JP2004088484A - 家電機器制御装置、通信装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の家電機器を共通の通信装置で操作することを可能にする。
【解決手段】リモコン装置50は、操作部503に対する操作に応じた入力データを送信する。家電機器を介してこの入力データを受信すると、家電機器制御装置10は、操作対象たる家電機器30と当該家電機器30に対する指示内容を表す指令データとを当該入力データに基づいて特定する。さらに、家電機器制御装置10は、操作対象たる家電機器30に対して上記指令データを送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】リモコン装置50は、操作部503に対する操作に応じた入力データを送信する。家電機器を介してこの入力データを受信すると、家電機器制御装置10は、操作対象たる家電機器30と当該家電機器30に対する指示内容を表す指令データとを当該入力データに基づいて特定する。さらに、家電機器制御装置10は、操作対象たる家電機器30に対して上記指令データを送信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電機器との間で通信を行なう家電機器制御装置および通信装置、この家電機器制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム、ならびにこのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、利用者の指示に応じて家電機器の動作を制御するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機やビデオテープレコーダ、エアーコンディショナといった各種の家電機器は、リモコン装置などの通信装置によって遠隔操作されるのが一般的である。すなわち、この種の通信装置は、家電機器との間で例えば赤外線通信などの通信を行なうことによって、利用者の操作に応じた信号を家電機器に送信するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、各家電機器についてひとつのリモコン装置が用意されていたため、複数の家電機器が設置された環境でいずれかの家電機器を操作しようとする利用者は、多数のリモコン装置のなかから所望の家電機器に対応するものを選択しなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、複数の家電機器を共通の通信装置で操作することを可能にする家電機器制御装置およびこの通信装置、この家電機器制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム、ならびにこのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、家電機器との間で通信を行なう家電機器制御装置において、家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する受信手段と、操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する指示内容を表す指令データとを前記入力データに基づいて特定する制御手段と、前記操作対象たる家電機器に対して前記指令データを送信する送信手段とを設けたことを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、家電機器に与えられた入力データに応じて指令データが特定されるとともに、この指令データが家電機器制御装置から操作対象たる家電機器に送信されるようになっているため、利用者は、家電機器ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。
【0007】
上記発明においては、前記指令データを受信可能な家電機器を表す識別情報を記憶する記憶手段を設けるとともに、前記送信手段が、前記記憶手段に記憶された識別情報を家電機器に対して送信する構成が望ましい。こうすれば、利用者は、指令データを受信可能な家電機器を確認することができる。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、家電機器制御装置から受信した指令データに基づいて動作する家電機器との間で無線通信を行なう通信装置において、利用者によって操作される操作部と、前記操作部に対する操作に応じた入力データであって、操作対象たる家電機器への指示内容を表す指令データを前記家電機器制御装置が特定するために用いる入力データを、家電機器を介して当該家電機器制御装置に送信する送信手段とを設けたことを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、操作部への操作に応じて指令データが特定されるともに、この指令データが家電機器制御装置から操作対象たる家電機器に送信されるようになっているため、利用者は、この通信装置を複数の家電機器を操作するために共通して用いることができる。さらに、通信装置から送信された入力データは、家電機器を介して家電機器制御装置に到達するようになっているため、利用者は、所望の家電機器の近傍に移動することなく当該家電機器を操作することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
<A:第1実施形態>
<A−1:実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る家電制御システムの構成を説明する。同図に示すように、このシステムは、家電機器制御装置10と、この家電機器制御装置10に通信線20を介して接続された複数の家電機器30,30,……と、リモコン装置50と、演奏装置70とを有する。本実施形態においては、居間に設置されたテレビジョン受像機30Aおよびエアーコンディショナ30Bと、台所に設置された冷蔵庫30Cおよび炊飯器30Dと、浴室に設置されたバスユニット30Eとを家電機器30として想定する。かかる構成のもと、利用者は、リモコン装置50に対して所定の操作を行なうことにより、所望の家電機器30に対して動作の指示を与えることができる。
【0012】
家電機器制御装置10は、利用者がリモコン装置50に対して行なった操作に応じて、各家電機器30の動作を制御するためのコンピュータシステムである。この家電機器制御装置10は、図2に示すように、通信部101、制御部102および記憶部103を有する。このうち通信部101は、各家電機器30との間で通信線20を介した通信を行なうためのものである。すなわち、通信部101は、各家電機器30から受信した情報を制御部102に出力する一方、制御部102から出力された情報を家電機器30に対して送信する。
【0013】
一方、制御部102は、家電機器制御装置10の制御中枢として機能するものであり、プログラムの実行によって家電機器制御装置10の全体を管理するCPU(Central Processing Unit)と、CPUによって実行されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUによって主記憶として使用されるRAM(Random Access Memory)とを有する。いずれかの家電機器30に指示を与えるための操作がリモコン装置50に対してなされると、制御部102は、操作対象たる家電機器30に対して、当該家電機器30に対する指示内容を表すデータ(以下、「指令データ」という)を通信部101から送信する。
【0014】
記憶部103は、データの書き込みおよび読み出しが可能な手段であり、例えばハードディスク装置である。この記憶部103は、各家電機器30の動作を管理するための管理テーブルT1を記憶している。図3は管理テーブルT1の内容を示す図である。同図に示すように、この管理テーブルT1は、通信線20を介して家電機器制御装置10に接続された家電機器30ごとに、家電IDと、アドレスと、操作内容情報とが対応付けられたテーブルである。このうち家電IDは、各家電機器30に対して一意に割り当てられた識別情報である。家電機器30が通信線20を介して家電機器制御装置10に新たに接続されたとき、制御部102は、すでに他の家電機器30に割り当てられている家電IDと重複しない家電IDを新たな家電機器30に対して割り当てる。一方、いずれかの家電機器30の接続が解除されると(すなわち通信線20から取り外されると)、制御部102は、管理テーブルT1のうち当該家電機器30の家電ID、アドレスおよび操作内容情報を消去する。したがって、制御部102は、管理テーブルT1を参照することにより、現時点において当該家電機器制御装置10に接続されている家電機器30を特定することができる。
【0015】
管理テーブルT1におけるアドレスは、家電制御システムにおける各家電機器30の所在を表す情報である。また、操作内容情報は、各家電機器30に対して指示することができる動作を表しており、各家電機器30の機能に応じて異なる。例えば、図3に示すように、テレビジョン受像機30Aの操作内容情報は、電源のオンまたはオフの切り替え、表示されるチャンネルの切り替え、および音量の調整などを表すものであり、エアーコンディショナ30Bの操作内容情報は、電源のオンまたはオフの切り替え、設定温度の調整、および冷房機能または暖房機能の切り替えなどを表すものである。
【0016】
次に、図4は、家電機器30の構成を示すブロック図である。ただし、図4においてはすべての家電機器30について共通する構成要素のみが図示されている。同図に示すように、家電機器30は、動作ユニット301と、通信部302と、制御部303と、信号送受信部304とを有する。このうち動作ユニット301は、当該家電機器30に特有の機能を担うものである。具体的には、テレビジョン受像機30Aの動作ユニット301は、ディスプレイに画像を表示させる機能とスピーカから音声を出力させるための機能とを有する。エアーコンディショナ30Bの動作ユニットは、室内の温度または湿度を設定値に調整するための機能を有する。また、冷蔵庫30Cの動作ユニット301は当該冷蔵庫30Cに収容された食品を冷却するための機能を、炊飯器30Dの動作ユニット301は米を炊くための機能をそれぞれ有している。さらに、バスユニット30Eの動作ユニット301は、設定された温度の湯を浴室の湯船に供給するための機能を有する。
【0017】
次に、通信部302は、家電機器制御装置10との間で通信線20を介した通信を行なうための手段である。すなわち、通信部302は、家電機器制御装置10から受信した情報を制御部303に出力する一方、制御部303から出力された情報を通信線20から家電機器制御装置10に送信する。また、制御部303は、この家電機器30全体の動作を制御するための手段であり、家電機器制御装置10の制御部102と同様にCPU、ROMおよびRAMからなる。制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する。
【0018】
信号送受信部304は、リモコン装置50との間で近距離無線通信を行なうための手段である。ただし、本実施形態においては、家電機器30とリモコン装置50との間で赤外線通信が行なわれるものとする。すなわち、信号送受信部304は、制御部303から出力された情報を、赤外線発光ダイオードなどの発光素子から赤外線にて送信する。さらに、信号送受信部304は、リモコン装置50から送信された赤外線を受光素子によって受信するとともに、この信号を復調して得られた情報を制御部303に出力する。
【0019】
次に、図5および図6を参照して、本実施形態に係るリモコン装置50の構成を説明する。図5はリモコン装置50の外観を示す平面図であり、図6はリモコン装置50の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示すように、リモコン装置50は、制御部501、信号送受信部502、操作部503および表示部504を有する。このうち制御部501は、リモコン装置50の全体を制御するための手段であり、CPU、ROMおよびRAMなどから構成される。信号送受信部502は、制御部501から出力された情報を赤外線にて家電機器30に送信する一方、家電機器30から受信した赤外線が表す情報を制御部501に出力する。
【0020】
また、操作部503は複数の操作子(例えばキー)からなり、利用者による操作に応じた信号を制御部501に出力する。図5に示すように、この操作部503を構成する操作子としては、家電機器30の電源のオンまたはオフを指示するための電源キー503aと、数字を入力するための数字キー503bと、入力を確定させるための決定キー503cと、テレビジョン受像機30Aにおける音量といった所定のパラメータの増加または減少を入力するための上下キー503dとを有する。表示部504は、液晶表示パネルなどの表示パネルを備え、制御部501による制御のもとに各種の画像を表示する。
【0021】
一方、図1に示す演奏装置70は、複数の操作子(鍵)のうち利用者によって押下された鍵に対応する楽音を出力する装置である。加えて、本実施形態における演奏装置70は、家電機器制御装置10からの指示に応じた楽音を出力する機能を備えている。
【0022】
<A−2:実施形態の動作>
次に、図7を参照して、本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、居間に設置されたテレビジョン受像機30Aの近傍に所在する利用者がリモコン装置50を操作することにより、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作する場合を想定する。
【0023】
まず、利用者によって操作部503に所定の操作がなされると、リモコン装置50の制御部501は、接続状態要求を信号送受信部502から送信する(ステップSa1)。この接続状態要求は、その時点において家電機器制御装置10に接続されている家電機器30の通知を要求するための信号である。一方、テレビジョン受像機30Aの制御部303は、信号送受信部304を介して受信した接続状態要求信号を、通信部302を介して家電機器制御装置10に送信する(ステップSa2)。この接続状態要求信号を受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、記憶部103に格納された管理テーブルT1のうち、すべての家電IDと当該家電IDに対応付けられた操作内容情報とを読み出す(ステップSa3)。さらに制御部102は、読み出した家電IDと操作内容情報とを含む接続状態通知を、すべての家電機器30に対して送信する(ステップSa4)。一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した接続状態通知を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSa5)。リモコン装置50は、当該リモコン装置50の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの赤外線を受信する。
【0024】
こうして接続状態通知を受信すると、リモコン装置50の制御部501は、当該通知に含まれる家電IDに基づいて、図8に示す接続状態通知画面を表示部504に表示させる(ステップSa6)。同図に示すように、この画面には、家電機器制御装置10に接続されたすべての家電機器30(すなわちリモコン装置50による操作対象となる家電機器30)の名称Nと、いずれかの名称の左側に配置されたカーソルCとが含まれる。利用者は、この表示を視認することにより、リモコン装置50を用いて操作可能な家電機器30を把握することができる。さらに、利用者は、第1に、操作部503の上下キー503dを適宜に押下してカーソルCを所望の家電機器30の名称Nの横に移動させ、第2に、この状態で決定キー503cを押下することによって、その家電機器30を操作対象として選択することができる。この選択がなされると、制御部501は、先に受信した接続状態通知に含まれる操作内容情報のうち、選択された家電機器30の操作内容情報に基づいて、図9に示す指示内容入力画面を表示させる(ステップSa7)。この画面は、先に選択した家電機器30に対して指示可能な動作の内容が含まれている。利用者は、この画面を視認しつつ操作部503に所定の操作を行なうことにより、家電機器30に対する指示内容を入力することができる。ここでは、操作対象たる家電機器30としてバスユニット30Eが選択された場合を想定する。この場合、指示内容入力画面には、電源のオンまたはオフの切り替え、湯船への給湯の開始または停止、および湯の温度が指示内容の候補として含まれることとなる。なお、ここでは湯船への給湯開始が選択されたものとする。
【0025】
こうして指示内容の選択がなされた後、操作部503の決定キー503cが押下されると、制御部501は、操作対象として選択された家電機器30の家電IDと選択された指示内容とを表す入力データを信号送受信部502から送信する(ステップSa8)。この入力データは、テレビジョン受像機30Aを介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSa9)。
【0026】
一方、家電機器制御装置10の制御部102は、リモコン装置50から家電機器30を介して受信した入力データを解釈することによって、操作対象たる家電機器30を特定するとともに、この家電機器30に対する指示内容を表す指令データを生成する(ステップSa10)。そして、制御部102は、操作対象として特定した家電機器30(ここではバスユニット30E)のアドレスを管理テーブルT1から読み出すとともに、このアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSa11)。すなわち、湯船への給湯を開始すべき旨を表す指令データがバスユニット30Eに対して送信される。一方、バスユニット30Eの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSa12)。この制御の結果、動作ユニット301は湯船への給湯を開始することとなる。
【0027】
この後、給湯が完了したことを動作ユニット301からの通知によって検知すると(ステップSa13)、バスユニット30Eの制御部303は、指示された動作が完了したことを表す動作完了通知を家電機器制御装置10に送信する(ステップSa14)。そして、家電機器制御装置10の制御部102は、バスユニット30Eから受信した動作完了通知をすべての家電機器30に対して送信する(ステップSa15)。さらに、制御部102は、所定の楽音を出力すべき旨の指示を演奏装置70に送信する。この結果、指示内容に応じた楽音が演奏装置70から出力されることとなる。この楽音を聴取することにより、利用者は、自分が指示した動作が完了したことを確認することができる。
【0028】
一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した動作完了通知を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSa16)。リモコン装置50は、当該リモコン装置50の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの赤外線を受信する。こうして動作完了通知を受信すると、リモコン装置50の制御部501は、ステップSa7において入力された指示が完了したことを表示部504に表示させる。利用者は、この表示を視認することにより、自己の操作に応じた家電機器30の動作が完了したことを確認することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態においては、リモコン装置50に対する操作に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器30に送信されるようになっているため、利用者は、複数の家電機器を共通のリモコン装置50によって操作することができる。したがって、各家電機器30ごとに異なるリモコン装置50を用いる必要がないから、家電機器30を操作するときの利用者の負担を軽減することができる。さらに、リモコン装置50から送信された入力データは、これをリモコン装置50から受信した家電機器30(すなわち入力データが入力された家電機器30)を介して家電機器制御装置10に到達するようになっているから、たとえ操作対象たる家電機器30が利用者から離れた位置にあっても、利用者は、その近傍に移動することなく当該家電機器30を操作することができる。例えば、上述した例においては、利用者は、居間にいながらにして、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作することができる。
【0030】
加えて、本実施形態においては、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称がリモコン装置50の表示部504に表示されるようになっているため、利用者は、家電機器30に対する指示内容をリモコン装置50に入力する前に、家電機器制御装置10に接続された家電機器30(すなわち指令データを受信可能な家電機器30)を確認することができる。したがって、ある家電機器30が家電機器制御装置10に接続されていないにもかかわらず当該家電機器30に対する指示内容をリモコン装置50に入力するといった無駄な操作を回避することができる。
【0031】
なお、本実施形態においてはリモコン装置50に対する操作に応じて入力データが生成されて家電機器30に入力されるものとしたが、各家電機器30が操作部を備えている場合には、この操作部に対する操作に応じて入力データが生成されるものとしてもよい。こうした場合にも、いずれかの家電機器30を操作することによって他の家電機器30に動作指示を与えることができるから、各家電機器30ごとに異なるリモコン装置を用いる煩雑さは解消される。
【0032】
<B:第2実施形態>
<B−1:実施形態の構成>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記実施形態においては、リモコン装置50の操作部503になされた操作に応じて入力データが生成されるものとした。これに対し、本実施形態においては、家電機器に向かって利用者が発した音声に基づいて入力データが生成されるようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0033】
図10は、本実施形態に係る家電機器の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この家電機器31(テレビジョン受像機31A、エアーコンディショナ31B、冷蔵庫31C、炊飯器31Dおよびバスユニット31E)は、前掲図4に示した信号送受信部304に代えて音入力部305を備えている。この音入力部305は、当該家電機器31の周囲において発せられた音に対応する電気信号を生成するマイクロホンと、この電気信号を所定の周期でサンプリングして得られるデジタルデータを出力するA/D変換器とを有する。いずれかの家電機器31を操作するとき、利用者は、その家電機器31の名称と所望の指示内容とを音入力部305に向かって発声する。例えば、「テレビ、オン」といった具合である。音入力部305は、こうして発せられた音声を表すデジタルデータを生成する。そして、制御部303は、このデジタルデータを入力データとして家電機器制御装置10に送信するのである。
【0034】
一方、家電機器制御装置10の記憶部103は、音声テーブルT21およびT22を記憶している。このうち音声テーブルT21は、図11に示すように、各家電機器31の名称を表す音声の内容と、当該家電機器31の家電IDとが対応付けられたテーブルである。一方、音声テーブルT22は、図12に示すように、各家電機器31に対する指示内容を表す音声の内容と、その指示内容を表す指令データとが対応付けられたテーブルである。制御部102は、音声テーブルT21およびT22を参照することにより、入力データが表す音声に対応した家電機器の家電IDおよび指令データを特定する。
【0035】
<B−2:実施形態の動作>
次に、図13を参照して本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、台所にいる利用者が、居間に設置されたテレビジョン受像機31Aの電源をオンするための操作を行なう場合を想定する。
【0036】
まず、利用者が、台所に設置された冷蔵庫31Cに向かって「てれび、おん(テレビ、オン)」と発声すると、冷蔵庫31Cの制御部303は、この音声を表すデジタルデータを音入力部305から受信するとともに、これを入力データとして家電機器制御装置10に送信する(ステップSb1)。
【0037】
一方、冷蔵庫31Cから入力データを受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、この入力データが表す音声の内容を解析するとともに、この内容に応じた家電IDおよび指令データを特定する(ステップSb2)。具体的には、入力データが表す音声「てれび、おん」のうち「てれび」の部分に基づいてテレビジョン受像機31Aの家電ID「ID01」を特定するとともに、「おん」の部分に基づいて「電源オン」を表す指令データを生成する。なお、入力データが表す音声を認識する方法には、公知の各種音声認識技術を用いることができる。
【0038】
さらに、制御部102は、この家電IDに対応するアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSb3)。一方、テレビジョン受像機31Aの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSb4)。この結果、テレビジョン受像機31Aの電源が投入される(ステップSb5)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、利用者により発せられた音声に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器31に送信されるようになっているため、各家電機器31ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。また、入力データに基づく音声認識は家電機器制御装置10において行なわれるため、音声認識のためのソフトウェアを各家電機器31が備える必要はない。
【0040】
なお、本実施形態においては、音声を入力するための音入力部305を家電機器31が備える構成としたが、リモコン装置50が音入力部を備える構成としてもよい。すなわち、利用者が発した音声を表す入力データがリモコン装置50において生成されて家電機器31に入力され、この家電機器31から家電機器制御装置10に送信されるものとしてもよい。この場合、各家電機器31は音入力部を備える必要はなく、リモコン装置50と家電機器制御装置10との間で授受される入力データを単に中継する機能を備えていればよいから、家電機器31の構成を簡易にすることができるという利点がある。
【0041】
<C:第3実施形態>
<C−1:実施形態の構成>
次に、本発明の第3実施形態に係る家電制御システムについて説明する。上記第2実施形態においては、家電機器31に対して発せられた音声を表す入力データが生成されるものとした。これに対し、本実施形態においては、家電機器が備える撮像部によって当該家電機器の周囲の画像(動画像)が撮影されるとともに、その画像に応じた入力データが生成されるようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0042】
図14は、本実施形態に係る家電機器の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この家電機器32(テレビジョン受像機32A、エアーコンディショナ32B、冷蔵庫32C、炊飯器32Dおよびバスユニット32E)は、前掲図4に示した信号送受信部304に代えて撮像部306を備えている。この撮像部306は、当該家電機器32の周囲の映像を撮影してこの画像を表すデータを出力するための手段である。いずれかの家電機器32を操作するとき、利用者は、その家電機器32の種類と所望の指示内容とに対応した動作を撮像部306に向かって行なう。
【0043】
一方、家電機器制御装置10の記憶部103は、画像テーブルを記憶している。この画像テーブルは、入力データに対応した画像が表す利用者の動作内容と、その動作内容に対応付けられた家電機器32の家電IDと、その動作内容に対応付けられた指示内容を表す指令データとを含んでいる。例えば、手のひらを撮像部306に向けた状態で上から下に移動させる動作には「電源オン」を表す指令データが対応付けられており、手のひらを撮像部306に突き出す動作には「電源オフ」を表す指令データが対応付けられている。さらに、これらの動作が行なわれているときの指の状態と家電機器32の家電IDとが対応付けられている。例えば、人指し指のみを立てた状態での動作にはテレビジョン受像機32Aの家電IDが対応付けられており、人指し指と中指とを立てた状態での動作には冷蔵庫32Cの家電IDが対応付けられている。制御部102は、この画像テーブルを参照することにより、入力データが表す画像に対応した家電機器32と当該家電機器32に対する指令データとを特定することができる。例えば、人指し指と中指とを立てた状態で手のひらを撮像部306に対して上から下に移動させる動作が行なわれた場合には、この動作を表す画像データに基づいて、操作対象たる家電機器32が家電ID「ID03」たる冷蔵庫32Cであり、「電源オン」を表す指令データを送信すべきことが特定される。
【0044】
<C−2:実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、台所にいる利用者が、居間に設置されたテレビジョン受像機32Aの電源を切るための動作を行なう場合を想定する。なお、本実施形態の動作手順は前掲図13に示した第2実施形態の動作手順と概ね同様であるため、この図を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0045】
まず、台所に設置された冷蔵庫32Cの撮像部306に向かって、利用者が人指し指のみを立てた状態で手のひらを突き出すと、制御部303は、この画像を表す画像データを撮像部306から受信するとともに、これを入力データとして家電機器制御装置10に送信する(ステップSb1)。
【0046】
一方、冷蔵庫32Cから入力データを受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、この入力データが表す画像の内容を解析するとともに、この内容に応じた家電IDおよび指令データを特定する(ステップSb2)。具体的には、入力データが表す利用者の手のひらの画像において、人指し指のみが立てられていることからテレビジョン受像機32Aの家電ID「ID01」を特定するとともに、手のひらが突き出されていることから「電源オフ」を表す指令データを生成する。なお、入力データが表す画像を認識する方法には、公知の各種画像認識技術を用いることができる。
【0047】
さらに、制御部102は、この家電IDに対応するアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSb3)。一方、テレビジョン受像機32Aの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSb4)。この結果、テレビジョン受像機32Aの電源が切断される(ステップSb5)。
【0048】
以上説明したように、本実施形態においては、撮像部306によって撮影された画像に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器32に送信されるようになっているため、利用者は、各家電機器32ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。さらに、入力データに基づく画像認識は家電機器制御装置10において行なわれるため、画像認識のためのソフトウェアを各家電機器が備える必要はない。
【0049】
なお、本実施形態においては、利用者の動作を撮影するための撮像部306を家電機器32が備える構成としたが、リモコン装置50が撮像部を備える構成としてもよい。すなわち、利用者の動作を表す入力データがリモコン装置50において生成されて家電機器制御装置10に送信されるものとしてもよい。この場合、各家電機器32は撮像部306を備える必要はなく、リモコン装置50と家電機器制御装置10との間で授受される入力データを単に中継する機能を備えていればよいから、家電機器32の構成を簡易にすることができるという利点がある。
【0050】
<D:第4実施形態>
<D−1:第4実施形態の構成>
次に、本発明の第4実施形態に係る家電制御システムについて説明する。本実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、リモコン装置に対する利用者の動作に応じた入力データが当該リモコン装置から家電機器30を介して家電機器制御装置10に送信され、この入力データに応じて家電機器30の動作が制御されるようになっている。ただし、本実施形態におけるリモコン装置は、利用者による操作に応じて、または自律的に移動するようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略するものとする。
【0051】
図15は本実施形態におけるリモコン装置の外観を示す図である。同図に示すように、このリモコン装置51は人間の体格に類似した形態を有する。すなわち、リモコン装置51は、頭部51aと、胴体部51bと、一対の腕部51cと、一対の脚部51dとを有するとともに、脚部51dを前後に移動させることによって歩行するようになっている。
【0052】
次に、図16は、リモコン装置51の機能的構成を示すブロック図である。図15および図16に示すように、リモコン装置51は、信号送受信部502と、操作部503と、モータ群505と、音入力部506と、撮像部507と、記憶部508と、これらの各部を制御するための制御部501とを有する。このうちモータ群505は、リモコン装置51の頭部51a、腕部51cおよび脚部51dを作動させるための複数のモータを備えており、各々が制御部501による制御のもとに駆動されるようになっている。一方、音入力部506および撮像部507は、上記第2および第3実施形態に示した音入力部305および撮像部306とそれぞれ同様の機能を有するものである。すなわち、音入力部506は利用者によって発せられた音声を表すデータを、撮像部507は利用者の動作を撮像して得られたデータを、それぞれ入力データとして制御部501に出力する。また、記憶部508は、音入力部506に入力された音声を表すデータ、撮像部507によって撮像された画像を表すデータ、または操作部503に対して行なわれた操作内容を表すデータを、家電機器30に対する指示内容を表す入力データとして一時的に記憶するための手段である。なお、操作部503および信号送受信部502は、前掲図6に示したものと同様である。
【0053】
<D−2:第4実施形態の動作>
次に、図17を参照して、本実施形態の動作について説明する。なお、ここでは、居間にいる利用者が、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作する場合を想定する。
【0054】
まず、利用者は、操作部503に対する操作、音入力部506への発声、または撮像部507に対する動作のいずれかを行なうことにより、所望の操作に対応する入力データをリモコン装置51に対して入力する。これら動作は、上記第1ないし第3実施形態にそれぞれ示したものであるから、ここでは詳細な説明を省略する。
【0055】
こうして入力データが与えられると、リモコン装置51の制御部501は、この入力データを記憶部508に記憶させるとともに(ステップSc1)、信号送受信部502から家電操作要求を送信する(ステップSc2)。この要求は、家電機器制御装置10による家電機器30の制御を要求するためのものである。ここで、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信可能な範囲内に所在している場合、このリモコン装置51から送信された家電操作要求は当該家電機器30を介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSc3)。なお、ここでは、家電操作要求がテレビジョン受像機30Aによって中継される場合を想定する。
【0056】
この家電操作要求を受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、当該家電機器制御装置10に接続されたすべての家電機器30に対して家電操作応答を送信する(ステップSc4)。一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した家電操作応答を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSc5)。リモコン装置51の制御部501は、当該リモコン装置51の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの家電操作応答を受信すると、ステップSc1において記憶部508に格納した入力データを読み出して信号送受信部502から送信する(ステップSc6)。この入力データは、テレビジョン受像機30Aを介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSc7)。この後、図13に示したステップSb2以降の動作が実行されることにより、バスユニット30Eの動作が制御される(ステップSc8ないしSc11)。
【0057】
さて、ここではリモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信可能な範囲内に所在している場合を想定したが、リモコン装置51がいずれの家電機器30とも通信できない位置に所在している場合もあり得る。例えばリモコン装置51と家電機器30との間に障害物が存在する場合などである。本実施形態においては、このような場合に、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信できる位置まで自律的に移動するようになっている。詳述すると、以下の通りである。
【0058】
リモコン装置51が家電機器30と通信できない位置に所在している場合、家電操作要求は、家電機器制御装置10に到達しない。したがって、この場合には、リモコン装置51が家電操作応答を受信することはない。そこで、ステップSc2において家電操作要求を送信してから一定の時間(例えば5秒間)が経過するまでに家電操作応答を受信していないと判定した場合、リモコン装置51の制御部501は、リモコン装置51の自律的移動について予め設定されたアルゴリズムに従って、モータ群505のうち脚部51dに対応するモータに対して動作指示を与える。この結果、当該モータによって脚部51dが駆動されてリモコン装置51が移動する。そして、この移動が終了すると、リモコン装置51の制御部501は、信号送受信部502から家電操作要求を再び送信する。
【0059】
この後、いずれかの家電機器30を介して家電操作応答を受信するまで、すなわちいずれかの家電機器30と通信可能な位置に移動するまで、リモコン装置51の制御部501は、脚部51dに対応するモータへの駆動指示と、家電操作要求の再送とを繰り返す。そして、移動後にいずれかの家電機器30から家電操作応答を受信すると、リモコン装置51の制御部501は、図17に示したステップSc6以降の処理を実行する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、リモコン装置51に対する操作に応じた指令データが家電機器制御装置10から家電機器30に送信されるようになっているため、利用者は、複数の家電機器30を共通のリモコンで操作することができる。さらに、本実施形態においては、リモコン装置51と家電機器30とが通信可能な位置関係にない場合に、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信し得る位置に自律的に移動するようになっているから、利用者は、リモコン装置51と家電機器30との位置関係に注意する必要はない。例えば、リモコン装置51を操作するときに、その信号送受信部502を家電機器30の信号送受信部304に対向させた状態に移動させる必要はない。
【0061】
<E:変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0062】
<E−1:変形例1>
上記第1実施形態においては、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称が利用者に対して報知される構成とした(図8参照)。この構成を、第2ないし第4実施形態において採用してもよい。すなわち、第2および第3実施形態においては家電機器31または32に設けられた表示部に、第4実施形態においてはリモコン装置51に設けられた表示部に、それぞれ図8に示した接続状態通知画面を表示させるようにしてもよい。また、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称を利用者に報知する方法は表示に限られるものではなく、音声によってこれらの名称を報知するようにしてもよい。例えば、これらの名称を表す音声を、スピーカやイヤホンなどの放音装置から出力するといった具合である。要するに、接続中の家電機器30の名称が、利用者に認識可能な態様で出力されればよいのである。
【0063】
また、上記第1実施形態においては、家電機器30の動作が完了したときに演奏装置70から所定の楽音が出力される構成とした。上記第2ないし第4実施形態においても、この構成を同様に採用することができる。なお、上記第1実施形態の例では所定の楽音が出力されるものとしたが、演奏装置70から何らかの楽音がすでに出力されているときには、その楽音に付与される効果を変更するようにしてもよい。例えば、バスユニット30Eによる給湯が完了した場合を想定すると、そのときに演奏装置70から出力されている楽音に対して残響効果が付与されるといった具合である。
【0064】
<E−2:変形例2>
上記各実施形態および変形例においては、家電機器30を操作するためにリモコン装置50または51を用いたが、携帯電話機に代表される携帯型の通信端末を、家電機器30を操作するための装置として用いることもできる。すなわち、本発明における「通信装置」とは、家電機器との間で無線通信を行なうことができる装置であればよく、家電機器30の操作のためにのみ用意されたものである必要はない。さらに、上記各実施形態においては、リモコン装置と家電機器との間で赤外線通信が行なわれるものとしたが、この通信装置と家電機器との間でなされる通信の方式についても特定の方式に限定されるものではない。例えば、Bluetooth(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行なうものとしてもよい。
【0065】
<E−3:変形例3>
上記第4実施形態においては、形態が人間に類似したリモコン装置51を例示したが、リモコン装置51の形態がこれに限られるものでないことは言うまでもない。要は、当該リモコン装置の位置を移動させるための手段を備えているものであればよい。
【0066】
また、上記各実施形態および各変形例においては、家電機器としてテレビジョン受像機、エアーコンディショナ、冷蔵庫、炊飯器およびバスユニットを例示したが、本発明における「家電機器」がこの種の機器に限られるものでないことはもちろんである。すなわち、本発明における「家電機器」は、本明細書において例示したもののほか、家庭や事業所などに設置された電気製品や情報通信機器など各種の電気機器を含む概念である。
【0067】
<E−4:変形例4>
本発明は、家電機器と通信を行なうコンピュータを、家電機器制御装置として機能させるためのプログラムとしても実施することができる。すなわち、このプログラムは、コンピュータに、家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する機能と、操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する指示内容とを前記入力データに基づいて特定する機能と、前記操作対象たる家電機器に対して前記指示内容を送信する機能とを実現させるためのプログラムとして特定される。
【0068】
さらに、本発明は、家電機器制御装置から受信した指令データに基づいて動作する家電機器との間で無線通信を行なうコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムとしても実施可能である。すなわち、この機能は、操作部に対する操作に応じた入力データであって、操作対象たる家電機器への指示内容を表す指令データを家電機器制御装置が特定するために用いる入力データを、家電機器を介して当該家電機器制御装置に送信する機能である。
【0069】
さらに、本発明は、これらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても実施可能である。この記録媒体としては、可搬型の磁気ディスクやCD−ROMなどのほか、ハードディスク装置や半導体メモリなどが考えられる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の家電機器を共通の通信装置で操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る家電制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同家電制御システムにおける家電機器制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】管理テーブルの具体的内容を示す図である。
【図4】同家電制御システムにおける家電機器の構成を示すブロック図である。
【図5】同家電制御システムにおけるリモコン装置の外観を示すブロック図である。
【図6】同家電制御システムにおけるリモコン装置の構成を示すブロック図である。
【図7】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】同家電制御システムにおいてリモコン装置の表示部に表示される接続状態通知画面の内容を示す図である。
【図9】同家電制御システムにおいてリモコン装置の表示部に表示される指示内容入力画面の内容を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る家電制御システムの家電機器の構成を示すブロック図である。
【図11】同家電制御システムにおける音声テーブルの具体的内容を示す図である。
【図12】同家電制御システムにおける音声テーブルの具体的内容を示す図である。
【図13】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態に係る家電制御システムにおける家電機器の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る家電制御システムにおけるリモコン装置の外観を示す図である。
【図16】同リモコン装置の機能構成を示すブロック図である。
【図17】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
10……家電機器制御装置、101……通信部(送信手段、受信手段)、102……制御部(制御手段)、103……記憶部(記憶手段)、20……通信線、30(30A,30B,30C,30D,30E),31,32……家電機器、301……動作ユニット、302……通信部、303……制御部、304……信号送受信部、305……音入力部、306……撮像部、50,51……リモコン装置、501……制御部、502……信号送受信部(送信手段、受信手段)、503……操作部、504……表示部(報知手段)、505……モータ群(移動手段)、506……音入力部(収音手段)、507……撮像部(撮像手段)、508……記憶部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電機器との間で通信を行なう家電機器制御装置および通信装置、この家電機器制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム、ならびにこのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、利用者の指示に応じて家電機器の動作を制御するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機やビデオテープレコーダ、エアーコンディショナといった各種の家電機器は、リモコン装置などの通信装置によって遠隔操作されるのが一般的である。すなわち、この種の通信装置は、家電機器との間で例えば赤外線通信などの通信を行なうことによって、利用者の操作に応じた信号を家電機器に送信するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、各家電機器についてひとつのリモコン装置が用意されていたため、複数の家電機器が設置された環境でいずれかの家電機器を操作しようとする利用者は、多数のリモコン装置のなかから所望の家電機器に対応するものを選択しなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、複数の家電機器を共通の通信装置で操作することを可能にする家電機器制御装置およびこの通信装置、この家電機器制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム、ならびにこのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、家電機器との間で通信を行なう家電機器制御装置において、家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する受信手段と、操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する指示内容を表す指令データとを前記入力データに基づいて特定する制御手段と、前記操作対象たる家電機器に対して前記指令データを送信する送信手段とを設けたことを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、家電機器に与えられた入力データに応じて指令データが特定されるとともに、この指令データが家電機器制御装置から操作対象たる家電機器に送信されるようになっているため、利用者は、家電機器ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。
【0007】
上記発明においては、前記指令データを受信可能な家電機器を表す識別情報を記憶する記憶手段を設けるとともに、前記送信手段が、前記記憶手段に記憶された識別情報を家電機器に対して送信する構成が望ましい。こうすれば、利用者は、指令データを受信可能な家電機器を確認することができる。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、家電機器制御装置から受信した指令データに基づいて動作する家電機器との間で無線通信を行なう通信装置において、利用者によって操作される操作部と、前記操作部に対する操作に応じた入力データであって、操作対象たる家電機器への指示内容を表す指令データを前記家電機器制御装置が特定するために用いる入力データを、家電機器を介して当該家電機器制御装置に送信する送信手段とを設けたことを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、操作部への操作に応じて指令データが特定されるともに、この指令データが家電機器制御装置から操作対象たる家電機器に送信されるようになっているため、利用者は、この通信装置を複数の家電機器を操作するために共通して用いることができる。さらに、通信装置から送信された入力データは、家電機器を介して家電機器制御装置に到達するようになっているため、利用者は、所望の家電機器の近傍に移動することなく当該家電機器を操作することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
<A:第1実施形態>
<A−1:実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る家電制御システムの構成を説明する。同図に示すように、このシステムは、家電機器制御装置10と、この家電機器制御装置10に通信線20を介して接続された複数の家電機器30,30,……と、リモコン装置50と、演奏装置70とを有する。本実施形態においては、居間に設置されたテレビジョン受像機30Aおよびエアーコンディショナ30Bと、台所に設置された冷蔵庫30Cおよび炊飯器30Dと、浴室に設置されたバスユニット30Eとを家電機器30として想定する。かかる構成のもと、利用者は、リモコン装置50に対して所定の操作を行なうことにより、所望の家電機器30に対して動作の指示を与えることができる。
【0012】
家電機器制御装置10は、利用者がリモコン装置50に対して行なった操作に応じて、各家電機器30の動作を制御するためのコンピュータシステムである。この家電機器制御装置10は、図2に示すように、通信部101、制御部102および記憶部103を有する。このうち通信部101は、各家電機器30との間で通信線20を介した通信を行なうためのものである。すなわち、通信部101は、各家電機器30から受信した情報を制御部102に出力する一方、制御部102から出力された情報を家電機器30に対して送信する。
【0013】
一方、制御部102は、家電機器制御装置10の制御中枢として機能するものであり、プログラムの実行によって家電機器制御装置10の全体を管理するCPU(Central Processing Unit)と、CPUによって実行されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUによって主記憶として使用されるRAM(Random Access Memory)とを有する。いずれかの家電機器30に指示を与えるための操作がリモコン装置50に対してなされると、制御部102は、操作対象たる家電機器30に対して、当該家電機器30に対する指示内容を表すデータ(以下、「指令データ」という)を通信部101から送信する。
【0014】
記憶部103は、データの書き込みおよび読み出しが可能な手段であり、例えばハードディスク装置である。この記憶部103は、各家電機器30の動作を管理するための管理テーブルT1を記憶している。図3は管理テーブルT1の内容を示す図である。同図に示すように、この管理テーブルT1は、通信線20を介して家電機器制御装置10に接続された家電機器30ごとに、家電IDと、アドレスと、操作内容情報とが対応付けられたテーブルである。このうち家電IDは、各家電機器30に対して一意に割り当てられた識別情報である。家電機器30が通信線20を介して家電機器制御装置10に新たに接続されたとき、制御部102は、すでに他の家電機器30に割り当てられている家電IDと重複しない家電IDを新たな家電機器30に対して割り当てる。一方、いずれかの家電機器30の接続が解除されると(すなわち通信線20から取り外されると)、制御部102は、管理テーブルT1のうち当該家電機器30の家電ID、アドレスおよび操作内容情報を消去する。したがって、制御部102は、管理テーブルT1を参照することにより、現時点において当該家電機器制御装置10に接続されている家電機器30を特定することができる。
【0015】
管理テーブルT1におけるアドレスは、家電制御システムにおける各家電機器30の所在を表す情報である。また、操作内容情報は、各家電機器30に対して指示することができる動作を表しており、各家電機器30の機能に応じて異なる。例えば、図3に示すように、テレビジョン受像機30Aの操作内容情報は、電源のオンまたはオフの切り替え、表示されるチャンネルの切り替え、および音量の調整などを表すものであり、エアーコンディショナ30Bの操作内容情報は、電源のオンまたはオフの切り替え、設定温度の調整、および冷房機能または暖房機能の切り替えなどを表すものである。
【0016】
次に、図4は、家電機器30の構成を示すブロック図である。ただし、図4においてはすべての家電機器30について共通する構成要素のみが図示されている。同図に示すように、家電機器30は、動作ユニット301と、通信部302と、制御部303と、信号送受信部304とを有する。このうち動作ユニット301は、当該家電機器30に特有の機能を担うものである。具体的には、テレビジョン受像機30Aの動作ユニット301は、ディスプレイに画像を表示させる機能とスピーカから音声を出力させるための機能とを有する。エアーコンディショナ30Bの動作ユニットは、室内の温度または湿度を設定値に調整するための機能を有する。また、冷蔵庫30Cの動作ユニット301は当該冷蔵庫30Cに収容された食品を冷却するための機能を、炊飯器30Dの動作ユニット301は米を炊くための機能をそれぞれ有している。さらに、バスユニット30Eの動作ユニット301は、設定された温度の湯を浴室の湯船に供給するための機能を有する。
【0017】
次に、通信部302は、家電機器制御装置10との間で通信線20を介した通信を行なうための手段である。すなわち、通信部302は、家電機器制御装置10から受信した情報を制御部303に出力する一方、制御部303から出力された情報を通信線20から家電機器制御装置10に送信する。また、制御部303は、この家電機器30全体の動作を制御するための手段であり、家電機器制御装置10の制御部102と同様にCPU、ROMおよびRAMからなる。制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する。
【0018】
信号送受信部304は、リモコン装置50との間で近距離無線通信を行なうための手段である。ただし、本実施形態においては、家電機器30とリモコン装置50との間で赤外線通信が行なわれるものとする。すなわち、信号送受信部304は、制御部303から出力された情報を、赤外線発光ダイオードなどの発光素子から赤外線にて送信する。さらに、信号送受信部304は、リモコン装置50から送信された赤外線を受光素子によって受信するとともに、この信号を復調して得られた情報を制御部303に出力する。
【0019】
次に、図5および図6を参照して、本実施形態に係るリモコン装置50の構成を説明する。図5はリモコン装置50の外観を示す平面図であり、図6はリモコン装置50の機能構成を示すブロック図である。これらの図に示すように、リモコン装置50は、制御部501、信号送受信部502、操作部503および表示部504を有する。このうち制御部501は、リモコン装置50の全体を制御するための手段であり、CPU、ROMおよびRAMなどから構成される。信号送受信部502は、制御部501から出力された情報を赤外線にて家電機器30に送信する一方、家電機器30から受信した赤外線が表す情報を制御部501に出力する。
【0020】
また、操作部503は複数の操作子(例えばキー)からなり、利用者による操作に応じた信号を制御部501に出力する。図5に示すように、この操作部503を構成する操作子としては、家電機器30の電源のオンまたはオフを指示するための電源キー503aと、数字を入力するための数字キー503bと、入力を確定させるための決定キー503cと、テレビジョン受像機30Aにおける音量といった所定のパラメータの増加または減少を入力するための上下キー503dとを有する。表示部504は、液晶表示パネルなどの表示パネルを備え、制御部501による制御のもとに各種の画像を表示する。
【0021】
一方、図1に示す演奏装置70は、複数の操作子(鍵)のうち利用者によって押下された鍵に対応する楽音を出力する装置である。加えて、本実施形態における演奏装置70は、家電機器制御装置10からの指示に応じた楽音を出力する機能を備えている。
【0022】
<A−2:実施形態の動作>
次に、図7を参照して、本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、居間に設置されたテレビジョン受像機30Aの近傍に所在する利用者がリモコン装置50を操作することにより、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作する場合を想定する。
【0023】
まず、利用者によって操作部503に所定の操作がなされると、リモコン装置50の制御部501は、接続状態要求を信号送受信部502から送信する(ステップSa1)。この接続状態要求は、その時点において家電機器制御装置10に接続されている家電機器30の通知を要求するための信号である。一方、テレビジョン受像機30Aの制御部303は、信号送受信部304を介して受信した接続状態要求信号を、通信部302を介して家電機器制御装置10に送信する(ステップSa2)。この接続状態要求信号を受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、記憶部103に格納された管理テーブルT1のうち、すべての家電IDと当該家電IDに対応付けられた操作内容情報とを読み出す(ステップSa3)。さらに制御部102は、読み出した家電IDと操作内容情報とを含む接続状態通知を、すべての家電機器30に対して送信する(ステップSa4)。一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した接続状態通知を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSa5)。リモコン装置50は、当該リモコン装置50の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの赤外線を受信する。
【0024】
こうして接続状態通知を受信すると、リモコン装置50の制御部501は、当該通知に含まれる家電IDに基づいて、図8に示す接続状態通知画面を表示部504に表示させる(ステップSa6)。同図に示すように、この画面には、家電機器制御装置10に接続されたすべての家電機器30(すなわちリモコン装置50による操作対象となる家電機器30)の名称Nと、いずれかの名称の左側に配置されたカーソルCとが含まれる。利用者は、この表示を視認することにより、リモコン装置50を用いて操作可能な家電機器30を把握することができる。さらに、利用者は、第1に、操作部503の上下キー503dを適宜に押下してカーソルCを所望の家電機器30の名称Nの横に移動させ、第2に、この状態で決定キー503cを押下することによって、その家電機器30を操作対象として選択することができる。この選択がなされると、制御部501は、先に受信した接続状態通知に含まれる操作内容情報のうち、選択された家電機器30の操作内容情報に基づいて、図9に示す指示内容入力画面を表示させる(ステップSa7)。この画面は、先に選択した家電機器30に対して指示可能な動作の内容が含まれている。利用者は、この画面を視認しつつ操作部503に所定の操作を行なうことにより、家電機器30に対する指示内容を入力することができる。ここでは、操作対象たる家電機器30としてバスユニット30Eが選択された場合を想定する。この場合、指示内容入力画面には、電源のオンまたはオフの切り替え、湯船への給湯の開始または停止、および湯の温度が指示内容の候補として含まれることとなる。なお、ここでは湯船への給湯開始が選択されたものとする。
【0025】
こうして指示内容の選択がなされた後、操作部503の決定キー503cが押下されると、制御部501は、操作対象として選択された家電機器30の家電IDと選択された指示内容とを表す入力データを信号送受信部502から送信する(ステップSa8)。この入力データは、テレビジョン受像機30Aを介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSa9)。
【0026】
一方、家電機器制御装置10の制御部102は、リモコン装置50から家電機器30を介して受信した入力データを解釈することによって、操作対象たる家電機器30を特定するとともに、この家電機器30に対する指示内容を表す指令データを生成する(ステップSa10)。そして、制御部102は、操作対象として特定した家電機器30(ここではバスユニット30E)のアドレスを管理テーブルT1から読み出すとともに、このアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSa11)。すなわち、湯船への給湯を開始すべき旨を表す指令データがバスユニット30Eに対して送信される。一方、バスユニット30Eの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSa12)。この制御の結果、動作ユニット301は湯船への給湯を開始することとなる。
【0027】
この後、給湯が完了したことを動作ユニット301からの通知によって検知すると(ステップSa13)、バスユニット30Eの制御部303は、指示された動作が完了したことを表す動作完了通知を家電機器制御装置10に送信する(ステップSa14)。そして、家電機器制御装置10の制御部102は、バスユニット30Eから受信した動作完了通知をすべての家電機器30に対して送信する(ステップSa15)。さらに、制御部102は、所定の楽音を出力すべき旨の指示を演奏装置70に送信する。この結果、指示内容に応じた楽音が演奏装置70から出力されることとなる。この楽音を聴取することにより、利用者は、自分が指示した動作が完了したことを確認することができる。
【0028】
一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した動作完了通知を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSa16)。リモコン装置50は、当該リモコン装置50の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの赤外線を受信する。こうして動作完了通知を受信すると、リモコン装置50の制御部501は、ステップSa7において入力された指示が完了したことを表示部504に表示させる。利用者は、この表示を視認することにより、自己の操作に応じた家電機器30の動作が完了したことを確認することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態においては、リモコン装置50に対する操作に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器30に送信されるようになっているため、利用者は、複数の家電機器を共通のリモコン装置50によって操作することができる。したがって、各家電機器30ごとに異なるリモコン装置50を用いる必要がないから、家電機器30を操作するときの利用者の負担を軽減することができる。さらに、リモコン装置50から送信された入力データは、これをリモコン装置50から受信した家電機器30(すなわち入力データが入力された家電機器30)を介して家電機器制御装置10に到達するようになっているから、たとえ操作対象たる家電機器30が利用者から離れた位置にあっても、利用者は、その近傍に移動することなく当該家電機器30を操作することができる。例えば、上述した例においては、利用者は、居間にいながらにして、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作することができる。
【0030】
加えて、本実施形態においては、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称がリモコン装置50の表示部504に表示されるようになっているため、利用者は、家電機器30に対する指示内容をリモコン装置50に入力する前に、家電機器制御装置10に接続された家電機器30(すなわち指令データを受信可能な家電機器30)を確認することができる。したがって、ある家電機器30が家電機器制御装置10に接続されていないにもかかわらず当該家電機器30に対する指示内容をリモコン装置50に入力するといった無駄な操作を回避することができる。
【0031】
なお、本実施形態においてはリモコン装置50に対する操作に応じて入力データが生成されて家電機器30に入力されるものとしたが、各家電機器30が操作部を備えている場合には、この操作部に対する操作に応じて入力データが生成されるものとしてもよい。こうした場合にも、いずれかの家電機器30を操作することによって他の家電機器30に動作指示を与えることができるから、各家電機器30ごとに異なるリモコン装置を用いる煩雑さは解消される。
【0032】
<B:第2実施形態>
<B−1:実施形態の構成>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記実施形態においては、リモコン装置50の操作部503になされた操作に応じて入力データが生成されるものとした。これに対し、本実施形態においては、家電機器に向かって利用者が発した音声に基づいて入力データが生成されるようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0033】
図10は、本実施形態に係る家電機器の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この家電機器31(テレビジョン受像機31A、エアーコンディショナ31B、冷蔵庫31C、炊飯器31Dおよびバスユニット31E)は、前掲図4に示した信号送受信部304に代えて音入力部305を備えている。この音入力部305は、当該家電機器31の周囲において発せられた音に対応する電気信号を生成するマイクロホンと、この電気信号を所定の周期でサンプリングして得られるデジタルデータを出力するA/D変換器とを有する。いずれかの家電機器31を操作するとき、利用者は、その家電機器31の名称と所望の指示内容とを音入力部305に向かって発声する。例えば、「テレビ、オン」といった具合である。音入力部305は、こうして発せられた音声を表すデジタルデータを生成する。そして、制御部303は、このデジタルデータを入力データとして家電機器制御装置10に送信するのである。
【0034】
一方、家電機器制御装置10の記憶部103は、音声テーブルT21およびT22を記憶している。このうち音声テーブルT21は、図11に示すように、各家電機器31の名称を表す音声の内容と、当該家電機器31の家電IDとが対応付けられたテーブルである。一方、音声テーブルT22は、図12に示すように、各家電機器31に対する指示内容を表す音声の内容と、その指示内容を表す指令データとが対応付けられたテーブルである。制御部102は、音声テーブルT21およびT22を参照することにより、入力データが表す音声に対応した家電機器の家電IDおよび指令データを特定する。
【0035】
<B−2:実施形態の動作>
次に、図13を参照して本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、台所にいる利用者が、居間に設置されたテレビジョン受像機31Aの電源をオンするための操作を行なう場合を想定する。
【0036】
まず、利用者が、台所に設置された冷蔵庫31Cに向かって「てれび、おん(テレビ、オン)」と発声すると、冷蔵庫31Cの制御部303は、この音声を表すデジタルデータを音入力部305から受信するとともに、これを入力データとして家電機器制御装置10に送信する(ステップSb1)。
【0037】
一方、冷蔵庫31Cから入力データを受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、この入力データが表す音声の内容を解析するとともに、この内容に応じた家電IDおよび指令データを特定する(ステップSb2)。具体的には、入力データが表す音声「てれび、おん」のうち「てれび」の部分に基づいてテレビジョン受像機31Aの家電ID「ID01」を特定するとともに、「おん」の部分に基づいて「電源オン」を表す指令データを生成する。なお、入力データが表す音声を認識する方法には、公知の各種音声認識技術を用いることができる。
【0038】
さらに、制御部102は、この家電IDに対応するアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSb3)。一方、テレビジョン受像機31Aの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSb4)。この結果、テレビジョン受像機31Aの電源が投入される(ステップSb5)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、利用者により発せられた音声に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器31に送信されるようになっているため、各家電機器31ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。また、入力データに基づく音声認識は家電機器制御装置10において行なわれるため、音声認識のためのソフトウェアを各家電機器31が備える必要はない。
【0040】
なお、本実施形態においては、音声を入力するための音入力部305を家電機器31が備える構成としたが、リモコン装置50が音入力部を備える構成としてもよい。すなわち、利用者が発した音声を表す入力データがリモコン装置50において生成されて家電機器31に入力され、この家電機器31から家電機器制御装置10に送信されるものとしてもよい。この場合、各家電機器31は音入力部を備える必要はなく、リモコン装置50と家電機器制御装置10との間で授受される入力データを単に中継する機能を備えていればよいから、家電機器31の構成を簡易にすることができるという利点がある。
【0041】
<C:第3実施形態>
<C−1:実施形態の構成>
次に、本発明の第3実施形態に係る家電制御システムについて説明する。上記第2実施形態においては、家電機器31に対して発せられた音声を表す入力データが生成されるものとした。これに対し、本実施形態においては、家電機器が備える撮像部によって当該家電機器の周囲の画像(動画像)が撮影されるとともに、その画像に応じた入力データが生成されるようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0042】
図14は、本実施形態に係る家電機器の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この家電機器32(テレビジョン受像機32A、エアーコンディショナ32B、冷蔵庫32C、炊飯器32Dおよびバスユニット32E)は、前掲図4に示した信号送受信部304に代えて撮像部306を備えている。この撮像部306は、当該家電機器32の周囲の映像を撮影してこの画像を表すデータを出力するための手段である。いずれかの家電機器32を操作するとき、利用者は、その家電機器32の種類と所望の指示内容とに対応した動作を撮像部306に向かって行なう。
【0043】
一方、家電機器制御装置10の記憶部103は、画像テーブルを記憶している。この画像テーブルは、入力データに対応した画像が表す利用者の動作内容と、その動作内容に対応付けられた家電機器32の家電IDと、その動作内容に対応付けられた指示内容を表す指令データとを含んでいる。例えば、手のひらを撮像部306に向けた状態で上から下に移動させる動作には「電源オン」を表す指令データが対応付けられており、手のひらを撮像部306に突き出す動作には「電源オフ」を表す指令データが対応付けられている。さらに、これらの動作が行なわれているときの指の状態と家電機器32の家電IDとが対応付けられている。例えば、人指し指のみを立てた状態での動作にはテレビジョン受像機32Aの家電IDが対応付けられており、人指し指と中指とを立てた状態での動作には冷蔵庫32Cの家電IDが対応付けられている。制御部102は、この画像テーブルを参照することにより、入力データが表す画像に対応した家電機器32と当該家電機器32に対する指令データとを特定することができる。例えば、人指し指と中指とを立てた状態で手のひらを撮像部306に対して上から下に移動させる動作が行なわれた場合には、この動作を表す画像データに基づいて、操作対象たる家電機器32が家電ID「ID03」たる冷蔵庫32Cであり、「電源オン」を表す指令データを送信すべきことが特定される。
【0044】
<C−2:実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作を説明する。なお、ここでは、台所にいる利用者が、居間に設置されたテレビジョン受像機32Aの電源を切るための動作を行なう場合を想定する。なお、本実施形態の動作手順は前掲図13に示した第2実施形態の動作手順と概ね同様であるため、この図を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0045】
まず、台所に設置された冷蔵庫32Cの撮像部306に向かって、利用者が人指し指のみを立てた状態で手のひらを突き出すと、制御部303は、この画像を表す画像データを撮像部306から受信するとともに、これを入力データとして家電機器制御装置10に送信する(ステップSb1)。
【0046】
一方、冷蔵庫32Cから入力データを受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、この入力データが表す画像の内容を解析するとともに、この内容に応じた家電IDおよび指令データを特定する(ステップSb2)。具体的には、入力データが表す利用者の手のひらの画像において、人指し指のみが立てられていることからテレビジョン受像機32Aの家電ID「ID01」を特定するとともに、手のひらが突き出されていることから「電源オフ」を表す指令データを生成する。なお、入力データが表す画像を認識する方法には、公知の各種画像認識技術を用いることができる。
【0047】
さらに、制御部102は、この家電IDに対応するアドレスを宛先として指令データを送信する(ステップSb3)。一方、テレビジョン受像機32Aの制御部303は、家電機器制御装置10から受信した指令データに基づいて動作ユニット301を制御する(ステップSb4)。この結果、テレビジョン受像機32Aの電源が切断される(ステップSb5)。
【0048】
以上説明したように、本実施形態においては、撮像部306によって撮影された画像に応じた指令データが家電機器制御装置10によって家電機器32に送信されるようになっているため、利用者は、各家電機器32ごとに異なるリモコン装置を操作する必要はない。さらに、入力データに基づく画像認識は家電機器制御装置10において行なわれるため、画像認識のためのソフトウェアを各家電機器が備える必要はない。
【0049】
なお、本実施形態においては、利用者の動作を撮影するための撮像部306を家電機器32が備える構成としたが、リモコン装置50が撮像部を備える構成としてもよい。すなわち、利用者の動作を表す入力データがリモコン装置50において生成されて家電機器制御装置10に送信されるものとしてもよい。この場合、各家電機器32は撮像部306を備える必要はなく、リモコン装置50と家電機器制御装置10との間で授受される入力データを単に中継する機能を備えていればよいから、家電機器32の構成を簡易にすることができるという利点がある。
【0050】
<D:第4実施形態>
<D−1:第4実施形態の構成>
次に、本発明の第4実施形態に係る家電制御システムについて説明する。本実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、リモコン装置に対する利用者の動作に応じた入力データが当該リモコン装置から家電機器30を介して家電機器制御装置10に送信され、この入力データに応じて家電機器30の動作が制御されるようになっている。ただし、本実施形態におけるリモコン装置は、利用者による操作に応じて、または自律的に移動するようになっている。なお、本実施形態に係る家電制御システムのうち、上記第1実施形態に係る家電制御システムと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を適宜に省略するものとする。
【0051】
図15は本実施形態におけるリモコン装置の外観を示す図である。同図に示すように、このリモコン装置51は人間の体格に類似した形態を有する。すなわち、リモコン装置51は、頭部51aと、胴体部51bと、一対の腕部51cと、一対の脚部51dとを有するとともに、脚部51dを前後に移動させることによって歩行するようになっている。
【0052】
次に、図16は、リモコン装置51の機能的構成を示すブロック図である。図15および図16に示すように、リモコン装置51は、信号送受信部502と、操作部503と、モータ群505と、音入力部506と、撮像部507と、記憶部508と、これらの各部を制御するための制御部501とを有する。このうちモータ群505は、リモコン装置51の頭部51a、腕部51cおよび脚部51dを作動させるための複数のモータを備えており、各々が制御部501による制御のもとに駆動されるようになっている。一方、音入力部506および撮像部507は、上記第2および第3実施形態に示した音入力部305および撮像部306とそれぞれ同様の機能を有するものである。すなわち、音入力部506は利用者によって発せられた音声を表すデータを、撮像部507は利用者の動作を撮像して得られたデータを、それぞれ入力データとして制御部501に出力する。また、記憶部508は、音入力部506に入力された音声を表すデータ、撮像部507によって撮像された画像を表すデータ、または操作部503に対して行なわれた操作内容を表すデータを、家電機器30に対する指示内容を表す入力データとして一時的に記憶するための手段である。なお、操作部503および信号送受信部502は、前掲図6に示したものと同様である。
【0053】
<D−2:第4実施形態の動作>
次に、図17を参照して、本実施形態の動作について説明する。なお、ここでは、居間にいる利用者が、浴室に設置されたバスユニット30Eを操作する場合を想定する。
【0054】
まず、利用者は、操作部503に対する操作、音入力部506への発声、または撮像部507に対する動作のいずれかを行なうことにより、所望の操作に対応する入力データをリモコン装置51に対して入力する。これら動作は、上記第1ないし第3実施形態にそれぞれ示したものであるから、ここでは詳細な説明を省略する。
【0055】
こうして入力データが与えられると、リモコン装置51の制御部501は、この入力データを記憶部508に記憶させるとともに(ステップSc1)、信号送受信部502から家電操作要求を送信する(ステップSc2)。この要求は、家電機器制御装置10による家電機器30の制御を要求するためのものである。ここで、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信可能な範囲内に所在している場合、このリモコン装置51から送信された家電操作要求は当該家電機器30を介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSc3)。なお、ここでは、家電操作要求がテレビジョン受像機30Aによって中継される場合を想定する。
【0056】
この家電操作要求を受信すると、家電機器制御装置10の制御部102は、当該家電機器制御装置10に接続されたすべての家電機器30に対して家電操作応答を送信する(ステップSc4)。一方、各家電機器30の制御部303は、家電機器制御装置10から受信した家電操作応答を信号送受信部304から赤外線にて送信する(ステップSc5)。リモコン装置51の制御部501は、当該リモコン装置51の最も近傍に位置する家電機器30(ここではテレビジョン受像機30A)からこの家電操作応答を受信すると、ステップSc1において記憶部508に格納した入力データを読み出して信号送受信部502から送信する(ステップSc6)。この入力データは、テレビジョン受像機30Aを介して家電機器制御装置10に到達する(ステップSc7)。この後、図13に示したステップSb2以降の動作が実行されることにより、バスユニット30Eの動作が制御される(ステップSc8ないしSc11)。
【0057】
さて、ここではリモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信可能な範囲内に所在している場合を想定したが、リモコン装置51がいずれの家電機器30とも通信できない位置に所在している場合もあり得る。例えばリモコン装置51と家電機器30との間に障害物が存在する場合などである。本実施形態においては、このような場合に、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信できる位置まで自律的に移動するようになっている。詳述すると、以下の通りである。
【0058】
リモコン装置51が家電機器30と通信できない位置に所在している場合、家電操作要求は、家電機器制御装置10に到達しない。したがって、この場合には、リモコン装置51が家電操作応答を受信することはない。そこで、ステップSc2において家電操作要求を送信してから一定の時間(例えば5秒間)が経過するまでに家電操作応答を受信していないと判定した場合、リモコン装置51の制御部501は、リモコン装置51の自律的移動について予め設定されたアルゴリズムに従って、モータ群505のうち脚部51dに対応するモータに対して動作指示を与える。この結果、当該モータによって脚部51dが駆動されてリモコン装置51が移動する。そして、この移動が終了すると、リモコン装置51の制御部501は、信号送受信部502から家電操作要求を再び送信する。
【0059】
この後、いずれかの家電機器30を介して家電操作応答を受信するまで、すなわちいずれかの家電機器30と通信可能な位置に移動するまで、リモコン装置51の制御部501は、脚部51dに対応するモータへの駆動指示と、家電操作要求の再送とを繰り返す。そして、移動後にいずれかの家電機器30から家電操作応答を受信すると、リモコン装置51の制御部501は、図17に示したステップSc6以降の処理を実行する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、リモコン装置51に対する操作に応じた指令データが家電機器制御装置10から家電機器30に送信されるようになっているため、利用者は、複数の家電機器30を共通のリモコンで操作することができる。さらに、本実施形態においては、リモコン装置51と家電機器30とが通信可能な位置関係にない場合に、リモコン装置51がいずれかの家電機器30と通信し得る位置に自律的に移動するようになっているから、利用者は、リモコン装置51と家電機器30との位置関係に注意する必要はない。例えば、リモコン装置51を操作するときに、その信号送受信部502を家電機器30の信号送受信部304に対向させた状態に移動させる必要はない。
【0061】
<E:変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0062】
<E−1:変形例1>
上記第1実施形態においては、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称が利用者に対して報知される構成とした(図8参照)。この構成を、第2ないし第4実施形態において採用してもよい。すなわち、第2および第3実施形態においては家電機器31または32に設けられた表示部に、第4実施形態においてはリモコン装置51に設けられた表示部に、それぞれ図8に示した接続状態通知画面を表示させるようにしてもよい。また、家電機器制御装置10に接続された家電機器30の名称を利用者に報知する方法は表示に限られるものではなく、音声によってこれらの名称を報知するようにしてもよい。例えば、これらの名称を表す音声を、スピーカやイヤホンなどの放音装置から出力するといった具合である。要するに、接続中の家電機器30の名称が、利用者に認識可能な態様で出力されればよいのである。
【0063】
また、上記第1実施形態においては、家電機器30の動作が完了したときに演奏装置70から所定の楽音が出力される構成とした。上記第2ないし第4実施形態においても、この構成を同様に採用することができる。なお、上記第1実施形態の例では所定の楽音が出力されるものとしたが、演奏装置70から何らかの楽音がすでに出力されているときには、その楽音に付与される効果を変更するようにしてもよい。例えば、バスユニット30Eによる給湯が完了した場合を想定すると、そのときに演奏装置70から出力されている楽音に対して残響効果が付与されるといった具合である。
【0064】
<E−2:変形例2>
上記各実施形態および変形例においては、家電機器30を操作するためにリモコン装置50または51を用いたが、携帯電話機に代表される携帯型の通信端末を、家電機器30を操作するための装置として用いることもできる。すなわち、本発明における「通信装置」とは、家電機器との間で無線通信を行なうことができる装置であればよく、家電機器30の操作のためにのみ用意されたものである必要はない。さらに、上記各実施形態においては、リモコン装置と家電機器との間で赤外線通信が行なわれるものとしたが、この通信装置と家電機器との間でなされる通信の方式についても特定の方式に限定されるものではない。例えば、Bluetooth(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行なうものとしてもよい。
【0065】
<E−3:変形例3>
上記第4実施形態においては、形態が人間に類似したリモコン装置51を例示したが、リモコン装置51の形態がこれに限られるものでないことは言うまでもない。要は、当該リモコン装置の位置を移動させるための手段を備えているものであればよい。
【0066】
また、上記各実施形態および各変形例においては、家電機器としてテレビジョン受像機、エアーコンディショナ、冷蔵庫、炊飯器およびバスユニットを例示したが、本発明における「家電機器」がこの種の機器に限られるものでないことはもちろんである。すなわち、本発明における「家電機器」は、本明細書において例示したもののほか、家庭や事業所などに設置された電気製品や情報通信機器など各種の電気機器を含む概念である。
【0067】
<E−4:変形例4>
本発明は、家電機器と通信を行なうコンピュータを、家電機器制御装置として機能させるためのプログラムとしても実施することができる。すなわち、このプログラムは、コンピュータに、家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する機能と、操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する指示内容とを前記入力データに基づいて特定する機能と、前記操作対象たる家電機器に対して前記指示内容を送信する機能とを実現させるためのプログラムとして特定される。
【0068】
さらに、本発明は、家電機器制御装置から受信した指令データに基づいて動作する家電機器との間で無線通信を行なうコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムとしても実施可能である。すなわち、この機能は、操作部に対する操作に応じた入力データであって、操作対象たる家電機器への指示内容を表す指令データを家電機器制御装置が特定するために用いる入力データを、家電機器を介して当該家電機器制御装置に送信する機能である。
【0069】
さらに、本発明は、これらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても実施可能である。この記録媒体としては、可搬型の磁気ディスクやCD−ROMなどのほか、ハードディスク装置や半導体メモリなどが考えられる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の家電機器を共通の通信装置で操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る家電制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同家電制御システムにおける家電機器制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】管理テーブルの具体的内容を示す図である。
【図4】同家電制御システムにおける家電機器の構成を示すブロック図である。
【図5】同家電制御システムにおけるリモコン装置の外観を示すブロック図である。
【図6】同家電制御システムにおけるリモコン装置の構成を示すブロック図である。
【図7】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】同家電制御システムにおいてリモコン装置の表示部に表示される接続状態通知画面の内容を示す図である。
【図9】同家電制御システムにおいてリモコン装置の表示部に表示される指示内容入力画面の内容を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る家電制御システムの家電機器の構成を示すブロック図である。
【図11】同家電制御システムにおける音声テーブルの具体的内容を示す図である。
【図12】同家電制御システムにおける音声テーブルの具体的内容を示す図である。
【図13】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態に係る家電制御システムにおける家電機器の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る家電制御システムにおけるリモコン装置の外観を示す図である。
【図16】同リモコン装置の機能構成を示すブロック図である。
【図17】同家電制御システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
10……家電機器制御装置、101……通信部(送信手段、受信手段)、102……制御部(制御手段)、103……記憶部(記憶手段)、20……通信線、30(30A,30B,30C,30D,30E),31,32……家電機器、301……動作ユニット、302……通信部、303……制御部、304……信号送受信部、305……音入力部、306……撮像部、50,51……リモコン装置、501……制御部、502……信号送受信部(送信手段、受信手段)、503……操作部、504……表示部(報知手段)、505……モータ群(移動手段)、506……音入力部(収音手段)、507……撮像部(撮像手段)、508……記憶部。
Claims (15)
- 家電機器との間で通信を行なう家電機器制御装置において、
家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する受信手段と、
操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する指示内容を表す指令データとを前記入力データに基づいて特定する制御手段と、
前記操作対象たる家電機器に対して前記指令データを送信する送信手段と
を具備することを特徴とする家電機器制御装置。 - 前記入力データは、音声または画像のいずれかを表すデータである
ことを特徴とする請求項1に記載の家電機器制御装置。 - 前記入力データは、通信装置から家電機器に送信されたデータである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の家電機器制御装置。 - 前記指令データを受信可能な家電機器を表す識別情報を記憶する記憶手段を具備し、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報を家電機器に対して送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の家電機器制御装置。 - 前記送信手段によって送信された家電機器の識別情報は、当該家電機器によって利用者に報知される
ことを特徴とする請求項4に記載の家電機器制御装置。 - 前記送信手段によって送信された家電機器の識別情報は、前記家電機器との間で無線通信を行なう通信装置によって利用者に報知される
ことを特徴とする請求項4に記載の家電機器制御装置。 - 前記制御手段は、前記指令データに基づく家電機器の動作が完了すると、所定の楽音を出力すべき旨の指示を演奏装置に対して与える
ことを特徴とする請求項1に記載の家電機器制御装置。 - 家電機器制御装置から受信した指令データに基づいて動作する家電機器との間で無線通信を行なう通信装置において、
利用者によって操作される操作部と、
前記操作部に対する操作に応じた入力データであって、操作対象たる家電機器への指示内容を表す指令データを前記家電機器制御装置が特定するために用いる入力データを、家電機器を介して当該家電機器制御装置に送信する送信手段と
を具備することを特徴とする通信装置。 - 音を表すデータを出力する収音手段を具備し、
前記送信手段は、前記収音手段から出力されたデータを前記入力データとして送信する
ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。 - 画像を表すデータを出力する撮像手段を具備し、
前記送信手段は、前記撮像手段から出力されたデータを前記入力データとして送信する
ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。 - 前記指令データを受信可能な家電機器を表す識別情報を前記家電機器制御装置から家電機器を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された識別情報を利用者に報知する報知手段と
を具備することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。 - 当該通信装置の位置を移動させるための移動手段
を具備することを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の通信装置。 - 家電機器との間で通信を行なうコンピュータに、
家電機器に入力された入力データを当該家電機器から受信する機能と、
操作対象たる家電機器と当該家電機器に対する操作内容を表す指令データとを前記入力データに基づいて特定する機能と、
前記操作対象たる家電機器に対して前記指令データを送信する機能と
を実現させるためのプログラム。 - 前記コンピュータに、
前記指令データを受信可能な家電機器を表す識別情報を記憶手段に記憶させる機能と、
前記記憶手段に記憶された識別情報を家電機器に対して送信する機能と
をさらに実現させるためのプログラム。 - 請求項13または14に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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