JP2004088406A - 画像信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像信号処理装置において、映像信号のゲインを大きくすると、直流レベルに重畳されるノイズにクランプが追従し、横引き状のノイズが生じやすい。
【解決手段】AGC回路70は、ゲイン設定回路56が出力するゲインに応じて映像信号を増幅する。クランプ回路72は、クランプ時定数設定回路58によって設定された時定数に応じたクランプ能力で、AGC回路70の出力信号における直流レベルのクランプを行う。クランプ時定数設定回路58は、ゲイン設定回路56が生成するゲインを取得する。比較回路120は取得したゲインを基準値と比較して、ゲインが基準値を超える場合には、相対的に大きな時定数を出力する。この時定数に応じてクランプ回路72のクランプ能力が制御され、ゲインが大きい場合には、緩やかなクランプが行われ、直流レベルに重畳されるノイズに追従しにくくなり、横引き状のノイズが抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】AGC回路70は、ゲイン設定回路56が出力するゲインに応じて映像信号を増幅する。クランプ回路72は、クランプ時定数設定回路58によって設定された時定数に応じたクランプ能力で、AGC回路70の出力信号における直流レベルのクランプを行う。クランプ時定数設定回路58は、ゲイン設定回路56が生成するゲインを取得する。比較回路120は取得したゲインを基準値と比較して、ゲインが基準値を超える場合には、相対的に大きな時定数を出力する。この時定数に応じてクランプ回路72のクランプ能力が制御され、ゲインが大きい場合には、緩やかなクランプが行われ、直流レベルに重畳されるノイズに追従しにくくなり、横引き状のノイズが抑制される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子から出力される映像信号を処理する画像信号処理装置に関し、特に、映像信号の直流レベルの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子で得られた映像信号は、通常、コンデンサでカップリングして取り出される。そのため、映像信号の直流レベルは映像信号レベルにより変動し得る。そこで、撮像素子の画素配列の周縁部分に設けられたオプティカルブラック(Optial Black:OPB)領域に対応して得られる映像信号(OPB映像信号)を所定の黒レベルにするクランプ処理がなされる。また、その後段に設けられるAGC(Auto Gain Control)回路の出力においても、映像信号の直流レベルがAGC回路のゲインに応じて変動し得る。そのため、AGC回路の後に直流レベルを制御するクランプ回路が設けられる。
【0003】
図6は従来の画像信号処理装置の模式的な回路図である。この装置はアナログ信号処理回路2、デジタル信号処理回路6、ゲイン設定回路8を含んで構成される。アナログ信号処理回路2では、AGC回路20が、CCDイメージセンサからの映像信号に、ゲイン設定回路8により設定されるゲインを与えて映像信号のレベルを制御し、その出力がクランプ回路22でクランプされる。デジタル信号処理回路6では、積分回路24が1画面分の映像信号を積分する。判定回路26は積分結果と所定の基準値とを比較し、その比較結果に基づいてゲイン設定回路8はゲインを増減する。このように、CCDイメージセンサからの映像信号の画面単位の平均レベルが所定の範囲内に収まるようにフィードバック制御される。
【0004】
クランプ回路22は、水平同期信号HDに同期して、OPB映像信号期間内の一定期間、信号線を基準電圧源に接続する。これにより映像信号の直流レベルが所定電位にクランプされ、黒レベルが一定レベルに設定される。クランプ回路22のクランプ時定数は、クランプパルス生成回路28で生成されるクランプパルスCLによって定められる。具体的には、クランプパルス生成回路28は、各回のクランプ動作における基準電圧源から信号線への電流供給量を調節する。例えば、1回のクランプ動作での電流供給量が大きいほど時定数は小さくなり、直流レベルは基準電源の電圧へ向けて速やかに収束する。
【0005】
さて、OPB映像信号はノイズ成分を含み得る。ノイズ成分が重畳した直流レベルをクランプすると、クランプ後の直流レベルがノイズ成分に追従する。すなわち、ノイズ成分の変動の影響を受けて、水平ラインごとにクランプ後の直流レベルが変動することとなり、これは、再生画像にて横引き状のノイズとして観察される。ノイズ成分への追従の影響は、クランプの時定数に依存し、具体的には、クランプの時定数を小さくすると、クランプ後の直流レベルが、クランプ期間中のノイズ成分に追従しやすくなる。つまり、クランプの時定数は、所定レベルへのクランプが比較的多くのラインに亘って達成され横引き状のノイズが軽減されるという観点からは大きく設定することが好ましい。一方、黒レベルの収束ができるだけ速やかに実現されるという観点からは小さく設定することが好ましい。従来は、これらの条件を考慮して、クランプの時定数は、装置の実際の使用状態において好適な再生画像が得られるような一定値に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ノイズ成分への追従の影響は、クランプの時定数だけでなく、ノイズ成分の大きさにも依存する。ここで、増幅回路の出力における映像信号に含まれるノイズ成分の大きさは、その増幅回路のゲインに依存する。従来、この増幅回路の出力側で行われるクランプ処理では、ゲインに応じたノイズ成分の変動を考慮せずにクランプの時定数が設定されていた。そのため、ゲインを大きくした場合に、クランプが不安定となり、横引き状のノイズが生じやすいという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、映像信号の直流レベルのクランプが好適に行われ、良好な画質の画像が得られる画像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像信号処理装置は、一画面単位で連続する映像信号に対して任意のゲインを与える増幅回路と、増幅された映像信号の基準レベルを所定のレベルにクランプするクランプ回路とを備え、前記クランプ回路が、前記映像信号のクランプ時の時定数が前のゲインに応じて可変設定される。
【0009】
本発明によれば、例えば、増幅回路のゲインが大きいほど、時定数が大きく設定される。ゲインに応じた時定数の変化は、連続的でも段階的でもよい。ゲインが大きい場合に、時定数を大きくしてノイズに追従しにくくすることにより、横引き状のノイズの発生が抑制される。直流レベルを所定レベルへシフトさせるクランプ回路の時定数は、そのクランプ能力に依存し、クランプパルス幅を小さくしたり、クランプ電源の供給電流を小さくしてクランプ能力を下げると、時定数は大きくなる。
【0010】
本発明の好適な態様は、前記クランプ回路が、クランプパルスに応答して前記映像信号をクランプし、前記クランプパルスのパルス幅が伸縮制御されて前記クランプの時定数が可変設定される画像信号処理装置である。
【0011】
本発明のさらに好適な態様は、前記増幅回路のゲイン量を示すゲイン値を所定の基準値と比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果に応じて前記クランプパルスのパルス幅を伸縮制御するクランプパルス生成回路とを有する画像信号処理装置である。
【0012】
他の本発明に係る画像信号処理装置は、前記比較回路が、第1の基準値と第2の基準値とを有し、前記第1及び第2の基準値と前記ゲイン値との比較において、ヒステリシス特性を有する。
【0013】
本発明によれば、ゲインに対する時定数の変化にヒステリシス特性が付与される。例えば、第2基準値が第1基準値より大きく設定されるものとする。このとき、ゲインが減少する場合には、例えば、第2基準値の通過時にはクランプパルスのパルス幅は比較的大きいクランプ時定数に対応するそれまでの値を維持し、第1基準値の通過時に、小さい時定数に対応するパルス幅へ切り替わる。一方、ゲインが増加する場合には、例えば、第1基準値の通過時にはパルス幅は小さい時定数に対応するパルス幅を維持し、第2基準値の通過時に大きい時定数に対応するパルス幅へ切り替わる。このヒステリシス特性によって、第1基準値及び第2基準値それぞれの近傍でゲインが変動しても、クランプの時定数の頻繁な切り替わりが防止され、ひいてはそれに起因した画質の頻繁な変化が回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態である画像信号処理装置の概略の回路構成を示すブロック図である。この装置は、アナログ信号処理回路50、A/D(Analog−to−Digital)変換回路52、デジタル信号処理回路54、ゲイン設定回路56、クランプ時定数設定回路58を含んで構成される。
【0016】
アナログ信号処理回路50は、AGC回路70、クランプ回路72、D/A(Digital−to−Analog)変換回路74を備える。AGC回路70は、CCDイメージセンサからの映像信号を入力され、その映像信号をゲイン設定回路56から与えられるゲインに応じて増幅する。クランプ回路72は、AGC回路70にて増幅された映像信号の直流レベルをクランプする回路であり、CCD駆動のためのタイミング制御回路(図示せず)で生成される水平同期信号HDに同期して、各水平ラインのOPB映像信号期間においてクランプ動作を行う。そのクランプの時定数は、クランプ時定数設定回路58によって設定される。クランプ回路72は、具体的には、基準電圧源及びこれを映像信号線に接続するスイッチを含んで構成される。クランプ回路72は設定された時定数に応じて、クランプ能力を変更する。
【0017】
クランプ能力は、例えば、スイッチをオンするクランプパルスの幅を制御したり、基準電圧源の電流供給能力を制御することによって変更される。具体的には、クランプパルスの幅を長くしたり、基準電圧源の電流供給能力を上げることにより、1回のクランプ動作で基準電圧源から映像信号線に供給される電流量が増しクランプ能力が増加する。
【0018】
クランプの時定数は基本的にクランプ能力に反比例する。よって、クランプ時定数を変更・設定することはクランプ能力を変更・設定することと基本的に同義である。例えば、設定されたクランプの時定数が小さいほど、クランプ能力が上げられ、黒レベルに相当するOPB映像信号の電位が、速やかに(すなわち、より少ないクランプ回数で)基準電圧源の電圧へ近づく。
【0019】
クランプ回路72にて直流レベルを調整された映像信号は、A/D変換回路52により、デジタル信号に変換され、デジタル信号処理回路54に入力される。
【0020】
デジタル信号処理回路54は、デジタル映像信号を用いて、輝度信号や色差信号の生成処理の他、各種の画像処理を行うように構成することができる。それらのうち、図1には、本画像信号処理装置のゲインのフィードバック制御に関係する積分回路80、判定回路82が示されている。積分回路80は、例えば、1画面分の映像信号の積分値を求める。判定回路82は、積分回路80にて得られた積分値と所定の目標レンジとを比較し、積分値が目標レンジを下回ればゲインを上げるべき旨の判定、積分値が目標レンジを上回ればゲインを下げるべき旨の判定、また積分値が目標レンジ内にあればゲインを現状のまま維持すべき旨の判定を行う。ちなみに、積分回路80で得られた積分値は、上述した各種信号処理の一例として、オートアイリス制御に利用することができる。
【0021】
判定回路82で生成された判定結果は、ゲイン設定回路56に通知される。ゲイン設定回路56は、レジスタ100にAGC回路70に対するゲイン値を予め複数種類格納されており、通知された判定結果に応じて、それらゲイン値のいずれかを読み出して出力する。例えば、ゲイン設定回路56は、レジスタ100の直近に読み出されたアドレスを記憶し、判定結果がゲインを上げる指示である場合には、その記憶しているアドレスに格納されるゲイン値より大きなゲイン値を格納するアドレスを指定し、そのより大きなゲイン値を出力する。反対に、判定結果がゲインを下げる指示である場合には、現在より小さなゲイン値を出力する。また、現状のゲインを維持する指示に対しては、ゲイン値の新たな値を読み出す処理は行わない。
【0022】
ゲイン値はゲイン設定回路56からデジタル値で出力され、D/A変換回路74でアナログ信号に変換される。AGC回路70はこのアナログのゲイン信号に応じて映像信号の増幅を行う。
【0023】
さて、ゲイン設定回路56から出力されたゲインはクランプ時定数設定回路58にも入力される。クランプ時定数設定回路58は、比較回路120、この比較回路120で用いられる基準値を格納するレジスタ122、及びクランプパルス生成回路124を備えている。
【0024】
比較回路120は、レジスタ122から第1及び第2の基準値A,B(A<B)を設定され、これら基準値と入力されたゲイン値Gとの大小を比較し、その比較結果に基づいて2つのクランプ時定数τ1,τ2(τ1<τ2)のいずれかを選択する。ここで、A以下の範囲をRL、Aを超えB以下の範囲をRM、Bを超える範囲をRHと表すことにする。具体的には、比較回路120は、ゲイン値GがRHに属する場合には時定数τ2を選択して出力する。一方、比較回路120は、ゲイン値GがRLに属する場合には時定数τ1を選択して出力する。ゲイン値GがRMに属する場合には、その前に属していた範囲が範囲RLであれば時定数τ1、一方、範囲RHであれば時定数τ2が出力される。こういった具合に、比較回路120は、第1及び第2の基準値A,Bとゲイン値Gとの比較において、ヒステリシス特性を有している。
【0025】
クランプパルス生成回路124は、クランプ回路72のスイッチ素子のオン/オフを制御するクランプパルスCLを生成する。このクランプパルス生成回路124は、比較回路120の比較結果に応じてクランプパルスCLのパルス幅を変更することで、クランプ回路72のクランプ時定数を変更させる。具体的には、比較回路120でクランプ時定数を大きくする旨の判定がなされると、クランプパルスCLのパルス幅を狭くするように動作する。これにより、クランプ回路72内のスイッチ素子がオンする時間が短くなり、この結果、信号線と基準電圧源とが接続される時間が短くなって、クランプ回路72のクランプ能力が低く設定される。一方、比較回路120でクランプ時定数を小さくする旨の判定がなされると、クランプパルスCLのパルス幅を広くするように動作する。これにより、クランプ回路72内のスイッチ素子がオンする時間が長くなり、この結果、信号線と基準電圧源とが接続される時間が長くなって、クランプ回路72のクランプ能力が高く設定される。
【0026】
図2は、本装置の動作の一例を説明するタイミング図であり、複数の垂直走査期間に亘る各種信号が示されている。図において、信号(a)は垂直同期信号VD、信号(b)はAGC回路70に設定されるゲイン値G、信号(c)はAGC回路70の出力信号であるAGC出力信号、信号(d)はクランプ回路72の出力信号であるCLP出力信号、グラフ(e)はクランプ回路72のクランプ能力を表す。なお、上述のようにクランプ能力はクランプの時定数の逆数に比例するので、グラフ(e)から、クランプ時定数設定回路58で求められるクランプの時定数の変化を読みとることができる。
【0027】
垂直同期信号VDに現れる垂直同期パルス140は垂直ブランキング期間(V−BLK)に対応し、その間隔が1画面の垂直走査期間に相当する。積分回路80はこの垂直走査期間に亘ってCLP出力を積分する。そして、その積分値が得られる垂直走査期間の終了タイミングt1〜t7に同期して、判定回路82での判定、及びゲイン設定回路56でのゲイン設定動作が行われる。例えば、積分回路80での積分結果に基づいて、画像が基準より暗いと判定された時刻t1,t2,t4ではゲイン値Gが増加され、一方、画像が基準より明るいと判定された時刻t6,t7ではゲイン値Gが減少される。このゲイン値Gの変更に応じて、AGC出力信号の直流レベルが変動する。これは、図2において、基準黒レベルからの垂直ブランキング期間におけるAGC出力信号レベルのずれ量が、ゲイン値Gが大きいほど増加することに現れている。そして、図2のCLP出力信号では、この直流レベルのずれが、クランプ回路72によって補正され、垂直ブランキング期間の信号レベルが基準黒レベルに合わせられることが示されている。
【0028】
比較回路120は、例えば第1の基準値Aとして“4”、第2の基準値Bとして“2”を設定される。この場合、“0,1”が第1の範囲RL、“2〜4”が第2の範囲RM、“5”が第3の範囲RHとなる。ゲイン値Gは時刻t1以前の値“1”から段々上げられ、時刻t4でのゲイン変更によって、第1の基準値Aを超えて第3の範囲RHに属するようになる。比較回路120はこの過程において、時刻t4までは時定数τ1を出力し、時刻t4以降はτ1より大きな時定数τ2を出力する。すなわち、時刻t4において、クランプ能力が高い状態から低い状態へ切り替えられる(図2(e)参照)。
【0029】
一方、ゲイン値Gは時刻t6以降においては値“5”から段々下げられ、時刻t7でのゲイン変更によって、第2の基準値Bを下回り、第1の範囲RLに属するようになる。比較回路120はこの過程において、時刻t7までは時定数τ2を出力し、時刻t7以降は時定数τ1を出力する。すなわち、時刻t7において、クランプ能力が低い状態から高い状態、すなわち通常の状態へ切り替えられる(図2(e)参照)。
【0030】
また、時刻t1からt2では、ゲイン値Gが第2の基準値Bに等しくなり、第1の範囲RLから第2の範囲RMに移行するようになる。この場合、時刻t1の時定数τ1を維持し、クランプ能力の設定を維持させる。これは、時刻t6からt7への場合で同様であり、ゲイン値Gが第3の範囲RHから第2の範囲RMへ移行するが、時刻t6の時定数τ2を維持する。
【0031】
図3はクランプ能力が高く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図であり、図4はクランプ能力が低く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。また、図5は、本装置に映像信号を入力するCCDイメージセンサの画素配列の模式図である。図5は、CCDイメージセンサの撮像面において、有効画素領域160の周囲にOPB領域162が設けられ、特に撮像面の下部(すなわち1画面の映像信号の先頭に読み出される部分)に例えば5ラインのOPB領域164が設けられている。図3、図4の5HのOPB期間は、OPB領域164に対応する。
【0032】
図3、図4は、それぞれゲイン値Gが変更されたタイミングtsでのAGC出力での直流レベルの変動に起因して、CLP出力信号が、それまで維持されていた基準黒レベルから急に落ち込み、その後、クランプ回路72が各ラインごとにクランプ動作を行うことにより、CLP出力信号の直流レベルが1H期間ごとに徐々に基準黒レベルへ復帰する様子を示している。なお、OPB期間に続く波形は、有効画素領域160のラインに対応する信号波形である。
【0033】
ここで、クランプ能力が高く設定されている状態では、1回のクランプ動作での復帰電位幅ΔV1が大きく、そのため少ない回数(図3に示す例では2回)で速やかに基準黒レベルに復帰することが可能である。一方、クランプ能力が低く設定されている状態では、1回のクランプ動作での復帰電位幅ΔV2が小さく、そのため比較的多い回数(図4に示す例では4回)で基準黒レベルに復帰する。
【0034】
【発明の効果】
本発明の画像信号処理装置によれば、AGC回路等の増幅回路のゲインの切り替え等によって生じる映像信号の直流レベルのずれをクランプする際に、ゲインが比較的大きい場合には、ゲインが比較的小さい場合よりもクランプの時定数が大きく設定される。これにより緩やかにクランプされ、横引き状のノイズが抑制され、良好な画質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である画像信号処理装置の概略の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本装置の動作の一例を説明するタイミング図である。
【図3】クランプ能力が高く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。
【図4】クランプ能力が低く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。
【図5】本装置に映像信号を入力するCCDイメージセンサの画素配列の模式図である。
【図6】従来の画像信号処理装置の模式的な回路図である。
【符号の説明】
50 アナログ信号処理回路、52 A/D変換回路、54 デジタル信号処理回路、56 ゲイン設定回路、58 クランプ時定数設定回路、70 AGC回路、72 クランプ回路、74 D/A変換回路、80 積分回路、82 判定回路、120 比較回路、124 クランプパルス生成回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子から出力される映像信号を処理する画像信号処理装置に関し、特に、映像信号の直流レベルの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子で得られた映像信号は、通常、コンデンサでカップリングして取り出される。そのため、映像信号の直流レベルは映像信号レベルにより変動し得る。そこで、撮像素子の画素配列の周縁部分に設けられたオプティカルブラック(Optial Black:OPB)領域に対応して得られる映像信号(OPB映像信号)を所定の黒レベルにするクランプ処理がなされる。また、その後段に設けられるAGC(Auto Gain Control)回路の出力においても、映像信号の直流レベルがAGC回路のゲインに応じて変動し得る。そのため、AGC回路の後に直流レベルを制御するクランプ回路が設けられる。
【0003】
図6は従来の画像信号処理装置の模式的な回路図である。この装置はアナログ信号処理回路2、デジタル信号処理回路6、ゲイン設定回路8を含んで構成される。アナログ信号処理回路2では、AGC回路20が、CCDイメージセンサからの映像信号に、ゲイン設定回路8により設定されるゲインを与えて映像信号のレベルを制御し、その出力がクランプ回路22でクランプされる。デジタル信号処理回路6では、積分回路24が1画面分の映像信号を積分する。判定回路26は積分結果と所定の基準値とを比較し、その比較結果に基づいてゲイン設定回路8はゲインを増減する。このように、CCDイメージセンサからの映像信号の画面単位の平均レベルが所定の範囲内に収まるようにフィードバック制御される。
【0004】
クランプ回路22は、水平同期信号HDに同期して、OPB映像信号期間内の一定期間、信号線を基準電圧源に接続する。これにより映像信号の直流レベルが所定電位にクランプされ、黒レベルが一定レベルに設定される。クランプ回路22のクランプ時定数は、クランプパルス生成回路28で生成されるクランプパルスCLによって定められる。具体的には、クランプパルス生成回路28は、各回のクランプ動作における基準電圧源から信号線への電流供給量を調節する。例えば、1回のクランプ動作での電流供給量が大きいほど時定数は小さくなり、直流レベルは基準電源の電圧へ向けて速やかに収束する。
【0005】
さて、OPB映像信号はノイズ成分を含み得る。ノイズ成分が重畳した直流レベルをクランプすると、クランプ後の直流レベルがノイズ成分に追従する。すなわち、ノイズ成分の変動の影響を受けて、水平ラインごとにクランプ後の直流レベルが変動することとなり、これは、再生画像にて横引き状のノイズとして観察される。ノイズ成分への追従の影響は、クランプの時定数に依存し、具体的には、クランプの時定数を小さくすると、クランプ後の直流レベルが、クランプ期間中のノイズ成分に追従しやすくなる。つまり、クランプの時定数は、所定レベルへのクランプが比較的多くのラインに亘って達成され横引き状のノイズが軽減されるという観点からは大きく設定することが好ましい。一方、黒レベルの収束ができるだけ速やかに実現されるという観点からは小さく設定することが好ましい。従来は、これらの条件を考慮して、クランプの時定数は、装置の実際の使用状態において好適な再生画像が得られるような一定値に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ノイズ成分への追従の影響は、クランプの時定数だけでなく、ノイズ成分の大きさにも依存する。ここで、増幅回路の出力における映像信号に含まれるノイズ成分の大きさは、その増幅回路のゲインに依存する。従来、この増幅回路の出力側で行われるクランプ処理では、ゲインに応じたノイズ成分の変動を考慮せずにクランプの時定数が設定されていた。そのため、ゲインを大きくした場合に、クランプが不安定となり、横引き状のノイズが生じやすいという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、映像信号の直流レベルのクランプが好適に行われ、良好な画質の画像が得られる画像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像信号処理装置は、一画面単位で連続する映像信号に対して任意のゲインを与える増幅回路と、増幅された映像信号の基準レベルを所定のレベルにクランプするクランプ回路とを備え、前記クランプ回路が、前記映像信号のクランプ時の時定数が前のゲインに応じて可変設定される。
【0009】
本発明によれば、例えば、増幅回路のゲインが大きいほど、時定数が大きく設定される。ゲインに応じた時定数の変化は、連続的でも段階的でもよい。ゲインが大きい場合に、時定数を大きくしてノイズに追従しにくくすることにより、横引き状のノイズの発生が抑制される。直流レベルを所定レベルへシフトさせるクランプ回路の時定数は、そのクランプ能力に依存し、クランプパルス幅を小さくしたり、クランプ電源の供給電流を小さくしてクランプ能力を下げると、時定数は大きくなる。
【0010】
本発明の好適な態様は、前記クランプ回路が、クランプパルスに応答して前記映像信号をクランプし、前記クランプパルスのパルス幅が伸縮制御されて前記クランプの時定数が可変設定される画像信号処理装置である。
【0011】
本発明のさらに好適な態様は、前記増幅回路のゲイン量を示すゲイン値を所定の基準値と比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果に応じて前記クランプパルスのパルス幅を伸縮制御するクランプパルス生成回路とを有する画像信号処理装置である。
【0012】
他の本発明に係る画像信号処理装置は、前記比較回路が、第1の基準値と第2の基準値とを有し、前記第1及び第2の基準値と前記ゲイン値との比較において、ヒステリシス特性を有する。
【0013】
本発明によれば、ゲインに対する時定数の変化にヒステリシス特性が付与される。例えば、第2基準値が第1基準値より大きく設定されるものとする。このとき、ゲインが減少する場合には、例えば、第2基準値の通過時にはクランプパルスのパルス幅は比較的大きいクランプ時定数に対応するそれまでの値を維持し、第1基準値の通過時に、小さい時定数に対応するパルス幅へ切り替わる。一方、ゲインが増加する場合には、例えば、第1基準値の通過時にはパルス幅は小さい時定数に対応するパルス幅を維持し、第2基準値の通過時に大きい時定数に対応するパルス幅へ切り替わる。このヒステリシス特性によって、第1基準値及び第2基準値それぞれの近傍でゲインが変動しても、クランプの時定数の頻繁な切り替わりが防止され、ひいてはそれに起因した画質の頻繁な変化が回避される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態である画像信号処理装置の概略の回路構成を示すブロック図である。この装置は、アナログ信号処理回路50、A/D(Analog−to−Digital)変換回路52、デジタル信号処理回路54、ゲイン設定回路56、クランプ時定数設定回路58を含んで構成される。
【0016】
アナログ信号処理回路50は、AGC回路70、クランプ回路72、D/A(Digital−to−Analog)変換回路74を備える。AGC回路70は、CCDイメージセンサからの映像信号を入力され、その映像信号をゲイン設定回路56から与えられるゲインに応じて増幅する。クランプ回路72は、AGC回路70にて増幅された映像信号の直流レベルをクランプする回路であり、CCD駆動のためのタイミング制御回路(図示せず)で生成される水平同期信号HDに同期して、各水平ラインのOPB映像信号期間においてクランプ動作を行う。そのクランプの時定数は、クランプ時定数設定回路58によって設定される。クランプ回路72は、具体的には、基準電圧源及びこれを映像信号線に接続するスイッチを含んで構成される。クランプ回路72は設定された時定数に応じて、クランプ能力を変更する。
【0017】
クランプ能力は、例えば、スイッチをオンするクランプパルスの幅を制御したり、基準電圧源の電流供給能力を制御することによって変更される。具体的には、クランプパルスの幅を長くしたり、基準電圧源の電流供給能力を上げることにより、1回のクランプ動作で基準電圧源から映像信号線に供給される電流量が増しクランプ能力が増加する。
【0018】
クランプの時定数は基本的にクランプ能力に反比例する。よって、クランプ時定数を変更・設定することはクランプ能力を変更・設定することと基本的に同義である。例えば、設定されたクランプの時定数が小さいほど、クランプ能力が上げられ、黒レベルに相当するOPB映像信号の電位が、速やかに(すなわち、より少ないクランプ回数で)基準電圧源の電圧へ近づく。
【0019】
クランプ回路72にて直流レベルを調整された映像信号は、A/D変換回路52により、デジタル信号に変換され、デジタル信号処理回路54に入力される。
【0020】
デジタル信号処理回路54は、デジタル映像信号を用いて、輝度信号や色差信号の生成処理の他、各種の画像処理を行うように構成することができる。それらのうち、図1には、本画像信号処理装置のゲインのフィードバック制御に関係する積分回路80、判定回路82が示されている。積分回路80は、例えば、1画面分の映像信号の積分値を求める。判定回路82は、積分回路80にて得られた積分値と所定の目標レンジとを比較し、積分値が目標レンジを下回ればゲインを上げるべき旨の判定、積分値が目標レンジを上回ればゲインを下げるべき旨の判定、また積分値が目標レンジ内にあればゲインを現状のまま維持すべき旨の判定を行う。ちなみに、積分回路80で得られた積分値は、上述した各種信号処理の一例として、オートアイリス制御に利用することができる。
【0021】
判定回路82で生成された判定結果は、ゲイン設定回路56に通知される。ゲイン設定回路56は、レジスタ100にAGC回路70に対するゲイン値を予め複数種類格納されており、通知された判定結果に応じて、それらゲイン値のいずれかを読み出して出力する。例えば、ゲイン設定回路56は、レジスタ100の直近に読み出されたアドレスを記憶し、判定結果がゲインを上げる指示である場合には、その記憶しているアドレスに格納されるゲイン値より大きなゲイン値を格納するアドレスを指定し、そのより大きなゲイン値を出力する。反対に、判定結果がゲインを下げる指示である場合には、現在より小さなゲイン値を出力する。また、現状のゲインを維持する指示に対しては、ゲイン値の新たな値を読み出す処理は行わない。
【0022】
ゲイン値はゲイン設定回路56からデジタル値で出力され、D/A変換回路74でアナログ信号に変換される。AGC回路70はこのアナログのゲイン信号に応じて映像信号の増幅を行う。
【0023】
さて、ゲイン設定回路56から出力されたゲインはクランプ時定数設定回路58にも入力される。クランプ時定数設定回路58は、比較回路120、この比較回路120で用いられる基準値を格納するレジスタ122、及びクランプパルス生成回路124を備えている。
【0024】
比較回路120は、レジスタ122から第1及び第2の基準値A,B(A<B)を設定され、これら基準値と入力されたゲイン値Gとの大小を比較し、その比較結果に基づいて2つのクランプ時定数τ1,τ2(τ1<τ2)のいずれかを選択する。ここで、A以下の範囲をRL、Aを超えB以下の範囲をRM、Bを超える範囲をRHと表すことにする。具体的には、比較回路120は、ゲイン値GがRHに属する場合には時定数τ2を選択して出力する。一方、比較回路120は、ゲイン値GがRLに属する場合には時定数τ1を選択して出力する。ゲイン値GがRMに属する場合には、その前に属していた範囲が範囲RLであれば時定数τ1、一方、範囲RHであれば時定数τ2が出力される。こういった具合に、比較回路120は、第1及び第2の基準値A,Bとゲイン値Gとの比較において、ヒステリシス特性を有している。
【0025】
クランプパルス生成回路124は、クランプ回路72のスイッチ素子のオン/オフを制御するクランプパルスCLを生成する。このクランプパルス生成回路124は、比較回路120の比較結果に応じてクランプパルスCLのパルス幅を変更することで、クランプ回路72のクランプ時定数を変更させる。具体的には、比較回路120でクランプ時定数を大きくする旨の判定がなされると、クランプパルスCLのパルス幅を狭くするように動作する。これにより、クランプ回路72内のスイッチ素子がオンする時間が短くなり、この結果、信号線と基準電圧源とが接続される時間が短くなって、クランプ回路72のクランプ能力が低く設定される。一方、比較回路120でクランプ時定数を小さくする旨の判定がなされると、クランプパルスCLのパルス幅を広くするように動作する。これにより、クランプ回路72内のスイッチ素子がオンする時間が長くなり、この結果、信号線と基準電圧源とが接続される時間が長くなって、クランプ回路72のクランプ能力が高く設定される。
【0026】
図2は、本装置の動作の一例を説明するタイミング図であり、複数の垂直走査期間に亘る各種信号が示されている。図において、信号(a)は垂直同期信号VD、信号(b)はAGC回路70に設定されるゲイン値G、信号(c)はAGC回路70の出力信号であるAGC出力信号、信号(d)はクランプ回路72の出力信号であるCLP出力信号、グラフ(e)はクランプ回路72のクランプ能力を表す。なお、上述のようにクランプ能力はクランプの時定数の逆数に比例するので、グラフ(e)から、クランプ時定数設定回路58で求められるクランプの時定数の変化を読みとることができる。
【0027】
垂直同期信号VDに現れる垂直同期パルス140は垂直ブランキング期間(V−BLK)に対応し、その間隔が1画面の垂直走査期間に相当する。積分回路80はこの垂直走査期間に亘ってCLP出力を積分する。そして、その積分値が得られる垂直走査期間の終了タイミングt1〜t7に同期して、判定回路82での判定、及びゲイン設定回路56でのゲイン設定動作が行われる。例えば、積分回路80での積分結果に基づいて、画像が基準より暗いと判定された時刻t1,t2,t4ではゲイン値Gが増加され、一方、画像が基準より明るいと判定された時刻t6,t7ではゲイン値Gが減少される。このゲイン値Gの変更に応じて、AGC出力信号の直流レベルが変動する。これは、図2において、基準黒レベルからの垂直ブランキング期間におけるAGC出力信号レベルのずれ量が、ゲイン値Gが大きいほど増加することに現れている。そして、図2のCLP出力信号では、この直流レベルのずれが、クランプ回路72によって補正され、垂直ブランキング期間の信号レベルが基準黒レベルに合わせられることが示されている。
【0028】
比較回路120は、例えば第1の基準値Aとして“4”、第2の基準値Bとして“2”を設定される。この場合、“0,1”が第1の範囲RL、“2〜4”が第2の範囲RM、“5”が第3の範囲RHとなる。ゲイン値Gは時刻t1以前の値“1”から段々上げられ、時刻t4でのゲイン変更によって、第1の基準値Aを超えて第3の範囲RHに属するようになる。比較回路120はこの過程において、時刻t4までは時定数τ1を出力し、時刻t4以降はτ1より大きな時定数τ2を出力する。すなわち、時刻t4において、クランプ能力が高い状態から低い状態へ切り替えられる(図2(e)参照)。
【0029】
一方、ゲイン値Gは時刻t6以降においては値“5”から段々下げられ、時刻t7でのゲイン変更によって、第2の基準値Bを下回り、第1の範囲RLに属するようになる。比較回路120はこの過程において、時刻t7までは時定数τ2を出力し、時刻t7以降は時定数τ1を出力する。すなわち、時刻t7において、クランプ能力が低い状態から高い状態、すなわち通常の状態へ切り替えられる(図2(e)参照)。
【0030】
また、時刻t1からt2では、ゲイン値Gが第2の基準値Bに等しくなり、第1の範囲RLから第2の範囲RMに移行するようになる。この場合、時刻t1の時定数τ1を維持し、クランプ能力の設定を維持させる。これは、時刻t6からt7への場合で同様であり、ゲイン値Gが第3の範囲RHから第2の範囲RMへ移行するが、時刻t6の時定数τ2を維持する。
【0031】
図3はクランプ能力が高く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図であり、図4はクランプ能力が低く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。また、図5は、本装置に映像信号を入力するCCDイメージセンサの画素配列の模式図である。図5は、CCDイメージセンサの撮像面において、有効画素領域160の周囲にOPB領域162が設けられ、特に撮像面の下部(すなわち1画面の映像信号の先頭に読み出される部分)に例えば5ラインのOPB領域164が設けられている。図3、図4の5HのOPB期間は、OPB領域164に対応する。
【0032】
図3、図4は、それぞれゲイン値Gが変更されたタイミングtsでのAGC出力での直流レベルの変動に起因して、CLP出力信号が、それまで維持されていた基準黒レベルから急に落ち込み、その後、クランプ回路72が各ラインごとにクランプ動作を行うことにより、CLP出力信号の直流レベルが1H期間ごとに徐々に基準黒レベルへ復帰する様子を示している。なお、OPB期間に続く波形は、有効画素領域160のラインに対応する信号波形である。
【0033】
ここで、クランプ能力が高く設定されている状態では、1回のクランプ動作での復帰電位幅ΔV1が大きく、そのため少ない回数(図3に示す例では2回)で速やかに基準黒レベルに復帰することが可能である。一方、クランプ能力が低く設定されている状態では、1回のクランプ動作での復帰電位幅ΔV2が小さく、そのため比較的多い回数(図4に示す例では4回)で基準黒レベルに復帰する。
【0034】
【発明の効果】
本発明の画像信号処理装置によれば、AGC回路等の増幅回路のゲインの切り替え等によって生じる映像信号の直流レベルのずれをクランプする際に、ゲインが比較的大きい場合には、ゲインが比較的小さい場合よりもクランプの時定数が大きく設定される。これにより緩やかにクランプされ、横引き状のノイズが抑制され、良好な画質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である画像信号処理装置の概略の回路構成を示すブロック図である。
【図2】本装置の動作の一例を説明するタイミング図である。
【図3】クランプ能力が高く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。
【図4】クランプ能力が低く設定されている状態でのCLP出力信号の波形の拡大図である。
【図5】本装置に映像信号を入力するCCDイメージセンサの画素配列の模式図である。
【図6】従来の画像信号処理装置の模式的な回路図である。
【符号の説明】
50 アナログ信号処理回路、52 A/D変換回路、54 デジタル信号処理回路、56 ゲイン設定回路、58 クランプ時定数設定回路、70 AGC回路、72 クランプ回路、74 D/A変換回路、80 積分回路、82 判定回路、120 比較回路、124 クランプパルス生成回路。
Claims (4)
- 一画面単位で連続する映像信号に対して任意のゲインを与える増幅回路と、増幅された映像信号の基準レベルを所定のレベルにクランプするクランプ回路と、を備え、
前記クランプ回路は、前記映像信号のクランプ時の時定数が前のゲインに応じて可変設定されること、
を特徴とする画像信号処理装置。 - 請求項1記載の画像信号処理装置において、
前記クランプ回路は、クランプパルスに応答して前記映像信号をクランプし、前記クランプパルスのパルス幅が伸縮制御されて前記クランプの時定数が可変設定されることを特徴とする画像信号処理装置。 - 請求項2記載の画像信号処理装置において、
前記増幅回路のゲイン量を示すゲイン値を所定の基準値と比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に応じて前記クランプパルスのパルス幅を伸縮制御するクランプパルス生成回路と、を有することを特徴とする画像信号処理装置。 - 請求項3記載の画像信号処理装置において、
前記比較回路は、第1の基準値と第2の基準値とを有し、
前記第1及び第2の基準値と前記ゲイン値との比較において、ヒステリシス特性を有すること、
を特徴とする画像信号処理装置。
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