値R2を比較回路100に出力する。
【0075】
そして、比較回路100は、以上のようにして選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0076】
すなわち、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、受信データの誤り率に基づいて生成された基準値R1に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0077】
一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値R1の最大値より低い値に設定された基準値R2に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしている。
【0078】
したがって、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合に、従来方式では比較回路100で判定に用いられる基準値が大きい値に制御されていたのに対して、上記構成の移動無線端末装置によれば、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合に、上記基準値がソフトハンドオフを実施するのに必要な分だけ増加させることができる。
【0079】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図6に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合にはL2(実線)で示すように、基準値R2を超えないように変化する。
【0080】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0081】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ステップ5dにおいて、ソフトハンドオフが完了した場合にステップ5aに移行して基準値をR1とするようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフの開始から所定時間が経過した場合にステップ5aに移行するようにしても同様の効果が得られる。
【0082】
また、上記実施の形態では、ステップ5bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
【0083】
次に、この発明の第2の実施形態に係わる移動無線端末装置について説明する。図7は、その構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0084】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20bに通知する。
【0085】
制御部20bは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0086】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20bは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性と、後述する第1の受信品質測定回路90bにて求めたSIRに応じて、基準値生成部80bを切換制御する機能を備える。
【0087】
拡散符号生成器30は、制御部20bより指示されるタイミングで、制御部20bにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20bから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0088】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0089】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0090】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0091】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90bに出力される。
【0092】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20bから指示される。
【0093】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0094】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0095】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80bに出力される。
【0096】
基準値生成部80bは、第1基準値生成回路81bと、第2基準値生成回路82bと、選択回路83とを備える。
第1基準値生成回路81bは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R1を決定する。この送信電力制御用基準値R1は、選択回路83に出力される。
【0097】
第2基準値生成回路82bは、後述する第1の受信品質測定回路90bの測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R2を決定する。この送信電力制御用基準値R2は、選択回路83に出力される。
【0098】
選択回路83は、制御部20bによって切換制御され、第1基準値生成回路81bより入力される基準値R1と、第2基準値生成回路82bより入力される基準値R2のうち、いずれか一方を送信電力制御用基準値Rとして選択的に比較回路100に出力する。
【0099】
第1の受信品質測定回路90bは、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を制御部20bと第2基準値生成回路82bと比較回路100とに出力する。
【0100】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80bにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0101】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90bの測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0102】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0103】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図8は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20bの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0104】
まず、ステップ8aにおいて制御部20bは、選択回路83を切換制御して、第1基準値生成回路81bより入力される基準値R1を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ8bに移行する。
【0105】
これにより、比較回路100は、基準値R1を基準として、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0106】
すなわち、下りTPC情報生成部110は、第2の受信品質測定回路70が測定した受信品質に基づいて生成された基準値R1と、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRとを比較した結果に基づいてTPC情報を生成する。
【0107】
ステップ8bにおいて制御部20bは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0108】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20bはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ8cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ8bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0109】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R1を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0110】
ステップ8cにおいて制御部20bは、選択回路83を切換制御して、第2基準値生成回路82bより入力される基準値R2を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ8dに移行する。
【0111】
これにより、比較回路100は、基準値R2を基準として、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0112】
すなわち、下りTPC情報生成部110は、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRに基づいて生成された基準値R2と、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRとを比較した結果に基づいてTPC情報を生成する。
なお、上記基準値R2は、過去の所定時間内の第1の受信品質測定回路90bの出力を平均化演算したものである。
【0113】
ステップ8dにおいて制御部20bは、第1の受信品質測定回路90bにて測定されたSIRが予め設定した閾値以上か否かを判定する。
ここで、SIRが予め設定した閾値以上の場合には、ステップ8aに移行し、一方、SIRが予め設定した閾値未満の場合には、ステップ8dに戻り、SIRが予め設定した閾値以上となるのを待機する。
【0114】
なお、ここで、SIRが予め設定した閾値以上となるのを待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R2を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0115】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質測定回路70の測定結果(受信データの誤り率)に基づいて送信電力制御用基準値R1を生成する第1基準値生成回路81bと、第1の受信品質測定回路90bの測定結果(SIR)に基づいて送信電力制御用基準値R2を生成する第2基準値生成回路82bとを備える。
【0116】
そして、選択回路83は、ソフトハンドオフを実施する必要が生じない場合や、第1の受信品質測定回路90bの測定結果が予め設定した閾値以上の場合には、送信電力制御用基準値R1を比較回路100に出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつ第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRが予め設定した閾値未満の場合には、送信電力制御用基準値R2を比較回路100に出力する。
【0117】
そして、比較回路100は、以上のようにして選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0118】
すなわち、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合や測定したSIRが予め設定した閾値以上の場合には、受信データの誤り率に基づいて生成された基準値R1に基づいて、測定したSIRの分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0119】
一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつ測定したSIRが予め設定した閾値未満の場合には、上記SIRに基づいて生成された基準値R1に基づいて、上記SIRの分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしている。
【0120】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、受信データの誤り率の検出周期よりもSIRの測定周期の方が短いので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつSIRが予め設定した閾値未満の場合には、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、受信品質に応じた変動が早い基準値に基づいてTPC情報を生成することになる。
【0121】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図9に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合やSIRが予め設定した閾値以上の場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつSIRが予め設定した閾値未満の場合にはL2(実線)で示すように変化する。
【0122】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合やSIRが予め設定した閾値以上の場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を迅速に低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0123】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態および第2の実施形態では、それぞれ基準値を生成する構成を2つずつ備える(81aおよび82a、あるいは81bおよび82b)ものとした。
【0124】
これに対して例えば、基準値を生成する構成を1つにし、ここで生成される基準値を制御部(20aあるいは20b)が制御することで、上記第1の実施の形態および第2の実施形態で説明した構成と同様に動作させることも可能である。
【0125】
また、上記実施の形態では、ステップ8bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
【0126】
次に、この発明の第3の実施形態に係わる移動無線端末装置について説明する。図10は、その構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0127】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20cに通知する。
【0128】
制御部20cは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0129】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20cは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性に応じて、基準値生成部80cで生成される基準値の制御幅を切換制御する機能を備える。
【0130】
拡散符号生成器30は、制御部20cより指示されるタイミングで、制御部20cにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20cから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0131】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0132】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0133】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0134】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90に出力される。
【0135】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20cから指示される。
【0136】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0137】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0138】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80cに出力される。
【0139】
基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値Rを決定する。この送信電力制御用基準値Rは、比較回路100に出力される。
なお、送信電力制御用基準値Rは、制御部20cによって決定される制御幅を単位とし、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて段階的な値となる。
【0140】
第1の受信品質測定回路90は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0141】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80cにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0142】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90の測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0143】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0144】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図11は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20cの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0145】
まず、ステップ11aにおいて制御部20cは、基準値生成部80cに対して、所定の制御幅D0を設定し、ステップ11bに移行する。
これにより、基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて、上記制御幅D0単位で可変する送信電力制御用基準値Rを生成し、これを比較回路100に出力する。
【0146】
これに対して、比較回路100は、上記基準値Rを基準として、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0147】
ステップ11bにおいて制御部20cは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0148】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20cはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ11cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ11bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0149】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、制御幅D0単位で可変する基準値Rを基準として第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。
【0150】
ステップ11cにおいて制御部20cは、基準値生成部80cに対して、所定の制御幅D1を設定し、ステップ11dに移行する。なお、制御幅D1は、制御幅D0より大きい値である。
【0151】
これにより、基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて、上記制御幅D1単位で可変する送信電力制御用基準値Rを生成し、これを比較回路100に出力する。
【0152】
これに対して、比較回路100は、上記基準値Rを基準として、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0153】
ステップ11dにおいて制御部20cは、ステップ11bで検出したソフトハンドオフが完了したか否かを判定する。
ここで、ソフトハンドオフが完了した場合には、ステップ11aに移行し、一方、ソフトハンドオフが完了していない場合には、ステップ11dに戻り、ソフトハンドオフの完了を待機する。
【0154】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、制御幅D1単位で可変する基準値Rを基準として第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。
【0155】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施していない場合には、基準値生成部80cが生成する送信電力制御用基準値Rを制御幅D0単位で可変するように制御し、一方、ソフトハンドオフの実施中は、基準値生成部80cが生成する送信電力制御用基準値Rを制御幅D1(>D0)単位で可変するように制御している。
【0156】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ソフトハンドオフの実施中は、大きな制御幅D1で送信電力制御用基準値Rが制御されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、受信品質が顕著に反映される基準値に基づいてTPC情報を生成することになる。
【0157】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図9に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合にはL2(実線)で示すように変化する。
【0158】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を迅速に低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0159】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば制御部20cが、ソフトハンドオフを実施する場合に、大きな制御幅D1で送信電力制御用基準値Rを制御し、一方、第1の受信品質測定回路90にて求めたSIRが予め設定したレベルまで改善された場合に、小さな制御幅D0で送信電力制御用基準値Rを制御するようにしてもよい。
このような構成であっても、上記の実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0160】
また、上記実施の形態では、ステップ11bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0161】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて所定の範囲内で基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を上記範囲内の最大値よりも予め小さく設定された既定値に決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0162】
したがって、この発明によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値が予め小さく設定された既定値に決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【0163】
また、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0164】
すなわち、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第2の受信品質検出手段よりもその検出周期を短くすることが可能な第1の受信品質検出手段が求めた受信品質に基づいて基準値が決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、迅速に受信品質に対応する基準値に基づいて送信電力レベルの要求量を決定することができる。
【0165】
したがって、この発明によれば、第1の受信品質検出手段により高い受信品質が検出される場合には、基地局の送信電力レベルを低くするような基準値を迅速に設定することができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【0166】
さらに、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定し、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、上記制御幅を可変するようにしている。
【0167】
したがって、この発明によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合に、例えば上記制御幅を大きく設定することで、ソフトハンドオフの実施に伴って改善される受信品質が顕著に基準値に反映されることになる。
【0168】
このため、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くする際には、これを速やかに制御情報に反映できるので、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の第1の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図3】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図4】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図5】図1に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図6】図1に示した移動無線端末装置により基地局に対して要求される送信電力レベルの変化の一例を示す図。
【図7】この発明に係わる移動無線端末装置の第2の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図8】図7に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図9】図7に示した移動無線端末装置により基地局に対して要求される送信電力レベルの変化の一例を示す図。
【図10】この発明に係わる移動無線端末装置の第3の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図11】図10に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図12】従来の移動無線端末装置の構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
10…サーチャ
20a,20b,20c…制御部
30…拡散符号生成器
41〜4n…フィンガ
411…相関器
412…遅延器(Delay)
413…伝送路推定回路
414…複素乗算器
50…合成部
60…復号部
70…第2の受信品質測定回路
80a,80b,80c…基準値生成部
81a,82a…第1基準値生成回路
81b,82b…第2基準値生成回路
83…選択回路
90,90a,90b…第1の受信品質測定回路
100…比較回路
110…下りTPC情報生成部
【発明の属する技術分野】
この発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御する移動無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアヘの親和性、伝送速度の高速化および大容量化に対する需要の拡大に伴い、次世代移動通信システムの規格として、CDMA方式が採用されている。
【0003】
このCDMA方式を採用する移動無線通信システムを実現するにあたり、必要な要素技術の1つとして、RAKE受信がある。これは符号系列の直交性を利用して、ベースバンドの受信信号に含まれるマルチパス成分を分離・合成する技術である。
【0004】
このRAKE受信を行う移動無線端末装置においては、定期的に周辺セルからのマルチパスの品質を測定してマルチパスの情報を取得し、この情報に基づいて適当なパスを選択してRAKE受信回路に割り当てることで、所定の品質を満足するようにしている。
【0005】
一方、CDMA方式を採用する移動通信システムにおいては、複数の移動無線端末装置が大容量の通信を行うために、送信電力制御(TPC:Transmit Power
Control)技術が必要となる。
【0006】
特に、近年実用化されつつあるW−CDMA方式においては、下りリンクと上りリンクの両方にSIR(Signal to Interference noise Ratio)測定に基づくTPCを実施することになっている。
【0007】
以下、従来の移動無線端末装置における送信電力制御について説明する。
図12は、従来の移動無線端末装置の受信系の構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0008】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20に通知する。
【0009】
制御部20は、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0010】
そして、上記無線通信を実現するために、制御部20は、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30を制御する。
この制御により拡散符号生成器30は、制御部20より指示されるタイミングで、制御部20により指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20から指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0011】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0012】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0013】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0014】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90に出力される。
【0015】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20から指示される。
【0016】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0017】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0018】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80に出力される。
【0019】
基準値生成部80は、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値Rを決定する。この送信電力制御用基準値Rは、比較回路100に通知される。
【0020】
第1の受信品質測定回路90は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0021】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80にて決定した送信電力制御用基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0022】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90の測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0023】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0024】
以上のような構成により、従来の移動無線端末装置は、無線基地局側の送信電力を制御するためのTPC情報を送信し、これを受信した無線基地局は、上記TPC情報に基づいて上記移動無線端末装置宛ての無線信号の電力レベルを制御することで、移動無線端末装置毎に常に送信電力を最小にできるので、収容するユーザ数をできるだけ多くすることができる。
【0025】
しかしながら、従来の移動無線端末装置では、送信電力制御用基準値Rの更新周期が、第1の受信品質測定回路90によるSIRの測定周期よりも長くなることが避けられない。
【0026】
このため、例えば図13に示すように、時刻t0より通信品質が改善され、当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になったとしても、送信電力制御用基準値Rの更新に時間がかかるので、適正な送信電力レベルに下げるには、ある程度の時間を要してしまう。
【0027】
このように送信電力レベルを適正なレベルまで下げるのに時間がかかってしまうと、その間、他の移動無線端末装置の通信にとっては干渉波として悪影響を及ぼすことになり、システムとしてはユーザ収容数を圧迫することになる。
【0028】
また通信環境が悪いなどして一時的に送信電力を上げる必要が頻発する場合には、無線基地局からの送信電力レベルが不必要に高い状態が継続してしまうことになり、より深刻な問題となる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
従来の移動無線端末装置では、通信品質の改善により当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になったとしても、適正な送信電力レベルに下げるには、ある程度の時間を要してしまうため、他の移動無線端末装置の通信に干渉波として悪影響を及ぼし、ユーザ収容数を圧迫するという問題があった。
【0030】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、通信品質の改善により当該移動無線端末装置宛ての無線信号の送信電力レベルを下げてよい状況になった場合には、迅速に適正な送信電力レベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づき、所定の範囲内で基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を前記範囲内の最大値よりも小さい予め設定された既定値に決定する基準値決定手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、第1の受信品質が基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、第1の受信品質が基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0032】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて所定の範囲内で基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を上記範囲内の最大値よりも予め小さく設定された既定値に決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0033】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値が予め小さく設定された既定値に決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0034】
また、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定する基準値決定手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、第1の受信品質が基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、第1の受信品質が基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0035】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0036】
すなわち、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第2の受信品質検出手段よりもその検出周期を短くすることが可能な第1の受信品質検出手段が求めた受信品質に基づいて基準値が決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、迅速に受信品質に対応する基準値に基づいて送信電力レベルの要求量を決定することができる。
【0037】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、第1の受信品質検出手段により高い受信品質が検出される場合には、基地局の送信電力レベルを低くするような基準値を迅速に設定することができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0038】
さらに、この発明は、CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定する基準値決定手段と、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、制御幅を可変する制御幅可変手段と、この基準値決定手段が決定した基準値と、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じて、制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備して構成するようにした。
【0039】
上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定し、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、上記制御幅を可変するようにしている。
【0040】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合に、例えば上記制御幅を大きく設定することで、ソフトハンドオフの実施に伴って改善される受信品質が顕著に基準値に反映されることになる。
【0041】
このため、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くする際には、これを速やかに制御情報に反映できるので、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる移動無線端末装置の構成を示すものである。
【0043】
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0044】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20aに通知する。
【0045】
制御部20aは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0046】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20aは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性に応じて基準値生成部80aを切換制御する機能を備える。
【0047】
拡散符号生成器30は、制御部20aより指示されるタイミングで、制御部20aにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20aから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0048】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0049】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0050】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0051】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90aに出力される。
【0052】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20aから指示される。
【0053】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0054】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0055】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80aに出力される。
【0056】
基準値生成部80aは、第1基準値生成回路81aと、第2基準値生成回路82aと、選択回路83とを備える。
第1基準値生成回路81aは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R1を決定する。この送信電力制御用基準値R1は、選択回路83に出力される。
【0057】
第2基準値生成回路82aは、予め設定された送信電力制御用基準値R2を選択回路83に出力する。なお、基準値R2は、基準値R1の最小値より低い値に設定される。
【0058】
選択回路83は、制御部20aによって切換制御され、第1基準値生成回路81aより入力される基準値R1と、第2基準値生成回路82aより入力される基準値R2のうち、いずれか一方を送信電力制御用基準値Rとして選択的に比較回路100に出力する。
【0059】
第1の受信品質測定回路90aは、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0060】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80aにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0061】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90aの測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0062】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0063】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図5は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20aの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0064】
まず、ステップ5aにおいて制御部20aは、選択回路83を切換制御して、第1基準値生成回路81aより入力される基準値R1を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ5bに移行する。
【0065】
これにより、比較回路100は、基準値R1を基準として、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0066】
ステップ5bにおいて制御部20aは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0067】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20bはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ5cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ5bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0068】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R1を基準として第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0069】
ステップ5cにおいて制御部20aは、選択回路83を切換制御して、第2基準値生成回路82aより入力される基準値R2を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ5dに移行する。
【0070】
これにより、比較回路100は、基準値R2を基準として、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0071】
ステップ5dにおいて制御部20aは、ステップ5bで検出したソフトハンドオフが完了したか否かを判定する。
ここで、ソフトハンドオフが完了した場合には、ステップ5aに移行し、一方、ソフトハンドオフが完了していない場合には、ステップ5dに戻り、ソフトハンドオフの完了を待機する。
【0072】
なお、ここで、上記完了を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R2を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0073】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質測定回路70の測定結果(受信データの誤り率)に基づいて送信電力制御用基準値R1を生成する第1基準値生成回路81aと、上記送信電力制御用基準値R1の最大値より低い値に予め設定された送信電力制御用基準値R2を生成する第2基準値生成回路82aとを備える。
【0074】
そして、選択回路83が、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、送信電力制御用基準値R1を比較回路100に出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、送信電力制御用基準値R2を比較回路100に出力する。
【0075】
そして、比較回路100は、以上のようにして選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0076】
すなわち、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、受信データの誤り率に基づいて生成された基準値R1に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0077】
一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値R1の最大値より低い値に設定された基準値R2に基づいて、第1の受信品質測定回路90aの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしている。
【0078】
したがって、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合に、従来方式では比較回路100で判定に用いられる基準値が大きい値に制御されていたのに対して、上記構成の移動無線端末装置によれば、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合に、上記基準値がソフトハンドオフを実施するのに必要な分だけ増加させることができる。
【0079】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図6に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合にはL2(実線)で示すように、基準値R2を超えないように変化する。
【0080】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0081】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ステップ5dにおいて、ソフトハンドオフが完了した場合にステップ5aに移行して基準値をR1とするようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフの開始から所定時間が経過した場合にステップ5aに移行するようにしても同様の効果が得られる。
【0082】
また、上記実施の形態では、ステップ5bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
【0083】
次に、この発明の第2の実施形態に係わる移動無線端末装置について説明する。図7は、その構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0084】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20bに通知する。
【0085】
制御部20bは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0086】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20bは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性と、後述する第1の受信品質測定回路90bにて求めたSIRに応じて、基準値生成部80bを切換制御する機能を備える。
【0087】
拡散符号生成器30は、制御部20bより指示されるタイミングで、制御部20bにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20bから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0088】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0089】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0090】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0091】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90bに出力される。
【0092】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20bから指示される。
【0093】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0094】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0095】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80bに出力される。
【0096】
基準値生成部80bは、第1基準値生成回路81bと、第2基準値生成回路82bと、選択回路83とを備える。
第1基準値生成回路81bは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R1を決定する。この送信電力制御用基準値R1は、選択回路83に出力される。
【0097】
第2基準値生成回路82bは、後述する第1の受信品質測定回路90bの測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値R2を決定する。この送信電力制御用基準値R2は、選択回路83に出力される。
【0098】
選択回路83は、制御部20bによって切換制御され、第1基準値生成回路81bより入力される基準値R1と、第2基準値生成回路82bより入力される基準値R2のうち、いずれか一方を送信電力制御用基準値Rとして選択的に比較回路100に出力する。
【0099】
第1の受信品質測定回路90bは、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を制御部20bと第2基準値生成回路82bと比較回路100とに出力する。
【0100】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80bにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0101】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90bの測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0102】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0103】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図8は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20bの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0104】
まず、ステップ8aにおいて制御部20bは、選択回路83を切換制御して、第1基準値生成回路81bより入力される基準値R1を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ8bに移行する。
【0105】
これにより、比較回路100は、基準値R1を基準として、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0106】
すなわち、下りTPC情報生成部110は、第2の受信品質測定回路70が測定した受信品質に基づいて生成された基準値R1と、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRとを比較した結果に基づいてTPC情報を生成する。
【0107】
ステップ8bにおいて制御部20bは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0108】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20bはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ8cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ8bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0109】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R1を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0110】
ステップ8cにおいて制御部20bは、選択回路83を切換制御して、第2基準値生成回路82bより入力される基準値R2を、基準値Rとして比較回路100に出力させ、ステップ8dに移行する。
【0111】
これにより、比較回路100は、基準値R2を基準として、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0112】
すなわち、下りTPC情報生成部110は、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRに基づいて生成された基準値R2と、第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRとを比較した結果に基づいてTPC情報を生成する。
なお、上記基準値R2は、過去の所定時間内の第1の受信品質測定回路90bの出力を平均化演算したものである。
【0113】
ステップ8dにおいて制御部20bは、第1の受信品質測定回路90bにて測定されたSIRが予め設定した閾値以上か否かを判定する。
ここで、SIRが予め設定した閾値以上の場合には、ステップ8aに移行し、一方、SIRが予め設定した閾値未満の場合には、ステップ8dに戻り、SIRが予め設定した閾値以上となるのを待機する。
【0114】
なお、ここで、SIRが予め設定した閾値以上となるのを待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、基準値R2を基準として第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。またこれに伴って下りTPC情報生成部110は、上記送信電力制御情報に基づいてTPC情報を生成する。
【0115】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、第2の受信品質測定回路70の測定結果(受信データの誤り率)に基づいて送信電力制御用基準値R1を生成する第1基準値生成回路81bと、第1の受信品質測定回路90bの測定結果(SIR)に基づいて送信電力制御用基準値R2を生成する第2基準値生成回路82bとを備える。
【0116】
そして、選択回路83は、ソフトハンドオフを実施する必要が生じない場合や、第1の受信品質測定回路90bの測定結果が予め設定した閾値以上の場合には、送信電力制御用基準値R1を比較回路100に出力し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつ第1の受信品質測定回路90bが測定したSIRが予め設定した閾値未満の場合には、送信電力制御用基準値R2を比較回路100に出力する。
【0117】
そして、比較回路100は、以上のようにして選択回路83から出力される基準値に基づいて、第1の受信品質測定回路90bの測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0118】
すなわち、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合や測定したSIRが予め設定した閾値以上の場合には、受信データの誤り率に基づいて生成された基準値R1に基づいて、測定したSIRの分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0119】
一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつ測定したSIRが予め設定した閾値未満の場合には、上記SIRに基づいて生成された基準値R1に基づいて、上記SIRの分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成するようにしている。
【0120】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、受信データの誤り率の検出周期よりもSIRの測定周期の方が短いので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつSIRが予め設定した閾値未満の場合には、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、受信品質に応じた変動が早い基準値に基づいてTPC情報を生成することになる。
【0121】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図9に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合やSIRが予め設定した閾値以上の場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じ、かつSIRが予め設定した閾値未満の場合にはL2(実線)で示すように変化する。
【0122】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合やSIRが予め設定した閾値以上の場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を迅速に低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0123】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態および第2の実施形態では、それぞれ基準値を生成する構成を2つずつ備える(81aおよび82a、あるいは81bおよび82b)ものとした。
【0124】
これに対して例えば、基準値を生成する構成を1つにし、ここで生成される基準値を制御部(20aあるいは20b)が制御することで、上記第1の実施の形態および第2の実施形態で説明した構成と同様に動作させることも可能である。
【0125】
また、上記実施の形態では、ステップ8bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
【0126】
次に、この発明の第3の実施形態に係わる移動無線端末装置について説明する。図10は、その構成を示すものである。
移動通信システムのネットワークに収容される無線基地局から送信された無線信号は、アンテナを通じて図示しない周波数変換回路に入力され、ここで適切な帯域に制限されたベースバンド信号に変換された後、サーチャ10およびフィンガ41〜4nに入力される。
【0127】
サーチャ10は、種々のタイミングで生成した種々の拡散符号系列の拡散符号で上記ベースバンド信号を逆拡散して、上記ベースバンド信号と上記拡散符号との間の相関を求め、これより受信に適したパスを複数検出する。そして、この検出した複数のパスの情報(以下、パス情報と称する)を制御部20cに通知する。
【0128】
制御部20cは、当該移動無線端末装置の各部を統括して制御するもので、各部を制御することにより、上記無線基地局装置との間に通信リンクを確立し、無線通信を実現する。
【0129】
そして、上記無線通信を実現するための制御機能として、制御部20cは、サーチャ10から通知されたパス情報に基づいて、拡散符号生成器30に対して任意のタイミングで任意の拡散符号系列の拡散符号を生成させる制御機能を備えるとともに、新たな制御機能として、ハンドオフの必要性に応じて、基準値生成部80cで生成される基準値の制御幅を切換制御する機能を備える。
【0130】
拡散符号生成器30は、制御部20cより指示されるタイミングで、制御部20cにより指示される拡散符号系列の拡散符号を生成する。
そして、拡散符号生成器30は、生成した拡散符号を、制御部20cから指示されるフィンガ41〜4nに出力する。
【0131】
フィンガ41〜4nは、互いに同じ構成からなり、同様の動作をするため、ここではフィンガ41を例に挙げて説明する。
フィンガ41は、相関器411と、遅延器(Delay)412と、伝送路推定回路413と、複素乗算器414とを備える。
【0132】
相関器411は、ベースバンド信号を、拡散符号生成器30から入力される拡散符号を用いて逆拡散し、得られた信号を逆拡散信号として遅延器412および伝送路推定回路413に出力する。
遅延器412は、相関器411から入力される逆拡散信号を一定時間遅延させて、複素乗算器414に出力する。
【0133】
伝送路推定回路413は、相関器411から入力される逆拡散信号について伝送路推定を行って、フェージング変動に起因する受信信号中の位相変動と振幅変動を推定し、この推定結果を複素乗算器414に出力する。
【0134】
複素乗算器414は、遅延器412にて遅延した逆拡散信号に、伝送路推定回路413の推定結果を複素乗算して、フェージング変動に起因する位相変動と振幅変動を補正し、出力する。
このようにして、フィンガ41〜4nより出力される逆拡散信号は、合成部50および第1の受信品質測定回路90に出力される。
【0135】
合成部50は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号をRAKE合成するもので、合成した信号を復号部60に出力する。なお、逆拡散信号を合成するタイミングは、制御部20cから指示される。
【0136】
復号部60は、合成部50にてRAKE合成された逆拡散信号を同期検波し、デ・インタリーブを行い、ターボ復号およびビタビ復号などの復号処理を実施して受信データを得るとともに、この受信データについてCRCチェックを行う。
【0137】
上記復号処理によって得られた受信データは、後段のデータ処理部(図示しない)に出力され、CRCチェックの結果は、第2の受信品質測定回路70に出力される。
【0138】
第2の受信品質測定回路70は、復号部60にて得られたCRCチェックの結果に基づいて、受信データの誤り率から受信品質を測定する。この測定結果は、基準値生成部80cに出力される。
【0139】
基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に基づいて、送信電力制御用基準値Rを決定する。この送信電力制御用基準値Rは、比較回路100に出力される。
なお、送信電力制御用基準値Rは、制御部20cによって決定される制御幅を単位とし、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて段階的な値となる。
【0140】
第1の受信品質測定回路90は、フィンガ41〜4nから出力される逆拡散信号、各々についてSIRを測定し、これらの測定結果を比較回路100に出力する。
【0141】
比較回路100は、図2に示すように、基準値生成部80cにて決定した基準値Rに対する、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0142】
なお、ここで比較回路100は、第1の受信品質測定回路90の測定結果が、例えば図3に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、小さい値として分布するものが多い場合には、基地局側送信電力の増大させるための送信電力制御情報を生成し、反対に、図4に示すように、送信電力制御用基準値Rに対して、大きい値として分布するものが多い場合には、無線基地局側の送信電力の減少させるための送信電力制御情報を生成する。
【0143】
下りTPC情報生成部110は、比較回路100にて生成された送信電力制御情報に基づいて、TPC情報を生成する。このようにして生成されたTPC情報は、図示しない送信系を通じて、無線基地局に向けて送信される。
【0144】
次に、上記構成の移動無線端末装置の動作について説明する。ここでは、送信電力制御に関わる動作について説明する。図11は、この動作を説明するためのフローチャートで、制御部20cの制御動作を示している。このフローチャートに示される処理は、当該移動無線端末装置が無線基地局と無線リンクを確立するとともに開始され、上記無線リンクが切断されるまで実施される。
【0145】
まず、ステップ11aにおいて制御部20cは、基準値生成部80cに対して、所定の制御幅D0を設定し、ステップ11bに移行する。
これにより、基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて、上記制御幅D0単位で可変する送信電力制御用基準値Rを生成し、これを比較回路100に出力する。
【0146】
これに対して、比較回路100は、上記基準値Rを基準として、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0147】
ステップ11bにおいて制御部20cは、ソフトハンドオフを実施するために、フィンガ41〜4nのいずれかに、新たなパス割り当てる必要が生じたか否かを判定する。
【0148】
ここで、ソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合には、制御部20cはソフトハンドオフを実施するとともに、ステップ11cに移行し、一方、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合には、ステップ11bに戻り、継続して上記必要の発生を待機する。
【0149】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、制御幅D0単位で可変する基準値Rを基準として第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。
【0150】
ステップ11cにおいて制御部20cは、基準値生成部80cに対して、所定の制御幅D1を設定し、ステップ11dに移行する。なお、制御幅D1は、制御幅D0より大きい値である。
【0151】
これにより、基準値生成部80cは、第2の受信品質測定回路70の測定結果に応じて、上記制御幅D1単位で可変する送信電力制御用基準値Rを生成し、これを比較回路100に出力する。
【0152】
これに対して、比較回路100は、上記基準値Rを基準として、第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて、送信電力制御情報を生成する。
【0153】
ステップ11dにおいて制御部20cは、ステップ11bで検出したソフトハンドオフが完了したか否かを判定する。
ここで、ソフトハンドオフが完了した場合には、ステップ11aに移行し、一方、ソフトハンドオフが完了していない場合には、ステップ11dに戻り、ソフトハンドオフの完了を待機する。
【0154】
なお、ここで、上記必要の発生を待機する場合、待機中に比較回路100は、前述したように、制御幅D1単位で可変する基準値Rを基準として第1の受信品質測定回路90の測定結果の分布を判定し、この判定結果に応じて送信電力制御情報を生成する。
【0155】
以上のように、上記構成の移動無線端末装置では、ソフトハンドオフを実施していない場合には、基準値生成部80cが生成する送信電力制御用基準値Rを制御幅D0単位で可変するように制御し、一方、ソフトハンドオフの実施中は、基準値生成部80cが生成する送信電力制御用基準値Rを制御幅D1(>D0)単位で可変するように制御している。
【0156】
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、ソフトハンドオフの実施中は、大きな制御幅D1で送信電力制御用基準値Rが制御されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、受信品質が顕著に反映される基準値に基づいてTPC情報を生成することになる。
【0157】
このため、TPC情報により無線基地局に対して要求する送信電力レベルは、例えば図9に示すように、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合にはL1(破線)で示すように変化するのに対して、同一条件下においてソフトハンドオフを実施する必要が生じた場合にはL2(実線)で示すように変化する。
【0158】
すなわち、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べてソフトハンドオフを実施する場合には、上記送信電力レベルの要求量を迅速に低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることができる。
【0159】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば制御部20cが、ソフトハンドオフを実施する場合に、大きな制御幅D1で送信電力制御用基準値Rを制御し、一方、第1の受信品質測定回路90にて求めたSIRが予め設定したレベルまで改善された場合に、小さな制御幅D0で送信電力制御用基準値Rを制御するようにしてもよい。
このような構成であっても、上記の実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0160】
また、上記実施の形態では、ステップ11bでは、ソフトハンドオフを実施する必要が生じたか否かを判定するようにしたが、これに代わって例えば、ソフトハンドオフを実施したか否かを判定するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0161】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて所定の範囲内で基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値を上記範囲内の最大値よりも予め小さく設定された既定値に決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0162】
したがって、この発明によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、基準値が予め小さく設定された既定値に決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くすることができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【0163】
また、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定し、特にハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定し、この基準値と第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じた制御情報を生成するようにしている。
【0164】
すなわち、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、第2の受信品質検出手段よりもその検出周期を短くすることが可能な第1の受信品質検出手段が求めた受信品質に基づいて基準値が決定されるので、ソフトハンドオフを実施する必要が生じていない場合に比べて、迅速に受信品質に対応する基準値に基づいて送信電力レベルの要求量を決定することができる。
【0165】
したがって、この発明によれば、第1の受信品質検出手段により高い受信品質が検出される場合には、基地局の送信電力レベルを低くするような基準値を迅速に設定することができ、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【0166】
さらに、この発明では、第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定し、ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、上記制御幅を可変するようにしている。
【0167】
したがって、この発明によれば、ハンドオフを実施する必要が生じた場合に、例えば上記制御幅を大きく設定することで、ソフトハンドオフの実施に伴って改善される受信品質が顕著に基準値に反映されることになる。
【0168】
このため、基地局に対する送信電力レベルの要求量を低くする際には、これを速やかに制御情報に反映できるので、これによりソフトハンドオフを実施する場合における不要な送信電力レベルの増大を抑制でき、迅速に適正なレベルまで下げることが可能な移動無線端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる移動無線端末装置の第1の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図3】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図4】図1に示した移動無線端末装置の比較回路の動作を説明するための図。
【図5】図1に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図6】図1に示した移動無線端末装置により基地局に対して要求される送信電力レベルの変化の一例を示す図。
【図7】この発明に係わる移動無線端末装置の第2の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図8】図7に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図9】図7に示した移動無線端末装置により基地局に対して要求される送信電力レベルの変化の一例を示す図。
【図10】この発明に係わる移動無線端末装置の第3の実施の形態の構成を示す回路ブロック図。
【図11】図10に示した移動無線端末装置の基準値生成回路に対する制御動作を説明するためのフローチャート。
【図12】従来の移動無線端末装置の構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
10…サーチャ
20a,20b,20c…制御部
30…拡散符号生成器
41〜4n…フィンガ
411…相関器
412…遅延器(Delay)
413…伝送路推定回路
414…複素乗算器
50…合成部
60…復号部
70…第2の受信品質測定回路
80a,80b,80c…基準値生成部
81a,82a…第1基準値生成回路
81b,82b…第2基準値生成回路
83…選択回路
90,90a,90b…第1の受信品質測定回路
100…比較回路
110…下りTPC情報生成部
Claims (7)
- CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、
復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、
復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、
この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づき、所定の範囲内で基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、前記基準値を前記範囲内の最大値よりも予め小さく設定された既定値に決定する基準値決定手段と、
この基準値決定手段が決定した基準値と、前記第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、前記第1の受信品質が前記基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、前記第1の受信品質が前記基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。 - 前記基準値決定手段は、前記ハンドオフが完了した場合には、前記基準値を再び前記第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の移動無線端末装置。
- CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、
復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、
復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、
この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて基準値を決定するものであって、ハンドオフを実施する必要が生じた場合には、前記第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質に基づいて基準値を決定する基準値決定手段と、
この基準値決定手段が決定した基準値と、前記第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質と比較し、前記第1の受信品質が前記基準値より大きい場合には、送信電力を下げるように求める制御情報を生成し、一方、前記第1の受信品質が前記基準値より小さい場合には、送信電力を上げるように求める制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。 - さらに、前記第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質が予め設定したレベル以上に改善された場合には、前記基準値を再び前記第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて決定することを特徴とする請求項3に記載の移動無線端末装置。
- CDMA方式の移動通信システムで用いられ、基地局の送信電力を制御するための制御情報を送信する移動無線端末装置において、
復号前の受信信号から第1の受信品質を検出する第1の受信品質検出手段と、
復号によって得た受信データから第2の受信品質を検出する第2の受信品質検出手段と、
この第2の受信品質検出手段が求めた第2の受信品質に基づいて、所定の制御幅を単位として段階的な基準値を決定する基準値決定手段と、
ハンドオフを実施する必要が生じたか否かに応じて、前記制御幅を可変する制御幅可変手段と、
この基準値決定手段が決定した基準値と、前記第1の受信品質検出手段が求めた第1の受信品質との比較結果に応じて、前記制御情報を生成する制御情報生成手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。 - 前記第1の受信品質検出手段は、受信信号のSIR(Signalto Interference noise Ratio)を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の移動無線端末装置。
- 前記第2の受信品質検出手段は、受信データの誤り率を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の移動無線端末装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002250273A JP2004088692A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 移動無線端末装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002250273A JP2004088692A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 移動無線端末装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004088692A true JP2004088692A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32057141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002250273A Pending JP2004088692A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | 移動無線端末装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004088692A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011035549A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Mitsubishi Electric Corp | 並列チャネルに対する電力制御方法 |
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002250273A patent/JP2004088692A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011035549A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Mitsubishi Electric Corp | 並列チャネルに対する電力制御方法 |
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